JP5155292B2 - 自動変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、入力軸の回転を変速機ケース内に配置した複数のプラネタリギヤ機構を介して複数段に変速して出力部材から出力する自動変速機に関する。
従来、入力用の第1プラネタリギヤと変速用の2つのプラネタリギヤと6つの係合機構とを用いて、前進8段の変速を行うことができるようにした自動変速機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のものでは、入力用の第1プラネタリギヤを、第1サンギヤと、第1リングギヤと、互いに噛合すると共に一方が第1サンギヤに噛合し他方が第1リングギヤに噛合する一対の第1ピニオンを自転及び公転自在に軸支する第1キャリアとからなるダブルピニオン型のプラネタリギヤ機構で構成している。
第1プラネタリギヤは、第1サンギヤが変速機ケースに固定される固定要素、第1キャリアが入力軸に連結される入力要素、第1リングギヤが入力要素たる第1キャリアの回転速度を減速して出力する出力要素とされている。
又、変速用の2つのプラネタリギヤ機構は、第2サンギヤと、第3サンギヤと、第3リングギヤと一体化された第2リングギヤと、互いに噛合すると共に一方が第2サンギヤ及び第2リングギヤに噛合し他方が第3サンギヤに噛合する一対の第2ピニオンを自転及び公転自在に軸支する第2キャリアとからなるラビニヨ型のプラネタリギヤ機構で構成されている。
このラビニヨ型のプラネタリギヤ機構は、速度線図(各回転要素の相対速度の比を直線で表すことができる図)においてギヤ比に対応する間隔を存して順に、第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素及び第4回転要素とすると、第1回転要素は第2サンギヤ、第2回転要素は第3キャリアと一体化された第2キャリア、第3回転要素は第3リングギヤと一体化された第2リングギヤ、第4回転要素は第3サンギヤとなる。
又、係合機構として、第1プラネタリギヤの出力要素たる第1リングギヤと第3サンギヤから成る第4回転要素とを解除自在に連結する第1湿式多板クラッチと、入力軸と第2キャリアから成る第2回転要素とを解除自在に連結する第2湿式多板クラッチと、出力要素たる第1リングギヤと第2サンギヤから成る第1回転要素とを解除自在に連結する第3湿式多板クラッチと、入力要素たる第1キャリアと第2サンギヤから成る第1回転要素とを解除自在に連結する第4湿式多板クラッチと、第2サンギヤから成る第1回転要素を変速機ケースに解除自在に固定する第1ブレーキと、第2キャリアから成る第2回転要素を変速機ケースに解除自在に固定する第2ブレーキとを備える。
以上の構成によれば、第1湿式多板クラッチと第2ブレーキとを係合することで1速段が確立され、第1湿式多板クラッチと第1ブレーキとを係合することで2速段が確立され、第1湿式多板クラッチと第3湿式多板クラッチとを係合することで3速段が確立され、第1湿式多板クラッチと第4湿式多板クラッチとを係合することで4速段が確立される。
又、第1湿式多板クラッチと第2湿式多板クラッチとを係合することで5速段が確立され、第2湿式多板クラッチと第4湿式多板クラッチとを係合することで6速段が確立され、第2湿式多板クラッチと第3湿式多板クラッチとを係合することで7速段が確立され、第2湿式多板クラッチと第1ブレーキとを係合することで8速段が確立される。
特開2005−273768号公報
上記従来例のものでは、各変速段において係合する係合機構の数が2つになる。そのため、開放している残りの4つの係合機構の引き摺りによるフリクションロスが大きくなり、自動変速機の効率が悪化する不具合がある。
又、湿式多板クラッチのピストンは、変速機ケースに設けられる湿式多板ブレーキのピストンと異なり、入力軸上や入力軸を軸支するメインシャフト上などに設けられるものであり、プラネタリギヤの径方向外方に配置することができない。
従って、従来例のものでは、3つのプラネタリギヤ機構と4つの湿式多板クラッチの合計7つの部材が入力軸上又は入力軸を回転自在に軸支するメインシャフト上に配置されることとなり、自動変速機の軸長が長くなって車両(特にFF式の車両)への搭載性が低いという不都合がある。
本発明は、以上の点に鑑み、フリクションロスを低減できると共に車両への搭載性を向上させることができる自動変速機を提供することを目的とする。
[1]上記目的を達成するため、本発明は、変速機ケース内に回転自在に軸支されると共に駆動源からの動力により回転される入力軸の回転を、複数段に変速して出力部材から出力する自動変速機であって、サンギヤ、キャリア及びリングギヤからなる3つの要素を夫々備える第1から第4の4つのプラネタリギヤ機構が設けられ、該第1プラネタリギヤ機構の3つの要素を、速度線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に夫々第1要素、第2要素及び第3要素とし、前記第2プラネタリギヤ機構の3つの要素を、速度線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に夫々第4要素、第5要素及び第6要素とし、前記第3プラネタリギヤ機構の3つの要素を、速度線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に夫々第7要素、第8要素及び第9要素とし、前記第4プラネタリギヤ機構の3つの要素を、速度線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に夫々第10