JP5159438B2 - 回転検出装置付き軸受 - Google Patents

回転検出装置付き軸受 Download PDF

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この発明は、各種の機器における回転検出、例えば小型モータの回転制御のための回転検出や、事務機器の位置検出のための回転検出、ロボットの関節角度の検出、ステアリングの操舵角の検出等に用いられる回転検出装置付き軸受に関する。
ロボットの関節等の回転あるいは角度を検出するために、関節部の軸を支持するための軸受と一体となった回転検出装置付き軸受が設置される。このような回転検出装置付き軸受は、小型であることが望まれ、特に、ロボットの指などの関節に装着する場合には、より小型であることが望まれる。このような要請に応えるために、本出願人は、先に図12に示すような回転検出装置付き軸受を提案した(例えば特許文献1,2)。
同図の回転検出装置付き軸受は、回転輪である内輪51の一端側に回転中心回りの方向性を有する磁気発生手段として例えば磁石32を配置すると共に、固定輪である外輪52の一端側に、複数の磁気センサ信号を用いて前記磁石32の回転角度を検出する磁気ラインセンサ等の回転角度センサ33を、磁石32に対向して配置したものである。磁石32は、内輪51の内径面に圧入嵌合される磁石取付部材45を介して内輪51に取付けられる。内輪51は回転軸(図示せず)と一体となって回転するので、磁石32も磁石取付部材45と共に回転軸と一体となって回転する。回転角度センサ33は、外輪52の内径面に圧入嵌合されるセンサ取付部材57を介して外輪52に取付けられる。このように、磁石32は磁石取付部材45により、回転角度センサ33はセンサ取付部材57によりそれぞれ軸方向に位置決めされることで、磁石32と回転角度センサ33の間のギャップが一定に保たれる。
特許文献1,2に開示の回転検出装置と検出方法は異なるものの、ホール素子などの磁気センサ素子を複数使用し、それらの出力信号を演算することによって、回転体に固定された磁石の位置や動きを検出する回転検出装置(例えばAMS社のロータリエンコーダLSI)なども提案されている。
特開2004−37133号公報 特開2006−233985公報
複数の磁気センサ信号を用いる磁気ラインセンサ等を回転角度センサとした上記構成の回転検出装置付き軸受の場合、角度検出精度は良いものの、軸受の片側端面に回転検出装置が設けられているため、適用できる用途、部位が限られていた。一方、従来のホールセンサ等を使用した回転検出装置付き軸受では、通常の軸受と同様の設置方法が可能だが、磁気ラインセンサ等を回転センサとして使用した場合と比較すると、角度検出精度が著しく劣る。
このため、本発明者等は、内輪に同心の歯車を設けると共に、これに噛み合う歯車を設け、この歯車に磁石を設けて磁気ラインセンサ等の回転角度センサを対向配置することで、内輪の軸心から離れた箇所に回転検出装置を設けるものを考えた。しかし、歯車のバックラッシにより、回転の検出精度が低下するという問題があった。
この発明の目的は、角度検出精度が高く、また回転軸等との干渉による使用部位の制限がなくて、汎用性の高い回転検出装置付き軸受を提供することである。
この発明の回転検出装置付き軸受は、回転により対向する平面上の磁界が変化する磁気発生体と、この磁気発生体の前記回転中心軸上に対向して設けられて複数の磁気センサ素子が平面的に並び前記磁気発生体の回転角度を検出する回転角度センサとを有する回転検出装置を備えた軸受であって、軸受の回転輪に同心に取付けられた回転輪側歯車、およびこの回転輪側歯車に噛み合って、軸受の固定輪に支持部材を介して回転自在に支持された固定輪側歯車を有し、前記固定輪側歯車および前記支持部材に、前記回転検出装置における前記磁気発生体および前記回転角度センサをそれぞれ取付けると共に、前記回転輪側歯車と前記固定輪側歯車の間でのバックラッシを抑制するバックラッシ抑制手段を設け、このバックラッシ抑制手段は、前記回転輪側歯車を軸方向に並ぶ2つの歯車分割体で構成すると共に、一方の歯車分割体の歯部と他方の歯車分割体の歯部とで、前記固定輪側歯車の歯部を挟み込むばね部材を、前記2つの歯車分割体にわたって設けたことを特徴とする。
