以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係るパネル脚4は、図1に示す天板付家具1に適用されるものである。
天板付家具1は、自席が限定されないいわゆるフリーアドレス型のオフィスにおいて用いられる大型のテーブルであり、天板2と、この天板2を支持する支持構造体3とを主体としてなるものである。
天板2は、図1に示すように、天板要素21を複数用いて構成したものである。具体的には、平面視矩形状をなす例えば木製の天板要素21を4つ用い、そのうち2枚ずつの天板要素21を一組としてそれらの反使用端21b同士を向き合わせて配置し、その天板要素21の組を隣接させて配置することで、天板2全体の奥行き方向中央部に各天板要素21の反使用端21bを集合させ、且つ奥行き方向両端部に各天板要素21の使用端21aを位置付けている。なお、天板2全体の奥行き方向に対をなす天板要素21の反使用端21b同士の間に隙間を形成し、この隙間を、天板2の下方空間に配置した図示しない配線ダクトの配線空間に連通させている。また、図1では、天板2全体の奥行き方向中央部にデスクトップパネルDTPを設けるとともに、天板2全体の両サイドにサイドパネルSPを設けた態様を例示しているが、これらデスクトップパネルDTP、サイドパネルSPは用途に応じて取り外し可能なものである。
また、支持構造体3は、図2に示すように、起立姿勢で配され左右一対をなすパネル状の脚体(以下、「パネル脚4」と称す)を主体としてなる。
パネル脚4は、図2及び図3に示すように、脚本体41と、脚本体41の上端部に設けたアタッチメント取付部42、及び梁フレーム連結金具(第1の梁フレーム連結金具43、第2の梁フレーム連結金具44)とを備えたものである。
脚本体41は、外パネル411と内パネル412とを相互に組み付けたものである。なお脚本体41の下端部には複数の接地体416を設けている。本実施形態では、脚本体41の厚み寸法を従来のものより十分に薄く設定し、天板2下に広い下肢空間を形成している。このパネル脚4は、外パネル411と内パネル412との間に形成される内部空間に補強部413、414、415を介在させている。補強部についての詳細は後述する。また、脚本体41の上面部におけるアタッチメント取付部42、及び梁フレーム連結金具43、44に対応する箇所に、目隠し用のキャップ417を着脱可能に取り付けている(図4等参照)。このキャップ417は、前記サイドパネルSPを取り外した場合に、アタッチメント取付部42、及び梁フレーム連結金具43、44の一部が外部から視認可能な状態になることを防止するものである。
アタッチメント取付部42は、天板2の下面側に配される梁フレーム6を連結するための梁フレーム連結体45、及び天板2を直接支持するための天板受け体46を選択的に取付可能なものである。本実施形態では、アタッチメント取付部42を、パネル脚4の幅方向(換言すれば天板2の奥行き方向)両端部近傍部位に、脚本体41より内方(換言すれば天板2下の下肢空間側)に突出した状態で取り付けている。アタッチメント取付部42は、図2及び図3等に示すように、アタッチメント取付部42に対する梁フレーム連結体45及び天板受け体46の取付位置をガイドし得る一対のガイド側壁421と、これらガイド側壁421の上端部同士を接続し且つ梁フレーム連結体45及び天板受け体46の一部を載せ置くための載置壁422と、脚本体41の内部空間に挿入可能な一対の挿入壁423(本発明の「挿入部」に相当)とを備えたものである。本実施形態では、アタッチメント取付部42を単一の板金素材から形成している。なお、アタッチメント取付部42を説明するにあたって以下に用いる「内方端」及び「突出端」とは「相対的に脚本体41から遠い方の端」を指し、「外方端」及び「基端」とは「相対的に脚本体41に近い方の端」を指す。
このアタッチメント取付部42は、梁フレーム連結体45の取付位置及び天板受け体46の取付位置を位置決めするための位置決め部を備えている。本実施形態では、載置壁422に他の部位よりも上方に突出させた凸部422aによって位置決め部を構成している。具体的には、突出端側に1つの凸部422a、基端側に2つの凸部422aを設け、これら3つの凸部422aによって位置決め部を構成している。
載置壁422には、梁フレーム連結体45及び天板受け体46を固定するためのアタッチメント固定用ボルトBL1が挿入可能なアタッチメント固定用ボルト第1挿入孔422bを形成し、このアタッチメント固定用ボルト第1挿入孔422bに連続し得る位置にナット422cを固定している。このナット422cは載置壁422の下向面に固定されている。また、載置壁422に、後述する梁フレーム連結体45の外カバー体453、及び天板受け体46の外カバー体462にそれぞれ設けた天板固定用ボルト挿入部453b、462bとの干渉を回避するための開口部422dを形成している。
