JP5166618B2 - マルチチャネル信号符号化方法、それを使った符号化装置、その方法によるプログラムとその記録媒体 - Google Patents

マルチチャネル信号符号化方法、それを使った符号化装置、その方法によるプログラムとその記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、マルチチャネルオーディオ信号の圧縮符号化方法、その装置、その方法をコンピュータで実施するプログラムとその記録媒体に関するものである。
従来のマルチチャネル信号の圧縮符号化では非特許文献1に示されているように、それぞれのチャネルに閉じた線形予測残差信号の基準値(エネルギーなど)を最小化するように、例えばレビンソン・ダービン等により線形予測分析が行われ、分析により求められた線形予測係数aj(i=0, 1, …, P), (a0=1)を用いたフィルタを通して得られる残差信号に
対して重み付き減算処理を行っていた。その符号化装置の概念を図1に示す。図1では左チャネル信号及び右チャネル信号がそれぞれ線形予測分析されてそれぞれの残差信号が生成され、一方の残差信号を符号化すると共に、それら2つの残差信号を重み付き減算し、減算結果を符号化している。ただし、ここでの線形予測係数はPARCOR係数に変換されたり、量子化されたりしたものを、逆変換したものも含み、各チャネル毎にNサンプルのフレーム毎に処理されるとする。例えば、左チャネルの入力信号をxL(n)(n=1, 2, …, N)、残差信号をeL(n)(n=1, 2, …, N)、PL次の予測係数をai L(i=1, 2, …, PL)、右チャネルの
入力信号をxR(n)(n=1, 2, …, N)、残差信号をeR(n)(n=1, 2, …, N)、PR次の予測係数をai R(i=1, 2, …, PR)とすると、それぞれのチャネルの残差信号は、
Figure 0005166618
と表すことができる。ただし、a0 L=1, a0 R=1とする。これまでの方法では、予測係数ai L,
ai RはNサンプルのフレーム毎に次式
Figure 0005166618
で表されるそれぞれのチャネルの残差信号エネルギーを一例とする基準値を最小にするように決められていた。ここで求められた基準値の小さいチャネルを親チャネル(引くチャネル)、大きいチャネルを子チャネル(引かれるチャネル)として減算処理
Figure 0005166618
を行って重み付き差分信号を求め、これを子チャネルの残差信号の代わりに符号化対象と
する。この方法によって、残差信号そのものを符号化の対象とする場合よりも、子チャネルの基準値を減少させることにより、符号量を減少させていた。ここで、重み係数γは、例えば、減算処理後のエネルギー
Figure 0005166618
として求める。
非特許文献1に記述されている従来技術での、具体的な手順を図2を用いて説明する。ここでは親チャネルをRチャネル、子チャネルをLチャネルとする。
線形予測分析部11Rは入力された親チャネル原信号xR(n)を従来の線形予測分析方法
(レビンソン・ダービン等)により線形予測分析し、予測係数ai R(i=1, 2, …, PR)を得
る。変換部12Rは予測係数ai R(i=1, 2, …, PR)をPARCOR係数ki R(i=1, 2, …, PR)に変換する。量子化部13Rは入力されたPARCOR係数ki R(i=1, 2, …, PR)を切捨て切り上げ
量子化し、量子化済PARCOR係数^ki R(i=1, 2, …, PR)を出力する。逆変換部14Rは入力された量子化済PARCOR係数^ki R(i=1, 2, …, PR)を量子化済予測係数^ai R(i=1, 2, …, PR)に逆変換する。線形予測フィルタ21Rは量子化済予測係数^ai R(i=1, 2, …, PR)をフィルタ係数として、入力された親チャネル原信号xR(n)を次式
Figure 0005166618
でフィルタリングし予測残差eR(n)を得る。ただし^a0 R=1とする。残差符号化部22Rは
予測残差eR(n)を例えばエントロピー符号化し残差符号Ce Rを出力する。係数符号化部23Rは量子化済PARCOR係数^ki R(i=1, 2, …, PR)を例えばエントロピー符号化し係数符号Ck Rを出力する。符号合成部24Rは残差符号Ce Rと係数符号Ck Rを合成し、親チャネル合成
符号Cg Rを出力する。符号の合成は、単に符号の結合でよい。
線形予測分析部31Lは入力された子チャネル原信号xL(n)を従来の線形予測分析方法
(レビンソン・ダービン等)により線形予測分析し、予測係数ai L(i=1, 2, …, PL)を得
る。変換部32Lは予測係数ai L(i=1, 2, …, PL)をPARCOR係数ki L(i=1, 2, …, PL)に変換する。量子化部33Lは入力されたPARCOR係数ki L(i=1, 2, …, PL)を量子化し、量子
化済PARCOR係数^ki L(i=1, 2, …, PL)を出力する。逆変換部34Lは入力された量子化済PARCOR係数^ki L(i=1, 2, …, PL)を量子化済予測係数^ai L(i=1, 2, …, PL)に逆変換する。線形予測フィルタ41Lは量子化済予測係数^ai L(i=1, 2, …, PL)をフィルタ係数として、入力された親チャネル原信号xL(n)を以下の式でフィルタリングし予測残差eL(n)を得る。ただし^a0 L=1とする。
Figure 0005166618
残差符号化部42Lは予測残差eL(n)を符号化し残差符号Ce Lを出力する。係数符号化部43Lは量子化済PARCOR係数^ki L(i=1, 2, …, PL)を符号化し係数符号Ck Lを出力する。符
号合成部44Lは残差符号Ce Lと係数符号Ck Lを合成し、通常子チャネル合成符号Cg Lを出
力する。
重み計算部51は予測残差eR(n)と予測残差eL(n)を用いて以下の式から重み係数γを求める。
Figure 0005166618
重み量子化部52は重み係数γを量子化し、量子化済重み係数^γを得る。重み付き減算
処理部53は、予測残差eR(n)と予測残差eL(n)と量子化済重み係数^γを用いて以下の式
より、差信号~eM(n)を得る。
Figure 0005166618
残差符号化部61Mは残差差分信号~eM(n)を符号化し残差符号Ce Mを出力する。重み符
号化部62Mは量子化済重み係数^γを符号化し重み符号Cw Mを出力する。符号合成部63Mは残差符号Ce Mと重み符号Cw Mと係数符号化部43Lで求めた係数符号Ck Lを合成し、減
算子チャネル合成符号Cg Mを出力する。
符号量比較部71は、通常子チャネル合成符号Cg Lと減算子チヤネル合成符号Cg Mの符号量を比較し、少ないほうを子チャネル符号として出力する。これが従来法である。
特開2005-115267号公報
鎌本優,守谷健弘,西本卓也,嵯峨山茂樹,"チャネル間相関を用いた多チャネル信号の可逆圧縮符号化",情報処理学会論文誌(Vol.46, No.5, pp.1118-1128)
従来技術では、2チャネル以上の入力であっても、それぞれのチャネル毎に例えば式(3), (4)で表される線形予測残差のエネルギーが小さくなるように求めた線形予測係数を用いて線形予測分析を行っていた。しかしながら、子チャネルにおいて符号化の対象となる、式(10)に示した残差差分信号についてはエネルギーが最小となっているわけではなく、残差差分信号をエントロピー符号化した際の符号量は必ずしも少なくできず、効率の良い符号化を行っているとはいえなかった。
この発明の目的は、従来より効率のよい符号化が可能なマルチチャネル信号符号化方法、その装置、その方法によるプログラムとそれを記録する記録媒体を提供することである。
この発明の一態様によれば、複数サンプルで構成されるフレーム毎に入力された複数チャネルの信号に対応する符号を生成するマルチチャネル符号化方法は、
少なくとも1つのチャネル、以下第1チャネルと呼ぶ、の信号を線形予測分析して第1チャネル線形予測係数と第1チャネル残差信号を生成する第1チャネル線形予測分析ステップと、
上記第1チャネル以外の少なくとも1つのチャネル、以下第2チャネルと呼ぶ、の信号からその残差信号と上記第1チャネル残差信号の差分の基準値が最小となるように第2チャネル線形予測係数を求め、その第2チャネル線形予測係数に基づいて上記第2チャネル信号の残差信号を第2チャネル残差信号として生成するチャネル間相関を利用した線形予測分析ステップと、
