JP5151286B2 - スナバ回路 - Google Patents

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本発明は、半導体素子に加わる過電圧から、この半導体素子を保護するスナバ回路に関する。
従来、半導体素子を用いた電力変換装置において、スイッチング動作時に生じる過電圧から、半導体素子を保護するスナバ回路が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
この種のスナバ回路には、最も簡易な回路の一つとして抵抗器(制動抵抗器)とコンデンサとを直列に接続した直列回路を保護対象素子の半導体素子と並列に接続したRCスナバ回路がある。このRCスナバ回路は、特に図示しないが保護対象素子の半導体素子(例えば、IGBT)と並列に接続される。そしてIGBTに過電圧が生じた場合、RCスナバ回路は、この過電圧の原因となる電流を分流させて過電圧を抑制する。
例えば図6には、RCスナバ回路が適用されたDC−DCコンバータを示す。この図に示されるDC−DCコンバータは、電源側である一次側と、負荷側である二次側とを分離する変圧器T(絶縁変圧器)を備え、直流電源1の電力をスイッチング素子によって高速でスイッチングし、変圧器Tの一次巻線T1に与える。ちなみにスイッチング素子QをMOSFETで構成した場合、直流電源1と一次巻線T1とが接続される電流ラインには、MOSFET(Q)が直列に介装される。具体的には、一次巻線T1の一端(図6では、一次巻線T1の巻始め:黒丸で表示)が直流電源1の正極に、他端(一次巻線T1の巻終り)がMOSFET(Q)を介して直流電源1の負極に接続される。そしてMOSFET(Q)のドレインは一次巻線T1に、ソースは直流電源1にそれぞれ接続される。
またツェナダイオードZDとダイオードD1との互いのカソードを接続した直列回路が構成され、ツェナダイオードZDのアノードは、直流電源1の正極と接続されている一次巻線T1に、ダイオードD1は、MOSFET(Q)のドレインと接続されている一次巻線T1にそれぞれ接続される。
このように構成されたDC−DCコンバータは、MOSFET(Q)がオンしているとき、一次巻線T1の巻終りに対して巻始めは正の電圧をもつ。次いでMOSFET(Q)をオフすると、一次巻線T1に蓄えられた電磁エネルギーによって誘起された電流が一次巻線T1の巻終りからダイオードD1からツェナダイオードZDを通り、一次巻線T1の巻始めに至る経路に流れる。このとき一次巻線T1に生じる電圧は、MOSFET(Q)がオンの状態と極性が逆になる。
つまりMOSFET(Q)のスイッチング動作を行うことで、一次巻線T1の両端には極性が時間的に変化する電圧、すなわち交流が生じる。ちなみにMOSFET(Q)のスイッチング動作の周期(スイッチング周波数)は、変圧器Tの小型化、騒音防止の観点から数十kHz以上とするのが一般的である。なお図6には、MOSFET(Q)のゲートに接続されて、このMOSFET(Q)を制御するオン・オフ制御回路を図示していない。
一方、変圧器Tの二次側巻線(以下、二次巻線T2と称する)には、二次電圧をダイオードD2で整流した後、負荷RLに至る電流ラインに直列に介装された直流リアクトルDCLおよび、負荷RLと並列に接続されたコンデンサC3による平滑回路が設けられている。
この図において平滑回路の二次巻線T2側に並列に接続されたダイオードD3は、還流ダイオードまたはフリーホイリングダイオードと呼ばれる。このダイオードD3は、スイッチング素子Qがオフされたとき、直流リアクトルDCL、負荷RLおよびダイオードD3で形成される閉回路に沿う電流経路を形成する。つまりダイオードD3は、直流リアクトルDCLに蓄えら得た電磁エネルギーを負荷RLに与え、負荷RLに印加される電圧を一定にする役割を担っている。
またダイオードD3には、RCスナバ回路2が並列に接続されている。このスナバ回路2は、スナバキャパシタCと抵抗器Rとを直列に接続した直列回路として構成される。そして、このスナバ回路2がダイオードD3と並列に接続される。