この構成によると、磁気発生体と、この磁気発生体に対向して、複数の磁気センサ素子が平面的に並ぶ回転角度センサとでなる回転検出装置とを備えるため、高精度の回転角度検出が可能である。
この種の回転検出装置は、高精度である反面、磁気発生体の回転中心軸上に対向して回転角度センサが位置するため、回転軸等との干渉の問題があって、配置上の制限が生じる。しかし、軸受の回転輪に同心に取付けられた回転輪側歯車、およびこの回転輪側歯車に噛み合って、軸受の固定輪に支持部材を介して回転自在に支持された固定輪側歯車を有し、前記固定輪側歯車および前記支持部材に、前記回転検出装置における前記磁気発生体および前記回転角度センサをそれぞれ取付けたため、回転検出装置を回転軸と干渉しない位置、つまり回転輪から径方向に退避した位置に配置でき、それだけ適用できる用途、部位が拡がることになる。
歯車を用いるが、回転輪側歯車と固定輪側歯車の間でのバックラッシを抑制するバックラッシ抑制手段を設けたので、バックラッシによる検出精度の低下が回避され、さらに高精度の回転角度検出が可能である。
これにより、角度検出精度が高く、汎用性の高い回転検出装置付き軸受とすることができる。
この発明において、前記固定輪側歯車の回転中心軸上に前記磁気発生体および前記回転角度センサを取付けても良い。これにより回転中心軸に対称な検出系が構成されるため、回転角度の検出精度を向上させることができる。この構成の場合、回転角度センサを固定部材である前記支持部材に取付けることになるので、回転角度センサへの電力供給や、回転角度センサで検出された回転角度データの外部への送信等のための給電・通信手段を簡単に構成できる。
この発明において、前記回転輪側歯車および前記支持部材に、被検出体およびこの被検出体を検出することで回転輪の1回転を検出する原点検出センサをそれぞれ取付けても良い。この構成の場合、回転角度センサの出力をインクリメンタル方式とした場合でも、原点検出センサの出力信号を内輪の1回転の零相位置を示す原点信号として用いてイニシャライズ(原点出し)することで、内輪の回転角度を高分解能の絶対角度として求めることができる。
この発明において、前記回転輪側歯車に前記被検出体を取付けても良い。この構成の場合、原点検出センサを固定部材である前記支持部材に取付けることになるので、原点検出センサへの電力供給や、原点検出センサで検出された原点信号の外部への送信等のための給電・通信手段を簡単に構成できる。
この発明において、前記回転輪側歯車の歯数が、前記固定輪側歯車の歯数よりも多くても良い。この構成の場合、回転輪における絶対角度検出の範囲は360度以下となるが、角度分解能が細かくなるので、微小な角度まで検出することができる。
この発明において、前記回転輪側歯車の歯数が、前記固定輪側歯車の歯数よりも少なくても良い。この構成の場合、回転輪における絶対角度検出の範囲は360度以上となり、角度分解能は粗くなるが、多回転時でも絶対角度を検出することができる。
この発明において、前記回転輪側歯車の歯数と、前記固定輪側歯車の歯数とが同じであっても良い。この構成の場合、回転輪における絶対角度検出の範囲は360度となる。
この発明の回転検出装置付き軸受は、回転により対向する平面上の磁界が変化する磁気発生体と、この磁気発生体の前記回転中心軸上に対向して設けられて複数の磁気センサ素子が平面的に並び前記磁気発生体の回転角度を検出する回転角度センサとを有する回転検出装置を備えた軸受であって、軸受の回転輪に同心に取付けられた回転輪側歯車、およびこの回転輪側歯車に噛み合って、軸受の固定輪に支持部材を介して回転自在に支持された固定輪側歯車を有し、前記固定輪側歯車および前記支持部材に、前記回転検出装置における前記磁気発生体および前記回転角度センサをそれぞれ取付けると共に、前記回転側歯車と前記固定輪側歯車の間でのバックラッシを抑制するバックラッシ抑制手段を設け、このバックラッシ抑制手段は、前記回転輪側歯車を軸方向に並ぶ2つの歯車分割体で構成すると共に、一方の歯車分割体の歯部と他方の歯車分割体の歯部とで、前記固定輪側歯車の歯部を挟み込むばね部材を、前記2つの歯車分割体にわたって設けたため、角度検出精度が高く、また回転軸等との干渉による使用部位の制限がなくて、汎用性の高い回転検出装置付き軸受とすることができる。