上記第1チャネル残差信号と上記第2チャネル残差信号間の重み付き減算処理により残差差分信号を生成する重み付き減算ステップと、
上記第1チャネル線形予測係数に対応するPARCOR係数と上記第1チャネル残差信号を符号化して第1チャネル符号を出力し、少なくとも上記第2チャネル線形予測係数に対応するPARCOR係数と上記残差差分信号を符号化して第2チャネル符号を出力する符号化ステップと、
上記第2チャネル信号を線形予測分析して第2チャネル第2線形予測係数と第2チャネル第2残差信号とを生成する第2チャネル線形予測分析ステップと、
上記第2チャネル第2残差信号と上記第2チャネル第2線形予測係数に対応するPARCOR係数とを符号化して第2チャネル第2符号を出力する第2チャネル第2符号化ステップと、
上記第2チャネル線形予測係数に対応するPARCOR係数の少なくとも1つの絶対値が所定値以上の場合は上記第2チャネル第2符号を出力し、そうでない場合は上記第2チャネル符号を出力する符号選択ステップと、
を含む。
上記第2チャネル信号を線形予測分析して第2チャネル第2線形予測係数と第2チャネル第2残差信号とを生成する第2チャネル線形予測分析ステップと、
上記第2チャネル第2残差信号と上記第2チャネル第2線形予測係数に対応するPARCOR係数とを符号化して第2チャネル第2符号を出力する第2チャネル第2符号化ステップと、
上記第2チャネル線形予測係数に対応するPARCOR係数の少なくとも1つの絶対値が所定値以上の場合は上記第2チャネル第2符号を出力し、そうでない場合は上記第2チャネル符号を出力する符号選択ステップと、
を含む。
本発明によれば、子チャネル残差信号が親チャネル残差信号に近づくように子チャネルの線形予測係数を決めるので、残差差分信号の基準値を従来より小さくすることが可能であり、従って、子チャネルの符号量が少ない、より効率の良い符号化が可能となる。
従来のマルチチャネル符号化の概念を示すブロック図。 従来のマルチチャネル符号化装置の例を示すブロック図。 この発明によるマルチチャネル符号化方法の基本的な処理手順を示すフロー図。 この発明によるマルチチャネル符号化装置の実施例1を示すブロック図。 この発明の実施例1の変形実施例3を示すブロック図。 図4における左右チャネル信号を入れ替えた処理を示すブロック図。 図4と図6による変形実施例4を示すブロック図。 実施例1の変形実施例5を示すブロック図。 実施例1の変形実施例6を示すブロック図。 近似による実施例1を示すブロック図。 近似による実施例1の変形実施例を示す図。 近似による実施例1の他の変形例を示すブロック図。 近似による実施例2を示すブロック図。 近似による実施例2の変形例を示すブロック図。 この発明の効果を示すグラフ。
発明の原理
この発明によれば、合計の基準値(言い換えれば実際に符号化される信号の基準値)、例えば親チャネルの残差信号エネルギー基準と、減算処理後の子チャネル残差信号エネルギー基準の合計
Figure 0005166618
が最小となるように、子チャネル残差信号を求めるための線形予測係数を決める。つまり、子チャネルの残差信号が親チャネルの残差信号に似るように線形予測係数を計算すればよい。
子チャネルの線形予測係数の計算方法例
親チャネルの残差信号と子チャネルの残差信号とを用いて子チャネルの重み付き残差信号を求める処理は、実際には式(5)又は(10)に示した1タップの減算処理ではなく複数タップの減算処理が行われることもあるが(特許文献1)、ここでは分かりやすく説明にするため1タップの減算処理を用いる。また、説明のため、減算処理の親となるRチャネルの線形予測係数は固定のままとし、チャネル数も2とする。そしてLチャネルを減算処理の子チャネルとし、Lチャネルの線形予測係数を本発明で採用した新たな手法で計算する。このような条件のもとでは、サンプル数がNのときの2チャネル合計のエネルギーは、
Figure 0005166618
である。ここで、重み係数γは前述のように減算処理後のエネルギーが最小となるように、
Figure 0005166618
となる。本発明では、この式(13)が最小となるように、式(13)の各次数の線形予測係数での偏微分∂Etotal/∂ai Lが0となる線形予測係数を求める(ただし、i=1, 2, …, PL)。式(13)を子チャネル側の予測係数ai Lで偏微分すると式(13)中のERの項は0とな
るので、結局第2項と第3項の和が最小となるような線形予測係数を求めることになる。即ち、式(11)において子チャネル残差信号eL(n)を親チャネル残差信号eR(n)に近づけるような線形予測係数を決めることになる。ここで、子チャネル信号の自己相関R(τ)と、親
チャネルの残差信号と子チャネル信号間の相互相関C(τ)を次式
Figure 0005166618
で表し、式(13)を最小化する線形予測係数ak Lを決めるために、式(13)を係数ai L(i=1, 2, …, PL)で偏微分すると、
Figure 0005166618
となる。∂Etotal/∂ai L=0(i=1, 2, …, PL)及びa0 L=1とおくと、
Figure 0005166618
となる。式(17)を線形予測係数ai L(i=1, 2, …, PL)に関して解くと、
Figure 0005166618
となる。式(18)を解くことにより、Etotalが最小となる子チャネルの線形予測係数ai L(i=1, 2, …, PL)を求めることができる。この方程式の型はコレスキー分解などの周知のアルゴリズムを用いて解くことができる。
式(18)の行列の各要素に入っている相互相関C(τ)の項がこの発明により導入されたも
のであり、これに対し各チャネルごとに残差信号エネルギーが最小となるように予測係数を決める従来の方法ではこのような相互相関C(τ)の項は入らず、自己相関R(τ)の項のみで表される。このようにして決められた線形予測係数ai L(i=1, 2, …, PL)を使って式(
7)により子チャネル信号の残差信号を求め、更に式(9)の重み係数γを求めて式(10)の重み付き減算処理を行うことにより従来より圧縮効率の高い符号化が可能となる。なお、親チャネルの線形予測係数ai R(i=1, 2, …, PR)は従来と同様に、親チャネル信号の残差信号エネルギー、即ち式(4)を最小化するように決めればよい。
本発明によるマルチチャネル符号化の基本的手順
図3はこの発明によるマルチチャネル信号の基本的な符号化処理手順の例を示す。
この発明では、マルチチャネル入力信号を符号化する場合、どのチャネル信号が親チャネル信号、また子チャネル信号として入力されるか予め決められている場合もあるし、あるいは、この符号化装置において決める場合もある(親子の決め方の詳細は非特許文献1参照)。例えばここでは右チャネル信号が親チャネル信号として入力され、左チャネル信号が子チャネル信号として入力されたとする。まず、親チャネル信号の残差信号を例えば式(2)により求める(ステップS1)。得られた親チャネル残差信号に対し、子チャネル残差信号との差分信号の基準値、例えばエネルギーが最小となるように子チャネル用の線形予測係数を決める(ステップS2)。これは、具体的には式(18)を解くことによって得られる。得られた予測係数を使って子チャネル信号の残差信号を生成する(ステップS3)。親チャネル残差信号と子チャネル残差信号の重み付き減算処理により残差差分信号を生成する(ステップS4)。親チャネルの予測係数、親チャネル残差信号、子チャネル予測係数、残差差分信号、重み係数をそれぞれ符号化する(ステップS5)。
実施例1
図4はこの発明をステレオ信号の符号化に適用した場合の符号化装置のブロック図を示す。図2の従来技術の構成と異なる点は、図2における子チャネル線形予測分析部31Lの代わりにチャネル間相関を利用した線形予測分析部54Mが設けられ、残差符号化部42L、符号合成部44L、符号量比較部71に対応するものが設けられていないことである。また、図2における子チャネルの変換部32L、量子化部33L、逆変換部34L、線形予測フィルタ41L、係数符号化部43Lは、それぞれ図4における同様の構成部55M〜58M,64Mに置き換えられている。
