以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<情報処理システムの概略構成>
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システム1の概略構成を示す図である。
情報処理システム1は、サーバ100、端末(クライアント)10〜30、およびサーバ管理用端末190を備えている。そして、サーバ100と、端末(クライアント)10〜30とが、インターネット回線等のネットワーク回線NTWを介して相互にデータ送受信可能に接続され、サーバ100に対し、サーバ100を管理するためのサーバ管理用端末190が接続されている。なお、ここでは、3つの端末10〜30が存在している例を挙げて説明するが、端末の数は2つ以上であればいくつでも良い。
端末10〜30は、各病院に設置されている。例えば、端末10が第1の病院に設置され、端末20が第2の病院に設置され、端末30が第3の病院に設置されている。なお、端末10〜30は、それぞれ同様な構成を有するため、以下では、適宜端末30を代表例として採用しつつ説明する。
端末30は、内蔵する記憶部34(後述)に、多数の画像データが格納された診療情報DB341(後述)を記憶している。この多数の画像データは、放射線科において検査リストに列挙された患者を対象として放射線を用いた撮影により得られる。そして、端末30では、例えば、放射線科の読影医が、可視的に出力された画像データを適宜参照しつつ、読影レポートを記述および入力して、その読影レポートを示す情報(読影レポート情報)を診療情報DB341に保存することができる。つまり、端末30は、読影レポートを入力するレポート入力装置として機能する。
図2は、端末30において新規な読影レポートを記述および入力する状態を例示する図である。図2に示すように、端末30では、放射線科の読影医が、診療情報DB341に格納されている患者の画像データを可視的に出力した画面(画像表示画面)M1,C1を適宜参照しつつ、読影レポートの入力画面401において新規な読影レポートを入力することができる。
また、端末10〜30では、各読影レポートを構成する複数の要素を、読影レポート毎に関連付けて構造化した情報(以下「単レポート要素関連情報」とも称する)を生成し、サーバ100に送信する。なお、端末10〜30において各読影レポート情報から単レポート要素関連情報を生成する機能を以下「関連情報生成機能」と称する。
一方、サーバ100は、端末10〜30から送信されてくる単レポート要素関連情報を収集し、各端末10〜30が設置された病院の専門に応じて、読影レポート情報を区別する。そして、専門毎に区別された単レポート要素関連情報を利用して、新規な読影レポートの入力を支援する情報(入力支援情報)を生成し、適宜端末10〜30に対して配信する。なお、サーバ100において専門毎の入力支援情報を生成する機能を以下「支援情報生成機能」と称し、サーバ100において専門別の入力支援情報を適宜端末10〜30に配信する機能を以下「情報配信機能」と称する。
これに対し、専門毎に異なる入力支援情報を取得した端末10〜30では、専門毎に異なる入力支援情報から必要な情報を抽出してテンプレート表示の形で提示することで、専門といった状況を考慮した新規な読影レポートの作成を容易に可能とする。なお、端末10〜30において新規な読影レポートの入力を支援する機能を以下「入力支援機能」と称する。
このように、情報処理システム1は、入力支援情報を生成する観点から見れば、データベースを構築するシステム(データベース構築システム)として機能する言える。また、入力支援情報を利用する観点から見れば、データベースシステムとして機能する言える。更に、入力支援情報を利用して入力を支援する観点から見れば、レポーティングシステムとして機能するとも言える。
以下、情報処理システム1の機能について、主に関連情報生成機能、支援情報生成機能、情報配信機能、および入力支援機能に分けて順次説明する。
<関連情報生成機能>
図3は、主に端末30で実現される関連情報生成機能に係る機能構成を示すブロック図である。
端末30は、制御部31、操作部32、表示部33、および記憶部34を備えている。
制御部31は、CPUやROMやRAMなどを備えて構成され、記憶部34に格納されているプログラムをCPUで読み込んで実行することで、関連情報生成機能などの各種機能を実現する。なお、制御部31では、各種情報処理において一時的に生成される各種データは、内蔵されるRAMに一時記憶される。
操作部32は、キーボードやマウスなどを備えて構成され、ユーザーの操作に応答して制御部31に各種情報を入力することが可能である。
表示部33は、液晶表示画面やCRTなどを備えて構成され、制御部31内の表示制御部319の制御に基づいて各種画像を可視的に出力する。
記憶部34は、ハードディスクなどによって構成され、各種プログラムやデータを格納する。
記憶部34は、診療対象である多数の患者に係る医療情報(以下「診療情報」とも称する)を記憶する診療情報データベース(DB)341が格納されている。
この診療情報DB341には、診療対象である多数の患者が列挙されたリスト(検査リスト)が含まれる。また、診療情報DB341には、放射線科で検査リストに列挙された患者を対象として放射線による撮影によって得られた多数の画像データ、及びこの多数の画像データにそれぞれ対応する読影レポートを示す情報(読影レポート情報)が、検査リストに列挙された患者の名前と関連付けられて格納されている。診療情報DB341は、多数の読影レポート情報が格納されている点に着目すれば、多数の読影レポート情報が格納されたデータベース(レポートDB)である。更に、診療情報DB341に含まれる検査リストでは、担当医からのオーダーリングや患者や検査に係る情報を示す属性情報が検査リストに列挙された患者の名前と関連付けられて格納されている。
制御部31は、関連情報生成機能に係る機能構成として、データ読込部311、自然文構造化部312、機械学習部313、モデル入出力部314、識別部315、情報加算部KS、および送受信部316を備える。
データ読込部311は、診療情報DB341から、既存の読影レポートを示す情報(既存レポート情報)と、当該既存レポート情報に対応するオーダーリング、患者属性、及び検査属性に係る情報とを読み込む。そして、データ読込部311は、既存読影レポート情報を自然文構造化部312に送出する一方、オーダーリング、患者属性、及び検査属性に係る情報を情報加算部KSに送出する。
