ところで、間接飲み、直飲みの別なく絞り口は栓体から突出しているのが、注ぎやすいし、直飲みしやすい。そこで、突出していることによる汚れやすさや外力の受けやすさからは、特許文献1に記載のもののように栓体に連結した蓋体を設けるのが好適である。
一方、本発明者は直飲みできる突出状態の絞り口を有するもので、コップを装着して間接飲みもできる新規な携帯用真空二重ボトルを提供しようとしているが、この場合も、コップを外した状態での非使用中の絞り口の保護が図れるようにする意味で、蓋体を必須とするのが好適である。
しかし、このように突出している絞り口を閉じ、かつ保護する蓋体は、使用の便利さから特許文献1などで知られるように栓体にヒンジ連結した片開きタイプとし、開き方向にばねで付勢するとともに、閉じるとロック部材により閉じ状態に自動的に係止し、係止を解除するとばねの付勢により自動的に開くようにするのが一般的で、特許文献1に記載のもののように栓体を丸洗いできる単位の栓部材を複数着脱できるように組み合わせることは行われているが、蓋体とこれを連結した栓部材とはその連結、付勢構造上からか分解できるようにはされていない。このため、蓋体およびこれを連結した栓部材とは丸洗い時に互いが邪魔し合う上、相互間に連結隙間などの洗浄が及びにくいディテール部の存在によって細部まで清潔にできず汚れが徐々に沈着し、拡張するので、近時の丸洗いによる衛生性、清潔性維持の要求に応え切れない問題がある。
本発明の目的は、複数の栓部材とともに蓋体も単体で着脱でき、丸洗いしやすく長期に清潔さが保てる携帯用真空二重ボトルを提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の携帯用真空二重ボトルは、金属製真空二重容器であるボトル体と、このボトル体の口部にこの口部との間のシール構造を有して着脱できるように装着され、かつ、ボトル体内に通じ内容液をボトル体の口部よりも絞って注出させまたはおよび直飲みできるように外部に突出する絞り口を持った栓体と、この栓体に前記絞り口を覆い開閉できるように連結された蓋体と、を有し、栓体は、丸洗いできる複数の栓部材が着脱できるように組み合わされたもので、蓋体は、栓体の2つの栓部材の着脱に応じて前記栓体に連結され、その連結が解除されるようにしたことを特徴としている。
このような構成では、ボトル体は金属製の真空二重容器であるので、薄い金属壁間に狭い真空空間があるだけのスリムなボディで高い断熱性を発揮し、携帯用に、長時間の保温、保冷に有利な条件を満足し、かつ、ボトル体の口部にそれとの間のシール構造を有して液漏れのないように装着され、その口部よりも絞って内容液を注出させまたはおよび直飲みできるように外部に突出した絞り口を持った栓体と、この栓体に連結されて絞り口を覆い開閉する蓋体とを有して、絞り口の突出で内容液を注出しやすく、またはおよび、直飲みしやすく、しかも、非使用時は蓋体により覆って閉じられることで、栓体の内側での開閉弁とそのための開閉操作機構とが不要となるのに併せ、絞り口の突出により外力や汚れから保護することができる。特に、栓体は、丸洗いできる複数の栓部材が着脱できるように組み合わされているのに併せ、蓋体は、栓体の2つの栓部材の着脱に応じて前記栓体に連結され、その連結が解除されるため、複数の栓部材はもとより、蓋体とそれが連結される栓部材とを含め互いが邪魔し合ったり、相互間に隙間などのディテール部を残したりせずに丸洗いできるし、蓋体とそれを連結する栓部材との連結、連結解除が、今1つの栓部材との組み合わせ、組み合わせ解除に伴って、特別な部材や動作なしに着脱できる。
上記において、さらに、蓋体の栓体への連結、連結解除に関与する栓体の2つの栓部材は、栓体のボトル本体の口部への装着によって組み合わせ状態が保持されるようにしたことを特徴とすることができる。
