JP5152607B1 - 船舶緊急停船機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】緊急停船時に舷外側に突出する部材がなく,空気タンク等の重量物を船舶に装備する必要がなく,緊急停船時に船舶が急旋回することがなく,簡易構造で瞬時に停船が可能な船舶緊急停船機構を提供する。
【解決手段】船舶1の両舷後部4,5と船尾板2によって形成される両隅角部に,右舷側の船尾板と右舷側面に沿って又は左舷側の船尾板と左舷側面に沿って,各々上下動自在に一対の折曲板8,9を設け,航行の際は両舷側面及び船尾板に併設状態で収納され,緊急に停船する際は船底より突出した状態と成ることを特徴とする船舶緊急停船機構である。
【選択図】図1

Description

本発明は,船舶が他の船舶や障害物と衝突することを回避するために緊急停船するための船舶緊急停船機構に関する。
従来,航行中の船舶の急停船を簡易有効な構成作用により行わせ,衝突等の不慮の災害を防止すると共に必要に応じて急旋回を行わせて船舶の安全な航行を期し得るようにした船舶に於ける緊急停止装置が提案されている(特許文献1)。
また,推進器に固定ピッチプロペラを用いた船舶の危急停船を補助する方法が提案されている(特許文献2)。
特許文献1に係る船舶に於ける緊急停止装置は,船舶主体の進行方向に対して左右方向の船側所望個処に,略々扇形状に形成した一対の阻止盤体をその扇形面が船舶主体の進行方向と垂直位置を保持して収納し得るようにした溝状室を設け,該阻止盤体のかなめ基部を回動自在に枢支させ且つ阻止盤体の外側端縁に水流を抱止する鍔部を設けると共に航行時は阻止盤体の内端縁を牽引索により打上係止させて全体を溝状室内に回動収納せしめ阻止盤体の重心位置を偏倚させ,停船時又は急旋回時には一対の阻止盤体の係止を同時又は各別に外して阻止盤体の自重力及び鍔部の水流抱持作用により扇形をした外端部を舷外側方に突出できるようにしたことを特徴としている。
特許文献2に係る危急停船を補助する方法は,危急停船に際し,主機の逆転指令にもとづいて,船内に装備した空気タンクから,固定ピットプロペラ前方の船尾に設けた複数の空気噴射口へ空気を供給し,上記空気噴射口から,上記プロペラの回転域前面における上部と下部に対照的に空気を噴射させて気泡を発生させることを特徴としている。
実公昭45−13560号公報 特公昭59−50557号公報
しかしながら,特許文献1に係る船舶に於ける緊急停止装置は,阻止盤体が舷外側方に突出して、阻止盤体の外側端縁に設けた鍔部が水流を抱持することで緊急停止するように成っているため,他の船舶と近接して並走状態にあるときは,該阻止盤体がスムーズに突出しないことがあり,仮に突出しても他の船舶と該阻止盤体が接触して該阻止盤体が破損することがあるという課題がある。また航行可能な川幅が極端に狭い急流を下る船舶においても同様に阻止盤体が急流の両側にある岩礁に接触してスムーズに突出しないことが場合あり,仮に突出しても該岩礁に阻止盤体が接触して該阻止盤体が破損することがあるという課題がある。さらには左右の阻止盤体が不均等に突出した際には船舶が急激に旋回し,船体の安定性が低下するという課題がある。
また,特許文献2に係る危急停船を補助する方法は,空気噴射口から固定ピットプロペラの回転域前面の上部と下部に空気を噴射することで,該プロペラを空転させて推進力を急減させる構成のため,空気噴射口から噴射する空気は,主機の逆転指令にもとづいて船内に装備した空気タンクより供給させなければならず,このため空気タンクは高圧空気を貯留させておくため強固で重い装備となって船舶の通常の航行に負荷となる課題がある。また特許文献2に係る危急停船を補助する方法を実施するためには,その船舶の構造は複雑となって高価となる課題がある。
本発明が解決しようとする課題は,緊急停船時に舷外側に突出する部材がなく,また空気タンク等の重量物を船舶に装備する必要がなく,緊急停船時にも船舶が急旋回することがなく,簡易な構造で瞬時に停船が可能な船舶緊急停船機構を提供することにある。
請求項1記載の発明は,船舶の両舷後部と船尾板によって形成される両隅角部に,右舷側の船尾板と右舷側面に沿って又は左舷側の船尾板と左舷側面に沿って,各々上下動自在の一対の折曲板を設け,航行の際は該一対の折曲板は両舷側面及び船尾板に併設状態で収納され,緊急に停船する際は該一対の折曲板が船底より突出した状態と成ることを特徴とする船舶緊急停船機構である。