図4における線形予測分析部11R、変換部12R、量子化部13R、逆変換部14R、線形予測フィルタ21Rを含む構成は、請求項18における第1チャネル線形予測分析手段に対応する。図4におけるチャネル間相関を利用した線形予測分析部54M、変換部55M、量子化部56M、逆変換部57M、線形予測フィルタ58Mを含む構成は、請求項18におけるチャネル間相関を利用した線形予測分析手段に対応する。図4における重み計算部51、重み量子化部52、重み付き減算処理部53を含む構成は、請求項18における重み付き減算手段に対応する。図4における残差符号化部22R、係数符号化部23R、符号合成部24Rを含む構成は、請求項18における第1チャネル符号化手段に対応する。図4における残差符号化部61M、重み符号化部62M、符号合成部63M、係数符号化部64を含む構成は、請求項18における第2チャネル符号化手段に対応する。これらの対応関係は以下の各実施例においても当てはまる。
あるフレーム(Nサンプル)の右チャネルの原信号をxR(n)(n=1, 2, …, N)、左チャネルの原信号をxL(n)(n=1, 2, …, N)とする。ここでは、右チャネルを親チャネル、左チャネルを子チャネルとする。
線形予測分析部11Rは入力された親チャネル信号xR(n)を従来の線形予測分析方法(
レビンソン・ダービン等)により線形予測分析し、予測係数ai R(i=1, 2, …, P)を得る。変換部12Rは予測係数ai R(i=1, 2, …, P)をPARCOR係数ki R(i=1, 2, …, P)に変換する。量子化部13Rは入力されたPARCOR係数ki R(i=1, 2, …, P)を量子化し、量子化済PARCOR係数^ki R(i=1, 2, …, P)を出力する。逆変換部14Rは入力された量子化
済PARCOR係数^ki R(i=1, 2, …, P)を量子化済予測係数^ai R(i=1, 2, …, P)に逆変換する。線形予測フィルタ21Rは量子化済予測係数^ai R(i=1, 2, …, P)をフィルタ係
数として、入力された親チャネル原信号xR(n)を次式でフィルタリングし予測残差eR(n)を得る。ただし^a0 R=1とする。
Figure 0005166618
残差符号化部22Rは予測残差eR(n)を符号化し残差符号Ce Rを出力する。係数符号化部23Rは量子化済PARCOR係数^ki R(i=1, 2, …, P)を符号化し係数符号Ck Rを出力する。符号合成部24Rは残差符号Ce Rと係数符号Ck Rを合成し、親チャネル合成符号Cg Rを出力す
る。
チャネル間相関を利用した線形予測分析部54Mは以下のStep1からStep3を行う。
Step1:入力された子チャネル信号xL(n)より式(14)を用いてPM次までの自己相関R(τ)(τ=0, 1, …, PM)を計算する。
Step2:入力された子チャネル信号xL(n)と予測残差eR(n)より式(15)を用いてPM次までの
相互相関C(τ)(τ=0, 1, …, PM)を計算する。
Step3:Step1で得られたR(τ)(τ=0, 1, …, PM)とStep2で得られたC(τ)(τ=0, 1, …, PM)を用いて、次式により相互相関を考慮した予測係数ai M(i=1, 2, …, P)を求める。
Figure 0005166618
変換部55Mは予測係数ai M(i=1, 2, …, PM)をPARCOR係数ki M(i=1, 2, …, P)に変
換する。量子化部56Mは入力されたPARCOR係数ki M(i=1, 2, …, PM)を量子化し、量子
化済PARCOR係数^ki M(i=1, 2, …, PM)を出力する。逆変換部57Mは入力された量子化済PARCOR係数^ki M(i=1, 2, …, PM)を量子化済予測係数^ai M(i=1, 2, …, PM)に逆変換する。線形予測フィルタ58Mは量子化済予測係数^ai M(i=1, 2, …, PM)をフィルタ係数として、入力された子チャネル信号xL(n)を以下の式でフィルタリングし予測残差eM(n)を得る。ただし^a0 M=1とする。
Figure 0005166618
重み計算部51は親チャネルの予測残差eR(n)と相互相関を考慮した予測残差eM(n)を用いて以下の式から重み係数γを求める。
Figure 0005166618
重み量子化部52は重み係数γを量子化し、量子化済重み係数^γを得る。重み付き減算
処理部53は、予測残差eR(n)、eM(n)と量子化済重み係数^γを用いて以下の式より、残
差差分信号~eM(n)を得る。
Figure 0005166618
残差符号化部61Mは残差差分信号~eM(n)を符号化し残差符号Ce Mを出力する。係数符
号化部64Mは量子化済PARCOR係数^ki M(i=1, 2, …, PM)を符号化し係数符号Ck Mを出力
する。重み符号化部62Mは量子化済重み係数^γを符号化し重み符号Cw Mを出力する。符号合成部63Mは残差符号Ce Mと重み符号Cw Mと係数符号Ck Mを合成し、子チャネル合成符
号Cg Mを出力する。
この発明において、相互相関を考慮して線形予測係数を求めるとは、式(18’)において行列及び逆行列の中の少なくともいずれか1つの要素に相互相関C(τ)が導入されている
ということである。式(18’)において、相互相関C(τ)の小さいものは0に近似しても良
い。例えば相互相関C(0), C(1), C(2)は大きい値となることが期待される場合は、C(1)2,
C(1)C(2), C(2)2, C(0)C(1), C(0)C(2)等を含む項をそのまま残し、それ以外の相互相関を含む項を0としても良い。
変形実施例1
重み付き減算処理部53の処理としては、例えば、複数タップの重み付き減算処理や時間差を考慮した複数タップの重み付き減算処理を行うことが知られている(特許文献1)。この発明においても、式(11)において複数タップ(j=-1, 0, 1)の重み付き減算処理後の信号、
Figure 0005166618
や時間差(サンプル数間隔τ)を考慮した複数タップの重み付き減算処理後の信号、
Figure 0005166618
が最小となるように予測係数を求めてもよい。
このように複数タップの重み付き減算処理によれば、子チャネル残差信号を親チャネル残差信号により近づけるように制御することができるので、それだけ符号量を減らすことができる。例えば、左右チャネル信号の音源位置が中央から一方の側にずれている場合でも、音源から2つのマイクロホンへの到達時間差に応じたタップ位置での重みを制御できるので、その結果符号の圧縮率を向上させることができる。
変形実施例2
式(18')を以下のように変形して、共分散法のように解いてもよい。ただしここで、式(14)の自己相関を次式
Figure 0005166618
この変形実施例2の方法によれば、演算量が実施例1の場合より大となるが、分析精度は高くなる利点がある。
変形実施例3
図4の実施例では、親子関係が決定済みの場合を例として挙げたが、一度それぞれの予測残差を求めて、エネルギーの小さい方を親チャネルとして分析を行ってもよい。その変形実施例を図5に示す。この変形実施例は、図4の構成に対し、図2と同様の線形予測分
析部31L、変換部32L、量子化部33L、逆変換部34L、線形予測フィルタ41Lが追加され(これらを含む構成は請求項19における第2チャネル第2線形予測分析手段に対応する)、左チャネル信号に対し同様の処理を行なって残差信号eL(n)を得る。更に
、比較部45Lと入力切替部2が設けられる。親チャネル側の線形予測フィルタ21Rからの残差信号eR(n)のエネルギーと子チャネル残差信号eL(n)のエネルギーを例えば式(4)、(3)により計算し、小さい方のチャネルの入力信号を親チャネル信号、大きい方のチャネルの入力信号を子チャネル信号と決定し、それに従って入力切替部2を切り替え制御する。以下の処理は図4と同様である。なお、比較部45Lによる比較は、残差信号のエネルギーの比較を行う場合を示したが、絶対値の和や符号量の比較を用いてもよい。
変形実施例4
図4の実施例において得られる符号の符号量と、図4における右チャネル信号xR(n)を
子チャネルの入力とし、左チャネル信号xL(n)を親チャネルの入力として(即ち親子関係
を逆にして)図6に示すように再度符号化を行い、図4の場合の符号量と比較しての少ない方を出力としてもよい。例えば、図7に示すように、図4(又は図6)の構成で示される符号化装置をこの変形実施例の符号化部3とし、符号化部3の入力側に入力切替部2を設け、出力側に選択出力部4を設ける。選択出力部4には符号化部3を構成する図4(又は図6)の符号合成部24R,63Mからの符号の組を保持する記憶部4A,4Bと、それらの記憶部4A,4Bに保持された符号の組の符号量を計算し、どちらが小であるか判定する符号量比較部4Cと、小さいと判定されたほうの符号の組を選択出力する選択部4Dとが設けられている。