自然文構造化部312は、既存の読影レポートに含まれる自然文で記述された所見文から必要な要素を抽出し、RDFを利用して構造化を行う。この既存の読影レポートの要素の構造化は、機械学習部313、モデル入出力部314、及び識別部315の機能と、自然文構造化部312の機能とによって実現される。
機械学習部313は、例えば、教師データとして学習用コーパスなどが与えられることで、構造化の基準となる情報を学習する。
学習用コーパスは、読影レポートの所見文の形式(文章モデル)に準じた大量のテキストデータを含む。この文章モデルは、例えば、撮影条件→部位→所見→疾患名といった具合に、読影レポートの所見文の構成を示すものである。そして、学習用コーパスでは、例えば、所定の読影レポートのモデル(「レポートモデル」とも称する)に含まれる所見文の文章モデルを構成する各要素(ここでは語句)の分類項目名が各要素にタグ付けされている。例えば、要素の分類項目としては「撮影条件」「部位」「所見」「疾患名」等が挙げられる。
そして、学習用コーパスでは、例えば、「T1」「T2」・・・等の語句に対して要素の分類項目名「撮影条件」がタグ付けされ、「脳室」「白質」「前頭葉」・・・等の語句に対して要素の分類項目名「部位」がタグ付けされている。また、「高信号」「低信号」「増強」「腫瘤影」・・・等の語句に対して要素の分類項目名「所見」がタグ付けされ、「腫瘍」「虚血性変化」「梗塞」・・・等の語句に対して要素の分類項目名「疾患名」がタグ付けされている。なお、このような学習用コーパスが機械学習部313に対して外部から与えられる際、後述する新規な読影レポートを作成するために、結語についても代表的な表現については同じように学習用コーパスにタグ付けされて与えられる。
機械学習部313は、学習用コーパスから語句を抜き出し、対応する要素の分類項目毎にそれぞれ記憶する。つまり、機械学習部313では、学習用コーパスを含む教師データを学習教材とし、教師データを参照して要素の分類項目毎に各要素の分類項目に属する語句を学習して記憶する。このとき、機械学習部313では、語句や表現の振れをある程度正規化する。
更に、機械学習部313では、学習用コーパスにおける要素の出現パターンも学習して記憶する。例えば、部位「前頭葉」の後には「所見」に属する語句が出現する等といった、如何なる分類項目に属する如何なる語句が、どのような順で出現するのかといった出現パターンを学習して記憶する。
機械学習部313で、学習されて記憶されるデータは、既存の読影レポートを構成する各要素をどのような要素の分類項目に分解するのかを示すモデルのデータ(モデルデータ)として使用される。
モデル入出力部314は、モデルデータを通信回線や記憶媒体等を介して外部のコンピュータに出力したり、外部のコンピュータで学習されたモデルデータを通信回線や記憶媒体等を介して入力するものである。よって、情報処理システム1において学習されたモデルデータを他の情報処理システムで利用したり、逆に、他の情報処理システムにおいて学習されたモデルデータを情報処理システム1で利用することができる。
識別部315は、機械学習部313で学習されたモデルデータ、又はモデル入出力部314を介して取得したモデルデータを基準としつつ、公知のSVM(Support Vector Machine)などを用いて、自然文構造化部312に入力される既存読影レポート情報を対象として、要素の分類項目と実際に使用されている語句とを識別する。
なお、上述した機械学習の方法を用いると、予め教師データにおいて挙げられた要素(ここでは、語句)についてしか、要素の分類項目を識別することができないが、以下の機械学習の方法を利用することで、予め教師データにおいて挙げられていない要素についても、要素の分類項目を識別することができる。
例えば、機械学習部313が、学習用コーパスを形態素解析によって形態素に分解し、形態素毎に、形態素そのもの、形態素の品詞、形態素の活用形、前後(例えば前後2つ)の形態素の情報等を用いて、ある分類項目に属する形態素が出現するパターンを学習する。そして、識別部315が、当該パターンに従って、予め与えられていなかった要素(ここでは語句)についても、要素の分類項目を認識することができる。
より具体的には、例えば、機械学習部313は、学習用コーパスに「**に沿って」(「**」部には種々の語が入る)といった形の文が頻出する場合に、「**」の部分に部位を示す語句が頻出するときには、「**」の部分には部位を示す語句が入るというパターンを学習することができる。そして、識別部315は、このようなパターンを利用すれば、既存読影レポート情報を対象として、語の前後関係からフレーズ「下垂体/に/沿って」から「下垂体」を部位を示す語句として抽出することができる。なお、上記機械学習は、いわゆるSVM(Support Vector Machine)を利用することで実現することができ、このような機械学習によって自然言語処理の精度が向上する。
そして、自然文構造化部312では、識別部315で識別された情報に基づき、既存の読影レポートを、要素の分類項目毎に属する語句(要素)に分解してRDFで記述することで、既存の読影レポート情報を構造化する。このとき、既存の読影レポートにおける要素の出現パターンも認識することができるため、この出現パターンに関する情報を、識別部315で使用するモデルデータに反映させることで、モデルデータを進化させることもできる。つまり、既存読影レポート情報を解析すればする程、モデルデータが進化する。
自然文構造化部312で構造化された既存読影レポート情報は、情報加算部KSに出力され、情報加算部KSにおいて、データ読込部311から送出されたオーダーリング、患者属性、及び検査属性に係る属性情報が加えられて、RDFで記述された構造化データが生成される。
図4は、1つの既存読影レポート情報を構成する要素(既存読影レポート情報に係る属性情報を構成する要素も含む)が関連付けられるように構造化されたデータ(以下「単レポート要素関連情報」とも称する)を例示する図である。図4で示すように、既存読影レポート情報のファイル「A−0001」に対して、RDFによって、要素の分類項目「撮影条件」「部位」「所見」「疾患名」をそれぞれ属性の項目とし、各属性に対して属性値「T1」「前頭葉」「高信号」「腫瘍」がぞれぞれ関連付けられて記述されている。また、属性情報に係る属性の項目「部位分類」「患者名」「読影医師」「モダリティ」に対して「頭部(SKULL)」「特許太郎」「特許花子」「MR」がそれぞれ関連付けられ、更に、患者名の属性に対して、属性の項目「性別」及び「年齢」について「M」と「53」とがそれぞれ関連付けられて記述されている。なお、単レポート要素関連情報において関連付けの対象となる属性の項目(属性項目)は、図4で示したものに限られず、例えば、検査属性の情報に含まれる他の属性項目を含めても良い。