要素、第11要素及び第12要素として、前記第1要素が前記入力軸に連結され、前記第10要素が前記出力部材に連結され、前記第2要素と前記第7要素とを連結して第1連結体が構成され、前記第3要素と前記第5要素とを連結して第2連結体が構成され、前記第6要素と前記第8要素と前記第11要素とを連結して第3連結体が構成され、前記第9要素と前記第12要素とを連結して第4連結体が構成され、前記第1連結体と前記第4要素とを連結する連結状態と、この連結を断つ開放状態とに切換自在な第1湿式多板クラッチと、前記第1プラネタリギヤ機構の第1〜第3要素のうちの何れか2つを互いに連結する連結状態と、この連結を断つ開放状態とに切換自在な第2湿式多板クラッチと、前記第2連結体を前記変速機ケースに固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在な第1ブレーキと、前記第4要素を前記変速機ケースに固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在な第2ブレーキと、前記第4連結体を前記変速機ケースに固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在な第3ブレーキとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、後述する実施形態の説明から明らかなように、前進8段の変速を行うことができると共に、2つの湿式多板クラッチと3つのブレーキの合計5つの係合機構のうち各変速段において2つの係合機構が係合することになる。そのため、各変速段で開放している係合機構の数は3つになり、従来のように4つの係合機構が開放されるものに比し、開放している係合機構によるフリクションロスを低減でき、自動変速機の伝達効率が向上する。
又、入力軸の軸線上には、4つプラネタリギヤ機構と2つの湿式多板クラッチが配置され、合計6つの部材が配置される。このため、従来品のように、3つのプラネタリギヤ機構と4つの湿式多板クラッチの合計7つの部材が入力軸の軸線上に配置されるものに比し、自動変速機の軸長を短縮させることができ、車両(特にFF式の車両)への搭載性を向上させることができる。
[2]本発明においては、第2連結体が逆転する場合のみ第2連結体と一体的に回転する1ウェイクラッチを設け、1ウェイクラッチを変速機ケースに固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切り換え自在な第4ブレーキを設けることが好ましい。
これによれば、後述する実施形態の説明から明らかなように、第1ブレーキを比較的容量の小さい湿式多板ブレーキで構成することができ、フリクションロスをより低減させることができる。又、変速段間の変速の制御性を向上させることができる。又、第4ブレーキを開放状態とすることにより、1ウェイクラッチの働きを無効とすることができる。これにより、後進段を確立させることができる。
[3]本発明においては、第1ブレーキを、ドグクラッチ、又は、第2連結体の正転を許容し逆転を阻止する逆転阻止状態と、前記第2連結体の正転を阻止し逆転を許容する正転阻止状態とに切換自在な2ウェイクラッチで構成することもできる。
これによれば、後述する実施形態の説明から明らかなように、変速の制御性が向上される。又、第2連結体が第1ブレーキたる2ウェイクラッチにより変速機ケースに固定されていない開放状態となる変速段においては、第1ブレーキたる2ウェイクラッチでフリクションロスが発生しない。このため、自動変速機全体として、よりフリクションロスを低減させることができる。
[4]本発明においては、4つのプラネタリギヤ機構を、サンギヤと、リングギヤと、サンギヤ及びリングギヤに噛合するピニオンを自転及び公転自在に軸支するキャリアとからなるシングルピニオン型のプラネタリギヤ機構で夫々構成することが好ましい。
これによれば、プラネタリギヤ機構を、サンギヤと、リングギヤと、互いに噛合すると共に一方がサンギヤに噛合し他方がリングギヤに噛合する一対のピニオンを自転及び公転自在に軸支するキャリアとからなるダブルピニオン型のプラネタリギヤ機構で構成した場合に比し、入力軸から出力部材までの動力伝達経路におけるギヤの噛合回数を減少させることができ、伝達効率を向上させることができる。
本発明の第1実施形態の自動変速機の上半分を示すスケルトン図。 第1実施形態の自動変速機の第1〜第4プラネタリギヤ機構の各要素の相対速度の比を示す速度線図。 第1実施形態の自動変速機の変速段毎における各係合機構の連結・固定状態を示す説明図。 本発明の第2実施形態の自動変速機の上半分を示すスケルトン図。 第2実施形態の自動変速機の第1〜第4プラネタリギヤ機構の各要素の相対速度の比を示す速度線図。 第2実施形態の自動変速機の変速段毎における各係合機構の連結・固定状態を示す説明図。
[第1実施形態]
図1は、本発明の自動変速機の第1実施形態の上半分を示している。この第1実施形態の自動変速機は、変速機ケース1内に回転自在に軸支した、図外のエンジン等の動力源に連結される入力軸2と、入力軸2と同心に配置された出力ギヤからなる出力部材3とを備えている。出力部材3の回転は、図外のデファレンシャルギヤを介して車両の左右の駆動輪に伝達される。
又、変速機ケース1内には、第1プラネタリギヤ機構4と第2プラネタリギヤ機構5と第3プラネタリギヤ機構6と第4プラネタリギヤ機構7とが入力軸2と同心に配置されている。第1プラネタリギヤ機構4は、サンギヤSaと、リングギヤRaと、サンギヤSaとリングギヤRaとに噛合するピニオンPaを自転及び公転自在に軸支するキャリアCaとから成るシングルピニオン型のプラネタリギヤ機構で構成されている。