一対の挿入壁423は、それぞれガイド側壁421の基端からさらに外方及び下方に同時に延伸するものである。本実施形態では、各ガイド側壁421の基端のうち下端部側の領域から挿入壁423を連続して設けている。また、各挿入壁423は、高さ方向に長尺なものであり、その下端が各ガイド側壁421の下端よりも下方に位置付けられる。
このような構成であるアタッチメント取付部42は、挿入壁423を脚本体41の内部空間に挿入した状態で組み付けている。具体的には、挿入壁423を、脚本体41の前記補強部413に固定している。
補強部413は、図4〜図6に示すように、アタッチメント取付部42を取り付ける箇所に設けられ、一枚の板金素材を折り曲げ加工したものである。この補強部413は、外パネル411に添接し得る第1添接壁413aと、第1添接壁413aの両側縁から内パネル412に向かって延伸し相互に対応する一対の対向壁413bと、各対向壁413bの内方端部から相互に離間する方向に向かって延伸し且つ内パネル412に添接し得る一対の第2添接部413cとを一体に有するものである。本実施形態では、各第2添接部413cの所定箇所を内パネル412にスポット溶接している。そして、図4に示すように、一対の対向壁413b同士の内法離間寸法を、一対の挿入壁423同士の外法離間寸法と略同一又は若干大きく設定し、これら対向壁413b間の空間に挿入壁423を挿入する。この挿入状態で、挿入壁423と対向壁413bとが相互に添接し、これら対向壁413bと挿入壁423とをスポット溶接により固着している。その結果、アタッチメント取付部42が脚本体41に一体的に組み付けられる。このようにして脚本体41に一体的に組み付けたアタッチメント取付部42に、梁フレーム連結体45、及び天板受け体46を選択的に取付可能にしている。
梁フレーム連結金具43、44は、アタッチメント取付部42と同様にパネル脚4より内方に突出した状態で取り付けられるものである。本実施形態では、脚本体41の幅方向中央部位に、一対の第1の梁フレーム連結金具43を取り付けるとともに、各第1の梁フレーム連結金具43と各アタッチメント取付部42との略中間部位に第2の梁フレーム連結金具44を取り付けている。これら、各梁フレーム連結金具43、44は、アタッチメント取付部42と略同じ高さ位置に取り付けられるものであり、特願2007―127239に示す連結金具と略同様の構造であるため、詳細な説明は省略する。また、脚本体41に対する各梁フレーム連結金具43、44の固定は、前記補強部413と略同様の構成である他の補強部414、415を利用して行っている。これら他の補強部414、415は、アタッチメント取付部42に関連付けて設けた補強部413と高さ寸法等が異なるものの、何れも一枚の板金素材を折り曲げ加工したものである点は同じであり、詳細な説明は省略する。第1の梁フレーム連結金具43に連結される梁フレームが、各天板要素21の反使用端21b側を支持し、第2の梁フレーム連結金具44に連結される梁フレームが、各天板要素21の奥行き方向中央部を支持する。
しかして、本実施形態に係るパネル脚4は、天板2の幅寸法に応じて、アタッチメント取付部42に梁フレーム連結体45を取り付けた梁フレーム連結体取付状態(4A)、又はアタッチメント取付部42に天板受け体46を取り付けた天板受け体取付状態(4B)の何れかを選択できる。無論、このパネル脚4は、搬送時や組立時において、アタッチメント取付部42に梁フレーム連結体45及び天板受け体46の何れをも取り付けていない非取付状態も採り得るものである。
次に、梁フレーム連結体45及び天板受け体46について説明する。なお、梁フレーム連結体45及び天板受け体46を説明するにあたって以下に用いる「内方端」及び「突出端」とは「相対的に脚本体41から遠い方の端」を指し、「外方端」及び「基端」とは「相対的に脚本体41に近い方の端」を指す。
梁フレーム連結体45は、図4〜図6に示すように、対向する一対の側壁4511を有する板金製の連結体本体451と、連結体本体451の側壁4511の内向面側にそれぞれ添接し得る第2側壁4521を有する板金製の内カバー体452と、連結体本体451の側壁4511の下端部を被覆し得る外カバー体453とを備えたものである。
