JP5165584B2 - N−(n’−置換グリシル)−2−シアノピロリジン誘導体の製法 - Google Patents
N−(n’−置換グリシル)−2−シアノピロリジン誘導体の製法 Download PDFInfo
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Description
(下記特許文献1〜6)。
(後記、比較例1〜3参照)(ピロリジン環上のシアノ基の存在により副次的反応が生じ、閉環体などが副生するためと考えられた)。
式中の記号は、以下の意味を有する。
A:−CH2−又は−S−;
R:置換されていてもよい低級シクロアルキル基、
置換されていてもよいアダマンチル基又は
置換されていてもよい低級アルキル基、
で表されるN−(N’−置換グリシル)−2−シアノピロリジン誘導体又はその塩の製造方法であって、以下の如き工程からなることを特徴とする方法である:
一般式〔II〕
式中、Zは反応性残基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する、
で示される化合物と、一般式〔III〕
式中、Rxは、ベンジル基、置換ベンジル基、アリル基、シリル基及びニトロベン
ゼンスルホンアミド基から選択されるアミノ基保護基を表し、他の記号は前記と
同一意味を有する、
で示される化合物又はその塩とを反応させて、一般式〔IV〕
式中、記号は前記と同一意味を有する、
で示される化合物を得、次いでこの化合物からアミノ基保護基Rxを除去して
一般式〔V〕
式中、記号は前記と同一意味を有する、
で示される化合物又はその塩を得た後、脱水反応を含む工程を経て、
これを前記一般式〔I〕で示される化合物又はその塩へ変換する。
一般式〔V〕で示される化合物又はその塩を一般式〔I〕で示される化合物又はその塩へ変換する工程は、例えば、以下の(1)又は(2)のいずれかの方法で実施することができる。
(2)一般式〔V〕で示される化合物又はその塩に、アミノ基保護基を付加して、
アミノ基保護体を得、次いでこれを脱水反応に付した後、アミノ基保護基を除去し、所望によりさらに造塩反応に付すことにより、一般式〔I〕で示される化合物又はその塩へ変換する。
式中、Ryは、酸処理にて除去可能であるアミノ基保護基を表し、他の記号は
前記と同一意味を有する、
で示されるアミノ基保護体を得、次いでこれを脱水反応に付して、一般式〔VII〕
式中、記号は前記と同一意味を有する、
で示される化合物を得た後、そのアミノ基保護基Ryを除去し、所望によりさらに造塩反応に付すことにより、一般式〔I〕で示される化合物又はその塩へ変換する。
で示される化合物からのアミノ基保護基Ryの除去を酸処理にて行ない、
それにより当該保護基除去と同時に造塩反応を行なって、一般式〔I〕で示される化合物の塩へ変換することを特徴とする方法である。
一般式〔VII〕で示される化合物は、化合物〔I〕又はその塩を経由することなく工業的に製造し得るような方法が従来知られていなかったものである。本化合物は、本願発明の方法によって初めて工業的に製造することが可能となった新規な化合物である。
本願発明は、また、(i)ベンジル基または置換ベンジル基以外である第一のアミノ基保護基で保護されたアミン化合物を、パラジウム触媒の存在下、反応させることによりその第一のアミノ基保護基を除去して、一級または二級アミン化合物を得た後、
(ii)引き続いて同一反応系で、当該一級または二級であるアミン化合物を、窒素雰囲気下、ベンズアルデヒドまたは置換ベンズアルデヒドと反応させ、ついで、
(iii)同反応系を水素置換に付した後、前記(i)と同じパラジウム触媒の存在下に、還元反応させることにより、ベンジル基および置換ベンジル基から選択される第二のアミノ基保護基で保護されたアミン化合物を得ることを特徴とする、アミノ基保護の置換方法に関する。
N−(N’−置換グリシル)−2−シアノピロリジン誘導体を、効率良く製することができ、高い品質の目的物を得ることができる。
化合物〔II〕と化合物〔III〕又はその塩との反応:
化合物〔II〕と化合物〔III〕又はその塩との反応は、脱酸剤の存在下又は非存在下、適当な溶媒中又は無溶媒で実施することができる。
溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であればよく、例えば
