JP4963973B2 - マルチチャネル信号符号化方法、それを使った符号化装置、その方法によるプログラムとその記録媒体 - Google Patents
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Description
少なくとも1つのチャネル、以下第1チャネルと呼ぶ、の信号を線形予測分析して第1チャネル線形予測係数と第1チャネル残差信号を生成する第1チャネル線形予測分析ステップと、
上記第1チャネル以外の少なくとも1つのチャネル、以下第2チャネルと呼ぶ、の信号からその残差信号と上記第1チャネル残差信号の差分の基準値が最小となるように第2チャネル線形予測係数を求め、その第2チャネル線形予測係数に基づいて上記第2チャネル信号の残差信号を第2チャネル残差信号として生成するチャネル間相関を利用した線形予測分析ステップと、
上記第1チャネル残差信号と上記第2チャネル残差信号間の重み付き減算処理により残差差分信号を生成する重み付き減算ステップと、
上記第1チャネル線形予測係数に対応する係数と上記第1チャネル残差信号を符号化して第1チャネル符号を出力し、少なくとも上記第2チャネル線形予測係数に対応する係数と上記残差差分信号を符号化して第2チャネル符号を出力する符号化ステップ、
とを含む。
この発明によれば、合計の基準値(言い換えれば実際に符号化される信号の基準値)、例えば親チャネルの残差信号エネルギー基準と、減算処理後の子チャネル残差信号エネルギー基準の合計
親チャネルの残差信号と子チャネルの残差信号とを用いて子チャネルの重み付き残差信号を求める処理は、実際には式(5)又は(10)に示した1タップの減算処理ではなく複数タップの減算処理が行われることもあるが(特許文献1)、ここでは分かりやすく説明にするため1タップの減算処理を用いる。また、説明のため、減算処理の親となるRチャネルの線形予測係数は固定のままとし、チャネル数も2とする。そしてLチャネルを減算処理の子チャネルとし、Lチャネルの線形予測係数を本発明で採用した新たな手法で計算する。このような条件のもとでは、サンプル数がNのときの2チャネル合計のエネルギーは、
図3はこの発明によるマルチチャネル信号の基本的な符号化処理手順の例を示す。
この発明では、マルチチャネル入力信号を符号化する場合、どのチャネル信号が親チャネル信号、また子チャネル信号として入力されるか予め決められている場合もあるし、あるいは、この符号化装置において決める場合もある(親子の決め方の詳細は非特許文献1参照)。例えばここでは右チャネル信号が親チャネル信号として入力され、左チャネル信号が子チャネル信号として入力されたとする。まず、親チャネル信号の残差信号を例えば式(2)により求める(ステップS1)。得られた親チャネル残差信号に対し、子チャネル残差信号との差分信号の基準値、例えばエネルギーが最小となるように子チャネル用の線形予測係数を決める(ステップS2)。これは、具体的には式(18)を解くことによって得られる。得られた予測係数を使って子チャネル信号の残差信号を生成する(ステップS3)。親チャネル残差信号と子チャネル残差信号の重み付き減算処理により残差差分信号を生成する(ステップS4)。親チャネルの予測係数、親チャネル残差信号、子チャネル予測係数、残差差分信号、重み係数をそれぞれ符号化する(ステップS5)。
図4はこの発明をステレオ信号の符号化に適用した場合の符号化装置のブロック図を示す。図2の従来技術の構成と異なる点は、図2における子チャネル線形予測分析部31Lの代わりにチャネル間相関を利用した線形予測分析部54Mが設けられ、残差符号化部42L、符号合成部44L、符号量比較部71に対応するものが設けられていないことである。また、図2における子チャネルの変換部32L、量子化部33L、逆変換部34L、線形予測フィルタ41L、係数符号化部43Lは、それぞれ図4における同様の構成部55M〜58M,64Mに置き換えられている。
Step1:入力された子チャネル信号xL(n)より式(14)を用いてPM次までの自己相関R(τ)(τ=0, 1, …, PM)を計算する。
Step2:入力された子チャネル信号xL(n)と予測残差eR(n)より式(15)を用いてPM次までの相互相関C(τ)(τ=0, 1, …, PM)を計算する。
Step3:Step1で得られたR(τ)(τ=0, 1, …, PM)とStep2で得られたC(τ)(τ=0, 1, …, PM)を用いて、次式により相互相関を考慮した予測係数ai M(i=1, 2, …, PM)を求める。
