JP5150937B2 - 光学系および撮像装置 - Google Patents

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本発明は、光学系および撮像装置に関する。
3次曲面を有する位相板を使用することによって光学システムの光伝達関数を焦点位置から或るレンジ内で実質的に一定に留めるとする技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特表平11−500235号公報
被写界深度を大きくするためには、光学系を通過後の光線を、光軸方向にできるだけ長く光軸まわりに沿わせることが望ましい。上記特許文献1に記載の技術によると、xおよびy座標について3次式で表される曲面の位相板が使用される。この位相板を通過後の光線の中には光軸に急速に近づいて光軸と交わるものも存在する。このような光線は、光軸との交点から離れるにつれて光軸から急速に離れていくので、被写界深度を狭める方向に作用する。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、光学系であって、光軸まわりの角度に応じた位相差を物点からの光に対して与える光変調部を有し、光変調部による位相変調により、物点からの光を物点までの距離によらず略一定の大きさに広げる。
光変調部は、角度に対して単調に変化する位相差を与えてよい。光変調部は、角度に略比例する位相差を与えてよい。
光変調部は、光軸からの距離が異なる複数の領域のそれぞれを通過する光に、それぞれ角度に対して単調に変化する位相差を与え、光変調部における複数の領域の少なくともいずれかは、他の領域が与える位相差の角度依存性と異なる角度依存性の位相差を、通過する光に与えてよい。
光変調部における複数の領域は、他の領域が与える位相差の角度依存性と異なる角度依存性の位相差を、通過する光に与えてよい。
光変調部における複数の領域の少なくともいずれかは、他の領域が与える位相差の単位角度あたりの変化率の符号と異なる符号の変化率で単位角度変化あたりに変化する位相差を、通過する光に与えてよい。
位相差の変化率の大きさは、光軸からより離れた位置の領域においてより大きくてよい。光変調部は、全周にわたって単調に変化する位相差を与えてよい。
物点からの光を光軸上における所定位置の近傍に結像する結像部をさらに備えてよい。光学系は、結像部を有する結像レンズと、光変調部を有する光学素子とをさらに備えてよい。
本発明の第2の形態によると、撮像装置であって、光軸まわりの角度に応じた位相差を物点からの光に対して与える光変調部を有し、光変調部による位相変調により、物点からの光を物点までの距離によらず略一定の大きさに広げる光学系と、光学系を通じて被写体を撮像する撮像部とを備える。
光学系の光学伝達関数に基づいて、画像における光の広がりによる画像情報が補正された補正画像を生成する画像処理部をさらに備えてよい。
光変調部は、角度に対して単調に変化する位相差を与えてよい。光変調部は、角度に略比例する位相差を与えてよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、一実施形態に係わる撮像装置110のブロック構成の一例を示す。撮像装置110は、被写界深度を深くすることができる撮像装置を提供する。なお、撮像装置110としては、デジタルカメラの他、撮像機能付きの携帯電話端末、監視カメラ、内視鏡などの、撮像機能を有する撮像機器を例示することができる。
撮像装置110は、光学系100、受光部170、制御部120、画像処理部180、出力部190を備える。光学系100は、結像レンズ200、光変調部104、ならびに、絞り部106を備える。
結像レンズ200は、物点からの光を光軸上における所定位置の近傍に結像する。結像レンズ200は、光軸まわりに対象な形状を有してよい。なお、結像レンズ200は、この発明における結像部の一例であってよい。また、結像レンズ200は、複数の光学素子により形成されるレンズ系であってよい。
絞り部106は、光学系100を通過する光を絞る。本図の例では、絞り部106は、結像レンズ200および光変調部104の少なくともいずれかの光学素子の間に設けられている。他の構成では、絞り部106は、結像レンズ200および光変調部104のいずれの光学素子より物体側に設けられてもよく、結像レンズ200および光変調部104のいずれの光学素子より受光部170側に設けられてもよい。