この発明の一実施形態を図面と共に説明する。図1は、この実施形態の回転検出装置付き軸受の断面図を示す。この回転検出装置付き軸受は、転がり軸受20の一端部に回転検出装置1を組み込んだものである。転がり軸受20は、内輪21と外輪22の転走面間に、保持器23に保持された転動体24を介在させたものであり、内外輪21,22の軸受空間の前記回転検出装置1の設置側とは反対側の端部が、シール25によって密封されている。転動体24はボールからなり、この転がり軸受20は単列の深溝玉軸受とされている。内輪21には回転軸(図示せず)が圧入状態に嵌合され、外輪22は軸受使用機器のハウジング(図示せず)に設置される。
転がり軸受20の回転輪となる内輪21には、回転輪側歯車支持部材26を介して回転輪側歯車27が同心に取付けられている。具体的には、内輪21に回転輪側歯車支持部材26が取付けられ、この回転輪側歯車支持部材26に回転輪側歯車27が固定されている。回転輪側歯車支持部材26はリング状の部材であって、その一端の外周円筒部26aを内輪21の一端部外径面に圧入嵌合させ、この外周円筒部26aから内径側に延びる鍔部26bを内輪21の幅面に係合させて軸方向に位置決めされている。この回転輪側歯車支持部材26の前記鍔部26bの内径側端から軸方向に延びる内周円筒部26cの外径面に、リング状とした前記回転輪側歯車27が圧入嵌合して固定されている。
また、転がり軸受20の固定輪となる外輪22には、前記回転輪側歯車27に噛み合う固定輪側歯車28が支持部材29を介して回転自在に支持されている。具体的には、前記支持部材29もリング状の部材であって、その一端の内周円筒部29aを外輪22の一端部内径面に圧入嵌合させ、この内周円筒部29aから外径側に延びる鍔部29bを外輪22の幅面に係合させて軸方向に位置決めされている。この支持部材29の前記鍔部29bに、前記固定輪側歯車28がその回転中心軸を転がり軸受20の軸心と平行にして回転自在に支持されている。
前記支持部材29は、前記内周円筒部29aおよび前記鍔部29bのほか、鍔部29bの外周側端から軸方向に延びる外周円筒部29c、およびこの外周円筒部29cの他端から内径側に延びる第2の鍔部29dを有する。
図2は、前記回転輪側歯車27と固定輪側歯車28とでなる歯車機構31の背面図を示す。この歯車機構31には、前記両歯車27,28間のバックラッシを抑制するバックラッシ抑制手段32(図2)が設けられている。図1および図2には、そのバックラッシ抑制手段32の一構成例を示す。このバックラッシ抑制手段32の構成例では、図1のように回転輪側歯車27を軸方向に並ぶ同一形状の2つの歯車分割体27A,27Bで構成すると共に、これら2つの歯車分割体27A,27Bを図2のようにばね部材33で連結し、ばね部材33の予圧によって、図3のように一方の歯車分割体27Aの歯部27Aaと他方の歯車分割体27Bの歯部27Baとで固定輪側歯車28の歯部28aを挟み込むようにしている。ばね部材33は、例えば引っ張りコイルばねからなる。
具体的には、回転輪側歯車27を構成する2つの歯車分割体27A,27Bのうち、一方の歯車分割体27Aは回転輪側歯車支持部材26に固定されている。これに対して、他方の歯車分割体27Bは、一方の歯車分割体27Aに隣接して並ぶ軸方向位置に位置決めされて、回転輪側歯車支持部材26に回転可能に支持されている。これら両歯車分割体27A,27Bには、図2のように円周方向に等配した複数箇所(ここでは3箇所)に、前記ばね部材33を収容するばね収容窓34A,34Bが設けられ、両ばね収容窓34A,34Bが重なって軸方向に開口する部分にばね部材33が配置される。ばね部材33は、引っ張りコイルばねからなり、その一端が一方の歯車分割体27Aに、他端が他方の歯車分割体27Bにそれぞれ連結されている。
図4は、バックラッシ抑制手段32の他の参考提案例を示す。このバックラッシ抑制手段32の構成例では、図1のように回転輪側歯車27を軸方向に並ぶ同一形状の2つの歯車分割体27A,27Bで構成すると共に、2つの歯車分割体27A,27Bの歯部27Aa,27Baが固定輪側歯車28の歯部28a(図3)を挟み込む状態で、これら2つの歯車分割体27A,27Bをビス等の締結部材35で一体に連結固定している。
