JP5159253B2 - 加飾シートとその製造方法、加飾成形品 - Google Patents

加飾シートとその製造方法、加飾成形品 Download PDF

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Description

本発明は、金属光沢を有するとともに、絶縁性及び遮光性を兼ね備えた加飾シートとその製造方法と加飾成形品に関するものである。
携帯電話などの通信機器、自動車内部の情報機器、家電製品などにおいて、プラスチック成形品の表面に、電波透過性の金属光沢を表現するため、加飾シートを用いて装飾を行う方法がある。
被転写物面を装飾する方法として、インサート法および転写法がある。インサート法とは、基体シート上に金属薄膜層などが形成された加飾シートを用い、加熱加圧して加飾層を被加飾物に密着させ装飾を行う方法である。また、被加飾物が樹脂成形品である場合に、インサート法をより合理的に行う方法として、成形同時インサート法がある。成形同時インサート法とは、加飾シートを成形金型内に挟み込み、金型内に樹脂を射出充満させ、冷却して樹脂成形品を得るのと同時に成形品表面にインサートシートを接着させ装飾を行う方法である。転写法とは、基体シート上に、剥離層、金属薄膜層などからなる転写層を形成した転写シートを用い、加熱加圧して転写層を被転写物に密着させた後、基体シートを剥離して、被転写物面に転写層のみを転移して装飾を行う方法である。また、被転写物が樹脂成形品である場合に、転写法をより合理的に行う方法として、成形同時転写法がある。成形同時転写法とは、転写シートを成形金型内に挟み込み、金型内に樹脂を射出充満させ、冷却して樹脂成形品を得るのと同時に成形品表面に転写シートを接着させた後、基体シートを剥離して、被転写物面に転写層を転移して装飾を行う方法である。
これらの方法に用いる金属光沢と電波透過性を兼ね備えた加飾シートとして、真空蒸着法を用い、基体シートの上に形成する金属薄膜層を島状に形成したことを特徴とするものがある(たとえば、特許文献1参照)。
特開昭62−174189
しかし、上記加飾シートにおいて、島状に形成される金属薄膜層は極めて薄く構成されているので、上記加飾シートは、遮光性を有さずディスプレイ窓部など照光機能が必須とされるものには適用できない上に、高温高湿の環境下では容易に腐食され、金属薄膜層にピンホール不良が発生しやすいという問題があった。また上記の製造方法で作成された加飾シートは、金属薄膜層内において金属薄膜が一定に形成されていないので、その電波透過性は不安定なものであるという問題もあった。
したがって、本発明は、上記のような問題点を解消し、遮光性、耐腐食性及び安定した電波透過性を有する加飾シートとその製造方法、加飾成形品を提供することを目的とする。
本発明の加飾シートとその製造方法、加飾成形品は上記の目的を達成するために、次のように構成した。
すなわち、本発明の加飾シートは、表面の一部または全部に多数かつ微細な凹凸部を備え、凹部の平面形状が島状である基体シートの凹部の上に、金属薄膜層が少なくとも形成されるように構成した。
また、本発明の第2態様の加飾シートは、基体シートの上に形成された塗膜層が、表面の一部または全部に多数かつ微細な凹凸部を備え、凹部の平面形状が島状であり、その塗膜層の凹部の上に金属薄膜層が少なくとも形成されるように構成した。
また、本発明の第3態様として、第1〜2態様の加飾シートは、金属薄膜層の上にレジスト層が形成されるように構成することもできる。
また、本発明の第4態様として、第1〜3態様の加飾シートは、接着層が加飾シートの最外面に形成されるように構成することもできる。
また、本発明の第5態様として、第1〜4態様の加飾シートは、凹部の底部の各間隔が0.01μm〜2μmであり、かつ凸部のアスペクト比が0.01〜5であるように構成することもできる。
また、本発明の第6態様として、第1〜5態様の加飾シートは、凹部の底部の面積が0.001μm〜4μmであるように構成することもできる。
本発明の第7態様として、第1〜6態様の加飾シートは、基体シートが離型性を有するものであるように構成することもできる。
本発明の第8態様として、第1〜6態様の加飾シートは、基体シートが密着性を有するものであるように構成することもできる。
本発明の第9態様として、第1〜8態様の加飾シートは、金属薄膜層がアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、銀、金のいずれかからなるように構成することもできる。
本発明の第10態様として、第1〜9態様の加飾シートは、金属薄膜層がメッキ法により形成されるように構成することもできる。
本発明の第11態様として、第1〜10態様の加飾シートは、金属薄膜層の厚さが0.01μm〜1μmであるように構成することもできる。
本発明の第12態様の加飾シートの製造方法は、基体シートの表面にナノインプリント法を用いてその一部または全部に多数の微細な凹部と凸部を形成し、次いで凸部の上にアルコール性脱離層を形成し、次いで凹部および凸部の上に金属薄膜層を形成し、次いで凸部の上に形成されたアルコール性脱離層と金属薄膜層をアルコール処理で脱離除去することにより金属薄膜層を微細な島状とするように構成した。
本発明の第13態様の加飾シートの製造方法は、基体シートの上に形成された塗膜層の表面にナノインプリント法を用いてその一部または全部に多数の微細な凹部と凸部を形成し、次いで凸部の上にアルコール性脱離層を形成し、次いで凹部および凸部の上に金属薄膜層を形成し、次いで凸部の上に形成されたアルコール性脱離層と金属薄膜層をアルコール処理で剥離除去することにより金属薄膜層を微細な島状に形成するように構成した。
本発明の第14態様の加飾シートの製造方法は、基体シートの表面にナノインプリント法を用いてその一部または全部に多数の微細な凹部と凸部を形成し、次いで凹部および凸部の上に金属薄膜層を形成し、次いで凹部の上に形成された金属薄膜層の上にレジスト層を形成し、次いで凸部の上に形成された金属薄膜層をウエットエッチング法で除去することにより金属薄膜層を微細な島状に形成するように構成した。
本発明の第15態様の加飾シートの製造方法は、基体シートの上に形成された塗膜層の表面にナノインプリント法を用いてその一部または全部に多数の微細な凹部と凸部を形成し、次いで凹部および凸部の上に金属薄膜層を形成し、次いで凹部の上に形成された金属薄膜層の上にレジスト層を形成し、次いで凸部の上に形成された金属薄膜層をウエットエッチング法で除去することにより金属薄膜層を微細な島状に形成するように構成した。
本発明の第16態様の加飾シートの製造方法は、基体シートの表面にナノインプリント法を用いてその一部または全部に多数の微細な凹部と凸部を形成し、次いで微細な凹部と凸部の上に全面的にメッキ触媒層を形成し、次いで凸部に形成したメッキ触媒層を除去し、次いでメッキ触媒層の上に金属薄膜層を形成することにより金属薄膜層を微細な島状にするように構成した。
本発明の第17態様の加飾シートの製造方法は、基体シートの上に形成された塗膜層の表面にナノインプリント法を用いてその一部または全部に多数の微細な凹部と凸部を形成し、次いで微細な凹部と凸部の上に全面的にメッキ触媒層を形成し、次いで凸部に形成したメッキ触媒層を除去し、次いでメッキ触媒層の上に金属薄膜層を形成することにより金属薄膜層を微細な島状にするように構成した。