請求項2記載の発明は,請求項1記載の一対の折曲板を設け,右舷側にある折曲板の船尾板に沿った板材部と左舷側にある折曲板の船尾板に沿った板材部との間であって,船舶の側面視において該板材部と同位置又は後方位置であって推進プロペラの前方位置に,喫水線上に開口部を有する長筒部の他の開口端部を配設し,開口部を開閉自在に形成し,航行の際は一対の折曲板が両舷側面及び船尾板に併設状態で収納されるとともに,開口部は閉じられていて,緊急に停船する際は該一対の折曲板が船底より突出状態になると共に,開口部が開かれることを特徴とする船舶緊急停船機構である。
本発明の請求項1に係る船舶緊急停船機構は,緊急停船時には,船舶の両舷後部に設けられた一対の折曲板が船底より突出した状態となり,船底にそって流れる水は船尾板に沿って突出している折曲板に遮られて船舶は急停止すると共に,両舷側面に沿って船底より突出した折曲板によって船舶は急旋回することがなく船体の停船状態を安定保持するという効果がある。また折曲板は船底より突出する構造で両舷外側に突出することはないため,近接して並走する他の船舶や岩礁等の障害物に両舷外側に突出した部材が接触衝突することがなく,同様に船舶の停船状態が安定保持されるという効果がある。
請求項2に係る船舶緊急停船機構は,請求項1記載の船舶緊急停船機構に設けられている一対の折曲板の他に,推進プロペラの前方位置に喫水線上に開口部を有する長筒部の他の開口端部が配設され,緊急に停船する際は喫水線上に開口部を有する長筒部の該開口部が開状態となる。このため上記請求項1記載の船舶緊急停船機構に係る効果のほか,船底に沿って流れる水は,左右の折曲板の船尾板に沿った両板材部の間を通過し,該両板材部によって遮られることで流速を増し減圧状態となった水の中に長筒部の開口端部より自動的に空気が供給される効果がある。したがって,例え推進プロペラが回転しても空転状態と成り,これにより直ちに船舶は停船状態となる効果がある。
請求項1に係る船舶緊急停船機構に係る発明の実施例である実施例1の船舶であり,一対の折曲板が両舷側面及び船尾板に併設状態で収納されている状態を示す平面状態図である。 請求項1に係る船舶緊急停船機構に係る発明の実施例である実施例1の船舶であり,一対の折曲板が両舷側面及び船尾板に併設状態で収納されている状態を示す右側面(左舷側)状態図である。 請求項1に係る船舶緊急停船機構に係る発明の実施例である実施例1の船舶であり,一対の折曲板が船底より突出した状態を示す右側面(左舷側)状態図である。 請求項1に係る船舶緊急停船機構に係る発明の実施例である実施例1の船舶であり,一対の折曲板が両舷側面及び船尾板に併設状態で収納されている状態を示す背面端面状態図である。 請求項1に係る船舶緊急停船機構に係る発明の実施例である実施例1の船舶であり,一対の折曲板が船底より突出した状態を示す背面端面状態図である。 請求項2に係る船舶緊急停船機構に係る発明の実施例である実施例2の船舶であり,一対の折曲板が両舷側面及び船尾板に併設状態で収納され,長筒部の開口部が閉じている状態を示す平面状態図である。 請求項2に係る船舶緊急停船機構に係る発明の実施例である実施例2の船舶であり,一対の折曲板が両舷側面及び船尾板に併設状態で収納され,長筒部の開口部が閉じている状態を示す右側面(左舷側)状態図である。 請求項2に係る船舶緊急停船機構に係る発明の実施例である実施例2の船舶であり,一対の折曲板が船底より突出し,長筒部の開口部が開かれた状態を示す右側面(左舷側)状態図である。 請求項2に係る船舶緊急停船機構に係る発明の実施例である実施例2の船舶であり,一対の折曲板が両舷側面及び船尾板に併設状態で収納され,長筒部の開口部が閉じている状態を示す背面端面状態図である。 請求項2に係る船舶緊急停船機構に係る発明の実施例である実施例2の船舶であり,一対の折曲板が船底より突出し,長筒部の開口部が開かれた状態を示す背面端面状態図である。