重み付き減算処理部53の処理としては、例えば、複数タップの重み付き減算処理や時間差を考慮した複数タップの重み付き減算処理を行うことが知られている(特許文献1)。この発明においても、式(11)において複数タップ(j=-1, 0, 1)の重み付き減算処理後の信号、
式(18')を以下のように変形して、共分散法のように解いてもよい。ただしここで、式(14)の自己相関を次式
図4の実施例では、親子関係が決定済みの場合を例として挙げたが、一度それぞれの予測残差を求めて、エネルギーの小さい方を親チャネルとして分析を行ってもよい。その変形実施例を図5に示す。この変形実施例は、図4の構成に対し、図2と同様の線形予測分析部31L、変換部32L、量子化部33L、逆変換部34L、線形予測フィルタ41Lが追加され(これらを含む構成は請求項19における第2チャネル第2線形予測分析手段に対応する)、左チャネル信号に対し同様の処理を行なって残差信号eL(n)を得る。更に、比較部45Lと入力切替部2が設けられる。親チャネル側の線形予測フィルタ21Rからの残差信号eR(n)のエネルギーと子チャネル残差信号eL(n)のエネルギーを例えば式(4)、(3)により計算し、小さい方のチャネルの入力信号を親チャネル信号、大きい方のチャネルの入力信号を子チャネル信号と決定し、それに従って入力切替部2を切り替え制御する。以下の処理は図4と同様である。なお、比較部45Lによる比較は、残差信号のエネルギーの比較を行う場合を示したが、絶対値の和や符号量の比較を用いてもよい。
図4の実施例において得られる符号の符号量と、図4における右チャネル信号xR(n)を子チャネルの入力とし、左チャネル信号xL(n)を親チャネルの入力として(即ち親子関係を逆にして)図6に示すように再度符号化を行い、図4の場合の符号量と比較しての少ない方を出力としてもよい。例えば、図7に示すように、図4(又は図6)の構成で示される符号化装置をこの変形実施例の符号化部3とし、符号化部3の入力側に入力切替部2を設け、出力側に選択出力部4を設ける。選択出力部4には符号化部3を構成する図4(又は図6)の符号合成部24R,63Mからの符号の組を保持する記憶部4A,4Bと、それらの記憶部4A,4Bに保持された符号の組の符号量を計算し、どちらが小であるか判定する符号量比較部4Cと、小さいと判定されたほうの符号の組を選択出力する選択部4Dとが設けられている。
子チャネルに関しては、通常の線形予測分析を行って求めた係数符号Ck Lと残差符号Ce Lとを合成して得たCg Lと、図4の実施例で求めたCg Mの符号量を符号量比較部で比較して少ない方を出力しても良い。その変形実施例を図8に示す。この変形実施例は、図4の実施例に対し、図2と同様の線形予測分析部31L、変換部32L、量子化部33L、逆変換部34L、線形予測フィルタ41L、残差符号化部42L、係数符号化部43L、符号合成部44L、符号量比較部71が追加され、図2の場合と同様の処理を行なう。
図4の実施例において、変換部55Mにより生成されたPARCOR係数ki Mに絶対値が1以上のものがあると、それらの係数を逆変換して得た線形予測係数ai Mによる線形予測フィルタ58Mの動作が不安定になる場合がある。そこで、図8の変形実施例において、符号量比較部71で合成符号Cg LとCg Mの符号量を比較して少ない方を出力する代わりに、変換部55Mで得られたPARCOR係数に依存してどちらを選択するかを決めてもよい。その例を図9に示す。図9の変形実施事例は、図8の変形実施例において符号量比較部71の代わりに符号選択部72を設けたものである。
図10は図4の実施例におけるチャネル間相関を利用した線形予測分析部54Mによる式(18')の計算を、前のフレームの重み係数γ0を用いて次式により近似計算する場合の実施例を示す。
Step1:入力された子チャネル信号xL(n)より式(14)を用いて自己相関R(τ)をτ=0, 1, …, PMについてそれぞれ計算する。
Step2:入力された子チャネル信号xL(n)と予測残差eR(n)より式(15)を用いて相互相関C(τ)をτ=0, 1, …, PMについてそれぞれ計算する。
Step3:暫定重み係数γ0とStep1で得られたR(τ)(τ=0, 1, …, PM)とStep2で得られたC(τ)(τ=0, 1, …, PM)を用いて、式(28)から予測係数ai M(i=1, 2, …, PM)を求める。
後の処理は図4と同様である。この実施例によれば、図4の場合に比べて処理量を減らすことができる。なお、前フレームの重み係数として破線で示すように前フレームの量子化済重み係数^γを暫定重み係数γ0として使用してもよい。