まず、入力切替部2により右チャネル信号を親チャネル信号、左チャネル信号を子チャネル信号として符号化部3に入力し、図4に示すように符号化処理を行なう。出力符号Cg R, Cg Mは例えば記憶部4Aに保持する。
次に、入力切替部2を切り替えて右チャネル信号を親チャネル信号、右チャネル信号を子チャネル信号として符号化部3に入力し、図6に示すように符号化処理(LとRを逆にした処理)を行なう。図4における信号または符号を表す記号に使用されているMは図6の処理においてM2に変えてある。また図4における記号γはγ2に変えてある。図6の
符号化処理による出力符号Cg L, Cg M2は記憶部4Bに保持される。
符号量比較部4Cにより記憶部4Aに保持されている符号Cg R+Cg Mと記憶部4Bに保持
されている符号Cg L+Cg M2の符号量をそれぞれ計算し、符号量が少ないほうを選択出力部4Dにより選択し、選択した符号の組と、何れのチャネルが親チャネル(又は子チャネル)であるかを表す情報CCとを出力する。
この方法によれば、右チャネル残差信号のエネルギーと右チャネル残差信号エネルギーを比較して親チャネル、子チャネルを決定する場合より、より効率の高い符号化が可能となる。
変形実施例5
子チャネルに関しては、通常の線形予測分析を行って求めた係数符号Ck Lと残差符号Ce Lとを合成して得たCg Lと、図4の実施例で求めたCg Mの符号量を符号量比較部で比較して少ない方を出力しても良い。その変形実施例を図8に示す。この変形実施例は、図4の実施例に対し、図2と同様の線形予測分析部31L、変換部32L、量子化部33L、逆変換部34L、線形予測フィルタ41L、残差符号化部42L、係数符号化部43L、符号合成部44L、符号量比較部71が追加され、図2の場合と同様の処理を行なう。
図8おける線形予測分析部31L、変換部32L、量子化部33L、逆変換部34L、
線形予測フィルタ41Lを含む構成は、請求項21における第2チャネル線形予測分析手段に対応する。図8における残差符号化部42L、係数符号化部43L、符号合成部44Lを含む構成は、請求項21における第2チャネル第2符号化手段に対応する。
符号合成部44Lからの合成符号Cg Lと符号合成部63Mからの合成符号Cg Mが符号量比較部71に与えられてそれらの符号量が比較され、少ない方の合成符号を選択してどちらを選択したかを表す情報と共に子チャネルの符号として出力する。この実施例によれば、減算処理を行わないほうが符号量が少ない場合には、通常の線形予測分析の結果を用いることになるので、従来法と比べて圧縮率が悪化することは常にない。
変形実施例6
図4の実施例において、変換部55Mにより生成されたPARCOR係数ki Mに絶対値が1以
上のものがあると、それらの係数を逆変換して得た線形予測係数ai Mによる線形予測フィ
ルタ58Mの動作が不安定になる場合がある。そこで、図8の変形実施例において、符号量比較部71で合成符号Cg LとCg Mの符号量を比較して少ない方を出力する代わりに、変換部55Mで得られたPARCOR係数に依存してどちらを選択するかを決めてもよい。その例を図9に示す。図9の変形実施事例は、図8の変形実施例において符号量比較部71の代わりに符号選択部72を設けたものである。
図9おける線形予測分析部31L、変換部32L、量子化部33L、逆変換部34L、線形予測フィルタ41Lを含む構成は、請求項22における第2チャネル線形予測分析手段に対応する。図9における残差符号化部42L、係数符号化部43L、符号合成部44Lを含む構成は、請求項22における第2チャネル第2符号化手段に対応する。
符号選択部72は変換部55Mにより得られたPM個のPARCOR係数ki M(i=1, 2, …, PM)
の、いずれか少なくとも1つの係数の絶対値が閾値(例えば1)以上の場合は従来と同様の合成符号Cg Lを、そうでない場合は合成符号Cg Mを子チャネル符号として出力する。前者を選択した場合は、量子化部56M,逆変換部57M,線形予測フィルタ58M、残差符号化部61M、重み符号化部62M、符号合成部63M、係数符号化部64M等の処理を行う必要がないので、処理量を減らすことができる。
近似による実施例1
図10は図4の実施例におけるチャネル間相関を利用した線形予測分析部54Mによる式(18')の計算を、前のフレームの重み係数γ0を用いて次式により近似計算する場合の実施例を示す。
Figure 0005166618
この近似式から、線形予測係数ai M(i=1, 2, …, PM)を求める。
図10を用いて図4と異なる部分について説明する。図10は図4に対し更に重み係数保持部73が設けられたものである。重み係数保持部73には前のフレームの重み係数γが暫定重み係数γ0として保持されている。チャネル間相関を利用した線形予測分析部M
54は以下のStep1からStep3を行う。
Step1:入力された子チャネル信号xL(n)より式(14)を用いて自己相関R(τ)をτ=0, 1, …
, PMについてそれぞれ計算する。
Step2:入力された子チャネル信号xL(n)と予測残差eR(n)より式(15)を用いて相互相関C(
τ)をτ=0, 1, …, PMについてそれぞれ計算する。
Step3:暫定重み係数γとStep1で得られたR(τ)(τ=0, 1, …, PM)とStep2で得られたC(τ)(τ=0, 1, …, PM)を用いて、式(28)から予測係数ai M(i=1, 2, …, PM)を求める。
後の処理は図4と同様である。この実施例によれば、図4の場合に比べて処理量を減らすことができる。なお、前フレームの重み係数として破線で示すように前フレームの量子化済重み係数^γを暫定重み係数γ0として使用してもよい。
近似による実施例1の変形例1
図11は、暫定重み係数γ0として前のフレームのものを用いずに、一度、親チャネル
信号xR(n)と子チャネル信号xL(n)に対し式(1), (2)による通常の線形予測を行って得られる残差信号から暫定重み係数γ0を求める場合の実施例を示す。
図11の構成の図10と異なる部分について説明する。図11では図10に設けられていた重み係数保持部73の代わりに重み計算部50が設けられる。図11には更に、線形予測分析部31L、変換部32L、量子化部33L、逆変換部34L、線形予測フィルタ41Lが追加されている。
線形予測分析部31Lは入力された子チャネル信号xL(n)を従来の線形予測分析方法(
レビンソン・ダービン等)により線形予測分析し、予測係数ai L(i=1, 2, …, PL)を得る
。変換部32Lは予測係数ai L(i=1, 2, …, PL)をPARCOR係数ki L(i=1, 2, …, PL)に変換する。量子化部33Lは入力されたPARCOR係数ki L(i=1, 2, …, PL)を量子化し、量子化
済PARCOR係数^ki L(i=1, 2, …, PL)を出力する。逆変換部34Lは入力された量子化済PARCOR係数^ki L(i=1, 2, …, PL)を量子化済予測係数^ai L(i=1, 2, …, PL)に逆変換する。線形予測フィルタ41Lは量子化済予測係数^ai L(i=1, 2, …, PL)をフィルタ係数として、入力された親チャネル信号xL(n)を以下の式でフィルタリングし予測残差eL(n)を得る。ただし^a0 L=1とする。
Figure 0005166618
重み計算部50は予測残差信号eR(n)とeL(n)を用いて以下の式から暫定重み係数γ0
求める。
Figure 0005166618
チャネル間相関を利用した線形予測分析部54Mでは、この暫定重み係数γ0を用いて
前述の近似による実施例1と同様の処理(Step1からStep3)を行うことで、予測係数を求める。後の処理は図4や図10と同様である。
図11の実施例によれば、子チャネル信号から通常の線形予測分析により予測残差を求め、更にそれを使って重み係数を計算する処理を行うので、処理量が大となり、処理時間も長くなるが、図10の場合に比べてより適正な値の暫定重み係数γ0を決めることがで
きるので、チャネル間相関を利用した線形予測分析部54Mでの分析精度を高めることができる。
近似による実施例1の変形例2
図10の実施例においては、重み係数γを重み計算部51で式(21)により計算したが、重み係数を固定値γ0としてもよい。その場合の実施例を図12に示す。この実施例では
、図10における重み計算部51は省略され、重み係数保持部73に予め固定値γ0が重