このような構成では、上記に加え、さらに、蓋体の栓体への連結、連結解除に関与する2つの栓部材の組み合わせ状態が、栓体の使用状態、つまり栓体のボトル本体の口部への装着によって特別な部材なしに保持され、不用意に分解されない上、栓体のボトル体の口部からの取り外しにより分解できる。
上記において、さらに、2つの栓部材は、外面に前記蓋体が連結されると共にボトル体の口部外まわりに被さるカバー壁を有し、前記口部にねじ合せて着脱できるように装着する外栓部材と、この外栓部材にその下端部側から軸線方向上向きに嵌め合わされて絞り口および外栓部材と蓋体との連結解除を阻止するように働くストッパが外栓部材の上端から突出し、外栓部材とボトル体の口部との間で組合わせ状態に保持される中栓部材とであることを特徴とすることができる。
このような構成では、上記に加え、さらに、ボトル体の口部にねじ合せて着脱できるように支持される外栓部材が、ボトル体の口部の外まわりに被さるカバー壁を有して口部まわりを外装し、また、外面に連結した蓋体により、外栓部材にその下端部から中栓部材が軸線方向上向きに嵌め合されて、外栓部材の上端から突出して注出またはおよび直飲みに供する絞り口および蓋体の連結解除阻止に供するストッパ双方を外装することができる。しかも、中栓部材は、外栓部材との前記軸線方向に嵌まり合う組み合わせ状態を、ボトル本体の口部にねじ合せた外栓部材とボトル本体の口部との間での挟み付けで、特別な部材や作業なしに保持することができ、この挟み付けを利用して中、外栓部材間、中栓部材、ボトル体の口部間、外栓部材、ボトル体の口部間の少なくとも1つにシール部材を介装してシールすることもできる。
上記において、さらに、外栓部材は、前記蓋体に保持したヒンジピンを軸受して連結状態とする軸受部が、ヒンジピンを着脱させる開放部を有して設けられ、中栓部材は、外栓部材との組み合わせ状態で前記軸受部の開放部を塞ぎ、その組み合わせ解除によって開放部の塞ぎを解除するストッパが設けられていることを特徴とすることができる。
このような構成では、上記に加え、さらに、蓋体側のヒンジピンを外栓部材側の軸受部に軸受し、ヒンジピンを中心とした回動により開閉動作できる連結状態とするのに、軸受部に開放部を設けてヒンジピンを出し入れできるようにして、蓋体の外栓部材に対する着脱が特別な部材なしに行えるようにしながら、外栓部材への中栓部材の組み合わせ状態にて中栓部材のストッパが外栓部材の軸受部の開放部を塞いでヒンジピンの引き出し、つまり、蓋体の分解、取り外しを特別な部材や動作なしに阻止することができる。
本発明のそれ以上の特徴は、以下の具体的な説明および図面によって明らかになる。また、本発明の各特徴はそれ自体単独で、あるいは複合して種々な組み合わせで採用することができる。
本発明の携帯用真空二重ボトルによれば、スリムなボディのボトル体で高い断熱性を発揮し、携帯用に、長時間の保温、保冷に有利な条件を満足し、ボトル体の口部にシール構造にて液漏れしないよう装着した栓体において、その口部よりも絞って外部に突出する絞り口を通じ、内容液を注出してのコップなどを利用した間接飲みまたはおよび直飲みができ、かつ、栓体に連結された蓋体で非使用時の絞り口を覆って閉じることで、漏出の防止や絞り口を外力や汚れから保護し、かつ栓体の内側での開閉弁とそのための開閉操作機構とが不要になる。特に、栓体の着脱できる組み合わせとした複数の栓部材どうしはもとより、栓体と連結、連結解除される蓋体を含めた全ての部材が互いに邪魔し合わないで、また、相互間に隙間などのディテール部を残したりせずに容易に丸洗いでき、汚れの蓄積や拡張なしに長期に清潔に保つことができる。しかも、蓋体は栓体の2つの栓部材の着脱に応じて栓体に連結、連結解除されるので、特別な部材および動作なしに容易に着脱できる。
