JP3886482B2 - 多チャネル符号化方法、復号方法、これらの装置、プログラムおよびその記録媒体 - Google Patents

多チャネル符号化方法、復号方法、これらの装置、プログラムおよびその記録媒体 Download PDF

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この発明はステレオ音響信号や人体の脈波信号、脳波信号などの生体信号などの多チャネルの信号を記録、伝送するために符号化する方法、その符号を復号する方法、これらの装置、そのプログラム、その記録媒体に関するものである。
従来の音響信号符号化ではステレオ信号に関する相関を用いた符号化が多く検討されている。例えば5チャネルのマルチチャネル符号化でも2チャネルごとの対にして、ステレオ信号の符号化に還元する方法が知られている。原音に対して、チャネル間での差分や重みつき差分信号によってチャネル間の信号の類似性を利用した圧縮符号化もよく使われるが、効率が小さい場合が多い。
従来において、時間領域の信号を圧縮符号化する方法として予測符号化方法が知られている。
この従来の予測符号化方法を図9を参照して説明する。符号化側では図9Aに示すように、入力端子11からの時系列ディジタル信号はフレーム分割部12で所定サンプル数ごとのフレームに分割される。各フレームごとにディジタル信号は線形予測分析部13で線形予測分析されて予測係数が計算される。この予測係数は通常は線形予測分析部13内の量子化部13aで量子化される。
この量子化された予測係数とそのフレームのディジタル信号とが線形予測部14に入力されて、ディジタル信号に対して時間方向に線形予測して各サンプルごとに予測値が求められる。この線形予測は自己回帰型前方予測である。この予測値が入力ディジタル信号の対応サンプルから減算部15で減算されて予測誤差信号が生成される。線形予測部14及び減算部15は予測誤差生成部16を構成している。
予測誤差生成部16からの予測誤差信号は誤差符号化部17でハフマン符号化や算術符号化などのエントロピー符号化が行われて誤差符号として出力される。線形予測分析部13よりの量子化された予測係数は係数符号化部18でエントロピー符号化又はベクトル量子化されて符号化され、係数符号として出力される。スカラー量子化されたまま出力されることもある。
復号側では図9Bに示すように、入力された誤差符号は誤差復号部21で誤差符号化部17の符号化方法と対応した復号方法により復号されて予測誤差信号が生成される。また入力された係数符号は係数復号部22で係数符号化部18の符号化方法と対応した復号方法により復号されて予測係数が生成される。復号された予測誤差信号と予測係数とが予測合成部23に入力されて予測合成されてディジタル信号が再生され、フレーム合成部24で各フレームのディジタル信号が順次連結されて出力端子25へ出力される。予測合成部23では再生されるディジタル信号と、復号された予測係数が回帰型線形予測部26に入力されて予測値が生成され、その予測値と、復号された予測誤差信号とが加算部27で加算されてディジタル信号が再生される。
この発明の目的はステレオ音響信号や生体信号などのチャネル間に相関がある多チャネル信号を、原信号自体ではなく原信号から得られた信号、又は原信号を処理した信号などのチャネル間相関と、時間領域の予測符号化とを利用して圧縮効率の高い符号化方法、その復号方法、これらの装置、そのプログラムおよび記録媒体を提供することにある。
この発明の符号化方法は以下の形態がある。
(1)多チャネルディジタル信号に対してそれぞれ時間方向に線形予測を行って予測誤差信号を求め、これら予測誤差信号をそれぞれ符号化し、
上記線形予測の際に用いた予測係数の少なくとも1つを基準として、それ以外の予測係数との差分又は重みつき差分予測係数を求め、
上記少なくとも1つの基準の予測係数、および上記差分予測係数を符号化する。
(2)多チャネルディジタル信号の少なくとも1つを基準信号として線形予測分析を行って少なくとも予測係数を求め、
上記多チャネルディジタル信号のそれぞれに対し、上記少なくとも予測係数を用いて時間方向の線形予測を行って、予測誤差信号を求め、これら予測誤差信号をそれぞれ符号化し、上記予測係数を符号化する。
(3)上記(1)又は(2)項において、上記予測誤差信号の符号化は、その少なくとも1つを基準信号として、そのまま符号化し、
上記少なくとも1つの基準予測誤差信号とそれ以外の予測誤差信号とのチャネル間での重みつき差分により差分誤差信号を作成し、
この差分誤差信号を符号化し、
その差分誤差信号の作成に用いた重みを符号化する。
(4)多チャネルディジタル信号に対し、それぞれ時間方向に線形予測を行って、予測誤差信号を求め、これら予測誤差信号の少なくとも1つを基準予測誤差信号とし、この少なくとも1つの予測誤差信号を符号化し、
上記少なくとも1つの基準予測誤差信号とそれ以外の予測誤差信号とのチャネル間での重みつき差分より差分誤差信号を作成し、
その重みつき差分誤差信号を符号化し、
上記差分誤差信号作成に用いた重みを符号化し、
上記各線形予測を行った際に用いた各予測係数を符号化する。
(5)多チャネルディジタル信号を少なくとも上記(1)〜(4)項の多チャネル符号化方法の複数の方法により符号化し、
これら符号化中の最も圧縮効率が高い符号化符号を選択し、
その選択した符号化方法を示す補助符号を生成し、
この補助符号と上記選択した符号化符号を出力する。
この発明の復号方法は以下の形態がある。
(1)複数の誤差符号を復号して複数の予測誤差信号を求め、
少なくとも1つの基準係数符号より少なくとも1つの基準予測係数を求め、
少なくとも1つの差分係数符号を復号して少なくとも1つの差分予測係数を求め、