光学系100は、光変調部104による位相変調により、物点からの光を物点までの距離によらず略一定の大きさに広げる。具体的には、光学系100の光学伝達関数は、物点からの光を物点までの距離に対して略一定の大きさに広げる。光変調部104の光学特性については、図2A以降の図に関連して後述する。
図示されるように、光学系100は、光変調部104および結像レンズ200のように、上述した光学特性をそれぞれ持つ異なる光学素子で実現されてよい。他の形態では、光変調部104および結像レンズ200の機能は、一の光学素子で実現されてよい。また、光学系100の光学特性は、光変調部104および結像レンズ200の合成の光学特性を持つよう設計された複数の光学素子により実現されてもよい。
受光部170は、光学系100を通過した被写体光を受光する。受光部170は、光学系100の光軸に垂直な面上に2次元的に配置された複数の撮像素子を有する。複数の撮像素子は、光学系100を通過した光をそれぞれ受光する。
なお、受光部170が有する撮像素子は、CCD型の撮像素子であってよく、CMOS型の撮像素子であってもよい。各撮像素子の受光量を示す撮像信号は、画像処理部180に供給される。なお、受光部170は、光学系100を通じて被写体を撮像する撮像部として機能する。
画像処理部180は、撮像信号に基づき画像を生成する。画像処理部180は、各撮像素子からの撮像信号をそれぞれA/D変換することにより、デジタルの画像を生成する。そして、画像処理部180は、光学系100による点像強度分布に基づいて、複数の撮像素子により撮像された画像における光学系100による点像の広がりが補正された補正画像を生成する。
例えば、画像処理部180は、光学系100の光学伝達関数に基づく逆フィルタを画像に施すことにより、補正画像を生成してよい。画像処理部180が、撮像された画像に、光学系100の光学伝達関数に基づく補正処理を施すことにより、光学系100により広がった物点の像は、補正画像において点像に復元される。このように、画像処理部180は、光学系100の光学伝達関数に基づいて、画像における光の広がりによる画像情報が補正された補正画像を生成する。これにより、光学系100によってぼけた被写体像は、補正画像において鮮明な像に復元される。
出力部190は、画像処理部180により生成された補正画像を出力する。例えば、出力部190は、画像を記録する記録媒体に補正画像を出力してよい。出力部190は、撮像装置110の外部に補正画像を出力してよい。例えば、出力部190は、パーソナルコンピュータ、プリンタ、ディスプレイなどの出力機器に、補正画像を出力してよい。
なお、制御部120は、光学系100の位置、絞り部106の絞り開度など、光学系100の結像特性を制御する。なお、制御部120は、結像レンズ200の位置を制御することによって、光学系100の焦点距離を制御してもよい。
記録媒体152は、撮像装置110用のプログラムを格納している。記録媒体152が格納するプログラムは、コンピュータ等の電子情報処理装置にインストールされ、コンピュータ等の電子情報処理装置を、本実施形態における画像処理部180、制御部120、および出力部190を有する処理部150として機能させる。記録媒体152は、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等であってよい。また、当該プログラムは、本実施形態における処理部150として機能させるコンピュータ等の電子情報処理装置に、通信回線を通じて提供されてよい。
図2Aは、結像レンズ200の一例を示す。結像レンズ200により、線250aで示す入射光線は線250bで示す出射光となり、光軸202上の結像点280に結像する。x軸230およびy軸240は、結像点280を原点とする結像面上の座標軸を示す。なお、x軸230に平行に引かれた補助線210、y軸240に平行な補助線220、結像レンズ200の表面を概念的に示す補助線290aおよびbは、結像レンズ200の形状を概略示すための補助線であり、実際の結像レンズ200が備えるものを示しているわけではない。これは、以後の図においても同様である。また、以後の説明では、図示した光軸202方向をz軸にとる。
