JP5163288B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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しかし、前者のクリーニング手段を備えた画像形成装置では、転写ローラ表面は必ずしも滑らかではなく微細な凹凸が多数存在しているため、凹部に付着したトナーを掻き取ることが難しいという問題があり、後者のクリーニング手段を備えた画像形成装置では、局部的にでもチャージャにより発生させるクーロン力を超えるようなファンデルワールス力がトナー粒子と転写ローラ間に働いている場合には、そのトナー粒子を像担持体側へ逆転写させることができないという問題がある。
このような画像形成装置では、通常、装置本体側に備えられたカムで転写ローラ、又は転写ローラの軸や軸受などの支持部材を押圧することにより、開閉扉と一体となって揺動する可動ユニット側に設けられた転写ローラを像担持体から離間させている。図6は、従来の一般的な間接転写方式の画像形成装置における2次転写ローラの接離機構の構成を説明する説明図である。図6に示すように、このような画像形成装置では、一端が装置本体に軸支され、中央部付近で2次転写ローラの軸に当接し、他端が自由端となっている接離レバーと、略楕円状の輪郭を有し、回転可能に装置本体に偏芯軸支されたカムとからなる接離機構により、像担持体である中間転写ベルトと転写ローラである2次転写ローラを接離するのが一般的である。このカムは、中間転写ベルトの駆動手段とは別個に設けられた駆動手段により回転し、その楕円状の輪郭で接離レバーの自由端付近を回転に伴って押圧することにより、梃子の原理で中間転写ベルトと2次転写ローラを接離するよう構成されている。そして、2次転写ローラと中間転写ベルトを離間することで2次転写ニップを開放し、2次転写ニップのジャム処理などを可能にしている。
また、接離機構は、脱圧手段の押圧力を解除する脱圧解除手段を更に備え、この脱圧解除手段により脱圧手段の押圧力を解除して加圧手段の加圧力で像担持体に転写部材を圧接するので、つまり、接離機構により像担持体と転写部材とを圧接しなければならない転写時には、脱圧解除手段により脱圧手段の押圧力を解除して、他の接離機構を要しないので、簡略で安価な構成とすることができるだけでなく、加圧手段の加圧力は、転写時に必要な転写圧にのみ基づいて設定すればよく、常時、脱圧手段の押圧力に抗して転写部材を加圧する必要がない。このため、加圧手段を必要最小限のものとすることができ、コストダウンを図ることができる。また、転写部材も必要最小限の力で圧接されているだけなので耐久性が向上する。
さらに、脱圧解除手段は、装置本体に軸支されたカムを有し、可動ユニットを閉じている状態で当該カムを所定方向に回転させて、このカムの輪郭に沿って脱圧手段を押圧することで脱圧手段の押圧力を解除するので、つまり、装置本体に配設されたカムにより可動ユニットに配設された脱圧手段の脱圧解除を行うことができるので、可動ユニットの軽量化を図ることができ、可動ユニットの開閉が容易となる。また、カムを回転させるだけで接離が可能なので、他の目的のために設けられている駆動モータなどを利用し易く、コストダウンと省スペース化を図り易い。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示す構成説明図、図2は、図1の画像形成装置の可動ユニットを揺動して開いた状態の一例を示す説明図である。図中の符号1は、本発明の画像形成装置の一実施の形態として例示するイエロー、シアン、マゼンダ、ブラックの4色のトナーからカラー画像を形成する4連タンデム型中間転写方式のカラープリンタであり、このカラープリンタ1は、略箱状の筐体である装置本体10と、この装置本体10の上部に配置され、前記4色のニュートナーを収容するニュートナー収容部2と、装置本体10の中央に配置され、前記4色のトナーからそれぞれの単色トナー像を形成する4つのプロセスカートリッジからなる画像形成部3と、この画像形成部3の下方に配置され、画像形成部3のそれぞれの潜像担持体に静電潜像を書き込む光学ユニット4と、画像形成部3の上方に配置され、画像形成部2で形成したトナー画像を記録紙に転写する転写部5と、この転写部5の上方の一側端寄りに配置され、転写部5で転写されたトナー像を記録紙に定着する定着部6と、装置本体10の最下部に配置され、記録材である記録紙を転写部5に給紙する給紙部7と、装置本体10の上面に形成され、定着部6で画像が定着された記録紙をスタックする排紙部8などから構成されている。