図5は、バックラッシ抑制手段32のさらに他の参考提案例を示す。このバックラッシ抑制手段32の参考提案例では、前記支持部材29の鍔部29bに対して固定輪側歯車28を回転自在でかつ支持部材29の径方向に移動可能に支持すると共に、ばね部材36により固定輪側歯車28に前記支持部材29の径方向中心向きの予圧を付与している。ばね部材36は例えば圧縮コイルばねからなり、支持部材29の外周円筒部29cと固定輪側歯車28の軸部28bとの間に介在させる。このでは、回転輪側歯車27は軸方向に分割されない一体のものとされている。この場合、回転輪側歯車支持部材26と回転輪側歯車27は、図5のように別部材とせず、一体の部材からなるものとしても良い。
回転検出装置1は、回転により対向する平面上の磁界が発生する磁気発生体2と、この磁気発生体2の前記回転中心軸上に対向して設けられて磁気発生体2の回転角度を検出する回転角度センサ3とを有する。回転角度センサ3は、複数の磁気センサ素子を平面的に並べて構成したものである。前記磁気発生体2は、固定輪側歯車28の回転中心軸O’上に取付けられている。磁気発生体2は永久磁石からなり、図6に示すように、発生する磁気が固定輪側歯車28の回転中心軸O’の回りの方向性を有する。すなわち、磁気発生体2は、回転すると、磁気発生体2に対向して回転中心軸O’に垂直となる平面上の磁界のパターンが変化する。磁気発生体2は、固定輪側歯車28の回転によって磁気回転中心軸O’の回りをN磁極およびS磁極が旋回移動する。回転角度センサ3は、前記固定輪側歯車28が回転自在に支持される前記支持部材29における固定輪側歯車28と軸方向に対向する位置に取付けられている。
前記支持部材29の第2の鍔部29dにおける前記固定輪側歯車28と対向する一側面に、回転角度センサ3が前記磁気発生体2と軸方向に一定のギャップを保って取付けられている。具体的には、回転角度センサ3は、その複数の磁気センサ素子の配列中心が前記固定輪側歯車28の回転中心軸O’に対向するように、回路基板10を介して前記第2の鍔部29dの一側面に取付けられている。第2の鍔部29dには、前記回路基板10に接続された出力ケーブル30が、軸方向に張り出して設けられている。なお、ここでは、前記支持部材29の第2の鍔部29dを、内周円筒部29aから外周円筒部29cに至る部分と別部材として、これらを圧入、接着、かしめ等により連結する場合を示しているが、内周円筒部29aから第2の鍔部29dまでの部分を一体の部材としても良い。第2の鍔部29dは、回転角度センサ3の支持部となるだけでなく、回転輪側歯車27と固定輪側歯車28とでなる歯車機構31および回転検出装置1の全体を覆う蓋部にもなっている。
この回転検出装置付き軸受には、前記回転検出装置1とは別に、回転輪である内輪21の1回転の零相位置を検出する原点検出装置11が組み込まれている。この原点検出装置11は、前記回転輪側歯車21の回転中心軸Oから径方向に外れた位置であって、かつ円周方向の所定位置に取付けられた被検出体12と、前記支持部材29の第2の鍔部29dに取付けられて前記被検出体12を検出する原点検出センサ13とを備える。原点検出センサ13は、回路基板14を介して前記支持部材29の第2の鍔部29dの回転側歯車21に対向する側面において、前記被検出体12の周回経路と軸方向に対向する位置に、一定のギャップを保って固定される。
被検出体12は例えば磁石からなり、原点検出センサ13は被検出体12の磁気を検出する例えばホールセンサからなる。なお、被検出体12および原点検出センサ13は、上記した磁石とホールセンサの組み合わせのものに限らず、他の方式のものを採用しても良い。
図7は、回転角度センサ3の一構成例を示す平面図である。回転角度センサ3は、複数の磁気センサ素子5aと、その磁気センサ素子5aの出力を回転信号または角度信号に変換する計算手段である変換回路6とを1つの半導体チップ4上に集積したものである。半導体チップ4上において、磁気センサ素子5aは、仮想の矩形上の4辺における各辺に沿って配置されて、4辺の磁気ラインセンサ5A〜5Dとされる。この場合、前記矩形の中心O’は、固定輪側歯車28の回転中心軸O’に一致する。4辺の磁気ラインセンサ5A〜5Dは、同図の例ではセンサ素子5aが一列に並んだものとしているが、センサ素子5aが複列に並行に並んだものであっても良い。また、磁気ラインセンサ5A〜5Dは、それぞれ、そのライン方向にセンサ素子5aが3個以上配置されることが好ましい。
