JP2014153510A - 撮像装置及び撮像方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 口径食が発生している場合においても、高品質な瞳分割像を取得することが可能な撮像装置を提供すること。
【解決手段】 上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、複数の画素を有する撮像素子と、前記撮像素子上に構成され且つ形状可変であるマイクロレンズと、前記マイクロレンズの形状を制御するための制御手段と、撮影光学系の光学情報に基づいて口径食形状を決定する口径食形状決定手段と、前記複数の画素で検出される一対の瞳分割像を用いて位相差検出方式の焦点調節を行う焦点調節手段と、を有する撮像装置であって、
前記制御手段は、前記口径食形状決定手段で算出される口径食形状に応じて前記マイクロレンズの形状を可変することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、複数の画素を有する撮像素子と、前記撮像素子上に構成され且つ形状可変であるマイクロレンズと、前記マイクロレンズの形状を制御するための制御手段と、撮影光学系の光学情報に基づいて口径食形状を決定する口径食形状決定手段と、前記複数の画素で検出される一対の瞳分割像を用いて位相差検出方式の焦点調節を行う焦点調節手段と、を有する撮像装置であって、
前記制御手段は、前記口径食形状決定手段で算出される口径食形状に応じて前記マイクロレンズの形状を可変することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、形状可変であるマイクロレンズにより構成された撮像素子を有する撮像装置に関する発明である。
形状の異なるマイクロレンズを用いて、位相のずれた一対の像(瞳分離像)を得る技術が知られている。
特許文献1では、離散的に配置された一対の画素で、夫々異なる方向に偏心させたマイクロレンズを構成することで瞳分割を行う技術が開示されている。
また、一方では、特許文献2のように、異なる2つの液体の界面形状を制御し、屈折率を変更することが可能な液体レンズの技術が知られている。
例えば、特許文献2では、液体レンズの周囲に複数の電極を備え、各電極に任意の電圧を印加することによって第一の液体と第二の液体の界面の形状を動的に変更する技術が開示されている。ところで、一般的な撮像装置において、撮像レンズに入射した光束の一部がレンズ口径等の物理的な制約によって遮られる口径食の問題が知られている。
特許文献1に記載の技術を用いて瞳分割を行う際、口径食が発生している領域では口径食に起因して光量の低下が発生し、高品質な瞳分割像を取得できない場合がある。本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは口径食が発生している場合においても、高品質な瞳分割像を取得することが可能な撮像装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、複数の画素を有する撮像素子と、前記撮像素子上に構成され且つ形状可変であるマイクロレンズと、前記マイクロレンズの形状を制御するための制御手段と、撮影光学系の光学情報に基づいて口径食形状を決定する口径食形状決定手段と、前記複数の画素で検出される一対の瞳分割像を用いて位相差検出方式の焦点調節を行う焦点調節手段と、を有する撮像装置であって、
前記制御手段は、前記口径食形状決定手段で算出される口径食形状に応じて前記マイクロレンズの形状を可変することを特徴とする。
前記制御手段は、前記口径食形状決定手段で算出される口径食形状に応じて前記マイクロレンズの形状を可変することを特徴とする。
本発明によれば、口径食に起因した瞳分割像の劣化を動的に回避することが可能となり、より良好な瞳分離像を取得することが可能となる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本発明の実施例1における撮像装置について説明する。
(撮像装置100の構成の説明)
図1は、本実施例における撮像装置100の構成を示すブロック図である。
図1は、本実施例における撮像装置100の構成を示すブロック図である。
撮像装置100は、交換レンズ101および撮像装置ボディ103を備えて構成されている。交換レンズ101は、マウント部102を介して、撮像装置ボディ103に装着される。交換レンズ101は、レンズ、絞り、ズーミングレンズ、フォーカシングレンズ、レンズ制御部、ピントリング、および、ズームリング(いずれも不図示)を有する撮影光学系を備えて構成される。