次に本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の請求項1に係る船舶緊急停船機構は,船舶の両舷後部と船尾板によって形成される両隅角部に,右舷側の船尾板と右舷側面に沿って又は左舷側の船尾板と左舷側面に沿って,各々上下動自在に一対の折曲板を設け,航行の際は該一対の折曲板は両舷側面及び船尾板に併設状態で収納され,緊急に停船する際は該一対の折曲板が船底より突出した状態と成るように形成されている。このため操船者は,通常は一対の折曲板を両舷側面及び船尾板に併設状態で収納して船舶を航行させる。折曲板は両舷側面及び船尾板に併設状態で航行時に支障が生じないように固定しておくが,好ましくは各折曲板が出入り自在の折曲板収納ケースを上記両隅角部に設けても良い。該折曲板収納ケースを設けた場合は,各々の折曲板が船舶の航行に際して舷側を流れる水に対して生じる負荷を減少させることができる。
各折曲板の折曲部分であって船尾板に沿った板材部の長さは,左右一対の折曲板の板材部の合計長さとして,船尾板の水平方向の長さの40%以上100%以下とすることが,緊急に停船する時間が短かく好ましい。より好ましくは50%以上100%以下が,より停船時間が短く成る。
また折曲板の折曲部分であって右舷又は左舷に沿った舷側板材部の長さは,上記船尾板に沿った板材部の長さの80%以上200%以下とすることが,停船時の船体の直進安定性が保持され好ましい。80%未満では船尾板に沿った板材部によって遮られた水が舷外側方向に逃げやすくなり船体の直進安定性が不良と成る。200%超とすると折曲板の舷側板材部の長さが長くなり,船舶航行の負荷と成る。より好ましくは100%以上150%以下である。100%未満では船尾板に沿った板材部によって遮られた水が舷外側方向に逃げやすくなる傾向があり船体の直進安定性が不良と成る傾向がある。150%超では折曲板の舷側板材部が船舶航行の負荷と成る傾向がある。
操船者は,緊急に停船操作を行う際には,一対の折曲板が船底より突出した状態に成るように,該折曲板を自重により水中方向に落下させる。落下後の船底からの突出部分は長いほうが停船が瞬時に成される。しかし折曲板の高さは,通常の航行時に舷外側を流れる水流に乱れを生じさせないようにするため,及び船舶の艤装上負荷と成らないようにするため,両舷の垂直方向の高さと同一であることが好ましい。従って,船底より突出可能な長さは,折曲板の高さより小さい範囲に制限される。
折曲板が船底より突出することにより,船底に沿って流れる水は折曲板の船尾板に沿った板材部によって遮られ,船舶の速度は急激に低下する。船舶の速度が低下すると喫水線が上昇するため水の船体に対する抵抗がさらに急激に増加し,結果として船舶は緊急停船する。急停船後は落下状態にある折曲板を舷側及び船尾板に沿って持ち上げれば,再度航行させることができる。
また,請求項2に係る船舶緊急停船機構は,請求項1記載の船舶緊急停船機構に設けられている折曲板の他,推進プロペラの前方位置に喫水線上に開口部を有する長筒部の他の開口端部が配設され,操船者が緊急に停船操作を行う際は,上記折曲板を水中に落下させると共に,喫水線上に開口部を有する長筒部の該開口部を開く。開口部が開くことで,一対の折曲板の中央位置に設けられている推進プロペラの前方に,空気が長筒部の開口端部より供給され,このため推進プロペラは空転し,船舶は上記折曲板による効果と合わせて緊急に停船する。
以下図1乃至図1に基づき詳細に説明する。
図1乃至図5は請求項1記載の船舶緊急停船機構に係る発明の実施例1を示している。1は船舶であり,船尾板2の中央には船外モータ3が取り付けられている。右舷後部4と船尾板2によって形成される隅角部6には折曲板8が配設され,左舷後部5と船尾板2によって形成される隅角部7には折曲板9が配設されている。折曲板8は右舷側面4a及び船尾板2に沿って上下動自在に形成され,折曲板9は左舷側面5a及び船尾板2に沿って上下動自在に形成され,それぞれ折曲板収納ケース10及び11に収納されている。
折曲板収納ケース10及び11は,図1においては右舷側面4a又は左舷側面5a及び船尾板2より外側に突出して設けていて,右舷側面4a又は左舷側面5aからの立ち上がり部4b,5bにはテーパーが設けられ,該テーパーにより船首方向からの水の流れの抵抗を小さくしている。本実施例1では折曲板収納ケース10及び11は右舷側面4a又は左舷側面5a及び船尾板2より外側に突出して設けているが,右舷後部4及び左舷後部5及び船尾板2の内側に設けてもよいのは勿論である。