前記変換回路6は、磁気ラインセンサ5A〜5Dの矩形配置の内部に配置される。半導体チップ4は、その素子形成面が前記磁気発生体(永久磁石)2と対向するように前記支持部材29の第2の鍔部29dに固定される。
図8および図9は、前記変換回路6による角度算出処理の説明図である。図9(A)〜(D)は、固定輪側歯車28が回転している時の磁気ラインセンサ5A〜5Dによる出力波形図を示し、それらの横軸は各磁気ラインセンサ5A〜5Dにおける磁気センサ素子5aを、縦軸は検出磁界の強度をそれぞれ示す。
いま、図8に示す位置X1とX2に磁気ラインセンサ5A〜5Dの検出磁界のN磁極とS磁極の境界であるゼロクロス位置があるとする。このとき、各磁気ラインセンサ5A〜5Dの出力は、図9(A)〜(D)に示す信号波形となる。したがって、ゼロクロス位置X1,X2は、磁気ラインセンサ5A,5Cの出力から直線近似することで算出できる。 角度計算は、次式(1)で行うことができる。
θ’=tan-1(2L/b) ……(1)
ここでθ’は、磁気発生体(永久磁石)2の回転角度θ’を絶対角度(アブソリュート値)で示した値である。2Lは、矩形に並べられる各磁気ラインセンサ5A〜5Dより構成される四角形の1辺の長さである。bは、ゼロクロス位置X1,X2間の横方向長さである。
ゼロクロス位置X1,X2が磁気ラインセンサ5B,5Dにある場合には、それらの出力から得られるゼロクロス位置データにより、上記と同様にして回転角度θ’が算出される。
上記回転検出装置付き軸受の動作を説明する。転がり軸受20の内輪21が回転すると、その回転が回転輪側歯車27から固定輪側歯車28に伝達される。このとき、固定輪側歯車28に取付けられた磁気発生体2の回転角度θ’を回転角度センサ3が検出する。検出される磁気発生体2の回転角度θ’と転がり軸受20の内輪21の回転角度θとの関係は、回転輪側歯車27と固定輪側歯車28の増減速比によって異なる。
磁気発生体2の回転角度をθ’、回転輪側歯車27の歯数をZ1 ,回転輪側歯車28の歯車をZ2 とすると、転がり軸受20の内輪21の回転角度θは、
θ=(Z2 /Z1 )×θ’ ……(2)
となる。前記変換回路6では、(2)式の演算が行なわれ、内輪21の回転角度θが算出される。
また、回転角度センサ3の角度検出分解能をN’とすると、転がり軸受20の内輪21の角度検出分解能Nは、
N=(Z1 /Z2 )×N’ ……(3)
となる。このように、歯車27,28の増減速比を変えることで、異なった検出分解能を得ることができるため、用途に合わせた仕様が可能になる。
また、図7〜図9のように、回転角度センサ3として磁気センサアレイを用いた場合、転がり軸受20の内輪21の回転角度を絶対角度として検出できる。このような回転角度センサ3を用いて、例えば、回転輪側歯車27の歯数Z1 を、固定輪側歯車28の歯数Z2 よりも多くした場合(Z1 >Z2 )、内輪21における絶対角度検出の範囲は360度以下となるが、角度分解能が細かくなるので、微小な角度まで検出することができる。
一方、回転輪側歯車27の歯数Z1 を、固定輪側歯車28の歯数Z2 よりも少なくした場合(Z1 <Z2 )、内輪21における絶対角度検出の範囲は360度以上となり、角度分解能は粗くなるが、多回転時でも絶対角度を検出することができる。
また、回転輪側歯車27の歯数Z1 と、固定輪側歯車28の歯数Z2 を同じとした場合(Z1 =Z2 )、内輪21における絶対角度検出の範囲は360度となる。なお、回転角度センサ3の出力をインクリメンタル方式とした場合、回転輪側歯車27の歯数Z1 を、固定輪側歯車28の歯数Z2 よりも多くした場合(Z1 >Z2 )が最も高分解能となることは明らかである。
この回転検出装置付き軸受では、回転輪側歯車27と固定輪側歯車28とでなる歯車機構31に、これら両歯車27,28間のバックラッシを抑制するバックラッシ抑制手段32を設けているので、さらに高精度に軸受内輪21の回転角度θを検出できる。
