JP5150850B2 - タービンクリーニングシステム - Google Patents

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Description

本発明は、タービン、特に飛行機の補助動力装置(APU)をクリーニングするためのシステム及びその方法に関するものである。そのクリーニングは現場(オンサイト)及び/又はオンライン(即ち、APUが全出力運転している最中)で実行できるものである。
一般的にはガスタービン、特に飛行機のエンジンは運転中に多くの種類の汚れに曝される。その汚れは空気吸入口を介してタービンに吸引される物質によって引き起こされる。この物質は、例えば排気ガスの粒子、虫、鳥のような大型動物、ススのような大気汚染物など、数多くの種類からなる可能性がある。これら物質の全ては、タービンブレードに付着して、タービン・コンプレッサの空気流量を減じることでタービンの運転に悪影響を与えるような汚損被覆物を形成することによりガスタービンの総合的性能を低下させてしまう。
コンプレッサの清浄度は定期的な水洗浄プログラムを用いて維持することができる。ガスタービンに対して実行される2つの水洗浄処理作業がそれぞれ“オフライン”と“オンライン”として称される。オフライン処理作業が、冷却状態にあるガスタービンをクランキング速度で運転して行われる一方で、オンライン処理作業はガスタービンを運転温度で運転して行われる。このオンライン処理作業では通常、水だけを使用する。双方の洗浄処理作業は、タービン・コンプレッサのコアに完全に流入するように設計された高微粒化された噴霧水パターンを使用している。オフライン処理作業ではコア全体が清浄化され、失われた性能を回復する一方で、オンライン処理作業ではコアの前段を清浄化し、必要とされるオフライン洗浄処理の時間間隔を最大にする。
タービンを洗浄するための既知システムは、その洗浄対象を飛行機に搭載された状態にあるエンジンタービン、又は定置した状態にある産業用タービンとしている。しかしながら、エアポートで停止状態にある時に飛行機に対して電気を発生するように提供されたAPUのクリーニングは、既知のシステムによっては未だ取り組まれてはいない。
実際に、APUを飛行機から取り外し、それを交換したり、或いは別にクリーニングして適所に再設置するというような事はよく行われている。
当該技術者なら理解されることだが、このような処理手順はかなり単調で退屈なものであり、その結果としてAPUのクリーニングと交換の間に長い時間を経過させてしまう傾向がある。結果として、APUはその出力発生能力の幾分かを失う可能性があり、それによって運転に当たってはより多くの燃料を必要とし、飛行機の運転コストを増加させてしまうことにもなる。
特表2000−510544号公報
現在の洗浄方法及びシステムの問題に鑑み、飛行機のAPUの洗浄を改善する必要があり、特に、動作不能時間(ダウンタイム)を減少することと、現今と比較して長時間にわたってより高い効率を持つようにAPUの性能を向上させる必要がある。
従って本発明の目的としては、1台又はそれ以上のAPUを現場(飛行機の機体からAPUを取り外すことなく)又はオンライン(APUを全出力状態で運転しながら)で効果的にクリーニングするクリーニング装置、システム及び方法を提供することにある。
本発明によれば、1つの例において、APUを現場でオンラインでクリーニングするための噴霧クリーニング装置が提供される。また別の例として、噴霧クリーニング装置を備え、APUを現場でオンラインでクリーニングするためのシステムも提供される。更に別の例として、本発明によれば、APUをクリーニングする方法が提供される。
本発明の更なる適用範囲に関しては、以下の詳細な説明と添付図面とにより明らかになるが、それらは単に例として掲げただけであって、限定するものとして捉えるべきではない。
1台の補助動力装置(APU)への空気吸入口を備えた飛行機のテールと、実施形態にかかる噴霧装置を使用するオペレータとを示す概略説明図である。 噴霧装置の第1の実施形態を示す外観斜視図である。 図2に示す噴霧装置を、APUの空気吸入口に据え付けた状態を示す斜視説明図である。 噴霧装置の第2実施形態を示す外観斜視図である。 図4に示す噴霧装置の据え付け状態を示した要部説明図である。 図4に示す噴霧装置を据え付け箇所に据え付け完了前の状態における要部説明図である。 噴霧装置を遠隔制御するための機構の一実施形態を示した要部説明図である。 1台以上のAPUをクリーニングする手順を示したフローチャートである。