撮像装置ボディ103は、撮像素子104およびカメラ制御部107などを備えて構成される。撮像素子104は、複数の撮像用画素を2次元的に配置して構成されている。また撮像素子104上の夫々の撮像用画素は動的に形状可変な液体マイクロレンズを備えている。
113は、制御手段としてのマイクロレンズ形状制御手段であり、口径食形状演算手段114の出力値に基づき撮像素子104上の各撮像用画素の液体マイクロレンズの形状を制御する。口径食形状決定手段としての口径食形状演算手段114は所定の演算によって撮像素子104上の各画素位置における口径食形状を算出し、出力する。撮像素子104およびマイクロレンズ形状制御手段113についての詳細な説明は後述するものとする。
A/D変換部105は、撮像素子104によって出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。交換レンズ101を通過した光束は、撮像装置ボディ103の内部へ導かれ、撮像素子104の受光面上に結像して被写体像(光学像)を形成する。被写体像は、A/D変換部105で光電変換された後、後述のカメラ制御部107を介してメモリ106に画像信号(像信号)として記憶される。106はメモリ(記憶部)であり、撮影中の画像信号データおよび各種演算の一次データを記憶する領域としても用いられる。
107はカメラ制御部である。カメラ制御部107は、撮像装置ボディ103のシステム全体の動作を制御するとともに、交換レンズ101との通信によりレンズ情報の受信およびカメラ情報、オートフォーカス信号(AF信号)の送信が可能である。
また、カメラ制御部107は、複数の画素で検出された一対の瞳分割像を用いて位相差検出方式の焦点調節を行う焦点調節手段としての機能も有する。
108は焦点検出処理部である。焦点検出処理部108は、焦点検出用画像生成部109、相関演算部110、および、合焦位置決定部111により構成される。焦点検出用画像生成部109は、後述の口径食形状演算手段によって得られる口径食形状に基づいて撮像素子104上の画素群から取得される像信号から相関演算に用いる一対の像信号を生成する。
焦点検出用画像生成部109により生成された一対の像信号は、相関演算部110に入力され、像信号をシフトしながら相関量を算出し、演算結果を合焦位置決定部111に出力する。合焦位置決定部111は、相関演算部110から出力された相関量に基づいて合焦位置を判定し、カメラ制御部107を介して交換レンズ101にAF駆動信号を送信する。
112は画像処理部である。画像処理部112は、画像信号に対してホワイトバランス補正や収差補正などの各種補正処理や現像処理などの信号処理を行う。
(撮像素子104上の画素構造の説明)
次に、図2を参照して本実施例における撮像素子104上の画素構造について説明する。図2(a)〜(e)はいずれも撮像素子104上に構成される画素の断面図である。図2(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)において対応する位置には夫々同一の番号を付している。
次に、図2を参照して本実施例における撮像素子104上の画素構造について説明する。図2(a)〜(e)はいずれも撮像素子104上に構成される画素の断面図である。図2(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)において対応する位置には夫々同一の番号を付している。
なお、図中の線分B−B’C−C’D−D’およびAEF−AEF’はそれぞれアルファベットが対応する図面の断面位置を示している。例えば、線分B−B’は図2(b)の断面位置を示している。
201は液体マイクロレンズであり、第一の液体202と第二の液体203によって構成され、第一の液体および第二の液体は混ざること無く界面204によって分離されている。205〜213は電極であり、それぞれ異なる電圧を印加することが可能である。図中214に示すような黒塗り領域で示されている部分は絶縁体であり、205〜213の電極間にそれぞれ設けられている。215はカラーフィルター層であり、1つの画素にはR,G,B,いずれかの波長の光のみを透過するフィルターが備えられている。216はアルミなどにより構成された配線層である。217は光電変換部であり、液体マイクロレンズ201およびカラーフィルター213を介して入射する光を光電変換する。