み係数として保持されている。この重み係数γ0がチャネル間相関を利用した線形予測分
析部54Mと重み量子化部52に与えられる。チャネル間相関を利用した線形予測分析部54Mは、この固定の重み係数γ0を使って式(28)により線形予測係数ai M(i=1, 2, …, PM)を計算する。重み付き減算処理部53では、式(22)における重み係数^γの代わりに固
定の量子化重み係数^γ0を使って減算処理を行なう。重み符号化部62Mは、量子化重み係数^γ0を符号化する。
図12の実施例において、固定の重み係数γ0の値が復号化側に予め知られていれば、
重み符号化部62Mは不要である。更に、重み係数γ0の値をγ0=1に固定した場合は、チャネル間相関を利用した線形予測分析部54Mは式(28)においてγ0=1として線形予測係数を計算し、重み付き減算処理部53は式(22)において重み係数^γ=1として減算を行えばよい。従って、重み係数保持部、73、重み量子化部52、重み符号化部62Mは不要である。
近似による実施例2
図13に示す近似相関による実施例は、相互相関の近似として子チャネルの信号xL(n)
に対して親チャネルの残差信号eR(n)を用いて次式
Figure 0005166618
のように重み付き減算処理を行う。このような前処理を行った信号~xM(n)を線形予測分析して得られる予測係数を用いて、子チャネル信号xL(n)から予測残差信号を求める。ここ
での暫定重み係数γ0は前のフレームの重み係数γである。
図13の実施例の構成は、図10の実施例におけるチャネル間相関を利用した線形予測分析部54Mを、相関近似部54M1と線形予測分析部54M2からなるチャネル間の近似相関を利用した線形予測分析部54Mにより置き換えたものである。
重み係数保持部73には前のフレームの重み係数γが暫定重み係数γ0として保持され
ている。相関近似部54M1は、子チャネルの信号xL(n)と親チャネルの残差信号eR(n)と暫定重み係数γ0を用いて、式(31)より、差信号^xM(n)を出力する。暫定重み係数γ0は、前フレームにおいて式(21)により重み係数γとして計算される。式(21)の分子は式(15)においてτ=0の場合の相互相関C(0)に相当する。従って、式(31)を使用するこの実施例は、現フレームの相互相関C(0)の代わりに前フレームの相互相関C(0)を使用する、即ち前フレームの相互相関で近似しているといえる。線形予測分析部54M2は入力された差信号^xM(n)を従来の線形予測分析方法(レビンソン・ダービン等)により線形予測分析し、予測係数ai M(i=1, 2, …, PM)を得る。後の処理は図4と同様である。
この実施例によれば、式(18’)または式(27)または式(28)を解く必要がないので高速な処理が可能になる。この実施例は、図4〜9の各実施例に適用してもよい。
近似による実施例2の変形例
図14に示すように、図11の実施例におけるチャネル間相関を利用した線形予測分析部54Mを図13の実施例で使用した近似相関を利用した線形予測分析部54Mと置き換えてもよい。動作の説明は省略する。この実施例は、図4〜9の各実施例に適用してもよい。
近似による実施例3
図4などのチャネル間相関を利用した線形予測分析部54Mにおいては、基準値として式(11)中に示される親チャネル残差信号と子チャネル残差信号の差分信号のフレーム内エネルギー{~eL(n)}2が最小となるように子チャネル信号の線形予測係数を決めていたが、
基準値として次式
Figure 0005166618
のように差分信号の絶対値(振幅値)の和を使うことが考えられる。しかしながらその場合、残差信号は予測係数の1次関数なので、その絶対値を式(16)のように予測係数で微分すると一定値となるか、原点で微分不可となり、残差差分信号の絶対値をそのまま微分する方法では基準値Jの最小値を決めることができない。そこで、例えば絶対値の関数を次式
Figure 0005166618
のように連続関数で近似する。ここでδは定数であり、qとしては計算が簡単なように例えばq=2とする。従って、
Figure 0005166618
となる。式(34)から(en M-γen R)がδより十分に大きいときは、E(en M)=2(en M-γen R)と近似できる。(en M-γen R)がδより小さいときは、式(35)から(en M-γen R)の微分が1次関数2(en M-γen R)で近似できるから(en M-γen R)は2次関数で近似できる。なお、重み係数γ
としては、図12の近似による実施例2と同様に前フレームの重み係数を使用してもよいし、あるいは式(6)により計算した重み係数を使用してもよい。
このように近似した差分信号絶対値による基準値としてのフレーム全体の総和J(符号量に対応)は
Figure 0005166618
により計算できる。近似した差分信号絶対値を最小にするためには次式のように式(37)についての予測係数ai M(i=1, 2, …, PM)による偏微分を0とおいて解けばよい。
Figure 0005166618
暫定残差差分信号(en M-γen R)は、式(1)と同様に予測係数ai Mの関数である。即ち、dJ/dai M=0となるi=1, 2, …, PMのai MについてPM個の連立方程式を解けばよい。
この実施例によれば、処理時間はかかるが、圧縮率の向上が期待でき、従って、符号量の削減が期待できる。この実施例は、図4〜9の各実施例に適用してもよい。
近似による実施例3の変形例
上述の近似による実施例3において、式(38)を0とおかず、最急降下法(勾配降下法)を用いて予測係数を求めることもできる。即ち、入力子チャネル信号xL(n)と、親チャネ
ル残差信号en Rと、暫定重み係数γとを使って、以下の処理により求める。
Step1:通常の線形予測分析を用いて子チャネル信号から予測係数ai M(i=1, 2, …, PM)を求める。ここで、係数ベクトルを
Figure 0005166618
と表すことにする。
Step2:前式(38)により勾配
Figure 0005166618
を求める。
Step3:予測係数を次式
Figure 0005166618
により更新する。α(n)は勾配ベクトルの反対方向へ動く距離を決め、刻み幅、あるいは
学習係数と呼ばれる。
Step4:更新された予測係数Wを使って残差信号en Mを求め、式(32)の絶対値和Jを計算する。
Step5:|W(n)−W(n-1)|が所定値以下になったか判定することによりJが収束したかを
判定し、収束していなければ、W(n-1)←W(n)としてStep2に戻り再び処理を繰り返し、
収束していればW(n)を予測係数ai M(i=1, 2, …, PM)として出力する。
この変形例は、図4〜9の各実施例に適用してもよい。基準値を最小にする予測係数を求める方法は、他にもニュートン法、準ニュートン法、遺伝的アルゴリズムなどを用いても可能である。
その他の変形
前述の各実施例においては、例えば線形予測分析部11Rで求めた予測係数ai Rを変換
部12RでPARCOR係数ki Rに変換した場合を示したが、これら線形予測分析部と変換部の
代わりにチャネル信号から直接PARCOR係数を求めるPARCOR係数算出部と置き換えてもよい。他の線形予測部と変換部の組についても同様である。
上述した各実施例は2チャネル信号の場合を示したが、2チャネルよりチャネル数が多い場合は、非特許文献1に示されているように、例えば残差信号のエネルギーあるいは絶対値の和が小さくなるようなペアを決め、それぞれのペアについて上述した符号化を行なえばよい。その場合、1つまたは複数のチャネルについてはそれぞれ他のチャネルと重複して複数のペアを作ってもよいし、1つまたは複数のチャネルについてはそれぞれ単独で符号化してもよい。ロスレス符号化の場合は、親チャネルを表す符号も出力する。ただし、入力が2チャネルの場合には、重み係数符合の有無により親子関係が明示的なので、親チャネルを表す符号は省略してもよい。
上述したこの発明の各実施例による符号化方法は、コンピュータで実行可能なプログラムとして実施してもよい。また、そのプログラムを読み取り可能な記録媒体に記録しておき、コンピュータによりその記録媒体から読み出したプログラムを実行してもよい。
図15は従来の方法と、この発明の図8による方法により市販の音楽コンパクトディスク38曲をロスレス符号化した場合の平均圧縮率を比較したものである。予測次数10,30,50のいずれの場合もこの発明による符号化の方が圧縮率(符号化後のデータ量/符号化前のデータ量)が小さくなっていることが示されている。

