JP5156306B2 - 光学異方性測定装置および光学異方性測定方法 - Google Patents

光学異方性測定装置および光学異方性測定方法 Download PDF

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Description

この発明は、光学異方性を測定するための光学異方性測定装置および光学異方性測定方法に関し、より特定的には薄膜の光学異方性を測定する技術に関する。
従来から、さまざまな分野において薄膜の光学異方性を測定するための技術が利用されている。この光学異方性の測定技術は、代表的に、高分子薄膜、自己組織膜、Langmuir−Blodgett膜、液晶分子配向膜、バイオ材料(特に、バイオセンサー用薄膜材料)といった有機材料を用いた薄膜の評価や検査に用いられる。また、無機材料を用いた薄膜においても、斜め蒸着等により形成された配向膜材料の評価や検査に用いられている。さらに、半導体プロセスにおける超微細構造の評価や検査にも用いられている。
特に最近では、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)の製造プロセスにおいて、液晶分子の配向を制御する素子の材料として用いられる有機薄膜の評価や検査のために、この光学異方性の測定技術を適用することが注目されている。この有機薄膜は光学異方性を有し、液晶分子の初期配向を与えるために使用される。近年の液晶ディスプレイの製造プロセスにおける大型サイズ化に伴って、ディスプレイ内における有機薄膜の光学異方性の特性ムラ(バラツキ)が最終製品の性能に影響を与えることが予想されているからである。そのため、このような光学異方性を有する有機薄膜(以下「光学異方性薄膜」とも記す。)の特性を迅速に評価することが要望されている。
一般的な光学異方性の測定方法として、光学異方性薄膜(以下「被測定物」とも記す。)に偏光を照射し、その透過光に基づいてリタデーション(複屈折位相差)を測定する方法が知られている。一般的に、光学異方性薄膜で生じるリタデーションは非常に小さい。また、この方法を用いて、液晶ディスプレイの光学異方性を測定する場合には、偏光が光学異方性薄膜の基板であるガラスを透過する必要がある。偏光がガラス基板を伝搬する際には、ガラス歪みなどによって複屈折が生じるため、透過光のリタデーションには、このガラス基板に由来するリタデーションの成分が相対的に多く含まれることになる。その結果、光学異方性薄膜に由来するリタデーションを十分に検出できないという問題がある。
これに対して、被測定物に偏光を照射し、その反射光に基づいて光学異方性を測定する方法が提案されている。このような方法は、たとえば、特開平09−218133号公報(特許文献1)、特開平09−090368号公報(特許文献2)、特開2002−365637号公報(特許文献3)、特開平04−095845号公報(特許文献4)などに開示されている。
この方法は、所定の偏光状態の入射光を被測定物に照射するとともに、被測定物で反射して生じる反射光のP偏光成分とS偏光成分との位相差を測定することで、被測定物の光学異方性を測定するものである。
特開平09−218133号公報 特開平09−090368号公報 特開2002−365637号公報 特開平04−095845号公報
このような従来の構成では、被測定物に対する入射光の入射回転角を順次変えてゆき、
この入射回転角の変化に対応させて、反射光のP偏光成分とS偏光成分との位相差または振幅比の変位を観測することで、被測定物の光学異方性を評価する。
しかしながら、液晶ディスプレイの表面に形成された光学異方性薄膜に現れる光学異方性は非常に小さい。従来の構成を用いて、このような非常に小さな光学異方性を測定するためには、測定装置が大がかりなものとなり、装置の柔軟性や自由度が低下するという問題があった。その結果、実際に被測定物を測定する際には、操作性などにおいて不便が生じていた。
さらに、光学異方性が非常に小さいので、この光学異方性に起因するリタデーションに比較して、測定対象とする部分以外(下層の構造物やガラス基板など)からの反射光に含まれるリタデーションが相対的に大きく、この影響によって測定精度を高めることができないという問題もあった。
したがって、精度を高めるには、非常に小さな光学異方性であっても、上述の位相差や振幅比に、より大きな変動を生じさせ、かつ対象とする部分以外からの反射光に起因する不要な信号を抑制することが重要である。
本来的に、光学異方性薄膜の光吸収率(もしくは、反射率)は、波長依存性を有するため、入射回転角の変化に伴う位相差や振幅比の変動の大きさは、入射光の波長に依存するはずである。しかしながら、従来の構成では、単色光(単波長光)を入射光として使用しており、このような点を考慮していなかった。そのため、被測定物の種類によっては十分な測定精度を得ることができないという課題があった。また、反射型の測定構成を採用したとしても、入射光が測定対象の下層に位置するガラス基板まで達するため、測定対象とする光学異方性薄膜以外で反射した反射光の影響を受けて、十分な測定精度を得ることができないという課題もあった。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、被測定物の特性に応じて、より高精度に光学異方性を測定できる光学異方性測定装置および光学異方性測定方法を提供することである。
この発明のある局面に従う光学異方性測定装置は、所定の紫外波長範囲を含む光を発生する光源と、光源からの光を所定の偏光状態にした上で、被測定物に向けて照射する照射部と、照射部からの入射光が被測定物で反射されて生じる反射光を分光し、分光された各光の強度を検出する分光部と、被測定物から分光部までの反射光の光学搬経路上に配置された偏光素子を含んだ受光部と、偏光素子の状態および分光部からの検出結果に基づいて、反射光の紫外波長範囲のうち特定波長の偏光状態を示す特性値を取得する偏光状態取得部と、被測定物に対する入射光の入射回転角を変更可能な回転機構と、回転機構による入射回転角の変化に伴う偏光状態を示す特性値の特性変化に基づいて、入射光の照射位置における被測定物の光学異方性を算出する光学異方性取得部とを備える。
好ましくは、紫外波長範囲は、185nmから400nmである。
好ましくは、偏光状態取得部は、偏光状態を示す特性値として、S偏光成分とP偏光成分との位相差または振幅比を取得する。
好ましくは、回転機構は、照射部および受光部を所定の位置関係を保って保持する保持部と、入射光の照射位置を通る回転軸を中心として保持部を回転させる回転駆動部とを含む。
好ましくは、光学異方性取得部は、入射回転角の変化によって生じる偏光状態を示す特性値の最大値と最小値との差に基づいて、光学異方性を取得する。
また好ましくは、光学異方性取得部は、入射回転角の変化によって生じる偏光状態を示す特性値が最大値または最小値をとる入射回転角に基づいて、光学異方性を取得する。
好ましくは、光学異方性測定装置は、被測定物における入射光の照射位置を測定対象面に沿って移動させる移動機構と、照射位置の変化に応じて、照射位置の各々における光学異方性を当該照射位置と対応付けて記憶する記憶部とをさらに備える。
好ましくは、光学異方性測定装置は、分光部によって分光された各光成分の偏光状態を示す特性値に基づいて、特定波長を決定する波長選択部をさらに備える。