上記少なくとも1つの基準予測係数と上記少なくとも1つの差分予測係数とを加算又は重みつき加算して少なくとも1つの予測係数を求め、
上記複数の各予測誤差信号とその対応するチャネルの上記少なくとも1つの基準予測係数又は上記少なくとも1つの予測係数とをそれぞれ用いて予測合成してそれぞれ各チャネルのディジタル信号を生成する。
(2)複数の誤差符号を復号して複数の予測誤差信号を求め、
少なくとも1つの係数符号より少なくとも1つの予測係数を求め、
上記複数の予測誤差信号と上記少なくとも1つの予測係数と各対応チャネルのものをそれぞれ用いて予測合成して複数チャネルのディジタル信号を生成する。
(3)少なくとも1つの誤差符号を復号して少なくとも1つの基準予測誤差信号を求め、
少なくとも1つの差分誤差符号を復号して少なくとも1つの差分誤差信号を求め、
少なくとも1つの重み符号より少なくとも1つの重み係数を求め、
上記少なくとも1つの基準予測誤差信号を上記少なくとも1つの重み係数の対応チャネルのもので重み付けて上記少なくとも1つの差分誤差信号の対応チャネルのものと加算して予測誤差信号を求め、
少なくとも1つの基準及び少なくとも1つの係数符号より少なくとも1つの基準及び少なくとも1つの予測係数を求め、
上記少なくとも1つの基準及び少なくとも1つの予測係数と上記少なくとも1つの基準及び少なくとも1つの予測誤差信号との対応チャネルのものをそれぞれ用いて予測合成してチャネルディジタル信号を求める。
(4)少なくとも1つの基準誤差符号を復号して少なくとも1つの基準予測誤差信号を求め、
少なくとも1つの差分誤差符号を復号して少なくとも1つの差分誤差信号を求め、
少なくとも1つの重み符号より少なくとも1つの重み係数を求め、
上記少なくとも1つの基準予測誤差信号を上記少なくとも1つの重み係数の対応チャネルのもので重み付けて上記少なくとも1つの差分誤差信号の対応チャネルのものと加算してそれぞれ予測誤差信号を求め、
少なくとも1つの基準係数符号より少なくとも1つの基準予測係数を求め、
少なくとも1つの差分係数符号を復号して少なくとも1つの差分係数を求め、
上記少なくとも1つの基準予測係数と上記少なくとも1つの差分係数の対応チャネルのものとを加算又は重みつき加算して少なくとも1つの予測係数を求め、
上記少なくとも1つの基準及び上記少なくとも1つの予測係数と上記少なくとも1つの基準及び上記少なくとも1つの予測誤差信号との各対応チャネルのものとをそれぞれ用いて予測合成してそれぞれチャネルディジタル信号を求める。
(5)少なくとも1つの基準誤差符号を復号して少なくとも1つの基準予測誤差信号を求め、
少なくとも1つの差分誤差符号を復号して少なくとも1つの差分誤差信号を求め、
少なくとも1つの重み符号より少なくとも1つの重み係数を求め、
上記少なくとも1つの基準予測誤差信号を上記少なくとも1つの重み係数の対応チャネルのもので重み付けして上記少なくとも1つの差分誤差信号の対応チャネルのものと加算して少なくとも1つの予測誤差信号を求め、
少なくとも1つの予測係数符号より少なくとも1つの予測係数を求め、
上記少なくとも1つの基準及び上記少なくとも1つの予測誤差信号各1つと上記少なくとも1つの予測係数のいずれかとを用いてそれぞれ予測合成してそれぞれチャネルディジタル信号を求める。
(6)補助符号を復号して選択情報を求め、
上記選択情報に応じて、多チャネル信号符号を、上記(1)〜(5)項の多チャネル復号方法のいずれかにより復号する。
この発明の符号化装置は以下の形態がある。
(1)複数のチャネルの各ディジタル信号が入力され、それぞれを線形予測分析して複数の予測係数を生成する複数の線形予測分析部と、
上記複数のディジタル信号及び上記複数の予測係数のそれぞれ対応チャネルのものが入力され、それぞれ時間方向に線形予測を行い複数の予測誤差信号を生成する複数の予測誤差生成部と、
上記複数の予測誤差信号が入力されそれぞれを符号化する複数の誤差符号化部と、
上記複数の予測係数の少なくとも1つが基準として、それ以外の少なくとも1つの予測係数とが入力され、これら基準予測係数とそれ以外の予測係数との差又は重みつき差を差分係数として生成する少なくとも1つの減算部と、
上記少なくとも1つの基準の予測係数が入力され、それを符号化する少なくとも1つの符号化部と、
上記少なくとも1つの差分係数が入力され、これを符号化する少なくとも1つの差分係数符号化部とを具備する。
(2)入力された複数チャネルの各ディジタル信号の少なくとも1つを基準信号として線形予測分析を行って少なくとも1つの予測係数を生成する線形予測分析部と、
上記ディジタル信号の少なくとも2つに対し上記少なくとも1つの予測係数の1つによりそれぞれ時間方向に線形予測を行って、少なくとも2つの予測誤差信号を生成する少なくとも2つの予測誤差生成部と、
上記少なくとも2つの予測誤差信号が入力され、それぞれを符号化する少なくとも2つの誤差符号化部と、
上記予測係数が入力され、これを符号化する係数符号化部とを具備する。
(3)複数チャネルの各ディジタル信号が入力され、それぞれ線形予測分析して予測係数をそれぞれ生成する複数の線形予測分析部と、
上記複数のディジタル信号と上記複数の予測係数の各対応チャネルのものがそれぞれ入力され、これらにより時間方向に線形予測を行って、予測誤差信号をそれぞれ生成する複数の予測誤差生成部と、
上記複数の予測誤差信号の少なくとも1つを基準とし、これとそれ以外の少なくとも1つの予測誤差信号の各1つとがそれぞれ入力され、それぞれ両予測誤差信号のチャネル間での重みつき差分により差分誤差信号をそれぞれ生成する複数の重みつき減算部と、
上記少なくとも1つの差分誤差信号が入力され、それぞれ符号化する少なくとも1つの差分誤差符号化部と、
上記少なくとも1つの差分誤差信号の作成に用いた重みが入力され、これを符号化する少なくとも1つの重み符号化部と、