図11は、暫定重み係数γ0として前のフレームのものを用いずに、一度、親チャネル信号xR(n)と子チャネル信号xL(n)に対し式(1), (2)による通常の線形予測を行って得られる残差信号から暫定重み係数γ0を求める場合の実施例を示す。
近似による実施例1の変形例2
図13に示す近似相関による実施例は、相互相関の近似として子チャネルの信号xL(n)に対して親チャネルの残差信号eR(n)を用いて次式
この実施例によれば、式(18’)または式(27)または式(28)を解く必要がないので高速な処理が可能になる。この実施例は、図4〜9の各実施例に適用してもよい。
図14に示すように、図11の実施例におけるチャネル間相関を利用した線形予測分析部54Mを図13の実施例で使用した近似相関を利用した線形予測分析部54Mと置き換えてもよい。動作の説明は省略する。この実施例は、図4〜9の各実施例に適用してもよい。
図4などのチャネル間相関を利用した線形予測分析部54Mにおいては、基準値として式(11)中に示される親チャネル残差信号と子チャネル残差信号の差分信号のフレーム内エネルギー{~eL(n)}2が最小となるように子チャネル信号の線形予測係数を決めていたが、基準値として次式
この実施例によれば、処理時間はかかるが、圧縮率の向上が期待でき、従って、符号量の削減が期待できる。この実施例は、図4〜9の各実施例に適用してもよい。
上述の近似による実施例3において、式(38)を0とおかず、最急降下法(勾配降下法)を用いて予測係数を求めることもできる。即ち、入力子チャネル信号xL(n)と、親チャネル残差信号en Rと、暫定重み係数γとを使って、以下の処理により求める。
Step5:|W(n)−W(n-1)|が所定値以下になったか判定することによりJが収束したかを判定し、収束していなければ、W(n-1)←W(n)としてStep2に戻り再び処理を繰り返し、収束していればW(n)を予測係数ai M(i=1, 2, …, PM)として出力する。
この変形例は、図4〜9の各実施例に適用してもよい。基準値を最小にする予測係数を求める方法は、他にもニュートン法、準ニュートン法、遺伝的アルゴリズムなどを用いても可能である。
前述の各実施例においては、例えば線形予測分析部11Rで求めた予測係数ai Rを変換部12RでPARCOR係数ki Rに変換した場合を示したが、これら線形予測分析部と変換部の代わりにチャネル信号から直接PARCOR係数を求めるPARCOR係数算出部と置き換えてもよい。他の線形予測部と変換部の組についても同様である。
Claims (26)
- 複数サンプルで構成されるフレーム毎に入力された複数チャネルの信号に対応する符号を生成するマルチチャネル符号化方法であり、
少なくとも1つのチャネル、以下第1チャネルと呼ぶ、の信号を線形予測分析して第1チャネル線形予測係数と第1チャネル残差信号を生成する第1チャネル線形予測分析ステップと、
上記第1チャネル以外の少なくとも1つのチャネル、以下第2チャネルと呼ぶ、の信号からその残差信号と上記第1チャネル残差信号の差分の基準値が最小となるように第2チャネル線形予測係数を求め、その第2チャネル線形予測係数に基づいて上記第2チャネル信号の残差信号を第2チャネル残差信号として生成するチャネル間相関を利用した線形予測分析ステップと、
上記第1チャネル残差信号と上記第2チャネル残差信号間の重み付き減算処理により残差差分信号を生成する重み付き減算ステップと、
上記第1チャネル線形予測係数に対応する係数と上記第1チャネル残差信号を符号化して第1チャネル符号を出力し、少なくとも上記第2チャネル線形予測係数に対応する係数と上記残差差分信号を符号化して第2チャネル符号を出力する符号化ステップ、
とを含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。 - 請求項1記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記第2チャネル信号を線形予測分析して第2チャネル第2残差信号を生成する第2チャネル第2線形予測分析ステップと、上記第1チャネル残差信号の基準値と上記第2チャネル第2残差信号の基準値を比較し、その比較結果に基づいて上記第1チャネル信号と上記第2チャネル信号の入れ替えを制御する比較制御ステップを更に含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