この発明の別の局面に従えば、光学異方性測定装置を用いた被測定物の光学異方性測定方法を提供する。光学異方性測定装置は、所定の紫外波長範囲を含む光を発生する光源と、光源からの光を所定の偏光状態にした上で、被測定物に向けて照射する照射部と、照射部からの入射光が被測定物で反射されて生じる反射光を分光し、分光された各光の強度を検出する分光部と、被測定物から分光部までの反射光の光学搬経路上に配置された偏光素子を含んだ受光部と、被測定物に対する入射光の入射回転角を変更可能な回転機構とを備える。光学異方性測定方法は、照射部から被測定物へ入射光を照射するステップと、偏光素子の状態および分光部からの検出結果に基づいて、反射光の紫外波長範囲のうち特定波長の偏光状態を示す特性値を取得するステップと、被測定物に対する入射光の入射回転角を順次変化させるステップと、入射回転角の変化に伴う偏光状態を示す特性値の特性変化に基づいて、入射光の照射位置における被測定物の光学異方性を算出するステップとを備える。
この発明によれば、被測定物の特性に応じて、より高精度に光学異方性を測定できる光学異方性測定装置および光学異方性測定方法を実現できる。
この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
(装置構成)
図1は、この発明の実施の形態に従う光学異方性測定装置100の概略構成図である。
この発明の実施の形態に従う光学異方性測定装置100は、少なくとも所定の紫外波長範囲を含む光(入射光)を被測定物に照射し、この入射光が被測定物で反射されて生じる反射光についての特定波長における分光エリプソパラメータを測定することにより、被測定物の光学異方性を測定する。この特定波長は、被測定物で吸収ピークを生じる波長に選択することが好ましい。
被測定物としては、代表的に、高分子薄膜、自己組織膜、Langmuir−Blodgett膜、液晶分子配向膜、バイオ材料(特に、バイオセンサー用薄膜材料)といった有機薄膜や斜め蒸着等により形成された配向膜材料といった無機薄膜などである。本実施の形態に従う光学異方性測定装置100は、液晶ディスプレイなどの生産ラインの一部に組み込まれ、液晶ディスプレイの表面に形成(コーティング)された有機薄膜の光学異方性を測定する構成について例示する。
図1を参照して、光学異方性測定装置100は、台座部102と、検査ステージ104
と、Y軸移動部ステージ106と、X軸移動ステージ108と、回転駆動部110と、回転シャフト112と、回転ブロック124と、光源118と、照射部114と、受光部116と、分光部120とを備える。本明細書では、便宜上、被測定物OBJの搬送面における搬送方向を「Y軸方向」と規定し、搬送面における「Y軸方向」と直交する方向を「X軸方向」と規定し、「X軸方向」および「Y軸方向」のいずれにも直交する方向を「Z軸方向」と規定する。
検査ステージ104は、台座部102で支持されるとともに、その上表面は、液晶ディスプレイの生産ラインの一部として構成される。検査ステージ104には、被測定物OBJの代表例である製造中の液晶ディスプレイが順次搬送される。
Y軸移動部ステージ106は、被測定物OBJを跨ぐように、検査ステージ104の上表面に配置される。Y軸移動部ステージ106は、門型(ガントリ型)構造を有しており、両方の足部が検査ステージ104の上表面にそれぞれ形成されたガイドに沿ってY軸方向に移動可能になっている。より詳細には、Y軸移動部ステージ106の一方の足部はガイドレール130に嵌合しており、図示しないリニアモータによってY軸方向への移動に必要な駆動力を発生する。また、他方の足部は、Y軸移動部ステージ106の移動に要する負荷を小さくするためにエアベアリングにより空気浮上するように構成されている。
X軸移動ステージ108は、Y軸移動部ステージ106の上部に形成されたガイドレール132に沿って、X軸方向への移動が可能に構成される。より詳細には、X軸移動ステージ108は、ガイドレール132に嵌合しており、図示しないリニアモータによってX軸方向への移動に必要な駆動力を発生する。
回転駆動部110は、X軸移動ステージ108上に配置されるとともに、回転シャフト112を介して回転ブロック124と連結されている。回転駆動部110は、内蔵のモータが発生する回転駆動力を用いて、回転シャフト112の中心軸(すなわち、Z軸)を中心として回転ブロック124を回転可能に構成される。本明細書において、回転シャフト112の中心軸(Z軸)を中心とした回転ブロック124の角度を「入射回転角」とも称す。なお、入射回転角の基準位置(角度がゼロの位置)は任意に設定すればよい。
回転ブロック124では、その上面に光源118および分光部120が配置されるとともに、その側面に照射部114および受光部116が配置される。さらに、照射部114および受光部116は、回転ブロック124の側面に形成されたガイドに沿って、被測定物OBJに対する入射角および受光角を変更できるように構成される。ここで、入射角および受光角(もしくは、反射角)とは、被測定物OBJの測定平面(すなわち、X−Y平面)に対するそれぞれお入射光および反射光の角度(仰角)を意味する。
光源118および照射部114は、所定の紫外波長範囲を含む入射光を被測定物OBJに照射するための部位である。照射部114は、光源118から光ファイバなどを介して伝搬される光を所定の偏光状態にした上で、被測定物OBJへ照射する。
これに対して、受光部116および分光部120は、入射光が被測定物OBJで反射されて生じる反射光を受光するとともに、分光するための部位である。すなわち、受光部116は、照射部114から照射される入射光が被測定物OBJで反射されて伝搬する反射経路上に配置され、その反射光を受光する。より詳細には、受光部116は、その被測定物OBJに対する受光角が被測定物OBJに対する照射部114の入射角と一致するように構成される。分光部120は、受光部116で受光された反射光を所定の波長単位で分光し、分光された各波長の光の強度を検出する。
このように、光学系の構成部品が共通の回転ブロック124に配置されるので、回転ブロック124の回転に伴う光学系への影響を排除できる。
上述のように、回転駆動部110が、光源118、照射部114、受光部116および分光部120が配置された回転ブロック124を任意に入射回転角に回転させるとともに、Y軸移動部ステージ106およびX軸移動ステージ108が、被測定物OBJの測定対象面に沿って、任意の測定位置(X座標およびY座標)に回転駆動部110を移動させる。これにより、比較的大型の被測定物OBJを検査ステージ104に配置した後には、回転ブロック124が任意の測定位置に移動して、各測定位置の光学異方性を測定することができる。そのため、被測定物OBJ自体を移動および回転させる構成に比較して、より構成を簡素化できるとともに、必要な設置面積を低減できる。さらに、測定に要する時間を短縮することもできる。
なお、Y軸移動部ステージ106およびX軸移動ステージ108は、後述するデータ処理部2(図2)からの制御指令に応じて所定の測定位置に移動するとともに、回転駆動部110についても、データ処理部2からの制御指令に応じて所定の入射回転角を実現する。
また、回転シャフト112の中は空洞になっており、光源118に電源を供給する電源ケーブルや、分光部120で検出された信号を搬送するデータ信号ケーブルなどは、この空洞を貫通して後述するデータ処理部2などと接続される。これらのケーブルの途中には、回転ブロック124が自在回転できるように、ロータリーカップリングなどが設けられている。
図2は、この発明の実施の形態に従う光学異方性測定装置100における主要部を説明するための図である。