上記に加え、さらに、蓋体の栓体への連結、連結解除に関与する2つの栓部材の組み合わせ状態は、栓体をボトル本体の口部に装着するだけで特別な部材や動作なしに保持され、不用意な分解や脱落を防止できるし、栓体を口部から取り外しさえすれば分解できる。
上記に加え、さらに、外栓部材の装着でボトル体の口部の外まわりに被さるカバー壁により口部まわりを外装および保護し、外面に連結した蓋体により、外栓部材に組み合わせた中栓部材に設けられて外栓部材の上端から突出する絞り口および蓋体の連結解除阻止に供するストッパ双方を外装および保護することができ、外観がシンプルで故障しにくいものとなる。しかも、中栓部材は、外栓部材との前記軸線方向の組み合わせ状態を、外栓部材のボトル本体の口部へのねじ合せ時の口部との挟み付けで特別な部材や作業なしに保持でき、この挟み付けを利用して中、外栓部材間、中栓部材、ボトル体の口部間、外栓部材、ボトル体の口部間の必要位置にシール部材を介装して相互間をシールすることもできる。
上記に加え、さらに、外栓部材側の軸受部に開放部を通じ蓋体側のヒンジピンを出し入れして、蓋体の外栓部材に対する着脱を特別な部材なしに行いながら、外栓部材への中栓部材の組み合わせだけで中栓部材のストッパが軸受部の開放部を塞いで蓋体の分解、取り外しを特別な部材や動作なしに阻止することができる。
以下、本発明の携帯用真空二重ボトルにつき図1〜図7に示す実施の形態に基づき詳細に説明する。しかし、以下の説明は本発明の具体例であって、特許請求の範囲の記載の内容を限定するものではない。
本実施の形態の片開きボトルは図1〜図4の例、図5の例、図6の例に示すように、金属製真空二重容器であるボトル体1と、このボトル体1の口部2にこの口部2との間のシール構造3を有して着脱できるように装着され、かつ、ボトル体1内に通じ内容液をボトル体1の口部2よりも通路断面積を絞って注出させまたはおよび直飲みできるように外部に突出する絞り口4を持った栓体5と、この栓体5に絞り口4を覆い開閉できるように連結された蓋体6と、を有し、栓体5は、丸洗いできる複数の栓部材51、52・・が着脱できるように組み合わされたもので、蓋体6は、栓体5の2つの栓部材51、52の着脱に応じて栓体5に連結され、その連結が解除されるようにしている。
ボトル体1は金属製の真空二重容器であるので、薄い金属壁間に狭い真空空間7があるだけのスリムなボディで高い断熱性を発揮し、携帯用に、長時間の保温、保冷に有利な条件を満足する。ボトル体1がステンレス製であると質感が高い上に、耐食性、変形強度が高くかつ金属の割には熱伝導性が低いので、より高い耐久性、保温、保冷性を発揮することができる。また、ボトル体1の口部2にそれとの間のシリコンゴムなどを利用したシール構造3を有して液漏れのないように装着され、その口部2よりも絞って内容液を注出させまたはおよび直飲みできるように外部に突出した絞り口4を持った栓体5と、この栓体5に連結されて絞り口4を覆い開閉する蓋体6とを有して、絞り口4の外部への突出で内容液を注出しやすく、またはおよび、直飲みしやすく、しかも、非使用時は蓋体6により覆って閉じられることで、栓体5の内側での開閉弁とそのための開閉操作機構とが不要となるのに併せ、絞り口4の突出により外力や汚れから保護することができる。栓体5を構成する複数の栓部材51、52・・は、互いの組み合わせや栓体の機能を発揮する複雑な形態が得やすく、かつ、組み合わせのための適度な弾性嵌合や係合性が得られ、軽量化にも有利な点から通常樹脂成形品とされるが、絞り口4のように細く突出していると、外力を受けて損傷しやすいし、外部に露出していると静電汚れを含む汚れが付きやすいところ、蓋体6による保護は有益である。蓋体6で絞り口4を閉じて栓体5内側での弁体による開閉を不要とするには、シール性の高い閉じ状態を確保するのが漏水防止上好適で、図示例のように蓋体6の内面に絞り口4に圧接またはおよび弾性的な入り込みないしは嵌合するシリコンゴムなどのシール部材8を筒状部や凸軸部などの保持部に弾性嵌合するなどして装着しておくのが好適である。