このRCスナバ回路2は、保護対象のダイオードD3に印加される過電圧を効果的に抑制するためダイオードD3に存在する寄生容量Cpに比べてスナバキャパシタCの静電容量を十分大きく(例えば10倍程度)している。
このように構成されたDC−DCコンバータにおいて、まずRCスナバ回路2を設けなかった場合を考察する。
DC−DCコンバータのMOSFET(Q)がスイッチング動作すると、図7(a)に示すように二次巻線T2にステップ状の電圧が誘起される。このとき二次巻線T2に誘起される起電力を[E]とする。変圧器Tの二次巻線T2には、漏れリアクタンスLeが存在するので、二次巻線T2にステップ状の電圧が生じると、漏れリアクタンスLeと寄生容量Cpとによる電圧振動が生じる。この電圧振動によって寄生容量Cpの両端の電圧は、図7(b)に示すように二次巻線T2に誘起される起電力[E]の2倍[2E]まで達する。したがってダイオードD3は、この電圧に耐えるだけの高い耐電圧を有する素子を選定する必要がある。
そこで保護対象のダイオードD3と並列にRCスナバ回路2を接続し、上述した過電圧からダイオードD3を保護するとともに、過剰に高い耐電圧のダイオードD3を不要としている。ちなみにスナバ回路2を構成する抵抗器Rは、二次巻線T2に存在する漏れリアクタンスLeとスナバキャパシタCとの間に生じる共振現象を抑制する共振抑制素子(制動抵抗器)として作用する。
特開平9−56166号公報
上述したRCスナバ回路において保護対象の半導体素子に印加される過電圧の電圧抑制効果を高めるには静電容量の大きいスナバキャパシタCを用いればよい。しかしながら、静電容量の大きなスナバキャパシタCを有するスナバ回路をスイッチング周波数が高い回路に適用した場合、制動抵抗Rで生じる電力損失が大きくなるという問題がある。これはRCスナバ回路の損失は、スナバキャパシタCの静電容量に比例し、印加電圧の2乗に比例して増加するからである。
あるいは前述した特許文献1に記載の電力変換装置には、直流電圧源と見なせるクランプコンデンサと、可変容量コンデンサとを組み合わせたスナバ回路が開示されている。しかしながらこのスナバ回路は、可変容量コンデンサで吸収したエネルギーをクランプコンデンサで受とり、そしてこのエネルギーを直流電源に回生するものであって、回生先となる直流電圧源が存在しない回路部分には適用できないという問題があった。
本発明のスナバ回路は、上述した事情を解決するべくなされたものであり、その目的とするところは、簡単な回路でありながら電圧抑制効果が高く、電力損失が少ないだけでなくスナバエネルギーの回生先となる直流電圧源が存在しない回路部分にも適用可能なスナバ回路を提供することにある。
上述した目的を達成するべく本発明のスナバ回路は、保護対象の半導体素子と並列に接続されて、過電圧から該半導体素子を保護するスナバ回路であって特に、
前記スナバ回路は、所定電圧の直流電圧源と、その両端に印加される電圧が高くなるとその静電容量が減少する一方、印加される電圧が低くなると静電容量が増加する可変容量コンデンサとが直列に接続された直列回路を具備し、前記直流電圧源は、所定容量のコンデンサと、このコンデンサを所定電圧に充電する充電手段とを備えて構成される。特にこの直流電圧源を構成する前記コンデンサの静電容量は、前記可変容量コンデンサの静電容量よりも大きいことを特徴としている。
また、上記直流電圧源は、前記半導体素子に印加される直流電圧の最大値と略等しい電圧を出力するものとして構成される。
上述のスナバ回路は、保護対象の半導体素子に印加される電圧が低いとき、前記直流電圧源が出力する電圧と、前記可変容量コンデンサの電圧が略等しい。このため可変容量コンデンサの静電容量は、小さくなる。したがって充放電による損失を低減する作用が得られる。逆に保護対象の半導体素子に印加される直流電圧が高く、ほぼ最大電圧のとき、直流電圧源の電圧は、該半導体素子の電圧と略等しい一方、可変容量コンデンサの電圧は、ほぼ零になる。このため可変容量コンデンサの静電容量は、大きくなり、保護対象の半導体素子に加わる過電圧の抑制効果を高める作用が得られる。