本実施形態は、補助動力装置(以下、APUと略す)の空気吸入口を介して噴射することができる、しかるべき特性を有した高圧噴霧水を提供することにより、飛行機からAPUを取り外すことなくオンラインとオフラインの双方でAPUをクリーニングできるだろうという発想に基づくものである。
本実施形態によれば噴霧クリーニング装置は、その最も一般的な形態において、所望の圧力と所望の体積流量に調整された霧状水の噴霧を生成することができる少なくとも1個のノズルを有する。適切な形としては、噴霧パラメータは、その圧力が20〜200×105Pa間で、霧状噴霧の水滴サイズが40〜250×10-6m間で、更に(エンジン整備マニュアルでの許容流量にもよるが)体積流量が1〜20dm3/分で夫々設定できるように可変となっている。
使用される実際のパラメータ値は、クリーニング対象となるAPUの種類や、APU内に存在する付着物の量や、APUをオンラインでクリーニングするかオフラインでクリーニングするかという状況、又はその他種々の要因と共に変化することになるだろう。当該技術に熟練した人であるなら、対象となるAPUに対しこれらパラメータを適用することができるであろう。
本実施形態による噴霧クリーニング装置は又、ノズルを支持する剛性チューブ部分を有する。ノズルが単一の場合、ノズルを所定位置に保持するために1本の剛性チューブを使用しても良い。複数ノズルを有するクリーニング装置の場合、各ノズル位置がクリーニングされるAPUの要求か所に合うように、チューブを様々な方向に分岐するようにしても良い。或いは、複数の剛性チューブを使って複数ノズルを収容するようにしても良い。
これに代わる実施形態として、ノズル又は剛性チューブ部分を、APUに必要な高圧液体を供給する細長い供給チューブに一体化するようにしても良い。また、この細長いチューブを使って、オペレータ用ハンドルを形成しても良い。
ノズルをAPU内部の正規位置に置くため、クリーニング装置上に位置決め手段が設けられる。この位置決め手段は、その最も単純な設計において、飛行機のAPUの空気吸入口の一部にぴったり整合するように設計された部材を有する。この様にして、クリーニング装置の残りの部分を、機体に対して適所に簡単に置くことができ、それによりノズルを定位置に保持するサポートを提供することができる。安定性を増す上で、クリーニング装置の作動時においてオペレータはクリーニング装置に更なる圧力を加え、噴霧の反動力を相殺するようにしても良い。
或いは又、位置決め手段をクランプとして設計することも可能である。その結果、オペレータが圧力を付与することなくかなり確実な方法でクリーニング装置を機体に一時的に固定することができ、これによりオペレータを解放させその代りに洗浄作業をモニタリングさせることができる。
クランプは多くの方法で設計することができ、特にAPUは異なる飛行機の異なる位置に組み付けられるため、各特定飛行機モデルの本体に適合するように形成しても良い。
図1を参照するに、ここには例としての飛行機100(例えば、ボーイング737)のテール部分が示されている。この飛行機100において、APU(図示せず)はそれぞれの側にあって、機体の内側に配置される。APUへの空気吸入口102は尾翼103直前の飛行機100の両側にそれぞれ設けられる。また図1には、本実施形態による噴霧クリーニング装置104を使用するクリーニング・オペレータ105が示されている(高圧水を供給する給水システムは図示されていない)。図1に示すように、噴霧クリーニング装置104は地上から操作される一方で、オペレータ105は手でクリーニング装置104をホールドする。細長い給水パイプ106のおかげで、はしごやリフト装置を必要とすることなくAPU102を使って洗浄目的のためタービンに接近することができる。
図2は噴霧クリーニング装置230の典型的実施形態を示している。装置230は噴霧ノズル232を有するが、その設計について詳しくは後述する。ノズル232は、約90度の曲げ角度で曲げられたノズルチューブ234(即ち、ノズルを支持するチューブ)に取り付けられるが、同チューブのその他の角度については、主としてAPUの設計、又は機体におけるAPU位置に依存し、特殊用途に対し適当なもので良い。このチューブ234の曲げ半径は重要な意味を持つものではないが、当然ながらそこを通る液体の流れがその半径によって阻害されることのないように設定されなければならない。