本発明の第18態様として、第12〜17態様の加飾シートの製造方法は、接着層が加飾シートの最外面に形成されるように構成することもできる。
本発明の第19態様として、第12〜18態様の加飾シートの製造方法は、凹部の底部の各間隔が0.01μm〜2μmであり、かつ凸部のアスペクト比が0.01〜5であるように構成することもできる。
本発明の第20態様として、第12〜19態様の加飾シートの製造方法は、凹部の底部の面積が0.001μm〜4μmであるように構成することもできる。
本発明の第21態様として、第12〜20態様の加飾シートの製造方法は、基体シートが離型性を有するものであるように構成することもできる。
本発明の第22態様として、第12〜20態様の加飾シートの製造方法は、基体シートが密着性を有するものであるように構成することもできる。
本発明の第23態様として、第12〜22態様の加飾シートの製造方法は、金属薄膜層がアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、銀、金のいずれかからなるように構成することもできる。
本発明の第24態様として、第12〜23態様の加飾シートの製造方法は、金属薄膜層がメッキ法により形成されるように構成することもできる。
本発明の第25態様として、第12〜24態様の加飾シートの製造方法は、金属薄膜層の厚さが0.01μm〜1μmであるように構成することもできる。
本発明の第26態様として、第12〜25態様の加飾シートの製造方法は、ウエットエッチング法がディップ式であるように構成することもできる。
本発明の第27態様の加飾成形品は、第1〜11態様のいずれかの加飾シートを金型内に配置し、樹脂を射出することによって成形されるように構成した。
本発明の第28態様の加飾成形品は、第1〜11態様のいずれかの加飾シートを金型内に配置し、樹脂を射出し、基体シートを剥離することによって成形されるように構成した。
本発明の第29態様の加飾成形品は、第1〜11態様のいずれかの加飾シートを表面に一体に接合するように構成することもできる。
本発明の加飾シートは、表面の一部または全部に多数かつ微細な凹凸部を備え、凹部の平面形状が島状である基体シートの凹部の上に、金属薄膜層が少なくとも形成されるように構成したので、遮光性及び耐腐食性を有するものである。また本発明の加飾シートの製造方法において、金属薄膜層は一定に島状に形成したので、本発明の加飾シートは安定した電波透過性を有するものでもある。
図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳しく説明する。
図1は本発明の加飾シート110の斜視図である。図中、1は基体シート、2は金属薄膜層、3は微細な凹凸部、4は微細な凹部4、5は微細な凹部である。なお各図において同じ構成部分については同じ符号を付している。
本発明の加飾シート110は、表面の一部または全部に多数かつ微細な凹凸部3を備え、凹部の平面形状が島状である基体シートの凹部の上に、金属薄膜層2が少なくとも形成されるように構成されている(図1参照)。
本発明の加飾シート110に用いる基体シート1は、離型性を有してもよいし、密着性を有してもよい。以下に、まず基体シート1が離型性を有する場合の加飾シート110の態様、すなわち、基体シート1が離型性を有しかつ加飾シートの構成要素に塗膜層15を含まない場合(以下ケース1という)と、基体シート1が離型性を有しかつ加飾シート110の構成要素に塗膜層15を含む場合(以下ケース2という)について説明する。次に、基体シート1が密着性を有する場合の加飾シート110の態様、すなわち、基体シート1が密着性を有し、かつ加飾シートの構成要素に塗膜層15を含まない場合(以下ケース3という)と、基体シート1が密着性を有し、かつ加飾シートの構成要素に塗膜層15を含む場合(以下ケース4という)について説明する。
まず、ケース1の加飾シート110について説明する。離型性を有する基体シート1とは、転写後に金属薄膜層2から離型するシートのことである。離型性を有する基体シート1の厚みは0.02〜5mmの範囲にするのが好ましい。厚みが0.02mm未満であるとしわが入り加工しづらくなり、5mmを超えるであると剛性がありすぎて、後加工しにくいからである。また基体シート1の材質としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などの樹脂シートなどの樹脂シート、アルミニウム箔、銅箔などの金属箔、グラシン紙、コート紙、セロハンなどのセルロース系シート、あるいは以上の各シートの複合体など、通常の転写材の基体シートとして離型性を有するものを使用することができる。
基体シート1に微細な凹凸部3を形成する方法としては、機械による切削加工、レーザーまたは電子線照射による加工、ナノインプリントなどの方法が挙げられる。その中でも10nm〜70nmの範囲の非常に微細な加工を安価かつ容易にできるという点でナノインプリント法が好ましい。ナノインプリント法とは、微細な凹凸を設けたスタンパー100を基体シート1に押し付け、基体シート1に微細な凹凸部3を形成する方法である。ナノインプリント法の代表的な方式としては、熱ナノインプリント法があげられる。以下に、熱ナノインプリント法を用いて、基体シート1に微細な凹凸部3を形成する方法について説明する。
熱ナノインプリント法を用い、基体シート1に微細な凹凸部3を形成する方法としては、まず電子線などで描いた母型の金型からニッケル電鋳からなるスタンパー100を作製し(図2(a)参照)、次にそれを基体シート1に載置し、高温高圧下で押し付け(図2(b)参照)、冷却後スタンパー100を基体シート1から外して基体シート1に微細な凹凸部3を形成する。また押し付ける際の温度は基体シート1の軟化点以上でかつ熱分解温度未満に設定し、圧力は一般的に数MPa〜数十MPaに設定する。この条件下で、数秒から数分間スタンパー100を基体シート1に押圧した後、急速冷却または自然冷却して、基体シート1の表面が軟化点以下になるまで放置する(図2(c)参照)。なお、ロールによる熱ナノインプリント法では、高温高圧下での押し付け時間、冷却時間が少なくて済み、生産性が向上する。
ここで、上記ナノインプリント法で、基体シート1の一部または全部に形成された多数かつ微細な凹凸部3の形状等について、以下に説明する。
まず、微細な凹凸部3について説明する。微細な凹凸部3は微細な凹部4と微細な凸部5からなる。そして微細な凸部5は、微細な凹凸形状が形成された基体シート1の頂上部分からなり、微細な凹部4は微細な凹凸形状が形成された基体シートの頂上部分より下の部分(側部と底部)からなっている(図3参照)。微細な凹凸部3の断面形状としては、例えばU字型、V字型、コの字型等が挙げられる(図4(a)〜(c)参照)。また微細な凸部5の平面形状として、格子形状やハニカム形状等が挙げられ、微細な凹部4の平面形状として、多角形や円形等の幾何学形状等が挙げられるが、微細な凹部4または凸部5の形状について、上記に示したものに限定はされない。次に、基体シート1における微細な凹部4の底部の間隔(以下、基準島間距離Lという)は、0.01μm〜2μmの範囲で形成するのが好ましい(図3参照)。これは基準島間距離Lが2μmを超えると、後述の金属薄膜層2を基体シート1の微細な凹部4の上に形成しても、基準島間距離Lから光が漏れて加飾シート110の遮光性が失われるようになり、その一方で島間距離Lが0.01μm未満になると、基準島間距離Lがあまりにも短いために、金属薄膜層2を基体シート1の微細な凹部4の上に形成した時に、島状の金属薄膜層部の間が接近しすぎ、その結果、島状の金属薄膜層部の間でトンネル電流が生じ、金属薄膜層2が電波透過性を有さなくなり、加飾シート110も電波透過性を有さなくなるからである。