図2を参照して、光源118は、所定の紫外波長範囲(たとえば、185nm〜400nm)を含む波長範囲の光を発生する。代表的に、光源118は、キセノンランプ(Xeランプ)または重水素ランプ(Dランプ)などの、紫外域から可視域までの波長を発生可能な白色光源で構成される。光源118で発生した光は、光ファイバ126を介して照射部114へ導かれる。
照射部114は、偏光子114aおよび1/4λ波長板114bを含む。光源118からの光は、偏光子114aによって直線偏光へと変えられた後、1/4λ波長板114bによって円偏光となる。そして、照射部114から被測定物OBJには、この円偏光の光が照射される。偏光子114aは、紫外域を含む光に対応するために、グランテーラープリズムなどの偏光プリズムで構成される。また、1/4λ波長板114bは、代表的に石英またはMgFなどからなる。
このように、照射部114は、光源118からの光を所定の偏光状態(代表的に、円偏光)にした上で、その光を被測定物OBJに向けて照射する。後述するように、本実施の形態に従う光学異方性測定装置100では、回転検光子法を用いて、紫外波長範囲のうち特定波長についての偏光状態を取得するので、当該特定波長において最も測定精度がよくないように、偏光子114aの向きや、1/4λ波長板114bの数および特性などを適宜変更してもよい。
受光部116は、検光子116aおよび回転モータ116bを含む。入射光が被測定物OBJで反射されて生じる反射光は、検光子116aに入射する。検光子116aは、被測定物OBJから分光部120までの反射光の光学搬経路上に配置された偏光素子であり
、反射光を直線偏光へと変える。この直線偏光に変えられた後の反射光は、光ファイバ128を介して分光部120へ導かれる。検光子116aは、回転モータ116bと連結されており、この回転モータ116bの回転位置に応じた偏光方向に直線偏光を生成する。なお、回転モータ116bは、データ処理部2からの制御指令に応じて、指定された回転位置まで回転する。
分光部120は、回折格子120aおよびマルチチャンネルフォトディテクタ120bを含む。回折格子120aは、受光部116からの反射光を分光し、分光された各波長の光成分はマルチチャンネルフォトディテクタ120bへ入射する。マルチチャンネルフォトディテクタ120bは、代表的に、CCD(Charge Couple Device)やPDA(Photo Detector Array)などの多波長の光検出器から構成される。マルチチャンネルフォトディテクタ120bは、その検出結果を反射光のスペクトルとしてデータ処理部2へ出力する。
データ処理部2は、分光部120からの検出結果に基づいて、被測定物OBJの分光エリプソパラメータを測定することにより、被測定物OBJの光学異方性を測定する。このデータ処理部2における処理の詳細については、後述する。
上述した図1および図2と本願発明との対応関係については、光源118が「光源」に相当し、照射部114が「照射部」に相当し、受光部116が「受光部」に相当し、分光部120が「分光部」に相当し、回転駆動部110および回転ブロック124が「回転機構」に相当し、回転ブロック124が「保持部」に相当し、回転駆動部110が「回転駆動部」に相当し、Y軸移動部ステージ106およびX軸移動ステージ108が「移動機構」に相当する。
(液晶ディスプレイ用の光学異方性薄膜)
図3は、この発明の実施の形態に従う光学異方性測定装置100における被測定物OBJの代表例である液晶ディスプレイ用の有機薄膜の概略構造図である。
図3を参照して、液晶ディスプレイ用の光学異方性有機層300は、ガラス基板304上に有機材料を塗布した後に焼成を行い、さらにその表面に物理的あるいは光化学的な処理を行なうことで形成される。すなわち、この有機材料の塗布によって形成される有機薄膜層306には、その表面に光学異方性有機層300が形成されるとともに、残りの部分は光学異方性をもたない等方性有機層302となっている。近年の典型的な液晶ディスプレイでは、有機薄膜層306(光学異方性有機層300および等方性有機層302)の層厚は、約100nm程度であるが、そのうち光学異方性をもつ光学異方性有機層300の層厚は数nmであると考えられている。
この数nmの光学異方性有機層300が光学異方性を発現させる理由としては、その層内における分子の配向と、その表面に形成される指向性を持った物理的溝とが考えられる。
光学異方性有機層300の層内では、物理的あるいは光化学的な処理によって、等方性有機層302に比較して有機分子の配向量が多くなっている。このような有機分子は誘電体であり、誘電体は多少なりとも紫外光との相互作用により電子分極するので、一般的には、紫外光のようなエネルギーの高い電磁波と共鳴することによる吸収を観測できる。
また、光学異方性有機層300に光の波長より短い周期をもつ表面構造(SWS:Subwavelength Structured Surface;以下「SWS」とも記す。)が形成されると、このSWSに入射する光の偏光状態に応じて異なる屈折率をもった層のように振る舞う。このよう
に、表面に周期的な微細構造をもつ層については、Effective Media Theoryに基づいて、光学異方性をもつ層として取扱うことができる。表面に形成された物理的溝であるSWSに起因する光学異方性層の有効屈折率neffは次式のようになる。
eff=cβ/ω
但し、cは真空中の光速であり、ωは光の角速度であり、βはブロッホ波の周波数であり、このβは光の伝搬方向と偏光に依存する値である。
このように、光学異方性有機層300における光学異方性は、光の波長に依存して変化することにある。
光学異方性有機層300は、その層厚が非常に小さいこともあり、層境界面に平行な面(X−Y平面)に光学軸のある1軸性光学異方性体とみなすことができる。すなわち、X軸方向の屈折率nとY軸方向の屈折率nとは互いに異なる一方で、Z軸方向の屈折率nは、屈折率nまたは屈折率nと同一であると考えることができる。この屈折率nと屈折率nとの差をΔnとし、光学異方性有機層300の膜厚をdとすると、両者の積であるΔndがリタデーション(複屈折位相差:以下「Δnd」とも記す。)と称されるもので、光学異方性薄膜の特性の1つを示すパラメータとなる。なお、Δnだけではなく、屈折率nおよび屈折率nの値そのものも光学異方性の特性を決定するが、後述するように、実際に影響を与えるのは、消衰係数も加味した複素屈折率である。また、この複素屈折率には波長依存性が存在する。
本実施の形態に従う光学異方性測定装置は、特に、同一の被測定物OBJにおける複素屈折率のムラ(バラツキ)の発生有無の検査に向けられるものである。このような同一の被測定物OBJにおける複素屈折率のバラツキを検査することで、液晶ディスプレイの各種製造プロセスにおける不具合部位を特定することができるとともに、製造装置などのパラメータを最適化して、液晶ディスプレイの品質および歩留まりを向上させることができる。
(光学異方性の測定原理)
本実施の形態に従う光学異方性測定装置100では、被測定物OBJからの反射光により光学異方性を測定する。
図2を参照して、所定の入射角において、入射光の偏光成分は、P偏光成分とS偏光成分とからなる。P偏光成分は、入射面に平行な電場をもつ光成分であり、S偏光成分は、入射面に垂直な電場をもつ光成分である。
また、被測定物OBJで反射して生じる反射光についても、P偏光成分とS偏光成分とからなる。ここで、入射光の偏光状態が予め既知であれば、反射光のP偏光成分とS偏光成分との位相差Δと振幅比Ψを測定することにより、反射表面の偏光特性、すなわち異方性特性を調べようとするものである。以下では、位相差Δおよび振幅比Ψを総称してエリプソパラメータとも称す。