また上述のスナバ回路は、直流電圧源にコンデンサと、これを充電する充電手段、例えば整流用ダイオード等を用いて保護対象の半導体素子に印加される直流電圧の最大値と略等しい電圧にコンデンサを充電しつつ、その放電を防止する構成としているので、簡易な回路構成でありながら直流電圧源を実現でき、上述の作用を得ることができる。
上述したように本発明のスナバ回路によれば、保護対象の半導体素子に印加される直流電圧の最大値と略等しい電圧を出力する直流電圧源と、その両端に印加される電圧によって静電容量が変化する可変容量コンデンサとを直列に接続した構成としているので半導体素子の電圧が高いとき、可変容量コンデンサに印加される電圧がほぼ零、すなわちその静電容量が大きくなり、それゆえ、保護対象の半導体素子に印加される過電圧を効果的に抑制することができる。
また本発明のスナバ回路に係る直流電圧源は、所定容量のコンデンサと、このコンデンサを所定電圧に充電する充電手段とから構成され、特に、この直流電圧源を構成するコンデンサの静電容量を可変容量コンデンサの静電容量より大きいものとして構成している。より具体的に本発明のスナバ回路における充電手段は、前記スナバ回路に電圧が印加されているときは、直流電圧源を構成するコンデンサを充電し、前記スナバ回路に電圧が印加されていないときには、前記可変容量コンデンサに蓄えられた電荷を例えば抵抗器(放電手段)によって放電している。よって本発明のスナバ回路は、簡易な回路構成でありながら保護対象の半導体素子に印加される過電圧を効果的に抑制するだけでなく、充放電に伴う損失を抑えることができる。
つまり本発明のスナバ回路における直流電圧源を構成するコンデンサは、整流素子を介して保護対象の半導体素子に印加される電圧のピーク値に充電されるとともに、その放電が整流素子によって制限されるので高周波電流に対して直流電圧源と見なすことができる。したがって本発明のスナバ回路は、上述した特許文献1に記載される電力変換装置と異なり、直流電圧源を構成するコンデンサが単に直流バイアスを与えているのみであってエネルギーの授受には関与していない。このため本発明のスナバ回路は、スナバエネルギーの回生先となるべき直流電圧源をもたない回路部分にも適用可能である等の実用上多大なる効果を奏する。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、図1,2,4,5は、本発明の一実施形態に係るスナバ回路を例示するものであって、これらの図によって限定されるものではない。
さて図1は本発明の実施例1に係るスナバ回路を示すものであって、図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表わし、基本的な構成は、図6に示す従来のものと同様であるので、その説明を省略する。
この実施例1は、本発明のスナバ回路をDC−DCコンバータに適用したものである。
図1において保護対象のダイオードD3には、スナバ回路10が並列に接続される。このスナバ回路10は、その両端に印加される電圧が高くなるとその静電容量が減少し、逆に印加される電圧が低くなるとその静電容量が増加する可変容量コンデンサC1と、この可変容量コンデンサC1より静電容量が大きい所定の静電容量を有するコンデンサC2および可変容量コンデンサC1に蓄えられた電荷を放電する抵抗器R1が直列に接続される。
また、ダイオードD3の通流方向と逆方向に接続されたダイオードD4は、可変容量コンデンサC1と抵抗器R1とで構成される直列回路に並列に接続される。
概略的には上述したように構成されたDC−DCコンバータ回路において、本発明のスナバ回路が特徴とするところは、その両端に印加される電圧が高くなるとその静電容量が減少し、逆に印加される電圧が低くなるとその静電容量が増加する可変容量コンデンサを用いた点にある。
