JP5169102B2 - プラットフォーム型icカード、プラットフォーム型icカード用プログラム - Google Patents
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特許文献1のICカードは、ICカードのOS上に複数のアプリケーションやデータを記憶させたり、削除させたりすることができるプラットフォーム型ICカードであり、ICカードの利便性を向上させている。このようなICカードは、ICカード発行時にアプリケーションやデータを記憶している場合もあれば、ユーザなどからの求めに応じて発行後にアプリケーションなどを追加する場合もある。そのため、ICカードの記憶部の記憶容量は、使用しているアプリケーションの容量だけでなく、今後使用されると予測されるアプリケーションなどの容量までも見越した上で設定されている。
請求項1の発明は、複数のアプリケーション及び/又はデータが記憶可能な記憶部(14)を有したプラットフォーム型ICカード(10)であって、追加予定のアプリケーション及び/又はデータの使用領域を確保する擬似データを前記記憶部(14)の所定の記憶領域に保存する擬似データ保存部(11a)と、前記追加予定のアプリケーション及び/又はデータを追加するときに、前記擬似データ保存部(11a)によって保存された前記擬似データを消去する擬似データ消去部(11b)と、前記擬似データを削除する消去コマンドをリーダライタから受信する通信部とを備え、前記擬似データ消去部は、前記擬似データの消去作業回数のカウント値を管理し、前記通信部により前記消去コマンドを受信した場合に、前記消去作業回数のカウント値と、前記消去コマンドに含まれるカウント値とを比較して、一致した場合に消去作業を実行すること、を特徴とするプラットフォーム型ICカード(10)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のプラットフォーム型ICカード(10)において、前記擬似データ消去部(11b)は、前記擬似データ保存部(11a)によって保存した前記擬似データの一部を消去可能であること、を特徴とするプラットフォーム型ICカード(10)である。
(1)プラットフォーム型ICカードの記憶部に擬似データを保存するので、プラットフォーム型ICカードの運用によって記憶部の空き領域が減少しても、アプリケーションなどを追加する記憶領域を確保しておくことができ、アプリケーションなどの追加時に記憶容量不足が発生するのを防止することができる。
(2)記憶部に保存した擬似データを消去することができるので、擬似データを保存していた記憶領域を開放することができ、プラットフォーム型ICカードにアプリケーションなどを追加することができる。
(3)記憶部に保存された擬似データの一部が消去可能であるので、追加するアプリケーションなどの容量に応じて擬似データを消去することができ、また、残った擬似データの記憶領域でさらに追加が予測されるアプリケーションなどの容量を確保しておくことができる。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態をあげてさらに詳しく説明する。
図1は、本発明によるプラットフォーム型ICカードの実施形態であるICカードの模式図である。図2は、リーダライタから送信される署名された消去コマンドの形態の一例を示す図である。
擬似データ保存部11aは、カード製造会社が銀行にICカード10を供給するときに、ICカード10に対して追加すると予測されるアプリケーションやデータの使用領域の容量と同等の容量を有したデータを擬似データとしてEEPROM14に保存することができる。具体的には、擬似データ保存部11aは、ICカード10を製造したときに、不図示のICカード発行機によって擬似データを保存する。
ここで、不図示のリーダライタから送信される消去コマンドは、図2に示すように、コマンドヘッダ、カウンタ値及び消去容量情報と、これらと秘密鍵によって作成された署名によって構成されている。擬似データ消去部11bは、消去コマンドの秘密鍵に対応した公開鍵を有しており、受信した消去コマンドの署名を公開鍵によって検証する。
また、EEPROM14に保存される擬似データには、擬似データ保存部11a及び擬似データ消去部11bを動作させるプログラムも含まれており、EEPROM14の記憶領域から擬似データを全て削除するときは、このプログラムも消去される。
ROM13は、ICカード10のOSなど記憶した読み出し専用の不揮発性メモリである。