連結体本体451は、一対の側壁4511と、側壁4511の上端部間を接続する上壁4512とを一体に有するものである。各側壁4511の内方端側に寄った位置に、厚み方向に貫通する貫通孔4511aをそれぞれ形成している。各側壁4511は、梁フレーム連結体45をアタッチメント取付部42に取り付けた状態においてアタッチメント取付部42のガイド側壁421よりも内方に突出する寸法に設定し、貫通孔4511aがガイド側壁421と厚み方向に重ならないようにしている。さらに、各側壁4511の内方端における下端部に、下方に向かって内方への突出寸法を漸次大きくしたテーパ面4511bを形成している。
上壁4512は、アタッチメント取付部42の載置壁422に設けた凸部422aに係合可能な凹部4512aを備えている。本実施形態では、厚み方向に貫通した凹部4512aを凸部422aに対応する箇所に設けている。また、上壁4512に、アタッチメント取付部42のアタッチメント固定用ボルト第1挿入孔422bに連通し得るアタッチメント固定用ボルト第2挿入孔4512bと、後述する外カバー体453の天板固定用ボルト挿入部453bに連通し得る天板固定用ボルト挿入孔4512cとを形成している。
内カバー体452は、連結体本体451の側壁4511の内向面側にそれぞれ添接し得る第2側壁4521と、第2側壁4521の下端部間を接続する底壁4522とを一体に有するものである。
各第2側壁4521は、連結体本体451の側壁4511に添接させた状態において前記貫通孔4511aに連通し得る第2貫通孔4521aを有するものである。第2貫通孔4521aは、略円形状をなし、その開口径を、連結体本体451の貫通孔4511aのうち円形領域の開口径と略同一又は若干大きく設定している。これら各第2側壁4521の外向面を側壁4511の内向面に添接させた状態で所定箇所をスポット溶接することにより、内カバー体452を連結体本体451に一体的に組み付けている。この組付状態において、第2側壁4521の内方端が、側壁4511の内方端よりも内方に突出するように設定している。さらに各第2側壁4521の内方端を相互に合い寄る方向に折り曲げた折曲部4521bを設け、この折曲部4521bの上向面に、梁フレーム6の上壁62の下向面が当たり得るようにしている。
底壁4522には、外カバー体453の係合爪453aが引っ掛け可能な引っ掛け孔4522aと、外カバー体453の天板固定用ボルト挿入部453bが挿入可能な開口部4522bとを形成している。内カバー体452を連結体本体451に組み付けた状態において底壁4522と、連結体本体451の側壁4511の下端部とが略同一高さ位置となる。
そして、これら連結体本体451の側壁4511の下端部と、内カバー体452の底壁4522とを外カバー体453によって被覆している。
外カバー体453は、略平板状の外カバー体本体4531を主体とする樹脂製のものである。外カバー体本体4531の両側縁部に、上方に隆起させた鍔部4532を設け、これら鍔部4532によって連結体本体451の側壁4511の下端部における外向面を被覆するようにしている。また、外カバー体453は、底壁4522の引っ掛け孔4522aに引っ掛け可能な係合爪453aと、底壁4522の開口部4522bに挿入可能な天板固定用ボルト挿入部453bとを一体に備えている。係合爪453aは、弾性変形可能な爪本体を備えたものである。また、天板固定用ボルト挿入部453bは高さ方向に貫通する筒状をなし、内部に天板固定用ボルトの頭部が当たり得る段部を設けている。
次に梁フレーム連結体45をアタッチメント取付部42に取り付ける手順について説明する。
先ず、予め連結体本体451と内カバー体452とを組み付け概略筒状をなす梁フレーム連結体45を、アタッチメント取付部42の突出端側からガイド側壁421に案内させながら差し込み、連結体本体451の上壁4512をアタッチメント取付部42の載置壁422に載せ置く。この際、上壁4512の凹部4512aと載置壁422の凸部422aとが凹凸係合することにより、アタッチメント取付部42に対する梁フレーム連結体45の相対取付位置が位置決めされる。この状態で厚み方向に連通する載置壁422のアタッチメント固定用ボルト第1挿入孔422b及び上壁4512のアタッチメント固定用ボルト第2挿入孔4512bに、共通のアタッチメント固定用ボルトBL1を上方から挿入し、載置壁422のナット422cに締め着けることによって、梁フレーム連結体45をアタッチメント取付部42に強固に固定することができる。なお、アタッチメント固定用ボルト第2挿入孔4512bには、アタッチメント固定用ボルトBL1の頭部を収容し得る座繰り部を形成している。そして、アタッチメント固定用ボルトBL1の締着作業前、又は締着作業後に、外カバー体453を下方から連結体本体451及び内カバー体452に取り付ける。具体的には、外カバー体453の天板固定用ボルト挿入部453bを、内カバー体452の底壁4522に形成した開口部4522bに挿入するとともに、外カバー体453の係合爪453aを、内カバー体452の底壁4522に形成した引っ掛け孔4522aに弾性係合させる。この状態において、外カバー体本体4531の鍔部4532が連結体本体451の側壁4511の下端部を被覆するとともに、外カバー体453の天板固定用ボルト挿入部453bの内部空間及び連結体本体451の上壁4512に形成した天板固定用ボルト挿入孔4512cが高さ方向に連通する。