このようにして、自然文構造化部312、機械学習部313、モデル入出力部314、識別部315、及び情報加算部KSの機能によって、自然文で記載された所見文の文章情報に対して言語処理を施すことにより、文章情報から各分類項目に属する要素(ここでは語句)が抽出され、更に関連付けることで、単レポート関連情報が生成される。
送受信部316は、情報加算部KSにおいて生成されて取得された単レポート要素関連情報をサーバ100に対して送信する。なお、単レポート要素関連情報は、診療情報DB341に格納された多数の既存読影レポート情報についてそれぞれ生成され、送受信部316によって、それぞれサーバ100に送信される。
図5は、単レポート要素関連情報の生成動作フローを示すフローチャートである。本動作フローは、端末30において、所定のプログラムが実行されることで実現される。
ステップST1では、データ読込部311によって、診療情報DB341から、読影レポートを示す情報が属性情報とともに読み込まれる。
ステップST2では、自然文構造化部312、機械学習部313、モデル入出力部314、及び識別部315の機能によって、ステップST1で読み込まれた読影レポートが構造化される。
ステップST3では、情報加算部KSの機能によって、ステップST2で構造化された読影レポートに対して属性情報が追加されて、図4で示したような単レポート要素関連情報が生成される。
ステップST4では、ステップST3で生成された単レポート要素関連情報をサーバ100に対して送信する。
ステップST5では、診療情報DB341に格納されている全ての既存読影レポート情報について単レポート要素関連情報が生成されたか否か判定する。ここで、全ての既存読影レポート情報について単レポート要素関連情報が生成されていない場合には、ステップST1に戻り、次の読影レポートを示す情報などが読み込まれて単レポート要素関連情報が生成される。また、全ての既存読影レポート情報について単レポート要素関連情報が生成された場合には、本動作フローを終了する。
このようにして、端末10〜30では、文章情報に対して言語処理を含む所定の情報処理を施すことで文章情報から各項目に属する要素を抽出し、更に抽出された要素を関連付けることで、単レポート要素関連情報が生成される。したがって、ユーザーによる煩雑な操作や作業を伴うこともなく、複数の要素の項目に含まれる各項目に属する要素が関連付けられた単レポート要素関連情報が容易に取得される。なお、文章情報から抽出される各項目に属する要素の数、および単レポート要素関連情報の各項目に属する要素の数は1つに限られず、1以上であればいくつであっても良い。また、上述したように機械学習によって得られた情報に基づいて言語処理を行うため、複数の要素の項目に含まれる各項目に属する1以上の要素が複数の要素の項目間で関連付けられた単レポート要素関連情報がより適正かつ容易に取得される。
ところで、診療情報DB341に蓄積される読影レポート情報は、端末30において新たな読影レポートが作成される度に増加する。この時間とともに更に蓄積されていく読影レポート情報も過去の知識として利用できれば有効である。特に、これまでにない所見文等が新たに蓄積された読影レポート情報に含まれる場合には、過去の知識が更に進化するため、より有効である。そこで、例えば、新たな読影レポートを示す情報が診療情報DB341に書き込まれる度に、単レポート要素関連情報が生成され、サーバ100に対して送信されることが好ましい。この点については、後で入力支援機能を説明する際に併せて説明する。
<支援情報生成機能>
図6は、主にサーバ100で実現される支援情報生成機能に係る機能構成を示すブロック図である。
サーバ100は、サーバ制御部110、および記憶部120を備えている。
サーバ制御部110は、CPUやROMやRAMなどを備えて構成され、記憶部120に格納されているプログラムをCPUで読み込んで実行することで、支援情報生成機能などの各種機能を実現する。なお、サーバ制御部110では、各種情報処理において一時的に生成される各種データは、内蔵されるRAMに一時記憶される。
記憶部120は、ハードディスクなどによって構成され、各種プログラムや各種データを格納する。
サーバ100は、機能として、送受信部111、統合DB構築部112、解析部113、端末管理部114、および専門DB構築部115を備える。
送受信部111は、端末10〜30から送信されてきた単レポート要素関連情報を受信し、統合DB構築部112に対して出力する。
統合DB構築部112は、送受信部111から入力された単レポート要素関連情報を受け付け、この単レポート要素関連情報を記憶部120に記憶することで、統合データベース(統合DB)121を構築する。統合DB121は、送信元の端末ごとに区別して単レポート要素関連情報を蓄積したデータベースであり、例えば、送信元の端末の名前やIDなどの識別情報を単レポート要素関連情報に付与することで、端末ごとに識別可能な態様で、単レポート要素関連情報を記憶させることができる。なお、統合DB構築部112において、送信元の端末を識別する手法としては、例えば、単レポート要素関連情報を受け付ける際に、送信元の端末の名前やIDなどの識別情報を受け付けておき、その識別情報に基づいて端末を識別する手法が挙げられる。このような構成を採用する場合には、送信元の端末10〜30に対して端末の識別情報の入力を要求し、この識別情報と単レポート要素関連情報とが関連付けられた状態で、端末10〜30からサーバ100へ送信されるような構成とすれば良い。
解析部113は、統合DB121で蓄積されている単レポート要素関連情報を解析することで、単レポート要素関連情報の送信元である各端末10〜30が、特定の条件を満たすか否かを認識する。この特定の条件としては、1つの端末から送信されてきた全ての単レポート要素関連情報のうち、特定の属性項目に属する所定の要素が含まれている単レポート要素関連情報が占める割合が、所定の値域範囲にあるといった条件が挙げられる。例えば、1つの端末から送信されてきた全ての単レポート要素関連情報のうち、属性項目「疾患名」に属する語句に「脳腫瘍」に関する所定の要素(例えば語句「腫瘍」など)が含まれている単レポート要素関連情報の占める割合が7割以上であることを特定の条件とするようなものが挙げられる。