アセトニトリル、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、
アセトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、エーテル、ジオキサン、
酢酸エチル、トルエン、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルム
又はこれらの混合溶媒を適宜用いることができる。これらのうち、アセトニトリル、アセトン、トルエン、酢酸エチルが好ましく、アセトニトリルがとりわけ好ましい。
化合物〔IV〕又はその塩からのアミノ基保護基(Rx)の除去は、常法により実施できる。例えば、ベンジル基、置換ベンジル基及びアリル基の除去は、適当な溶媒中又は無溶媒中で、パラジウム炭素触媒、パラジウム触媒などの存在下または非存在下で実施することができる。
溶媒は、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であればよく、例えばエタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、水又はこれらの混合溶媒を適宜用いることができる。
また例えば、シリル基の除去は、酸処理又はフッ素処理により実施できる。また、ニトロベンゼンスルホンアミド基の除去は、チオール誘導体による処理にて実施できる。
化合物〔V〕又はその塩を脱水反応に付す場合:
化合物〔V〕又はその塩の脱水反応は、脱水剤の存在下、適当な溶媒中又は無溶媒で実施することができる。
溶媒は、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であればよく、例えばアセトニトリル、
アセトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、エーテル、ジオキサン、酢酸エチル、トルエン、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルム又はこれらの混合溶媒を適宜用いることができる。これらのうち、アセトニトリル、塩化メチレンが好ましく、アセトニトリルがとりわけ好ましい。
化合物〔V〕又はその塩にアミノ基保護基を付加し、そのアミノ基保護体又はその塩を脱水反応に付す場合:
化合物〔V〕又はその塩に、アミノ基保護基(Ry)を付加する反応は、常法により実施できる。例えば、保護基としてtert−ブトキシカルボニル基を付加する場合、二炭酸−ジ−tert−ブチル等の試薬を用い、溶媒(アセトニトリル、エタノール、酢酸エチル、メチルエチルケトン、塩化メチレン等)中で反応させる。反応は、0〜120℃、とりわけ室温〜70℃で好適に進行する。
脱水剤としては、オキシ塩化リン(POCl3)、五塩化リン(PCl5)、T3P(商品名;Clariant社)、p−トルエンスルホニルクロリド、トリフルオロ酢酸無水物等を好適に用いることができる。これらのうち、オキシ塩化リン(POCl3)、p−トルエンスルホニルクロリド、トリフルオロ酢酸無水物が好ましく、p−トルエンスルホニルクロリドがとりわけ好ましい。
脱水剤としてオキシ塩化リンを用いる場合、本反応は低温条件下(−20℃〜室温)で行うことが好ましく、脱水剤としてp−トルエンスルホニルクロリドを用いる場合は、加熱(室温から60℃)が必要である。
保護基の除去を酸処理にて行う場合、反応は0〜100℃、とりわけ室温〜60℃で好適に実施できる。
塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩又は臭化水素酸塩の如き無機酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩又はマレイン酸塩の如き有機酸塩等が挙げられる。また、カルボキシル基等の置換基を有する場合には塩基との塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩又はカルシウム塩の如きアルカリ土類金属塩)が挙げられる。
また、造塩反応は、アミノ基保護基の除去(脱保護)と同時に行なってもよい。