Claims (24)

  1. 複数サンプルで構成されるフレーム毎に入力された複数チャネルの信号に対応する符号を生成するマルチチャネル符号化方法であり、
    少なくとも1つのチャネル、以下第1チャネルと呼ぶ、の信号を線形予測分析して第1チャネル線形予測係数と第1チャネル残差信号を生成する第1チャネル線形予測分析ステップと、
    上記第1チャネル以外の少なくとも1つのチャネル、以下第2チャネルと呼ぶ、の信号からその残差信号と上記第1チャネル残差信号の差分の基準値が最小となるように第2チャネル線形予測係数を求め、その第2チャネル線形予測係数に基づいて上記第2チャネル信号の残差信号を第2チャネル残差信号として生成するチャネル間相関を利用した線形予測分析ステップと、
    上記第1チャネル残差信号と上記第2チャネル残差信号間の重み付き減算処理により残差差分信号を生成する重み付き減算ステップと、
    上記第1チャネル線形予測係数に対応するPARCOR係数と上記第1チャネル残差信号を符号化して第1チャネル符号を出力し、少なくとも上記第2チャネル線形予測係数に対応するPARCOR係数と上記残差差分信号を符号化して第2チャネル符号を出力する符号化ステップと、
    上記第2チャネル信号を線形予測分析して第2チャネル第2線形予測係数と第2チャネル第2残差信号とを生成する第2チャネル線形予測分析ステップと、
    上記第2チャネル第2残差信号と上記第2チャネル第2線形予測係数に対応するPARCOR係数とを符号化して第2チャネル第2符号を出力する第2チャネル第2符号化ステップと、
    上記第2チャネル線形予測係数に対応するPARCOR係数の少なくとも1つの絶対値が所定値以上の場合は上記第2チャネル第2符号を出力し、そうでない場合は上記第2チャネル符号を出力する符号選択ステップと、
    を含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
  2. 請求項1記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記第2チャネル信号を線形予測分析して第2チャネル第2残差信号を生成する第2チャネル第2線形予測分析ステップと、上記第1チャネル残差信号の基準値と上記第2チャネル第2残差信号の基準値を比較し、その比較結果に基づいて上記第1チャネル信号と上記第2チャネル信号の入れ替えを制御する比較制御ステップを更に含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
  3. 請求項1記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記第1チャネル信号と上記第2チャネル信号を入れ替えないときの上記第1チャネル符号と上記第2チャネル符号の合計符号量と、入れ替えたときの合計符号量を比較し、合計符号量の小さい方を選択出力すると共にどちらを選択したかを表す情報を出力する選択出力ステップを更に含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記チャネル間相関を利用した線形予測分析ステップは、上記第2チャネル信号の残差信号と上記第1チャネル残差信号との重み付き減算で得られる残差差分信号のエネルギーを、第2チャネル線形予測係数を変数として含む式で表し、その式を第2チャネル線形予測係数のそれぞれの次数の係数で偏微分して得られる式を上記第2チャネル信号の自己相関と上記第1チャネル残差信号と上記第2チャネル信号間の相互相関とを使って表し、その式を0とおいて解くことにより上記第2チャネル線形予測係数を求めるステップであることを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
  5. 請求項4記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記第1チャネル線形予測分析ステップは、上記第1チャネル信号xR(n)からPR次の上記第1チャネル線形予測係数ai R(i=1, 2, …, PR)を求め、さらに上記第1チャネル残差信号を次式
    Figure 0005166618