上記複数の予測係数がそれぞれ入力され、それぞれ符号化する複数の係数符号化部と、
上記基準信号とした少なくとも1つの予測誤差信号が入力され、これを符号化する少なくとも1つの誤差符号化部とを具備する。
この発明の復号装置は以下の形態がある。
(1)少なくとも1つの基準及び少なくとも1つの予測誤差符号がそれぞれ入力され、それぞれを復号して少なくとも1つの基準及び少なくとも1つの予測誤差信号を生成する少なくとも1つの誤差復号部と、
少なくとも1つの基準係数符号が入力され、少なくとも1つの基準予測係数を出力する手段と、
少なくとも1つの差分係数符号が入力され、それを復号して少なくとも1つの差分予測係数を生成する少なくとも1つの差分係数復号部と、
上記少なくとも1つの基準予測係数の1つと上記少なくとも1つの差分予測係数の1つとが入力され、これら両者をそれぞれ加算又は重みつき加算して予測係数を生成する少なくとも1つの加算部と、
上記少なくとも1つの基準予測誤差信号と少なくとも1つの基準予測係数の各対応チャネルのもの及び上記少なくとも1つの予測誤差信号と上記少なくとも1つの予測係数の各対応チャネルのものがそれぞれ入力され、それぞれその信号と係数を用いて予測合成してそれぞれディジタル信号をそれぞれ生成する複数の予測合成部とを具備する。
(2)少なくとも2つの誤差符号が入力され、それぞれを復号して少なくとも1つの予測誤差信号を生成する少なくとも1つの誤差復号部と、
少なくとも1つの係数符号が入力され、少なくとも1つの予測係数を出力する手段と、
上記少なくとも2つの予測誤差信号の各1つと上記少なくとも1つの予測係数の1つとがそれぞれ入力され、両者をそれぞれ用いて予測合成してチャネルディジタル信号をそれぞれ生成する少なくとも2つの予測合成部とを具備する。
(3)少なくとも1つの予測誤差符号が入力され、これを復号して少なくとも1つの基準予測誤差信号を生成する少なくとも1つの誤差復号部と、
少なくとも1つの差分誤差符号が入力され、それを復号して少なくとも1つの差分誤差信号を生成する少なくとも1つの差分誤差復号部と、
少なくとも1つの重み符号が入力され、少なくとも1つの重み係数として出力する手段と、
上記少なくとも1つの基準誤差信号と、上記少なくとも1つの重み係数、上記少なくとも1つの差分誤差信号の各対応チャネルのものの1つが入力され、その基準予測誤差信号とその差分誤差信号を重みつき加算してそれぞれ予測誤差信号を生成する少なくとも1つの重みつき加算部と、
少なくとも1つの基準及び少なくとも1つの係数符号が入力され、それぞれ少なくとも1つの基準及び少なくとも1つの予測係数を出力する手段と、
上記少なくとも1つの基準の1つ及び少なくとも1つの予測係数の1つと上記少なくとも1つの基準及び少なくとも1つの予測誤差信号の対応チャネルのものとがそれぞれ入力され、それぞれ各1つの係数と各1つの信号を用いて予測合成してディジタル信号をそれぞれ生成する複数の予測合成部とを具備する。
この発明のプログラムは前記この発明の符号化方法(1)〜(5)のいずれかの各過程をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
この発明の復号プログラムは前記この発明の復号方法(1)〜(6)のいずれかの各過程をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
この発明によれば、予測係数や予測誤差などの原信号を処理した信号や原信号から得られた信号などのチャネル間相関と予測符号化を組み合わせることにより原信号自体の差分や重みつき差分を利用する場合より圧縮効率が高い場合が多い。
この発明は、ステレオ信号や多チャネル生体信号などのチャネル間に相関がある2チャネル以上の多チャネル信号に適用でき、また全体のチャネルを複数のチャネル群に分割し(各群中のチャネル数は同一でなくてもよい)、各群にそれぞれ基準チャネルを1つ設定するなど複数の基準チャネルを設定することもできるが、以下ではステレオの左信号と右信号の2チャネル信号を例とし、かつ基準チャネルを1つとしてこの発明の実施形態を説明する。
[実施形態1]
この発明の実施形態1は予測係数のチャネル間の相関を利用するもので、多チャネル信号の各予測係数の適当な1つを基準予測係数(基準チャネルの予測係数)に選び、これとそれ以外の予測係数との差分又は重みつき差分係数をそれぞれ求めて、その差分係数を符号化して出力し、また基準予測係数を符号化して出力する。
符号化
図1にこの発明の実施形態1を適用した符号化装置の機能構成を示す。
ステレオの左信号(以下第1チャネル信号という)と右信号(以下第2チャネル信号という)が入力端子111 と112 から時系列ディジタル信号として入力され、それぞれフレーム分割部121 ,122 で所定サンプル数ごとのフレームに分割される。この1フレームのサンプル数は、ステレオ信号に対して従来行われている予測符号化方法で用いられているサンプル数と同程度にすればよい。
これらフレーム分割部121 ,122 でそれぞれ分割された第1、第2チャネル信号は各フレームごとにそれぞれ線形予測分析部131 ,132 で線形予測係数が計算され、量子化部13a1 ,13a2 で量子化される(以下量子化された線形予測係数を単に予測係数という)。線形予測分析部131 ,132 よりの第1、第2予測係数を用いて対応フレーム内の第1、第2チャネル信号に対して時間方向の線形予測を行って各サンプルごとの予測値を線形予測部141 ,142 で生成する。第1、第2チャネル信号の各サンプルから対応予測値が減算部151 ,152 でそれぞれ減算されて第1、第2予測誤差信号が生成される。線形予測部141 ,142 と減算部151 ,152 とでそれぞれ予測誤差生成部161 ,162 が構成される。線形予測部141 ,142 ではそれぞれ自己回帰型前方予測方法が用いられる。第1、第2予測誤差信号は誤差符号化部171 ,172 でそれぞれ例えばエントロピー符号化され、第1、第2誤差符号CE1,CE2として出力される。
