JP5163609B2 - 頭部保護エアバッグ装置 - Google Patents

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本発明は、展開膨張時に車両の窓を覆うエアバッグが、折り畳まれた長尺状の折り完了体の長手方向に沿って配設される複数の合成樹脂製のケースに収納されて、車両に搭載される頭部保護エアバッグ装置に関する。
従来、この種の頭部保護エアバッグ装置では、折り完了体をケースに収納させた運搬時に、ケース間の部位で折り完了体を折り曲げて、コンパクトな状態として、運搬し、車両搭載時に、折り曲げていた状態から伸ばして、エアバッグを、ケースとともに、取付部を利用して、ボディ側に取り付けていた。そして、その際に、ケース間でエアバッグを捩って取り付けてしまう誤組付を防止するために、従来の頭部保護エアバッグ装置では、ケース間を連結する連結片部の部位に、誤組付防止手段を配設させていた(例えば、特許文献1参照)。この従来の頭部保護エアバッグ装置では、ケース間を連結する連結片部が、一方のケースから延びる曲げ可能な帯部の先端を、他方のケースに係止させる構成とされており、エアバッグが捩れた場合には、この帯部も捩れて配置されることから、エアバッグの捩れを検知できて、エアバッグのボディ側への誤組付を防止していた。
特開2008−184056公報
しかし、従来の頭部保護エアバッグ装置では、帯部の先端と他方のケースとを係止させる係止部材(係止脚と係止孔)が、エアバッグが大きく捩れて、帯部が強く捩れた際に、外れる構成であることから、捩れの検知後に、再度、帯部の先端と他方のケースとを係止させる係止作業が必要となって、ボディ側への組付作業性を簡便にする点に、改善の余地があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、折り畳んだエアバッグを捩って車両に搭載することを防止でき、かつ、捩れ検知時にも、エアバッグを収納しているケース間の連結片部による連結状態を維持可能な頭部保護エアバッグ装置を、提供することを目的とする。
本発明に係る頭部保護エアバッグ装置は、展開膨張時に車両の窓を覆うエアバッグが、折り畳まれた長尺状の折り完了体の長手方向に沿って配設される複数の合成樹脂製のケースに収納されて、ケースとともに、各ケースの部位に配置されたエアバッグの取付部を、窓の上縁側に沿って、車両のボディ側に取り付けることにより、車両に搭載される構成とされ、
隣接するケースが、曲げ可能な連結片部で連結されて、
折り完了体が、ケース内に収納された状態で、連結片部を曲げて、車両搭載前に、折り曲げて運搬可能な構成とされる頭部保護エアバッグ装置であって、
連結片部が、隣接する一方のケースから延びて曲げ可能とされる帯部と、帯部の先端側に配設される雄型係合部と、他方のケースに配設される雌型係合部と、から、構成され、
雄型係合部が、帯部の先端から折り完了体側に向かって延びるように形成される首部と、首部の先端における折り完了体側の部位から首部の軸方向と直交方向となる両側へ突出するように形成される頭部と、を備える構成とされ、
雌型係合部が、
他方の前記ケースにおける折り完了体の表面を覆うカバー部において、折り完了体の上面側を覆う天井壁の領域に、開口面を折り完了体の表面に略沿わせるように開口して形成されて、雄型係合部の係合時に、頭部を周縁で係止可能な係止孔と、
頭部の前記係止孔からの抜けを抑制する押え片と、
を備える構成とされ、
係止孔が、
雄型係合部側に形成されて、開口幅寸法を、首部を挿通可能とし、かつ、頭部を挿通不能に設定される狭幅開口部と、
雄型係合部から離れた側において狭幅開口部と連通して形成されるとともに、開口幅寸法を、頭部を挿通可能に設定される広幅開口部と、
を有して、
押え片が、広幅開口部における狭幅開口部と対向して配置される縁部から、係止孔の開口面に略沿うように、狭幅開口部側に向かって突出し、かつ、広幅開口部を略全域にわたって塞ぐような略長方形板状として、先端側を係止孔の開口面と略直交方向側に撓み可能として形成されるとともに、先端と、広幅開口部における狭幅開口部の周縁から延びる縁部と、の間の隙間を、頭部における首部の軸方向に沿う方向側の長さ寸法より小さな幅寸法に設定されて、構成され、
頭部が、首部の先端を押え片の先端に当接させた際に、首部側の面を、狭幅開口部の周縁における折り完了体側の面と、係止孔の開口面と直交方向側に重ねるように構成され
雌型係合部を備えるケースのカバー部が、天井壁を部分的に一段上方に突出させるように構成され、突出された領域に、雌型係合部を配置させ、狭幅開口部の周縁に係止された状態の雄型係合部の頭部の下面を、周囲のカバー部における天井壁の下面と略面一とするように、構成されていることを特徴とする。
本発明に係る頭部保護エアバッグ装置では、ケース間を連結する連結片部が、曲げ可能な帯部を有していることから、エアバッグがケース間で捩れた際に、この帯部もエアバッグとともに捩れるような態様となって、エアバッグの捩れを容易に検知することができ、エアバッグにおけるケース間での捩れた状態での車両への取り付けを防止することができる。また、本発明の頭部保護エアバッグ装置では、帯部の先端に形成される雄型係合部の頭部を、雌型係合部における狭幅開口部の周縁に係止させることにより、雄型係合部と雌型係合部とを係合させている構成であるが、この頭部は、雌型係合部を有するケースにおけるカバー部の領域内に侵入しつつ、狭幅開口部の周縁に係止される構成であることから、狭幅開口部の周縁への係止時に、折り完了体とカバー部との間に挟持されるような態様となる。すなわち、本発明の頭部保護エアバッグ装置では、雄型係合部の頭部が、圧縮されるように折り畳まれたエアバッグのスプリングバックにより、カバー部との間で強固に保持されることとなることから、折り完了体をケースに収納させた運搬時において、ケース間の部位で折り完了体を折り曲げても、頭部が、狭幅開口部から大きくずれ難く、頭部の狭幅開口部周縁への係止状態を維持することができる。