前述した構成の液体レンズ201は特許文献2に記載の技術を用いることにより、動的に形状を変えることのできるマイクロレンズとして機能する。図2(a)は第一の液体202および第二の液体203の界面形状が平坦になるように電極群205−213に所定の電圧を印加している場合の断面図である。図2(b)は第一の液体202および第二の液体203の界面形状が画素中心位置に対して対称になるように電極群205−213に所定の電圧を印加している場合の断面図である。図2(c)は第一の液体202および第二の液体203の界面形状が画素中心位置に対して偏心するように電極群205−213に所定の電圧を印加している場合の断面図である。
(位相差方式の焦点検出処理の説明)
次に図3を用いて位相差方式の焦点検出処理について説明する。ある被写体301からの光束がレンズ302に入射したとき、レンズ302を通過した光束はある点303で再度結像する。点303と撮像面の位置が一致している時、被写体301は焦点が合っている状態となる。また、点303よりも撮像面が前に位置する時被写体は前ピン状態、点303よりも撮像面が後ろに位置するときは後ピン状態となり被写体303の鮮明な像を得ることができない。これはレンズ302中の領域307および領域308をそれぞれ通過した光束が撮像面上の異なる領域に受光される為である。
次に図3を用いて位相差方式の焦点検出処理について説明する。ある被写体301からの光束がレンズ302に入射したとき、レンズ302を通過した光束はある点303で再度結像する。点303と撮像面の位置が一致している時、被写体301は焦点が合っている状態となる。また、点303よりも撮像面が前に位置する時被写体は前ピン状態、点303よりも撮像面が後ろに位置するときは後ピン状態となり被写体303の鮮明な像を得ることができない。これはレンズ302中の領域307および領域308をそれぞれ通過した光束が撮像面上の異なる領域に受光される為である。
従って、領域307及び領域308を通る光束をそれぞれ分離した一対の像信号(瞳分割像)があれば像のずれ量が判るため焦点位置を求めることができる。
(偏心したマイクロレンズを用いた瞳分割像の取得方法の説明)
次に図4を参照し、偏心したマイクロレンズを用いた瞳分割像の取得方法について説明する。図4は画素中心に対して偏心したマイクロレンズを構成した画素における光の進み方を模式的に示した図である。
次に図4を参照し、偏心したマイクロレンズを用いた瞳分割像の取得方法について説明する。図4は画素中心に対して偏心したマイクロレンズを構成した画素における光の進み方を模式的に示した図である。
図4において画素401および画素402は画素の中心から所定の方向に対称性を持って偏心したマイクロレンズ402および404をそれぞれ有している。レンズ405中の領域406および407を通過した光束はそれぞれマイクロレンズ402および404を介して光電変換部408および409へと導かれる。このように偏心したマイクロレンズを配置することによって、レンズ405中の所定の領域を通過してきた一対の瞳分割像を取得することが可能である。
なお、ここでは説明の為に図を簡略化しているが、実施例では図2を用いて説明した液体マイクロレンズに偏心をもたせる。
(口径食の説明)
次に図5を用いて口径食について説明する501は前レンズ502は絞り、503は後レンズである。501の前レンズの枠を前枠、503の後レンズによってできる枠を後枠と呼ぶ。504は撮像面である。504の撮像面のxの位置から見た501、502、503の枠の重なりと撮像面yの位置から見た501、502、503の枠の重なり方を図5(b)に示している。xの位置からみると光量を制限しているものは絞りだけであるが、yの位置から見ると前枠501と後枠503によっても光量が制限されている。
次に図5を用いて口径食について説明する501は前レンズ502は絞り、503は後レンズである。501の前レンズの枠を前枠、503の後レンズによってできる枠を後枠と呼ぶ。504は撮像面である。504の撮像面のxの位置から見た501、502、503の枠の重なりと撮像面yの位置から見た501、502、503の枠の重なり方を図5(b)に示している。xの位置からみると光量を制限しているものは絞りだけであるが、yの位置から見ると前枠501と後枠503によっても光量が制限されている。
このように口径食とは光軸中心から離れて像高が高くなるにつれ光量が落ちてくる現象であり、瞳分離された像においては像高が高くなるとバランスがよりくずれるという性質がある。
撮像素子104(センサ)上の画素の位置と口径食形状の関係を図6に示す。口径食形状は撮像素子上の位置により異なるが、場所がずれる事により少しずつ変化する。口径食形状演算手段114は撮像光学系の光学情報に基づいて各画素毎の口径食の形状を演算によって求める。