この実施形態1では各チャネルの予測係数の1つを適当に選んで基準予測係数とし、その基準予測係数と、これ以外の各予測係数との差分又は重みつき差分係数をそれぞれ生成する。この例では第1予測係数を基準予測係数とし、これと第2予測係数との差分又は重みつき差分係数を減算部31で生成し、この差分係数を差分係数符号化部32で例えばエントロピー符号化により差分係数符号CDCを生成する。基準予測係数は係数符号化部18でスカラー量子化し、必要に応じてこれをエントロピー符号化などにより更に圧縮し、あるいはベクトル量子化して、係数符号CC を生成する。合成部33により第1、第2誤差符号CE1,CE2、係数符号CC 、差分係数符号CDCをフレームごとに組とし、必要に応じてパケットとして出力する。
第1、第2予測係数としてPARCOR係数、LSPなどのスカラー量子化を使うと、第1、第2予測係数が類似すると、次数pの1番目〜p番目の各係数値と比較して減算部31よりの各対応する差分係数値が小さくなり、差分係数符号化部32における圧縮率が高くなる。
復号
図1に示した符号化装置と対応する復号装置、つまり実施形態1を適用した復号装置の機能構成を図2に示す。
分離部34に入力された復号されるべき符号は1フレーム分の符号の組ごとに第1、第2誤差符号CE1,CE2と係数符号CC と、差分係数符号CDCとに分離される。第1、第2誤差符号CE1,CE2はそれぞれ誤差復号部211 ,212 で図1中の誤差符号化部171 ,172 で用いた符号化方法と対応した復号方法を用いてそれぞれ第1、第2予測誤差信号に復号される。係数符号CC は係数復号部22で、図1中の係数符号化部18で用いた符号化方法と対応した復号方法を用いて予測係数に復号される。
この予測係数が対応する符号化装置で決めた基準予測係数である。従ってこの例では第1誤差符号CE1と係数符号CC が1つのチャネル信号に対する符号化結果であり、係数復号部22よりの予測係数と第1予測誤差信号とを用いて予測合成部231 で線形予測合成が行われ、第1チャネル信号が再生される。
差分係数符号CDCは図1中の差分係数符号化部32で用いた符号化方法と対応した復号方法により差分係数復号部35で差分係数として復号される。この差分係数と予測係数(基準予測係数)とが加算部36で加算又は重みつき加算されて第2予測係数が得られる。この第2予測係数と第2予測誤差信号が予測合成部232 で線形予測合成されて、第2チャネル信号が再生される。再生されたフレームごとの第1、第2チャネル信号はフレーム合成部241 ,242 で順次連結されて出力端子251 ,252 に出力される。予測合成部231 ,232 は図9中の予測合成部23と同様に、それぞれ線形予測部261 ,262 と加算部271 ,272 により構成される。
[実施形態2]
この発明の実施形態2も多チャネル信号の各予測係数のチャネル間の相関を利用したものであり、適当に選んだ1つのチャネル信号についてのみ線形予測分析を行って予測係数を求め、その予測係数を用いて、多チャネル信号の各チャネル信号に対して時間方向に線形予測を行う。
符号化
図3に実施形態2を適用した符号化装置の機能構成を図1と対応する部分に同一参照番号を付けて示し、重複説明は省略する(この点は以下も同様である)。この実施形態2では第1、第2チャネル信号中の任意の1つ、この例では第1チャネル信号を選び、その第1チャネル信号(基準チャネル信号)のみが線形予測分析部13で線形予測分析されて予測係数が求められる。この予測係数を用いて、第1、第2チャネル信号に対し、時間方向の線形予測が予測誤差生成部161 ,162 内の各線形予測部141 ,142 で行われ、その第1、第2予測誤差信号が予測誤差生成部161 ,162 から出力される。
第1、第2予測誤差信号は誤差符号化部171 ,172 でそれぞれ第1、第2誤差符号CE1,CE2に符号化される。線形予測分析部13よりの予測係数は係数符号化部18で係数符号CC として符号化される。第1、第2誤差符号CE1,CE2、係数符号CC は合成部33に入力される。
この場合、基準チャネル信号以外のチャネル信号(この例では第2チャネル信号)の予測誤差信号(第2予測誤差信号)の振幅は、第2チャネル信号から分析された本来の予測係数を使う場合より大きくなる。しかし、第1、第2チャネル信号の各予測係数が近ければ、第2予測誤差信号の振幅はそれ程大きくならず、第2チャネル信号の予測係数に対する係数符号CC2を省略でき、全体としての情報量を小さくすることができる。
復号
図4に図3の符号化装置に対応した復号装置、つまり実施形態2を適用した復号装置を図2と対応する部分に同一参照符号を付けて示す。第1、第2誤差符号CE1,CE2と係数符号CC が分離部34に入力され、誤差復号部211 ,212 により復号された第1、第2予測誤差信号は、係数復号部22よりの復号された予測係数を用いて、予測合成部231 ,232 でそれぞれ線形予測合成されて、第1、第2チャネル信号が再生される。
[実施形態3]
この発明の実施形態3は多チャネル信号の各予測誤差信号のチャネル間相関を利用するもので、多チャネルの予測誤差信号中の適当な1つを基準とし、この基準予測誤差信号(基準チャネルの予測誤差信号)と、これ以外の予測誤差信号との重みつき差分信号を生成し、この重みつき差分信号を符号化し、またその重みつき差分信号の生成に用いた重み係数を符号化する。
符号化