折曲板収納ケース10及び11は上面及び底面が開放され,折曲板8及び9の上面には略コの字状の楔ゲート12,13が固着され,図1,図2及び図4において該楔ゲート12,13には楔14,15が差し込まれていて,この状態で折曲板8及び9は右舷側面4aと船尾板2,又は左舷側面5aと船尾板2に併設状態で折曲板収納ケース10又は11内に収納されている。
楔14,15には,船舶の緊急停船時に該楔ゲート12,13から引き抜いて,折曲板8又は折曲板9を自重により落下させるための,コの字型の把手14a,15aが設けられている。したがって操船者が船舶1を緊急停船させるときには該把手14a及び15aを把持して楔14,15を楔ゲート12,13から引き抜いて折曲板8及び9を自重により水中方向に落下させる。
折曲板8又は9の船尾板2に沿った板材部8a又は9aの上部には段差部8b,9bが設けられていて,段差部8b,9bより上部は板材部8a,9aの厚みが大きく形成され,段差部8b,9bより下部は板材部8a,9aの厚みが小さく形成されている。
また,折曲板8又は9の船首方向及び船尾板2の中央方向の端部は,本実施例1においては平滑に形成しているが,該端部の内側方向に鍔を突設してもよい。鍔を設ければ折曲板8又は9に流れを遮られた水が,折曲板8又は9の外側に逃げにくくなり,船舶の停船時間がより短くなる。
一方,船尾板2の下部には折曲板停止部2a,2bが突設され,折曲板8又は折曲板9が船尾板2に沿って落下した際に,段差部8b,9bより上部が該折曲板停止部2a,2bに掛止されて,それ以上落下しないように形成されている。段差部8b,9bが折曲板停止部2a,2bに掛止された状態を示したのが図3及び図5であり,折曲板8,9の半分以上が船底より突出した状態と成っている。この状態では船舶1の航行時に船首方向から流れる水は,折曲板8,9の板材部8a,9aに遮られることに成り,船舶1は急停船する。
また折曲板8,9には右舷側面4a又は左舷側面5aにそって舷側板材部8c,9cが設けられているため,折曲板8,9が船底より突出している際には,該舷側板材部8c,9cも突出して,船首方向から流れる水を板材部8a,9aに導く。このため,船舶1は瞬時に急停船するとともに,急旋回することを防止して船体の安定性が保持される。
船舶1が急停船後は,折曲板8,9に設けられた楔ゲート12,13を別途用意した鉤手等により引っ掛けて上方に持ち上げ,再度楔14,15を該楔ゲート12,13に差し込めば,折曲板8,9は折曲板収納ケース10又は11に収納されて,船舶1は航行可能な状態と成る。
なお,本実施例1では折曲板8,9の水中への落下操作は、楔14,15の引き抜きにより行うように形成したが,ソレノイドを利用した電源のオン・オフ操作により折曲板8,9の水中への落下操作を行うように形成してもよい。
次に図6乃至図9に基づいて請求項2記載の船舶緊急停船機構に係る発明の実施例2について詳述する。20は船舶であり,船尾板22の中央には船外モータ23が取り付けられている。右舷後部24と船尾板22によって形成される隅角部26には折曲板28が配設され,左舷後部25と船尾板22によって形成される隅角部27には折曲板29が配設されている。折曲板28は右舷側面24a及び船尾板22に沿って上下動自在に形成され,折曲板29は左舷側面25a及び船尾板22に沿って上下動自在に形成され,それぞれ折曲板収納ケース30及び31に収納されている。
折曲板収納ケース30及び31は,図6においては右舷側面24a又は左舷側面25a及び船尾板22より外側に突出して設けていて,右舷側面24a又は左舷側面25aからの立ち上がり部24b,25bにはテーパーが設けられ,該テーパーにより船首方向からの水の流れの抵抗を小さくしている。本実施例2では折曲板収納ケース30及び31は右舷側面24a又は左舷側面25a及び船尾板22より外側に突出して設けているが,右舷後部24及び左舷後部25及び船尾板22の内側に設けてもよいのは勿論である。
折曲板収納ケース30及び31は上面及び底面が開放され,折曲板28及び29の上面には鋼索32,33が固着され,鋼索32はプーリー34,35を経てラチェット軸36に巻回されている。ラチェット軸36の端部には図6及び図7に示すようにラチェット歯車37が固着され,該ラチェット歯車37には回動自在に軸支された爪部38の先端部が係合するように形成されている。