特に、栓体は5、丸洗いできる複数の栓部材51、52・・が着脱できるように組み合わされているのに併せ、蓋体6は、栓体5の2つの栓部材51、52の着脱に応じて栓体5に連結され、その連結が解除されるため、複数の栓部材51、52・・はもとより、蓋体6とそれが連結される栓部材51などとを含め互いが邪魔し合ったり、相互間に隙間などのディテール部を残したりせずに丸洗いできるし、蓋体6とそれを連結する栓部材51などとの連結、連結解除が、今1つの栓部材52などとの組み合わせ、組み合わせ解除に伴って、特別な部材や動作なしに着脱できる。
以上から、本実施の形態の携帯用真空二重ボトルは、スリムなボディのボトル体1で高い断熱性を発揮し、携帯用に、長時間の保温、保冷に有利な条件を満足し、ボトル体1の口部2にシール構造3にて液漏れしないよう装着した栓体5において、その口部2よりも絞って外部に突出する絞り口4を通じ、内容液を注出してのコップ9などを利用した間接飲みまたはおよび直飲みができ、かつ、栓体5に連結された蓋体6で非使用時の絞り口4を覆って閉じることで、漏出の防止や絞り口4外力や汚れから保護し、かつ栓体5の内側での開閉弁とそのための開閉操作機構とが不要になる。特に、栓体5の着脱できる組み合わせとした複数の栓部材51、52・・どうしはもとより、栓体5と連結、連結解除される蓋体6を含めた全ての部材が互いに邪魔し合わないで、また、相互間に隙間などのディテール部を残したりせずに容易に丸洗いでき、汚れの蓄積や拡張なしに長期に清潔に保つことができる。しかも、蓋体6は栓体の52つの栓部材51、52の着脱に応じて栓体5に連結、連結解除されるので、特別な部材および動作なしに容易に着脱できる。結果、全体に部品点数、組み立て工数の少ない安価で携帯しやすい軽量なものとなる。
蓋体6の栓体5への連結、連結解除に関与する栓体5の2つの栓部材51、52は、栓体5のボトル本体1の口部2への装着によって組み合わせ状態が保持されるようにしている。これにより、蓋体6の栓体5への連結、連結解除に関与する2つの栓部材51、52の組み合わせ状態が、栓体5の使用状態、つまり栓体5のボトル本体1の口部2への装着によって特別な部材なしに保持され、不用意に分解されない上、栓体5のボトル体1の口部2からの取り外しさえすれば分解できる。
さらに、2つの栓部材51、52は、外面に蓋体6が連結されると共にボトル体1の口部2外まわりに被さるカバー壁11を有し、2口部にねじ合わせ部13でのねじ合せにて着脱できるように装着する外栓部材51と、この外栓部材51にその下端部側から軸線方向上向きに嵌め合わされて絞り口4および外栓部材51と蓋体6との連結解除を阻止するように働くストッパ12が外栓部材51の上端から突出し、外栓部材51とボトル体1の口部2との間で組合わせ状態に保持される中栓部材52とである。これにより、ボトル体1の口部2にねじ合せて着脱できるように支持される外栓部材51が、ボトル体1の口部2の外まわりに被さるカバー壁11を有して口部2まわりを外装し、また、外面に連結した蓋体6により、外栓部材51にその下端部から中栓部材52が軸線方向上向きに嵌め合されて、外栓部材51の上端から突出して注出またはおよび直飲みに供する絞り口4および蓋体6の連結解除阻止に供するストッパ12双方を外装することができる。しかも、中栓部材52は、外栓部材51との軸線方向に嵌まり合う組み合わせ状態を、ボトル本体1の口部2にねじ合せた外栓部材51とボトル本体1の口部2との間での挟み付けで、特別な部材や作業なしに保持することができ、この挟み付けを利用して中、外栓部材52、51間、中栓部材52、ボトル体1の口部2間、外栓部材51、ボトル体1の口部2間の少なくとも1つにシール部材14を介装したシール構造3としてシールすることもできる。