図2の中段に示す第1プラネタリギヤ機構4の速度線図(サンギヤ、キャリア、リングギヤの3つの要素の相対回転速度の比を直線で表すことができる図)を参照して、第1プラネタリギヤ機構4の3つの要素Sa,Ca,Raを、速度線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に左側から夫々第1要素、第2要素及び第3要素とすると、第1要素はサンギヤSa、第2要素はキャリアCa、第3要素はリングギヤRaになる。
ここで、サンギヤSaとキャリアCa間の間隔とキャリアCaとリングギヤRa間の間隔との比は、第1プラネタリギヤ機構4のギヤ比(リングギヤの歯数/サンギヤの歯数)をhとして、h:1に設定される。尚、速度線図において、下の横線と上の横線は夫々回転速度が「0」と「1」(入力軸2と同じ回転速度)であることを示している。
第2プラネタリギヤ機構5は、第1プラネタリギヤ機構4と同様に、サンギヤSbと、リングギヤRbと、サンギヤSbとリングギヤRbとに噛合するピニオンPbを自転及び公転自在に軸支するキャリアCbとから成るシングルピニオン型のプラネタリギヤ機構で構成されている。
図2の上段に示す第2プラネタリギヤ機構5の速度線図を参照して、第2プラネタリギヤ機構5の3つの要素Sb,Cb,Rbを、速度線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に左側から夫々第4要素、第5要素及び第6要素とすると、第4要素はサンギヤSb、第5要素はキャリアCb、第6要素はリングギヤRbになる。サンギヤSbとキャリアCb間の間隔とキャリアCbとリングギヤRb間の間隔との比は、第2プラネタリギヤ機構5のギヤ比をiとして、i:1に設定される。
第3プラネタリギヤ機構6は、第1及び第2プラネタリギヤ機構4,5と同様に、サンギヤScと、リングギヤRcと、サンギヤSc及びリングギヤRcに噛合するピニオンPcを自転及び公転自在に軸支するキャリアCcとから成るシングルピニオン型のプラネタリギヤ機構で構成される。
図2の下段に示す第3プラネタリギヤ機構6の速度線図を参照して、第3プラネタリギヤ機構6の3つの要素Sc,Cc,Rcを、速度線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に左側から夫々第7要素、第8要素及び第9要素とすると、第7要素はリングギヤRc、第8要素はキャリアCc、第9要素はサンギヤScになる。サンギヤScとキャリアCc間の間隔とキャリアCcとリングギヤRc間の間隔との比は、第3プラネタリギヤ機構6のギヤ比をjとして、j:1に設定される。
第4プラネタリギヤ機構7は、第1〜第3プラネタリギヤ機構4〜6と同様に、サンギヤSdと、リングギヤRdと、サンギヤSd及びリングギヤRdに噛合するピニオンPdを自転及び公転自在に軸支するキャリアCdとから成るシングルピニオン型のプラネタリギヤ機構で構成される。
図2の下段に示す第4プラネタリギヤ機構7の速度線図を参照して、第4プラネタリギヤ機構7の3つの要素Sd,Cd,Rdを、速度線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に左側から夫々第10要素、第11要素及び第12要素とすると、第10要素はリングギヤRd、第11要素はキャリアCd、第12要素はサンギヤSdになる。サンギヤSdとキャリアCd間の間隔とキャリアCdとリングギヤRd間の間隔との比は、第4プラネタリギヤ機構7のギヤ比をkとして、k:1に設定される。
第1プラネタリギヤ機構4のサンギヤSa(第1要素)は入力軸2に連結されている。第4プラネタリギヤ機構7のリングギヤRd(第10要素)は出力部材3に連結されている。又、第1プラネタリギヤ機構4のキャリアCa(第2要素)と第3プラネタリギヤ機構6のリングギヤRc(第7要素)とが連結されて、第1連結体Ca−Rcが構成されている。又、第1プラネタリギヤ機構4のリングギヤRa(第3要素)と第2プラネタリギヤ機構5のキャリアCb(第5要素)とが連結されて、第2連結体Ra−Cbが構成されている。
又、第2プラネタリギヤ機構5のリングギヤRb(第6要素)と、第3プラネタリギヤ機構6のキャリアCc(第8要素)と、第4プラネタリギヤ機構7のキャリアCd(第11要素)とが連結されて、第3連結体Rb−Cc−Cdが構成されている。又、第3プラネタリギヤ機構6のサンギヤSc(第9要素)と、第4プラネタリギヤ機構7のサンギヤSd(第12要素)とが連結されて、第4連結体Sc−Sdが構成されている。
第3プラネタリギヤ機構6と第4プラネタリギヤ機構7とは、キャリア同士Cc,Cdとサンギヤ同士Sc,Sdが連結されているため、図2の下段に示すように、両プラネタリギヤ機構6,7の各要素の相対的な回転速度の比を1つの速度線図で表すことができる。このため、第3プラネタリギヤ機構6と第4プラネタリギヤ機構7とは、4つの回転要素を構成する。
図2の下段に示す速度線図を参照して、この回転要素を速度線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に左側から夫々第1回転要素Y1、第2回転要素Y2、第3回転要素Y3、第4回転要素Y4とすると、第1回転要素Y1は第3プラネタリギヤ機構6のリングギヤRc(第7要素)、第2回転要素Y2は第4プラネタリギヤ機構7のリングギヤRd(第10要素)、第3回転要素Y3は第3連結体Rb−Cc−Cdを構成要素たる両プラネタリギヤ機構6,7のキャリアCc,Cd(第8,11要素)、第4回転要素Y4は第4連結体Sc−Sdとなる。