ところで、所定の入射角で偏光(入射光)を被測定物OBJ表面に照射すると、たとえ被測定物OBJ表面が等方性であっても、反射光のP偏光成分とS偏光成分との位相差Δは、ゼロにはならない。また、反射光の振幅比Ψは、入射光の振幅比Ψとは異なったものとなる。これは、P偏光およびS偏光の電場ベクトルと、被測定物OBJである誘電体の電気双極子との間の幾何学的相互作用の違いによるものである。
そこで、被測定物OBJの光学異方性を示すエリプソパラメータを測定するために、被
測定物OBJに対する入射光の入射方向を回転させて、その回転に応じたエリプソパラメータの相対的な変位を測定する。このような測定方法によれば、被測定物OBJが等方性であれば、エリプソパラメータは入射光の入射方向に依存することなく一定値を示す。これは、エリプソパラメータを決定する要因である電気双極子との相互作用、すなわち被測定物OBJの屈折率が方向(X軸,Y軸,Z軸)にかかわらず一定であるためである。
これに対して、層境界面に平行な面(X−Y平面)に光学軸のある1軸性光学異方性体の場合には、X軸およびY軸にそれぞれ異なる屈折率をもつため、Z軸を中心にして入射光の入射方向を回転させることにより、入射光は異なる屈折率をもつ被測定物OBJに入射することになるから、反射光のエリプソパラメータも入射方向(入射回転角)に応じて変化することになる。
上記の内容を数学的に導くと以下のようになる。
被測定物OBJに入射する入射光の電場ベクトルをEとし、被測定物OBJで反射されて生じる反射光の電場ベクトルをEとし、反射特性を示すJones matrixをRとすると、以下のような関係が成立する。
=R・E
P偏光成分およびS偏光成分の別に記載すると、
Figure 0005156306
となる。ここで、被測定物OBJが等方性の物質であれば、反射率Rps=Rsp=0であるので、上記の式は以下のように表わすことができる。
Figure 0005156306
ここで、δppおよびδssは、それぞれP偏光成分およびS偏光成分が反射した際に生じる位相差である。
上記の式から、エリプソパラメータである位相差Δおよび振幅比Ψは、次のように導くことができる。
Figure 0005156306
次に、図3に示すように、単純なガラス基板の上に1つの薄膜層が形成された被測定物OBJの場合について考える。ここで、雰囲気層を添え字「0」、薄膜層を添え字「1」、基板層を添え字「2」とすると、各層の複素屈折率は、添え字iを用いて次にように表
わすことができる。
=n−jk
ここで、nはi層における屈折率であり、kはi層における消衰係数である。
互いに異なる屈折率をもつ層の界面では光の反射が生じるため、屈折率の異なるi層とi+1層との間の各境界面でのP偏光成分およびS偏光成分の振幅反射率(Fresnel係数)は次の式のように表わすことができる。
Figure 0005156306
ここで、φは、i層における入射角である。この入射角φは、以下のようなSnellの法則によって、最上層の雰囲気層(0層)における入射角から計算できる。
sinφ=Nsinφ
光が干渉可能な厚さをもつ薄膜内では、上式で表される反射率で反射する光が薄膜内を何度も往復する。そのため、表面で直接反射した光と薄膜内を多重反射した後の光との間ではその光路長が異なるため、位相が互いに異なったものとなり、薄膜表面において光の干渉がおきる。このような、各薄膜内における光の干渉効果を示すために、i層の薄膜における光の位相角βを導入すると、以下のように表わすことができる。
Figure 0005156306
ここで、dはi層の厚さを示し、λは入射光の波長を示し、φはi層における入射角を示す。
これらのパラメータを用いて、雰囲気層、薄膜層、基板層の3層についての、P偏光成分およびS偏光成分の複素反射係数を計算すると次の式のようになる。
Figure 0005156306
以上の式から、エリプソパラメータ(位相差Δおよび振幅比Ψ)は、複素屈折率N、膜厚d、入射角φ、入射光波長λの関数であることがわかる。
一方、被測定物OBJが光学異方性をもつ場合には、Rps≠Rspとなる。また、上述のFresnel係数を表わすにはri,i+1p,ri,i+1sだけでなく、ri,i+1ps,ri,i+1spも必要となる。さらに、位相角βもP偏光成分の位相角βpiおよびS偏光成分の位相角βsiが必要である。このとき着目すべきは、1軸性光学異方性体には、2つの複素屈折率NixおよびNiyが存在することであり、それは次のように表される。
1x=n1x−jk1x
1y=n1y−jk1y
一般的に複屈折現象と呼ばれる現象は、上式において、消衰係数k1xおよび消衰係数k1yが実質的にゼロとなり、かつ屈折率n1xと屈折率n1yとが異なる波長域において生じるものである。先行技術に示すような光学異方性測定装置は、いずれも、消衰係数k1xおよび消衰係数k1yが実質的にゼロとなり波長帯において、屈折率n1xと屈折率n1yとの違いによって被測定物の光学異方性を測定するものである。
一方、光学異方性薄膜において相対的に大きな吸収が生じる波長帯域においては、消衰係数k1xおよび消衰係数k1yを実質的にゼロとみなすことはできない。さらに、一般的な考察として、物理的あるいは光化学的な処理によって分子が配向させられることにより、k1x≠k1yとなる二色性(dichroism)現象が生じている可能性が高い。
すなわち、光学異方性薄膜の吸収波長を用いて測定することで、屈折率n1xと屈折率n1yとの違いに加えて、消衰係数k1xと消衰係数k1yとの違いによるエリプソパラメータの変動量を大きくできる。これにより、測定精度をより高めることができる。
(吸収波長)
上述したように、消衰係数が非ゼロの値をとるような波長の入射光を用いることで、入射回転角の変化に伴うエリプソパラメータの変動量を大きくでき、その結果、測定精度を高めることができる。
そこで、以下では、このような消衰係数が非ゼロとなるような波長、すなわち入射光のうち相対的に多くの成分が被測定物OBJに吸収されてしまう波長について説明する。
図4は、液晶ディスプレイに使用される光学異方性薄膜の相対透過率についてのスペクトルの一例である。なお、実際の製造プロセスでは、図3に示すようにガラス基板上に成膜されるため、測定される透過率はガラス基板の透過特性の影響を受けるが、図4に示す測定結果においては、紫外透過性のある石英基板上に光学異方性薄膜を成膜した上で、紫外域から可視域にわたって測定したものである。
図4を参照して、この光学異方性薄膜では、340nm近傍に吸収ピークが存在していることがわかる。これに対して、可視域(450nm〜750nm)では、相対透過率がほぼ1に近い値を維持しているのがわかる。これは、対象とする光学異方性薄膜が液晶ディスプレイといった人間が可視域で使用するデバイスに使用されるためであると考えられる。すなわち、液晶ディスプレイに使用される光学異方性薄膜の光学異方性を測定しようとする場合には、可視域以外の波長を選択することが好ましいことになる。そこで、本実施の形態に従う光学異方性測定装置100では、185nm〜400nmの紫外波長範囲を測定に利用する。
紫外波長範囲の上限を400nmとした第1の理由は、測定対象とする光学異方性薄膜が液晶ディスプレイなどの光学デバイスとして利用されるならば、一般的に400nm以上の可視域では高い透過率を保持すべきであり、400nm以上に吸収ピークが存在することはないと考えられるからである。また、第2の理由は、上述したように、一般的に、液晶ディスプレイなどのガラス基板は400nm以下の波長から急速に透過率が減少するからである。