解析部113における処理をより具体的に説明する。例えば、解析部113は、まず、統合DB121で端末ごとに区別して蓄積されている単レポート要素関連情報を対象として、属性項目「疾患名」に属する要素に特定分野「脳腫瘍」「脳血管障害」に関する所定の要素が含まれているか否かを解析する。そして、解析部113が、統合DB121に記憶されている単レポート要素関連情報のうち、特定分野「脳腫瘍」に関する所定の要素が含まれている単レポート要素関連情報に対して、特定分野「脳腫瘍」に関する所定の要素が含まれている旨を示す情報を付加し、特定分野「脳血管障害」に関する所定の要素が含まれている単レポート要素関連情報に対して、特定分野「脳血管障害」に関する所定の要素が含まれている旨を示す情報を付加する。その後、解析部113が、統合DB121を参照することで、各端末について、属性項目「疾患名」に属する要素に特定分野「脳腫瘍」「脳血管障害」に関する所定の要素が含まれている単レポート要素関連情報の割合を算出し、その割合が所定の値域範囲にあるか否か、すなわち特定の条件を満たすか否かを認識する。
なお、ここでは、1つの端末から送信されてきて統合DB121に蓄積されている単レポート要素関連情報の全数のうち、特定分野「脳腫瘍」に関する所定の要素が含まれている単レポート要素関連情報の数が占める割合が7割以上である場合を第1の特定条件とし、特定分野「脳血管障害」に関する所定の要素が含まれている単レポート要素関連情報の数が占める割合が7割以上である場合を第2の特定条件とする。そして、特定分野「脳腫瘍」に関する所定の要素としては、「腫瘍」「頭蓋咽頭腫」「胚細胞腫」「髄芽腫」などが挙げられ、特定分野「脳血管障害」に関する所定の要素としては、「脳梗塞」「ラクナ梗塞」「急性期脳梗塞」「前大脳動脈の閉塞」などが挙げられる。
したがって、解析部113は、上記認識結果に基づいて、第1および第2の特定条件をそれぞれ満たす端末を特定する情報を端末管理部114に出力する。ここで、端末を特定する情報としては、上述した端末の名前やIDなどの識別情報を用いれば良い。
端末管理部114は、解析部113による認識結果に基づいて、特定の条件をそれぞれ満たす端末とその特定の条件とを対応付けた情報を、端末管理情報129として記憶部120に記憶する。よって、端末管理情報129は、例えば、第1の特定条件「疾患名に脳腫瘍に関する語句が含まれている割合が7割以上」である旨と第1の特定条件を満たす端末の識別情報とが対応付けられ、第2の特定条件「疾患名に脳血管障害に関する語句が含まれている割合が7割以上」である旨と第2の特定条件を満たす端末の識別情報とが対応付けられた情報を端末管理情報129として記憶部120に記憶する。つまり、解析部113による解析および認識結果に基づいて、端末10〜30が分類される。
例えば、下記(A)〜(C)の状況が成立する場合には、2つの端末10,20が第1の特定条件を満たし、端末10,20が設置されている病院は、それぞれ「脳腫瘍」に強い病院であると推測され、1つの端末30が第2の特定条件を満たし、端末30が設置されている病院は、「脳血管障害」に強い病院であると推測される。(A)端末10から送信されてきた単レポート要素関連情報については、疾患名に脳腫瘍に関する語句が含まれている割合が8割を占める一方、疾患名に脳血管障害に関する語句が含まれている割合が2割を占める。(B)端末20から送信されてきた単レポート要素関連情報については、疾患名に脳腫瘍に関する語句が含まれている割合が7割を占める一方、疾患名に脳血管障害に関する語句が含まれている割合が3割を占める。(C)端末30から送信されてきた単レポート要素関連情報については、疾患名に脳腫瘍に関する語句が含まれている割合が3割を占める一方、疾患名に脳血管障害に関する語句が含まれている割合が7割を占める。
また、端末管理部114は、端末管理情報129に係る情報を専門DB構築部115に対して出力する。
専門DB構築部115は、特定の条件を満たす1以上の端末から送信されてきた全ての単レポート要素関連情報を統合DB121から読み出して、各単レポート要素関連情報において1つのファイルに対して関連付けられている複数の要素(ここでは属性値)を、属性項目毎に並べて相互に関連付け直してRDFで記述する処理を行う。つまり、特定の条件を満たす1以上の端末から送信されてきた全ての単レポート要素関連情報においてそれぞれ関連付けられている複数の要素を、項目毎に並べて相互に関連付け直してRDFで記述する処理を行う。そして、この処理の結果として、複数の属性項目に含まれる属性項目毎に1以上の属性値(すなわち要素、ここでは語句)が列挙されるとともに、各属性項目間で、各属性値(すなわち要素)どうしがネットワーク状に関連付けられた情報(以下「ネットワーク情報」とも称する)が生成される。このネットワーク情報は、記憶部120に記憶されることで、読影レポートの入力を支援する情報(入力支援情報)とされ、データベース(以下「支援情報DB」と総称し、具体的には、第1および第2支援情報DB)122,123が構築される。
具体的には、例えば、第1の特定条件「疾患名に脳腫瘍に関する語句が含まれている割合が7割以上」を満たす1以上の端末から送信されてきて統合DB121に蓄積されている全ての単レポート要素関連情報について、各単レポート要素関連情報において1つのファイルに対して関連付けられている複数の要素を、項目毎に並べて相互に関連付け直してRDFで記述する処理が行われる。この処理の結果として生成されたネットワーク情報が記憶部120に記憶されることで、第1支援情報DB122が構築される。
一方、第2の特定条件「疾患名に脳血管障害に関する語句が含まれている割合が7割以上」を満たす1以上の端末から送信されてきて統合DB121に蓄積されている全ての単レポート要素関連情報について、各単レポート要素関連情報において1つのファイルに対して関連付けられている複数の要素を、項目毎に並べて相互に関連付け直してRDFで記述する処理が行われる。この処理の結果として生成されたネットワーク情報が記憶部120に記憶されることで、第2支援情報DB123が構築される。
より具体的には、例えば、上記(A)〜(C)の状況が成立する場合には、2つの端末10,20から送信されてきた単レポート要素関連情報に基づいて第1支援情報DB122が構築され、1つの端末30から送信されてきた単レポート要素関連情報に基づいて第2支援情報DB123が構築される。
このように、端末ごとに異なる単レポート要素関連情報の傾向に基づいて、第1および第2支援情報DB122,123が構築されると、病院の専門性に応じ、単レポート要素関連情報を区別して、異なる支援情報DBが構築される。より詳細には、ここでは、「脳腫瘍」に強い病院向けの第1支援情報DB122と、「脳血管障害」に強い病院向けの第2支援情報DB123とが構築される。
ここで、支援情報DBのデータ構成ならびにデータ構築手法について説明する。