例えば、目的物として化合物〔I〕の塩(無機酸又は有機酸との塩)を得ようとする場合、一般式〔VII〕で示される化合物からのアミノ基保護基(Ry)の除去を、酸処理にて行ない、それにより当該保護基の除去と同時に造塩反応を行なって、一般式〔I〕で示される化合物の塩(無機酸又は有機酸との塩)に変換することができる。
酸処理は、得ようとする目的物に対応した酸(無機酸又は有機酸)を用いて実施すればよい。
また、化合物〔I〕のフリー体が塩と比べて不安定である場合、化合物〔VII〕の脱保護と造塩とを同時に行なうことによって、不純物(化合物〔I〕のフリー体の分解等によって生じるもの等)が混在しない高品質の目的物を得ることができるという優れたメリットが同時に得られる。
置換されていてもよい低級シクロアルキル基
(4位及び1位において置換されていてもよいシクロヘキシル等)、
置換されていてもよいアダマンチル基及び
置換されていてもよい低級アルキル基などが挙げられる。
XAは、−N(RA3)−、−O−、又は−CO−を表す。
(XAとしては、これらのうち、−CO−が好ましい。)
RA3は、水素原子又は低級アルキル基を表す。
RA11及びRA12は、各々、水素原子、低級アルキル基、
ヒドロキシ低級アルキル基又は低級アルコキシ低級アルキル基を表す。
〔RA11及びRA12としては、水素原子又は低級アルキル(メチル等)基が好ましく、
とりわけ水素原子が好ましい。〕
(1)置換されていてもよい環式基であって、該環式基部分が、
(i)炭素数3〜7の単環式炭化水素基;(ii)窒素原子、酸素原子及び
硫黄原子から選ばれる1〜2個の異項原子を含む単環式複素環基;又は
(iii)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1〜4個の
異項原子を含み、5〜7員環が2個縮合してなる二環式複素環基;
である基;
(2)置換されていてもよいアミノ基。
(i)炭素数3〜7の単環式炭化水素基;(ii)窒素原子、酸素原子及び
硫黄原子から選ばれる1〜2個の異項原子を含む単環式複素環基;又は
(iii)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1〜4個の
異項原子を含み、5〜7員環が2個縮合してなる二環式複素環基;
である基を表す。
RB1、RB2:RB2が水素原子を表し、RB1がヒドロキシ基、低級アルコキシ基
又は低級アルカノイルオキシ基を表すか;或は、RB1及びRB2が各々独立して
低級アルキル基を表す。
以下の置換基群から選択される同一又は異なる1〜3個の置換基を有していてもよい環式基が挙げられる。ここで、環式基部分としては、
ピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピリジル、ピリミジニル、インドリニル、イソインドリニル、ピロロピリジル、ジヒドロピロロピリジル、及び、これらの一部又は全部が飽和している環式基から選択される基が挙げられる。
ハロゲン原子;シアノ基;ニトロ基;オキソ基;カルバモイル基;低級(C1−6)アルキル基;低級(C1−6)アルコキシ基;低級(C2−7)アルカノイル基;低級(C1−6)アルコキシカルボニル基;低級(C1−6)アルコキシ置換低級(C1−6)アルキル基;低級(C3−8)シクロアルキル−CO−;ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又はオキソ基で置換されていてもよいフェニル基;ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又はオキソ基で置換されていてもよいフェニル−低級(C1−6)アルキル基;
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又はオキソ基で置換されていてもよい単環式5〜6員複素環基;
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又はオキソ基で置換されていてもよい単環式5〜6員複素環基−O−;及び
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又はオキソ基で置換されていてもよい単環式5〜6員複素環基−CO−。
以下の置換基群から選択される同一又は異なる1又は2個の置換基を有していてもよいアミノ基が挙げられる。