図2Bは、結像レンズ200のデフォーカス特性を示す。本図の上段に、結像レンズ200の瞳関数のグラフ260a〜eが、異なるデフォーカス量に対応づけて示されている。グラフ260においては、位相差が濃度で示されている。ここでは、一波長分の位相差が白黒の一組で表されている。なお、本実施形態において、デフォーカス量は、結像レンズ200の近軸像面から評価像面までのオフセット量を示す。
例えば、デフォーカス量が0である場合の瞳関数のグラフ260cを参照すると、全領域で位相差が0になっていることがわかる。一方、デフォーカス量が2Z0の場合の瞳関数のグラフ260eを参照すると、およそ二波長分程度の位相差が生じていることがわかる。
本図の下段には、結像レンズ200の点広がり関数(PSF)のグラフ270a〜eが、異なるデフォーカス量に対応づけて示されている。例えば、デフォーカス量が0である場合の点広がり関数のグラフ270cを参照すると、対応するグラフ260cの瞳関数が示すように、物点からの光は一点に結像することがわかる。一方、その他のグラフ270a、b、d、eが示すように、デフォーカス量の大きさが増大するにつれて、ぼけも大きくなっていく。
このように、結像レンズ200による被写体像は、デフォーカス量に応じてぼけた像となる。このため、異なる距離に存在する被写体を撮像した場合、それらの被写体像は距離に応じて異なるぼけ方でぼけるので、被写体像を同一のフィルタ等により復元しようとしても、鮮明な像に復元されない被写体が存在し得る。
図3Aは、光変調部104の一実施態様を概念的に説明する図である。光変調部104は、以後の図に関連して説明する単位プリズム要素を光軸202まわりに複数配置したような表面形状を有している。結像レンズ200を通過して光変調部104が有する各単位プリズム要素を通過した光線は、一点に結像することなく、撮像面において原点(撮像面とz軸との交点)から所定距離だけ離れた円上で撮像面と交差する。
例えば、光線550a、光線550b、光線550c、および光線550dはそれぞれ異なる単位プリズム要素を通過した光線を示しているが、これらの光線は、それぞれ位置580a、位置580b、位置580c、および位置580dで撮像面と交差する。そして、同一の単位プリズム要素を通過した光線は、撮像面において互いに近い位置で交差する。単位プリズム要素を十分に小さくすれば点像は円環状に近づくことが予測される。この点像がデフォーカス量に対して略同一になれば、光学系100の光学伝達関数を物点距離に対して略一定とみなすことができ、異なる距離に存在する被写体像を逆フィルタにより実質的に復元することができる。本図で示した単位プリズム要素の作用については、図4A、図4B、図5A、および図5Bを参照して以下に説明する。
図3Bは、光変調部104の一実施態様における光学系100のデフォーカス特性を示す。ここでは、光変調部104は、図3Aに関連して説明した単位プリズム要素を16個有するとする。
本図の上段に、光学系100の瞳関数のグラフ560a〜eが、異なるデフォーカス量に対応づけて示されている。ここで、グラフ560は、図2Bに示した瞳関数のグラフ260と同様の描き方で描かれているものとする。グラフ560を参照すると、デフォーカス量の変化に応じて、縞模様は変化しているが、図2Bのグラフ260に比べると、縞模様の形は十分に保たれているといえる。
本図の下段には、光学系100の点広がり関数(PSF)のグラフ570a〜eが、異なるデフォーカス量に対応づけて示されている。グラフ570a〜eを参照すると、図3Aに関連して定性的に説明したように、点広がり関数は、各単位プリズム要素に対応するスポットを有している。そして、個々のスポットの位置および大きさは、デフォーカス量が変化した場合でもほとんど変わっていない。このため、光学系100から異なる距離に存在する被写体の像に対して、所定の逆フィルタを適用することでその鮮明な被写体像を得ることができる場合がある。