そして、第1回転要素Y1と第2回転要素Y2間の間隔と、第2回転要素Y2と第3回転要素Y3間の間隔と、第3回転要素Y3と第4回転要素Y4間の間隔との比は、(k−j)/j:1:kとなる。
第1実施形態の自動変速機では、4つのプラネタリギヤ機構4〜7により、第1プラネタリギヤ機構4のサンギヤSa(第1要素)、第1連結体Ca−Rc、第2連結体Ra−Cb、第2プラネタリギヤ機構5のサンギヤSb(第4要素)、第3連結体Rb−Cc−Cd、第4連結体Sc−Sd、第4プラネタリギヤ機構7のリングギヤRd(第10要素)の合計7つの回転体が構成されている。
又、第1実施形態の自動変速機は、係合機構として、第1と第2の2つの湿式多板クラッチC1,C2と、第1〜第3の3つの湿式多板ブレーキB1〜B3とを備える。第1湿式多板クラッチC1は、第1連結体Ca−Rcと第2プラネタリギヤ機構5のサンギヤSb(第4要素)とを連結する連結状態と、この連結を断つ開放状態とに切換自在に構成されている。
第2湿式多板クラッチC2は、第1プラネタリギヤ機構4のサンギヤSa(第1要素)と、第1連結体Ca−Rcとを連結する連結状態と、この連結を断つ開放状態とに切換自在に構成されている。第1湿式多板ブレーキB1は、第2連結体Ra−Cbを変速機ケース1に固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在に構成されている。
第2湿式多板ブレーキB2は、第2プラネタリギヤ機構5のサンギヤSb(第4要素)を変速機ケース1に固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在に構成されている。第3湿式多板ブレーキB3は、第4連結体Sc−Sdを変速機ケース1に固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在に構成されている。
第1実施形態の自動変速機において、1速段が確立される場合には、第1湿式多板クラッチC1が連結状態とされると共に、第1湿式多板ブレーキB1が固定状態とされる。これにより、第1連結体Ca−Rcと第2プラネタリギヤ機構5のサンギヤSb(第4要素)とが同一速度で回転すると共に、第2連結体Ra−Cbの回転速度が「0」になる。そして、出力部材3に連結された第4プラネタリギヤ機構7のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図2に示す「1st」になって、1速段が確立される。
2速段が確立される場合には、第1湿式多板ブレーキB1及び第2湿式多板ブレーキB2が固定状態とされる。これにより、第2連結体Ra−Cb及び第2プラネタリギヤ機構5のサンギヤSb(第4要素)の回転速度が「0」となり、第2プラネタリギヤ機構5の第4〜第6の各要素Sb,Cb,Rbが相対回転不能なロック状態となる。
このため、第3連結体Rb−Cc−Cdの回転速度も「0」となり、出力部材3に連結された第4プラネタリギヤ機構7のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図2に示す「2nd」になって、2速段が確立される。
3速段が確立される場合には、第1湿式多板ブレーキB1及び第3湿式多板ブレーキB3が固定状態とされる。これにより、第2連結体Ra−Cb及び第4連結体Sc−Sdの回転速度が「0」となる。そして、出力部材3に連結された第4プラネタリギヤ機構7のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図2に示す「3rd」になって、3速段が確立される。
4速段が確立される場合には、第2湿式多板ブレーキB2及び第3湿式多板ブレーキB3が固定状態とされる。これにより、第2プラネタリギヤ機構5のサンギヤSb(第4要素)及び第4連結体Sc−Sdの回転速度が「0」となる。そして、出力部材3に連結された第4プラネタリギヤ機構7のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図2に示す「4th」になって、4速段が確立される。
5速段が確立される場合には、第1湿式多板クラッチC1が連結状態とされると共に、第3湿式多板ブレーキB3が固定状態とされる。これにより、第1連結体Ca−Rcと第2プラネタリギヤ機構5のサンギヤSb(第4要素)とが同一速度で回転すると共に、第4連結体Sc−Sdの回転速度が「0」となる。そして、出力部材3に連結された第4プラネタリギヤ機構7のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図2に示す「5th」になって、5速段が確立される。
6速段が確立される場合には、第2湿式多板クラッチC2が連結状態とされると共に、第3湿式多板ブレーキB3が固定状態とされる。これにより、第1プラネタリギヤ機構4のサンギヤSa(第1要素)とキャリアCa(第2要素)とが同一速度で回転するため、第1プラネタリギヤ機構4の第1〜第3の各要素Sa,Ca,Raが相対回転不能なロック状態になって、第1〜第3要素Sa,Ca,Raの回転速度が「1」になる。
又、第4連結体Sc−Sdの回転速度が「0」となる。そして、出力部材3に連結された第4プラネタリギヤ機構7のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図2に示す「6th」になって、6速段が確立される。