図5にこの実施形態3を適用した符号化装置の機能構成を示す。図1に示した例と同様に第1、第2チャネル信号についてそれぞれ第1、第2予測誤差信号を生成し、その生成に用いた第1、第2予測係数をそれぞれ第1、第2係数符号CC1,CC2に符号化する。
この実施形態3では第1、第2予測誤差信号の1つ、この例では第1予測誤差信号を選んで基準予測誤差信号とし、この基準予測誤差信号は誤差符号化部17で誤差符号CE に符号化するが、基準予測誤差信号以外のもの、この例では第2予測誤差信号は基準予測誤差信号に対する重みつき差分誤差信号が、重みつき減算部41で生成される。重みつき減算部41内では基準予測誤差信号と第2予測誤差信号とから重み計算部41aで重み係数が計算され、重み係数は重み符号化部41bでスカラー量子化され、その量子化された重み係数w(重み符号Cw )が基準予測誤差信号に乗算部41cで乗算され、その乗算結果が第2予測誤差信号から引算部41dで差し引かれて差分誤差信号として出力される。
重み計算部41aの重み係数wの計算は例えば次のように行う。基準となるチャネルのフレーム内の予測誤差信号をX(x(0),…,x(N−1))とし、第2チャネルの予測誤差信号をY(y(0),…,y(N−1))とする。Nはフレーム内のサンプル数である。基準予測誤差信号Xに重み係数w′を乗算した値を第2予測誤差信号Yを差し引いた値の2乗、つまり引き算部41cの差分誤差信号のパワーを式(1)に示すようにdとし、
d=‖Y−w′X‖2 (1)
最適な重み係数w′を式(2)、式(3)の計算により求める。
w′=X0 T0 /X0 T0 (2)
0 T0 =Σi=0 N-1x(i)y(i) (3)
0 T0 =Σi=0 N-1x(i)2
求めた重み係数w′を重み符号化部41bでスカラー量子化して重み係数wを得る。
このようにして生成された差分誤差信号が差分誤差符号化部42で差分誤差符号CDEとして例えばエントロピー符号化方法により符号化される。また重みつき減算部41で用いた重み係数w、つまり重み符号化部41bの出力は重み符号Cw として出力される。誤差符号CE と、第1、第2係数符号CC1,CC2と、差分誤差符号CDEと、重み符号Cw とが合成部33に入力される。
基準予測誤差信号と第2予測誤差信号との相関が大きければ、差分誤差信号は、第2予測誤差信号より振幅が可成り小さくなり、差分誤差符号CDEと重み符号Cw との和は第2誤差符号CE2より情報量が小さくなり、全体としての圧縮効率も高くなる。
重み計算部41aでの重み係数wは第2予測誤差信号の基準予測誤差信号の対応サンプルとの相関を利用したが、基準予測誤差信号の対応サンプルのみならず、その両隣接サンプルなど両側の近いサンプルとの相関も利用し、3タップの重み係数w-1,w0 ,w1 を用いてもよい。この場合は最適な3タップの係数w-1,w0 ,w1 は式(4)、式(5)を最小化する正規方程式の解w′-1,w′0 ,w′1 を重み計算部41aで求め、それぞれをスカラー量子化すればよい。
d=Σi=1 N-2[y(i)−Σj=-1 1(w′j x(i−j))]2 (4)
Figure 0003886482
重みつき減算部41の機能構成は例えば図6に示すように、基準予測誤差信号X(x(1),x(2),…,x(N−1))と第2予測誤差信号Y(y(1),y(2),…,y(N−1))が重み計算部41aに入力されて、式(4)の重み係数w′-1 ,w′0 ,w′1 を最小化する式(5)の正規方程式の解として計算され、w′-1 ,w′0 ,w′1 がそれぞれスカラー量子化されて重み係数w-1 ,w0 ,w1 とされる。基準予測誤差信号xは1サンプル遅延回路Dの2個直列回路に入力され、その入力と各遅延回路Dの出力とはそれぞれ重み係数w-1 ,w0 ,w1 がそれぞれ乗算された後、加算されて乗算部41cの出力とされ、これが引き算部41dで第2予測誤差信号yから引き算されて差分誤差信号が得られる。この重み係数w-1 ,w0 ,w1 はベクトル量子化して重み符号Cw としてもよい。
復号
図5に示した符号化装置と対応する、実施形態3を適用した復号装置の機能構成を図7に示す。誤差符号CE と、係数符号CC1 ,CC2と、差分誤差符号CDEと、重み符号Cw とに分離部34で分離され、図5中の基準予測誤差信号を符号化した誤差符号化部17の符号化方法と対応する復号方法を用いて、誤差符号CE が誤差復号部21で復号されて基準予測誤差信号が生成される。この例では基準予測誤差信号は第1チャネルに対するものとされた場合である。係数符号CC1 ,CC2が、図5中の係数符号化部181 ,182 で用いられた符号化方法と対応する復号方法により、係数復号部221 ,222 でそれぞれ第1、第2予測係数として復号される。第1チャネルが基準予測誤差信号とされているから、復号された基準予測誤差信号が、第1チャネルの復号された第1予測係数を用いて予測合成部231 で線形予測合成されて第1(基準)チャネル信号が再生される。
差分誤差符号CDEが、図5中の差分誤差符号化部42の符号化方法と対応する復号方法を用いて差分誤差復号部44で復号されて差分誤差信号が生成される。また重み符号Cw が、図5中の重み符号化部41bの符号化方法と対応した復号方法により重み復号部45で重み係数wとして復号される。重み符号Cw がスカラー量子化重み係数自体の場合は重み復号部45は省略される。重みつき加算部46で復号された基準予測誤差信号が復号された重み係数wと乗算され、その結果と復号された差分誤差信号と加算されて第2予測誤差信号が生成される。
この第2予測誤差信号が復号された第2予測係数を用いて予測合成部232 で線形予測合成されて第2チャネル信号が再生される。