折曲板28は折曲板収納ケースに30に収納された状態で鋼索32に張力が生じ,ラチェット歯車36に爪部37が係合して折曲板28がその位置で保持されている。爪部38の先端部には鋼索39が固着され,鋼索39はプーリー40を経て,緊急停船ペダル41の端部41aに固着されている。
緊急停船ペダル41は中央部が回動自在に軸42に軸支されていて,軸42にはねじりバネ43が挿入されている。またねじりバネ43の端部は床板44に当接し,ねじりバネ43の他端は緊急停船ペダル41の端部41bに当接し,この結果,緊急停船ペダル41は,端部41bが床板44から離れる方向にねじりバネ43によって付勢状態に保持されている。
また折曲板29は折曲板収納ケース31に収納された状態で鋼索33に張力が生じ,鋼索33はプーリー45,46を経て鋼索32と同様にラチェット軸36に巻回されている。ラチェット軸36の回転は上記爪部38がラチェット歯車37に係合することで停止しているため,折曲板29は折曲板収納ケース31に収納された状態で保持されている。
折曲板28,29の船尾板22に沿った板材部28a又は29aの上部には段差部28b,29bが設けられていて,段差部28b,29bより上部は板材部28a,29aの厚みが大きく形成され,段差部28b,29bより下部は板材部28a,29aの厚みが小さく形成されている。
また,折曲板28又は29の船首方向及び船尾板22の中央方向の端部は,本実施例2においては平滑に形成しているが,該端部の内側方向に鍔を突設してもよい。鍔を設ければ折曲板28又は29に流れを遮られた水が,折曲板28又は29の外側に逃げにくくなり,船舶の停船時間がより短くなる。
船尾板22の下部には折曲板停止部22a,22bが突設され,折曲板28又は折曲板29が船尾板22に沿って落下した際に,段差部28b,29bより上部が該折曲板停止部22a,22bに掛止されて,それ以上落下しないように形成されている。段差部28b,29bが折曲板停止部22a,22bに掛止された状態を示したのが図8及び図10であり,折曲板28,29の半分以上が船底より突出した状態と成っている。この状態では船舶20の航行時に船首方向から流れる水は,折曲板28,29の板材部28a,29aに遮られることに成り,船舶20は急停船する。
また折曲板28,29には右舷側面24a又は左舷側面25aにそって舷側板材部28c,29aが設けられているため,折曲板28,29が船底より突出している際には,該舷側板材部28c,29bも突出して,船首方向から流れる水を板材部28a,29aに導く。このため,船舶20は瞬時に急停船するとともに,急旋回することを防止して船体の安定性が保持される。
一方,船外モータ23の推進プロペラ23aの前方位置であって,図7又は図8の船舶の側面視において,前記折曲板28,29の板材部28a及び29aより後方位置には,喫水線上に開口部47を有する長筒部48の他の開口端部49が配設され,該長筒部48は折曲板収納ケース31に固着されている。
長筒部48の開口部47には開閉蓋50が開閉自在に設けられ,開閉蓋50の開放端部50aには鋼索51の端部が固着され,該鋼索51はプーリー52,53,54を経て,前記緊急停船ペダル41の端部41aに固着されている。開閉蓋50は開口部47を閉じた状態で鋼索51にわずかに張力が生じるように形成され,緊急停船ペダル41の端部41bを緊急時に操船者がねじりバネ43の付勢力に抗して踏み込むことにより,鋼索51は引っ張られて,開閉蓋50の開放端部50aが持ち上げられ,長筒部48の開口部47が開かれるように形成されている。
操船者が緊急停船ペダル41の端部41bを踏み込みと,前記鋼索39も同時に引っ張られて爪部38が図7において上方反時計回りに回動し,該爪部38のラチェット歯車37との係合が解除される。鋼索32,33にはラチェット歯車37と爪部38が係合状態で,折曲板28,29のそれぞれの自重による張力がかかっているため,ラチェット歯車37と爪部38の係合が解除されると,ラチェット軸36に巻回された鋼索32,33が繰り出されて折曲板28、29は自重により水中方向に落下し,図8及び図9に示すように該折曲板28,29の半分以上が船底より突出した状態に成る。