このようにしてアタッチメント取付部42に梁フレーム連結体45を取り付けることによって、パネル脚4が梁フレーム連結体取付状態(4A)となる。そして、図7に示すように、梁フレーム連結体45に梁フレーム6を連結することによって、支持構造体3が、梁フレーム連結体45に梁フレーム6を連結してなるフレーム連結状態(3A)となる。
ここで、梁フレーム6について説明する。梁フレーム6は、対向する一対の側壁61、上壁62、及び底壁63を一体に有する概略四角筒状をなすものであり、対向する一対の側壁61の両端部にそれぞれ厚み方向に貫通する貫通孔61aを形成し、これら各貫通孔61aに架け渡したピン状の第2固定架材P2をEリング等の固定具によって固定している。各貫通孔61a及び第2固定架材P2は、それぞれ円形の一部を切除した略D字状をなし、貫通孔61a内で第2固定架材P2が回転することを防止している。また、第2固定架材P2の軸方向中央部に、貫通孔61aに架け渡した状態で斜め方向に貫通するボルト挿通孔P21を形成している。梁フレーム6の上壁62における両端部近傍には、梁フレーム6内に連結用ボルトBL2を挿抜するための開口窓62aを形成している。なお、開口窓62aに関連付けて、連結用ボルトBL2が梁フレーム6の内部空間の奥深くに落ちることを防止するためのボルト受け具を装着しても構わない。また、各側壁61の内方端側における下端部に、連結体本体451のテーパ面4511bに対応させて斜めに切除した切除部61bを設けている。
このような梁フレーム6を前記梁フレーム連結体45に連結するには、先ず、梁フレーム6の端面と、梁フレーム連結体45の内方側の端面とが向き合うように、梁フレーム6を上方から梁フレーム連結体45の突出端部側に載せ置く。この際、梁フレーム6の上壁62の下向面が、内カバー体452の第2側壁4521のうち連結体本体451の側壁4511よりも内方(換言すれば梁フレーム6側)に突出した部位の上向面(具体的には折曲部4512bの上向面)に当たり、梁フレーム6と梁フレーム連結体45との相対位置を仮決めした状態において梁フレーム6が不意に抜け落ちることを防止し、両部材45、6の相対取付位置が仮決めされる。なお、本実施形態では、梁フレーム6の端面に切除部61bを形成しているため、梁フレーム6を梁フレーム連結体45の内方端に上方から被せるように取り付けても、梁フレーム6の下端部が内カバー体452の第2側壁4521に当たることがなく、取付作業をスムーズに行うことができる。また、梁フレーム6の各側壁61の内向面が、それぞれ内カバー体452の第2側壁4521の外向面に添接することにより、梁フレーム連結体45に対する梁フレーム6の幅方向(天板2の奥行き方向)に沿った相対位置が位置決めされる。すなわち、内カバー体452の各第2側壁4521及び梁フレーム6の各側壁61が、梁フレーム連結体45に対する梁フレーム6の厚み方向(天板2の奥行き方向)に沿った相対位置を位置決めする位置決め手段として機能する。
そして、図7に示すように、梁フレーム6の端面を、連結体本体451のうち梁フレーム6側の端面に当接又は近接させた状態で連結体本体451の各側壁4511及び内カバー体452の各第2側壁4521にそれぞれ形成した第1貫通孔4511a、第2貫通孔4521aに連続して架け渡したピン状の第1固定架材P1と、第2固定架材P2とが斜め方向に対向して、第1固定架材P1の軸方向略中央部に形成したネジ孔P11と、第2固定架材P2のボルト挿通孔P21とが仮想直線状に並び、このボルト挿通孔P21に斜め上方から挿入した連結用ボルトBL2を、第2固定架材P2を足場としてネジ孔P11に締め付ける。このように梁フレーム連結体45に固定した第1固定架材P1のネジ孔P11に連結用ボルトBL2を締め込むことで、第1固定架材P1と第2固定架材P2とを相寄る方向に引き寄せる力が梁フレーム連結体45及び梁フレーム6の端面同士を押圧する力となり、各梁フレーム6の端面と連結体本体451の端面とが面的に圧接し合い、高い取付強度が得られる。また、連結用ボルトBL2をネジ孔P11に締め込む過程で、梁フレーム6の切除部61bが梁フレーム連結体45のテーパ面4511bにくさび作用によってがたつきの無い状態で圧接し、梁フレーム6は梁フレーム連結体45に強固に連結される。