符号化装置中の重みつき減算部41が、図6に示した場合は、重み復号部45で重み係数w-1 ,w0 ,w1 が復号され、この重み係数が、図6中に示した乗算部41cと同様構成の乗算部により復号された基準予測誤差信号に対する乗算が行われて、復号された差分誤差信号が生成される。
[実施形態4]
この発明の実施形態4は実施形態1〜3の組み合せ、つまり予測係数のチャネル間相関と、予測誤差信号のチャネル間相関とを利用し、圧縮率を更に高めるものである。
(1)図1中に破線で示すように、多チャネル予測誤差信号の1つ、この例で図5の場合と同様に、第1チャネルの予測誤差信号を基準予測誤差信号とし、これとそれ以外の予測誤差信号、この例では第2予測誤差信号との重みつき減算が重みつき減算部41で行われて差分誤差信号が生成され、これが誤差符号化部172 の代りに差分誤差符号化部42で差分誤差符号CDEに符号化されて第2誤差符号CE2の代りに出力される。また重みつき減算部41で用いた重み係数が重み符号Cw として符号化される。重みつき減算部41は図5中に示したものや図6に示したものなどが用いられる。第2予測誤差信号は重みつき減算部41と差分誤差符号化部42で符号化されたことになる。
これと対応する復号装置は図2中に破線で示すように、第2誤差符号CE2の代りに差分誤差符号CDEが差分誤差復号部44で復号されて差分誤差信号が生成され、重み復号部45で重み符号Cw が重み係数として復号され、重みつき加算部46でこの重み係数に誤差復号部22からの基準予測誤差信号が重み付けられて復号された差分誤差信号と加算され、第2予測誤差信号が生成される。第2予測誤差信号は差分誤差復号部44と重みつき加算部46により復号されたことになる。
(2)図3中に破線で示すように、第1予測誤差信号が基準予測誤差信号とされ、第2予測誤差信号との重みつき減算が重みつき減算部41で行われて差分誤差信号が生成され、その差分誤差信号が誤差符号化部172 の代りに差分誤差符号化部42で差分誤差符号CD5として符号化されて出力される。また重みつき減算部41で用いた重み係数が重み符号Cw として符号化される。
この符号化装置と対応する復号装置では図4中に破線で示すように第1誤差符号CE2の代りに差分誤差符号CDEが、誤差復号部21の代りに差分誤差復号部44で復号されて差分誤差信号が生成され、重み符号Cw が重み復号部45で重み係数として復号され、重みつき加算部46で、この重み係数により、誤差復号部211 からの基準予測誤差信号としての第1予測誤差信号が重みつけられて復号された差分誤差信号と加算され、第2予測誤差信号が生成される。
これら予測係数のチャネル間相関と、予測誤差信号のチャネル間相関とを利用する場合、その基準とするチャネルは、予測係数と予測誤差信号とで異ならせてもよい。また全チャネルを複数に分割する場合は予測係数と予測誤差信号とでその分割のやり方が異なっていてもよく、予測係数と予測誤差信号の一方については分割をしなくてもよい。
[実施形態5]
この発明の実施形態5は各種予測符号化方法中の最も望ましいものを選択する。つまり例えば実施形態1〜4中の2つ以上のそれぞれについて符号化を行い、その符号化結果の情報量が最も小さい符号化方法により符号化した符号の組を出力する。
また予測係数については、各チャネルに対しそのまま用いる場合(実施形態3)、1つの予測係数ですべてのチャネルに対し兼用する場合(実施形態2)、差分予測係数を用いる場合(実施形態3)がある。
予測誤差信号については、各チャネルに対しそのまま用いる場合(実施形態1、2)、差分予測誤差信号を用いる場合(実施形態3)がある。
基準をいずれのチャネルにするかの場合がある。これらの各場合の組み合せ中の最も望ましい方法を選択することにより圧縮効率を更に上げることができる。
その実施例を図8を参照して説明する。ここで予測係数、又は/及び予測誤差信号について基準チャネルを1つ設定する符号化方法を第1モードと、予測係数及び予測誤差信号のそれぞれについて基準チャネルを各1つ設定する符号化方法を第2モードとする。つまり第1モードは、a予測係数はそのままとし、差分予測誤差信号を用いる(実施形態3)、b差分予測係数とし、予測誤差信号はそのまま用いる(実施形態1)、c予測係数を1つで兼用し、予測誤差信号はそのまま用いる(実施形態2)場合であり、第2モードは、d差分予測係数と差分予測誤差信号を用いる(図1)、e予測係数を1つで兼用し、差分予測誤差信号を用いる(図3)。
ステップS1で全てのチャネルとも予測係数、予測誤差信号をそのまま用い、つまり従来のチャネルごとの予測符号化方法により符号化し、その結果を記憶部に記憶する。
ステップS2で第1モードの1つを設定し、ステップS3で基準チャネルを設定し、ステップS4でその設定した第1モードの符号化方法で符号化し、その結果を記憶部に記憶し、ステップS5で基準チャネルに設定していないチャネルがあるかの判断を行い、あればステップS3に戻って未設定のチャネルの1つを基準チャネルに設定する。
ステップS5で未設定のチャネルがなければステップS6で未設定の第1モードがあるかを調べ、あればステップS2に戻って、未設定の第1モードの1つを設定する。ステップS6で未設定の第1モードがなければステップS7で第2モードの一方を設定する。
ステップS8で予測誤差信号に対する基準チャネルを設定し、ステップS9で予測係数に対する基準チャネルを設定し、ステップS10で設定された第2モードの符号化方法で符号化し、その結果を記憶部に記憶する。
ステップS11で予測係数に対する未設定の基準チャネルが有るかを調べ、あればステップS9で予測係数に対する未設定のチャネルを基準に設定し、ステップS11で未設定のチャネルがなければステップS12で予測誤差信号に対する基準チャネルとして設定していないチャネルが有るかを調べ、あれば、その1つをステップS8で設定し、なければ、ステップS13で第2モードの両者の符号化が終了したかを調べ、終了していなければステップS14で第2モードの他方を設定してステップS8に戻る。