チューブ234に取り付けられるのが調整可能な位置決め手段236である。本実施形態では位置決め手段236は略“U”字形部材として示され、この部材の内壁は飛行機の空気吸入口内壁構造と一致するように形成されている。しかしながらこの位置決め手段236はどんな所望形状にも従い、如何なる取り付け位置にも適合するように形成可能であることを理解すべきである。
噴霧ノズル支持チューブ234はその末端で給水チューブ238に取り付けられる(又は一体化される)。洗浄液(例えば、水、又は合成洗剤のような他の洗浄液)を液源(図示せず)から給水チューブ238を介してノズルチューブ234まで上昇させ、ノズル232から噴射するようにしてもよい。図示したように、位置決め手段236は角度の付いた姿勢でノズルチューブ−給水チューブのアセンブリ234−238に緊結される。この様にすれば、噴霧装置230を飛行機の吸入口に据え付けた状態では、噴霧ノズル232は既に所望の方向を指向することとなる。他の実施形態としては、位置決め手段236をノズルチューブ−給水チューブのアセンブリ234−238に緩やかに結合し、噴霧装置230を据え付けた後にノズル232を位置決めして良い。このような実施形態では、一旦、ノズル232を所望の方向に指向させた状態で、位置決め手段236を締め付け固定したり、又は適所にロックしても良い。
図3を参照するに、ここでは図2に示した典型的な噴霧装置230が空気吸入口301において据え付けられた状態で示されている。図示するように、噴霧装置230は空気吸入口301のエッジに直接据え付けられている。位置決め手段236は空気吸入口301のエッジを収納するように示され、空気吸入口301と噴霧装置230との間に安定した仮の連結を形成している。またここでは位置決め手段236の裏側に2本のボルト303も示されている。これらのボルト303は位置決め手段236をノズルチューブ−給水チューブのアセンブリ234−238に固定接続するために使用される。上述したように、これにより、一旦噴霧装置230を据え付けさえすれば噴霧ノズル232を適切な向きへと方向付けることができる。しかしながら、実施形態の範囲から逸脱しない限り、位置決め手段236をノズルチューブ−給水チューブのアセンブリ234−238に固定する如何なる既知手段も使用可能であることに留意すべきである。ひとたび空気吸入口301に噴霧装置230がしっかり据え付けられたならば、洗浄液305が流体源(図示せず)から給水チューブ238に注入され、更にノズルチューブ234を通ってノズル232からAPU内へと噴射されることになる。
図4は噴霧装置440の実施形態を示している。この実施形態は、空気吸入口に強固に固定されるように設計されたものである。結果として、フレキシブルな給水ホースの使用が可能となる。
上記噴霧装置440は1本以上のノズル442を有し、同ノズルは約90度の曲げ角度で曲げられたノズルチューブ444に取り付けられる。チューブ444は、フレキシブル・ホースや他の給水チューブを装置440に接続するホース継ぎ手445を備えた、更なるチューブ部分454に取り付けられる。
更に、その両端の2つのウイング部446bを備えた本体部446aを有する支持部材446が設けられる。支持部材446はシートメタルから適正に形成されるが、その製作にあたっては他のどんな剛性材料を使用しても良い。1つの実施形態として、支持部材446をチューブから形成しても良い。
据え付け状態ではAPUに対してノズル442が定位置にくるように、ノズルチューブ444は支持部材446の本体部446に、例えば溶接によって、強固に取り付けられる。
支持部材446の各ウイング部446bには位置決めブラケット448が取り付けられる。これらブラケット448は基本的には図示するような“U”字形となり得るが、その形状に関しては、APU空気吸入口のエッジの輪郭に適合して噴霧装置440を縦・横方向双方において定位置に保持するのであれば他の如何なる形状でも良い。
噴霧力によって噴霧装置440が所望の据え付け位置から離れてしまうことのないように固定手段449が設けられる。この固定手段449は、望ましからぬ動作が起こさないほど十分な力で空気吸入口構造部分(図示せず)に突き当てることで制御されない動作が発生しないのを確実にするものである。これは、空気吸入口で機体に対し摩擦力によって純粋に達成するか、或いは噴霧装置440の後方移動に対抗すべく機体のある部分に実際に当接する固定手段449の一部によって達成することができる。