7速段が確立される場合には、第1湿式多板クラッチC1及び第2湿式多板クラッチC2が連結状態とされる。これにより、第1プラネタリギヤ機構4の第1〜第3の各要素Sa,Ca,Raが相対回転不能なロック状態になって、第1〜第3要素Sa,Ca,Raの回転速度が「1」になる。又、第1連結体Ca−Rcと第2プラネタリギヤ機構5のサンギヤSb(第4要素)の回転速度が同一速度である「1」となる。
このため、全てのプラネタリギヤ機構4〜7の各要素が相対回転不能なロック状態となり、出力部材3に連結された第4プラネタリギヤ機構7のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が「1」である「7th」になって、7速段が確立される。
8速段が確立される場合には、第2湿式多板クラッチC2が連結状態とされると共に、第2湿式多板ブレーキB2が固定状態とされる。これにより、第1プラネタリギヤ機構4の第1〜第3の各要素Sa,Ca,Raが相対回転不能なロック状態になって、第1〜第3要素Sa,Ca,Raの回転速度が「1」になる。又、第2プラネタリギヤ機構5のサンギヤSb(第4要素)の回転速度が「0」になる。そして、出力部材3に連結された第4プラネタリギヤ機構7のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図2に示す「8th」になって、8速段が確立される。
後進段が確立される場合には、第1湿式多板クラッチC1が連結状態とされると共に、第2湿式多板ブレーキB2が固定状態とされる。これにより、第1連結体Ca−Rc及び第2プラネタリギヤ機構5のサンギヤSb(第4要素)の回転速度が「0」になる。そして、出力部材3に連結された第4プラネタリギヤ機構7のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図2に示すマイナスの「Rvs」になって、後進段が確立される。
尚、図2中の点線で示す速度線は、4つのプラネタリギヤ機構4〜7のうち動力伝達するプラネタリギヤ機構に追従して他のプラネタリギヤ機構の各要素が回転することを表している。
図3(a)は、上述した各変速段と各係合機構たるクラッチC1,C2、ブレーキB1〜B3の状態との関係を纏めて表示した図であり、「○」は連結状態又は固定状態であることを表している。
又、図3(b)に示すように、第1プラネタリギヤ機構4のギヤ比hを1.666、第2プラネタリギヤ機構5のギヤ比iを2.000、第3プラネタリギヤ機構6のギヤ比jを1.850、第4プラネタリギヤ機構7のギヤ比kを2.900とした場合における各変速段のギヤレシオ(入力軸2の回転速度/出力部材3の回転速度)も図3(a)に示している。これによれば、公比(各変速段間のギヤレシオの比)が適切になると共に、図3(b)に示すレシオレンジ(1速レシオ/8速レシオ)も適切になる。
第1実施形態の自動変速機によれば、前進8段の変速を行うことができると共に、2つの湿式多板クラッチC1,C2と3つの湿式多板ブレーキB1〜B3の合計5つの係合機構のうち各変速段において2つの係合機構が係合することになる。そのため、各変速段で開放している係合機構の数は3つになり、従来のように4つの係合機構が開放されるものに比し、開放している係合機構によるフリクションロスを低減でき、自動変速機の伝達効率が向上する。
又、入力軸2(又は入力軸2を回転自在に軸支するメインシャフト(図示省略))の軸線上には、4つプラネタリギヤ機構4〜7と2つの湿式多板クラッチC1,C2が配置され、合計6の部材が配置される。このため、従来品のように、3つのプラネタリギヤ機構と4つの湿式多板クラッチの合計7つの部材が入力軸2の軸線上に配置されるものに比し、自動変速機の軸長を短縮させることができ、車両(特にFF式の車両)への搭載性を向上させることができる。
又、第1〜第4の4つのプラネタリギヤ機構4〜7の全てがシングルピニオン型のプラネタリギヤ機構で構成されているため、各プラネタリギヤ機構4〜7を、サンギヤと、リングギヤと、互いに噛合すると共に一方がサンギヤに噛合し他方がリングギヤに噛合する一対のピニオンを自転及び公転自在に軸支するキャリアとからなるダブルピニオン型のプラネタリギヤ機構で構成した場合に比し、入力軸2から出力部材3までの動力伝達経路におけるギヤの噛合回数を減少させることができ、伝達効率を向上させることができる。
尚、第1実施形態では、本発明の第1ブレーキとして第1湿式多板ブレーキB1を用いたが、これに限らず、本発明の第1ブレーキとして、例えば、ドグクラッチやシンクロメッシュ機構等の歯の噛み合いによって解除自在に固定状態となる噛合機構や2ウェイクラッチを用いてもよい。このように構成すれば、第1ブレーキが開放状態となる前進4速段〜8速段において、第1ブレーキでのフリクションロスをより抑制させることができ、自動変速機の伝達効率をより向上させることができる。
第1ブレーキとして2ウェイクラッチを用いる場合には、前進段においては、正転(車両が前進する方向への回転)を許容し逆転(車両が後進する方向への回転)を阻止する逆転阻止状態に切り換え、後進段においては、正転を阻止し逆転を許容する正転阻止状態に切り換えればよい。
これによれば、後述する1ウェイクラッチを用いた第2実施形態と同様の理由により、3速段と4速段の間の変速の制御性を向上させることができる。又、2ウェイクラッチは、第2連結体Ra−Cbの変速機ケース1への固定を断つ開放状態である場合でもフリクションロスが発生しない。このため、自動変速機全体として、フリクションロスをより抑制することができる。又、前進1〜3速段において、車両が減速状態にあるときに2ウェイクラッチを正転阻止状態に切り換えれば、エンジンブレーキを効かせることもできる。