図7は、特定の条件を満たす1以上の端末から送信されてきた単レポート要素関連情報を構成する要素が構造化されて構築された支援情報DBのデータ構成、すなわち多数の既存読影レポート情報に係る要素が構造化された例を示す図である。なお、図7では、部位分類「頭部(SKULL)」についてのネットワーク情報が例示されている。
図7では、関連付けられた語句どうしが線で結ばれており、図の複雑化を避けるために、語句を適宜「○○○」等と記載するとともに、関連付けを示す線も図中の比較的上部に位置するものを例示して、その他の線は省略されている。
また、専門DB構築部115では、各ネットワーク情報を生成する際には、各単レポート要素関連情報において関連付けられていた各項目間における語句の組合せの回数をカウントし、当該カウント情報を、各支援情報DB122,123に格納しておく。例えば、「頭部−MR−M−T1−前頭葉−高信号−腫瘍」等と言った語句の組合せの回数がカウント情報に記憶される。なお、ネットワーク情報とカウント情報は、各項目間における各項目に属する1以上の語句どうしの関連付けを示す情報であり、以下適宜「関連要素ネットワーク情報」と総称する。
第1および第2支援情報DB122,123に格納されるネットワーク情報では、既存の読影レポートにおいて、どのような語句がそれぞれ記述されたのかを、各属性項目間で、複数の語句どうしが関連付けられた態様で示される。そのため、当該ネットワーク情報を可視的に出力して、新規な読影レポートを入力する際に利用すると有効である。特に、各属性項目を入力する要素の項目(入力要素項目)とし、各属性項目に列挙される複数の語句を入力する候補(選択肢)として、テンプレート表示の形態で提供すれば有効である。
しかしながら、第1および第2支援情報DB122,123に格納されるネットワーク情報では、各属性項目に列挙される語句について、同義語(例えば「T2強調画像」と「T2W1」等)が多いと、選択肢が増大し過ぎて、選択肢の指定が困難となる。そこで、同義語については、識別部105で、語句を検出する際に、代表的な1つの語句に置き換える処理が行われる。また、属性項目に「結語」等がある場合には、結語等の表現の振れ(例えば「考える」と「考えます」等)が多いと選択肢が増大し過ぎて、選択肢の指定が困難となる。そこで、表現の振れについても、識別部315で、結語を検出する際に、代表的な1つの表現に置き換える処理が行われる。
このような語句の代表的な語句への置き換えについては、教師データに、複数の語句と代表的な語句とを対応付けたデータテーブルを含ませることで、実現することができる。なお、表現の振れについては、表現の振れを正規化して、最も使用頻度の高いものに全て置き換えるようにしても良い。また、同義語についても最も使用頻度の高いものに全て置き換えるようにしても良い。
図8は、支援情報生成機能における第1および第2支援情報DB122,123の生成動作の動作フローを示すフローチャートである。本動作フローは、サーバ制御部110において、支援情報生成機能を実現するためのプログラムが実行されることで実現される。
ステップSP1では、送受信部111が単レポート要素関連情報を受信したか否か判定される。ここでは、送受信部111が単レポート要素関連情報を受信するまで、ステップSP1の判定が繰り返され、単レポート要素関連情報を受信すると、ステップSP2に進む。
ステップSP2では、統合DB構築部112によって、送受信部111で受信された単レポート要素関連情報を端末ごとに区別して記憶部120に記憶することで、統合DB121が構築される。
ステップSP3では、解析部113によって、ステップSP2で記憶部120に記憶された単レポート要素関連情報を解析することで、各端末が特定の条件(具体的には、第1の特定条件や第2の特定条件)を満たすか否かが認識される。ここでは、まず、単レポート要素関連情報が、特定の項目について所定の要素を含んでいるか否かが解析されて、特定の項目に属する要素に所定の要素が含まれている旨を示す情報が、統合DB121を構成する単レポート要素関連情報に対して適宜付与される。そして、統合DB121を参照することで、各端末が特定の条件を満たすか否かが認識される。
ステップSP4では、端末管理部114によって、ステップSP3における解析および認識結果に基づき、各端末が特定の条件を満たすか否かを示す情報(端末管理情報)129が生成される。なお、ステップSP4の処理が2回目以降は、適宜端末管理情報129が更新される。
ステップSP5では、端末管理部114によって端末管理情報129が生成または更新されたか否か判定される。ここで、端末管理情報129が生成または更新されていればステップSP6に進み、生成または更新されていなければステップSP7に進む。
ステップSP6では、端末管理部114によって端末管理情報129が読み出され、専門DB構築部115によって特定の条件を満たす端末から送信されてきた全ての単レポート要素関連情報に基づいて、要素関連ネットワーク情報が生成される。そして、記憶部120に記憶されることで、支援情報DB(具体的には、第1支援情報DB122や第2支援情報DB123)が構築される。なお、ステップSP6の処理が2回目以降の場合には、支援情報DBが再構築されることになる。ステップSP6の処理が終了するとステップSP1に戻る。
ステップSP7では、ステップSP2で新規に記憶部120に記憶された単レポート要素関連情報および端末管理情報129に基づき、専門DB構築部115によって支援情報DBが更新され、ステップSP1に戻る。
ここで、端末10〜30では、随時新しい読影レポートが作成されるため、サーバ制御部110の送受信部111は、端末10〜30から新たな単レポート要素関連情報を受け付ける。このとき、統合DB構築部112によって統合DB121に蓄積される情報が更新されるため、新たな単レポート要素関連情報が加えられる度に、その単レポート要素関連情報に係る情報を支援情報DBに反映させるべきである。そこで、ステップSP7では、支援情報DBに、新規な単レポート要素関連情報に係る情報が追加される。
<情報配信機能>
図9は、主にサーバ100で実現される情報配信機能に係る機能構成を示すブロック図である。ここでは、サーバ100が、記憶部120に格納されているプログラムをCPUで読み込んで実行することで、情報配信機能に係る各種機能構成を実現する。
サーバ100は、情報配信機能に係る機能構成として、送受信部111、端末管理部114、および配信制御部116を備える。
端末管理部114は、記憶部120に記憶された端末管理情報129を読み出して、配信制御部116に出力する。