このように,緊急時に操船者が緊急停船ペダル41の端部41bを踏み込むことにより,折曲板28,29が船底より突出した状態になると共に,長筒部48の開口部47が開かれるように形成されている。
折曲板28,29が船底より突出すると,前記のように船首方向から流れる水は,折曲板28,29の板材部28a,29aに遮られることになり,船舶20は急停船するが,同時に該水は左右の折曲板28,29の船尾板に沿った両板材部28a,29aの間を通過し,該両板材部28a,29aによって遮られることで流速を増し減圧状態となる。長筒部48の開口部47は開かれた状態となっているため,該開口部47より空気が長筒部48内に流入し,流入した空気は開口端部49より水中に供給される。これにより推進プロペラ23aの前方に空気が供給されて推進プロペラ23aは空転して推力を失い,船舶20はさらに短時間で急停船する。
なお,ラチェット歯車37の外側には鋼索32,33を巻き取るための巻上ハンドル37aが突設されている。船舶20が緊急停船後は,操船者は緊急停船ペダル41の踏み込みを解除すると,緊急停船ペダル41の端部41aはねじりバネ43の付勢力により床板44に当接して,鋼索51が緩む。この状態で操船者は,開閉蓋50を閉じて長筒部48の開口部47を塞ぎ,また床板44のラチェット歯車37上に設けられた扉55を開いて,巻上ハンドル37aを回動させて,鋼索32及び33をラチェット軸36に巻回する。ラチェット軸36に鋼索32及び33が巻回されると徐々に折曲板28及び29は水中から持ち上げられて該折曲板28,29は折曲板収納ケース30,31内に収納される。この状態で、ラチェット歯車37に爪部38を係合させれば折曲板28,29が折曲板収納ケース30,31内に収納状態で保持され,船舶20は航行可能な状態と成る。
なお,本実施例2では折曲板28,29への水中への落下操作,及び開閉蓋50の開閉操作は,緊急停船ペダル41の踏み込みにより行うように形成したが,ソレノイドを利用した電源のオン・オフ操作によりこれらの操作を行うように形成してもよい。
1 船舶
2 船尾板
2a,2b 折曲板停止部
3 船外モータ
4 右舷後部
4a 右舷側面
4b 立ち上がり部
5 左舷後部
5a 左舷側面
5b 立ち上がり部
6,7 隅角部
8,9 折曲板
8a,9a 板材部
8b,9b 段差部
8c,9c 舷側板材部
10 折曲板収納ケース
11 折曲板収納ケース
12,13 楔ゲート
14,15 楔
14a,15a 把手
20 船舶
22 船尾板
22a,22b 折曲板停止部
23 船外モータ
23a 推進プロペラ
24 右舷後部
24a 右舷側面
24b 立ち上がり部
25 左舷後部
25a 左舷側面
25b 立ち上がり部
26,27 隅角部
28,29 折曲板
28a,29a 板材部
28b,29b 段差部
28c,29c 舷側板材部
30,31 折曲板収納ケース
32,33 鋼索
34,35 プーリー
36 ラチェット軸
37 ラチェット歯車
37a 巻上ハンドル
38 爪部
39 鋼索
40 プーリー
41 緊急停船ペダル
41a,41b 端部
42 軸
43 ねじりバネ
44 床板
45,46 プーリー
47 開口部
48 長筒部
49 開口端部
50 開閉蓋
50a 開放端部
51 鋼索
52,53,54 プーリー

Claims (2)

  1. 船舶の両舷後部と船尾板によって形成される両隅角部に,右舷側の船尾板と右舷側面に沿って又は左舷側の船尾板と左舷側面に沿って,各々上下動自在に一対の折曲板を設け,航行の際は該一対の折曲板は両舷側面及び船尾板に併設状態で収納され,緊急に停船する際は該一対の折曲板が船底より突出した状態と成ることを特徴とする船舶緊急停船機構。
  2. 右舷側にある折曲板の船尾板に沿った板材部と左舷側にある折曲板の船尾板に沿った板材部との間であって,船舶の側面視において該板材部と同位置又は後方位置であって推進プロペラの前方位置に,喫水線上に開口部を有する長筒部の他の開口端部を配設し,開口部を開閉自在に形成し,航行の際は一対の折曲板が両舷側面及び船尾板に併設状態で収納されるとともに,開口部は閉じられていて,緊急に停船する際は該一対の折曲板が船底より突出状態になると共に,開口部が開かれることを特徴とする請求項1記載の船舶緊急停船機構。
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