EEPROM14は、書き換え自在な不揮発性メモリであり、上述したように、ICカード10の製造時に擬似データ保存部11a及び擬似データ消去部11bが記憶されている。また、EEPROM14には、必要に応じてICカード10のOS上で動作するアプリケーションなども記憶される。
通信部15は、不図示のリーダライタと通信を行い、擬似データ消去部11bによる擬似データの消去作業時の消去コマンドなどを受信したり、受信したコマンドに対する応答を送信したりする送受信部である。
(1)ICカード10のEEPROM14に擬似データを保存するので、ICカード10内のアプリケーションAの使用領域の容量が増大しても、アプリケーションBを記憶する領域を確保しておくことができ、アプリケーションなどの追加時に記憶容量不足が発生するのを防止することができる。
(2)EEPROM14に保存した擬似データを消去することができるので、擬似データを保存していた記憶容量を開放することができ、ICカード10にアプリケーションBを追加することができる。
(4)擬似データ消去部11bは、擬似データの消去作業回数を管理する消去カウンタのカウント値と、消去コマンドに含まれるカウント値とを比較し、一致した場合のみ消去作業を実行しているので、同一の消去コマンドを複数回、ICカード10に対して送信し、擬似データの領域が不正に多く消去されるのを防止することができる。
以上、説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態では、擬似データの保存領域のうち10KBのみを削除していたが、追加するアプリケーションの使用容量によっては、EEPROM14から擬似データを全て消去してもよい。この場合、擬似データに含まれる擬似データ保存部11a及び擬似データ消去部11bを動作させるプログラムも消去されるので、そのプログラムの記憶領域はOS自体が消去作業を実施する。
また、複数のアプリケーションが追加されると予測されるのであれば、その複数のアプリケーションの総容量を擬似データとして、EEPROM14に保存させてもよい。
(2)本実施形態では、アプリケーションBがEEPROM14に追加されたが、追加されるものはアプリケーションに限られず、データなどが追加されてもよい。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は、以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
11 CPU
11a 擬似データ保存部
11b 擬似データ消去部
12 RAM
13 ROM
14 EEPROM
15 通信部
Claims (3)
- 複数のアプリケーション及び/又はデータが記憶可能な記憶部を有したプラットフォーム型ICカードであって、
追加予定のアプリケーション及び/又はデータの使用領域を確保する擬似データを前記記憶部の所定の記憶領域に保存する擬似データ保存部と、
前記追加予定のアプリケーション及び/又はデータを追加するときに、前記擬似データ保存部によって保存された前記擬似データを消去する擬似データ消去部と、
前記擬似データを削除する消去コマンドをリーダライタから受信する通信部とを備え、
前記擬似データ消去部は、前記擬似データの消去作業回数のカウント値を管理し、前記通信部により前記消去コマンドを受信した場合に、前記消去作業回数のカウント値と、前記消去コマンドに含まれるカウント値とを比較して、一致した場合に消去作業を実行すること、
を特徴とするプラットフォーム型ICカード。 - 請求項1に記載のプラットフォーム型ICカードにおいて、
前記擬似データ消去部は、前記擬似データ保存部によって保存した前記擬似データの一部を消去可能であること、
を特徴とするプラットフォーム型ICカード。 - 複数のアプリケーション及び/又はデータが記憶可能な記憶部を有したプラットフォーム型ICカードに、
追加予定のアプリケーション及び/又はデータの使用領域を確保する擬似データを前記記憶部の所定の記憶領域に保存する擬似データ保存手順と、
前記追加予定のアプリケーション及び/又はデータを追加するときに、前記擬似データ保存手順によって保存された前記擬似データを消去する擬似データ消去手順と、
前記擬似データを削除する消去コマンドをリーダライタから受信する通信手順とを実行させ、
前記擬似データ消去手順は、前記擬似データの消去作業回数のカウント値を管理し、前記通信手順により前記消去コマンドを受信した場合に、前記消去作業回数のカウント値と、前記消去コマンドに含まれるカウント値とを比較して、一致した場合に消去作業を実行させること、
を特徴とするプラットフォーム型ICカード用プログラム。
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