さらに、本発明に係る頭部保護エアバッグ装置では、雌型係合部が、頭部の係止孔からの抜けを抑制する押え片を有しており、この押え片は、係止孔の広幅開口部における狭幅開口部と対向して配置される縁部から、係止孔の開口面に略沿うように、狭幅開口部側に向かって突出し、かつ、広幅開口部を略全域にわたって塞ぐように配置されて、先端と、広幅開口部における狭幅開口部の周縁から延びる縁部と、の間の隙間を、頭部における首部の軸方向に沿う方向側の長さ寸法より小さな幅寸法に設定されるとともに、頭部が、首部の先端を押え片の先端に当接させた際に、首部側の面を、狭幅開口部の周縁における折り完了体側の面と、係止孔の開口面と直交方向側に重ねるように構成されている。そのため、エアバッグの捩れ時に、雄型係合部の首部が、広幅開口部側に向かって、移動することとなっても、首部が押え片の先端に当接することとなり、このとき、頭部は、狭幅開口部の周縁に重なって、この狭幅開口部の周縁に係止されていることから、頭部が広幅開口部から抜けるような位置まで移動することを、防止でき、かつ、頭部の狭幅開口部の周縁との係止状態も維持することができる。その結果、エアバッグの捩れ時において、帯部が捩れることとなっても、頭部が、広幅開口部から抜け難く、ケース間の連結片部による連結を維持させることができる。
したがって、本発明の頭部保護エアバッグ装置では、折り畳んだエアバッグを捩って車両に搭載することを防止でき、かつ、捩れ検知時にも、エアバッグを収納しているケース間の連結片部による連結状態を維持することができる。
本発明の頭部保護エアバッグ装置では、雄型係合部を雌型係合部に係合させる際には、押え片を折り完了側に向かって撓ませるようにして、頭部を広幅開口部に挿入させ、首部を狭幅開口部に挿通させて狭幅開口部内に引き込むように、雄型係合部を移動させれば、頭部が、狭幅開口部の周縁に係止されることとなる。このとき、押え片が復元することから、頭部は、復元された押え片の先端による首部先端の規制により、広幅開口部側への戻りを規制されることとなる。そして、雄型係合部と雌型係合部との係合状態を解除する際には、首部を、狭幅開口部における広幅開口部と対向する側の縁部に当接させた状態で、押え片を、指や冶具等を利用して、折り完了体側に押し込むように撓ませ、首部を、広幅開口部側へ移動させれば、頭部を、撓ませた押え片の上面側を経て、広幅開口部を挿通させるようにして、取り外すことができ、雄型係合部と雌型係合部との係合状態を解除することができる。そのため、本発明の頭部保護エアバッグ装置では、手や冶具等を利用すれば、雄型係合部と雌型係合部との係合状態を容易に解除することができ、一方のケースを交換する場合等の、メンテナンス作業が容易である。
また、本発明の頭部保護エアバッグ装置において、首部において、少なくとも頭部と連結されている先端側部位を、帯部より狭幅として、係止孔の開口面に略沿わせて構成させるとともに、頭部の狭幅開口部周縁との係止時に、狭幅開口部に嵌挿される完了体側の面から、係止孔の開口面に略沿って膨出するように、構成すれば、首部の軸直交方向側が、狭幅開口部の周縁部位に支持されるような態様となり、エアバッグをケース間の部位で折り曲げた際や、エアバッグがケース間の部位で捩れた場合等に、首部の位置を安定させることができて、頭部の狭幅開口部周縁との係止状態を一層安定させることができる。
さらに、本発明の頭部保護エアバッグ装置において、帯部を、車両搭載前の運搬用に折り完了体を折り曲げた際の外周側に位置させる構成とすれば、折り曲げ時に、首部が、雌型係合部を有したケースから離れる方向に引っ張られるような態様となることから、首部を確実に狭幅開口部内に配置させることができて、ケース間の部位で折り曲げられた状態で運搬される際に、雄型係合部と雌型係合部との係合状態が解除され難く、好ましい。
本発明の一実施形態である頭部保護エアバッグ装置の車両への搭載状態を示す車内側から見た図である。 実施形態の頭部保護エアバッグ装置の搭載状態における概略拡大縦断面図であり、図1のII−II部位に対応する。 実施形態の頭部保護エアバッグ装置において使用されるエアバッグを平らに展開した状態から折り畳んだ状態を示す図である。 実施形態の頭部保護エアバッグ装置に使用する使用するケースの正面図である。 図4のケースの雄型係合部及び帯部付近を示す部分拡大平面図である。 図4のケースの雄型係合部及び帯部付近を示す部分拡大正面図である。 図4のケースの雌型係合部付近を示す部分拡大平面図である。 図7のVIII−VIII部位の断面図である。 図4のケースにおいて、雄型係合部と雌型係合部とを係合させた状態を示す部分拡大平面図である。 図9のX−X部位の断面図である。 図10のXI−XI部位の端面図である。 図4のケースにおいて雄型係合部を雌型係合部に係合させる状態を示す概略部分拡大斜視図である。 実施形態の頭部保護エアバッグ装置において、エアバッグ組付体を折り曲げる状態を示す図である。 実施形態の頭部保護エアバッグ装置において、エアバッグがケース間の部位で捩れて、帯部も捩れた状態を説明する図である。 実施形態の頭部保護エアバッグ装置において、ケースにおける雄型係合部の首部の先端が、雌型係合部の押え片の先端に、当接している状態を示す部分拡大平面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mは、図1に示すように、エアバッグ20を、展開膨張完了時に、車両Vの窓(サイドウィンド)W1,W2を覆い可能に、窓W1,W2の上縁側の周縁、すなわち、フロントピラー部FPからルーフサイドレール部RRを経てリヤピラー部RPの上方付近までの範囲に、折り畳んで収納させている。なお、この車両Vは、フロントピラー部FPとリヤピラー部RPとの間に、略上下方向に沿って配設される1つの中間ピラー部CPを配設させ、膨張完了時のエアバッグ20は、窓W1,W2とともに、中間ピラー部CPの車内側に配置されるピラーガーニッシュ7の車内側も、覆うように、構成されている。