    により生成し、ただしa0 R=1とし、
    上記チャネル間相関を利用した線形予測分析ステップは、τを0からPMまでの整数とし、上記第2チャネル信号xL(n)の自己相関R(τ)と、上記第1チャネル残差信号eR(n)と上記第2チャネル信号xL(n)間の相互相関C(τ)を次式
    Figure 0005166618

    で表すと、PM次の上記第2チャネル線形予測係数ai M(i=1, 2, …, PM)を次式
    Figure 0005166618

    により計算し、上記第2チャネル残差信号eM(n)を上記第2チャネル信号xL(n)と上記第2チャネル線形予測係数ai Mから計算するステップであり、
    上記重み付き減算ステップは、重み係数γを
    Figure 0005166618

    により計算する重み計算ステップと、上記第2チャネル残差信号eM(n)と上記重み係数γに基づいて重み付けした上記第1チャネル残差信号γeR(n)との差分を上記残差差分信号~eM(n)として計算する重み付き減算処理ステップを含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
  6. 請求項5記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記チャネル間相関を利用した線形予測分析ステップは、上記第1チャネル差分信号の複数タップの重み付き減算により上記残差差分信号を求めることを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
  7. 請求項5記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記チャネル間相関を利用した線形予測分析ステップは、上記第1チャネル差分信号の時間差を考慮した複数タップの重み付き減算により上記残差差分信号を求めることを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
  8. 請求項4記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記第1チャネル線形予測分析ステップは、上記第1チャネル信号xR(n)からPR次の線形予測係数ai R(i=1, 2, …, PR)を求め、さらに上記第1チャネル残差信号を次式
    Figure 0005166618

    により生成し、ただしa0 R=1とし、
    上記チャネル間相関を利用した線形予測分析ステップは、τを0からPMまでの整数とし、上記第2チャネル信号をxL(n)とし、上記第2チャネル信号xL(n)の自己相関R(τ)と、上記第1チャネル残差信号eR(n)と上記第2チャネル信号xL(n)間の相互相関C(τ)を次式
    Figure 0005166618

    で表すと、PM次の上記第2チャネル線形予測係数ai M(i=1, 2, …, PM)を次式
    Figure 0005166618

    により計算し、上記第2チャネル残差信号eM(n)を上記第2チャネル信号xL(n)と上記第2チャネル線形予測係数ai Mから計算するステップであり、
    上記重み付き減算ステップは、重み係数γを
    Figure 0005166618

    により計算する重み計算ステップと、上記第2チャネル残差信号eM(n)と上記重み係数γに基づいて重み付けした上記第1チャネル残差信号γeR(n)との差分を上記残差差分信号~eM(n)として計算する重み付き減算処理ステップを含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
  9. 請求項4記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記第1チャネル線形予測分析ステップは、上記第1チャネル信号xR(n)からPR次の上記第1チャネル線形予測係数ai R(i=1, 2, …, PR)を求め、さらに上記第1チャネル残差信号を次式
    Figure 0005166618

    により生成し、ただしa0 R=1とし、
    上記チャネル間相関を利用した線形予測分析ステップは、τを0からPMまでの整数とし、上記第2チャネル信号xL(n)の自己相関R(τ)と、上記第1チャネル残差信号eR(n)と上記第2チャネル信号xL(n)間の相互相関C(τ)を次式
    Figure 0005166618

    で表すと、前フレームの重み係数を暫定重み係数γ0として使ってPM次の上記第2チャネ
    ル線形予測係数ai M(i=1, 2, …, PM)を次式
    Figure 0005166618

    により計算し、上記第2チャネル残差信号eM(n)を上記第2チャネル信号xL(n)と上記第2チャネル線形予測係数ai Mから計算するステップであり、
    上記重み付き減算ステップは、重み係数γを
    Figure 0005166618

    により計算する重み計算ステップと、上記第2チャネル残差信号eM(n)と上記重み係数γに基づいて重み付けした上記第1チャネル残差信号γeR(n)との差分を上記残差差分信号~eM(n)として計算する重み付き減算処理ステップを含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
  10. 請求項4記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記第2チャネル信号xL(n)のみからその残差信号を第2チャネル第2残差信号eL(n)として生成する第2チャネル線形予測分析ステップと、上記第1チャネル残差信号eR(n)と上記第2チャネル残差信号eL(n)から暫定重み係数γ0を次式
    Figure 0005166618

    により求める暫定重み係数計算ステップとを更に含み、
    上記第1チャネル線形予測分析ステップは、上記第1チャネル信号xR(n)からPR次の上記第1チャネル線形予測係数ai R(i=1, 2, …, PR)を求め、さらに上記第1チャネル残差信号を次式
    Figure 0005166618

    により生成し、ただしa0 R=1とし、
    上記チャネル間相関を利用した線形予測分析ステップは、τを0からPMまでの整数とし、上記第2チャネル信号xL(n)の自己相関R(τ)と、上記第1チャネル残差信号eR(n)と上記第2チャネル信号xL(n)間の相互相関C(τ)を次式
    Figure 0005166618

    で表すと、上記暫定重み係数計算ステップにより計算された暫定重み係数γ0を使ってPM次の上記第2チャネル線形予測係数ai M(i=1, 2, …, PM)を次式
    Figure 0005166618

    により計算し、上記第2チャネル残差信号eM(n)を上記第2チャネル信号xL(n)と上記第2チャネル線形予測係数ai Mから計算するステップであり、
    上記重み付き減算ステップは、重み係数γを
    Figure 0005166618