配信制御部116は、端末管理部114から入力された端末管理情報129に基づいて、特定の条件を満たす端末を認識するとともに、その端末に対して特定の条件に係る支援情報DBを構成する情報(具体的には、要素関連ネットワーク情報)を送信するようなコマンドを送受信部111に出力する。ここでは、例えば、配信制御部116によって、第1の特定条件を満たす端末10,20に対して第1支援情報DB122を構成する情報(具体的には、要素関連ネットワーク情報)を送信し、第2の特定条件を満たす端末30に対して第2支援情報DB123を構成する情報(具体的には、要素関連ネットワーク情報)を送信するようなコマンドが送受信部111に対して出力される。
送受信部111は、配信制御部116からのコマンドに応じて、特定の条件に対応する支援情報DB、すなわち要素関連ネットワーク情報を記憶部120から読み出して、特定の条件を満たす端末に対して送信(配信)する。ここでは、例えば、送受信部111によって、第1の特定条件を満たす端末10,20に対して第1支援情報DB122を構成する情報(具体的には、要素関連ネットワーク情報)が送信され、第2の特定条件を満たす端末30に対して第2支援情報DB123を構成する情報(具体的には、要素関連ネットワーク情報)が送信される。
図10は、情報配信機能における動作フローを示すフローチャートである。本動作フローは、サーバ制御部110において、情報配信機能を実現するためのプログラムが実行されることで実現される。なお、本動作フローの実行タイミングとしては、例えば、端末管理情報129が更新されたか、支援情報DBが更新されたタイミングなどが挙げられる。
ステップSP11では、端末管理部114によって、記憶部120から端末管理情報129が読み込まれ、配信制御部116に出力される。
ステップSP12では、配信制御部116によって、N番目の端末が判定対象として指定される。ここでは、ステップSP12の処理が1回目の場合には、判定対象を指定するためのカウント情報Nが1となり、例えば、端末10が判定対象として指定される。また、ステップSP12の処理がn回目の場合には、N=nとなり、例えば、n=2の場合には端末20が判定対象として指定され、n=3の場合には端末30が判定対象として指定される。
ステップSP13では、配信制御部116によって、端末管理情報129に基づき、判定対象として指定された端末が第1の特定条件を満たすか否か判定される。ここで、第1の特定条件を満たすと判定された場合には、ステップSP14に進み、第1の特定条件を満たさないと判定された場合には、ステップSP17に進む。
ステップSP14では、配信制御部116の制御下で送受信部111により、判定対象として指定されている端末に対して第1支援情報DB122を構築する要素関連ネットワーク情報が送信される。
ステップSP15では、配信制御部116によって、端末管理情報129で管理されている全端末を判定対象として指定したか否か判定される。ここでは、全端末が判定対象として指定されていなければステップSP16に進み、全端末が判定対象として指定されていれば、本動作フローを終了する。
ステップSP16では、判定対象の端末を指定するためのカウント情報Nが1つだけ加算され、ステップSP12に戻り、次の端末が判定対象として指定され、ステップSP13以降の処理が行われる。
一方、ステップSP13からステップSP17に進んだ場合、ステップSP17では、配信制御部116によって、判定対象として指定された端末が第2の特定条件を満たすか否か判定される。ここで、第2の特定条件を満たすと判定された場合には、ステップSP18に進み、第2の特定条件を満たさないと判定された場合には、ステップSP15に進む。
ステップSP18では、配信制御部116の制御下で送受信部111により、判定対象として指定されている端末に対して第2支援情報DB123を構築する要素関連ネットワーク情報が送信される。そして、ステップSP15に進む。
このようにして、ステップSP11〜SP18の処理が適宜繰り返されることで、第1および第2の特定条件を満たす端末に対して、第1および第2支援情報DB122,123を構築する要素関連ネットワーク情報が適宜送信される。
ここでは、端末ごとに異なる単レポート要素関連情報の傾向に基づいて、第1および第2支援情報DB122,123を構築する要素関連ネットワーク情報が適宜送信されるため、病院の専門性に応じた要素関連ネットワーク情報が送信されることになる。より詳細には、例えば、「脳腫瘍」に強い病院向けの第1支援情報DB122を構築する要素関連ネットワーク情報が、「脳腫瘍」に強い病院に送信され、「脳血管障害」に強い病院向けの第2支援情報DB123を構築する要素関連ネットワーク情報が、「脳血管障害」に強い病院に送信される。
<入力支援機能>
図11は、主に端末30で実現される入力支援機能に係る機能構成を示すブロック図である。ここでは、端末30が、記憶部34に格納されているプログラムをCPUで読み込んで実行することで、入力支援機能に係る各種機能構成を実現する。
端末30は、入力支援機能に係る機能構成として、データ読込部311、送受信部316、支援情報検索部317、タスク管理部318、表示制御部319、レポート構成部320、およびデータ書込部321を備える。また、情報配信機能によってサーバ100から、送信されてきた要素関連ネットワーク情報が、記憶部34に記憶されることで、支援情報DB342が構築されている。
そして、図11で示される機能構成により、読影レポートの入力対象である検査を特定する動作(検査特定動作)、および実際に読影レポートの入力を支援する動作(入力支援動作)が実現される。したがって、以下では、適宜図11を参照しつつ、検査特定動作、および入力支援動作について、順次説明する。
○検査特定動作:
データ読込部311は、診療情報DB341から検査リストの情報(検査リスト情報)を読み込み、タスク管理部318に転送する。
タスク管理部318は、読影レポートの入力対象となる検査を特定して管理するものあり、データ読込部311から表示制御部319に対して検査リスト情報を提供したり、操作部32からの入力に応答して、新規な読影レポートの作成に係るタスクを特定する。
表示制御部319は、読影レポート入力画面上に検査リスト情報を表示部33において可視的に出力させる。