頭部保護エアバッグ装置Mは、図1に示すように、エアバッグ20、エアバッグ20に膨張用ガスを供給するインフレーター10、取付ブラケット11,15、取付ボルト12,16、及び、エアバッグ20を折り畳んで形成される折り完了体35を収納するケース38F,38B、を、備えて構成されている。折り畳まれたエアバッグ20(折り完了体35)、インフレーター10、及び、ケース38F,38Bは、車両Vへの搭載時に、車内側をエアバッグカバー18に覆われて収納されている(図2参照)。エアバッグカバー18は、実施形態の場合、フロントピラー部FPの車内側を覆うピラーガーニッシュ5の下縁5aと、ルーフサイドレール部RRの車内側を覆うルーフヘッドライニング6の下縁6aと、から構成されている。
ピラーガーニッシュ5とルーフヘッドライニング6とは、中間ピラー部CPの車内側を覆うピラーガーニッシュ7や、リヤピラー部RPの車内側を覆うピラーガーニッシュ8とともに、合成樹脂製として、図示しない取付手段によって、フロントピラー部FPやルーフサイドレール部RRにおけるボディ1側の部材であるインナパネル2の車内側に、取り付けられている。そして、これらの下縁5a,6aから構成されるエアバッグカバー18は、展開膨張時のエアバッグ20を突出可能に、エアバッグ20に押されて下縁5a,6a側を車内側Iに開くように、構成されている(図2の二点鎖線参照)。
インフレーター10は、図1に示すように、略円柱状とされて、先端(前端)側に、膨張用ガスを吐出可能な図示しないガス吐出口を、配設させて構成されている。そして、このインフレーター10は、ガス吐出口を含めた先端付近を、エアバッグ20の後述する接続口部26に挿入させ、接続口部26の後端付近に外装されるクランプ13を利用して、エアバッグ20の接続口部26に連結されている。また、インフレーター10は、インフレーター10を保持する取付ブラケット11と、取付ブラケット11をボディ1側のインナパネル2に固定するための取付ボルト12と、を利用して、インナパネル2に取り付けられている。
エアバッグ20は、実施形態の場合、ポリアミド糸やポリエステル糸等を使用した袋織りによって形成され、図3のAに示すように、膨張用ガスGを流入させて車内側壁部21aと車外側壁部21bとを離すように膨張するガス流入部21と、車内側壁部21a,車外側壁部21b相互を結合させるように形成されて膨張用ガスを流入させない非流入部28と、を備えて構成されている。ガス流入部21は、保護膨張部22、ガス供給路部25、及び、接続口部26、を備えて構成され、非流入部28は、周縁部29、取付部30、板状部31,32、及び、区画部33、を備えて構成されている。
ガス流入部21の保護膨張部22は、エアバッグ20の膨張完了時に、前席の側方に配置される窓W1の車内側を覆う前保護部23と、後席の側方に配置される窓W2の車内側を覆う後保護部24と、を備えている。ガス供給路部25は、エアバッグ20の上縁20a側で接続口部26から前方側に延びるもので、前保護部23と後保護部24とに接続口部26からの膨張用ガスGを供給するための部位である。接続口部26は、エアバッグ20の上縁20a側の後端側に配置されるもので、上述したごとく、インフレーター10に連結される部位である。前保護部23と後保護部24とは、それぞれ、領域内に、区画部33と板状部31とによって区画されて、前後方向に並設される複数のセル22aを配設させて構成されている。各セル22aは、上端をガス供給路部25に連通させて、上下方向に沿うような棒状として構成されており、実施形態の場合、前保護部23の領域には、4つのセル22aが並設され、後保護部24の領域には、3つのセル22aが並設されている。
非流入部28を構成する周縁部29は、ガス流入部21の外周縁に配置されている。板状部31は、略長方形板状として、ガス供給路部25の下方における前保護部23と後保護部24との間に配置されている。板状部32は、略三角板状として、エアバッグ20の前端側に配置されている。各セル22a間を区画している区画部33は、実施形態の場合、略T字形状や、周縁部29から延びる横置きF字形状として、構成されている。
取付部30は、板状部32を含めたエアバッグ20の上縁20a側において、上方へ突出するように、複数配置されるもので、それぞれ、取付ボルト16を挿通可能な取付孔30aを、備えている。各取付部30は、当板としての板金製の取付ブラケット15を取り付けられて、取付ブラケット15とともに、取付孔15a,30aを貫通する取付ボルト16を利用して、インナパネル2に取り付けられることとなる(図2参照)。なお、取付部30と取付ブラケット15とには、取付孔30a,15aの周囲に、ケース38の取付片部41に設けられた係止突起41bを貫通させるための貫通孔30b,15bが、それぞれ、2つずつ形成されている(図2,14参照)。そして、各取付ボルト16は、インナパネル2の取付孔3に設けられたナット4に螺合して、各取付部30を、取付ブラケット15やケース38の取付片部41とともに、車両Vのボディ1側のインナパネル2に対して、取り付けることとなる。
そして、エアバッグ20は、車内側壁部21aと車外側壁部21bとを重ねるように平らに展開した状態から、下縁20b側を上縁20a側に接近させ、前後方向に沿った長尺状の折り完了体35を形成するように、折り畳まれて、車両Vに搭載されるもので、各取付部30は、この折り完了体35の上面から上方に突出するように、配置されることとなる(図3のB参照)。そして、実施形態の場合、エアバッグ20は、前後方向に沿うように、上縁20aと平行な複数の折目Cを付けて、下縁20b側を上縁20a側に接近させるような蛇腹折りにより、折り畳まれている(図3のB参照)。