低級(C1−6)アルキル基、低級(C3−8)シクロアルキル基、低級(C1−6)アルコキシ置換低級(C1−6)アルキル基、ピリミジニル基、チアゾリル基、及びチアジアゾリル基。
以下の置換基群から選択される同一又は異なる1〜3個の置換基を有していてもよい環式基が挙げられる。ここで、環式基部分としては、
ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、インドリニル、イソインドリニル、チアゾロピリジル、及び、これらの一部又は全部が飽和している環式基から選択される基が挙げられる。
オキソ基;低級(C2−7)アルカノイル基;低級(C4−9)シクロアルカノイル基;
低級(C1−6)アルコキシカルボニル基;及び
含窒素単環式5〜6員脂肪族複素環基−CO−。
(2S)−2−シアノ−1−[トランス−4−(モルホリノカルボニル)シクロヘキシルアミノ]アセチルピロリジン;
(2S)−2−シアノ−1−[トランス−4−(4−アセチルピペラジン−1−イルカルボニル)シクロヘキシルアミノ]アセチルピロリジン;及び
(2S)−2−シアノ−1−[トランス−4−(ジメチルアミノカルボニル)シクロヘキシルアミノ]アセチルピロリジン。
(2S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノピロリジンが挙げられる。
(2S)−2−シアノ−1−[2−[5−(ジメチルアミノスルホニル)ピリジン−2−イルアミノ]−1,1−ジメチルエチルアミノ]アセチルピロリジン;
(2S)−2−シアノ−1−[2−[5−(メタンスルホニル)ピリジン−2−イルアミノ]−1,1−ジメチルエチルアミノ]アセチルピロリジン。
R−NH−RX1 〔IIIa〕
式中、RX1は、ベンジル基または置換ベンジル基を表し、他の記号は前記と
同一意味を表す、
は、以下のようなアミノ基保護の置換方法を用いて好適に製造することができる。
かかるアミノ基保護の置換方法は、すなわち、
(i)ベンジル基または置換ベンジル基以外である第一のアミノ基保護基で保護されたアミン化合物を、パラジウム触媒の存在下、反応させることによりその第一のアミノ基保護基を除去して、一級または二級アミン化合物を得た後、
(ii)引き続いて同一反応系で、当該一級または二級であるアミン化合物を、窒素雰囲気下、ベンズアルデヒドまたは置換ベンズアルデヒドと反応させ、ついで、
(iii)同反応系を水素置換に付した後、前記(i)と同じパラジウム触媒の存在下に、還元反応させることにより、ベンジル基および置換ベンジル基から選択される第二のアミノ基保護基で保護されたアミン化合物を得ることを特徴とする、アミノ基保護の置換方法、である。
(ii)の反応条件および反応時間は、常法の通りでよく、特に限定されないが、例えば、室温下、1〜5時間反応させることにより実施できる。
(iii)の還元反応は、室温、常圧の条件下で反応させることが好ましい。反応時間は1〜5時間が好適であり、1〜2時間がより好適である。
(iii)における水素置換は、減圧・脱気および水素導入を1〜3回行うことにより実施できる。
上記(i)、(ii)及び(iii)は同一反応系(ワンポット)で実施できる。
かかる第一のアミノ基保護基としては、例えば、
ベンジルオキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、2−フェニルエトキシカルボニル基、O-ピペリジニルオキシカルボニル基、p-ニトロベンジルオキシカルボニル基などが挙げられる。これらのうち、ベンジルオキシカルボニル基がとりわけ好ましい。
RD−NH−RZ 〔VIII〕
式中、RDは、低級アルキル基、低級アルコキシ−低級アルキル基、ヒドロキシ
低級アルキル基、アリール置換低級アルキル基、置換されていてもよい低級シク
ロアルキル基、置換されていてもよいアリール基を表す、
RZは、ベンジル基以外かつ置換ベンジル基以外であり、パラジウム触媒により
除去が可能なアミノ基を表す、
で示される化合物またはその塩が挙げられる。
アリール基としては、フェニル、ナフチルなどが挙げられる。
RDで表される基としては、より詳細には、例えば、置換されていてもよい低級シクロアルキル基(4位及び1位において置換されていてもよいシクロヘキシル等)、置換されていてもよいアダマンチル基及び置換されていてもよい低級アルキル基などがあげられ、より詳細には、RA、RB、及びRCで表される基が挙げられるが、これらに限定されない。