また、紫外波長範囲の下限を185nmとした第1の理由は、連続波長を発生する光源が空気中の酸素の影響を受けずに(すなわち、窒素パージを要することなく)利用できる波長範囲にあるからである。また、第2の理由は、分光部120のマルチチャンネルフォトディテクタ120bを構成するCCDやPDAなどの光検出器が十分感度よく検出できる波長範囲にあるからである。第3の理由は、光学異方性薄膜の構造的な見地から、185nm以上に吸収ピークが存在する可能性が高いからである。
第3の理由としては、液晶ディスプレイ用の有機薄膜の光学異方性を測定する場合などにおいて、ガラス基板や下層などによる測定への影響を低減するためである。すなわち、対象とする光学異方性薄膜の消衰係数k1xおよび消衰係数k1yが実質的にゼロ(光吸収がない)の波長(たとえば、可視域)での光学異方性測定では、光学異方性薄膜に入射した入射光はガラス基板まで達する。さらに、ガラス基板自体も透過率が高いため、入射光はガラス基板の裏面まで達する可能性もある。すると、ガラス歪みによって測定結果が影響を受ける可能性もある。また、光学異方性薄膜が均質でない場合など、光学異方性を示す表面層ではなく、内部のいわゆるバルク層に起因する測定への影響も考えられる。さらには、実用的部品レベルでの測定では、対象となる光学異方性薄膜の下層にさらに何らかの膜層(透明電極など)や構造物の層が成膜されている場合があり、これらの不均一性などに起因する測定への影響も考えられる。
これに対して、本実施の形態に従う光学異方性測定装置が使用する紫外波長範囲では、一般的な液晶ディスプレイに使用されているガラス基板の透過率は低い(350nmにおいて透過率約40%程度)。そのため、ガラス基板の裏面で反射された光がガラス基板の表面まで達する量はほとんど無視できるので、ガラス歪みによる影響を受けない。
たとえば、図4に示す光学異方性薄膜の膜厚は、分光エリプソメトリを用いて約80nmであると測定された。この膜厚で、入射光を光学異方性薄膜に垂直に入射して測定した場合の相対透過率は340nmで約80%である。反射光学系において、入射角を60度〜70度程度に設定して測定する場合、有機層の光路長は、入射光を垂直に入射する場合に比較して長くなり、かつ、この有機層を最低1往復しなければ表面には現れない。すなわち、有機層の裏面で反射した光が光学異方性薄膜の表面に現れるためには、光学異方性薄膜の裏面まで達した入射光が、その裏面で反射して有機層を経て雰囲気層に抜けなければならない。しかしながら、有機層と隣接する下層との膜界面の反射率は、両者の屈折率差が空気界面と比較すると小さいため、非常に小さい値となる。さらに、入射光が垂直ではなく、斜めに入射することを考慮すると、約100nmの有機層において、有機層に裏面に達する入射光は入射光の約65%である。有機層と隣接する下層との膜界面の反射率が約1%程度だと想定すると、有機層表面まで戻る光は、入射光の約0.4%にすぎない。この値は、光学異方性薄膜の表面で反射する反射光の1/10以下である。
以上の条件により、本実施の形態に従う光学異方性測定装置が使用する紫外波長範囲(たとえば、185nm〜400nm)では、光学異方性薄膜の有機膜を経由した反射光は非常に小さく、この反射光による測定への影響は無視できるといえる。
なお、185nm〜400nmの紫外波長範囲を光学異方性測定に利用するためには、
少なくとも回折格子120aおよびマルチチャンネルフォトディテクタ120bがこれらの紫外波長範囲についての分光スペクトルを検出できればよい。しかしながら、光学異方性特性に加えて、被測定物OBJの反射率などの分光データを同時に測定できるようにしてもよい。この場合には、回折格子120aおよびマルチチャンネルフォトディテクタ120bが紫外域から可視域にわたって分光スペクトルを検出できるようにすればよい。
ところで、図3に示すような液晶ディスプレイ用の有機薄膜に対して、上述のような吸収ピークを生じる波長を透過率測定で求めることは困難である場合が多い。上述したように、液晶ディスプレイなどに用いられるガラス基板は、紫外域の光の透過率が低いためである。
そこで、回転検光子法を用いて、このようなサンプルに対するエリプソパラメータ(位相差Δと振幅比Ψ)を測定することで、上述したような吸収ピークの波長を特定することができる。
図5は、図4において対象とした光学異方性薄膜と同一の光学異方性薄膜についてのエリプソパラメータの測定結果を示す図である。図5(a)は、振幅比Ψ(tanΨ)の波長依存特性を示し、図5(b)は、位相差Δ(cosΔ)の波長依存特性を示す。
図5(b)に示すように、位相差Δの分光スペクトルには、図4と同様の位置(340nm近傍)でピーク的に減少している部分が存在する。すなわち、位相差Δを示すcosΔの値は、消衰係数が0である波長においては、「1」または「−1」近傍の値をとるが、消衰係数が大きい波長においては、それ以外の値になるからである。
また、測定対象とする光学異方性薄膜の膜厚が一般的な液晶ディスプレイに用いられている約100nm程度であれば、膜内干渉による影響が少ないため、被測定物OBJについての位相差Δ(cosΔ)の分光スペクトルを測定することで、当該被測定物OBJの吸収ピークを特定することができる。
なお、一般的に、光学異方性薄膜の材質や焼成条件などが変化すると、吸収ピーク波長も変動する可能性があり、位相差Δの分光スペクトルを適宜取得することが重要となる。
(データ処理部の構成)
図6は、この発明の実施の形態に従うデータ処理部2の概略のハードウェア構成を示す模式図である。
図6を参照して、データ処理部2は、代表的にコンピュータによって実現され、オペレーティングシステム(OS:Operating System)を含む各種プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)200と、CPU200でのプログラムの実行に必要なデータを一時的に記憶するメモリ部212と、CPU200で実行されるプログラムを不揮発的に記憶するハードディスク部(HDD:Hard Disk Drive)210とを含む。また、ハードディスク部210には、後述するような処理を実現するためのプログラムが予め記憶されており、このようなプログラムは、FDDドライブ216またはCD−ROMドライブ214によって、それぞれフレキシブルディスク216aまたはCD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)214aなどから読取られる。
CPU200は、キーボードやマウスなどからなる入力部208を介してユーザなどからの指示を受取るとともに、プログラムの実行によって測定される測定結果などをディスプレイ部204へ出力する。また、CPU200は、インターフェイス部206を介して、Y軸移動部ステージ106、X軸移動ステージ108、回転駆動部110および受光部
116へ制御指令を与えるとともに、分光部120から検出結果を取得する。
(制御構造)
図7は、この発明の実施の形態に従うデータ処理部2における制御構造を示すブロック図である。図7に示すブロック図は、CPU200がハードディスク部210などの予め格納されたプログラムをメモリ部212などに読み出して実行することで実現される。
図7を参照して、データ処理部2は、位置制御部21と、入射回転角制御部22と、波長抽出部23と、波長選択部24と、エリプソパラメータ算出部25と、エリプソパラメータバッファ部27と、光学異方性評価部28と、マッピング部29とをその機能として含む。