図6において、位相差検出方式の位相差演算に用いられる一対の瞳分割像の瞳分割方向は、撮像素子104の撮像面の中心部と周辺部で異なっている。
撮像素子104の撮像面の中心部の領域の瞳分割方向は、横方向であり、撮像素子104の撮像面の周辺部の2つの領域の瞳分割方向は、一方が縦方向であり、他方が斜め方向である。
(撮影光学系の光学情報の定義)
本実施例では撮像光学系の光学情報とは交換レンズ101に構成される複数のレンズ群および絞りの位置情報、複数のレンズ群の口径情報、絞りの開口径情報を用いる。
本実施例では撮像光学系の光学情報とは交換レンズ101に構成される複数のレンズ群および絞りの位置情報、複数のレンズ群の口径情報、絞りの開口径情報を用いる。
(口径食形状の演算例)
図16は口径食形状演算手段114による口径食形状の演算方法を説明する図である。
図16は口径食形状演算手段114による口径食形状の演算方法を説明する図である。
例として画素Pについての演算例を用いて説明する。
最初にカメラ制御部107は交換レンズ101との通信により、被写体に最も近い第一のレンズL1の位置情報L1_pos(不図示)、第一のレンズL1の半径L1_r、絞りAPの位置情報AP_pos(不図示)、絞りの半径AP_r、および撮像面に最も近い第二のレンズL2の位置情報L2_pos(不図示)、第二のレンズL2の半径L2_rをそれぞれ取得する。
口径食形状演算手段114は画素Pから見た各レンズおよび絞りによって得られる光束を撮像面からE_tの距離だけ離れた位置に配された投影面Eに投影し、口径食形状を求める。
まず口径食形状演算手段114は、撮像素子1106の像高中心Oから演算対象となる画素Pまでの距離Sを得る。
次に、交換レンズとの通信により得られた各レンズおよび絞りの位置情報L1_pos,L2_pos,AP_posに基づき、撮像面から各レンズまでの距離L1_t,L2_t,AP_tを求める。
同様に交換レンズとの通信により得られた各レンズおよび絞りの位置情報L1_pos,L2_pos,AP_posに基づき、各レンズ及び絞りの中心位置L1_o,L2_o,AP_oを求める。
このとき、画素PとL1_oを通る直線と投影面Eの交点は、投影面E上に投影されるL1_oの位置であることから、投影面E上でのレンズL1の中心位置EL1_oを知ることが出来る。同様に画素PとL2_oを通る直線と投影面Eの交点からレンズL2の投影面E上の中心EL2_oを、画素PとAP_oを通る直線と投影面Eの交点から絞りAPの投影面E上の中心EAP_oをそれぞれ求めることができる。
以下にEL1_o、EL2_o、EAP_oを求める為の数式を示す
EL1_o=(L1_t−E_t)/L1_t×S …式1
EL2_o=(L2_t−E_t)/L2_t×S …式2
EAP_o=(AP_t−E_t)/AP_t×S …式3
以下にEL1_o、EL2_o、EAP_oを求める為の数式を示す
EL1_o=(L1_t−E_t)/L1_t×S …式1
EL2_o=(L2_t−E_t)/L2_t×S …式2
EAP_o=(AP_t−E_t)/AP_t×S …式3
また、E_tに対するL1_t,AP_t,L2_tのそれぞれの比は、L1_r,L2_r,AP_rと投影面E上に投影されたL1,L2,APの半径EL1_r,EL2_r,EAP_rの比と等しいため、投影面E上の半径EL1_r,EL2_r,EAP_rは以下の式4から式6により求めることが出来る。
EL1_r=(L1_r*E_t)/L1_t …式4
EL2_r=(L2_r*E_t)/L2_t …式5
EAP_r=(AP_r*E_t)/AP_t …式6
EL1_r=(L1_r*E_t)/L1_t …式4
EL2_r=(L2_r*E_t)/L2_t …式5
EAP_r=(AP_r*E_t)/AP_t …式6
投影面E上の中心点EL1_o,EL2_oおよびEAP_oを中心として半径EL1_r,EL2_r,EAP_rの円をそれぞれ投影すると、図16(a)に示すように撮像面E上での各レンズおよび絞りを通過する光束を投影することが可能である。
このとき撮像光学系の光学情報に基づき、投影面E上に投影された各レンズおよび絞りを通過する光束のうち、全ての円の内側を通る領域が画素Pに受光する光束であり、口径食の形状として扱うことができる。
前記全ての円の内側を通る領域を図中に1602として示す。
なお、ここでは口径食形状の演算については幾何学計算を用いた簡易な説明のみにとどめたが、口径食形状の算出は幾何学計算に限定されるものではなく、例えば予め用意したテーブル等を用いて形状を求めても良い。