この画像形成装置1は、記録紙を最下部の給紙部7から最上部の排紙部8まで搬送する縦搬送パス方式のものであり、図の一点鎖線で示す搬送経路Aを開放できるように、開閉扉と一体となって可動する可動ユニット11が記録紙の裏面に画像を形成するために1回転させる両面ユニット12を含めて実線Bを境に扉軸13を支軸として揺動し、後述の2次転写ニップを開放してジャム処理などができるようになっている。
なお、転写バイアス印加手段として、転写チャージャを用いた非接触方式のものでもよいが、本実施の形態では、転写チリの発生が少ない1次転写ローラを採用している。
次に、プリンタ1のプロセスカートリッジについて説明する。
図3は、図1の画像形成装置のプロセスカートリッジの一例を示す構成説明図である。前述のように、カラープリンタ1は、中間転写ベルト50の下面に沿って移動方向上流側からイエロー、シアン、マゼンダ、ブラックの順番に画像形成ユニットである4つのプロセスカートリッジ3Y,3C,3M,3Kを具備している(図1参照)。これらのプロセスカートリッジ3Y,3C,3M,3Kは、略同様な構成となっているので、最上流に配設されたイエロー用プロセスカートリッジ3Yを例に挙げて説明する。
次に、プロセスカートリッジの動作について図3を用いて説明する。
先ず、帯電ローラ31Yaにより感光体ドラムYの外周表面を均一に所定の極性に帯電し、この帯電ローラ31Yaの感光体ドラムYの回転方向下流域において、光学ユニット4により画像情報に基いてレーザ光(破線矢印)を照射し、一様に帯電させた感光体ドラムYの表面電位を照射した部分だけ低下させることにより静電潜像を形成する。そして、現像手段32Yで静電潜像にイエロー色のトナーを供給して静電潜像をトナー像化して現像する。このイエロー単色のトナー像は、感光体ドラムYの回転に伴って1次転写ニップに移動し、そこで、1次転写ローラ52Yから1次転写バイアスが印加され、静電引力を利用して中間転写ベルト50へ転写される。その後、1次転写後も感光体ドラムYの外周表面に付着する1次転写残トナーが、クリーニング手段33Yでクリーニングされ、再度の画像形成に備えられる。
次に、カラープリンタ1の画像形成動作について図1を用いて説明する。
先ず、前述のように、プロセスカートリッジ3Yにおいてイエローの単色トナー像が感光体ドラムY上に形成される。続いて、1次転写ニップまで感光体ドラムYを回転させ、そこで、1次転写ローラ52Yにより、トナーの極性とは逆極性の1次転写バイアスを印加し、静電引力により中間転写ベルト50にイエロー単色のトナー像を転写する。これと同様に、その他のプロセスカートリッジ3C,3M,3Kにおいても単色トナー像の画像形成が行われると共に、中間転写ベルト50の回転のタイミングに合わせてイエロー、シアン、マゼンダの順番で1次転写が行われ中間転写ベルト50上に重畳されて、フルカラーのトナー像が形成される。
次に、本発明の特徴部分である転写部材の接離機構について図4、5を用いて説明する。図4、5は、図1の画像形成装置の2次転写ローラの接離機構を主に示す説明図であり、図4は、離間状態を、図5は、圧接状態を、2次転写ローラの一方の軸端部を軸方向に沿って見た状態で示している。そのため、2次転写ローラの両軸端に対になっているものも、一方のみを図示して説明する。図中の符号50、51a、51b、53は、前述の中間転写ベルト、張架ローラ、駆動ローラ、2次転写ローラであり、55が加圧手段、56が脱圧手段、57が脱圧解除手段となっている。また、図の一点鎖線Bは、図1の実線Bと同様に前述の可動ユニット11と装置本体10の境目を表している。図4、5に示すように、2次転写ローラ53、加圧手段55、及び脱圧手段56は、可動ユニット11側に設けられ、可動ユニット11と共に移動可能となっている。