図4Aおよび図4Bは、光学系100の光学特性を概念的に説明する図である。本図は、結像レンズ200によって形成される光路中に、x方向に光線をずらすプリズム300aが挿入された場合の光線を示す。プリズム300aが存在しない場合には結像レンズ200によって光軸上の特定の点に向かう光線350aは、プリズム300aの存在により向きがそれて、撮像面とはx軸上の点380aで交差する。
図4Bの上段には、x軸に平行な平面への投影図が示されている。図4Bの下段には、y軸に平行な平面への投影図が示されている。これらの図が示すように、光線350bは、x方向には光軸202から離れつつ、y方向には光軸に向かっていることがわかる。このため、光線350bは、光軸202に所定の距離以下に近づくことはないが、光軸202から大きく外れてしまうこともない。このように、光線350aは、結像レンズ200およびプリズム300aを通過することで、いわば光軸202まわりにまとわりつくような光線350bに変換される。
図5Aおよび図5Bは、図4Aの構成にプリズム300bをさらに挿入した構成の光学系による光線の状態を示す。プリズム300bは、プリズム300aを光軸202まわりに回転させた形で配置されているものとする。結像レンズ200により光軸に向かう光線360aは、プリズム300bにより向きがそれて、撮像面とはx軸上の点380bで交差する。
図5Bの上段には、図4Bの上段の図と同様に、x軸に平行な平面への投影図が示されている。また、図5Bの下段には、図4Bの上段の図と同様に、y軸に平行な平面への投影図が示されている。図4Bに関連して説明したように、光線350bは、結像レンズ200およびプリズム300bを通過することで、いわば光軸202まわりにまとわりつくような光線360bに変換される。
図3Aおよび図3Bにおいて既に示したように、光変調部104は、プリズム300aおよびプリズム300bのような単位プリズム要素を多数配置したような表面形状を有している。図4A、図4B、図5A、および図5Bについての説明からも理解されるように、光変調部104により、物点からの光は図3Aおよび図3Bに示した広がりをもって撮像面に入射する。
ここで、光変調部104の各単位プリズム要素をより小さくするとともに、単位プリズム要素を密に配列したとすると、z軸に垂直な断面と単位プリズム要素を通過した光線との交点は円を描くようになる。この円の大きさは、断面の位置がz軸方向に進むにつれて小さくなり、断面の位置が所定のz方向位置を超えると徐々に大きくなる。言い換えると、光変調部104を通過後の光線群は、z軸方向に進むにつれてすぼんでいき、その後徐々に広がっていくような表面を形成することが予測される。したがって、単位プリズム要素を十分に小さなものとすることで、光学系100は、物点からの光を物点までの距離によらず略同一の大きさに広げることができる。
図6Aは、光変調部104の他の実施態様を示す。図3Aに関連して説明したような所定の傾きを持つ単位プリズムを光軸202まわりに無数に配置したとすると、本図に示すように、光軸202まわりに厚さが単調に変化する形状の光学素子にいきつく。この発明における光変調部104としては、図3Aおよび図3Bに関連して説明した光変調部104の他に、本形状を有する光学素子のように、光軸まわりの全周にわたって単調に変化する位相差を与える光学素子を一態様として例示することができる。
図6Bは、光変調部104の他の実施態様が与える位相差の回転角依存性の一例を示す。本図には、光変調部104の中心から所定の動径位置を通過する光に光変調部104が与える位相差を示す。なお、以後の説明における回転角とは、光軸202まわりの回転角をいう。図示されるように、光変調部104は、回転角θに略比例する位相差を与える。最大の位相差は、nを正の整数として2nπで表される。
このように、光変調部104は、光軸まわりの角度に応じた位相差を物点からの光に対して与えることができる。具体的には、光変調部104は、光軸まわりの角度に対して単調に変化する位相差を与える。より具体的には、光変調部104は、光軸まわりの角度に対して単調に増加する位相差を与える。例えば、光変調部104は、光軸まわりの角度に略比例する位相差を与える。