- 請求項1記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記第1チャネル信号と上記第2チャネル信号を入れ替えないときの上記第1チャネル符号と上記第2チャネル符号の合計符号量と、入れ替えたときの合計符号量を比較し、合計符号量の小さい方を選択出力すると共にどちらを選択したかを表す情報を出力する選択出力ステップを更に含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
- 請求項1記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記第2チャネル信号を線形予測分析して第2チャネル第2線形予測係数と、第2チャネル第2残差信号を生成する第2チャネル線形予測分析ステップと、上記第2チャネル第2残差信号と上記第2チャネル第2線形予測係数に対応する係数を符号化し、第2チャネル第2符号を出力する第2チャネル第2符号化ステップと、上記第2チャネル符号と上記第2チャネル第2符号の符号量を比較し、符号量の小さいほうを第2チャネル符号として出力する符号量比較ステップとを更に含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
- 請求項1乃至4のいずれか記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記チャネル間相関を利用した線形予測分析ステップは、上記第2チャネル信号の残差信号と上記第1チャネル残差信号との重み付き減算で得られる残差差分信号のエネルギーを、第2チャネル線形予測係数を変数として含む式で表し、その式を第2チャネル線形予測係数のそれぞれの次数の係数で偏微分して得られる式を上記第2チャネル信号の自己相関と上記第1チャネル残差信号と上記第2チャネル信号間の相互相関とを使って表し、その式を0とおいて解くことにより上記第2チャネル線形予測係数を求めるステップであることを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
- 請求項5記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記第1チャネル線形予測分析ステップは、上記第1チャネル信号xR(n)からPR次の上記第1チャネル線形予測係数ai R(i=1, 2, …, PR)を求め、さらに上記第1チャネル残差信号を次式
により生成し、ただしa0 R=1とし、
上記チャネル間相関を利用した線形予測分析ステップは、τを0からPMまでの整数とし、上記第2チャネル信号xL(n)の自己相関R(τ)と、上記第1チャネル残差信号eR(n)と上記第2チャネル信号xL(n)間の相互相関C(τ)を次式
で表すと、PM次の上記第2チャネル線形予測係数ai M(i=1, 2, …, PM)を次式
により計算し、上記第2チャネル残差信号eM(n)を上記第2チャネル信号xL(n)と上記第2チャネル線形予測係数ai Mから計算するステップであり、
上記重み付き減算ステップは、重み係数γを
により計算する重み計算ステップと、上記第2チャネル残差信号eM(n)と上記重み係数γに基づいて重み付けした上記第1チャネル残差信号γeR(n)との差分を上記残差差分信号~eM(n)として計算する重み付き減算処理ステップを含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。 - 請求項6記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記チャネル間相関を利用した線形予測分析ステップは、上記第1チャネル差分信号の複数タップの重み付き減算により上記残差差分信号を求めることを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
- 請求項6記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記チャネル間相関を利用した線形予測分析ステップは、上記第1チャネル差分信号の時間差を考慮した複数タップの重み付き減算により上記残差差分信号を求めることを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
- 請求項5記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記第1チャネル線形予測分析ステップは、上記第1チャネル信号xR(n)からPR次の線形予測係数ai R(i=1, 2, …, PR)を求め、さらに上記第1チャネル残差信号を次式