そして、この連結状態において、少なくとも梁フレーム6の上向面(上壁62の上向面)と梁フレーム連結体45の上向面(連結体本体451の上壁4512の上向面)とが略面一となり、これら略面一となった領域に天板2の下向面が面的に当たるようにしている。具体的には、梁フレーム連結体45及び梁フレーム6が各天板要素21の使用端21a側を支持するものとなる。なお、このような手順を経てフレーム連結状態(3A)に設定した支持構造体3と天板2との固定は、外カバー体453の天板固定用ボルト挿入部453b、及び上壁4512の天板固定用ボルト挿入孔4512cに下方から挿入した共通の天板固定用ボルト(図示省略)を、天板2に埋設したナットに締め付けることにより行う。
一方、天板受け体46は、対向する一対の側壁4611を有する板金製の天板受け本体461と、天板受け本体461の側壁4611を被覆し得る外カバー体462とを備えたものである。
天板受け本体461は、図8〜図10に示すように、一対の側壁4611と、側壁4611の上端部間を接続する上壁4612とを一体に有するものである。上壁4612には、アタッチメント取付部42の載置壁422に設けた凸部422aに係合可能な凹部4612aを備えている。本実施形態では、厚み方向に貫通した凹部4612aを凸部422aに対応する箇所に設けている。また、上壁4612に、アタッチメント取付部42のアタッチメント固定用ボルト第1挿入孔422bに連通し得るアタッチメント固定用ボルト第2挿入孔4612bと、後述する外カバー体462の天板固定用ボルト挿入部462bに連通し得る天板固定用ボルト挿入孔4612cとを形成している。
外カバー体462は、アタッチメント取付部42のガイド側壁421を被覆し得る一対の側方被覆壁4621と、被覆側壁の下端部間を接続する下方被覆壁4622と、側方被覆壁4621の内方端側の端面間を接続する端面被覆壁4623とを一体に備えている。また、下方被覆壁4622に、アタッチメント取付部42の各ガイド側壁421に設けた引っ掛け孔421aに引っ掛け可能な一対の係合爪462aと、底壁4522の開口部4522bに挿入可能な天板固定用ボルト挿入部462bとを設けている。係合爪462aは、弾性変形可能な爪本体を備えたものである。また、天板固定用ボルト挿入部462bは高さ方向に貫通する筒状をなし、内部に天板固定用ボルトの頭部が当たり得る段部を設けている。端面被覆壁4623の下端部側には、天板固定用ボルト挿入部462bに連通し得る切欠部462cを形成している。
次に天板受け体46をアタッチメント取付部42に取り付ける手順について説明する。
先ず、天板受け本体461を、アタッチメント取付部42の上方から被せるようにしてガイド側壁421に案内させながら、上壁4612をアタッチメント取付部42の載置壁422に載せ置く。この際、上壁4612の凹部4612aと載置壁422の凸部422aとが凹凸係合することにより、アタッチメント取付部42に対する天板受け本体461の相対取付位置が位置決めされる。この状態で厚み方向に連通する載置壁422のアタッチメント固定用ボルト第1挿入孔422b及び上壁4612のアタッチメント固定用ボルト第2挿入孔4612bに、共通のアタッチメント固定用ボルトBL1を上方から挿入し、載置壁422のナット422cに締め着けることによって、天板受け本体461をアタッチメント取付部42に強固に固定することができる(図10参照)。なお、アタッチメント固定用ボルト第2挿入孔4612bには、アタッチメント固定用ボルトBL1の頭部を収容し得る座繰り部を形成している。また、アタッチメント固定用ボルトBL1の締着作業前、又は締着作業後に、外カバー体462を下方から天板受け本体461に取り付ける。具体的には、外カバー体462の天板固定用ボルト挿入部463bを、内カバー体452の底壁4522に形成した開口部4522bに挿入するとともに、外カバー体462の係合爪462aを、アタッチメント取付部42の各ガイド側壁421に設けた引っ掛け孔421aに弾性係合させる。この状態において、外カバー体462が天板受け本体461の上壁4612以外の略全部位を被覆するとともに、外カバー体462の天板固定用ボルト挿入部462bの内部空間及び上壁4612の天板固定用ボルト挿入孔4612cが高さ方向に連通する。
このようにしてアタッチメント取付部42に天板受け体46を取り付けることによって、パネル脚4が天板受け体取付状態(4B)となり、このようなパネル脚4を備えた支持構造体3が、天板受け体46によって天板2を直接し得る天板直接支持状態(3B)となる。なお、本実施形態の支持構造体3は、天板直接支持状態(3B)にある場合であっても、前記連結金具43、44にはそれぞれ梁フレームが連結されている。