位置制御部21は、被測定物OBJに関するデータである被測定物情報を受取り、この被測定物情報に基づいて、Y軸移動部ステージ106およびX軸移動ステージ108を任意の測定位置へ移動させるための指令(X座標およびY座標)を出力する。この被測定物情報は、被測定物OBJが搬送される毎にユーザが入力してもよいが、多くの場合、生産ラインを制御する上位コンピュータなどから当該情報を受信する構成が一般的である。
より具体的には、位置制御部21は、被測定物OBJに対して所定の間隔毎に光学異方性を評価すべき座標を決定し、Y軸移動部ステージ106およびX軸移動ステージ108をこの決定した測定位置に順次移動させる。
入射回転角制御部22は、位置制御部21で決定された測定位置の各々において、回転シャフト112を所定の角度ずつ回転させるための指令(入射回転角)を回転駆動部110へ出力する。すなわち、入射回転角制御部22は、測定位置の各々において、被測定物OBJに対する入射光の入射回転角を順次変更する。また、入射回転角制御部22は、エリプソパラメータ算出部25に対して、各タイミングにおける入射回転角を通知する。
波長抽出部23は、分光部120(図2)から出力される分光結果(分光スペクトル)のうち、所定の吸収波長の成分を抽出してエリプソパラメータ算出部25へ出力する。ここで、吸収波長は被測定物OBJの物性に依存するので、波長抽出部23は、上述の被測定物情報に基づいて、抽出すべき波長を決定する。
これに代えて、波長選択部24が分光部120(図2)によって分光された各光成分のエリプソパラメータの値に基づいて、波長抽出部23で抽出すべき波長を決定してもよい。より具体的には、波長選択部24は、波長抽出部23およびエリプソパラメータ算出部25を協働させて、図5に示すようなエリプソパラメータの波長依存特性を算出する。そして、波長選択部24は、このエリプソパラメータが特徴的な挙動を示す波長、たとえば、反射光のP偏光成分とS偏光成分との位相差Δから得られるcosΔが極小値(バレイ)となる波長を吸収波長であると判断する。波長選択部24は、このように決定し吸収波長を波長抽出部23へ設定する。なお、波長選択部24における動作は、ある種類の被測定物OBJが検査ステージ104上に初めて搬入されたタイミングで実行すればよい。そして、同種の被測定物OBJが連続的に搬送される場合には、決定した同一の吸収波長をそのまま使用すればよい。
エリプソパラメータ算出部25は、各測定位置(X座標,Y座標)の各入射回転角について、エリプソパラメータ(反射光のP偏光成分とS偏光成分との位相差Δまたは振幅比Ψ)を算出する。ここで、エリプソパラメータ算出部25は、公知のエリプソメータと同様に、回転検光子法を用いてエリプソパラメータを算出する。すなわち、エリプソパラメータ算出部25は、検光子制御部26に指令を与えて、受光部116に含まれる検光子1
16a(図2)を連続的に回転させる。検光子制御部26は、エリプソパラメータ算出部25からの指令に従って、回転駆動指令を回転モータ116b(図2)へ出力する。そして、エリプソパラメータ算出部25は、この検光子116aの回転に伴う吸収波長の受光強度変化に基づいて、エリプソパラメータを算出する。
また、エリプソパラメータ算出部25は、データバッファ部25aを含んでおり、それぞれ検光子116aの回転および入射回転角の変化に伴う吸収波長の受光強度変化をこのデータバッファ部25aに一時的に蓄える。そして、エリプソパラメータ算出部25は、この一時的に蓄えた受光強度変化に基づいて、エリプソパラメータを算出する。
このように、エリプソパラメータ算出部25は、偏光素子である検光子116aの状態および分光部120からの検出結果に基づいて、反射光の紫外波長範囲のうち特定波長の偏光状態を取得する。
エリプソパラメータバッファ部27は、エリプソパラメータ算出部25で算出されたエリプソパラメータを入射回転角に対応付けて一次的に格納する。光学異方性評価部28は、このエリプソパラメータバッファ部27に格納された、入射回転角の変化に伴うエリプソパラメータの変化に基づいて、各測定位置における被測定物OBJの光学異方性を算出する。
図8は、この発明の実施の形態に従う光学異方性測定装置100を用いて光学異方性薄膜を測定した結果の一例を示す図である。図8(a)は、入射回転角の変化に伴う位相差Δの特性変化を示し、図8(b)は、入射回転角の変化に伴う振幅比Ψの特性変化を示す。なお、光学異方性薄膜としては、図3に示すような液晶ディスプレイ用の有機薄膜を用いた。
図9は、この発明の実施の形態に従う光学異方性測定装置100を用いて等方性物質を測定した結果の一例を示す図である。
図8(a)を参照して、入射光の分光スペクトルのうち、340nm(紫外域)および633nm(可視域)の成分についてそれぞれ算出した位相差Δを比較すると、入射回転角の変化に伴う変動量は、340nmについての位相差Δの方が633nmについての位相差Δに比較して大きいことがわかる。これは、図3に示すような光学異方性薄膜では、相対的に大きな吸収が生じる吸収波長が紫外域に存在するためである。
また、図8(b)を参照して、図8(a)と同様に、340nmについての振幅比Ψの変動量は、633nmについての振幅比Ψの変動量に比較して大きいことがわかる。なお、図8(b)における振幅比Ψは、実際の振幅比=tanΨとして取り扱った場合の角度を示す。
このように、分光部120で検出される分光スペクトルのうち、被測定物OBJの吸収波長の成分を用いてエリプソパラメータを算出することで、より精度の高い測定を実現することができる。
これに対して、図9に示すように、等方性物質(代表的に、図3に示すガラス基板304)を測定した場合には、位相差Δは入射回転角によらず常にゼロとなる。
図10は、この発明の実施の形態に従う光学異方性測定装置100を用いて同一の光学異方性薄膜の異なる2点を測定した結果の一例を示す図である。
図10を参照して、光学異方性薄膜である被測定物OBJにおいて、その表面に光学異方性のムラがあるとすると、互いに異なる光学異方性をもつ測定位置Aおよび測定位置Bにおいて測定されるエリプソパラメータには差異が生じる。具体的には、入射回転角の変化に伴う測定位置Aにおける位相差Δの最大値と最小値との差(振幅A)は、入射回転角の変化に伴う測定位置Bにおける位相差Δの最大値と最小値との差(振幅B)に比較して大きいことがわかる。この位相差Δの最大値と最小値との差の大きさは、光学異方性の大きさに依存するので、光学異方性評価部28(図7)は、この位相差Δの最大値と最小値との差を、光学異方性を示す特徴量として出力する。
なお、本実施の形態に従う光学異方性測定装置100は、対象とする被測定物OBJの表面における光学異方性のムラを評価することを一つの目的としており、位相差Δの最大値と最小値との差の絶対値ではなく、この位相差Δの最大値と最小値との差の相対的な変動を評価する。
再度、図7を参照して、マッピング部29は、位置制御部21によるY軸移動部ステージ106およびX軸移動ステージ108に移動に応じて、光学異方性評価部28で算出される測定位置の各々における光学異方性を当該測定位置と対応付けて記憶する。より具体的には、マッピング部29は、上述のように光学異方性評価部28から出力される位相差Δの最大値と最小値との差を、位置制御部21からの各測定位置における座標(X,Y)と対応付けて記憶することで、被測定物OBJの表面のいずれの部位に光学異方性のムラが生じているかを評価することができる。なお、マッピング部29は、この対応付けを行なったマッピング結果をディスプレイ部204(図6)で表示したり、インターフェイス部206を介して上位コンピュータへ伝送したり、ハードディスク部210に格納したりする。