により生成し、ただしa0 R=1とし、
上記チャネル間相関を利用した線形予測分析ステップは、τを0からPMまでの整数とし、上記第2チャネル信号をxL(n)とし、上記第2チャネル信号xL(n)の自己相関R(τ)と、上記第1チャネル残差信号eR(n)と上記第2チャネル信号xL(n)間の相互相関C(τ)を次式
で表すと、PM次の上記第2チャネル線形予測係数ai M(i=1, 2, …, PM)を次式
により計算し、上記第2チャネル残差信号eM(n)を上記第2チャネル信号xL(n)と上記第2チャネル線形予測係数ai Mから計算するステップであり、
上記重み付き減算ステップは、重み係数γを
により計算する重み計算ステップと、上記第2チャネル残差信号eM(n)と上記重み係数γに基づいて重み付けした上記第1チャネル残差信号γeR(n)との差分を上記残差差分信号~eM(n)として計算する重み付き減算処理ステップを含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。 - 請求項5記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記第1チャネル線形予測分析ステップは、上記第1チャネル信号xR(n)からPR次の上記第1チャネル線形予測係数ai R(i=1, 2, …, PR)を求め、さらに上記第1チャネル残差信号を次式
により生成し、ただしa0 R=1とし、
上記チャネル間相関を利用した線形予測分析ステップは、τを0からPMまでの整数とし、上記第2チャネル信号xL(n)の自己相関R(τ)と、上記第1チャネル残差信号eR(n)と上記第2チャネル信号xL(n)間の相互相関C(τ)を次式
で表すと、前フレームの重み係数を暫定重み係数γ0として使ってPM次の上記第2チャネル線形予測係数ai M(i=1, 2, …, PM)を次式
により計算し、上記第2チャネル残差信号eM(n)を上記第2チャネル信号xL(n)と上記第2チャネル線形予測係数ai Mから計算するステップであり、
上記重み付き減算ステップは、重み係数γを
により計算する重み計算ステップと、上記第2チャネル残差信号eM(n)と上記重み係数γに基づいて重み付けした上記第1チャネル残差信号γeR(n)との差分を上記残差差分信号~eM(n)として計算する重み付き減算処理ステップを含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。 - 請求項5記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記第2チャネル信号xL(n)のみからその残差信号を第2チャネル第2残差信号eL(n)として生成する第2チャネル線形予測分析ステップと、上記第1チャネル残差信号eR(n)と上記第2チャネル残差信号eL(n)から暫定重み係数γ0を次式
により求める暫定重み係数計算ステップとを更に含み、
上記第1チャネル線形予測分析ステップは、上記第1チャネル信号xR(n)からPR次の上記第1チャネル線形予測係数ai R(i=1, 2, …, PR)を求め、さらに上記第1チャネル残差信号を次式
により生成し、ただしa0 R=1とし、
上記チャネル間相関を利用した線形予測分析ステップは、τを0からPMまでの整数とし、上記第2チャネル信号xL(n)の自己相関R(τ)と、上記第1チャネル残差信号eR(n)と上記第2チャネル信号xL(n)間の相互相関C(τ)を次式
で表すと、上記暫定重み係数計算ステップにより計算された暫定重み係数γ0を使ってPM次の上記第2チャネル線形予測係数ai M(i=1, 2, …, PM)を次式
により計算し、上記第2チャネル残差信号eM(n)を上記第2チャネル信号xL(n)と上記第2チャネル線形予測係数ai Mから計算するステップであり、
上記重み付き減算ステップは、重み係数γを
により計算する重み計算ステップと、上記第2チャネル残差信号eM(n)と上記重み係数γに基づいて重み付けした上記第1チャネル残差信号γeR(n)との差分を上記残差差分信号~eM(n)として計算する重み付き減算処理ステップを含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。 - 請求項1乃至4のいずれか記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記チャネル間相関を利用した線形予測分析ステップは、前フレームの重み係数を暫定重み係数として使って上記第2チャネル信号を上記第1チャネル残差信号により重み付き減算処理して差信号を生成する相関近似ステップと、上記差信号を線形予測分析し、それによって得られる予測係数を上記第2チャネル線形予測係数として出力する差信号線形予測分析ステップとを含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