また、この実施形態では、前記回転検出装置1とは別に、回転輪側歯車27に取付けられた被検出体12と、前記支持部材29の第2の鍔部29dに取付けられて前記被検出体12を検出する原点検出センサ13とを備えた原点検出装置11が組み込まれているので、原点検出センサ13の出力信号を内輪21の1回転の零相位置を示す原点信号として利用することができる。この原点信号を用いると、前記回転角度センサ3の出力をインクリメンタル方式とした場合でも、イニシャライズ(原点出し)することで、内輪21の回転角度θを高分解能な絶対角度として求めることができる。なお、回転角度検出装置1により求められた回転角度θと、原点検出装置11により検出された原点信号をそれぞれ前記出力ケーブル30で外部に出力して、これら両信号を基に外部の処理回路で内輪21の回転角度θを絶対角度として求めるようにしても良い。
図7〜図9の例では、回転角度センサ3の構成として、半導体チップ4上に複数の磁気センサ素子5aを矩形に並べた磁気ラインセンサ5A〜5Dで磁気発生体2の磁気を感知するようにしたが、回転角度センサ3は、ライン状に配置する代わりに、縦横に、それぞれ3個以上または2個以上の磁気センサ素子5aが平面的にマトリクス状に並ぶものとしても良い。
また、図10のように半導体チップ4上の中心O’(固定輪側歯車28の回転中心軸O’に一致する)の回りに90度の周回角度を隔てて最低限2つの磁気センサ素子5a,5bを配置することで、回転角度センサ3Aを構成しても良い。
なお、同図の例において、磁気センサ素子5a,5bの出力を回転信号または角度信号に変換する計算手段である変換回路6を、磁気センサ素子5a,5bと共に半導体チップ4上に集積することは、図7の場合と同じである。
図10の例のように回転角度センサ3Aを構成した場合、2つの磁気センサ素子5a,5bの出力は、磁気発生体2の回転角度θ’(図10)に合わせて変化し、図11に示すように一方の磁気センサ素子5aの出力aは正弦信号、他方の磁気センサ素子5bの出力bは余弦信号となる。これにより、回転角度θ’は、a/bの逆正接関数(アークタンジェント)、およびaとbの正負によって計算することができる。この計算は変換回路6で行う。図11の出力波形が理想的な正弦波,余弦波に対して歪む場合は、変換回路6内に補正テーブルを設けることにより歪みを補正して、検出される回転角度θ’の精度劣化を防止するようにしても良い。
このように、この回転検出装置付き軸受は、転がり軸受20の回転輪である内輪21に同心に取付けられた回転輪側歯車27と、この回転輪側歯車27に噛み合って、転がり軸受20の固定輪である外輪22に支持部材29を介して回転自在に支持された固定輪側歯車28を有し、回転検出装置1における磁気発生体2を前記固定輪側歯車28の回転中心軸上に取付け、回転検出装置1における回転角度センサ3を前記支持部材29に取付けたために、転がり軸受20の片側端部に回転検出装置1を設けた構成であっても、回転検出装置1を、回転軸と干渉しない内輪21から外径側に退避した位置に配置でき、それだけ適用できる用途、部位が拡がることになる。
また、用いられる回転検出装置1は、回転により対向する平面上の磁界が変化する磁気発生体2と、この磁気発生体2の前記回転中心軸上に対向して設けられて複数の磁気センサ素子5aが平面的に並び前記磁気発生体2の回転角度を検出する回転角度センサ3とを有するものであるため、高精度の回転角度検出が可能である。
とくに、回転輪側歯車27と固定輪側歯車28とでなる歯車機構31に、両歯車27,28間のバックラッシを抑制するバックラッシ抑制手段32を設けているので、さらに高精度の回転角度検出が可能である。これにより、角度検出精度が高く、汎用性の高い回転検出装置付き軸受とすることができる。
また、この実施形態では、前記回転検出装置1とは別に、回転輪側歯車27に取付けられた被検出体12と、前記支持部材29の第2の鍔部29dに取付けられて前記被検出体12を検出する原点検出センサ13とを備えた原点検出装置11が組み込まれているので、回転角度センサ3の出力をインクリメンタル方式とした場合でも、原点検出センサ13の出力信号を内輪21の1回転の零相位置を示す原点信号として用いてイニシャライズ(原点出し)することで、内輪21の回転角度θを高分解能の絶対角度で求めることができる。
また、この実施形態では、回転検出装置1の磁気発生体2を固定輪側歯車28に取付け、回転検出装置1の回転角度センサ3を固定部材である前記支持部材29に取付けているので、回転角度センサ3への電力供給や、回転角度センサ3で検出された回転角度データの外部への送信等のための給電・通信手段を出力ケーブル30等で簡単に構成できる。