具体的には、図12で示すような読影レポート入力画面G1が表示部33に表示され、その検査リスト表示領域A2に、例えば、図13で示すような検査リストが表示される。この検査リストには、患者の氏名が上から順に列挙され、各患者の氏名に対して、性別と、検査IDと、読影レポートの作成について未処理か既処理かを示す状態とがそれぞれ記述される。また、図12に示すように、読影レポート入力画面G1は、主に、依頼内容(オーダーリング情報)が表示される領域(依頼内容表示領域)A1、検査リストが表示される領域(検査リスト表示領域)A2、検査情報が表示される領域(検査情報表示領域)A3、読影レポートの入力及び作成を行う領域(レポート作成領域)A4、所見文が表示される領域(所見表示領域)A5、メモを記述する領域(メモ領域)A6、代表的な画像を添付する領域(画像添付領域)A7、コマンドを入力するためのアイコンが列挙される領域(コマンド入力領域)A8によって構成されている。
そして、以下のような動作で、新規な読影レポートの作成動作に係る検査を特定する。
まず、表示部33において、検査リスト表示領域A2に検査リストが表示された状態で、操作部32が適宜操作されると、検査リストから所望の患者が指定される。そして、タスク管理部318は、操作部32からの患者を指定する入力に応答して、当該指定された患者氏名を示す情報を受け付け、この受け付けた患者指名を示す情報に対応する、新規な読影レポートの作成に係るタスクを特定する。
このとき、データ読込部311が、タスク管理部318の制御下で、診療情報DB341から指定された患者氏名に対応するオーダリング、患者属性、及び検査属性に係る属性情報を読み込み、表示制御部319に出力する。そして、表示制御部319は、オーダリング、患者属性、及び検査属性に係る情報に基づき、読影レポート入力画面G1において、例えば、依頼内容表示領域A1に図14で示すようなオーダリング情報を可視的に出力させるとともに、検査情報表示領域A3に図15で示すような患者属性及び検査属性に係る属性情報を可視的に出力させる。
○入力支援動作:
入力支援動作では、上述した支援情報生成機能によって生成されたネットワーク情報を、レポート作成領域A4においてテンプレート表示の形態で可視的に出力し、当該テンプレート表示における語句の選択肢が適宜指定されることで、新規な読影レポートの入力を行う。
但し、各属性項目に列挙される複数の語句を選択肢として、単にネットワーク情報の全体(全体ネットワーク情報)を図7で示すように一覧表示するテンプレート表示の形態で提供すれば、列挙される選択肢の数が膨大過ぎて、選択肢の選択が困難となる。
そこで、例えば、全体ネットワーク情報のうち「男性、頭部、MR」に関する情報に絞り込んだとすると、例えば、図16に示すような一部のネットワーク情報(一部ネットワーク情報)を抽出することができる。図16に示す一部ネットワーク情報では、各入力要素項目「撮影条件」「部位」「所見」「疾患名」間で、各入力要素項目に属する複数の選択肢(すなわち要素)どうしがネットワーク状に関連付けられた情報となっている。なお、ここでは、「入力要素項目」という文言を、読影レポートを構成する要素の項目を入力するための要素の項目の意味で用いている。また、図16では、各入力要素項目に属する要素が複数であるが、各入力要素項目に属する要素は1以上であれば良い。
そして、図16で示したような一部ネットワーク情報を一覧表示するテンプレート表示では、列挙される選択肢の数はある程度限定されているため、選択肢が見易くなり、選択肢の選択が容易となる。また、列挙される入力要素項目は、読影レポートの所見文の入力に必要な項目を網羅しており、テンプレート表示に示されるネットワーク情報を絞り込んでも、所見文の入力が容易となるだけで、特に不都合を生じない。
ここで、全体ネットワーク情報から一部のネットワーク情報を抽出する手法について説明する。
図17は、全体ネットワーク情報から所望の一部のネットワーク情報を抽出するための抽出条件を決定するテンプレート表示(抽出条件決定テンプレート表示)TP1を例示する図である。
上述の如く、検査特定動作において、検査が特定されると、読影レポート入力画面G1(図12)では、例えば、依頼内容表示領域A1にオーダリング情報(図14)が、検査情報表示領域A3に患者及び検査に係る属性情報(図15)が表示される。そして、支援情報検索部317の機能によって、レポート作成領域A4に、抽出条件決定テンプレート表示TP1が表示される。
図17で示すように、抽出条件決定テンプレート表示TP1では、全体ネットワーク情報における全属性項目のうち一部の属性項目「部位分類」「モダリティ」「性別」について、語句(選択肢)を各1つずつ選択することで、選択肢の組合せを抽出条件として指定することができる。このとき、抽出条件は、操作部32からの入力に応答して、支援情報検索部317に与えられる。
具体的には、図17で示す抽出条件決定テンプレート表示TP1では、操作部32のマウスの操作に応答して動作するマウスポインタMPによってリストPL1〜PL3から、属性値(選択肢)を各1つずつ選択することができる。そして、各属性項目について、各1つずつの選択肢を選択して、条件決定ボタンBTにマウスポインタMPを合わせてマウスを左クリックすることで、3つの属性項目についての選択肢(語句)の組合せを指定する抽出条件を決定することができる。
支援情報検索部317は、操作部32からの抽出条件の指定に応答して、支援情報DB342を検索する。そして、全体ネットワーク情報から、抽出条件に対応する一部ネットワーク情報を、レポート作成領域A4にテンプレート表示として一覧表示するための情報(以下「表示用ネットワーク情報」とも称する)として抽出する。このとき、支援情報検索部317は、支援情報DB342に格納されるカウント情報を参照することで、全体ネットワーク情報から、抽出条件を満たす一部ネットワーク情報を抽出することができる。このとき、カウント情報から、抽出される一部ネットワーク情報に対応する一部のカウント情報も抽出する。なお、一部ネットワーク情報と一部のカウント情報とを、適宜「一部要素関連ネットワーク情報」とも総称する。
図18は、表示対象の情報の絞り込み動作フローを示すフローチャートである。本動作フローは、端末30において、入力支援動作を実現するためのプログラムが実行されることで実現される。
ステップST11では、表示制御部319の制御により、表示部33において、図17で示したような抽出条件決定テンプレート表示TP1がレポート作成領域A4に表示される。
ステップST12では、抽出条件決定テンプレート表示TP1上における選択肢の指定に応答して、抽出条件が入力される。例えば、読影医は、読影レポート入力画面G1に表示されるオーダリング情報(図14)を参照することで、部位分類「頭部」、モダリティ「MRI」、及び性別「男性(M)」を特定することができる。そして、3つの項目「部位分類」「モダリティ」「性別」について、部位分類「頭部」−モダリティ「MRI」−性別「M」の組合せを抽出条件として入力することができる。