ケース38は、図1に示すように、エアバッグ20を折り畳んで構成される長尺状の折り完了体35の長手方向に沿って配置されるもので、実施形態の場合、図4,13に示すように、折り畳まれたエアバッグ20(折り完了体35)の前保護部23の領域を収納するケース38Fと、後保護部24の領域を収納するケース38Bと、の2つから、構成されている。各ケース38(38F,38B)は、オレフィン系熱可塑性エラストマー等の軟質合成樹脂から形成されるもので、図4に示すように、折り完了体35の周囲を覆うカバー部39と、カバー部39から延びるように形成されてエアバッグ20の取付部30とともにインナパネル2に取り付けられる複数の取付片部41と、を有しており、隣接する端部側(ケース38Fの後端38a側とケース38Bの前端38b側)で、連結片部44により、相互に連結される構成である。
カバー部39は、折り完了体35の上面側を覆う天井壁39aと、天井壁39aの車内側Iと車外側Oとの両縁から下方に延びて折り完了体35の車内側Iと車外側Oとを覆う側壁39b,39cと、を備える断面略逆U字形状とされている(図2参照)。なお、図2においては、カバー部39と折り完了体35との間に隙間があるように図示されているが、実際の物品においては、折り完了体35は、カバー部39内に隙間なく収納されている。取付片部41は、カバー部39の天井壁39aにおける車外側Oの縁付近において、上方に延びるように、形成されている。この取付片部41は、それぞれ、折り完了体35における各取付部30に対応する位置に配置され、その元部側となる車内側Iの天井壁39aの部位には、各取付部30を上方へ突出させる貫通孔40が、形成されている。なお、エアバッグ20における前端側の部位は、布材の量を少なくした三角形状の板状部32から構成されていることから、前側のケース38Fの前端側の部位は、天井壁39aや側壁39bを設けずに、側壁39cと取付片部41のみから構成されている(図4参照)。
各取付片部41には、図4に示すように、エアバッグ20の取付部30や取付ブラケット15に対応するように、取付ボルト16を貫通させる挿通孔41aと、挿通孔41aの周囲となる前後両側に配置されて車内側Iに突出する2つの略円柱状の係止突起41bと、が、配設されている。さらに、各取付片部41の上縁側の前後の両角の部位には、図2に示すように、車内側Iに突出して下方へ反転するように、断面略L字形状の規制片41cが、形成されている。そして、実施形態の場合、各取付片部41には、折り完了体35をカバー部39の内部に収納させた状態で、貫通孔40を経て、取付部30が、車内側面41d側に配置されることとなる。その際、各取付部30の各貫通孔30bには、取付片部41に形成される係止突起41bが、貫通されることとなる(図2参照)。そして、各取付部30の車内側Iの面に、取付ブラケット15を、各規制片41cに係止させ、かつ、各貫通孔15bに係止突起41bを貫通させるようにして、配置させれば、各取付部30を、取付ブラケット15と取付片部41との間で挟持させて、ケース38の各取付片部41に取り付けることができる。
前後のケース38F,38Bを連結している連結片部44は、図9,10に示すように、前側のケース38Fの後端38a側から延びて曲げ可能とされる帯部45と、帯部45の先端45a側に配設される雄型係合部46と、後側のケース38Bの前端38b側に配設される雌型係合部51と、から、構成されている。
帯部45は、折り完了体35を折り曲げた際の外周側に位置するように、ケース38Fの後端38a側において、カバー部39の天井壁39aから後方に延びるように、形成されている(図5,6参照)。この帯部45は、天井壁39aから上方に向かって突出して、車内側Iから見て略逆U字形状に屈曲されるとともに、先端45a側(後端側)を前後方向に略沿わせるようにして、形成されている(図6参照)。帯部45は、幅寸法TW1を、雌型係合部51における後述する係止孔52の広幅開口部55の開口幅寸法OW2より小さくして、この広幅開口部55を挿通可能に、構成されている(図5,7参照)。
帯部45の先端45a側(後端側)に形成される雄型係合部46は、帯部45の先端45a(後端)から折り完了体35側に向かって延びるように形成される首部47と、首部47の先端47aにおいて首部47の軸方向と直交方向となる両側へ突出するように形成される頭部48と、を備える構成とされている。実施形態の場合、雄型係合部46は、雌型係合部51における係止孔52の開口面と略直交する上方側から見て、略T字形状とされている(図5参照)。
首部47は、帯部45の先端45a(後端)から、折り完了体35側に向かって延びて、後下方に向かって突出するように、形成されている。具体的には、首部47は、帯部45よりも狭幅として、帯部45の先端45a(後端)から雌型係合部51における係止孔52の開口面に略沿わせるように、前後方向に沿って延び、かつ、高さ寸法H1を帯部45の厚さ寸法t1より大きくして、帯部45より下方に突出するように、形成されている(図6参照)。この首部47は、頭部48を、係止孔52の後述する狭幅開口部53の周縁54に係止させた際に、狭幅開口部53に嵌挿可能に構成されるもので、幅寸法TW2を、狭幅開口部53の開口幅寸法OW1より若干小さく設定されている(図5,7参照)。また、首部47の高さ寸法H1は、狭幅開口部53内に嵌挿させた状態において、頭部48の上面48bを係止孔52における狭幅開口部53における周縁54の下面54aに当接させた際に、狭幅開口部53の周縁54の上面よりわずかに上方に突出するような寸法に、設定されている(図11参照)。さらに、首部47の前後方向に沿った長さ寸法L1(図6参照)は、首部47の元部47cを狭幅開口部53における前縁53aに当接させた際に、頭部48の後端48aを、図9に示すように、広幅開口部55の前縁55aと略一致させるような寸法に、設定されている。また、実施形態の場合、首部47は、断面形状を、長軸側の軸方向を前後方向に沿わせた略長円形状とされている(図6参照)。