この結果、外栓部材51の装着でボトル体1の口部2の外まわりに被さるカバー壁11により口部2まわりを外装および保護し、外面に連結した蓋体6により、外栓部材51に組み合わせた中栓部材52に設けられて外栓部材51の上端から突出する絞り口4および蓋体6の連結解除阻止に供するストッパ12双方を外装および保護することができ、外観がシンプルで故障しにくいものとなる。しかも、中栓部材52は、外栓部材51との軸線方向の組み合わせ状態を、外栓部材51のボトル本体1の口部2へのねじ合せ時の口部2との挟み付けで特別な部材や作業なしに保持でき、この挟み付けを利用して中、外栓部材52、51間、中栓部材52、ボトル体1の口部2間、外栓部材51、ボトル体1の口部2間の必要位置にシール部材14・・を介装して相互間をシールすることもできる。
さらに具体的には、外栓部材51は、蓋体6に保持したヒンジピン15を軸受して連結状態とする軸受部16が、ヒンジピン15を着脱させる開放部を有して設けられ、中栓部材52は、外栓部材51との組み合わせ状態で軸受部16の開放部16aを塞ぎ、その組み合わせ解除によって開放部16aの塞ぎを解除するストッパ12が設けられたものとしている。これにより、蓋体6側のヒンジピン15を外栓部材51側の軸受部16に軸受し、ヒンジピン12を中心とした回動により開閉動作できる連結状態とするのに、軸受部16に開放部16aを設けてヒンジピン15を出し入れできるようにして、蓋体6の外栓部材51に対する着脱が特別な部材なしに行えるようにしながら、外栓部材51への中栓部材52の組み合わせ状態にて中栓部材52のストッパ12が外栓部材51の軸受部16の開放部16aを塞いでヒンジピン15の引き出し、つまり、蓋体6の分解、取り外しを特別な部材や動作なしに阻止することができる。この結果、外栓部材51側の軸受部16に開放部16aを通じ蓋体6側のヒンジピン15を出し入れして、蓋体6の外栓部材51に対する着脱を特別な部材なしに行いながら、外栓部材への中栓部材の組み合わせだけで中栓部材のストッパが軸受部の開放部を塞いで蓋体の分解、取り外しを特別な部材や動作なしに阻止することができる。
図1〜図4に示す例では、特に、外栓部材51のカバー壁11に邪魔されない位置で、ボトル体1の口部2の外まわりにねじ合わせ部17にて着脱できるようにねじ合されるコップ9を備えたものとしている。これにより、コップ9を、外栓部材51のカバー壁11に邪魔されない位置でのボトル体1の口部2の外まわりへのねじ合せにより着脱できるようにすることで、蓋体6を連結した外栓部材51を持った栓体5とコップ9とを互いに邪魔し合うことなく併用することができる。この結果、コップ9を、外栓部材51のカバー壁11に邪魔されない位置でボトル体1の口部2の外まわりへのねじ合せにて着脱することで、蓋体6を連結した外栓部材51を持った栓体5とコップ9とを互いに邪魔し合うことなく併用でき、しかもコップ9の装着によって外栓部材51およびその蓋体6を覆って保護し、外観のさらなるシンプル化も図れる。
また、外栓部材51と蓋体6との間に、蓋体6を閉じ位置にロックし、またこのロックを解除するロック機構21と、蓋体6の閉じ状態で蓄勢されて蓋体6を開き方向に付勢する弾性部材22とを設けたものとしている。これにより、蓋体6が外栓部材51との間のロック機構21によって閉じ位置に係止されることで、非使用中に不用意に開いて突出している絞り口2が外力や汚れに晒されるのを防止できるし、蓋体6を開き方向に付勢することができるので閉じ位置への係止を解除するだけで蓋体6を自動的に開かせることができる。具体的には、蓋体6が外栓部材51との間のロック機構21によって閉じ位置に係止されることで、蓋6による絞り口4の閉じ状態が緩んで液漏れが生じるようなことを防止できるし、非使用中に不用意に開いて突出している絞り口2が外力や汚れに晒されるのを防止できるし、蓋体6を開き方向に付勢することができるので閉じ位置への係止を解除するだけで蓋体6を自動的に開かせられるので使用に便利である。