そして、天板2の下向面を天板受け本体461のフラットな上壁4612に載せ置くことにより、天板受け体46が天板2を面的に直接支持する。天板直接支持状態(3B)にある支持構造体3と天板2との固定は、外カバー体462の天板固定用ボルト挿入部462b、及び上壁4612の天板固定用ボルト挿入孔4512cに下方から挿入した共通の天板固定用ボルト(図示省略)を、天板2に埋設したナットに締め付けることにより行う。
このような構造を有する本実施形態の天板付家具1は、天板2の幅寸法に応じてパネル脚4を梁フレーム連結体取付状態(4A)又は天板受け体取付状態(4B)の何れかに選択することにより、良好な天板2の支持状態を実現している。具体的には、天板要素21として幅寸法が大きいものを適用した場合には、パネル脚4を梁フレーム連結体取付状態(4A)に設定するとともに、天板要素21として幅寸法が小さいものを適用した場合には、パネル脚4を天板受け体取付状態(4B)に設定する。
なお、本実施形態の支持構造体3は、一対のパネル脚4同士の略中間位置に配される中間脚5を備え、この中間脚5のうち、天板2の奥行き方向に沿って延びるアーム(図示省略)に、アルミダイキャスト製の梁フレーム連結体(図示省略)を取り付けている。これら樹脂製の梁フレーム連結体は、アタッチメント取付部42及び前記梁フレーム連結金具43、44にそれぞれ対向する位置に取り付けられている。そして、パネル脚4を梁フレーム連結体取付状態(4A)から天板受け体取付状態(4B)へ変更した場合に、アタッチメント取付部42に対向する梁フレーム連結体を中間脚5から取り外せるようにしている。
このように本実施形態に係るパネル脚4は、天板2の下面側に配される梁フレーム6を連結するための梁フレーム連結体45、及び天板2を直接支持するための天板受け体46を選択的に取付可能なアタッチメント取付部42を備えたものであるため、天板2の幅寸法や重量に応じて、アタッチメント取付部42に梁フレーム連結体45を取り付けた梁フレーム連結体取付状態(4A)と、アタッチメント取付部42に天板2受け本体を取り付けた天板受け体取付状態(4B)との間で切り替えることが可能である。そして、梁フレーム連結体取付状態(4A)にした場合には、梁フレーム連結体45に梁フレーム6を連結することが可能となり、天板2の大型化や重量化にも好適に対応でき、天板2が例えば木製などそれ自体に剛性を有しないものであっても、当該天板2の撓み変形(おじぎ)を防止し、確実に支持することができる。一方、天板受け体取付状態(4B)にした場合には、天板受け体46によって天板2を直接支持することにより、天板2に対する良好な支持機能を発揮しつつ支持構造体3全体における梁フレームの本数を削減することが可能であり、パネル脚4自体の汎用性・機能性を格段に向上させることができる。
特に、アタッチメント取付部42が、脚本体41より内方に突出した状態で取り付けられたものであり、このアタッチメント取付部42に対して梁フレーム連結体45をアタッチメント取付部42の突出端側から被覆し得るように載せ置くことにより、梁フレーム連結体45をアタッチメント取付部42に仮置きすることができるとともに、アタッチメント取付部42に対して天板受け体46を上方から被覆し得るように載せ置くことにより、天板受け体46を前記アタッチメント取付部42に仮置きすることができ、下方から潜り込むといった無理な姿勢を強いられることなく容易にアタッチメント取付部42に対する梁フレーム連結体45及び天板受け体46の仮置き作業を行うことができる。
加えて、アタッチメント取付部42が、アタッチメント取付部42に対する梁フレーム連結体45及び天板受け体46の取付位置をガイドし得る一対のガイド側壁421と、これらガイド側壁421の上端部同士を接続し且つ梁フレーム連結体45及び天板受け体46の一部を載せ置くための載置壁422とを備えたものであり、梁フレーム連結体45及び天板受け体46が、アタッチメント取付部42のガイド側壁421の外向面にそれぞれ添接可能な一対の側壁4511、側壁4611と、側壁4511の上端部同士、側壁461の上端部同士を接続し且つ前記載置壁422に載置可能な上壁4512、上壁4612とを備えたものであるため、梁フレーム連結体45及び天板受け体46をアタッチメント取付部42の突出端側又は上方から被せるようにして載置壁422に上壁4512、上壁4612を載置することによって簡単に取り付けることができ、しかも、一対のガイド側壁421によってアタッチメント取付部42に対する梁フレーム連結体45及び天板受け体46の取付作業をスムーズに行うことができる。