頭部48は、首部47の先端47aから、首部47の軸方向と直交方向となる左右両側に突出するように、形成されるもので、詳細に説明すれば、首部47における折り完了体35側の面(下端面47b)から、係止孔52の開口面に略沿って後方と左右両側とに向かって膨出するように、形成されている。頭部48は、左右方向側の幅寸法TW3(首部47の軸方向と直交方向側の幅寸法)を、狭幅開口部53を挿通不能として、広幅開口部55を挿通可能とするように、狭幅開口部53の開口幅寸法OW1より大きくして、かつ、広幅開口部55の開口幅寸法OW2より小さくするように、構成されている(図5,7参照)。実施形態の場合、頭部48の左右方向側の幅寸法TW3は、帯部45の幅寸法TW1より若干大きく設定されている。また、頭部48は、前後方向側の長さ寸法L2(図5参照)を、雄型係合部46を後方移動させて、首部47の先端面47d(後端面)を雌型係合部51に設けられる後述する押え片57の先端面57b(前端面)に当接させた際に、前端側部位48dを、狭幅開口部53の周縁54の下方に位置させて、首部47側の面(上面48b)を、狭幅開口部53の周縁54における折り完了体35側の面(下面54a)と、係止孔52の開口面と直交方向側(上下方向側)に重ねるような寸法に、設定されている(図15参照)。換言すれば、頭部48は、首部47の先端面47dを押え片57の先端面57bに当接させた際にも、前端側部位48dにおいて、狭幅開口部53の周縁54に当接されて、係止可能に、構成されている。
さらに、頭部48は、前後方向側の長さ寸法L2を、上述したごとく、首部47の元部47cを狭幅開口部53における前縁53aに当接させた際に、後端48aを、広幅開口部55の前縁55aと略一致した位置に配置させるような寸法に、設定されている。換言すれば、頭部48は、首部47の元部47cを狭幅開口部53の前縁53aに当接させた際に、図9に示すように、広幅開口部55の領域内に突出せず、雌型係合部51に形成される後述する押え片57と、係止孔52の開口面と直交方向側(上下方向側)で、重ならないように、構成されている。
雌型係合部51は、図7,8に示すように、後側のケース38Bの前端38b付近におけるカバー部39の天井壁39aの領域に、形成されている。雌型係合部51は、天井壁39aを切り欠いて、開口面を折り完了体35の表面に略沿わせるように開口して形成される係止孔52と、係止孔52の一部を塞ぐように形成される押え片57と、を備えている。実施形態の場合、雌型係合部51は、頭部48を狭幅開口部53の周縁54に係止させた際に、頭部48の下面48cを、周囲のカバー部39における天井壁39aの下面(内周面)と略面一とさせるように(図10参照)、ケース38Bの前端38b付近において、天井壁39aを一段上方(外周側)に突出させ、この突出させた領域に、形成されている。
係止孔52は、雄型係合部46の係合時に頭部48を周縁で係止可能とされるもので、雄型係合部46側となる前側に形成される狭幅開口部53と、雄型係合部46から離れた側となる後側に形成される広幅開口部55と、を有し、狭幅開口部53と広幅開口部55とは相互に連通して形成されている。実施形態の場合、係止孔52は、開口面と略直交する上方側から見て、略凸字形状に開口して、形成されている(図7参照)。狭幅開口部53は、開口幅寸法OW1を、雄型係合部46における首部47のみを挿通可能として、頭部48を挿通不能に設定されており、首部47を挿通させた際に、頭部48の上面48b側を、周縁54の下面54a側に当接させることにより、頭部48を周縁54によって、係止する構成である。また、この頭部48の狭幅開口部53の周縁54への係止時に、首部47は、狭幅開口部53に嵌挿されている。さらに、実施形態の場合、狭幅開口部53は、前縁53a側を首部47の先端47a側の断面形状に合わせて、上面から見て略半円弧状としており、さらに、首部47の元部47cを、前縁53aに当接させて首部47を狭幅開口部53に嵌挿させた際に、首部47を係止可能に、前縁53aから延びる左右の側縁53b,53bにおける前後方向の中間部位に、僅かに内側に向かって突出する突起53c,53cを備えている。広幅開口部55は、開口幅寸法OW2を、頭部48を挿通可能に、設定されている。
押え片57は、広幅開口部55における狭幅開口部53と対向して配置される後縁55dから、係止孔52の開口面に略沿うように、狭幅開口部53側に向かって突出するように形成されるもので、広幅開口部55を略全域にわたって塞ぐような略長方形板状としている(図7参照)。実施形態の場合、押え片57は、広幅開口部55の前縁55aと左右の側縁55b,55cとの間に僅かな隙間を有して、残部を塞ぐように、形成されている。そして、押え片57は、狭幅開口部53側となる先端57a側(前端側)を、係止孔52の開口面と略直交方向側(上下方向側)に撓み可能として形成されている。この押え片57の先端57aと、広幅開口部55における狭幅開口部53の周縁から延びる縁部(前縁55a)と、の間の隙間Sは、開口幅寸法OW3(図7参照)を、頭部48における首部47の軸方向に沿う方向側となる前後方向側の長さ寸法L2より小さな寸法に、設定されている。実施形態の場合、この隙間Sは、首部47の軸方向側となる前後方向に沿った長さ寸法L1よりも小さく設定されて、首部47も挿通不能な幅寸法に設定されており、雄型係合部46全体が、狭幅開口部53から離れるように後方移動した場合にも、首部47は、押え片57の先端57aと当接して、広幅開口部55の領域内に、全体を侵入させることができないように、構成されている。