さらに、蓋体6付きの栓体5とコップ9との併用のために、外栓部材51は、ボトル体1の口部2の内周とこれに嵌り合う内筒51aとの間にねじ合わせ部13を有し、内筒51aの上端に一体成形された天板51bの外周に一体形成したカバー壁11は、ボトル体1の口部1aの外周におけるコップ9とのねじ合わせ部17の直ぐ上の部分までに被さって覆う短い長さに設定してある。つまり、口部2のねじ合わせ部17のない上部にのみ被さる長さになっている。これに対して、中栓部材52は、絞り口4を上端に持ったほぼストレートな筒体をなし、絞り口4を外栓部材51の天板51bの中央にある保持穴51cに下方より挿入して、保持穴51cに下向きに延設した補強筒51dの下端に、自身の外周に一体形成した置決めフランジ52aを受け止められ、この受け止め状態にて外栓部材51が口部2にねじ合わされることで、口部2の内周の絞り段部2aとの間にシール部材14を介し挟み付けられて外栓部材51との組み合わせ状態が保持されている。
中栓部材52の下端外周には上下の二重壁52b、52cが一体成形され、シール部材14がそれら二重壁52b、52cの外周に跨って装着され、二重壁52b、52c間を断熱空間23として封止している。シール部材14は、また、外周にシールリップ14aを持ち、このシールリップ14aが外栓部材51の内筒51aの下端に圧接した状態で口部2の絞り段部2aとの間に挟圧されるようにしている。これにより、外栓部材51に中栓部材52を組み合わせた栓体5をそのカバー壁11を把持してねじ合わせ部13での口部2へのねじ合わせによって装着すると、口部2をその絞り段部2a部にて密閉し、また、内筒51aと中栓部材52との間を断熱空間24として封止し、中栓部材52を通じ絞り口4から内容液を注出し、またはおよび、直飲みすることができる。ここで、図示例ではコップ9の併用タイプであることにより、図3に示すようにコップ9を利用した間接飲みに適する関係から、直飲みには向きにくいが絞り口4の突出量を抑えて、蓋体6の存在、コップ9の装着によってもかさ低くなるようにしている。
さらに、蓋体6は後部を外栓部材51に連結し、前部にロック機構21のロック・ロック解除部材25を設け、コップ9は口部2への装着状態で取手9aが後部に位置するようになっている。ロック部材25は、蓋体6の前部に前方、上方への脱落を防止する引っ掛かりを有して前後にスライドできるように嵌め合され、ばね26による前方に向けての付勢により、蓋体6が閉じられたとき外栓部材51の天板51bの前部に一体成形されたフック片51eに弾性係合して蓋体6を閉じ位置に係止し、かつ、シール部材8が絞り口4の上端に圧接し、弾性部材22が蓋体6のロック解除時に所定の開き度まで自動的に開かせるに充分な蓄勢を受けるように蓋体6に一体成形されている押圧部6aの押圧を受ける状態を確保するようにしている。弾性部材22は中栓部材52の二重壁52b、52cの後部から立ち上がるように一体成形した吸気パイプ27の上端に装着した吸気口としてあり、吸気パイプ27と外栓部材51の天板51bとの間に挟持されるようにしてある。これによって、弾性部材22の弾性変形代t1と、弾性変形代t1を利用した押圧部6aとの圧接代t2とを確保している。また、圧接代t2は蓋体6の閉じ状態で押圧部6aが吸気パイプ27の弾性部材22がなす吸気口を閉じ、かつ蓋体6を所定開き度まで自動的に開くための蓄勢を確保している。
なお、所定開き度は、全開とすることはできるが、図示例では、全開状態への手掛かりが容易になる半開き状態に設定してあり、全開状態にすると軸受部16の背部に一体成形した係止突起16bに蓋体6の後部に切り抜き形成した弾性係合片6bが弾性的に乗り越えて係合することにより、その全開位置に外栓部材51の天板51bとの間に保持され図2(b)、図3に示す開き状態に安定するようにしている。また、蓋体6と外栓部材51の天板51bとの間も断熱空間28となっている。
