JP5155345B2 - マンホール等の立坑用円筒ケーシングの接続構造及びその接続構造に使用するシール材 - Google Patents
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Description
また、上下の円筒ケーシング2、3の両端面にその全周に亘ってそれぞれ対応する溝5が形成され、その溝5にその全周に亘ってシール材を装填して、立坑内外のシール(止水)を担保したものもある。そのとき、シール材は、接着材によって下側の円筒ケーシング2に固定され、下側の円筒ケーシング2に上側の円筒ケーシング3が積み重ねられることによってその上から押圧されて(押圧力を受けて)溝5内面に圧接してその両円筒ケーシング2、3の界面(両端面)をシールする。
一方、特許文献2に記載のシール材4にあっては、上記接合端面が開いた場合や、大深度で外水圧が高い場合においても、シール性が担保されて立坑内に漏水する恐れが少ない。
しかし、図7から理解できるように、シール材4はその断面形状が複雑であって、その成型が煩雑となり、高価なものとなっているとともに、複雑な構造の溝5への圧入のため、その圧入が確実に成されないと(図7に示すように、溝5にシール材4が変形無く十分に嵌っていないと)、そのシール性を担保できない恐れが生じる。
このシール材の最上下面が溝の底面に接することによって、この発明のシール材は、本願図7の膨出係合部5bを有することなく、その最上下面の溝底面への当接によってシール性を担保する。このように、膨出係合部5bの無いことは、溝にシール材を装填することが容易であって、その作業性が良いこととなる。
また、上からの押圧により空洞でもって左右方向に突出すれば、その突出した面が溝側面に圧接することとなってシール性(止水性)を担保する。
この構成であると、地震等によって、上下の円筒ケーシングが上下方向相対的に移動してその上下の円筒ケーシングの対向する端面の間に目地開きが生じてシール材13に水圧がかかると、そのシール材が前記水圧でもって移動して両溝の側面に押付けられるとともに前記端面間の目地開き内に食込んで止水する。
また、シール材の断面幅は上下方向それぞれその幅の中央に向かって又は上方向その幅の中央に向かって徐々に狭くなっている形状でなくても、その縦断面が長方形、正方形等の角形であっても、上からの押圧によりその空洞でもって下方向に潰されるとともに左右方向に突出する形状であれば、何れでも良い。
この場合、上方の溝が縦断面等脚台形、下方の溝が縦断面上下逆等脚台形、すなわち上下の溝が上下の円筒ケーシング界面でもって線対称の等脚台形とすると良い。この構造であると、シール材が上から押圧されて下方向に空洞でもって潰されると、幅方向中心軸に対し左右線対称であることから、左右両方向に確実に突出してその側面が溝の側面に確実に当接し、シール性が高いものとなる(図3参照)。
シール材13は、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)系又は天然ゴム(NR)系のゴムからなる長尺物であって、押出し成形などによって形成される。その縦断面形状は、ほぼ長方形をしてその中央に細長の空洞14を有するとともに、上辺に対の三角状突起16、下辺に台形状突起15を有する幅方向中心軸cに対し左右対称となっている。上辺の突起16・・は、中央部の2個に対して両側の2個の高さが低くされて、中央部の突起16が溝底面に接した後に両側の突起16が溝底面に接するようになって、全ての突起16が溝底面に確実に接して十分なシール性を担保できるようになっている。その空洞14及び各突起15、16は長さ方向全長に亘っている。
この装置の上記空間22内にポンプPにより水圧をかけると(水を供給すると)、その水圧に応じて目地開きtの大きさが変化する。その開き量はボルト23の締め代によって調整する。
その各水圧、各片開き量(目地開きtの幅)におけるこのシール材13のシール性の結果を下記表1に示す。この実験結果によると、このシール材13は十分なシール性を発揮することが確認できる。
また、円筒ケーシング2、3も図示のものに限定されず、単管と称されるもの等においてもこの発明は適応できることは勿論である。
11、12 溝
13 シール材
14 空洞
15、16 突起
t 目地開き
Claims (5)
- 地中にマンホール等の立坑を構築する際、その立坑内に軸方向を上下方向として設置した上下の円筒ケーシング(2、3)の対向する両端面全周に亘ってそれぞれ対応する溝(11、12)を形成し、その溝(11、12)の全周に亘ってシール材(13)を装填した円筒ケーシングの接続構造であって、
上記上方の溝(11)の縦断面の幅が上方その幅の中央に向かって徐々に狭くなって最上面に至っているとともに、下方の溝(12)の縦断面の幅が下方その幅の中央に向かって徐々に狭くなって最下面に至っており、
上記シール材(13)はその縦断面中央に空洞(14)を有し、上記上下の円筒ケーシング(2、3)がその軸方向を上下方向としてその対向する両端面が接して設置された際、そのシール材(13)は、上記両溝(11、12)内に収まってその最上下面が溝(11、12)の底面に接して上からの押圧により前記空洞(14)でもって下方向に潰されているとともに左右方向に突出しており、
上記上下の円筒ケーシング(2、3)が上下方向相対的に移動してその上下の円筒ケーシング(2、3)の対向する端面の間に目地開き(t)が生じて上記シール材(13)に水圧がかかると、そのシール材(13)が前記水圧でもって移動して上記両溝(11、12)の側面に押付けられるとともに前記目地開き(t)内に食込んで止水することを特徴とする立坑用円筒ケーシングの接続構造。 - 上記シール材(13)の断面幅は上方向その幅の中央(c)に向かって徐々に狭くなっていることを特徴とする請求項1に記載の立坑用円筒ケーシングの接続構造。
- 上記シール材(13)は、上下面に上記円筒ケーシングの両端面全周に亘る対の突起(15、16)をそれぞれ有して幅方向中心軸(c)に対し左右線対称の縦断面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の立坑用円筒ケーシングの接続構造。
- 上記上方の溝(11)が縦断面等脚台形であり、下方の溝(12)が縦断面上下逆等脚台形であり、上記シール材(13)は、上下面に上記円筒ケーシングの両端面全周に亘る対の突起(15、16)をそれぞれ有して幅方向中心軸(c)に対し左右線対称の長方形縦断面であることを特徴とする請求項1に記載の立坑用円筒ケーシングの接続構造。
- 請求項1、3又は4に記載の立坑用円筒ケーシングの接続構造に使用される上記シール材(13)であって、縦断面中央に空洞(14)を有し、上下面に上記円筒ケーシングの両端面全周に亘る対の突起(15、16)をそれぞれ有して幅方向中心軸(c)に対し左右線対称の長方形縦断面であることを特徴とするシール材。
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