図4に示す特別な実施形態において、固定手段449は、“V”字状に配置されたばね仕掛けの2本のアーム450を有する。アーム450同士はねじりばね451を介して接続されており、同ばね451は、V字が広がるようにアーム450同士を離れさせるようなねじれ力をアームに対し与えている。随意的ではあるが、アーム450が広がりすぎないように端部ストッパが設けられる。また適切な状態としては、アームがクランプされることになる空間の幅よりもわずかに大きなスパンに対応するようにアームの最大変形量が設定されるだろう。各アーム450の端部には、機体に当接した際に摩擦を提供するようなゴムキャップ452が設けられることが好ましい。
代替実施形態としては、アーム450の一方を固定しつつ、他方のアーム450をねじりばね451によってばね留めするようにしても良い。
図5Aは、空気吸入口501において飛行機のAPUに据え付けられた状態にある図4の噴霧装置440を示している。図からわかるように、ねじりばね(図示せず)がアーム450を、空気吸入口501の構造物の一部に対して付勢する。ねじりばね力と共にゴムキャップ452、空気吸入口501間の摩擦は、水が洗浄液ノズルチューブ454、444を通って移動する際に生じる墳霧水の力に対抗するほど大きな反力を生み出す。図5Aにおいて、空気吸入口501はこの反力を生じる際に補助するような僅かな傾斜面を備えている。しかしながら、仮にアーム450を支持する空気吸入口の面が基本的に水平面だけだとしても、ゴムキャップ452の摩擦とねじりばねの力により、充分、作動中の噴霧装置440を適所に保持することができる。噴霧装置440を据え付けたり、或いは噴霧装置440を再配置するために、アーム450同士は、互いに向けて付勢されるようにし、噴霧装置440が適所にある時などは、アーム450を解放し、空気吸入口501の表面に対し力を課すようにしても良い。
噴霧装置440が据え付けられた状態にある時、図5Aに示すように、アーム450は空気吸入口501を圧迫し、噴霧装置440を適所に保持する。噴霧装置440を取り外すためには図5Bに示したように、アーム450をばね力に対抗して互いに向かい合う方向に付勢し、以て空気吸入口501から摩擦力を取り除くようにしても良い。
これに代わる実施形態として、噴霧装置は、オペレータをして噴霧装置を遠隔から着脱したり、又は遠隔から位置決め可能にする遠隔制御手段を有しても良い。遠隔制御手段600を図6に示す。図示するように、遠隔制御手段600は、噴霧装置640のアーム662a、662bに取り付けられたワイヤ660を有し、このワイヤ660を引っ張ることでアーム662a、662b同士が互いに向かって付勢されるようになっている。ワイヤ660を取付け地点670において下方のアーム662bに取り付け、上方のアーム662a上のプーリーホイール664周囲、或いは上方アーム662aのループや穴(図示せず)を介して張り巡らせるようにしても良い。ワイヤ660は、その際、適当な案内部材と構造によりチューブ665に沿って引っ張るようにしても良い。なお、この案内部材と構造に関しては、一実施形態としてチューブ665に取り付けられる短いチューブ部分668の形態によって実施することができる。このようにすれば、ワイヤ660を引っ張った際に、ワイヤ660によって下方のアーム662bを上方に、上方アーム662aを下方に夫々移動することができ(図中、矢印で示したように)、これによりアーム662a、662b間のギャップを減少させることができる。ひとたびワイヤ660を解放したならば、アーム662a、662bは夫々離反する方向に移動することになり、これにより空気吸入口構造に対する張力を生じることになる。
これに代わる実施形態として、アーム662a、662bを機械的に開閉するためのモータ及び歯車機構(図示せず)を設けることも可能である。この場合、モータと歯車機構は遠隔のオペレータによって操作することができる。ワイヤ660と同様にモータを使用することで、据え付け位置からアーム662a、662bを解放するべくこれらを内側へと、或いはアームを適所にロックするべく外側へと、アーム662a、662bをそれぞれ反対方向に駆動するようになっている。