図6Cは、光変調部104の他の実施態様における光学系100のデフォーカス特性を示す。本図の上段に、光学系100の瞳関数のグラフ660a〜eが、異なるデフォーカス量に対応づけて示されている。ここで、グラフ660は、図2Bに示した瞳関数のグラフ260と同様の描き方で描かれているものとする。グラフ660を参照すると、デフォーカス量の変化に応じて縞模様も変化しているが、図2Bのグラフ260に比べると、縞模様の形が十分に保たれていることがわかる。
本図の下段には、光学系100の点広がり関数(PSF)のグラフ670a〜eが、異なるデフォーカス量に対応づけて示されている。グラフ670a〜eを参照すると、図3Aおよび図3Bなどに関連して定性的に説明したように、点広がり関数は円環状になっている。また、図2Bのグラフ270では、点像の大きさがデフォーカス量の変化に応じて大きく変化しているのに対して、本図のグラフ670a〜eでは、円環の大きさはデフォーカス量の変化にあまり依存していないことがわかる。このため、光学系100から異なる距離に存在する被写体に対しても、所定の逆フィルタを適用してその被写体像を得ることができる場合がある。
図7A、図7B、および図7Cは、光変調部104の変形例を示す。本図では光変調部104の光軸に垂直な断面に投影した断面を示しており、領域700〜704は、結像特性が異なる領域を示している。本変形例の光変調部104では、各領域700〜704は、回転角方向の傾斜が互いに異なっている。
図7Bは、光変調部104が与える位相差の角度依存性の一例を示す。本図には、光変調部104の中心から所定の動径範囲の領域を通過する光に与えられる位相差が示されている。図示されるように、光変調部104の領域704は、回転角θに略比例する位相差を与え、最大の位相差はnを正の整数として2nπになっている。光変調部104の領域703は、回転角θに略比例する位相差を与え、最大の位相差は、mを正の整数として2mπである。ただし、m<nとする。他の領域700〜702が与える位相差も、同様に回転角θに略比例する位相差を与え、最大の位相差が2πの正の整数倍となっていてよい。
このように、光変調部104は、光軸からの距離が異なる複数の領域700〜704のそれぞれを通過する光に、それぞれ光軸まわりの角度に対して単調に変化する位相差を与える。また、光変調部104における複数の領域700〜704の少なくともいずれかは、他の領域が与える位相差の角度依存性と異なる角度依存性の位相差を、通過する光に与える。光変調部104における複数の領域700〜704は、いずれも、他の領域が与える位相差の角度依存性と異なる角度依存性の位相差を、通過する光に与えてよい。例えば、複数の領域700〜704のそれぞれが与える位相差の角度に関する微分値が、互いに異なってよい。なお、位相差の変化率の大きさは、光軸からより離れた位置の領域においてより大きくてよい。
図7Cは、変形例における光変調部104のデフォーカス特性を示す。本図の上段に、光変調部104の瞳関数のグラフ760a〜eが、異なるデフォーカス量に対応づけて示されている。グラフ760は、図2Bに示した瞳関数のグラフ260と同様の描き方で描かれている。
本図の下段には、光変調部104の点広がり関数(PSF)のグラフ770a〜eが、異なるデフォーカス量に対応づけて示されている。グラフ770a〜eを参照すると、図6Cに示した点広がり関数に比べると円環が厚くなっている。そして、本図のグラフ770a〜eを参照すると、円環の大きさおよび厚さは、デフォーカス量の変化に対してほとんど依存していないことがわかる。本変形例における円環が厚みは、領域700〜704の各領域の特性の合成により得られるもので、いわば光線が分散された状態になっていると言える。
本図のグラフ770a〜eを参照すると、円環の大きさはデフォーカス量の変化にあまり依存していないことがわかる。このため、光学系100から異なる距離に存在する被写体に対しても、所定の逆フィルタを適用してその被写体像を得ることができる場合がある。
なお、図6Cで示したグラフ670を参照すると、円環の厚さは薄く、いわば光線が密集したような状態にある。このため、円環の大きさ、円環の厚さが変化するようなデフォーカス量の変化に対しては、デフォーカス耐性が比較的に低くなる場合がある。一方、グラフ770を参照すると、円環が比較的に厚くなっているので、円環の大きさ、円環の厚さが多少変化するようなデフォーカス量の変化に対しても、デフォーカス耐性が比較的に高くなる。