上述した図7と本願発明との対応関係については、エリプソパラメータ算出部25が「偏光状態取得部」に相当し、光学異方性評価部28が「光学異方性取得部」に相当する。
(変形例)
なお、測定対象とする光学異方性薄膜の種類によっては、その表面に光学異方性のムラが存在していても、入射回転角の変化に伴う位相差Δの最大値と最小値との差がそれほど大きく変化しない場合がある。
図11は、この発明の実施の形態の変形例に従う光学異方性測定装置100を用いて同一の光学異方性薄膜の異なる2点を測定した結果の一例を示す図である。
図11を参照して、その表面に光学異方性のムラがあるとすると、位相差Δが最大値または最小値をとる入射回転角に差異が生じ得る。具体的には、入射回転角の変化に伴う測定位置Aにおける位相差Δが最大値を生じる入射回転角がθAmaxとなり、入射回転角の変化に伴う測定位置Bにおける位相差Δが最大値を生じる入射回転角がθBmax(≠θAmax)となった場合には、測定位置Aと測定位置Bとの間には光学異方性のムラがあると判断できる。
同様に、入射回転角の変化に伴う測定位置Aにおける位相差Δが最小値を生じる入射回転角がθAminとなり、入射回転角の変化に伴う測定位置Bにおける位相差Δが最小値を生じる入射回転角がθBmin(≠θAmin)となった場合には、測定位置Aと測定位置Bとの間には光学異方性のムラがあると判断できる。
このように、入射回転角の変化に伴って位相差Δが最大値または最小値をとる入射回転角に基づいて、光学異方性を評価できるので、光学異方性評価部28(図7)は、この位
相差Δが最大値または最小値をとる入射回転角を、光学異方性を示す特徴量として出力する。
なお、上述の説明では、エリプソパラメータとして位相差Δを用いる場合について例示したが、位相差Δに代えて振幅比Ψを用いてもよい。
(処理手順)
上述したような被測定物OBJに対する光学異方性の測定方法をまとめると、次のような処理手順となる。
図12は、この発明の実施の形態に従う光学異方性測定装置100を用いた光学異方性測定に係る処理手順を示すフローチャートである。
図12を参照して、データ処理部2のCPU200(図6)は、検査ステージ104(図1)に被測定物OBJがセットされたか否かを判断する(ステップS100)。一例として、CPU200は、被測定物OBJの搬送を検知するセンサ(図示しない)、もしくは上位コンピュータなどからの情報に基づいて、被測定物OBJについてのセットの有無を判断する。被測定物OBJがセットされなければ(ステップS100においてNO)、被測定物OBJがセットされるまで待つ。
被測定物OBJがセットされると(ステップS100においてYES)、CPU200は、測定パラメータを含む被測定物情報を取得する(ステップS102)。ここで、被測定物情報は、ユーザによって設定されてもよいし、上位コンピュータによって設定されてもよい。次に、ユーザは、照射部114および受光部116(図1)の入射角および反射角を所定値に設定する(ステップS104)。ここで、照射部114の入射角(受光部116の反射角)は、擬似ブリュースター角となるように設定することが望ましい。なお、擬似ブリュースター角とは、入射光の被測定物OBJ表面でのP偏光成分の反射率Rが最小値をとる角度である。さらに、ユーザは、照射部114における偏光子114aおよび1/4λ波長板114bを調整する(ステップS106)。すなわち、ユーザは、入射光が所定の偏光状態となるように、偏光子114aの回転角度や1/4λ波長板114bの数や特性などを適宜設定する。
なお、本実施の形態においては、上述のステップS104およびステップS106をユーザが実施する場合について例示するが、調整機構や交換機構などをさらに付加して、自動的に実施できるようにしてもよい。
次に、CPU200は、Y軸移動部ステージ106およびX軸移動ステージ108(図1)に移動指令を与えて、回転ブロック124を所定の測定位置に移動させる(ステップS108)。続いて、CPU200は、回転駆動部110に回転指令を与えて、被測定物OBJに対する照射部114の入射回転角を所定の角度に設定する(ステップS110)。その後、CPU200は、光源118に指令を与えて、被測定物OBJに対する入射光の照射を開始する(ステップS112)。
入射光の照射開始後、CPU200は、受光部116の回転モータ116bに回転駆動指令を与えて、検光子116aの回転角度を所定値に設定する(ステップS114)。そして、CPU200は、このときに分光部120から出力される分光スペクトルのうち、吸収波長の成分を抽出して格納する(ステップS116)。その後、CPU200は、現在の測定位置および入射回転角において、検光子116aに設定されるすべての回転角度について測定が完了したか否かを判断する(ステップS118)。まだ、測定すべき検光子116aの回転角度が存在している場合(ステップS118においてNOの場合)には
、CPU200は、ステップS114以下の処理を繰返す。
これに対して、検光子116aに設定されるすべての回転角度について測定が完了している場合(ステップS118においてYESの場合)には、CPU200は、現在の測定位置において、設定されるすべての入射回転角度について測定が完了したか否かを判断する(ステップS120)。まだ、測定すべき入射回転角度が存在している場合(ステップS120においてNOの場合)には、CPU200は、ステップS110以下の処理を繰返す。
これに対して、設定されるすべての入射回転角度について測定が完了している場合(ステップS120においてYESの場合)には、CPU200は、測定結果に基づいて、入射回転角度の各々について、エリプソパラメータを算出する(ステップS122)。さらに、CU200は、入射回転角の変化に伴うエリプソパラメータの変化に基づいて、当該測定位置における被測定物OBJの光学異方性を算出する(ステップS124)。
その後、CPU200は、すべての測定位置について測定が完了したか否かを判断する(ステップS126)。まだ、測定すべき測定位置が存在している場合(ステップS126においてNOの場合)には、CPU200は、ステップS108以下の処理を繰返す。
これに対して、すべての測定位置について測定が完了している場合(ステップS126においてYESの場合)には、CPU200は、測定位置の各々において算出された光学異方性を当該測定位置と対応付けて記憶する(ステップS128)。さらに、CPU200は、測定位置に対応付けた光学異方性を測定結果として出力する(ステップS130)。そして、処理は終了する。
この発明の実施の形態によれば、紫外波長範囲(一例として、185nmから400nmまでの範囲)を含む入射光を被測定物に照射する。光学異方性有機薄膜などのように、有機分子が配向することで光学異方性を示す被測定物などでは、紫外光との共鳴によって光の吸収が生じる。このような光吸収が生じる(消衰係数がゼロではない)波長を用いることで、入射回転角の変化に伴うエリプソパラメータの変動量を大きくできる。これにより、検出感度を高めることができるので、より高精度に光学異方性を測定できる。特に、被測定物において吸収ピークを生じる波長を用いることで、より測定精度を高めることができる。さらに、ガラス基板上に形成された光学異方性有機薄膜を測定する場合などには、測定に用いる紫外波長範囲の入射光がガラスで減衰するので、多重反射などによる測定誤差を回避できる。
また、この発明の実施の形態によれば、入射光に含まれる紫外波長範囲の分光スペクトルを求めた上で、必要な波長を抽出して光学異方性の測定に使用するので、測定対象の種類に応じて適切な波長に基づいて光学異方性を測定できる。