さらに、アタッチメント取付部42が、梁フレーム連結体45の取付位置を位置決めするための位置決め部と、前記天板受け体46の取付位置を位置決めするための位置決め部とを共用しているため、アタッチメント取付部42に対する梁フレーム連結体45及び天板受け体46の相対取付位置を的確に位置決めすることができ、取付作業の効率が上がるのみならず、梁フレーム連結体45用の位置決め部と、前記天板受け体46構造用の位置決め部とをそれぞれ個別に設ける態様と比較して構造の簡素化を図ることができる。
加えて、位置決め部が、梁フレーム連結体45及び天板受け体46に設けた凹部4512aに係合可能な凸部422aであるため、簡単な構造でありながらアタッチメント取付部42に対する梁フレーム連結体45及び天板受け体46の相対取付位置を的確に位置決めすることができる。さらに、位置決め部を複数箇所設けることによって、アタッチメント取付部42に対する梁フレーム連結体45及び天板受け体46の固定作業時に、単一のアタッチメント固定用ボルトBL1を締め着ける過程で起こり得る、アタッチメント取付部42に対する梁フレーム連結体45及び天板受け体46の回動やぐらつきを防止することができる。
脚本体41が、外パネル411と内パネル412とを相互に組み付け、これら外パネル411と内パネル412との間に形成される内部空間に補強部413を介在させたパネル状のものであり、アタッチメント取付部42が、内部空間に挿入可能な挿入壁423を一体に有し、この挿入壁423を補強部413に固定したものであるため、補強部413によってパネル状の脚本体41の強度を高めるとともに、補強部413に挿入壁423を固定することによりアタッチメント取付部42と脚本体41との高い取付強度が得られる。
殊に、補強部413が、外パネル411から内パネル412に向かって延伸し且つパネル411、412の幅方向に沿って相互に対向する一対の対向壁413bを備えたものであり、アタッチメント取付部42が、各ガイド側壁421に挿入壁423をそれぞれ連続して設け、これら一対の挿入壁423をそれぞれ対応する対向壁413bに溶着しているため、アタッチメント取付部42を板金製とすることにより、アタッチメント取付部42としてアルミダイキャスト製の一体成型品を用いた態様と比較して、製造段階で専用の金型を用意する必要がなく、製造コストの削減、ひいてはトータルコストの削減を有効に図ることができるとともに、アタッチメント取付部42と脚本体41との取付強度をさらに高めることができ、アタッチメント取付部42に掛かる負荷によってアタッチメント取付部42自体が撓み変形する不具合を解消できる。また、補強部413の対向壁413bが挿入壁423の挿入先を案内するガイド部としても機能し、挿入壁423の挿入作業をスムーズ且つ的確に行うことができる。また、板金製とすることにより軽量化をも有効に図ることができる。さらには、補強部413に挿入壁423を溶着することにより、ビス止め作業が不要となるのみならず、補強部413を内パネル412又は外パネル411に溶着する一連の溶着作業の工程においてアタッチメント取付部42を補強部413に溶着することにより、組立工程の簡略化をも図ることができる。
梁フレーム連結体45が、一対の側壁4511を有する連結体本体451と、連結体本体451の側壁4511の内向面にそれぞれ添接し、且つ連結体本体451の側壁4511よりも梁フレーム6側に突出させた第2側壁4521を有する内カバー体452とを備えたものであり、梁フレーム連結体45に対して梁フレーム6を仮置きした状態において、第2側壁4521のうち、連結体本体451の側壁4511よりも梁フレーム6側に突出させた部位の上向面に梁フレーム6の上壁62の下向面が当たり得るようにしているため、簡単な構造で梁フレーム連結体45に対して梁フレーム6を仮置きした際に梁フレーム6の安定した仮置き状態を維持でき、梁フレーム連結体45に対する梁フレーム6の抜け落ちを防止することができる。
また、第2側壁4521のうち、連結体本体451の側壁4511よりも梁フレーム6側に突出させた部位の外向面に梁フレーム6の側壁61の内向面が添接し得るようにしているため、梁フレーム連結体45に対する梁フレーム6の幅方向(天板2の奥行き方向)に沿った位置決めを行うことができ、梁フレーム連結体45に対する梁フレーム6の横ずれを防止することができる。
梁フレーム連結体45が、一対の側壁4511の下端部を被覆し得る樹脂製の外カバー体453を備えたものであるため、取付作業時又は連結作業時に作業者の指先が側壁4511の下端部に引っ掛かることを防止し、安全性に優れたものとなる。特に連結体本体451が板金製のものである場合に、バリ等による不用意な怪我を外カバー体453によって防止することができる。