RD−NH2 〔IX〕
式中、記号は前記と同一意味を有する、
で示される化合物またはその塩が挙げられる。
上記(iii)で得られる第二のアミノ基保護基で保護されたアミン化合物としては、より詳細には、例えば一般式〔X〕
RD−NH−RX1 〔X〕
式中、RX1は、ベンジル基または置換ベンジル基を表し、他の記号は前記と
同一意味を有する、
で示される化合物またはその塩が挙げられる。
目的とするベンジル基または置換ベンジル基でアミノ基保護されたアミン化合物
を製することができる。
また、低級アルカノイル基、低級アルカノイルアミノ基としては、炭素数2〜7、とりわけ炭素数2〜5の直鎖状または分岐鎖状のものが挙げられる。
低級シクロアルキル基、低級シクロアルケニル基としては、炭素数3〜8、とりわけ炭素数3〜6のものが挙げられる。低級アルキレン基としては、炭素数1〜6、とりわけ炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のものが挙げられる。低級アルケニル基、低級アルケニレン基としては、炭素数2〜7、とりわけ炭素数2〜5のものが挙げられる。さらに、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素が挙げられる。
また、本明細書中の略号
「Me」はメチル基、
「Et」エチル基、
「Bu」はブチル基、
「Ph」はフェニル基、
「Bn」はベンジル基、
「Boc」はtert−ブトキシカルボニル基を各々表す。
(1)参考例1と同様にして(2S)−1−(クロロアセチル)−2−ピロリジンカルボキサミドを得、これに、N−ベンジル−トランス−4−(モルホリノカルボニル)シクロヘキシルアミン(参考例3の化合物)(159g)、炭酸カリウム無水微粉(174g)、ヨウ化ナトリウム(7.9g)、アセトン(1.6L)を加え、5時間、還流下で撹拌する。不溶物をろ別し、結晶をアセトンで洗浄した後、ろ液を減圧留去する。酢酸エチル(1.6L)、水(1.1L)を加え、10%クエン酸水(0.8L)でpH4〜5に調整する。分液後、水層を酢酸エチル(1.6L)で洗浄する。水層に40%炭酸カリウム水(0.689L)を加えてアルカリ性とし、酢酸エチル(1.6L)及びイソプロピルアルコール(0.16L)で抽出する。分液後、水層を酢酸エチル(0.32L)で抽出する。有機層を合せて硫酸マグネシウム(159g)で乾燥し、ろ過後、濃縮することにより、(2S)−2−カルバモイル−1−[N−ベンジル−トランス−4−(モルホリノカルボニル)シクロヘキシルアミノ]アセチルピロリジンを得る。
MS・APCI(m/z): 457 [M+H]+
水を加えた後、p−トルエンスルホン酸で処理して、アミノ基保護基を除去することにより、(2S)−2−シアノ−1−[トランス−4−(モルホリノカルボニル)シクロヘキシルアミノ]アセチルピロリジンのp−トルエンスルホン酸塩を得る。
(1)参考例1と同様にして(2S)−1−(クロロアセチル)−2−ピロリジンカルボキサミドを得、これに、N−ベンジル−トランス−4−(4−アセチルピペラジン−1−イルカルボニル)シクロヘキシルアミン(参考例4の化合物)(180g)、炭酸カリウム無水微粉(174g)、ヨウ化ナトリウム(7.9g)、アセトン(1.8L)を加え、5時間、還流下で撹拌する。不溶物をろ別し、アセトンで洗浄した後、ろ液を減圧留去する。酢酸エチル(1.8L)、水(1.33L)を加え、10%クエン酸水(0.95L)でpH4〜5に調整する。分液後、水層を酢酸エチル(1.8L)で洗浄する。水層に40%炭酸カリウム水(0.82L)を加えてアルカリ性とし、酢酸エチル(1.8L)及びイソプロピルアルコール(180mL)で抽出する。分液後、水層を酢酸エチル(0.38L)で抽出する。有機層を合せて硫酸マグネシウム(190g)で乾燥し、ろ過後、濃縮することにより、(2S)−2−カルバモイル−1−[N−ベンジル−トランス−4−(4−アセチルピペラジン−1−イルカルボニル)シクロヘキシルアミノ]アセチルピロリジンを得る。
MS・APCI(m/z): 498 [M+H]+
MS・APCI(m/z): 408 [M+H]+
ろ液を濃縮することにより、(2S)−2−カルバモイル−1−[N−tert−ブトキシカルボニル−トランス−4−(4−アセチルピペラジン−1−イルカルボニル)シクロヘキシルアミノ]アセチルピロリジンを得る。