この可変容量コンデンサは、例えばセラミックコンデンサの一種や、半導体の寄生キャパシタンスとして知られている。またこの可変容量コンデンサは、図2の電圧−静電容量特性図に示されるように、その両端に印加される電圧が低いときには、静電容量(キャパシタンス)が大きくなる一方、印加される電圧が高くなると静電容量が小さくなるという特性を備えている。
このような特徴ある本発明のスナバ回路について、より詳細に説明する。
保護対象の半導体素子であるダイオードD3に電圧Vが印加されると、スナバ回路10のコンデンサC2は、ダイオードD4を介して電圧Vに略等しい電圧に充電される。このときコンデンサC2に蓄えられた電荷は、ダイオードD4によって放電が阻止される。したがってコンデンサC2の両端の電圧Vs2は、ほぼ電圧Vに近い一定値を保つ。このためコンデンサC2は、高周波電流に対して直流電圧源とみなすことができる。
ちなみにコンデンサC2には、別の充放電回路として抵抗器R1と可変容量コンデンサC1とが接続されている。しかし抵抗器R1と可変容量コンデンサC1には、直流電流が流れ得ないのでコンデンサC2の電圧値を変化させることはない。
またこのスナバ回路2において、コンデンサC2と可変容量コンデンサC1は、電気的に直列に接続された状態にある。したがってこれらコンデンサC1,C2の合成静電容量C0は、コンデンサC2の静電容量をCs2、可変容量コンデンサC1の静電容量をCs1とすれば、
C0=1/{(1/Cs1)+(1/Cs2)}
となる。
ところで本発明のスナバ回路において直流電圧源を構成するコンデンサC2の静電容量Cs2は、可変容量コンデンサC1の静電容量Cs1に対して十分大きくとっている。このため合成静電容量C0は、近似的に
C0≒Cs2
と見なすことができる。
ここに可変容量コンデンサC1の両端の電圧Vs1は、コンデンサC2両端の電圧Vs2と、保護対象のダイオードD3における両端の電圧Vとの差電圧に等しい。すなわち可変容量コンデンサC1の両端の電圧Vs1は、
s1=Vs2−V
である。
一方、上述したようにコンデンサC2の両端の電圧Vs2は、ほぼダイオードD3の両端の電圧Vに等しい。したがってダイオードD3の両端の電圧Vが[0V]のときは、
s2=Vs1
となる。このとき可変容量コンデンサC1に印加される電圧が高くなるので、図2の電圧−静電容量特性図からわかるようにその静電容量Cs1は、小さな値となる。よって本発明のスナバ回路は、保護対象のダイオードD3に電圧が印加されるタイミングで可変容量コンデンサC1の静電容量Cs1が小さくなるため充放電による損失を抑えることができる。
一方、スナバ回路10が電圧抑制効果を発揮すべきダイオードD3の両端の電圧Vがピーク値になる近傍では、上述したように可変容量コンデンサC1に印加される電圧が低くなるので、その静電容量Cs1は、大きくなる。したがって、これらコンデンサC1,C2の合成静電容量C0が大きくなるので本発明のスナバ回路は、高い電圧抑制効果を得ることができる。
ここで本発明のスナバ回路が、前述した従来のRCスナバ回路に比べて高い電圧抑制効果が得られる点をより詳細に説明する。
まず、図6に示す従来のDC−DCコンバータにおいて、従来のRCスナバ回路を適用したときを考察する。
変圧器Tの二次巻線T2に起電力Eが発生した直後、スナバキャパシタCは、充電されていないためその電圧は[0V]である。よって、漏れリアクタンスLeの両端には、起電力Eに等しい電圧が印加され、図3に示すようにRCスナバ回路に流れる電流Isが増加する。この電流Isの増加率は、スナバキャパシタCの充電に伴い減少するものの、保護対象の半導体素子(ダイオードD3)の電圧Vが起電力Eを上回るまで続く。また、抵抗器Rの制動作用を無視すると、LC共振の原理から電流Isのピーク値Ipは、
Ip=E・(Cs/L)1/2・・・(1)
で求めることができる。この式において、Lは、漏れリアクタンスLeのインダクタンス、Csは、スナバキャパシタCの静電容量である。なお、ここではダイオードD3に存在する寄生容量Cpの作用は、スナバキャパシタCの静電容量Csに比べて十分小さいものとして無視する。