同様の観点から、天板受け体46を、少なくとも一対の側壁4611を備えた天板受け本体461と、天板受け本体461の一対の側壁4611の下端部を被覆し得る外カバー体462とを備えたものとしているため、安全性に優れたものとなる。
また、本実施形態に係る天板付家具1は、天板2と、天板2を支持する支持構造体3とを備え、支持構造体3が、上述した種々の効果を奏するパネル脚4を備えてなり、アタッチメント取付部42に梁フレーム連結体45を取り付け、且つ梁フレーム連結体45に梁フレーム6を連結してなるフレーム連結状態(3A)と、アタッチメント取付部42に天板受け体46を取り付け、且つ天板受け体46によって天板2を直接支持し得る天板直接支持状態(3B)とを選択可能なものであるため、支持構造体3を、フレーム連結状態(3A)と、天板直接支持状態(3B)との間で切り替えることによって大きさや重量の異なる種々の天板2にも柔軟に対応することができ、汎用性・機能性が格段に向上したものとなる。
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
例えば、梁フレーム連結体及び天板受け体の何れもが、アタッチメント取付部に対してその突出端側から被覆し得るようにして載せ置くことによりアタッチメント取付部に仮置き可能なものであってもよく、或いは、梁フレーム連結体及び天板受け体の何れもが、アタッチメント取付部に対してその上方から被覆し得るようにして載せ置くことによりアタッチメント取付部に仮置き可能なものであってもよい。このように、仮置きする際の動作方向、動作手順が同じであれば、作業効率の向上になお一層貢献するものとなる。
また、アタッチメント取付部が、梁フレーム連結体用の位置決め部と、天板受け体用の位置決め部とをそれぞれ個別に備えたものであっても構わない。また、位置決め部として、梁フレーム連結体及び前記天板受け体に設けた凸部に係合可能な凹部を適用してもよい。さらには、アタッチメント取付部の位置決め部として、梁フレーム連結体及び前記天板受け体に設けた弾性係合爪又は係合孔に弾性係合可能な係合孔又は弾性係合爪を適用しても構わない。
また、アタッチメント取付部が、前記内部空間に挿入可能な挿入部を、脚本体の補強部に溶着以外の態様、例えばビス止め等によって固定したものであってもよい。
さらには、アタッチメント取付部、梁フレーム連結体及び天板受け体がそれぞれ略丸パイプ状のものであっても構わない。この場合、丸パイプのうち高さ方向に直交する方向に向かい合う壁同士が「一対のガイド側壁、一対の側壁」に相当する。
また、前記実施形態では、パネル脚が、アタッチメント取付部とは別に、梁フレーム連結金具(第1の梁フレーム連結金具43、第2の梁フレーム連結金具44)を複数備えたものである態様を例示したが、パネル脚が、梁フレーム連結金具を備えず、一又は複数のアタッチメント取付部42を備えたものであってもよい。
また、アタッチメント取付部を備えた共通のパネル脚を用いて、天板が木製である場合にはアタッチメント取付部に梁フレーム連結体を取り付けるとともに、天板が剛性の高い素材(例えばスチール製)からなる場合にはアタッチメント取付部に天板受け体を取り付けることによって、何れの天板にも対応できるようにしても構わない。
また、前記実施形態では、一のパネル脚が、アタッチメント取付部の他、第1の梁フレーム連結金具43、及び第2の梁フレーム連結金具44を備えた態様を例示したが、天板が剛性の高い素材(例えばスチール製)からなる場合には、パネル脚として、第1の梁フレーム連結金具43、及び第2の梁フレーム連結金具44の両方、又は何れか一方の梁フレーム連結金具(好ましくは第2の梁フレーム連結金具44)を、アタッチメント取付部に替えたものを適用してもよい。この場合、各アタッチメント取付部に天板受け体を取り付けることによって、剛性の高い素材からなる天板を支持することができる。
アタッチメント取付部の挿入部(挿入壁)が、ガイド側壁以外の部位(例えば載置壁)に連続して設けた単一のものであってもよい。
さらに、アタッチメント取付部として、アルミダイキャスト製の一体成型品を適用しても構わない。
同様に、梁フレーム連結体及び天板受け体として、アルミダイキャスト製の一体成型品を適用しても構わない。
また、脚体として、パネル脚ではなく、門型の脚体を適用してもよい。この場合、脚本体は、一対の脚支柱と、脚支柱の上端部間を接続する横架材とを備えたものとなる。
また、前記実施形態では、天板付家具として大型の天板を備えたテーブルを例示したが、これに限らず、天板付家具として、小型の天板を備えたテーブルや、或いはオフィス等で使用される机を適用しても構わない。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。