次に、この頭部保護エアバッグ装置Mの車両Vへの搭載について説明すれば、まず、図3のAに示すように、エアバッグ20を、非膨張状態として車内側壁部21aと車外側壁部21bとを重ねるように平らに展開した状態から、上縁20aと平行な折目Cを付けて、下縁20b側を上縁20a側に接近させるように、接続口部26の領域を除いて、蛇腹折りにより折り畳み、その後、図3のBに示すように、折り畳まれたエアバッグ20の周囲に、破断可能なラッピング材60を巻きつけて、折り完了体35を形成する。その後、折り完了体35における前保護部23の領域を、ケース38Fのカバー部39内に収納させ、折り完了体35における後保護部24の領域を、ケース38Bのカバー部39内に収納させる。このとき、各貫通孔40から突出させるようにしてエアバッグ20の各取付部30を、取付片部41の車内側面41d側に配置させつつ、各取付部30の貫通孔30bに、係止突起41bを貫通させておく(図2参照)。さらに、取付ブラケット15を、各規制片41cに係止させ、かつ、各貫通孔15bに係止突起41bを貫通させるようにして、各取付部30の車内側Iの面に当てるように配置させて、各取付部30を、取付ブラケット15と取付片部41との間で挟持させつつ、ケース38F,38Bの各取付片部41に取り付ける。
次いで、ケース38Fに設けられた雄型係合部46を、ケース38Bに設けられた雌型係合部51に係合させ、ケース38F,38B間を連結片部44により連結させる。具体的には、図10の二点鎖線及び図12に示すごとく、雄型係合部46の頭部48を、雌型係合部51における広幅開口部55の領域に設けられた押え片57を撓ませつつ、広幅開口部55内に押し込み、首部47を狭幅開口部53内に挿通させつつ、狭幅開口部53内に引き込むように、雄型係合部46全体をケース38F側に移動されば、頭部48が、狭幅開口部53の周縁に係止されることとなる。このとき、押え片57が復元することから、頭部48は、この復元された押え片57により、広幅開口部55側への戻りを規制された状態で、上面48bを狭幅開口部53における周縁54の下面54aと当接させることとなり、その結果、首部47を狭幅開口部53に嵌挿させつつ、頭部48を、狭幅開口部53の周縁54に係止させることができる。その後、接続口部26に、取付ブラケット11を取付済みのインフレーター10を挿入して、クランプ13により、接続口部26とインフレーター10とを連結すれば、エアバッグ組付体AMを形成できる(図13参照)。
実施形態では、このエアバッグ組付体AMを、図13の二点鎖線から実線に示すように、ケース38F,38B間となる連結片部44の帯部45の部位で、折り曲げれば、エアバッグ組付体AMをコンパクトにすることができる。そして、実施形態では、エアバッグ組付体AMを、折り曲げた状態を維持して、運搬用容器や包装紙等に入れて、所定場所まで運搬することができることから、嵩張らずに、運搬することができる。なお、実施形態では、エアバッグ組付体AMは、ケース38F,38B間において露出している折り完了体35の下面側の部位を基点として、折り曲げられることとなり、帯部45は、折り曲げられた折り完了体35の外周側に、配置されることとなる。
そして、頭部保護エアバッグ装置Mの車両Vへの搭載時には、図13の実線から二点鎖線に示すように、エアバッグ組付体AMの折り曲げ状態を直して、各取付ブラケット11,15を、インナパネル2の所定の位置に配置させ、取付ボルト12,16を使用して、インナパネル2の所定の位置に固定すれば、エアバッグ組付体AMを車両Vに組み付けることができる。その後、インフレーター10に、インフレーター作動用の制御装置から延びる図示しないリード線を結線するとともに、ピラーガーニッシュ5,7,8及びルーフヘッドライニング6を、ボディ1側のインナパネル2に取り付ければ、頭部保護エアバッグ装置Mを車両Vに搭載することができる。
車両Vへの搭載後、実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mが作動して、インフレーター10が膨張用ガスGをエアバッグ20に供給すれば、エアバッグ20は、ガス供給路部25や複数のセル22aに膨張用ガスGを流入させ、エアバッグカバー18を押し開いて下方へ展開し、図1の二点鎖線に示すように、窓W1,W2や中間ピラー部CPの車内側を覆うように、膨張を完了させることとなる。
そして、実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mでは、ケース38F,38B間を連結する連結片部44が、曲げ可能な帯部45を有していることから、エアバッグ20がケース38F,38B間で捩れた際に、図14のA,Bに示すように、この帯部45もエアバッグ20とともに捩れるような態様となって、エアバッグ20の捩れを容易に検知することができ、エアバッグ20におけるケース38F,38B間での捩れた状態での車両Vへの取り付けを防止することができる。
また、実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mでは、帯部45の先端45aに形成される雄型係合部46の頭部48を、雌型係合部51における狭幅開口部53の周縁54に係止させることにより、雄型係合部46と雌型係合部51とを係合させている構成であるが、この頭部48は、雌型係合部51を有するケース38Bにおけるカバー部39の領域内に侵入しつつ、狭幅開口部53の周縁54に係止される構成であることから、狭幅開口部53の周縁54への係止時に、折り完了体35とカバー部39との間に挟持されるような態様となる(図10,11参照)。すなわち、実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mでは、雄型係合部46の頭部48が、圧縮されるように折り畳まれたエアバッグ20(折り完了体35)のスプリングバックにより、エアバッグ20とカバー部39との間で強固に保持されることとなることから、折り完了体35をケース38F,38Bに収納させた運搬時において、ケース38F,38B間の部位で折り完了体35を折り曲げても、頭部48が、狭幅開口部53から大きくずれ難く、頭部48の狭幅開口部53の周縁54への係止状態を維持することができる。