また、この発明の実施の形態によれば、被測定物の上部に配置された回転ブロックが任意の測定場所において、任意の入射回転角を実現するので、測定に際して測定物を回転などさせる必要がない。特に、液晶ディスプレイなどの大型な被測定物に対して、光学異方性を測定しようとした場合にも、測定装置に係る構成を簡素化できるとともに、必要な設置面積を低減できる。さらに、測定に要する時間を短縮することもできる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態に従う光学異方性測定装置の概略構成図である。 この発明の実施の形態に従う光学異方性測定装置における主要部を説明するための図である。 この発明の実施の形態に従う光学異方性測定装置における被測定物の代表例である液晶ディスプレイ用の有機薄膜の概略構造図である。 液晶ディスプレイに使用される光学異方性薄膜の相対透過率についてのスペクトルの一例である。 図4において対象とした光学異方性薄膜と同一の光学異方性薄膜についてのエリプソパラメータの測定結果を示す図である。 この発明の実施の形態に従うデータ処理部の概略のハードウェア構成を示す模式図である。 この発明の実施の形態に従うデータ処理部における制御構造を示すブロック図である。 この発明の実施の形態に従う光学異方性測定装置を用いて光学異方性薄膜を測定した結果の一例を示す図である。 この発明の実施の形態に従う光学異方性測定装置を用いて等方性物質を測定した結果の一例を示す図である。 この発明の実施の形態に従う光学異方性測定装置を用いて同一の光学異方性薄膜の異なる2点を測定した結果の一例を示す図である。 この発明の実施の形態の変形例に従う光学異方性測定装置を用いて同一の光学異方性薄膜の異なる2点を測定した結果の一例を示す図である。 この発明の実施の形態に従う光学異方性測定装置を用いた光学異方性測定に係る処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
2 データ処理部、21 位置制御部、22 入射回転角制御部、23 波長抽出部、24 波長選択部、25 エリプソパラメータ算出部、25a データバッファ部、26
検光子制御部、27 エリプソパラメータバッファ部、28 光学異方性評価部、29
マッピング部、100 光学異方性測定装置、102 台座部、104 検査ステージ、106 Y軸移動部ステージ、108 X軸移動ステージ、110 回転駆動部、112 回転シャフト、114 照射部、114a 偏光子、114b 1/4λ波長板、116 受光部、116a 検光子、116b 回転モータ、118 光源、120 分光部、120a 回折格子、120b マルチチャンネルフォトディテクタ、124 回転ブロック、126,128 光ファイバ、130,132 ガイドレール、204 ディスプレイ部、206 インターフェイス部、208 入力部、210 ハードディスク部(HDD)、212 メモリ部、214 CD−ROMドライブ、214a CD−ROM、216 FDドライブ、216a フレキシブルディスク、300 光学異方性有機層、302 等方性有機層、304 ガラス基板、306 有機薄膜層、OBJ 被測定物。

Claims (9)

  1. 所定の紫外波長範囲を含む光を発生する光源と、
    前記光源からの光を所定の偏光状態にした上で、被測定物に向けて照射する照射部と、
    前記照射部からの入射光が前記被測定物で反射されて生じる反射光を分光し、分光された各光の強度を検出する分光部と、
    前記被測定物から前記分光部までの前記反射光の光学搬経路上に配置された偏光素子を含んだ受光部と、
    前記偏光素子の状態および前記分光部からの検出結果に基づいて、前記反射光の前記紫外波長範囲のうち前記被測定物で吸収ピークを生じる特定波長の偏光状態を示す特性値を取得する偏光状態取得部と、
    前記被測定物に対する前記入射光の入射回転角を変更可能な回転機構と、
    前記回転機構による前記入射回転角の変化に伴う前記偏光状態を示す特性値の特性変化に基づいて、前記入射光の照射位置における前記被測定物の光学異方性を算出する光学異方性取得部とを備える、光学異方性測定装置。
  2. 前記紫外波長範囲は、185nmから400nmである、請求項1に記載の光学異方性測定装置。
  3. 前記偏光状態取得部は、前記偏光状態を示す特性値として、S偏光成分とP偏光成分との位相差または振幅比を取得する、請求項1または2に記載の光学異方性測定装置。
  4. 前記回転機構は、
    前記照射部および前記受光部を所定の位置関係を保って保持する保持部と、
    前記入射光の照射位置を通る回転軸を中心として前記保持部を回転させる回転駆動部とを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学異方性測定装置。
  5. 前記光学異方性取得部は、前記入射回転角の変化によって生じる前記偏光状態を示す特性値の最大値と最小値との差に基づいて、前記光学異方性を取得する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学異方性測定装置。
  6. 前記光学異方性取得部は、前記入射回転角の変化によって生じる前記偏光状態を示す特性値が最大値または最小値をとる入射回転角に基づいて、前記光学異方性を取得する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学異方性測定装置。
  7. 前記被測定物における前記入射光の照射位置を測定対象面に沿って移動させる移動機構と、
    前記照射位置の変化に応じて、前記照射位置の各々における前記光学異方性を当該照射位置と対応付けて記憶する記憶部とをさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学異方性測定装置。
  8. 前記分光部によって分光された各光成分の前記偏光状態を示す特性値に基づいて、前記特定波長を決定する波長選択部をさらに備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学異方性測定装置。
  9. 光学異方性測定装置を用いた被測定物の光学異方性測定方法であって、
    前記光学異方性測定装置は、
    所定の紫外波長範囲を含む光を発生する光源と、
    前記光源からの光を所定の偏光状態にした上で、被測定物に向けて照射する照射部と、
    前記照射部からの入射光が前記被測定物で反射されて生じる反射光を分光し、分光された各光の強度を検出する分光部と、
    前記被測定物から前記分光部までの前記反射光の光学搬経路上に配置された偏光素子を含んだ受光部と、
    前記被測定物に対する前記入射光の入射回転角を変更可能な回転機構とを備え、
    前記光学異方性測定方法は、
    前記照射部から前記被測定物へ前記入射光を照射するステップと、
    前記偏光素子の状態および前記分光部からの検出結果に基づいて、前記反射光の前記紫外波長範囲のうち前記被測定物で吸収ピークを生じる特定波長の偏光状態を示す特性値を取得するステップと、
    前記被測定物に対する前記入射光の入射回転角を順次変化させるステップと、
    前記入射回転角の変化に伴う前記偏光状態を示す特性値の特性変化に基づいて、前記入射光の照射位置における前記被測定物の光学異方性を算出するステップとを備える、光学異方性測定方法。
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