- 請求項1乃至4のいずれか記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記第2チャネル信号のみからその残差信号を第2チャネル第2残差信号として生成する第2チャネル線形予測分析ステップと、上記第1チャネル残差信号と上記第2チャネル残差信号から暫定重み係数求める暫定重み係数計算ステップとを更に含み、
上記チャネル間相関を利用した線形予測分析ステップは、相互相関の近似として上記暫定重み係数計算ステップで計算した上記暫定重み係数を使って上記第2チャネル信号を上記第1チャネル残差信号により重み付き減算処理して差信号を生成する相関近似ステップと、上記差信号を線形予測分析し、それによって得られる予測係数を上記第2チャネル線形予測係数として出力する差信号線形予測分析ステップとを含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。 - 請求項1記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記チャネル間相関を利用した線形予測分析ステップは、上記第2チャネル信号の残差信号と上記第1チャネル残差信号との重み付き減算で得られる残差差分信号の絶対値を連続関数で近似するステップと、その近似式を第2チャネル線形予測係数を変数として含む式で表し、その式を第2チャネル線形予測係数のそれぞれの次数の係数で偏微分して得られる式を上記第2チャネル信号の自己相関と上記第1チャネル残差信号と上記第2チャネル信号間の相互相関とを使って表し、その式により上記第2チャネル線形予測係数を求めるステップを含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
- 請求項14記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記自己相関と相互相関であらわされる式を0とおいて解くことにより上記第2チャネル線形予測係数を求めることを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
- 請求項14記載のマルチチャネル信号符号化方法において、上記自己相関と相互相関で表される式から最急降下法により上記第2チャネル線形予測係数を求めることを特徴とするマルチチャネル信号符号化方法。
- 複数サンプルで構成されるフレーム毎に入力された複数チャネルの信号に対応する符号を生成するマルチチャネル符号化装置であり、
少なくとも1つのチャネル、以下第1チャネルと呼ぶ、の第1チャネル信号を線形予測分析して第1チャネル線形予測係数と第1チャネル残差信号を生成する第1チャネル線形予測分析手段と、
上記第1チャネル以外の少なくとも1つのチャネル、以下第2チャネルと呼ぶ、の信号からその残差信号と上記第1チャネル残差信号の差分の基準値が最小となるように第2チャネル線形予測係数を求め、その第2チャネル線形予測係数に基づいて上記第2チャネル信号の残差信号を第2チャネル残差信号として生成するチャネル間相関を利用した線形予測分析手段と、
上記第1チャネル残差信号と上記第2チャネル残差信号間の重み付き減算処理により残差差分信号を生成する重み付き減算手段と、
上記第1チャネル線形予測係数に対応する係数と上記第1チャネル残差信号を符号化して第1チャネル符号を出力する第1チャネル符号化手段と、
少なくとも上記第2チャネル線形予測係数に対応する係数と上記残差差分信号を符号化して第2チャネル符号を出力する第2チャネル符号化手段、
とを含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化装置。 - 請求項17記載のマルチチャネル信号符号化装置において、上記第2チャネル信号を線形予測分析して第2チャネル第2残差信号を生成する第2チャネル第2線形予測分析手段と、上記第1チャネル信号と上記第2チャネル信号を入れ替え可能な入れ替え手段と、上記第1チャネル残差信号の基準値と上記第2チャネル第2残差信号の基準値を比較し、その比較結果に基づいて上記入れ替え手段を制御する比較制御手段を更に含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化装置。