また、微細な凹部4の底部の面積(以下基準島状面積Sという)は0.001μm〜4μmからなることが好ましい(図3参照)。島状面積Sを0.001μm未満のサイズにすると、後述の基体シート1の微細な凹部4の上に形成した金属薄膜層2の金属光沢性が低下し、ホログラム調の意匠を呈しようになり、加飾シート110が金属光沢性としての意匠性を生じにくくなる一方で、島状面積Sが4μmを超えると、後述の基体シート1の微細な凹部4の上に形成される金属薄膜層2がそのサイズの導電パターンを形成することとなり、加飾シート110が絶縁性や電波透過性を示さなくなるようになるからである。
最後に基体シート1に形成される微細な凸部5のアスペクト比H (基体シート1の微細な凹部4の深さ)/L(基体シート1の微細な凸部5の幅)は、0.01〜5の範囲にあるのが好ましい(図3参照)。微細な凸部5のアスペクト比が0.01未満であれば、基体シート1の微細な凹部4の上に金属薄膜層2を設けることが困難となり、逆に、微細な凸部5のアスペクト比が5を超えると、スタンパー100と基体シート1との剥離性が悪くなり、生産性が低下するからである。
金属薄膜層2は、金属光沢を表現するためのものであり、主として島状パターンに形成された基体シート1の微細な凹部4の上に形成する。また金属薄膜層2を基体シート1の微細な凹部4の上に形成態様としては、(1)微細な凹部4の周辺のみに形成されているもの(図5(a)参照)、(2)微細な凹部4の全てに形成されているもの(図5(b)参照)、(3)金属薄膜層2を後述の無電解メッキ法で形成する際、図5(a)から図5(b)の中間段階にあるもの(図示せず)、(4)微細な凹部4の底部のみに金属薄膜層2が形成されているもの(図5(c)参照)が挙げられる。
金属薄膜層2の形成方法は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法などが挙げられるが、より好ましくはメッキ法を用いるとよい。メッキ法を用いた場合、基体シート1が、メッキ溶液に接触している限り、ほぼ均一に金属薄膜層が形成されるため、上記のように微細で金属薄膜層が形成されにくいような箇所(すなわち微細な凹部4)であっても容易に形成できるからである。また表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウム、スズ、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、インジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合金または化合物を使用するとよい。これらの金属は通常導電性が高く、絶縁性・電波透過性を呈することはないが、本発明によって基体シート1の微細な凹部4の底部に0.001μm〜4μmといった微細なサイズの島状パターンで形成されることにより、絶縁性または電波透過性を呈するようになる。また金属薄膜層2の厚みは0.01〜1μmの範囲で形成することが好ましい。厚さが0.01μm未満であると金属薄膜層2の金属光沢が低下し、反対に1μmを超えると前記微細な凸部5のアスペクト比が小さい場合に、金属薄膜層2が微細な凹部4を埋めてしまい金属薄膜層2が島状パターンでなくなってしまう可能性があるからである。基体シート1の微細な凹部4の上に形成される金属薄膜層2が上記の条件を満たす範囲において、金属薄膜層2が導電性の高い材質で形成されていても、加飾シート110は絶縁性または電波透過性を呈するようになる。
また、この得られた金属薄膜層における島状部位は金属薄膜層2の一部のみに形成することもでき、外見上の意匠は全面に金属薄膜層2が形成された場合と殆ど変わらないため、全面に単一の金属薄膜層2が形成されているように見えていながら、電気性能的には導電性と絶縁性といった相反する機能をもった金属薄膜層2をパターンで形成することもできる(図6参照)。
なお、金属薄膜層2は基体シート1の微細な凹部4の上だけでなく、僅かであれば微細な凸部5に形成されていても構わない(図示せず)。ただし、絶縁性能等をより確実にするためには微細な凸部5に形成された金属薄膜層2(以下、不要金属薄膜層部6という)をできるかぎり除去または、その形成を抑制する以下に示す方法で金属薄膜層2を形成することが好ましい。
不要金属薄膜層部6を除去する第一の方法として、基体シート1の全面または一部に金属薄膜層2を形成し(図7(a)参照)、その上にレジスト層を形成し、次に基体シート1上の微細な凸部5上に形成されたレジスト層7をスキージ101でかきとることで(図7(b)参照)、微細な凹部4上の金属薄膜層2のみにレジスト層7を形成し(図7(c)参照)、最後にウエットエッチング法を行うことにより不要金属薄膜層部6を取り除く方法がある(図7(d)参照)。
レジスト層7は後述のウエットエッチング法による金属薄膜除去工程において、基体シート1の微細な凹部4に形成された金属薄膜層2を保護する層である。レジスト層7の材質としてはビニル系樹脂、アミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適宜体質顔料などの添加剤や顔料または染料などの着色剤を含有するインキを用いるとよい。レジスト層7の膜厚としては、0.05〜5μmの厚さに形成するが好ましい。これはレジスト層7の厚さが0.05μm未満になると耐薬品性が不足して、不要金属薄膜層部6以外の部分もエッチングされやすくなり、また逆にレジスト層7の厚さが5μmを超えると微細な凹部4をかなり深く形成する必要があり、その結果、アスペクト比がかなり高いナノインプリント加工となって、スタンパー100とレジスト層7との離型性が悪くなり生産性が低下するからである。レジスト層7の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法など通常の印刷法やワイピング、ディッピングなどの方法で形成するとよい。
ここでウエットエッチング法には金属エッチング液を満たした容器内に金属薄膜層2及びレジスト層7が形成された基体シート1を浸漬させて、露出した金属薄膜層2を侵食するディップ式、金属エッチング液を霧状にしてふき出させて前記基体シート1に散布するスプレー式及び前記基体シート1をスピナーとよばれる回転台に取り付け金属エッチング液を滴下するスピン式があるが、いずれの方法を用いて不要金属薄膜層部6を除去してもよい。これらの方式のうちディップ式が最も簡便に行えるのでより好ましい。金属エッチング液としては、弱酸性または弱アルカリ性の水溶液を用い、金属薄膜層2の材質や厚みによって、金属エッチング液の濃度、浸漬温度、浸漬時間を適宜選択するとよい。