図7のフローチャートを参照して、1台又はそれ以上のAPUをクリーニングする方法を説明する。最初のステップ710では、ここに開示されたような新規の噴霧クリーニング装置が用意される。クリーニング装置は、1台又はそれ以上のAPUに対し洗浄液を供給する1本又はそれ以上のノズルと、該ノズルに洗浄液を供給する水チューブと、前記1本以上のノズルを所望の方向に指向させる位置決め手段と、を有することができる。位置決め手段は随意的ではあるが、更に飛行機の空気吸入口構造に係合するように形成されたクランプ部材を有することができる。随意的ではあるが、位置決め手段も又、噴霧クリーニング装置を機体の一部分に対してホールドする際に使用する支持部材を備えることもできる。何らかの適当な剛性材からなる剛性伸長チューブか、或いは何らかの適当なフレキシブル管からなるフレキシブル・ホースを水チューブの端部に接続しても良い。随意的ではあるが、剛性伸長チューブを入れ子状に伸縮自在にして、オペレータが噴霧クリーニング装置を上げたり、下げたりするのを可能にしても良い。
ひとたび噴霧クリーニング装置が用意されたならば、次のステップ720において、同装置をクランプ部材を介して飛行機の空気吸入口構造に係合することができる。随意的ではあるが、仮に位置決め手段が支持部材を備える場合には、オペレータは支持部材を機体の一部分に対してホールドさせることができる。当該技術者には理解されるように、この様にして支持部材を使用することは、作動中のクリーニング装置に対し更なる安定支持を提供することになる。実際には実施形態にもよるが、全くクランプ部材を係合する必要なく支持部材を利用することも可能である。
ステップ730においては、噴霧クリーニング装置が適当に係合された後、液源からの洗浄液を、所望の噴霧圧力、噴霧温度、墳霧液滴サイズを以て水チューブを介してノズルに供給することができる。
随意的ではあるが、上述したように噴霧クリーニング装置は“V”字状に配置された2本のアームを備えても良い。このような実施形態では、方法は更に2本のアームを共に付勢し、噴霧クリーニング装置を位置決めし、その後2本のアームを解放するといったようなステップを更に有することも可能である。アームが仮にばね留めされているならば、ばね荷重の結果として生じた力によって2本のアームが離れ、飛行機の部分に対して移動することになる。好ましくは、このばね荷重は、洗浄作業中において噴霧クリーニング装置を安定して適所に保持するのに充分な程の力を提供するように選択される。遠隔制御機構を用いてアームを操作する実施形態の場合、方法は更に、噴霧クリーニング装置を位置決めするに先立って2本のアームを手動又は機械的に付勢し、その後、2本のアームを解放して飛行機部分に係合させるステップを有しても良い。
洗浄作業が完了したならば、どの形態の噴霧クリーニング装置が具現化されるかによるが、クランプ部材のクランプを解除し、支持部材を解放し、又は2本のアームを共に付勢することで噴霧クリーニング装置を空気吸入口構造から取り外すことができる。
以上の実施例は、単に説明目的のために提供されたものであって、限定的なものとして解釈されるべきものではない。様々な実施形態への参照が示されているが、ここで使用した用語は、限定のための用語というよりはむしろ説明や例証のための用語である。更に、特定の手段、材料及び実施形態に対する参照が示されているが、ここに開示された特定の物に対して限定するものではない。むしろこれらの実施形態は、添付された請求の範囲内に含まれるような、機能的に同等なあらゆる構造物や方法、更に用途にまで及ぶものである。
100 飛行機
102,301 空気吸入口
103 尾翼
104,230,440,640 噴霧クリーニング装置
105 オペレータ
106 給水パイプ
232,442 噴霧ノズル
234,444 ノズルチューブ
236 位置決め手段
238 給水チューブ
303 ボルト
305 洗浄流体
445 ホース継ぎ手
446 支持部材
446a 本体部
446b ウイング部
448 位置決めブラケット
449 固定手段
450 アーム
451 ねじりばね
452 ゴムキャップ
454 チューブ部分
600 遠隔制御手段
660 ワイヤ
662a,662b アーム
664 プーリーホイール
665 チューブ
668 短いチューブ部分
670 取付け地点

Claims (30)