- 請求項17記載のマルチチャネル信号符号化装置において、上記第1チャネル信号と上記第2チャネル信号を入れ替え可能な入力切替手段と、上記入力切替手段が、上記第1チャネル信号と上記第2チャネル信号を入れ替えないときの上記第1チャネル符号と上記第2チャネル符号の合計符号量と、入れ替えたときの合計符号量を比較し、合計符号量の小さい方を選択出力すると共にどちらを選択したかを表す情報を出力する選択出力手段とを更に含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化装置。
- 請求項17記載のマルチチャネル信号符号化装置において、上記第2チャネル信号を線形予測分析して第2チャネル第2線形予測係数と、第2チャネル第2残差信号を生成する第2チャネル線形予測分析手段と、上記第2チャネル第2残差信号と上記第2チャネル第2線形予測係数に対応する係数を符号化し、第2チャネル第2符号を出力する第2チャネル第2符号化手段と、上記第2チャネル符号と上記第2チャネル第2符号の符号量を比較し、符号量の小さいほうを第2チャネル符号として出力する符号量比較手段とを更に含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化装置。
- 請求項17乃至20のいずれか記載のマルチチャネル信号符号化装置において、上記チャネル間相関を利用した線形予測分析手段は、上記第2チャネル信号の残差信号と上記第1チャネル残差信号との重み付き減算で得られる残差差分信号のエネルギーを、第2チャネル線形予測係数を変数として含む式で表し、その式を第2チャネル線形予測係数のそれぞれの次数の係数で偏微分して得られる式を上記第2チャネル信号の自己相関と上記第1チャネル残差信号と上記第2チャネル信号間の相互相関とを使って表し、その式を0とおいて解くことにより上記第2チャネル線形予測係数を求める手段であることを特徴とするマルチチャネル信号符号化装置。
- 請求項17乃至20のいずれか記載のマルチチャネル信号符号化装置において、前フレームの重み係数を暫定重み係数として保持する重み係数保持手段が更に設けられており、上記チャネル間相関を利用した線形予測分析手段は、相互相関の近似として上記重み係数保持手段からの上記暫定重み係数を使って上記第2チャネル信号を上記第1チャネル残差信号により重み付き減算処理して差信号を生成する相関近似部と、上記差信号を線形予測分析し、それによって得られる予測係数を上記第2チャネル線形予測係数として出力する差信号線形予測分析部とを含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化装置。
- 請求項17乃至20のいずれか記載のマルチチャネル信号符号化装置において、上記第2チャネル信号のみからその残差信号を第2チャネル第2残差信号として生成する第2チャネル線形予測分析手段と、上記第1チャネル残差信号と上記第2チャネル残差信号から暫定重み係数求める暫定重み係数計算手段とを更に含み、
上記チャネル間相関を利用した線形予測分析手段は、相互相関の近似として上記暫定重み係数計算手段からの上記暫定重み係数を使って上記第2チャネル信号を上記第1チャネル残差信号により重み付き減算処理して差信号を生成する相関近似部と、上記差信号を線形予測分析し、それによって得られる予測係数を上記第2チャネル線形予測係数として出力する差信号線形予測分析部とを含むことを特徴とするマルチチャネル信号符号化装置。 - 請求項17乃至20のいずれか記載のマルチチャネル信号符号化装置において、上記チャネル間相関を利用した線形予測分析手段は、上記第2チャネル信号の残差信号と上記第1チャネル残差信号との重み付き減算で得られる残差差分信号の絶対値を連続関数で近似し、その近似式を第2チャネル線形予測係数を変数として含む式で表し、その式を第2チャネル線形予測係数のそれぞれの次数の係数で偏微分して得られる式を上記第2チャネル信号の自己相関と上記第1チャネル残差信号と上記第2チャネル信号間の相互相関とを使って表し、その式により上記第2チャネル線形予測係数を求める手段であることを特徴とするマルチチャネル信号符号化装置。
- コンピュータに請求項1乃至16のいずれか記載の方法の各ステップを実行させるためのプログラム。
- 請求項25記載のプログラムが記録された、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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