不要金属薄膜層部6を除去する第二の方法としては、前記ナノインプリント法を用いて基体シート1に微細な凹凸部3を形成し(図8(a)参照)、次に微細な凸部5の上にアルコール性脱離層8を形成し(図8(b)参照)、次に金属薄膜層2を基体シート1の全面に形成した後(図8(c)参照)、微細な凸部5に形成された金属薄膜層2を、アルコール処理によってアルコール性脱離層8とともに脱離除去する方法がある(図8(d)参照)。ここで、アルコール性脱離層8は後述のアルコール処理によって、アルコール性脱離層8の上に形成された金属薄膜層2とともに基体シート1から脱離する層である。この層の存在によって、金属薄膜層2を形成した後、アルコール処理を経ることでアルコール性脱離層8が形成されなかった領域のみに金属光沢を有する金属薄膜層2を形成できるようになる。アルコール処理は、脱離層形成されたシートをアルコールで満たされた槽中に浸漬させて、脱離層上に形成された金属薄膜層とともにアルコール性脱離層8を完全に除去する方法である。ここで使用するアルコールとしてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。アルコール性脱離層8としては、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、デンプン、アルギド、エポキシ、ポリウレタンなどに代表される水溶性樹脂をバインダーとするインキ用い、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法により形成するとよい。
不要金属薄膜層部6の形成を抑える方法としては、前記ナノインプリント法を用いて基体シート1に微細な凹凸部3を形成し(図9(a)参照)、次に微細な凹凸部3が形成された基体シート1を無電解メッキ触媒が付与された水溶液に浸漬し、次に基体シート水溶液から引き上げ、基体シートの表面上の微細な凹凸部3にメッキ触媒層9を形成し、そして基体シート上の微細な凸部5に形成されたメッキ触媒をスキージ101でもってかきとり、乾燥した後、最後に上記加飾シートを所望の金属イオンのメッキ液に浸漬する方法がある。
なお、本発明によって得られる加飾シート110において、基体シート1の一部または全部の表面に微細な凹凸部3を形成し、そして微細な凹部4の上にのみ金属薄膜層2を形成する場合と、基体シート1の一部または全部の表面に微細な凹凸部3を形成し、そして微細な凹部4の上にのみ金属薄膜層2を形成し、その上にレジスト層7を形成する場合があるが、これらの層以外に、加飾シート110の最外面に接着層10などを形成してもよい(図10(a)〜(c)参照)。
接着層10は、被加飾面に上記の各層を接着するものである。また接着層10は、接着させたい部分に形成する。すなわち、接着させたい部分が全面的なら、接着層10を全面的に形成する。接着させたい部分が部分的なら、接着層10を部分的に形成する。接着層10としては、被加飾の素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえば、被加飾の材質がアクリル系樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。また、被加飾の材質がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。さらに、被加飾の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。接着層10の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
また、本発明によって得られる加飾シート110において、特に基体シート1の一部のみに微細な凹凸部3を形成し、そして微細な凹部4の上に金属薄膜層2を形成する場合、または基体シート1の一部のみに微細な凹凸部3を形成し、そして微細な凹部4の上に金属薄膜層2を形成し、その上にレジスト層7を形成する場合があるが、これらの場合において基体シート1の微細な凹凸部3をしない領域について、金属薄膜層2と基体シート1の間に、図柄層11やアンカー層12を形成してもよい。ここで金属薄膜層2、図柄層11の材質、形成方法は前述と同様である(図11(a)、図11(b)参照)。
図柄層11は金属薄膜層2の金属光沢の模様以外に、種々のパターンや文字などの装飾を行うための層である。図柄層11の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。印刷層の形成方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。特に、多色刷りや階調表現を行うには、オフセット印刷法やグラビア印刷法が適している。また、単色の場合には、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法を採用することもできる。図柄層11は、表現したい図柄に応じて任意のパターンに設けるとよい。
アンカー層12は図柄層11と剥離層14の密着性を向上させる層であるが、図柄層11と塗膜層15、金属薄膜層2と接着層10の密着性を向上させる層でもあり、これらの間に形成してもよい(図示せず)。アンカー層12の材質としては、二液性硬化ウレタン樹脂、熱硬化ウレタン樹脂、メラミン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、塩素含有ゴム系樹脂、塩素含有ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系共重合体樹脂などを使用するとよい。アンカー層12の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
上記の様に構成した結果、従来は金属光沢を呈する意匠としての役割しか果たさなかった金属薄膜層2が、意匠としての金属光沢性に加え、電波透過性、耐腐食性、遮光性の機能を有するようになる。また以上に加え、金属薄膜層2は導電回路としての役割を果たすこともでき、外部のプリント基板と接続すれば、タッチスイッチやアンテナなどの用途に用いることができる。
第二に、ケース2の加飾シート110について説明する(図12(a)参照)。離型性を有する基体シート1は、転写後に金属薄膜層2から離型するシートである。また使用する基体シート1の厚さ、材質については、ケース1の加飾シート110に使用する基体シート1と同様である。
次に必要に応じて、離型層13を基体シート1の上に形成してもよい(図12(a)参照)。離型層13は、転写後に基体シート1を剥離した際に、基体シート1とともに金属薄膜層2から離型する(図12(b)参照)。離型層13の材質としては、メラミン樹脂系離型剤、シリコーン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロース誘導体系離型剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤およびこれらの複合型離型剤などを用いることができる。離型層13の形成方法としては、ロールコート法、スプレーコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