図5に示す例では、外栓部材51は、ボトル体1の口部2外まわりに、ねじ合わせ部17で前記コップ9に代わってねじ合わされるカバー壁11を有し、コップ9を併用できない形態から、絞り口4の外栓部材51からの突出量を図1〜図4に示す例の場合よりも大きくして、直飲みに適したものとし、これに対応して蓋体6は絞り口4の突出量が大きくなった分だけ図1〜図4に示す例の場合よりもかさ高になっているが、コップ9を併用しない分徒にかさ高くはならない。なお、本図示例では、ロック機構21は軸126で軸支したロック・ロック解除部材125とし、ばね26の付勢によって軸126まわりの回動を伴いフック片51eに弾性係合して蓋体6を閉じ位置にロックし、また、そのロックを解除するようにしてある。また、弾性部材22は外栓部材51の天板51bの保持穴51b1に弾性的に嵌め付けて保持され、吸気パイプ27とは圧接代t3をもって接続されるようにしている。それ以外の構成は図1〜図4に示す例の場合と特に変わるところはない。
図6に示す例では、図5に示す例の外栓部材51に代えて、図1〜図4に示す例の外栓部材51を採用した点で、図5に示す例と異なっている。
ここで、図1〜図4に示す例は、図7(a)に示す部材の組み合わせよりなり、図5に示す例は、図7(b)に示す部材の組み合わせよりなり、図6に示す例は、図7か(c)に示す部材の組み合わせよりなっており、図7(a)に示す組み合わせ例と図7(b)に示す組み合わせ例とは、中栓部材52とシール部材14とが共通しているのに対し、図7に示す組み合わせ例と、図7(c)に示す例とは中栓部材52が相違するだけである。
ここに、外栓部材51は、コップ9のねじ合せを邪魔しない図1〜図4、図7(a)の例、図6、図7(c)の例の栓部材51を第1とし、これに加え、ボトル体1の口部2外まわりにコップ9に代えて着脱できるようにねじ合される図5、図7(b)に示す例の第2の外栓部材51を、コップ9と併せ、組み合わせ備え、第1の外栓部材51およびコップ9と、第2の外栓部材51と、を選択的に用いることができる。これにより、第1の外栓部材51およびコップ9を選択すると、図1〜図4の例、図6の例のように、それらは互いに邪魔し合うことなくボトル体1の口部2に着脱できるように装着して使用することができ、コップ9に注いで飲む高温保温時に適した間接飲み、または、間接飲みおよび中温以下の保温時や保冷時に適した直飲みの双方に対応するのに好適となり、第2の外栓部材51を選択すると、図5に示すようにコップ9なしのシンプル構造にてボトル体1の口部2外まわりの外装域、保護域をコップ9と同レベルに拡張しながら蓋体6を開くと直ぐに絞り口4を露出させられる中温以下の保温時や保冷時に適した直飲みに好適となる。
また、中栓部材52は、外栓部材51からの突出量の小さな絞り口4を有した図1〜4の例、図7(a)に示す例の第1のものと、突出量の大きな絞り口4を有した図5、図6、図7(b)(c)に示す第2のものとを組合せ備え、図1〜図4に示す例、図7(a)に示す例のように第1の中栓部材52は第1の外栓部材51と対で選択して用い、図5に示す例、図7(b)に示す例のように第2の中栓部材52は第2の外栓部材51と対で選択して用いることができる。これにより、コップ9との併用にて間接飲みに好適な第1の外栓部材51と第1の中栓部材52の組み合わせの選択により、直飲みには不便でも内容液のコップ9への注出に便利な程度に絞り口の突出量を小さく抑えて、コップ9の装着によってもかさ張らないものとし、コップ9の併用ができない第2の外栓部材51と第2の中栓部材52の組み合わせの選択により、コップ9の無い分だけかさ低く用いられるし、絞り口4の突出量を大きくしやすく直飲みに好適なものになる。