本発明では、制御手段は、撮影光学系を構成する絞りの開口径の大きさの変化に応じてマイクロレンズの形状を可変しても良い。制御手段は、撮影光学系を構成するレンズの光軸方向の位置の変化に応じてマイクロレンズの形状を可変しても良い。制御手段は、撮影光学系を構成するレンズの光軸と異なる方向の位置の変化に応じてマイクロレンズの形状を可変しても良い。
(マイクロレンズ形状制御手段113の動作の説明)
次に図7〜図8を用いてマイクロレンズ形状制御手段113の動作について説明する。マイクロレンズ形状制御手段113は口径食形状演算手段114によって出力される口径食形状に応じて撮像素子104上の各画素に設けられた複数の電極群に対して印加対象となる電極位置および印加電圧の大きさを決定しそれぞれ制御する。まず、図7を用いて口径食が発生している画素のマイクロレンズ形状の制御について説明する。図7は、画素700の瞳強度分布と口径食の関係を示す図である。
次に図7〜図8を用いてマイクロレンズ形状制御手段113の動作について説明する。マイクロレンズ形状制御手段113は口径食形状演算手段114によって出力される口径食形状に応じて撮像素子104上の各画素に設けられた複数の電極群に対して印加対象となる電極位置および印加電圧の大きさを決定しそれぞれ制御する。まず、図7を用いて口径食が発生している画素のマイクロレンズ形状の制御について説明する。図7は、画素700の瞳強度分布と口径食の関係を示す図である。
図中の702〜704および706〜708は一対の瞳分割像を取得する際のそれぞれの瞳強度分布を示しており、702、706が最も感度の高い領域となっている。
701は口径食形状であり、光束の一部がカットされていることを示している。
瞳強度分布は入射角に応じた受光感度特性であるので、マイクロレンズの屈折率によって一意に決定される。実施例において、マイクロレンズは液体マイクロレンズを構成することによって動的に形状可変である為、各画素における瞳強度分布は動的に調整可能である。
図7(a)では瞳強度分布の中で最も感度の高い領域702および706に口径食によって遮光された領域が重なっている。このような場合、瞳分割像には光量の低下および瞳分割像の不一致の影響が顕著に表れる。
図7(b)は図7(a)で示した瞳強度分布の中心位置をそれぞれ水平、垂直方向に移動することで瞳強度分布の最も感度の強い領域702および706に口径食によって遮光された領域が重ならないようにしている。このように、口径食による影響を低減するために701の内側に、瞳強度分布の感度の高い部分が来るようにマイクロレンズ形状を変更すれば、光量の低下を低減することが可能となる。
口径食形状決定手段で算出される口径食形状に応じて口径食の内部に瞳強度分布の重心位置が位置するようにマイクロレンズの形状を可変しても良い。
また、焦点検出においては瞳分割像間の基線長によって演算の精度が決定するため、なるべく一対の瞳強度分布が離れている方が都合が良い。
そのため、701のような口径食が発生している領域の画素においては、基線長を確保し、且つ光量低下を低減する為に、斜め方向に一対の瞳強度分布中心が対応するようにマイクロレンズ形状を変更させるとよい。
ここまで、図7に示すような画素についての説明を行ったが、他の画素においても同様に口径食の形状に基づき、各画素のマイクロレンズ形状を決定する。
次に、図8を用いて撮像素子104上の各画素におけるマイクロレンズ形状について説明する。図8は撮像素子104上の3*3画素の領域を切り出した図である。図中の各セルは画素を表しており、各画素に記載されているR,G,およびBはそれぞれR(red),G(Green),B(Blue)の波長だけを通過するカラーフィルターを有する画素であること示している。撮像素子104上には上記のような画素がベイヤー配列によって配置されている。
また、各画素には同画素で発生している口径食の形状をそれぞれ重畳して記載している。このとき、口径食形状は近接する画素でほぼ一致する為、小さな範囲で見たときにはほぼ同一な形状として扱うことが出来る。
図8に示すような口径食が発生している場合、瞳分割は斜め方向に実施した時に最も口径食の影響を低減することが出来る。R画素801および802について瞳分割を行う場合について説明する。マイクロレンズ形状制御手段113は図中の803および804に示す領域に瞳強度分布が重畳するように画素801および画素802のマイクロレンズ形状を制御する。このときR画素同士でカラーフィルターの分光感度特性が異なると瞳分割像の一致度は低くなる為、瞳分割像を取得する際は同一の分光感度特性を持つ一対の画素によって瞳分割像を取得するのが好ましい。