次に必要に応じて、離型層13の上に剥離層14を全面的に形成してもよい(図12(a)参照)。剥離層14は、転写後または成形同時転写後に基体シート1を剥離した際に、基体シート1または離型層13から剥離して被転写物の最外面となる層である(図12(b)参照)。剥離層14の材質としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ゴム系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂などのほか、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂などのコポリマーを用いるとよい。剥離層14に硬度が必要な場合には、紫外線硬化性樹脂などの光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などの放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などを選定して用いるとよい。剥離層14は、着色したものでも、未着色のものでもよい。剥離層14の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
また、必要に応じて、アンカー層12を剥離層14の上に設けてもよい(図12(a)参照)。アンカー層12は図柄層11と剥離層14の密着性を向上させる層であるが、図柄層11と塗膜層15、金属薄膜層2と接着層10の密着性を向上させる層でもあり、これらの間に形成してもよい(図示せず)。アンカー層12の材質、形成方法は、前述と同様である。
塗膜層15は機械による切削加工、レーザーまたは電子線照射による加工、ナノインプリント法などの方法によって、その表面に微細な凹凸部3を形成し、形成した微細な凹部4の上に金属薄膜層2を形成する層である(図12(a)参照)。微細な凹凸部3の形成方法としては、10nm〜70nmの範囲の非常に微細な加工を安価かつ容易にできるという点でナノインプリント法が好ましい。
ここで、特に塗膜層15の表面に微細な凹凸部3を形成する際の塗膜層15の材質について、各種ナノインプリント法を用いて行う場合について説明する。ナノインプリント法により塗膜層15に微細な凹凸部3を形成する工程において、熱ナノインプリント法を用いる場合、塗膜層15の材質としてはポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、ビニル系樹脂、アミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、メラミン系樹脂、セルロース系樹脂、アルキド系樹脂などの樹脂が挙げられ、必要に応じて各種添加剤や適切な色の顔料または染料からなる着色剤を含有させたものを用いるとよい。
光ナノインプリント法を用いる場合、塗膜層15の材質としては、シアノアクリレート系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂等の光硬化性樹脂を用いて形成するとよい。
室温ナノプリント法を用いる場合、塗膜層15の材質としては、東レ・ダウコーニング株式会社製FOX(登録商標)−12 FLOWABLE OXIDE、FOX(登録商標)−14 FLOWABLE OXIDE、FOX(登録商標)−15 FLOWABLE OXIDE、FOX(登録商標)−16 FLOWABLE OXIDE及びこれら混合物等のゾルゲル系材料を用い形成するとよい。塗膜層15の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印刷法のほか、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、リップコート法などのコート法を採用することもできる。
塗膜層15の厚みは、0.2〜100μmの範囲で少なくとも微細な凹部4の深さ以下になるようにするのが好ましい。厚みが0.2mm未満であると、塗膜層15の材質の凝集によって、基体シート表面の一部に濡れない部分ができるため、ピンホールが発生しやすくなる一方、厚みが100mmを越えると、塗膜層15を形成するのに時間がかかり生産性が低下するからである。
金属薄膜層2は、金属光沢を表現するためのものであり、主として島状パターンに形成された塗膜層15の凹部の上に形成する(図11(a)参照)。また金属薄膜層2を塗膜層15の微細な凹部4の上に形成態様としては、(1)微細な凹部4の周辺のみに形成されているもの、(2)微細な凹部4の全てに形成されているもの、(3)金属薄膜層2を後述の無電解メッキ法で形成する際、(1)から(2)の成長段階において、微細な凹部4に金属薄膜層2が形成されているもの、(4)微細な凹部4の底部のみに金属薄膜層2が形成されているものが挙げられる。金属薄膜層2の形成方法、膜厚、材質についてはケース1記載の加飾シート110の場合と同様である。
なお、金属薄膜層2は塗膜層15の微細な凹部4の上だけでなく、僅かであれば塗膜層15の微細な凸部5の上に形成されていても構わない(図示せず)。ただし、絶縁性能等をより確実にするためには不要金属薄膜層部6をできるかぎり除去またはその形成を抑制できる以下に示す方法で金属薄膜層2を形成することが好ましい。
不要金属薄膜層部6を除去する第一の方法として、塗膜層15の一部または全部の上に金属薄膜層2を形成し、その上にレジスト層7を形成し、次に塗膜層15上の微細な凸部5上に形成したレジスト層7をスキージ101でかきとることで、微細な凹部4の上の金属薄膜層2の上のみにレジスト層7を形成し、最後にウエットエッチング法を行うことにより不要金属薄膜層部6を取り除く方法がある(図示せず)。
不要金属薄膜層部6を除去する第二の方法としては、前記ナノインプリント法を用いて塗膜層15に微細な凹凸部3を形成し、次に微細な凸部5の上にアルコール性脱離層8を形成し、次に金属薄膜層2を塗膜層15の全面に形成した後、微細な凸部5に形成された金属薄膜層2を、アルコール処理によってアルコール性脱離層8とともに脱離除去する方法がある(図示せず)。ここで、アルコール性脱離層8は前述のアルコール処理によって、アルコール性脱離層8の上に形成した金属薄膜層2とともに塗膜層15から除去される層である。この層の存在によって、金属薄膜層2を形成した後、アルコール処理を経ることでアルコール性脱離層8が形成されなかった領域のみに金属光沢を有する金属薄膜層2を形成できるようになる。アルコール性脱離層8としては、ポリビニルアルコール、デンプン、アルギド、エポキシ、ポリウレタンなどに代表される水溶性樹脂をバインダーとするインキ用い、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法により形成するとよい。
不要金属薄膜層部6の形成を抑える他の方法としては、前記ナノインプリント法を用いて塗膜層15に微細な凹凸部3を形成し(図示せず)、次に微細な凹凸部3が形成された基体シート1を無電解メッキ触媒が付与された水溶液に浸漬し、次に基体シート水溶液から引き上げ、基体シート1の表面上の微細な凹凸部3にメッキ触媒層9を形成し、最後に基体シート上の微細な凸部5に形成されたメッキ触媒をスキージ101でもってかきとり、乾燥した後、上記加飾シートを所望の金属イオンの無電解メッキ液に浸漬すことで金属薄膜層不要部を形成させない方法がある。