ステップS13で第2モードの2つの方法による符号化が終了すれば、ステップS15で記憶部から、すべての符号化の結果を読み出し、その各情報量を計算し、ステップS16でこれらの情報量の最小のものを選択し、ステップS17でその選択したものと対応する符号化結果を出力符号とする。またその出力符号がいずれの符号化方法により符号化したかを表わす選択情報を補助符号として符号化して出力する。
上記情報量が少ない符号化方法を選択する符号化方法と対応する復号方法を適用した復号装置を図10に示す。この例は図1、図3のそれぞれに示した各2つの符号化方法と、図5に示した符号化方法との5つの符号化方法のいずれかを用いて符号化する場合と対応したものである。
入力された1組の符号から補助符号と、多チャネル信号符号とに分離部51で分離し、その分離された補助符号を補助復号部52で復号して選択情報を得る。この選択情報により切替供給部53を制御して、分離された多チャネル信号符号を復号部54の第1〜第5機能部541〜545中の対応するものに供給して、その機能部により復号させる。第1〜第5機能部541〜545は図1、図3、図5に示した計5つの符号化方法とそれぞれ対応した図2、図4、図7に示す5つの復号方法によりそれぞれ復号するものである。これら第1〜第5機能部541〜545より復号された各第1、第2チャネルディジタル信号はそれぞれ出力端子251,252に出力される。第1〜第5機能部541〜545は分離して示しているが、例えば図2と図4からも直ちに理解されるように、予測合成部231,232、フレーム合成部241、242などは互いに兼用されるものである。
なお上述した各実施形態において、係数符号CC ,CC1 ,CC2などはいずれもスカラー量子化された線形予測係数自体、これをエントロピー符号化あるいは、ベクトル量子化したものでもよい。従って、スカラー量子化されたままのものを係数符号として用いる場合は、係数符号化部は、例えば線形予測分析部131 内の量子化部13a1 が係数符号化部18となり、また係数復号部22、221 ,222などは省略される。係数符号より予測係数を得る(求める)手段とは係数符号をそのまま通過させる場合と、復号して係数符号を求める場合とがある。重み係数に対する重み符号についても同様である。
図8に示した処理において、必要に応じて一部のモードの方法を省略、あるいは一部について基準とするチャネルを固定にしたままなどの各種変更を行ってもよい。また、全体のチャネルを複数群に分割して、各群について基準チャネルを2つ設定する方法についても、図8中に示した各種符号化方法に加えて、情報量の最小のものを選択してもよい。
図1、図3、図6に示した符号化装置、図2、図4、図7、図10に示した復号装置はそれぞれコンピュータにより機能させることができる。その場合は例えば、図1、図3、図6に示した符号化装置としてコンピュータを機能させるため符号化プログラムをCD−ROM、磁気ディスクなどの記録媒体から、あるいは通信回線を介してコンピュータにダウンロードし、そのプログラムを実行させればよい。
実施形態1の符号化装置の機能構成を示す図。 実施形態1の復号装置の機能構成を示す図。 実施形態2の符号化装置の機能構成を示す図。 実施形態2の復号装置の機能構成を示す図。 実施形態3の符号化装置の機能構成を示す図。 図5中の重みつき減算部41の他の機能構成例を示す図。 実施形態3の復号装置の機能構成を示す図。 実施形態5の処理手順の例を示す流れ図。 従来の予測符号化、復号装置の機能構成を示す図。 実施形態5の復号装置の簡略機能構成例を示す図。

Claims (12)

  1. 多チャネルディジタル信号に対し、それぞれ時間方向に線形予測を行って、予測誤差信号を求め、これら予測誤差信号のうちの1つを基準予測誤差信号とし、この基準予測誤差信号をエントロピー符号化する予測誤差信号符号化過程と、
    記基準予測誤差信号とそれ以外の予測誤差信号とのチャネル間での重みつき差分より差分誤差信号を作成する差分誤差信号作成過程と、
    上記作成された差分誤差信号をエントロピー符号化する差分誤差信号符号化過程と、
    上記差分誤差信号作成に用いた重みを符号化する重み符号化過程と、
    上記各線形予測を行った際に用いた各予測係数を符号化する予測係数符号化過程と、を有することを特徴とする多チャネル符号化方法。
  2. 請求項1記載の多チャネル符号化方法において、
    上記差分誤差信号作成過程は、
    上記それ以外の予測誤差信号については、当該予測誤差信号と時間位置が同じ上記基準予測誤差信号と、当該予測誤差信号と時間位置が1サンプル後の上記基準予測誤差信号と、当該予測誤差信号と時間位置が1サンプル前の上記基準予測誤差信号との重み付け和と、当該予測誤差信号との差分を差分誤差信号として作成する過程である、ことを特徴とする多チャネル符号化方法。
  3. 基準予測誤差符号をエントロピー復号して基準予測誤差信号を求める基準予測誤差信号生成過程と、
    他チャネルの差分誤差符号をエントロピー復号して上記他チャネルの差分誤差信号を求める差分誤差信号生成過程と、
    上記他チャネルの重み符号より上記他チャネルの重み係数を復号する重み係数復号過程と、
    記基準予測誤差信号を上記他チャネルの重み係数で重み付けて上記他チャネルの差分誤差信号と加算して上記他チャネルの予測誤差信号を求める予測誤差信号生成過程と
    基準係数符号より基準予測係数を、上記他チャネルの係数符号より上記他チャネルの予測係数を、それぞれ復号する予測係数復号過程と、