さらに、実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mでは、雌型係合部51が、頭部48の係止孔52からの抜けを抑制する押え片57を有しており、この押え片57は、広幅開口部55における狭幅開口部53と対向して配置される縁部(後縁55d)から、係止孔52の開口面に略沿うように、狭幅開口部53側に向かって突出し、かつ、広幅開口部55を略全域にわたって塞ぐように配置されて、先端57aと、広幅開口部55における狭幅開口部53の周縁54から延びる縁部(前縁55a)と、の間の隙間Sを、頭部48の前後方向側の長さ寸法L1より小さな開口幅寸法OW3に設定されている。また、頭部48は、首部47の先端面47dを押え片57の先端面57bに当接させた際に、前端側部位48dにおいて、首部47側となる上面48bを、狭幅開口部53の周縁54における折り完了体35側となる下面54aと、上下方向側で重なるように、構成されている。そのため、エアバッグ20の捩れ時に、雄型係合部46の首部47が、広幅開口部55側に向かって、移動することとなっても、押え片57の先端57aに当接することとなり、このとき、頭部48は、前端側部位48dの部位において、狭幅開口部53の周縁54に重なって、この狭幅開口部53の周縁54に係止されていることから、頭部48が広幅開口部55から抜けるような位置まで移動することを、防止でき、かつ、頭部48の狭幅開口部53の周縁54との係止状態も維持することができる。その結果、エアバッグ20の捩れ時において、帯部45が捩れることとなっても、頭部48が、広幅開口部55から抜け難く、ケース38F,38B間の連結片部44による連結を維持させることができる。特に、実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mでは、押え片57の先端57aと広幅開口部55の前縁55aとの間の隙間Sが、首部47の前後方向の長さ寸法L1よりも小さな寸法に設定されていることから、首部47が、広幅開口部55の領域(隙間S)内に、全体を侵入させることができず、首部47が、広幅開口部55の領域内に侵入して隙間Sを左右方向(車内外方向)に大きく移動することを防止できる。そのため、雄型係合部46と雌型係合部51との係合状態を一層強固に維持することができる。
したがって、実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mでは、折り畳んだエアバッグ20を捩って車両Vに搭載することを防止でき、かつ、捩れ検知時にも、エアバッグ20を収納しているケース38F,38B間の連結片部44による連結状態を維持することができる。
また、実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mでは、雄型係合部46を雌型係合部51に係合させる際には、図10の二点鎖線及び図12に示すように、押え片57を折り完了体35側に向かって撓ませるようにして、頭部48を広幅開口部55に挿入させ、首部47を狭幅開口部53に挿通させて狭幅開口部53内に引き込むように、雄型係合部46をケース38F側に移動させれば、頭部48が、狭幅開口部53の周縁54に係止されることとなる(図9,10参照)。このとき、押え片57が復元することから、頭部48は、復元された押え片57の先端57aによる首部47の先端47aの規制により、広幅開口部55側への戻りを規制されることとなる。そして、雄型係合部46と雌型係合部51との係合状態を解除する際には、首部47を、狭幅開口部53における広幅開口部55と対向する側の縁部(前縁53a)に当接させた状態で、押え片57を、指や冶具等を利用して、折り完了体35側に押し込むように撓ませ(図10の二点鎖線参照)、首部47を、広幅開口部55側へ移動させれば、頭部48を、撓ませた押え片57の上面側を経て、広幅開口部55を挿通させるようにして、取り外すことができ、雄型係合部46と雌型係合部51との係合状態を解除することができる。そのため、実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mでは、手や冶具等を利用すれば、雄型係合部46と雌型係合部51との係合状態を容易に解除することができ、一方のケースを交換する場合等の、メンテナンス作業が容易である。なお、冶具を利用する場合、押え片57を、折り完了体35側から離れる上方に向かって撓ませるようにして、雄型係合部46と雌型係合部51との係合状態を解除させてもよい。
さらに、実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mでは、首部47を、帯部45より狭幅として、係止孔52の開口面に略沿わせて構成するとともに、頭部48の狭幅開口部53の周縁54との係止時に、狭幅開口部53に嵌挿させる構成としている。そのため、図11に示すように、首部47の軸直交方向側が、狭幅開口部53の周縁54に支持されるような態様となり、エアバッグ20をケース38F,38B間の部位で折り曲げた際や、エアバッグ20がケース38F,38B間の部位で捩れた場合等に、首部47の位置を安定させることができて、頭部48の狭幅開口部53の周縁54との係止状態を一層安定させることができる。勿論、このような点を考慮しなければ、雄型係合部として、係止孔の開口面と交差するような首部を有した構成のものを使用してもよい。