原点検出装置11についても、その被検出体12を回転輪側歯車27に取付け、原点検出センサ13を前記回転角度センサ3と共通の前記支持部材29に取付けているので、原点検出センサ13への電力供給や、原点検出センサ13で検出された原点信号の外部への送信等のための給電・通信手段として、前記出力ケーブル30を前記回転角度センサ3と共用することができる。
この発明の一実施形態にかかる回転検出装置付き軸受の断面図である。 同回転検出装置付き軸受における歯車機構のバックラッシ抑制手段の一構成例を示す背面図である。 同バックラッシ抑制手段の作用説明図である。 同回転検出装置付き軸受における歯車機構のバックラッシ抑制手段の他の 考提案例を示す背面図である。 同回転検出装置付き軸受における歯車機構のバックラッシ抑制手段のさらに他の参考提案例を示す断面図である。 同軸受における磁気発生体の固定部を示す拡大断面図である。 同軸受における回転角度センサの一例を構成する半導体チップの平面図である。 同回転角度センサの変換回路による角度算出処理の説明図である。 同回転角度センサにおける磁気センサアレイの出力を示す波形図である。 回転検出装置付き軸受における回転角度センサの他の例を構成する半導体チップの平面図である。 同回転角度センサにおける磁気センサ素子の出力波形図である。 従来例の断面図である。
符号の説明
1…回転角度検出装置
2…磁気発生体
3,3A…回転角度センサ
5a…磁気センサ素子
11…原点検出装置
12…被検出体
13…原点検出センサ
20…転がり軸受
21…内輪(回転輪)
22…外輪(固定輪)
26…回転輪側歯車支持部材
27…回転輪側歯車
28…固定輪側歯車
29…支持部材
31…歯車機構
32…バックラッシ抑制手段

Claims (7)

  1. 回転により対向する平面上の磁界が変化する磁気発生体と、この磁気発生体の前記回転中心軸上に対向して設けられて複数の磁気センサ素子が平面的に並び前記磁気発生体の回転角度を検出する回転角度センサとを有する回転検出装置を備えた軸受であって、
    軸受の回転輪に同心に取付けられた回転輪側歯車、およびこの回転輪側歯車に噛み合って、軸受の固定輪に支持部材を介して回転自在に支持された固定輪側歯車を有し、前記固定輪側歯車および前記支持部材に、前記回転検出装置における前記磁気発生体および前記回転角度センサをそれぞれ取付けると共に、前記回転輪側歯車と前記固定輪側歯車の間でのバックラッシを抑制するバックラッシ抑制手段を設け、このバックラッシ抑制手段は、前記回転輪側歯車を軸方向に並ぶ2つの歯車分割体で構成すると共に、一方の歯車分割体の歯部と他方の歯車分割体の歯部とで、前記固定輪側歯車の歯部を挟み込むばね部材を、前記2つの歯車分割体にわたって設けたことを特徴とする回転検出装置付き軸受。
  2. 請求項1において、前記固定輪側歯車の回転中心軸上に前記磁気発生体および前記回転角度センサを取付けた回転検出装置付き軸受。
  3. 請求項1または請求項2において、前記回転輪側歯車および前記支持部材に、被検出体およびこの被検出体を検出することで回転輪の1回転を検出する原点検出センサをそれぞれ取付けた回転検出装置付き軸受。
  4. 請求項3において、前記回転輪側歯車に前記被検出体として磁石を取付け、前記支持部材に磁気センサを取付けた回転検出装置付き軸受。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記回転輪側歯車の歯数が、前記固定輪側歯車の歯数よりも多い回転検出装置付き軸受。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記回転輪側歯車の歯数が、前記固定輪側歯車の歯数よりも少ない回転検出装置付き軸受。
  7. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記回転輪側歯車の歯数と、前記固定輪側歯車の歯数とが同じである回転検出装置付き軸受。
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