  1. 飛行機の機体内部に位置する補助動力装置(APU)をクリーニングする噴霧クリーニング装置であって、該装置は、
    1本以上の噴霧ノズル;
    その末端部分に前記噴霧ノズルを取り付け、ノズルに水を供給する水チューブ;及び
    前記水チューブに緊結され、前記APUに対して前記ノズルを位置決めする位置決め手段、
    を有し、
    前記水チューブの末端部分は、前記噴霧ノズルが、クリーニング対象となるAPUの所望された位置に指向するように湾曲化されることを特徴とする噴霧クリーニング装置。
  2. 前記位置決め手段は、機体上の構造物と係合して噴霧クリーニング装置を所望の位置にクランプするクランプ部材を有することを特徴とする請求項1に記載の噴霧クリーニング装置。
  3. 前記位置決め手段は、前記機体の選択された部分に対しホールドされ、噴霧クリーニング装置を機体にクランプすることなく前記噴霧クリーニング装置を所望の位置に堅固に保持する支持部材を有することを特徴とする請求項1に記載の噴霧クリーニング装置。
  4. 前記位置決め手段は、前記水チューブ末端の剛体部分に接続されることを特徴とする請求項1に記載の噴霧クリーニング装置。
  5. 前記水チューブは、剛性伸長チューブとフルキシブルホースの少なくとも一方に取り外し可能に接続されることを特徴とする請求項1に記載の噴霧クリーニング装置。
  6. 前記剛性伸長チューブは入れ子状に伸縮自在であることを特徴とする請求項5に記載の噴霧クリーニング装置。
  7. 前記水チューブは分岐され、それぞれが少なくとも1本の噴霧ノズルを有するような、少なくとも2つの剛性末端部分を提供することを特徴とする請求項1に記載の噴霧クリーニング装置。
  8. 前記少なくとも2つの剛性末端部分は、前記ノズルを夫々独立した状態で位置決めするように形成されていることを特徴とする請求項に記載の噴霧クリーニング装置。
  9. 前記クランプ部材は“V”字状に配置された2本のアームを有し、該アームの少なくとも1本はばね留めされていることを特徴とする請求項2に記載の噴霧クリーニング装置。
  10. 前記アームの双方は、共にばね留めされていることを特徴とする請求項に記載の噴霧クリーニング装置。
  11. ばね留めされた前記アームによって生じるばね力が、前記アーム同士が離れるように付勢することを特徴とする請求項に記載の噴霧クリーニング装置。
  12. 更に、前記ばね力に対抗して前記アームのそれぞれを互いに対して付勢する手段を有することを特徴とする請求項11に記載の噴霧クリーニング装置。
  13. 前記アームのそれぞれは摩擦低減手段を有することを特徴とする請求項に記載の噴霧クリーニング装置。
  14. 更に、前記アームのそれぞれを互いに対して付勢する遠隔制御手段を有することを特徴とする請求項に記載の噴霧クリーニング装置。
  15. 前記遠隔制御手段は、前記アームの内の第1アームに固定して取り付けられたワイヤを有し、該ワイヤは前記アームの内の第2アームに取り付けられたプーリーの周りに張り巡らされ、前記ワイヤにかかる下向きの張力により前記第1及び第2アームは互いに向かって移動させられることを特徴とする請求項14に記載の噴霧クリーニング装置。
  16. 前記遠隔制御手段は、前記アームの内、少なくとも1本のアームに取り付けられた少なくとも1個の歯車と、該1個の歯車に取りけられ、該歯車を駆動するモータと、を有し、該モータの作動が、前記アーム同士が共に付勢されるように少なくとも前記1個の歯車を駆動することを特徴とする請求項14に記載の噴霧クリーニング装置。
  17. 飛行機内の補助動力装置(APU)をクリーニングするシステムであって、
    1本以上の噴霧ノズルと、その末端部分に前記噴霧ノズルを取り付けてノズルに水を供給する水チューブと、該水チューブに緊結されて前記APUに対して前記ノズルを位置決めする位置決め手段と、を有する噴霧クリーニング装置であって、前記水チューブの末端部分は、前記噴霧ノズルが、クリーニング対象となるAPUの所望された位置に指向するように湾曲化される、噴霧クリーニング装置;及び
    前記噴霧クリーニング装置に圧力と温度が共に制御された洗浄液を供給する供給システム、
    を有することを特徴とするシステム。