さらにまた、実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mでは、帯部45を、折り完了体35を折り曲げた際の外周側に位置させるように、各ケース38F,38Bにおけるカバー部39の天井壁39a,39a間を連結するように配置させていることから、折り完了体35の折り曲げ時に、首部47が、雌型係合部51を有したケース38Bから離れる方向に引っ張られるような態様となる。そのため、首部47を確実に狭幅開口部53内に配置させることができて、ケース38F,38B間の部位で折り曲げられた状態で運搬される際に、雄型係合部46と雌型係合部51との係合状態が解除され難い。勿論、このような点を考慮しなければ、ケース間を連結する帯部を、折り完了体を折り曲げた際の内周側に位置させるように、構成してもよい。
なお、実施形態では、前席と後席との側方を覆う2列シートタイプの車両に搭載されるエアバッグ20を、連結片部44により連結させた2つのケース35F,35B内に収納させているが、ケースの数はこれに限られるものではなく、3列シートタイプの車両に搭載されるエアバッグを、連結片部により相互に連結された3つのケースに収納させる構成としてもよい。勿論、雌型係合部及び雄型係合部(帯部)の配置位置も、実施形態に限られるものではなく、実施形態とは逆に、前側のケースに雌型係合部を配置させ、後側のケースに帯部及び雄型係合部を配置させる構成としてもよい。
また、実施形態では、エアバッグ20は、蛇腹折りにより折り畳まれているが、エアバッグの折り畳み形状はこれに限られるものではなく、平らに展開した状態から、下縁を上縁に接近させつつ車外側に巻くようなロール折りにより、エアバッグを折り畳んでもよい。
1…ボディ、
2…インナパネル、
10…インフレーター、
15…取付ブラケット、
18…エアバッグカバー、
20…エアバッグ、
30…取付部、
35…折り完了体、
38(38F,38B)…ケース、
39…カバー部、
41…取付片部、
44…連結片部、
45…帯部、
45a…先端、
46…雄型係合部、
47…首部、
47a…先端、
47b…下端面、
48…頭部、
51…雌型係合部、
52…係止孔、
53…狭幅開口部、
54…周縁、
55…広幅開口部、
57…押え片、
57a…先端、
AM…エアバッグ組付体、
W1,W2…窓、
V…車両、
M…頭部保護エアバッグ装置。

Claims (3)

  1. 展開膨張時に車両の窓を覆うエアバッグが、折り畳まれた長尺状の折り完了体の長手方向に沿って配設される複数の合成樹脂製のケースに収納されて、該ケースとともに、前記各ケースの部位に配置された前記エアバッグの取付部を、前記窓の上縁側に沿って、車両のボディ側に取り付けることにより、車両に搭載される構成とされ、
    隣接する前記ケースが、曲げ可能な連結片部で連結されて、
    前記折り完了体が、前記ケース内に収納された状態で、前記連結片部を曲げて、車両搭載前に、折り曲げて運搬可能な構成とされる頭部保護エアバッグ装置であって、
    前記連結片部が、隣接する一方の前記ケースから延びて曲げ可能とされる帯部と、該帯部の先端側に配設される雄型係合部と、他方の前記ケースに配設される雌型係合部と、から、構成され、
    前記雄型係合部が、前記帯部の先端から前記折り完了体側に向かって延びるように形成される首部と、該首部の先端における前記折り完了体側の部位から前記首部の軸方向と直交方向となる両側へ突出するように形成される頭部と、を備える構成とされ、
    前記雌型係合部が、
    他方の前記ケースにおける前記折り完了体の表面を覆うカバー部において、前記折り完了体の上面側を覆う天井壁の領域に、開口面を前記折り完了体の表面に略沿わせるように開口して形成されて、前記雄型係合部の係合時に、前記頭部を周縁で係止可能な係止孔と、
    前記頭部の前記係止孔からの抜けを抑制する押え片と、
    を備える構成とされ、
    前記係止孔が、
    前記雄型係合部側に形成されて、開口幅寸法を、前記首部を挿通可能とし、かつ、前記頭部を挿通不能に設定される狭幅開口部と、
    前記雄型係合部から離れた側において前記狭幅開口部と連通して形成されるとともに、開口幅寸法を、前記頭部を挿通可能に設定される広幅開口部と、
    を有して、
    前記押え片が、前記広幅開口部における前記狭幅開口部と対向して配置される縁部から、前記係止孔の開口面に略沿うように、前記狭幅開口部側に向かって突出し、かつ、前記広幅開口部を略全域にわたって塞ぐような略長方形板状として、先端側を前記係止孔の開口面と略直交方向側に撓み可能として形成されるとともに、前記先端と、前記広幅開口部における前記狭幅開口部の周縁から延びる縁部と、の間の隙間を、前記頭部における前記首部の軸方向に沿う方向側の長さ寸法より小さな幅寸法に設定されて、構成され、
    前記頭部が、前記首部の先端を前記押え片の先端に当接させた際に、前記首部側の面を、前記狭幅開口部の周縁における前記折り完了体側の面と、前記係止孔の開口面と直交方向側に重ねるように構成され
    前記雌型係合部を備える前記ケースの前記カバー部が、前記天井壁を部分的に一段上方に突出させるように構成され、突出された領域に、前記雌型係合部を配置させ、前記狭幅開口部の周縁に係止された状態の前記雄型係合部の前記頭部の下面を、周囲のカバー部における天井壁の下面と略面一とするように、構成されていることを特徴とする頭部保護エアバッグ装置。
  2. 前記首部が、少なくとも前記頭部と連結されている先端側部位を、前記帯部より狭幅として、前記係止孔の開口面に略沿わせて構成されるとともに、前記頭部の前記狭幅開口部周縁との係止時に、前記狭幅開口部に嵌挿される構成とされていることを特徴とする請求項1に記載の頭部保護エアバッグ装置。
  3. 前記帯部が、車両搭載前の運搬用に前記折り完了体を折り曲げた際の外周側に位置するように、形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の頭部保護エアバッグ装置。
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