JP5149430B2 - 画像処理方法、ファイル変換方法、及び、ファイル変換プログラム - Google Patents
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Description
この発明を創作するそもそもの契機は、上述したSWFファイルとFlash Playerの組み合わせにおける原画像を色変換して高速表示する機能を、Flash Playerに非対応でありHTML5に対応したブラウザーとHTMLファイルの組み合わせにおいて実現しようということである。
HTML5では、ブラウザーによりビットマップ形式の画像を描いたり色を塗ったりすることを可能にするcanvas要素の仕様が策定された。HTMLファイルにおいてcanvas要素を使った プログラムを記述することにより、指定した画像データをビットマップキャンバスに読み込み、それを下地画像とし、その上に図形を描いて指定のモードで合成し、あらたな画像をビットマップキャンバスに生成して表示することができる。
この発明の核心とするところは、つぎの事項(1)〜(9)により特定されるHTMLファイルである。
(1)HTMLのうちcanvas要素を使用可能なものに対応したブラウザーに指定画像を指定特性で色変換して表示させる処理を行わせるHTMLファイルであること
(2)HTMLファイルは、記述1〜記述5を含むこと
(3)記述1は、ビットマップ展開された3個の同じ原画像データを生成させること
(4)記述2は、darker合成モードにより、高輝度R原色データを原画像データに均一に上書きさせ、高輝度G原色データを原画像データに均一に上書きさせ、高輝度B原色データを原画像データに均一に上書きさせ、原画像データを三原色分解したR原画像データ・G原画像データ・B原画像データを生成させること
(5)記述3は、原画像データのRGBの各輝度値を減衰させる割合いに対応した、R減衰処理用の輝度値・透明度と、G減衰処理用の輝度値・透明度と、B減衰処理用の輝度値・透明度を含むこと
(6)記述3は、標準描画モード等により、R減衰処理用の輝度値・透明度の黒データをR原画像データに均一に上書きさせることにより暗化R画像データを生成させ、G減衰処理用の輝度値・透明度の黒データをG原画像データに均一に上書きさせることにより暗化G画像データを生成させ、B減衰処理用の輝度値・透明度の黒データをB原画像データに均一に上書きさせることにより暗化B画像データを生成させること
(7)記述4は、原画像データのRGBの各輝度値に加算または減算する値に対応した、R加減算処理用の輝度値・透明度のR原色データと、G加減算処理用の輝度値・透明度のG原色データと、B加減算処理用の輝度値・透明度のB原色データを含むこと
(8)記述4は、加算の場合はlighter 合成モードにより、減算の場合はdarker合成モードにより、R加減算処理用の輝度値・透明度のR原色データを暗化R画像データに均一に上書きさせることにより暗化シフトR画像データを生成させ、G加減算処理用の輝度値・透明度のG原色データを暗化G画像データに均一に上書きさせることにより暗化シフトG画像データを生成させ、B加減算処理用の輝度値・透明度のB原色データを暗化B画像データに均一に上書きさせることにより暗化シフトB画像データを生成させること
(9)記述5は、暗化シフトR画像データと暗化シフトG画像データと暗化シフトB画像データを合成させて色変換後の画像データとして表示出力させること
以下では、本発明のファイル変換方法(ファイル変換プログラム)により既存のSWFファイルを本発明のHTMLファイルに変換した実施例として説明する。また、変換元のSWFファイルは色変換処理の対象となる原画像やその他のテキスト情報などを含んだ文書情報が規定されているところ、以下においては、色変換処理の対象となる原画像にのみ着目し、変換後のHTMLファイルにおいて原画像を色変換処理して表示出力するためのプログラム論理を摘出して説明する。
ファイル変換プログラムにより、SWFファイルから抽出した色変換対象である原画像を特定する画像ファイル名「test.png」を図1A・図1Bに示したHTMLファイル実施例の行番号64に記述している。また、この原画像を色変換処理の特性を規定する乗算パラメータ「MultTerm」と加減算パラメータ「AddTerm」を上記SWFファイルから抽出し、HTMLファイル実施例の行番号5と6に記述している。
(1)R輝度値に(50/255)を乗じる。
(2)G輝度値に(75/255)を乗じる。
(3)B輝度値に(200/255)を乗じる。
(4)R輝度値の乗算結果に127を加算する。
(5)G輝度値の乗算結果に56を加算する。
(6)B輝度値の乗算結果に100を減算する。
以上が元となるSWFファイルから抽出した情報に基づいて作成されたHTMLファイルの記述の一部である。
HTMLファイル実施例では、行番号9〜30により色変換処理の準備をし、行番号33〜36の処理を色を変えて3回行うことで、ファイル名「test.png」の原画像を三原色分解し、R原画像データとG原画像データとB原画像データを用意したキャンバス上に生成する。
行番号39〜42は乗算処理の記述である。まずR輝度値に(50/255)を乗じる処理について説明する。描画合成モードは標準モードに設定する。このモードで、RGB輝度値(0、0、0)の黒色で透明度(アルファ値)が1−(50/255)の黒データをキャンバス上のR原画像データに均一に上書きすることで、R原画像データの全ピクセルの輝度値を一定比率で減衰させた暗化R画像データが生成される。
行番号45〜55は加減算処理の記述である。RおよびGの「AddTerm 」の値は正値であり、この場合は加算処理を行うように、描画合成モードを「lighter 」合成モードに設定する。まずR輝度値に127を加算する処理について説明する。ここでは、RGB輝度値(255、0、0)で透明度(アルファ値)が(127/255)のR原色データをキャンバス上の暗化R画像データに均一に上書きすることで、暗化R画像データの全ピクセルの輝度値を一定値だけ増加させた暗化シフトR画像データが生成される。