    により計算する重み計算ステップと、上記第2チャネル残差信号eM(n)と上記重み係数γに基づいて重み付けした上記第1チャネル残差信号γeR(n)との差分を上記残差差分信号~eM(n)として計算する重み付き減算処理ステップを含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
  11. 請求項1乃至3のいずれか記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記チャネル間相関を利用した線形予測分析ステップは、前フレームの重み係数を暫定重み係数として使って上記第2チャネル信号を上記第1チャネル残差信号により重み付き減算処理して差信号を生成する相関近似ステップと、上記差信号を線形予測分析し、それによって得られる予測係数を上記第2チャネル線形予測係数として出力する差信号線形予測分析ステップとを含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
  12. 請求項1乃至3のいずれか記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記第2チャネル信号のみからその残差信号を第2チャネル第2残差信号として生成する第2チャネル線形予測分析ステップと、上記第1チャネル残差信号と上記第2チャネル残差信号から暫定重み係数求める暫定重み係数計算ステップとを更に含み、
    上記チャネル間相関を利用した線形予測分析ステップは、相互相関の近似として上記暫定重み係数計算ステップで計算した上記暫定重み係数を使って上記第2チャネル信号を上記第1チャネル残差信号により重み付き減算処理して差信号を生成する相関近似ステップと、上記差信号を線形予測分析し、それによって得られる予測係数を上記第2チャネル線形予測係数として出力する差信号線形予測分析ステップとを含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
  13. 請求項1記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記チャネル間相関を利用した線形予測分析ステップは、上記第2チャネル信号の残差信号と上記第1チャネル残差信号との重み付き減算で得られる残差差分信号の絶対値を連続関数で近似するステップと、その近似式を第2チャネル線形予測係数を変数として含む式で表し、その式を第2チャネル線形予測係数のそれぞれの次数の係数で偏微分して得られる式を上記第2チャネル信号の自己相関と上記第1チャネル残差信号と上記第2チャネル信号間の相互相関とを使って表し、その式により上記第2チャネル線形予測係数を求めるステップを含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
  14. 請求項13記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記自己相関と相互相関であらわされる式を0とおいて解くことにより上記第2チャネル線形予測係数を求めることを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
  15. 請求項13記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記自己相関と相互相関で表される式から最急降下法により上記第2チャネル線形予測係数を求めることを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
  16. 複数サンプルで構成されるフレーム毎に入力された複数チャネルの信号に対応する符号を生成するマルチチャネル符号化装置であり、
    少なくとも1つのチャネル、以下第1チャネルと呼ぶ、の第1チャネル信号を線形予測分析して第1チャネル線形予測係数と第1チャネル残差信号を生成する第1チャネル線形予測分析手段と、
    上記第1チャネル以外の少なくとも1つのチャネル、以下第2チャネルと呼ぶ、の信号からその残差信号と上記第1チャネル残差信号の差分の基準値が最小となるように第2チャネル線形予測係数を求め、その第2チャネル線形予測係数に基づいて上記第2チャネル信号の残差信号を第2チャネル残差信号として生成するチャネル間相関を利用した線形予測分析手段と、
    上記第1チャネル残差信号と上記第2チャネル残差信号間の重み付き減算処理により残差差分信号を生成する重み付き減算手段と、
    上記第1チャネル線形予測係数に対応するPARCOR係数と上記第1チャネル残差信号を符号化して第1チャネル符号を出力する第1チャネル符号化手段と、
    少なくとも上記第2チャネル線形予測係数に対応するPARCOR係数と上記残差差分信号を符号化して第2チャネル符号を出力する第2チャネル符号化手段と、
    上記第2チャネル信号を線形予測分析して第2チャネル第2線形予測係数と第2チャネル第2残差信号とを生成する第2チャネル線形予測分析手段と、
    上記第2チャネル第2残差信号と上記第2チャネル第2線形予測係数に対応するPARCOR係数とを符号化して第2チャネル第2符号を出力する第2チャネル第2符号化手段と、
    上記第2チャネル線形予測係数に対応するPARCOR係数の少なくとも1つの絶対値が所定値以上の場合は上記第2チャネル第2符号を出力し、そうでない場合は上記第2チャネル符号を出力する符号選択手段と、
    含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化装置。
  17. 請求項16記載のマルチチャネル信号符号化装置において、上記第2チャネル信号を線形予測分析して第2チャネル第2残差信号を生成する第2チャネル第2線形予測分析手段と、上記第1チャネル信号と上記第2チャネル信号を入れ替え可能な入れ替え手段と、上記第1チャネル残差信号の基準値と上記第2チャネル第2残差信号の基準値を比較し、その比較結果に基づいて上記入れ替え手段を制御する比較制御手段を更に含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化装置。
  18. 請求項16記載のマルチチャネル信号符号化装置において、上記第1チャネル信号と上記第2チャネル信号を入れ替え可能な入力切替手段と、上記入力切替手段が、上記第1チャネル信号と上記第2チャネル信号を入れ替えないときの上記第1チャネル符号と上記第2チャネル符号の合計符号量と、入れ替えたときの合計符号量を比較し、合計符号量の小さい方を選択出力すると共にどちらを選択したかを表す情報を出力する選択出力手段とを更に含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化装置。
  19. 請求項16乃至18のいずれか記載のマルチチャネル信号符号化装置において、上記チャネル間相関を利用した線形予測分析手段は、上記第2チャネル信号の残差信号と上記第1チャネル残差信号との重み付き減算で得られる残差差分信号のエネルギーを、第2チャネル線形予測係数を変数として含む式で表し、その式を第2チャネル線形予測係数のそれぞれの次数の係数で偏微分して得られる式を上記第2チャネル信号の自己相関と上記第1チャネル残差信号と上記第2チャネル信号間の相互相関とを使って表し、その式を0とおいて解くことにより上記第2チャネル線形予測係数を求める手段であることを特徴とするマルチチャネル信号符号化装置。
  20. 請求項16乃至18のいずれか記載のマルチチャネル信号符号化装置において、前フレームの重み係数を暫定重み係数として保持する重み係数保持手段が更に設けられており、上記チャネル間相関を利用した線形予測分析手段は、相互相関の近似として上記重み係数保持手段からの上記暫定重み係数を使って上記第2チャネル信号を上記第1チャネル残差信号により重み付き減算処理して差信号を生成する相関近似部と、上記差信号を線形予測分析し、それによって得られる予測係数を上記第2チャネル線形予測係数として出力する差信号線形予測分析部とを含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化装置。
  21. 請求項16乃至18のいずれか記載のマルチチャネル信号符号化装置において、上記第2チャネル信号のみからその残差信号を第2チャネル第2残差信号として生成する第2チャネル線形予測分析手段と、上記第1チャネル残差信号と上記第2チャネル残差信号から暫定重み係数求める暫定重み係数計算手段とを更に含み、
    上記チャネル間相関を利用した線形予測分析手段は、相互相関の近似として上記暫定重み係数計算手段からの上記暫定重み係数を使って上記第2チャネル信号を上記第1チャネル残差信号により重み付き減算処理して差信号を生成する相関近似部と、上記差信号を線形予測分析し、それによって得られる予測係数を上記第2チャネル線形予測係数として出力する差信号線形予測分析部とを含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化装置。
  22. 請求項16乃至18のいずれか記載のマルチチャネル信号符号化装置において、上記チャネル間相関を利用した線形予測分析手段は、上記第2チャネル信号の残差信号と上記第1チャネル残差信号との重み付き減算で得られる残差差分信号の絶対値を連続関数で近似し、その近似式を第2チャネル線形予測係数を変数として含む式で表し、その式を第2チャネル線形予測係数のそれぞれの次数の係数で偏微分して得られる式を上記第2チャネル信号の自己相関と上記第1チャネル残差信号と上記第2チャネル信号間の相互相関とを使って表し、その式により上記第2チャネル線形予測係数を求める手段であることを特徴とするマルチチャネル信号符号化装置。
  23. コンピュータに請求項1乃至15のいずれか記載の方法の各ステップを実行させるためのプログラム。
  24. 請求項23記載のプログラムが記録された、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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