MS・APCI(m/z): 490 [M+H]+
水を加えた後、塩酸で処理して、アミノ基保護基を除去することにより、(2S)−2−シアノ−1−[トランス−4−(4−アセチルピペラジン−1−イルカルボニル)シクロヘキシルアミノ]アセチルピロリジン塩酸塩を得る。
(1)参考例1と同様にして(2S)−1−(クロロアセチル)−2−ピロリジンカルボキサミドを得、これに、トランス−4−ベンジルアミノ−N,N−ジメチルシクロヘキサンカルボキサミド(参考例5の化合物)(208g)、炭酸カリウム無水微粉(265g)、ヨウ化ナトリウム(12g)、アセトン(2.1L)を加え、5時間、還流下で撹拌する。不溶物をろ別し、結晶をアセトンで洗浄した後、ろ液を減圧留去する。酢酸エチル(2.1L)、水(1.5L)を加え、10%クエン酸水(1.25L)でpH4〜5に調整する。分液後、水層を酢酸エチル(2.1L)で洗浄する。水層に40%炭酸カリウム水(0.89L)を加えてアルカリ性とし、酢酸エチル(2.1L)及びイソプロピルアルコール(0.21L)で抽出する。分液後、水層を酢酸エチル(0.42L)で抽出する。有機層を合せて無水硫酸マグネシウム(208g)で乾燥し、ろ過後、濃縮することにより、(2S)−2−カルバモイル−1−[N−ベンジル−トランス−4−(ジメチルアミノカルボニル)シクロヘキシルアミノ]アセチルピロリジンを得る。
ろ液を濃縮することにより、(2S)−2−シアノ−1−[N−tert−ブトキシカルボニル−トランス−4−(ジメチルアミノカルボニル)シクロヘキシルアミノ]アセチルピロリジンを得る。融点:85−87℃
水を加えた後、塩酸で処理して、アミノ基保護基を除去することにより、(2S)−2−シアノ−1−[トランス−4−(ジメチルアミノカルボニル)シクロヘキシルアミノ]アセチルピロリジン塩酸塩を得る。
(2S)−2−カルバモイル−1−[トランス−4−(モルホリノカルボニル)シクロヘキシルアミノ]アセチルピロリジン(10g)をアセトニトリル(200mL)に懸濁し、オキシ塩化リン(7.6mL)を氷冷下滴下する。室温にて48時間攪拌した後、濃縮する。塩化メチレン(100mL)を加えて溶解し、氷冷下40%炭酸カリウム(60mL)を加える。20℃まで昇温して水(50mL)を加えて分液する。水層を塩化メチレン(100mL)で再抽出する。有機層を合わせて26%NaCl(30mL)で洗浄する。有機層を濃縮することにより、(2S)−2−シアノ−1−[トランス−4−(モルホリノカルボニル)シクロヘキシルアミノ]アセチルピロリジンを得る。
(2S)−2−カルバモイル−1−[トランス−4−(4−アセチルピペラジン−1−イルカルボニル)シクロヘキシルアミノ]アセチルピロリジン(10g)をアセトニトリル(200mL)に懸濁し、オキシ塩化リン(5.8mL)を氷冷下滴下する。室温にて60時間攪拌した後、濃縮する。塩化メチレン(100mL)を加えて溶解し、氷冷下40%炭酸カリウム(60mL)を加える。20℃まで昇温して水(50mL)を加えて分液する。水層を塩化メチレン(100mL)で再抽出する。有機層を合わせて26%NaCl(30mL)で洗浄する。有機層を濃縮することにより、(2S)−2−シアノ−1−[トランス−4−(4−アセチルピペラジン−1−イルカルボニル)シクロヘキシルアミノ]アセチルピロリジンを得る。
(2S)−2−カルバモイル−1−[トランス−4−(ジメチルアミノカルボニル)シクロヘキシルアミノ]アセチルピロリジン(10g)をアセトニトリル(200mL)に懸濁し、オキシ塩化リン(8.6mL)を氷冷下滴下する。室温にて62時間攪拌した後、濃縮する。塩化メチレン(100mL)を加えて溶解し、氷冷下40%炭酸カリウム(60mL)を加える。20℃まで昇温して水(50mL)を加えて分液する。水層を塩化メチレン(100mL)で再抽出する。有機層を合わせて26%NaCl(30mL)で洗浄する。有機層を濃縮することにより、(2S)−2−シアノ−1−[トランス−4−(ジメチルアミノカルボニル)シクロヘキシルアミノ]アセチルピロリジンを得る。