図8は、各領域が与える位相差の回転角依存性の他の一例を示す。本図では、5つの領域のうち、2つの領域703および領域704における回転角依存性が一例として示されている。図示される回転角依存性と、図7Bで示した回転角依存性とは、位相差が0となる角度が異なるという点で異なる。具体的には、位相差が0となる回転角がπずれている。このように、各領域700〜領域704が与える位相差が0となる回転角は、他の少なくともいずれかの領域が与える位相差が0となる角度と異なってよい。
図9は、各領域が与える位相差の回転角依存性の更なる他の一例を示す。本図においても、2つの領域703および領域704における回転角依存性が一例として示されている。図示される回転角依存性と、図7Bで示した回転角依存性とは、領域703の傾きの符号が異なる点で異なる。このように、光変調部104における複数の領域700〜704の少なくともいずれかは、他の領域が与える位相差の単位角度あたりの変化率の符号と異なる符号の変化率で単位角度変化あたりに変化する位相差を、通過する光に与えてよい。なお、位相差の変化率の大きさは、光軸からより離れた位置の領域においてより大きくてよい。
図10は、各領域が与える位相差の回転角依存性の更なる他の一例を示す。本図においても、2つの領域703および領域704における回転角依存性が一例として示されている。領域704が与える位相差は、回転角がπまで単調に増加して、回転角πでは最大値2nπとなる。ここで、nを正の整数とする。そして、領域704が与える位相差は、回転角がπから2πにかけては単調に減少する。
一方、領域703が与える位相差は、回転角0において2mπであり、回転角がπまで単調に減少して、回転角πでは0となる。領域703が与える位相差は、回転角がπから2πにかけては単調に増加する。また、領域703が与える位相差の最大値は、mを正の整数として2mπである。
図11は、光変調部104が与える位相差の他の一例を示す。本図は、図3Aおよび図3Bに関連して説明した複数の単位プリズム様の構造と同様の構造の光変調部104により得られる位相差分布の一例を示す。図示するように、光変調部104が与える位相差は、回転角方向に沿う方向に見ると、0から2lπまで単調増加していき、2lπに達した後、再び0から2lπまで単調増加していく。ここで、lは正の整数とする。なお、図7Aに関連して説明した光変調部104が有する複数の領域の少なくとも一の領域が、本図で示すように"くさび形"の位相差分布を有してもよい。
なお、上記において光変調部104の一例として種々の曲面形状の位相板を示したが、光変調部104は、他の種々の手段で波面を変形させることができる。例えば、光変調部104としては、屈折率が変化する光学素子(例えば、屈折率分布型の波面変調光学素子)、レンズ表面へのコーディングにより厚み、屈折率が変化する光学素子(例えば、波面変調ハイブリッドレンズ)、光の位相分布を変調可能な液晶素子(例えば、液晶空間位相変調素子)などを例示することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
一実施形態に係わる撮像装置110のブロック構成の一例を示す図である。 結像レンズ200の一例を示す図である。 結像レンズ200のデフォーカス特性を示す図である。 光変調部104の実施態様を概念的に説明する図である。 光変調部104の他の実施態様における光学系100のデフォーカス特性を示す図である。 光学系100の光学特性を概念的に説明する図である。 光学系100の光学特性を概念的に説明する図である。 プリズム300bをさらに挿入した構成の光学系による光線の状態を示す図である。 プリズム300bをさらに挿入した構成の光学系による光線の状態を示す図である。 光変調部104の他の実施態様を示す図である。 光変調部104の他の実施態様が与える位相差の回転角依存性の一例を示す図である。 光変調部104の他の実施態様における光学系100のデフォーカス特性を示す図である。 光変調部104の変形例を示す図である。 光変調部104の変形例を示す図である。 光変調部104の変形例のデフォーカス特性を示す図である。 各領域が与える位相差の回転角依存性の他の一例を示す図である。 各領域が与える位相差の回転角依存性の更なる他の一例を示す図である。 各領域が与える位相差の回転角依存性の更なる他の一例を示す図である。 光変調部104が与える位相差の他の一例を示す図である。