又、第1実施形態においては、第1〜第4のプラネタリギヤ機構4〜7をシングルピニオン型のプラネタリギヤ機構で構成したが、第1〜第4のプラネタリギヤ機構4〜7をダブルピニオン型のプラネタリギヤ機構で構成してもよい。
[第2実施形態]
次いで、図4〜図6を参照して、本発明の第2実施形態の自動変速機を説明する。尚、第1実施形態と同一のものは同一の符号を付している。図4に示すように、第2実施形態の自動変速機は、第1実施形態のものと同様に、第1〜第4の4つのプラネタリギヤ機構4〜7と、第1と第2の2つの湿式多板クラッチC1,C2を備える。
第2湿式多板クラッチC2は、第1連結体Ca−Rcと第2連結体Ra−Cbとを連結する連結状態と、この連結を断つ開放状態とに切換自在に構成されている。
又、第2実施形態の自動変速機は、第1実施形態の第1〜第3湿式多板ブレーキB1〜B3に加えて、第4湿式多板ブレーキB4と1ウェイクラッチF1とを備える。第4湿式多板ブレーキB4は、1ウェイクラッチF1を変速機ケース1に固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在に構成されている。
又、1ウェイクラッチF1は、第2連結体Ra−Cbが逆転(車両が後進する方向への回転)する場合に、第2連結体Ra−Cbと一体的に回転し、第2連結体Ra−Cbが正転(車両が前進する方向への回転)する場合に、第2連結体Ra−Cbと一体的に回転することなく相対回転自在となるように構成されている。他の構成は第1実施形態の自動変速機と同一である。
第2実施形態の自動変速機において、1速段が確立される場合には、第1湿式多板クラッチC1が連結状態とされると共に、第4湿式多板ブレーキB4が固定状態とされる。これにより、第1連結体Ca−Rcと第2プラネタリギヤ機構5のサンギヤSb(第4要素)とが同一速度で回転する。
又、1ウェイクラッチF1が変速機ケース1に固定されると共に、この1ウェイクラッチF1の働きで第2連結体Ra−Cbの逆転が阻止され、第2連結体Ra−Cbの回転速度が「0」になる。そして、出力部材3に連結された第4プラネタリギヤ機構7のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図5に示す「1st」になって、1速段が確立される。
尚、1速段において、第1湿式多板ブレーキB1は開放状態となるが、第2連結体Ra−Cbの回転速度が1ウェイクラッチF1の働きで「0」となるため、フリクションロスは発生しない。又、1速段において、第1湿式多板ブレーキB1を固定状態とすれば、エンジンブレーキを効かせることができる。
2速段が確立される場合には、第2湿式多板ブレーキB2及び第4湿式多板ブレーキB4が固定状態とされる。これにより、1ウェイクラッチF1の働きで第2連結体Ra−Cbの回転速度が「0」になると共に、第2プラネタリギヤ機構5のサンギヤSb(第4要素)の回転速度も「0」となって、第2プラネタリギヤ機構5の第4〜第6の各要素Sb,Cb,Rbが相対回転不能なロック状態となる。
このため、第3連結体Rb−Cc−Cdの回転速度も「0」となり、出力部材3に連結された第4プラネタリギヤ機構7のリングギヤCd(第10要素)の回転速度が図5に示す「2nd」になって、2速段が確立される。
尚、2速段においても、1速段の場合と同様に、開放状態となる第1湿式多板ブレーキB1でフリクションロスは発生しない。又、2速段においても、第1湿式多板ブレーキB1を固定状態とすれば、エンジンブレーキを効かせることができる。
3速段が確立される場合には、第3湿式多板ブレーキB3及び第4湿式多板ブレーキB4が固定状態とされる。これにより、1ウェイクラッチF1の働きで第2連結体Ra−Cbの回転速度が「0」になると共に、第4連結体Sc−Sdの回転速度も「0」となる。そして、出力部材3に連結された第4プラネタリギヤ機構7のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図5に示す「3rd」になって、3速段が確立される。
尚、3速段においても、1速段及び2速段の場合と同様に、開放状態となる第1湿式多板ブレーキB1でフリクションロスは発生しない。又、3速段においても、第1湿式多板ブレーキB1を固定状態とすれば、エンジンブレーキを効かせることができる。
4速段が確立される場合には、第2湿式多板ブレーキB2、第3湿式多板ブレーキB3及び第4湿式多板ブレーキB4が固定状態とされる。これにより、第2プラネタリギヤ機構5のサンギヤSb(第4要素)及び第4連結体Sc−Sdの回転速度が「0」になる。そして、出力部材3に連結された第4プラネタリギヤ機構7のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図5に示す「4th」になって、4速段が確立される。
5速段が確立される場合には、第1湿式多板クラッチC1が連結状態とされると共に、第3湿式多板ブレーキB3及び第4湿式多板ブレーキB4が固定状態とされる。これにより、第1連結体Ca−Rcと第2プラネタリギヤ機構5のサンギヤSb(第4要素)とが等速度で回転すると共に、第4連結体Sc−Sdの回転速度が「0」になる。そして、出力部材3に連結された第4プラネタリギヤ機構7のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図5に示す「5th」になって、5速段が確立される。
6速段が確立される場合には、第2湿式多板クラッチC2が連結状態とされると共に、第3湿式多板ブレーキB3及び第4湿式多板ブレーキB4が固定状態とされる。これにより、第1プラネタリギヤ機構4のキャリアCa(第2要素)とリングギヤRa(第3要素)とが同一速度で回転するため、第1プラネタリギヤ機構4の第1〜第3の各要素Sa,Ca,Raが相対回転不能なロック状態になって、第1〜第3要素Sa,Ca,Raの回転速度が「1」になる。