同様に他の形状の口径食が発生している領域においても、また、異なるカラーフィルターを有する画素群においても、口径食形状の影響を最も低減することのできる瞳分割方向を決定し、同一色のカラーフィルターを有する画素で一対の瞳分割をすればよい。また、空間的に異なる画素群を用いて一対の瞳分割像を取得する方法以外にも、時分割で同一画素位置におけるマイクロレンズの偏心形状を対称的に変更することによっても瞳分割像の取得が可能である。
(時分割によって瞳強度分布位置をずらした際の概念図の説明)
時分割によって瞳強度分布位置をずらした際の概念図を図9に示す。図9では第一のタイミングと第二のタイミングでそれぞれ瞳強度分布の重心が斜め方向に対称的に移動するようにマイクロレンズ形状制御していることを示している。
時分割によって瞳強度分布位置をずらした際の概念図を図9に示す。図9では第一のタイミングと第二のタイミングでそれぞれ瞳強度分布の重心が斜め方向に対称的に移動するようにマイクロレンズ形状制御していることを示している。
マイクロレンズ形状制御手段は前述したように口径食の形状に基づいて瞳分割方向を決定し、同色の一対の画素から瞳分割像を得られるようにマイクロレンズ形状を制御する。
(演算方向(斜め含む)の説明)
また、位相差方式の焦点検出処理を実施する際には、瞳分割方向と同一の方向に位置する画素群から取得された一対の瞳分割像を用いることで、基線長を保ったまま、口径食の影響を低減できるため良好な焦点検出処理結果を得ることができる。
また、位相差方式の焦点検出処理を実施する際には、瞳分割方向と同一の方向に位置する画素群から取得された一対の瞳分割像を用いることで、基線長を保ったまま、口径食の影響を低減できるため良好な焦点検出処理結果を得ることができる。
図11〜図15を用いて口径食形状と焦点検出処理に用いる一対の瞳分割像の関係を説明する。
図11は撮像素子104上の領域1101および1102の撮像素子上の位置と、口径食形状を示す図である。
図11において、位相差検出方式の位相差演算に用いられる一対の瞳分割像の瞳分割方向は、撮像素子104の撮像面の中心部と周辺部で異なっている。
また、撮像素子104の撮像面の周辺部に位置する領域1101と領域1102でも位相差検出方式の位相差演算に用いられる一対の瞳分割像の瞳分割方向を異ならせている。
図12は領域1101において空間分割でR画素群から一対の瞳分割像を取得する方法を説明する図である。
口径食形状演算手段114により得られた口径食形状に基づき、マイクロレンズ制御部113は空間分割で瞳分割を行う。
1207に示す黒塗り点は瞳強度分布の最も感度の高い領域を示している。
このとき焦点検出処理に用いる一対の瞳分割像は画素1201、1203および1205のR画素から取得することが出来る第一の瞳分割像と、1202、1204および1206から取得することが出来る第二の瞳分割像を用いる。
図13は領域1102において空間分割でR画素群から一対の瞳分割像を取得する方法を説明する図である。
口径食形状演算手段114により得られた口径食形状に基づき、マイクロレンズ制御部113は空間分割で瞳分割を行う。
1307に示す黒塗り点は瞳強度分布の最も感度の高い領域を示している。
このとき相関演算に用いる一対の瞳分割像は画素1301、1303および1305に示す画素から取得する第一の瞳分割像と、1302、1304および1306から得られる第二の瞳分割像を用いる。
図14は領域1101において時分割でR画素群から一対の瞳分割像を取得する方法を説明する図である。
口径食形状演算手段114により得られた口径食形状に基づき、マイクロレンズ制御部113は時分割で瞳分割を行う。
1407に示す黒塗り点は瞳強度分布の最も感度の高い領域を示している。
図14(a)は第一のタイミングにおける瞳強度分布を示し、図14(b)は第二のタイミングにおける瞳強度分布を示している。
これによりR画素1401〜1406の各R画素は同一画素位置で瞳分割を行っている。
このとき焦点検出処理に用いる一対の瞳分割像は第一のタイミングでR画素1401〜1406から取得することのできる第一の瞳分割像と、第一のタイミングでR画素1401〜1406から取得することのできる第二の瞳分割像を用いる。
図15は領域1102において時分割でR画素群から一対の瞳分割像を取得する方法を説明する図である。
口径食形状演算手段114により得られた口径食形状に基づき、マイクロレンズ制御部113は時分割で瞳分割を行う。
1507に示す黒塗り点は瞳強度分布の最も感度の高い領域を示している。