符号の説明
100 光学系
104 光変調部
106 絞り部
110 撮像装置
120 制御部
152 記録媒体
170 受光部
180 画像処理部
190 出力部

Claims (13)

  1. 光軸まわりの角度に応じた位相差を物点からの光に対して与える光変調部を有し、
    前記光変調部は、前記光軸まわりの一周にわたって、前記光軸まわりの角度に対して略比例する位相差を通過する光に与え、
    前記光変調部による位相変調により、物点からの光を物点までの距離によらず略一定の大きさに広げる
    光学系。
  2. 光軸まわりの角度に応じた位相差を物点からの光に対して与える光変調部を有し、
    前記光変調部は、前記光軸まわりの角度に対して略比例する位相差をそれぞれ通過する光に与える複数の部分領域を、前記光軸まわりの一周にわたって有し、
    前記光変調部による位相変調により、物点からの光を物点までの距離によらず略一定の大きさに広げる
    光学系。
  3. 前記光変調部は、前記角度に対して略比例して増加する位相差を通過する光に与える第1部分領域と、前記角度に対して略比例して減少する位相差を通過する光に与える第2部分領域とを有する
    請求項2に記載の光学系。
  4. 前記光変調部は、前記第1部分領域および前記第2部分領域を有する第1領域とは前記光軸からの距離が異なる第2領域に、前記角度に対して略比例して減少する位相差を通過する光に与える第3部分領域と、前記角度に対して略比例して増加する位相差を通過する光に与える第4部分領域とを有する
    請求項3に記載の光学系。
  5. 光軸まわりの角度に応じた位相差を物点からの光に対して与える光変調部を有し、
    前記光変調部は、前記光軸からの距離が異なる複数の領域のそれぞれを通過する光に、それぞれ前記角度に対して単調に変化する位相差を前記光軸まわりの一周にわたって与え、
    前記光変調部における前記複数の領域の少なくともいずれかの領域は、他の領域が与える位相差の角度依存性と異なる角度依存性の位相差を、前記通過する光に与え、
    前記光変調部による位相変調により、物点からの光を物点までの距離によらず略一定の大きさに広げる
    光学系
  6. 前記光変調部は、前記複数の領域のそれぞれを通過する光に、それぞれ前記角度に対して略比例する位相差を前記光軸まわりの一周にわたって与える
    請求項5に記載の光学系。
  7. 前記光変調部における前記複数の領域は、他の領域が与える前記位相差の角度依存性と異なる角度依存性の位相差を、通過する光に与える
    請求項5または6に記載の光学系。
  8. 前記光変調部における前記複数の領域の少なくともいずれかの領域は、他の領域が与える前記位相差の単位角度あたりの変化率の符号と異なる符号の変化率で単位角度変化あたりに変化する位相差を、通過する光に与える
    請求項5から7のいずれか一項に記載の光学系。
  9. 前記位相差の単位角度あたりの変化率の大きさは、前記光軸からより離れた位置の領域においてより大きい
    請求項5から7のいずれか一項に記載の光学系。
  10. 物点からの光を前記光軸上における所定位置の近傍に結像する結像部
    をさらに備える請求項1から9のいずれか一項に記載の光学系。
  11. 前記結像部を有する結像レンズと、
    前記光変調部を有する光学素子と
    をさらに備える請求項10に記載の光学系。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の光学系と、
    前記光学系を通じて被写体を撮像する撮像部と
    を備える撮像装置。
  13. 前記光学系の光学伝達関数に基づいて、前記撮像部により撮像された画像における光の広がりによる画像情報が補正された補正画像を生成する画像処理部
    をさらに備える請求項12に記載の撮像装置。
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