以上のように、この接離機構は、通常は、加圧手段55の加圧力が脱圧手段56の押圧力で相殺されているので、図4に示すように、転写部材である2次転写ローラ53が像担持体である中間転写ベルト50から離間されている。このように各部材の寿命を長くするには、転写時以外当該接離機構により離間させておいた方がよく、特に離間させておいた方がよい場合として、画像濃度調整において中間転写ベルト50上に作像した画像濃度測定用パッチを画像濃度センサで読み取る方式を用いている場合、且つ、レイアウトの関係上、画像濃度センサが2次転写ローラ53より下流の位置に設置してある場合が考えられる。このような場合には、2次転写ローラが接触したままだと、画像濃度測定用パッチのトナー像が圧迫され、乱れてしまうからである。なお、画像濃度センサが2次転写ローラ53より上流側にある場合においても、クリーニング手段と画像濃度センサとの間に2次転写ローラがある場合には、ジャム時と同様に2次転写ローラを汚してしまうのを防ぐため離間させる必要がある。
10 装置本体
11 可動ユニット
5 転写部
50 中間転写ベルト(無端状ベルト,像担持体)
51a 張架ローラ、対向ローラ
51b 張架ローラ、駆動ローラ
53 2次転写ローラ(転写部材)
55 加圧手段(接離機構)
55a 加圧レバー
55b 加圧スプリング
56 脱圧手段(接離機構)
56a 脱圧レバー
56b 脱圧スプリング(付勢手段)
57 脱圧解除手段(接離機構)
57a カム
90 駆動モータ(駆動手段)
Claims (5)
- 装置本体と、該装置本体に対して開閉自在な可動ユニットと、
前記装置本体内に設けられ、画像形成時に画像を担持する像担持体と、
前記可動ユニットに支持され、前記像担持体に圧接されて当該像担持体との間に転写ニップを形成する転写部材と、
該転写部材と前記像担持体とを接離する接離機構と、が備えられ、
該接離機構により前記像担持体と前記転写部材とを離間させて前記転写ニップを開放し、前記可動ユニットを開いてジャム処理又は部品交換が可能な画像形成装置において、
前記接離機構は、前記転写部材を像担持体方向へ加圧する加圧手段と、該加圧手段の加圧力に抗して前記加圧方向と逆方向に押圧して脱圧する脱圧手段と、を有し、これらの加圧手段及び脱圧手段は、前記可動ユニットに支持され、
少なくとも前記可動ユニットを閉じる際には、前記脱圧手段により前記加圧手段が押圧され、前記加圧手段の加圧力が減圧又は相殺されており、
前記接離機構は、前記脱圧手段の押圧力を解除する脱圧解除手段を更に備え、この脱圧解除手段により前記脱圧手段の押圧力を解除して前記加圧手段の加圧力で前記像担持体に前記転写部材を圧接するとともに、
前記脱圧解除手段は、前記装置本体に軸支されたカムを有し、前記可動ユニットを閉じている状態で当該カムを所定方向に回転させて、このカムの輪郭に沿って前記脱圧手段を押圧することで前記脱圧手段の押圧力を解除することを特徴とする画像形成装置。 - 前記脱圧手段の押圧力は、前記加圧手段の加圧力より大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記脱圧手段は、中央付近で前記可動ユニットに回転可能に軸支された脱圧レバーと、この脱圧レバーの一端に取り付けられ、この一端を所定方向に付勢する付勢手段と、を有し、この付勢手段の付勢力で前記脱圧レバーを回転させて他端で前記加圧手段を前記加圧方向と逆方向に押圧することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記脱圧レバーは、前記付勢手段が取り付けられた一方の端から軸までの距離が、前記加圧手段を押圧する他方の端から軸までの距離より長く設定されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記像担持体は、無端状ベルトを有し、この無端ベルトは複数の張架ローラに張架され、これらの張架ローラの1つが駆動手段にワンウェイクラッチを介して接続された正逆回転可能な駆動ローラとなっており、この駆動ローラの回転軸に前記カムがワンウェイクラッチを介して嵌着され、前記カムは駆動ローラが画像形成時の回転方向とは逆方向に回転する場合にのみ回転するよう構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
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