クロロアセチルクロリド(76.7g)、アセトニトリル(233mL)をコルベンに仕込み、10℃以下に冷却する。別途、L−プロリンアミド(77.5g、ジイソプロピルエチルアミン(87.8g)をアセトニトリル(1550mL)に懸濁し、20℃以下でクロロアセチルクロリドのアセトニトリル液に滴下する。滴下後、20℃で30分撹拌し、3L−4頚コルベンに移し替えて外浴35±5℃で減圧留去することにより、(2S)−1−(クロロアセチル)−2−ピロリジンカルボキサミドの残渣を得る。
L−プロリンアミド(50g)の塩化メチレン(500mL)溶液にジイソプロピルエチルアミン(55.5g)を加える。この溶液をクロロアセチルクロリド(49.5g)の塩化メチレン(130mL)溶液に20℃に保ちながら1時間かけて滴下する。滴下後、20℃で30分間撹拌する。これにトリフルオロ酢酸無水物(119.6g)を加え、続けてピリジン(45g)を加えて、20℃で約1時間撹拌する。反応液を水(400mL)、飽和重曹水(400mL)、1N塩酸(400mL)、水(400mL)でそれぞれ洗浄する。分液後、濃縮し、残渣にイソプロパノール(165mL)、塩化メチレン(33mL)を加え、45℃加熱して溶解する。メチル−tert−ブチルエーテル(300mL)を加え、1時間かけて25℃まで冷却し、同温で30分撹拌する。さらに1時間かけて0℃まで冷却し同温で2時間撹拌する。結晶をろ過、乾燥することにより、(2S)−1−(クロロアセチル)−2−シアノピロリジンを得る。
(1)トランス−4−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸(4g)のジメトキシエタン(11mL)溶液に塩化チオニル(1.37mL)、ジメチルホルムアミド(28μL)を加えて40℃で1時間攪拌する。反応液を濃縮し、ジメトキシエタン(11mL)を加え、この溶液をモルホリン(7.5g)の水(10mL)溶液中に氷冷下滴下する。2時間攪拌の後、水(16mL)を加えて氷冷し、析出結晶をろ過により分離して、N−ベンジルオキシカルボニル−トランス−4−(モルホリノカルボニル)シクロヘキシルアミンを得る。融点:161−162℃
これにより、反応生成物として、トランス-4-(モルホリノカルボニル)シクロヘキシルアミンを得る。
(3)10%パラジウム炭素触媒(50%Wet品)を含む前記(2)の反応液に、窒素雰囲気下、ベンズアルデヒド(1.62g)を加えて室温下、1時間攪拌する。減圧脱気、水素導入を3回行うことにより水素置換し、これを、室温、常圧で1時間20分攪拌する。触媒をろ過により除去し、濃縮する。残渣をヘプタン/tert−ブチルメチルエーテル(3:1)混合物にて結晶化後、ろ過により分離して、N−ベンジル−トランス−4−(モルホリノカルボニル)シクロヘキシルアミンを得る。
融点:63−65℃
(1)トランス−4−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸(4g)のジメトキシエタン(11mL)溶液に塩化チオニル(1.37mL)、ジメチルホルムアミド(28μL)を加えて40℃で1時間攪拌する。反応液を濃縮し、ジメトキシエタン(11mL)を加え、この溶液を1−アセチルピペラジン(11g)の水(10mL)溶液中に氷冷下滴下する。2時間攪拌の後、水(32mL)を加えて氷冷し、析出結晶をろ過により分離し、N−ベンジルオキシカルボニル−トランス−4−(4−アセチルピペラジン−1−イルカルボニル)シクロヘキシルアミンを得る。
融点:180−181℃
これにより、反応生成物として、トランス-4-(4-アセチルピペラジン-1-イルカルボニル)シクロヘキシルアミンを得る。
(3)10%パラジウム炭素触媒(50%Wet品)を含む前記(2)の反応液に、窒素雰囲気下、ベンズアルデヒド(1.45g)を加えて室温下、1時間攪拌する。減圧脱気、水素導入を3回行うことにより水素置換し、これを、室温、常圧で1時間20分攪拌する。触媒をろ過により除去し、濃縮する。残渣をイソプロピルエーテルにて結晶化後、ろ過により分離して、N−ベンジル−トランス−4−(4−アセチルピペラジン−1−イルカルボニル)シクロヘキシルアミンを得る。融点:127−128℃
トランス−4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−N,N−ジメチルシクロヘキサンカルボキサミド(4.4g)をエタノール(80mL)に溶解し、10%パラジウム炭素触媒(50%Wet品)(0.8g)を加える。減圧脱気、水素導入を3回行い、室温、常圧で3時間攪拌する。