最後に、行番号58〜62の処理により、描画合成モードを「lighter 」合成モードに設定し、上記のように生成された暗化シフトR画像データと暗化シフトG画像データと暗化シフトB画像データとを1つのキャンバス上に塗り重ねることで、ファイル名「test.png」の原画像データを乗算パラメータ「MultTerm」と加減算パラメータ「AddTerm」に基づいて色変換した画像データが完成し、これが表示出力される。
以上のHTMLファイル実施例の説明から明らかなように、指定画像を指定特性で色変換して表示させる処理について、HTMLファイルからブラウザーにピクセル単位のデータ操作を指示するのではなく、キャンバス上に展開したビットマップ画像(原画像データおよびその派生データ)の全域に適切な輝度値・透明度の色データを均一に上書きする処理を指示しているのである。そのため、HTMLファイルからブラウザーに対してピクセル単位のデータ操作を指示するものに比べ、処理速度は格段に高速化し、ブラウザーがHTMLファイルを読み込んで色変換後の画像を表示するのに要する処理時間がきわめて短くなる。
「MultTerm」に対応したR乗算値とG乗算値とB乗算値のいずれか、もしくはすべてが等しい値である場合、乗算処理に際して原画像データの三原色分解を必要としない場合があり、また、後続の加減算処理についても三原色分解の一部もしくは全部を必要としない場合があり得る。こうした場合には三原色分解の処理を省略することも可能である。さらに、色変換の特性によっては、原画像の各色の輝度値に乗ずるべき値が0になる場合もあるし1になる場合もあり得る。同様に、各色の乗算結果に加減算するべき値が0になる場合もあるし正の最大輝度値、もしくは負の最大輝度値になる場合もあり得る。
Claims (3)
- つぎの事項(1)〜(9)により特定されるHTMLファイルがコンピューターによって解釈されることにより、つぎの事項(3)、(4)、(6)、(8)、(9)に記載された画像処理が行われる画像処理方法。
(1)HTMLのうちcanvas要素を使用可能なものに対応したブラウザーに指定画像を指定特性で色変換して表示させる処理を行わせるHTMLファイルであること
(2)HTMLファイルは、記述1〜記述5を含むこと
(3)記述1は、ビットマップ展開された3個の同じ原画像データを生成させること
(4)記述2は、darker合成モードにより、高輝度R原色データを原画像データに均一に上書きさせ、高輝度G原色データを原画像データに均一に上書きさせ、高輝度B原色データを原画像データに均一に上書きさせ、原画像データを三原色分解したR原画像データ・G原画像データ・B原画像データを生成させること
(5)記述3は、原画像データのRGBの各輝度値を減衰させる割合いに対応した、R減衰処理用の輝度値・透明度と、G減衰処理用の輝度値・透明度と、B減衰処理用の輝度値・透明度を含むこと
(6)記述3は、標準描画モードにより、R減衰処理用の輝度値・透明度の黒データをR原画像データに均一に上書きさせることにより暗化R画像データを生成させ、G減衰処理用の輝度値・透明度の黒データをG原画像データに均一に上書きさせることにより暗化G画像データを生成させ、B減衰処理用の輝度値・透明度の黒データをB原画像データに均一に上書きさせることにより暗化B画像データを生成させること
(7)記述4は、原画像データのRGBの各輝度値に加算または減算する値に対応した、R加減算処理用の輝度値・透明度のR原色データと、G加減算処理用の輝度値・透明度のG原色データと、B加減算処理用の輝度値・透明度のB原色データを含むこと
(8)記述4は、加算の場合はlighter 合成モードにより、減算の場合はdarker合成モードにより、R加減算処理用の輝度値・透明度のR原色データを暗化R画像データに均一に上書きさせることにより暗化シフトR画像データを生成させ、G加減算処理用の輝度値・透明度のG原色データを暗化G画像データに均一に上書きさせることにより暗化シフトG画像データを生成させ、B加減算処理用の輝度値・透明度のB原色データを暗化B画像データに均一に上書きさせることにより暗化シフトB画像データを生成させること
(9)記述5は、暗化シフトR画像データと暗化シフトG画像データと暗化シフトB画像データを合成させて色変換後の画像データとして表示出力させること - SWFファイルを請求項1に記載のHTMLファイルに変換するコンピューター情報処理方法であって、
SWFファイル中の画像データを指定する情報を抽出するとともに、当該画像データを修飾している RedMultTerm・GreenMultTerm・BlueMultTerm および RedAddTerm・GreenAddTerm・BlueAddTerm を抽出し、
抽出した前記情報により指定された画像データを前記記述1における原画像データとし、
抽出した RedMultTerm・GreenMultTerm・BlueMultTerm に基づいて、前記記述3におけるR減衰処理用の輝度値・透明度とG減衰処理用の輝度値・透明度とB減衰処理用の輝度値・透明度を作成し、
抽出した RedAddTerm に基づいて、これが正値であればその値に対応した前記記述4におけるR加算処理用の輝度値・透明度のR原色データを作成し、これが負値であればその値に対応した前記記述4におけるR減算用の輝度値・透明度のR原色データを作成し、
抽出したGreenAddTermに基づいて、これが正値であればその値に対応した前記記述4におけるG加算処理用の輝度値・透明度のG原色データを作成し、これが負値であればその値に対応した前記記述4におけるG減算用の輝度値・透明度のG原色データを作成し、
抽出したBlueAddTerm に基づいて、これが正値であればその値に対応した前記記述4におけるB加算処理用の輝度値・透明度のB原色データを作成し、これが負値であればその値に対応した前記記述4におけるB減算用の輝度値・透明度のB原色データを作成する
ファイル変換方法。 - 請求項2に記載のファイル変換方法をコンピューターに行わせるファイル変換プログラ
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