JP5165284B2 - 張出し施工におけるブロックの後養生方法 - Google Patents
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Description
また、既設ブロックの部分は、コンクリート打設後、型枠の脱枠までの間は、乾燥は比較的抑えられるが、脱型(脱枠)後、乾燥収縮が始まり、また隣接する新設ブロック部分のコンクリートの水和反応による体積変化の急激な影響で、既設ブロックの新設側部分はひび割れが起きやすくなる。
本発明は、既設ブロックにおける急激な温度低下に起因するひび割れを防止することが可能な張出し施工におけるブロックの後養生方法を提供することを目的とする。
また、第2発明では、第1発明の張出し施工におけるブロックの後養生方法において、断熱養生材は、その厚さが2cm〜20cmの発泡合成樹脂材であることを特徴とする。
第3発明では、第1発明または第2発明の張出し施工におけるブロックの後養生方法において、前記既設ブロックは、上床版及び下床版並びにこれらを接続すると共に橋軸直角方向に間隔をおいて対向するウェブを備えた既設ブロックであり、断熱養生材が、前記既設ブロックにおける内側面を除く上床版および下床版並びにウェブの外面の一部または全部に設けられていることを特徴とする。
第4発明では、第1発明または第2発明の張出し施工におけるブロックの後養生方法において、前記既設ブロックは、上床版及び下床版並びにこれらを接続すると共に橋軸直角方向に間隔をおいて対向するウェブを備えた既設ブロックであり、断熱養生材が、前記既設ブロックにおける上床版の下面および下床版の下面、並びにウェブの内外面に設けられていることを特徴とする。
第5発明では、第1発明〜第4発明のいずれかの張出し施工におけるブロックの後養生方法において、既設ブロックの型枠脱型後から、新設ブロックの前記型枠の脱型後で移動式作業車がさらに新設側に移動する前までの間、既設ブロックを断熱養生材で養生することを特徴とする。
また、既設ブロックにおける新設側端部は、新設ブロックの水和反応(水和発熱)による温度上昇の影響を受けるが、既設ブロックは断熱養生材により断熱養生されているので、既設ブロックの新設側端部付近の温度の降下勾配を緩やかにすることができ、また温度低下等の温度による既設ブロック側の応力を低減することができ、そのため既設ブロック側のひび割れを防止することができる等の効果が得られる。
また、脱型後の既設ブロックの外面に後養生用の断熱養生材を設ければよいので施工が容易であり、また、後養生用に使用する断熱養生材は、厚さが2cm〜20cmの発泡合成樹脂材であるので、施工も容易である。
また、後養生する期間が、移動式作業車が橋軸方向の新設側に移動する前まで行えばよいので、後養生期間を十分長く設定することができ、また、後養生用の断熱養生材の反復使用も可能になる。
また、既設ブロック4における下床版の下側では、移動式作業車1あるいは既設ブロック4に盛り替え可能に支持された下部支持部材17の後部に、直列に一体に後部支持部材18が設けられて、後部支持部材18の後端部を既設ブロック4に、PC鋼材等の縦ねじ棒23およびこれに装着される支承金具等の着脱可能な支承装置により、既設ブロック4に盛り替え可能にされている。したがって、後部支持部材18を含む下部支持部材17は、傾斜調整可能に支持されている。
なお、解析に用いた熱伝達率(W/m2℃)として、外気は13W/m2℃、鋼製型枠は14W/m2℃、断熱養生材5の木枠は8W/m2℃、発泡スチロールからなる断熱養生材5は2W/m2℃、養生マットは5W/m2℃とした場合である。
橋軸方向に順次ブロックを築造していくと、各ブロックの乾燥収縮等が完全に行われていないので、最初の既設ブロック4に対して橋軸方向の主応力は逐次累積されるようになり最大主応力が作用するようになる。
一方、本発明のように、既設ブロック4に対して、断熱養生材による断熱材養生(後養生)を行った場合には、曲線Aよりも、0.89N/mm2低下していると共に、曲線Eよりも0.5N/mm2程度低下していることがわかる。このことから、コンクリートの強度発現よりも、最大主応力を小さく押さえ込むことができることがわかると共に、コンクリートのひび割れが発生する恐れのないことがわかる。
(1)既設ブロックをPC鋼材によりプレストレスを導入し緊張定着した後、脱型した型枠等を移動式作業車(ワーゲン)に付属する吊り下げ装置等の付帯設備により支持した状態で、移動式作業車を橋軸方向の移動し、既設ブロックの先端部の所定の位置に設置する。
(2)新設ブロック築造するために型枠をセットする。
(3)上床版用および下床版用鉄筋(およびコンクリートウェブを築造する場合にはウェブ用鉄筋)、PC鋼材等を組み立て
(4)新設ブロック用のコンクリートを打設する
(5)コンクリートを打設した新設ブロックにおける床版上面に養生マットを敷く。必要に応じて散水養生を行う。
(6)打設したコンクリートの強度が所定の強度に達したら型枠を脱型(脱枠)し、必要に応じ移動式作業車に付帯する設備に支持させる。
(7)脱枠終了後、断熱養生材5を既に築造された前記新設ブロック(すなわち、この時点では、既設ブロック4となっている)の外面に貼り付け等により設置する。
(8)コンクリート強度が所定の強度に達したら、前記既設ブロック4にPC鋼材を配置して緊張定着しプレストレスを導入する。
(9)移動式作業車(ワーゲン)の移動前に、既設ブロック外面の断熱養生材を撤去する。なお、断熱養生材は、適宜移動式作業車に配置しておく。
(10)前記(1)〜(9)の工程を繰り返す。
2 型枠
3 新設ブロック
4 既設ブロック
5 断熱養生材
5A フレーム付き断熱養生材
6 コンクリートウェブ
7 上床版
8 下床版
9 波形鋼板ウェブ
10 縦枠材
11 横枠材
12 枠型フレーム
13 上床版の張り出しフランジ
14 横端太材
15 押圧金具
16 フレーム付き断熱養生材押し付け部
17 下部支持部材
18 後部支持部材
19 上部支持部材
20 後部支持部材
21 吊金具
22 突部
23 縦ねじ棒
24 作業足場
Claims (5)
- 桁用コンクリートを打設する橋桁の張出し施工方法において、板状の断熱養生材を用い、型枠脱型後、その型枠を脱型した部分の既設ブロックの外面に、前記断熱養生材を圧着させるようにして断熱養生材を設けて、断熱養生することを特徴とする張出し施工におけるブロックの後養生方法。
- 断熱養生材は、その厚さが2cm〜20cmの発泡合成樹脂材であることを特徴とする請求項1に記載の張出し施工におけるブロックの後養生方法。
- 前記既設ブロックは、上床版及び下床版並びにこれらを接続すると共に橋軸直角方向に間隔をおいて対向するウェブを備えた既設ブロックであり、断熱養生材が、前記既設ブロックにおける内側面を除く上床版および下床版並びにウェブの外面の一部または全部に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の張出し施工におけるブロックの後養生方法。
- 前記既設ブロックは、上床版及び下床版並びにこれらを接続すると共に橋軸直角方向に間隔をおいて対向するウェブを備えた既設ブロックであり、断熱養生材が、前記既設ブロックにおける上床版の下面および下床版の下面、並びにウェブの内外面に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の張出し施工におけるブロックの後養生方法。
- 既設ブロックの型枠脱型後から、新設ブロックの前記型枠の脱型後で移動式作業車がさらに新設側に移動する前までの間、既設ブロックを断熱養生材で養生することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の張出し施工におけるブロックの後養生方法。
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