これにより、反応生成物として、トランス-4-アミノ-N,N-ジメチルシクロヘキサンカルボキサミドを得る。
10%パラジウム炭素触媒(50%Wet品)を含む前記(2)の反応液に、窒素雰囲気下、ベンズアルデヒド(1.45g)を加えて室温下、1時間攪拌する。減圧脱気、水素導入を3回行うことにより水素置換し、これを、室温、常圧で1時間20分攪拌する。触媒をろ過により除去し、濃縮する。残渣を、ヘプタン/tert−ブチルメチルエーテル(3:1)混合物にて結晶化後、ろ過により分離して、トランス−4−ベンジルアミノ−N,N−ジメチルシクロヘキサンカルボキシアミドを得る。融点:69℃
(1)N−ベンジル−トランス−4−(モルホリノカルボニル)シクロヘキシルアミン(1.0g)および(2S)−1−(クロロアセチル)−2−シアノピロリジン(0.74g)をアセトニトリル(12mL)に溶解し、炭酸カリウム無水微粉(1.1g)およびヨウ化ナトリウム(50mg)を加え、60℃で3.5時間反応させた。室温まで冷却し、不溶物をろ過により除去した。ろ液を濃縮し、酢酸エチル(20mL)、水(15mL)および10%クエン酸水(10mL)に分配後、分液した。水層を酢酸エチル(20mL)で洗浄、分液した。水層に40%炭酸カリウム水(5mL)を加えて中和し、酢酸エチル(20mL)で3回抽出した。有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮することにより、(2S)−2−シアノ−1−[N−ベンジル−トランス−4−(モルホリノカルボニル)シクロヘキシルアミノ]アセチルピロリジンを得た。
しかし、目的とする化合物、すなわち、(2S)−2−シアノ−1−[トランス−4−(モルホリノカルボニル)シクロヘキシルアミノ]アセチルピロリジンを得ることはできなかった。
(1)N−ベンジル−トランス−4−(4−アセチルピペラジン−1−イルカルボニル)シクロヘキシルアミン(1.0g)および(2S)−1−(クロロアセチル)−2−シアノピロリジン(0.65g)をアセトニトリル(12mL)に溶解し、炭酸カリウム無水微粉(962mg)およびヨウ化ナトリウム(44mg)を加え、60℃で3.5時間反応させた。室温まで冷却し、不溶物をろ過により除去した。ろ液を濃縮し、酢酸エチル(20mL)、水(15mL)および10%クエン酸水(10mL)に分配後、分液した。水層を酢酸エチル(20mL)で洗浄、分液した。水層に40%炭酸カリウム水(5mL)を加えて中和し、酢酸エチル(20mL)で3回抽出した。有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮することにより、(2S)−2−シアノ−1−[N−ベンジル−トランス−4−(4−アセチルピペラジン−1−イルカルボニル)シクロヘキシルアミノ]アセチルピロリジンを得た。
しかし、目的とする化合物、すなわち、(2S)−2−シアノ−1−[トランス−4−(4−アセチルピペラジン−1−イルカルボニル)シクロヘキシルアミノ]アセチルピロリジンを得ることはできなかった。
(1)トランス−4−ベンジルアミノ−N,N−ジメチルシクロヘキサンカルボキサミド(0.17g)、(2S)−1−(クロロアセチル)−2−シアノピロリジン(0.25g)、ヨウ化ナトリウム(14.4mg)および炭酸カリウム(0.16g)をアセトン(2.5mL)に懸濁し、60℃で終夜攪拌することにより、(2S)−2−シアノ−1−[N−ベンジル−トランス−4−(ジメチルアミノカルボニル)シクロヘキシルアミノ]アセチルピロリジンを得た。
しかし、目的とする化合物、すなわち、(2S)−2−シアノ−1−[トランス−4−(ジメチルアミノカルボニル)シクロヘキシルアミノ]アセチルピロリジンを得ることはできなかった。
Claims (4)
- Ryが、t−ブトキシカルボニル基又はベンジルオキシカルボニル基である、請求項1記載の製造方法。
- Ryが、t−ブトキシカルボニル基である、請求項1記載の製造方法。
- Rが置換されていてもよいシクロヘキシルである、請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
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