  18. 前記供給システムは、圧力30〜85×105Paの圧力、大気温度〜70℃の温度、及び40〜250×10-6mの噴霧液滴平均サイズをもって洗浄液を供給することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
  19. 飛行機の機体内部に位置する補助動力装置(APU)をクリーニングする方法であって、該方法は、
    1本以上の噴霧ノズルと、該ノズルに洗浄液を供給する水チューブと、該水チューブに接続され、前記1本以上の噴霧ノズルが所望の方向を向くように位置決めすると共に前記飛行機の空気吸入口構造に係合するクランプ部材を有する噴霧クリーニング装置を用意し;
    前記クランプ部材を前記空気吸入口構造上に係合させ;そして
    前記水チューブを介して前記1本以上の噴霧ノズルに、所望の噴霧圧、所望の噴霧温度、及び所望の噴霧液滴サイズの洗浄液を供給し、
    前記水チューブの末端部分は、前記ノズルからAPU内の所望位置に向かって噴霧を指向させるべく湾曲化されることを特徴とする方法。
  20. 前記噴霧クリーニング装置は更に支持部材を有し、方法は更に、前記支持部材を機体の選択された部分に対し手動でホールドし、噴霧クリーニング装置の位置決めを保持することを特徴とする請求項19に記載の方法。
  21. 前記クランプ部材は“V”字状に配置された2本のアームを有し、該アームの少なくとも1本はばね留めされ、方法は更に、
    前記2本のアームを共に付勢し;
    前記噴霧クリーニング装置を前記飛行機の一部分の中に位置決めし;そして
    前記2本のアームを解放し、ばね留めによる力により前記2本のアームが離反されて飛行機の一部分に対して付勢されるようにすることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  22. 前記アームの少なくとも1本はばね留めされていることを特徴とする請求項21に記載の方法。
  23. 前記アームを共に付勢するため遠隔制御手段が使用されることを特徴とする請求項21に記載の方法。
  24. 前記遠隔制御手段は、前記アームの内の第1アームに固定して取り付けられたワイヤを有し、該ワイヤは前記アームの内の第2アームに取り付けられたプーリーの周りに張り巡らされ、前記ワイヤにかかる下向きの張力により前記第1及び第2アームは互いに向かって移動させられ、方法は更に、
    前記ワイヤに下向きの張力を付与して、前記2本のアームを共に付勢し;
    前記噴霧クリーニング装置を位置決めし;そして
    ワイヤにかかる前記張力を解放して、前記2本のアームを離反させて飛行機の一部分に対して付勢することを特徴とする請求項23に記載の方法。
  25. 前記遠隔制御手段は、前記アームの内、少なくとも1本のアームに取り付けられた少なくとも1個の歯車と、該1個の歯車に取りけられ、該歯車を駆動するモータと、を有し、該モータの作動が、前記アーム同士が共に付勢されるように少なくとも前記1個の歯車を駆動し、方法は更に、
    前記2本のアームが共に付勢されるように、前記モータを作動させて前記歯車を駆動し;
    前記噴霧クリーニング装置を位置決めし;そして
    前記歯車を反対方向に駆動して、前記2本のアームを離反させて飛行機の一部分に対して付勢することを特徴とする請求項23に記載の方法。
  26. 前記位置決め手段は、前記水チューブ末端の剛体部分に接続されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  27. 前記水チューブは、剛性伸長チューブとフルキシブルホースの少なくとも一方に取り外し可能に接続されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  28. 前記剛性伸長チューブは入れ子状に伸縮自在であることを特徴とする請求項27に記載の方法。
  29. 前記水チューブは分岐され、それぞれが少なくとも1本の噴霧ノズルを有するような、少なくとも2つの剛性末端部分を提供することを特徴とする請求項19に記載の方法。
  30. 前記少なくとも2つの剛性末端部分は、前記ノズルを夫々独立した状態で位置決めするように形成され、方法は更に、クリーニング対象となる1台以上のAPUに対し各ノズルを位置決めすることを特徴とする請求項29に記載の方法。
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