又、第4連結体Sc−Sdの回転速度が「0」となる。そして、出力部材3に連結された第4プラネタリギヤ機構7のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図5に示す「6th」になって、6速段が確立される。
7速段が確立される場合には、第1湿式多板クラッチC1及び第2湿式多板クラッチC2が連結状態とされると共に、第4湿式多板ブレーキB4が固定状態とされる。これにより、第1プラネタリギヤ機構4の第1〜第3の各要素Sa,Ca,Raが相対回転不能なロック状態になって、第1〜第3要素Sa,Ca,Raの回転速度が「1」になる。又、第1連結体Ca−Rcと第2プラネタリギヤ機構5のサンギヤSb(第4要素)の回転速度が同一速度である「1」となる。
このため、全てのプラネタリギヤ機構4〜7の各要素が相対回転不能なロック状態となり、出力部材3に連結された第4プラネタリギヤ機構7のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が「1」である「7th」になって、7速段が確立される。
8速段が確立される場合には、第2湿式多板クラッチC2が連結状態とされると共に、第2湿式多板ブレーキB2及び第4湿式多板ブレーキB4が固定状態とされる。これにより、第1プラネタリギヤ機構4の第1〜第3の各要素Sa,Ca,Raが相対回転不能なロック状態になって、第1〜第3要素Sa,Ca,Raの回転速度が「1」になる。
又、第2プラネタリギヤ機構5のサンギヤSb(第4要素)の回転速度が「0」になる。そして、出力部材3に連結された第4プラネタリギヤ機構7のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図5に示す「8th」になって、8速段が確立される。
後進段が確立される場合には、第1湿式多板クラッチC1が連結状態とされると共に、第2湿式多板ブレーキB2が固定状態とされる。第4湿式多板ブレーキB4が開放状態とされているため、1ウェイクラッチF1の働きが無効となり、第2連結体Ra−Cbは逆転が許容される状態となる。
又、第1連結体Ca−Rc及び第2プラネタリギヤ機構5のサンギヤSb(第4要素)の回転速度が等速度となり、両者の回転速度は「0」になる。そして、出力部材3に連結された第4プラネタリギヤ機構7のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図5に示す逆転の「Rvs」になって、後進段が確立される。
尚、図5中の点線で示す速度線は、4つのプラネタリギヤ機構4〜7のうち動力伝達するプラネタリギヤ機構に追従して他のプラネタリギヤ機構の各要素が回転することを表している。
図6は、上述した各変速段と各係合機構たるクラッチC1,C2、ブレーキB1〜B4、1ウェイクラッチF1の状態との関係を纏めて表示した図であり、クラッチC1,C2及びブレーキB1〜B4の欄の「○」は連結状態又は固定状態であることを表している。又、1ウェイクラッチF1の欄の「○」は1ウェイクラッチF1の働きで第2連結体Ra−Cbの回転速度が「0」となっている状態であることを示している。又、第1湿式多板ブレーキB1の欄の「(○)」はエンジンブレーキを効かせる場合には固定状態とすることを示している。
第2実施形態の自動変速機によれば、第1実施形態と同様に、前進8段の変速を行うことができる。又、前進4速段から前進8速段においては、2つの湿式多板クラッチC1,C2と4つの湿式多板ブレーキB1〜B4の合計6つの係合機構のうち3つの係合機構が係合することになる。又、前進1速段から前進3速段においては、第1湿式多板ブレーキB1が開放状態であっても、1ウェイクラッチF1の働きで第2連結体Ra−Cbの回転速度が「0」となるため、第1湿式多板ブレーキB1でフリクションロスが発生しない。
そのため、各変速段でフリクションロスが発生する係合機構の数は3つになり、従来のように各変速段で4つの係合機構がフリクションロスを発生させるものに比し、開放している係合機構によるフリクションロスを低減でき、自動変速機の伝達効率が向上する。
又、第2実施形態の自動変速機においても、第1実施形態と同様の理由により、従来よりも自動変速機の軸長を短縮させることができ、車両(特にFF式の車両)への搭載性を向上させることができる。
又、第2実施形態の自動変速機では、3速段から4速段へアップシフトする際には、第2湿式多板ブレーキB2を連結状態に切り換えるだけでよく、又、4速段から3速段へダウンシフトする際には、第2湿式多板ブレーキB2を開放状態に切り換えるだけでよい。
従って、第2実施形態の自動変速機によれば、第1実施形態のように3速段と4速段との間の変速の際に第1と第2の2つの湿式多板ブレーキB1,B2の状態を切り換える必要があるものに比べ、3速段と4速段の間の変速の制御性を向上させることができる。
又、第2実施形態の第1湿式多板ブレーキB1は、1〜3速段でエンジンブレーキを効かせる場合のみ、固定状態に切り換えられるものであるため、比較的容量の小さい湿式多板ブレーキで構成することができる。
ここで、湿式多板ブレーキは容量の増加に比例してフリクションロスが増加するものである。このため、第2実施形態の自動変速機によれば、第2連結体Ra−Cbが回転する4速段から8速段において、比較的容量の大きい湿式多板ブレーキを用いたものに比し、第1湿式多板ブレーキB1で発生するフリクションロスを減少させることができる。