図15(a)は第一のタイミングにおける瞳強度分布を示し、図15(b)は第二のタイミングにおける瞳強度分布を示している。
これによりR画素1501〜1506の各R画素は同一画素位置で瞳分割を行っている。
このとき焦点検出処理に用いる一対の瞳分割像は第一のタイミングでR画素1501〜1506から取得することのできる第一の瞳分割像と、第一のタイミングでR画素1501〜1506から取得することのできる第二の瞳分割像を用いる。
同様に他の領域においても口径食の形状によって決定される瞳分割方向と同一方向に位置する画素群を用いて一対の瞳分割像を取得し、焦点検出処理を行う。
(撮影のフローチャートの説明)
次にオートフォーカスを用いた撮影のフローチャートについて図10を用いて説明する。図は実施例1における撮像装置100のオートフォーカスを用いた撮影処理のフローチャートである。ステップS1000はオートフォーカスを用いた撮影のスタートである。まずステップS1001でシャッターボタンが半押し状態であるかどうかを判定する。
次にオートフォーカスを用いた撮影のフローチャートについて図10を用いて説明する。図は実施例1における撮像装置100のオートフォーカスを用いた撮影処理のフローチャートである。ステップS1000はオートフォーカスを用いた撮影のスタートである。まずステップS1001でシャッターボタンが半押し状態であるかどうかを判定する。
半押し状態の場合はステップ2へ進み、シャッターボタンが半押しでない場合は撮影を行わずに終了する。次にステップS1002では口径食形状の算出に必要なレンズ情報を交換レンズ101との通信によって取得する。次にステップS1003ではステップ2で取得したレンズ情報を元に口径食形状演算手段114で口径食形状を算出するとともにマイクロレンズ制御部におよび焦点検出部108へと口径食形状の演算データを出力する。
次に、ステップS1004で、マイクロレンズ形状制御手段113はステップS1003で得られた口径食形状演算手段114の演算結果に基づいてオートフォーカス対象領域のマイクロレンズの形状を変更する。次にステップS1005では撮像素子104によってオートフォーカス対象エリアの像信号を取得し、メモリ106へと一次的に記憶する。
次にステップS1006で焦点検出部によって焦点検出処理が行われる。焦点検出用画像生成部109は口径食形状演算手段114からの出力信号に基づいて、ステップ5で取得した画像信号から選択的に焦点検出用の一対の瞳分割像を生成し、相関演算部110へと出力する。相関演算部110は焦点検出用画像生成部109によって生成された一対の瞳分割像をシフトしながら相関演算を行い、評価値を合焦位置決定部111へと出力する。
合焦位置決定部111は相関演算部110から出力される評価値を元に合焦位置を決定し、カメラ制御部107を介して合焦位置への駆動信号を交換レンズ101へと送信する。次にステップS1007で交換レンズ101はカメラ制御部107からの駆動信号に基づいてフォーカシングレンズを駆動する。
次にステップS1008でシャッターボタンが全押し状態であるかどうかを判定する。
全押し状態でなければステップS1001へと戻り、全押し状態の場合はステップS1109へと進む。
ステップS1109でマイクロレンズ形状制御手段113はマイクロレンズの形状を偏心の無い半球面上の形状へと変更する。次にステップS1010では撮像処理を行い、画像処理部112によって記録用に加工された撮影画像データを生成する。ステップS1011はオートフォーカスを用いた撮影の終了である。
以上説明したように口径食の形状に合わせてマイクロレンズ形状を制御することにより口径食の影響を低減した高品質な瞳分割像を取得することが可能となり、焦点検出の精度が向上する。
なお、実施例は一例にすぎず、本発明の主旨の範囲内で様々に応用可能である。
100 撮像装置
101 交換レンズ
102 マウント部
103 撮像装置ボディ
104 撮像素子
105 A/D変換部
106 メモリ
107 カメラ制御部
108 焦点演算部
109 焦点検出用画像生成部
110 相関演算部
111 焦点位置決定部
112 画像処理部
113 マイクロレンズ形状制御手段
114 口径食形状演算手段
101 交換レンズ
102 マウント部
103 撮像装置ボディ
104 撮像素子
105 A/D変換部
106 メモリ
107 カメラ制御部
108 焦点演算部
109 焦点検出用画像生成部
110 相関演算部
111 焦点位置決定部
112 画像処理部
113 マイクロレンズ形状制御手段
114 口径食形状演算手段
Claims (12)