レジスト層7は前述のウエットエッチング法による金属薄膜除去工程において、金属薄膜層2を保護し、レジスト層7が形成された金属薄膜層2の部分のみを残存させることができる層である。レジスト層7の形成方法、膜厚、材質については前述と同様であるが、レジスト層7はあってもよいし、なくてもよい(図11(a)参照)。
これらの層以外に、加飾シート110の最外面に接着層10などが形成されていてもよい(図11(a)参照)。接着層10は、被加飾面に上記の各層を接着するものである。接着層10の形成方法、材質については前述と同様である。
また、本発明によって得られる加飾シート110において、基体シート1の上に形成された塗膜層15の一部のみに微細な凹凸部3が設けられ、微細な凹部4の上に金属薄膜層2が形成され、その上にレジスト層7が形成されている場合がある。この場合について、微細な凹凸部3が形成されていない塗膜層領域について、基体シート1と塗膜層15の間に、図柄層11やアンカー層12を形成してもよい(図13(a)、図13(b)参照)。
アンカー層12は図柄層11と剥離層14の密着性を向上させる層であるが、図柄層11と塗膜層15、金属薄膜層2と接着層10の密着性を向上させる層でもあり、これらの間に形成してもよい(図示せず)。アンカー層12の材質、アンカー層12形成方法については前述と同様である。
図柄層11は金属薄膜層2の金属光沢の模様以外に、種々のパターンや文字などの装飾を行うための層である。図柄層11の形成方法、材質については前述と同様である。
第三にケース3の加飾シートについて説明する。
基体シート1としてはポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂シート、またはポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂等の熱硬化性シートやセロハンなどのセルロース系シート、あるいは以上の各シートの複合体など、通常の加飾シート110の基体シート1として密着性を有するものを使用することができるが以上に限定されない。また基体シート1は、ラミネート後または金型内に基体シート1を配置し成形同時加飾後に被加飾物の最外面となる層である。基体シート1に微細な凹凸部3を形成する方法、条件については、前述のケース1の加飾シート110の場合と同様である。またその他の構成についても、ケース3の加飾シート110が離型層13、剥離層14を構成要素の一部としない点を除いて、前述のケース1の加飾シート110場合と同様である。
次に、ケース4の加飾シートについて説明する。
基体シート1の材質は、前述のケース3の基体シート1の材質に加えて、ガラス等の硬質透明部材も使用できる。また、基体シート1のその他の態様についてはケース3の場合と同様である。
またその他のケース4の加飾シート110の構成については、ケース4の加飾シート110が離型層13、剥離層14を構成要素の一部としない点を除いて、前述のケース2の加飾シート110の場合と同様である。
以上のようにして構成される加飾シート110は、次のような製造方法により作成できる。
基体シート1の表面にナノインプリント法を用いてその一部または全部に多数の微細な凹部4と凸部5を形成し、次いで微細な凸部5の上にアルコール性脱離層8を形成し次いで微細な凹部4および凸部5の上に金属薄膜層2を形成し、次いで微細な凸部5の上に形成されたアルコール性脱離層8と金属薄膜層2をアルコール処理で脱離除去する方法により作成することができる。
基体シート1の上に形成された塗膜層15の表面にナノインプリント法を用いてその一部または全部に多数の微細な凹部4と凸部5を形成し、次いで微細な凸部5の上にアルコール性脱離層8を形成し、次いで微細な凹部4および凸部5の上に金属薄膜層2を形成し、次いで微細な凸部5の上に形成されたアルコール性脱離層8と金属薄膜層2をアルコール処理で剥離除去する方法により作成することができる。
基体シート1の表面にナノインプリント法を用いてその一部または全部に多数の微細な凹部4と凸部5を形成し、次いで微細な凹部4および凸部5の上に金属薄膜層2を形成し、次いで微細な凹部4の上に形成された金属薄膜層2の上にレジスト層7を形成し、次いで微細凸部5の上に形成された金属薄膜層2をウエットエッチング法で除去する方法により作成することができる。
基体シート1の上に形成された塗膜層15の表面にナノインプリント法を用いてその一部または全部に多数の微細な凹部4と凸部5を形成し、次いで微細な凹部4および凸部5の上に金属薄膜層2を形成し、次いで微細な凹部4の上に形成された金属薄膜層2の上にレジスト層7を形成し、次いで微細な凸部5の上に形成された金属薄膜層2をウエットエッチング法で除去することにより金属薄膜層を微細な島状に形成する方法により作成することができる。
基体シート1の表面にナノインプリント法を用いてその一部または全部に多数の微細な凹部4と凸部5を形成し、次いで微細な凹部4と凸部5の上に全面的にメッキ触媒層を形成し、次いで凸部5に形成したメッキ触媒層を除去し、次いでメッキ触媒層の上に金属薄膜層を形成することにより作成することもできる。
基体シート1の上に形成された塗膜層15の表面にナノインプリント法を用いてその一部または全部に多数の微細な凹部4と凸部5を形成し、次いで微細な凹部4と凸部5の上に全面的にメッキ触媒層を形成し、次いで凸部5に形成したメッキ触媒層を除去し、次いでメッキ触媒層の上に金属薄膜層を形成することにより作成することもできる。
本発明の金属薄膜シートの製造方法は上記のように構成したので、金属薄膜層2を構成する金属の種類は自由に選択できる。そのため金属薄膜層2を耐腐食のある金属や、表現したい金属光沢色に応じた金属で構成することができる。また金属薄膜層2をメッキ法で形成すると、ほぼ均一に金属薄膜層2が形成でき、かつ金属薄膜層2を所望の形状、大きさの島状パターンで形成できるので、安定した絶縁性能・電波透過性能を得ることもできる。
以上のような加飾シート110は、次のように用いることにより、成形樹脂19に対して装飾を行うことができる。
まず、前述のケース1またはケース2の加飾シート110を用い、射出成形による成形同時転写法を利用して被転写物である樹脂成形品の面に装飾を行う方法について説明する(図14(a)〜(f)参照)。まず、可動型18と固定型17とからなる成形用金型内に加飾シート110を送り込む(図14(a)参照)。その際、枚葉の加飾材を1枚づつ送り込んでもよいし、長尺の加飾シート110の必要部分を間欠的に送り込んでもよい。長尺の加飾シート110を使用する場合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、加飾シート110のパターンと成形用金型との見当が一致するようにするとよい。また、加飾シート110を間欠的に送り込む際に、加飾シート110の位置をセンサーで検出した後に加飾シート110を可動型と固定型とで固定するようにすれば、常に同じ位置で加飾シート110を固定することができ、パターンの位置ずれが生じないので便利である。成形用金型を閉じた後、ゲートから溶融樹脂を金型内に射出充満させ、被転写物を形成するのと同時にその面に加飾シート110を接着させる(図14(b)参照)。被転写物である樹脂成形品を冷却した後、成形用金型を開いて加飾成形品を取り出す(図14(c)、(d)参照)。最後に、基体シート1を剥がすことにより(図14(e)参照)、転写が完了する(図14(f)参照)。