    基準チャネルについては、上記基準予測係数と上記基準予測誤差信号とを用いて予測合成して基準チャネルディジタル信号を求め、さらに、上記他チャネルについては、上記他チャネルの予測係数と上記他チャネルの予測誤差信号とを用いて予測合成して上記他チャネルのチャネルディジタル信号を求めるチャネルディジタル信号生成過程と、を有することを特徴とする多チャネル復号方法。
  4. 請求項3記載の多チャネル復号方法において、
    上記重み係数復号過程は、上記他チャネルについて、3つの重み係数を復号する過程であり、
    上記予測誤差信号生成過程は、上記他チャネルの差分誤差信号については、当該差分誤差信号と時間位置が同じ上記基準予測誤差信号に当該基準予測誤差信号に対応する上記重み係数を乗算したものと、当該差分誤差信号より時間位置が1サンプル後の上記基準予測誤差信号に当該1サンプル後の基準予測誤差信号に対応する上記重み係数を乗算したものと、当該予測誤差信号より時間位置が1サンプル前の上記基準予測誤差信号に当該1サンプル前の基準予測誤差信号に対応する上記重み係数を乗算したものと、当該差分誤差信号と、を加算したものを予測誤差信号として求める過程である、ことを特徴とする多チャネル復号方法。
  5. 入力された複数チャネルのディジタル信号を符号化する多チャネル符号化装置であって、
    チャネル毎の上記ディジタル信号線形予測分析してチャネル毎の予測係数を生成するチャネル毎の線形予測分析部と、
    上記チャネル毎のディジタル信号と上記チャネル毎の予測係数により時間方向に線形予測を行って、チャネル毎の予測誤差信号を生成するチャネル毎の予測誤差生成部と、
    上記チャネル毎の予測誤差信号のうちの1つを基準予測誤差信号とし、上記基準予測誤差信号とそれ以外の予測誤差信号とが入力され、上記基準予測誤差信号と上記それ以外の予測誤差信号との重みつき差分により差分誤差信号を生成する重みつき減算部と、
    記差分誤差信号が入力され、これをエントロピー符号化する差分誤差符号化部と、
    記差分誤差信号の成に用いた重みが入力され、これを符号化する重み符号化部と、
    上記チャネル毎の予測係数が入力され、これを符号化するチャネル毎の係数符号化部と、
    上記基準予測誤差信号が入力され、これをエントロピー符号化する誤差符号化部と、
    を具備する多チャネル符号化装置。
  6. 請求項5記載の多チャネル符号化装置において、
    記差分誤差符号化部は、
    上記基準予測誤差信号以外の予測誤差信号については、当該予測誤差信号と時間位置が同じ上記基準予測誤差信号と、当該予測誤差信号と時間位置が1サンプル後の上記基準予測誤差信号と、当該予測誤差信号と時間位置が1サンプル前の上記基準予測誤差信号との重み付け和と、当該予測誤差信号との差分を差分誤差信号として作成するものであることを特徴とする多チャネル符号化装置。
  7. 基準予測誤差符号が入力され、これをエントロピー復号して基準予測誤差信号を生成する誤差復号部と、
    他チャネルの差分誤差符号が入力され、それをエントロピー復号して上記他チャネルの差分誤差信号を生成する差分誤差復号部と、
    上記他チャネルの重み符号が入力され、上記他チャネルの重み係数として出力する手段と、
    上記基準予測誤差信号と、上記他チャネルの重み係数、および記他チャネルの差分誤差信号が入力され、その基準予測誤差信号と上記多チャネルの差分誤差信号を重みつき加算して上記多チャネルの予測誤差信号を生成する重みつき加算部と
    係数符号及び上記他チャネルの係数符号が入力され、基係数符号より基準予測係数を、上記他チャネルの係数符号より上記他チャネルの予測係数を出力する手段と、
    基準予測係数及び上記他チャネルの予測係数と上記基準予測誤差信号及び上記予測誤差信号とがそれぞれ入力され、上記基準予測係数と上記基準予測誤差信号を用いて、予測合成して、基準チャネルディジタル信号を生成し、上記他チャネルの予測係数と上記他チャネルの予測誤差信号を用いて、予測合成して、上記他チャネルのチャネルディジタル信号を生成するチャネル毎の予測合成部と、
    を具備する多チャネル復号装置。
  8. 請求項7記載の多チャネル復号装置において、
    記重み係数として出力する手段は、上記他チャネルについて、3つの重み係数を復号するものであり、
    上記重みつき加算部は、上記他チャネルの差分誤差信号については、当該差分誤差信号と時間位置が同じ上記基準予測誤差信号に当該基準予測誤差信号に対応する上記重み係数を乗算したものと、当該差分誤差信号より時間位置が1サンプル後の上記基準予測誤差信号に当該1サンプル後の基準予測誤差信号に対応する上記重み係数を乗算したものと、当該予測誤差信号より時間位置が1サンプル前の上記基準予測誤差信号に当該1サンプル前の基準予測誤差信号に対応する上記重み係数を乗算したものと、当該差分誤差信号と、を加算したものを予測誤差信号として求めるものであることを特徴とする多チャネル復号装置。
  9. 請求項1又は2に記載した多チャネル符号化方法の各過程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  10. 請求項3又は4に記載した多チャネル復号方法の各過程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  11. 請求項9に記載したプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  12. 請求項10に記載したプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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