尚、第2実施形態の自動変速機は、第4湿式多板ブレーキB4及び1ウェイクラッチF1を省略しても、第1実施形態と同一の効果を得ることができる。又、第2湿式多板クラッチC2を、第1プラネタリギヤ機構4のサンギヤSa(第1要素)とリングギヤRa(第3要素)とを連結する連結状態と、この連結を断つ開放状態とに切換自在に構成してもよい。
又、第2実施形態の自動変速機においても、第1実施形態と同様に、第1湿式多板ブレーキB1に代えて、ドグクラッチやシンクロメッシュ機構等の歯の噛み合いによって解除自在に固定状態となる噛合機構や2ウェイクラッチを用いてもよい。又、第1〜第4のプラネタリギヤ機構4〜7をダブルピニオン型のプラネタリギヤ機構で構成してもよい。
1…変速機ケース、2…入力軸、3…出力部材、4…第1プラネタリギヤ機構、Sa…サンギヤ(第1要素)、Ra…リングギヤ(第3要素)、Pa…ピニオン、Ca…キャリア(第2要素)、5…第2プラネタリギヤ機構、Sb…サンギヤ(第4要素)、Rb…リングギヤ(第6要素)、Pb…ピニオン、Cb…キャリア(第5要素)、6…第3プラネタリギヤ機構、Sc…サンギヤ(第9要素)、Rc…リングギヤ(第7要素)、Pc…ピニオン、Cc…キャリア(第8要素)、7…第4プラネタリギヤ機構、Sd…サンギヤ(第12要素)、Rd…リングギヤ(第10要素)、Pd…ピニオン、Cd…キャリア(第11要素)、C1…第1湿式多板クラッチ、C2…第2湿式多板クラッチ、B1…第1湿式多板ブレーキ(第1ブレーキ)、B2…第2湿式多板ブレーキ(第2ブレーキ)、B3…第3湿式多板ブレーキ(第3ブレーキ)、B4…第4湿式多板ブレーキ(第4ブレーキ)、F1…1ウェイクラッチ。

Claims (4)

  1. 変速機ケース内に回転自在に軸支されると共に駆動源からの動力により回転される入力軸の回転を、複数段に変速して出力部材から出力する自動変速機であって、
    サンギヤ、キャリア及びリングギヤからなる3つの要素を夫々備える第1から第4の4つのプラネタリギヤ機構が設けられ、
    該第1プラネタリギヤ機構の3つの要素を、速度線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に夫々第1要素、第2要素及び第3要素とし、
    前記第2プラネタリギヤ機構の3つの要素を、速度線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に夫々第4要素、第5要素及び第6要素とし、
    前記第3プラネタリギヤ機構の3つの要素を、速度線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に夫々第7要素、第8要素及び第9要素とし、
    前記第4プラネタリギヤ機構の3つの要素を、速度線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に夫々第10要素、第11要素及び第12要素として、
    前記第1要素が前記入力軸に連結され、前記第10要素が前記出力部材に連結され、前記第2要素と前記第7要素とを連結して第1連結体が構成され、前記第3要素と前記第5要素とを連結して第2連結体が構成され、前記第6要素と前記第8要素と前記第11要素とを連結して第3連結体が構成され、前記第9要素と前記第12要素とを連結して第4連結体が構成され、
    前記第1連結体と前記第4要素とを連結する連結状態と、この連結を断つ開放状態とに切換自在な第1湿式多板クラッチと、
    前記第1プラネタリギヤ機構の第1〜第3要素のうちの何れか2つを互いに連結する連結状態と、この連結を断つ開放状態とに切換自在な第2湿式多板クラッチと、
    前記第2連結体を前記変速機ケースに固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在な第1ブレーキと、
    前記第4要素を前記変速機ケースに固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在な第2ブレーキと、
    前記第4連結体を前記変速機ケースに固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在な第3ブレーキとを備えることを特徴とする自動変速機。
  2. 請求項1記載の自動変速機において、
    前記第2連結体が逆転する場合のみ、前記第2連結体と一体的に回転する1ウェイクラッチが設けられ、
    該1ウェイクラッチを前記変速機ケースに固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在な第4ブレーキが設けられていることを特徴とする自動変速機。
  3. 請求項1記載の自動変速機において、
    前記第1ブレーキは、ドグクラッチ、又は、前記第2連結体の正転を許容し逆転を阻止する逆転阻止状態と、前記第2連結体の正転を阻止し逆転を許容する正転阻止状態とに切換自在な2ウェイクラッチで構成されることを特徴とする自動変速機。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の自動変速機において、
    前記4つのプラネタリギヤ機構は、サンギヤと、リングギヤと、該サンギヤ及び該リングギヤに噛合するピニオンを自転及び公転自在に軸支するキャリアとからなるシングルピニオン型のプラネタリギヤ機構で構成されることを特徴とする自動変速機。
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