次に、前述のケース3またはケース4の加飾シート110を用い、射出成形による成形同時インサート法を利用して被加飾である樹脂成形品の面に装飾を行う方法について説明する(図15(a)〜(d)参照)。次に、可動型18と固定型17とからなる成形用金型内に加飾シート110を送り込む(図15(a)参照)。その際、枚葉の加飾シート110を1枚づつ送り込んでもよいし、長尺の加飾シート110の必要部分を間欠的に送り込んでもよい。長尺の加飾シート110を使用する場合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、加飾シート110のパターンと成形用金型との見当が一致するようにするとよい。また、加飾シート110を間欠的に送り込む際に、加飾シート110の位置をセンサーで検出した後に加飾シート110を可動型と固定型とで固定するようにすれば、常に同じ位置で加飾シート110を固定することができ、パターンの位置ずれが生じないので便利である。成形用金型を閉じた後、ゲートから溶融樹脂を金型内に射出充満させ、被加飾を形成するのと同時にその面に加飾シート110を接着させる(図15(b)参照)。被加飾物である樹脂成形品を冷却した後、成形用金型を開いて加飾成形品を取り出す(図15(c)、(d)参照)。
最後に前記した層構成の加飾シート110を用い、転写法を利用して被転写物面に装飾を行う方法について説明する。まず、被転写物面に、加飾シート110の接着層10側を密着させる。次に、シリコンラバーなどの耐熱ゴム状弾性体を備えたロール転写機、アップダウン転写機などの転写機を用い、温度80〜260℃程度、圧力490〜1960Pa程度の条件に設定した耐熱ゴム状弾性体を介して加飾シート110の基体シート1側から熱と圧力とを加える。こうすることにより、接着層10が被転写物表面に接着する。最後に、冷却後に基体シート1を剥がすと、基体シート1と剥離層14との境界面で剥離が起こり、転写が完了する。
被転写物としては、樹脂成形品など各種材質からなるものを用いることができる。被転写物は、透明、半透明、不透明のいずれでもよい。また、被転写物は、着色されていても、着色されていなくてもよい。樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を挙げることができる。また、ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂やポスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂を使用することもできる。さらに、ガラス繊維や無機フィラーなどの補強材を添加した複合樹脂も使用できる。
以下の実施例および比較例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)基体シートとして厚さ38μmのポリエステル樹脂フィルムを用い、基体シート上に、メラミン樹脂系の離型層、アクリル樹脂系の剥離層、厚さ2μmのウレタン樹脂系の装飾層をグラビア印刷により順次形成した後、幅が100nm、ピッチが1μmの正方形の格子パターンの溝が深さ200nmで形成されたニッケル電鋳からなるナノインプリント金型を載せ、装飾層表面に対して100℃の加温下で5MPaの圧力で押圧し、水冷して5分間放置し、上記金型を離型したところ装飾層表面に上記格子パターンからなる凸部が形成され、凹部は島状に形成されていた。
次に、得られた微小な凹凸のある基体シートを無電解メッキ触媒が付与された水溶液に浸漬し、即座に凸部に形成された無電解メッキ触媒をスキージでもってかきとることによって取り除き、乾燥した後、上記シートをニッケルイオンの無電解メッキ液に浸漬したところ、凹部には厚さ500nmのニッケルメッキからなる金属薄膜層2が形成されたが、凸部にはニッケルメッキからなる金属薄膜層が殆ど形成されなかった。得られた金属薄膜層は約2μmのサイズからなる微小な島状パターンに形成されていた。この金属薄膜層上にアクリル樹脂系の接着層を塗装により塗布し金属薄膜シートを得た後、これを用いて成形同時転写法によりアクリル樹脂成形品の表面に転写して、加飾成形品を得た。
得られた加飾成形品は耐腐食性および遮光性を有するものであった。また、さらに外見上は従来の金属調の絵付がされた成形品と変わりがないが、微小な島状パターンに形成された金属薄膜部分が充分な電波透過性を有し、そうでない部分は電磁波シールド性を有するものであった。その結果、微小な島状パターンに形成された金属薄膜部分の下部にある内蔵アンテナの受信は良好で、そうでない部分は有害な電磁波を遮断して電子部品を妨害電波による誤動作から保護することができた。
(実施例2)基体シートとして厚さ100μmのポリカーボネート樹脂フィルムを用い、基体シート上に幅が0.05μmで一辺が0.4μmの正六角形のハニカムパターンの溝が深さ0.08μmで形成されたニッケル電鋳からなるナノインプリント金型を載せ、120℃の加温下で10MPaの圧力で押圧し、水冷して10分間放置し、上記金型を離型したところ、基体シート表面に上記ハニカムパターンの凸部が形成され凹部は島状に形成されていた。
次に、得られた微小な凹凸のある基体シートの凸部に厚さ0.5μmのアクリル系樹脂からなる剥離レジスト層をグラビア印刷により形成した後、無電解メッキ触媒が付与された水溶液に浸漬し、乾燥した後、有機溶剤で剥離レジスト層をその上に付着された無電解メッキ触媒ごと除去し、ニッケルイオンの無電解メッキ液に浸漬したところ、凹部には厚さ600nmのニッケルメッキからなる金属薄膜層が形成されたが、凸部にはニッケルメッキからなる金属薄膜層が殆ど形成されなかった。得られた金属薄膜層は約2μmのサイズからなる微小な島状パターンに形成されていた。この金属薄膜層上にアクリル樹脂系の接着層を塗装により塗布し金属薄膜シートを得た後、これを用いて成形同時インサート法によりアクリル樹脂成形品の表面に付着して、加飾成形品を得た。
得られた加飾成形品は耐腐食性および遮光性を有するものであった。また外見上は従来の金属調の絵付がされた成形品と変わりがないが、微小な島状パターンに形成された金属薄膜部分が絶縁性を有し、そうでない部分は導電性を有するものであった。その結果、この導電パターン部分は静電容量スイッチのパターンとして機能させることができた。また、ディスプレイ窓部など照光機能が必須とされる意匠に適用できる充分な遮光性を備えていた。
(実施例3、実施例4)実施例1の凹部を精密NC工作機械を使って切削加工により、深さ0.5μm、幅2μm、ピッチが12μmの正方形の格子パターンに形成する以外は、実施例1と同様にした。また、凹部を電子線ビームの照射により形成する以外は、実施例2と同様にした。上記実施例3、実施例4も、それぞれ実施例1、実施例2と同様の結果が得られた。
本発明は、携帯電話などの通信機器、自動車内部の情報機器、家電製品など、各種成形品において好適に用いることができ、産業上有用なものである。