そしてダイオードD3の両端における電圧Vが起電力Eを上回ると、漏れリアクタンスLeに印加される電圧の極性が逆転して電流Isは減少する。しかしダイオードD3の両端の電圧Vは、漏れリアクタンスLeが保有するエネルギーがすべてスナバキャパシタCに移行し、電流Isが[0A]になるまで増加し続ける。したがって上述したように抵抗器Rの制動作用を無視すると、ダイオードD3両端における電圧Vの起電力Eに対する増加分△Vは、
△V=Ip・(L/Cs)1/2
となる。つまりこの場合、[△V=E]となり、ダイオードD3の両端における電圧Vの
ピーク値は、起電力Eの2倍程度に達する。このため、ダイオードD3は、高い耐電圧を有する必要がある。
次に本発明のスナバ回路をDC−DCコンバータに適用した場合を考察する。ここでは理解をしやすくするため、近似的にダイオードD3の両端における電圧Vが変圧器Tの二次巻線T2に生じる起電力Eを超えたとき、可変容量コンデンサC1の静電容量Cs1が増加し始めるものとする。また、ダイオードD3の両端の電圧Vが起電力Eに達する前の静電容量Cs1は、前述したスナバキャパシタCの1/4の静電容量であるとする。
さて、スナバ回路10に流れる電流Isは、ダイオードD3の両端における電圧Vの増加が速いため抑制される。したがって、電流Isのピーク値Ipは、式(1)から導かれるようにRCスナバ回路の1/2となる。
次いでダイオードD3の両端の電圧Vが起電力Eを超えると、可変容量コンデンサC1の静電容量Cs1は、増加し始め、最終的にスナバキャパシタCと同じ静電容量Csに達する。このときスナバ回路10に流れる電流Isのピーク値Ipは、図4に示すように小さい。このためダイオードD3の両端における電圧Vを起電力Eに対する増加分△Vとし
て示せば、RCスナバ回路に比べてその増加分△Vは、小さくなることが理解できる。つ
まり電圧のピーク値が低くなることによってスナバ回路10に蓄積されるエネルギーが小さくなり、それゆえ最終的に制動抵抗R等で消費されるエネルギーは、小さくなることがわかる。
かくして本発明の実施例1に係るスナバ回路は、抵抗器R1と直列に接続されるコンデンサに可変容量コンデンサC1を用いているので、保護対象の半導体素子に印加される電圧が低いとき可変容量コンデンサC1の静電容量は、小さくなり充放電による損失を抑えることが可能となる。また保護対象の半導体素子の電圧が高いとき、可変容量コンデンサC1の電圧は、ほぼ零になるので、その静電容量が大きくなる。それゆえ、本発明のスナバ回路は、効果的に半導体素子に印加される過電圧を抑制することができる。
なお、本発明のスナバ回路は、回路の損失成分に抵抗器R1の役割を代行させることで上述した抵抗器R1を省略し、いわゆるCスナバ回路として構成することもできる。あるいは直流電圧源を構成するコンデンサは、所定の静電容量を有する固定容量コンデンサでもよいし、印加される電圧によってその静電容量が変化する可変容量コンデンサのいずれでもかまわない。これは本発明において直流電圧源を構成するコンデンサは、最初の1回を除いて充放電動作を行わないため、たとえコンデンサの静電容量が変化したとしても本発明におけるスナバ回路の作動に影響を与えないからである。
次に本発明の実施例2に係るスナバ回路について図5を参照しながら説明する。この実施例2が上述した実施例1と異なるところは、2個の半導体スイッチング素子を用いて構成したプッシュ・プル型DC−DCコンバータに本発明に係るスナバ回路を適用した点にある。
さて、図5においてTは、電源側と負荷側とを絶縁する変圧器(絶縁変圧器)Tである。この変圧器Tの一次巻線T1および二次巻線T2は、それぞれ中間タップを備える。
一次巻線T1の巻始めおよび巻終りには、2つのMOSFET(Q1,Q2)のドレインが接続される。そしてこれらMOSFET(Q1,Q2)のソースは、互いに直流電源1の負極に接続される。そして直流電源1の正極は、一次巻線T1の中間タップに接続される。