- 複数の画素を有する撮像素子と、前記撮像素子上に構成され且つ形状可変であるマイクロレンズと、前記マイクロレンズの形状を制御するための制御手段と、撮影光学系の光学情報に基づいて口径食形状を決定する口径食形状決定手段と、前記複数の画素で検出される一対の瞳分割像を用いて位相差検出方式の焦点調節を行う焦点調節手段と、を有する撮像装置であって、
前記制御手段は、前記口径食形状決定手段で算出される口径食形状に応じて前記マイクロレンズの形状を可変することを特徴とする撮像装置。 - 前記制御手段は、前記口径食形状決定手段で算出される口径食形状に応じて前記口径食の内部に瞳強度分布の中心位置が位置するように前記マイクロレンズの形状を可変することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記制御手段は、前記口径食形状決定手段で算出される口径食形状に応じて前記口径食の内部に瞳強度分布の最も感度の強い領域が位置するように前記マイクロレンズの形状を可変することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記制御手段は、前記口径食形状決定手段で算出される口径食形状に応じて前記口径食の内部に瞳強度分布の重心位置が位置するように前記マイクロレンズの形状を可変することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記制御手段は、前記撮像素子上の同一の画素の位置において時分割でマイクロレンズ形状を制御し、一対の瞳分割像を取得することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の撮像装置。
- 前記位相差検出方式の位相差演算に用いられる一対の瞳分割像の瞳分割方向は、前記撮像素子の撮像面の中心部と周辺部で異なることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の撮像装置。
- 前記制御手段は、前記撮影光学系を構成する絞りの開口径の大きさの変化に応じて前記マイクロレンズの形状を可変することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の撮像装置。
- 前記制御手段は、前記撮影光学系を構成するレンズの光軸方向の位置の変化に応じて前記マイクロレンズの形状を可変することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の撮像装置。
- 前記制御手段は、前記撮影光学系を構成するレンズの光軸と異なる方向の位置の変化に応じて前記マイクロレンズの形状を可変することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の撮像装置。
- 複数の画素を有する撮像素子と、前記撮像素子上に構成され且つ形状可変であるマイクロレンズと、前記マイクロレンズの形状を制御するための制御手段と、前記複数の画素で検出される一対の瞳分割像を用いて位相差検出方式の焦点調節を行う焦点調節手段と、を有する撮像装置であって、
前記制御手段は、撮影光学系を構成する絞りの開口径の大きさの変化に応じて前記マイクロレンズの形状を可変することを特徴とする撮像装置。 - 複数の画素を有する撮像素子上に構成され且つ形状可変であるマイクロレンズの形状を制御するための制御工程と、撮影光学系の光学情報に基づいて口径食形状を決定する口径食形状決定工程と、前記複数の画素で検出される一対の瞳分割像を用いて位相差検出方式の焦点調節を行う焦点調節工程と、を有する撮像方法であって、
前記制御工程は、前記口径食形状決定工程で算出される口径食形状に応じて前記マイクロレンズの形状を可変することを特徴とする撮像方法。 - 複数の画素を有する撮像素子上に構成され且つ形状可変であるマイクロレンズの形状を制御するための制御工程と、前記複数の画素で検出される一対の瞳分割像を用いて位相差検出方式の焦点調節を行う焦点調節工程と、を有する撮像方法であって、
前記制御方法は、撮影光学系を構成する絞りの開口径の大きさの変化に応じて前記マイクロレンズの形状を可変することを特徴とする撮像方法。
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JP2013022396A JP2014153510A (ja) | 2013-02-07 | 2013-02-07 | 撮像装置及び撮像方法 |
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