本発明に係る加飾シート110の一実施例を示す斜視図である。 本発明に係る加飾シート110の一実施例を示す断面図である。 本発明に係る加飾シート110の一実施例を示す断面図である。 本発明に係る加飾シート110の一実施例を示す断面図である。 本発明に係る加飾シート110の一実施例を示す断面図である。 本発明に係る加飾シート110の一実施例を示す斜視図である。 本発明に係る加飾シート110の一実施例を示す断面図である。 本発明に係る加飾シート110の一実施例を示す断面図である。 本発明に係る加飾シート110の一実施例を示す断面図である。 本発明に係る加飾シート110の一実施例を示す断面図である。 本発明に係る加飾シート110の一実施例を示す断面図である。 本発明に係る加飾シート110の一実施例を示す断面図である。 本発明に係る加飾シート110の一実施例を示す断面図である。 本発明に係る加飾成形品の製造方法の一実施例を示す断面図である。 本発明に係る加飾成形品の製造方法の一実施例を示す断面図である。
符号の説明
1 基体シート
2 金属薄膜層
3 微細な凹凸部
4 微細な凹部
5 微細な凸部
6 不要金属薄膜層部
7 レジスト層
8 アルコール性脱離層
9 無電解メッキ層
10 接着層
11 図柄層
12 アンカー層
13 離型層
14 剥離層
15 塗膜層
16 転写層
17 固定型
18 可動型
19 成形樹脂
100 スタンパー
101 スキージ
110 加飾シート
111 加飾成形品
S 基準島面積
L 基準島間距離
H 微細な凸部の高さ

Claims (27)

  1. 表面の一部または全部に多数かつ微細な凹凸部を備え、凹部の平面形状が島状である基体シートの凹部の上に、金属薄膜層が少なくとも形成され、金属光沢を有するとともに、絶縁性及び遮光性を有し、
    前記凹部の底部が0.01μm〜2μmの間隔で形成され、その面積が0.001μm 〜4μm であり、かつ凸部のアスペクト比が0.01〜5である加飾シート。
  2. 基体シートの上に形成された塗膜層が、表面の一部または全部に多数かつ微細な凹凸部を備え、凹部の平面形状が島状であり、その塗膜層の凹部の上に金属薄膜層が少なくとも形成され、金属光沢を有するとともに、絶縁性及び遮光性を有し、
    前記凹部の底部が0.01μm〜2μmの間隔で形成され、その面積が0.001μm 〜4μm であり、かつ凸部のアスペクト比が0.01〜5である加飾シート。
  3. 金属薄膜層の上にレジスト層が形成された請求項1〜2の加飾シート。
  4. 接着層が加飾シートの最外面に形成された請求項1〜3に記載の加飾シート。
  5. 基体シートが離型性を有するものである請求項1〜のいずれかに記載の加飾シート。
  6. 基体シートが密着性を有するものである請求項1〜のいずれかに記載の加飾シート。
  7. 金属薄膜層がアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、銀、金のいずれかからなる請求項1〜のいずれかに記載の加飾シート。
  8. 金属薄膜層がメッキ法により形成される請求項1〜のいずれかに記載の加飾シート。
  9. 金属薄膜層の厚さが0.01μm〜1μmである請求項1〜のいずれかに記載の加飾シート。
  10. 基体シートの表面にナノインプリント法を用いてその一部または全部に多数の微細な凹部と凸部を形成し、次いで凸部の上にアルコール性脱離層を形成し、次いで凹部および凸部の上に金属薄膜層を形成し、次いで凸部の上に形成されたアルコール性脱離層と金属薄膜層をアルコール処理で脱離除去することにより金属薄膜層を微細な島状に形成することを特徴とする加飾シートの製造方法。
  11. 基体シートの上に形成された塗膜層の表面にナノインプリント法を用いてその一部または全部に多数の微細な凹部と凸部を形成し、次いで凸部の上にアルコール性脱離層を形成し、次いで凹部および凸部の上に金属薄膜層を形成し、次いで凸部の上に形成されたアルコール性脱離層と金属薄膜層をアルコール処理で剥離除去することにより金属薄膜層を微細な島状に形成することを特徴とする加飾シートの製造方法。
  12. 基体シートの表面にナノインプリント法を用いてその一部または全部に多数の微細な凹部と凸部を形成し、次いで凹部および凸部の上に金属薄膜層を形成し、次いで凹部の上に形成された金属薄膜層の上にレジスト層を形成し、次いで凸部の上に形成された金属薄膜層をウエットエッチング法で除去することにより金属薄膜層を微細な島状に形成することを特徴とする加飾シートの製造方法。
  13. 基体シートの上に形成された塗膜層の表面にナノインプリント法を用いてその一部または全部に多数の微細な凹部と凸部を形成し、 次いで凹部および凸部の上に金属薄膜層を形成し、 次いで凹部の上に形成された金属薄膜層の上にレジスト層を形成し、 次いで凸部の上に形成された金属薄膜層をウエットエッチング法で除去することにより金属薄膜層を微細な島状に形成することを特徴とする加飾シートの製造方法。
  14. 基体シートの表面にナノインプリント法を用いてその一部または全部に多数の微細な凹部と凸部を形成し、次いで微細な凹部と凸部の上に全面的にメッキ触媒層を形成し、次いで凸部に形成したメッキ触媒層を除去し、次いでメッキ触媒層の上に金属薄膜層を形成することにより金属薄膜層を微細な島状にすることを特徴とする加飾シートの製造方法。
  15. 基体シートの上に形成された塗膜層の表面にナノインプリント法を用いてその一部または全部に多数の微細な凹部と凸部を形成し、次いで微細な凹部と凸部の上に全面的にメッキ触媒層を形成し、次いで凸部に形成したメッキ触媒層を除去し、次いでメッキ触媒層の上に金属薄膜層を形成することにより金属薄膜層を微細な島状にすることを特徴とする加飾シートの製造方法。
  16. 接着層が加飾シートの最外面に形成された請求項1015のいずれかに記載の加飾シートの製造方法。
  17. 凹部の底部が0.01μm〜2μmの間隔で存在し、かつ凸部のアスペクト比が0.01〜5である請求項1016のいずれかに記載の加飾シートの製造方法。
  18. 凹部の底部の面積が0.001μm〜4μmである請求項1017にいずれかに記載の加飾シートの製造方法。
  19. 基体シートが離型性を有するものである請求項1018のいずれかに記載の加飾シートの製造方法。
  20. 基体シートが密着性を有するものである請求項1018のいずれかに記載の加飾シートの製造方法。
  21. 金属薄膜層がアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、銀、金のいずれかからなる請求項1020のいずれかに記載の加飾シートの製造方法。
  22. 金属薄膜層がメッキ法により形成される請求項1021のいずれかに記載の加飾シートの製造方法。
  23. 金属薄膜層の厚さが0.01μm〜1μmである請求項1022のいずれかに記載の加飾シートの製造方法。
  24. ウエットエッチング法がディップ式である請求項1023のいずれかに記載の加飾シートの製造方法。
  25. 請求項1〜のいずれかに記載の加飾シートを金型内に配置し、樹脂を射出することによって成形されたことを特徴とする加飾成形品。
  26. 請求項1〜のいずれかに記載の加飾シートを金型内に配置し、樹脂を射出し、基体シートを剥離することによって成形されたことを特徴とする加飾成形品。
  27. 請求項1〜のいずれかに記載の加飾シートを表面に一体に接合したことを特徴とする加飾成形品。
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