一方、二次巻線T2の巻始めおよび巻終りには、コンデンサC4を充電するための2個の整流用ダイオードD1,D2のアノードがそれぞれ接続される。また二次巻線T2の中間タップには、負荷RLに至る直流リアクトルDCLが直列に介装されている。一方、負荷RLの他端には、二つのダイオードD3,D4のアノードが接続される。この二つのダイオードD3,D4のカソードは、それぞれ二次巻線T2の巻始めおよび巻終りにそれぞれ接続される。これらのダイオードD3,D4は、整流ダイオードであると同時にMOSFET(Q1,Q2)が共にオフしたときには還流ダイオードの役割を担う。なお、負荷RLの両端には、平滑用コンデンサC3が並列に接続される。
また実施例1で説明した直流電圧源とみなせるコンデンサC4の一端は、2個の整流用ダイオードD1,D2のカソードと接続され、その他端は、ダイオードD3,D4のアノードにそれぞれ接続される。
そして可変容量コンデンサC1,C2は、それぞれ制動抵抗器の機能を司る抵抗器R1,R2と接続された直列回路を構成し、それぞれ2個の整流用ダイオードD1,D2のカソードと、二つのダイオードD3,D4のカソードとの間に接続される。
このように構成されたプッシュ・プル型DC−DCコンバータは、2個のMOSFET(Q1,Q2)を排他的にオン・オフ制御することによって変圧器Tの二次巻線T2に電圧を生じさせる。この電圧は、二つの整流用ダイオードD1,D2によって整流された後、直流リアクトルDCLおよび平滑用コンデンサC3とによって平滑されて負荷RLに与えられる。
かくして本発明の実施例2に係るスナバ回路は、還流ダイオード(保護対象の半導体素子)の役割を担う二つのダイオードD3,D4に印加される電圧が高いときは、上述した実施例1と同様に可変容量コンデンサC1,C2の静電容量が大きくなるので、高い電圧抑制効果を得ることができる。また本発明の実施例2に係るスナバ回路は、二つのダイオードD3,D4に印加される電圧が低いときには、可変容量コンデンサC1,C2の静電容量が小さくなるので充放電による損失を少なく抑えることができる等の実用上多大なる効果を奏する。
尚、本発明のスナバ回路は、上記した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えても勿論かまわない。
本発明の実施例1に係るスナバ回路を適用したDC−DCコンバータの概略構成を示す回路図。 図1に示す本発明のスナバ回路に適用される可変容量コンデンサの電圧−静電容量(キャパシタンス)特性を示すグラフ。 従来のRCスナバ回路に流れる電流と保護対象半導体素子の電圧変化を示すグラフ。 図1に示す本発明のスナバ回路に流れる電流と保護対象半導体素子の電圧変化を示すグラフ。 本発明の実施例2に係るスナバ回路を適用したDC−DCコンバータの概略構成を示す回路図。 従来のRCスナバ回路が適用されるDC−DCコンバータの概略構成を示す回路図。 図6に示すRCスナバ回路を適用したDC−DCコンバータにおける変圧器の二次側電圧と保護対象の半導体素子に印加される電圧との関係を示すグラフ。
符号の説明
10 スナバ回路
1 可変容量コンデンサ
4 平滑用コンデンサ
4 ダイオード
1 抵抗器

Claims (2)

  1. 保護対象の半導体素子と並列に接続されて、過電圧から該半導体素子を保護するスナバ回路であって、
    前記スナバ回路は、所定電圧の直流電圧源と、
    その両端に印加される電圧が高くなるとその静電容量が減少する一方、印加される電圧が低くなると静電容量が増加する可変容量コンデンサと
    が直列に接続された直列回路を具備し、
    前記直流電圧源は、前記可変容量コンデンサより静電容量が大きい静電容量を有するコンデンサと、
    このコンデンサを所定電圧に充電する充電手段と
    を備えることを特徴とするスナバ回路。
  2. 前記直流電圧源は、前記半導体素子に印加される直流電圧の最大値と略等しい電圧を出力するものである請求項1に記載のスナバ回路。
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