ステップST13では、支援情報検索部317により、ステップST12で入力された抽出条件に合致する一部ネットワーク情報を、支援情報DB342から抽出する。このとき、支援情報検索部317は、一部ネットワーク情報を表示制御部319に出力する。
ステップST14では、表示制御部319の制御により、レポート作成領域A4において、ステップST13で抽出された一部ネットワーク情報が可視的に一覧表示されたテンプレート表示が提供される。なお、ここで提供されるテンプレート表示は、新規な読影レポートの所見文の入力を支援するものであるため、以下「入力支援テンプレート表示」とも称する。
図19は、入力支援テンプレート表示TP2の表示例を示す図である。なお、後述する入力支援テンプレート表示TP2における各種入力及び指定は、読影医による操作部32における操作に応答して入力される信号に基づいて行われる。
図19で示すように、入力支援テンプレート表示TP2では、上から3/4程度の領域において、左から順に、項目「撮影条件」「部位」「所見」「疾患名」についての複数の語句F1〜F4がそれぞれ表示される。具体的には、属性項目「撮影条件」については、複数の語句(「T1」「T2」)F1が、属性項目「部位」については、複数の語句(「脳室」「白質」「前頭葉」)F2が、属性項目「所見」については、複数の語句(「高信号」「低信号」「増強」「腫瘤影」)F3が、属性項目「疾患名」については、複数の語句(「腫瘍」「虚血性変化」「梗塞」)F4が列挙される。
4項目「撮影条件」「部位」「所見」「疾患名」については、抽出条件に沿って抽出された一部ネットワーク情報に基づき、各項目間で、相互に関連付けられた語句どうしが線(ここでは、実線)によって結ばれた状態で表示される。このようにして、ある程度絞られた一部ネットワーク情報が可視的に一覧表示される。よって、ユーザーは過去の知識が一見して分かるような一覧表示を参照することができる。
そして、4項目「撮影条件」「部位」「所見」「疾患名」の各項目について、複数の語句から1つの語句にマウスポインタMPを合わせて左クリックすることで、新規な読影レポートの所見文を構成する各項目に対応する語句を指定することができる。
なお、ユーザーである読影医は、各項目に対応する語句を指定する際には、入力支援テンプレート表示TP2の下部に表示される読影レポートの所見文の文章モデルMDを参照する。この文章モデルMDは、教師データ等と併せて外部から与えられたレポートモデル(ここでは、文章モデル)のデータに基づいて表示される。
この文章モデルMDは、「[空白欄W1]画像にて、[空白欄W2]において、[空白欄W3]を認め、[空白欄W4]を疑う。」といった読影レポートの所見文のモデルを示している。そして、空白欄W1〜W4には、4つの項目「撮影条件」「部位」「所見」「疾患名」に係る要素(レポートを構成する要素、以下「レポート構成要素」とも称する)である語句がそれぞれ当てはまる。つまり、読影医による語句の指定により、複数の語句(選択肢)F1のうちの1つの語句(例えば「T1」)が空白欄W1に充当され、複数の語句(選択肢)F2のうちの1つの語句(例えば「前頭葉」)が空白欄W2に充当され、複数の語句(選択肢)F3のうちの1つの語句(例えば「高信号」)が空白欄W3に充当され、複数の語句(選択肢)F4のうちの1つの語句(例えば「梗塞」)が空白欄W4に充当されることになる。
なお、4項目に対してそれぞれ語句を指定する際、まず、4項目のうちのいずれか1つの項目に属する語句(指定語句)にマウスポインタMPを合わせると、支援情報検索部317により、一部ネットワーク情報に対応する一部のカウント情報を参照して、指定語句を含む選択肢の組合せの回数が所定数(例えば、10回)以上である場合には、当該指定語句を含む選択肢の組合せを示す線が太線で強調されるような構成が採用されても良い。また、図19で示す文章モデルMDでは、結語が固定されていたが、これに限られず、例えば、結語については複数の選択肢(例えば「認める」「認めない」など)から1つの語句を選択できるようにしても良いし、形容詞や副詞など自然文を構成する他の語句についても選択的に指定することができるようにしても良い。
上記のようにして、4項目についてそれぞれ指定された語句が文章モデルMDの空白欄W1〜W4に充当されている状態で、操作部32が適宜操作されて、コマンド入力領域A8のコマンド「所見登録」が指定されると、レポート構成部320により、文章モデルMDの空白欄W1〜W4に充当されている語句が、所定の文章モデルMDに沿ったレポート構成要素として指定される。そして、レポート構成部320により、文章モデルMDおよび、指定されたレポート構成要素とに基づいて、新規な所見文が生成ならびに登録されて、所見表示領域A5に所見文が表示される。このとき、新規に生成された所見文の情報がデータ書込部321によって、診療情報DB341に追加登録される。つまり、所定のレポートモデルに含まれる所定の文章モデルMDに沿った新規な所見文を含む新規な読影レポートの情報(新規読影レポート情報)が生成される。なお、ここでは、各項目に対して1つのレポート構成要素を指定したが、これに限られず、例えば、各項目に対して2以上のレポート構成要素を指定するなど、少なくとも1以上のレポート構成要素を指定するようにしても良い。
このようにして、端末10〜30において、一部ネットワーク情報の一覧表示が可視的に表示された状態で、ユーザーが操作部32を操作することにより、一覧表示に含まれる各項目に対し、それぞれ1以上の要素をレポート構成要素として指定することで、所定のレポートモデルに沿った新規な読影レポート情報が生成される。このため、病院の専門性などといった状況に即した読影レポートの作成が容易かつ適正に可能となる。
また、レポート構成部320が、文章モデルMDの空白欄W1〜W4に充当された要素(ここでは語句)と、抽出条件を構成する要素(ここでは語句)と、入力対象である読影レポートに係る患者属性、及び検査属性を構成する要素とを、読影レポートのファイル名と関連付けることで、新規な単レポート要素関連情報を生成する。この新規な単レポート要素関連情報は、送受信部316を介してサーバ100に出力される。そして、サーバ100において、支援情報生成機能により、統合DB121、端末管理情報129、第1および第2支援情報DB122,123が適宜更新される。
なお、ここでは、入力支援テンプレート表示TP2で指定された要素等に基づいて、直接的に単レポート要素関連情報が生成されたが、診療情報DB341に対して新規に入力された自然文である所見文などを用いて、関連情報生成機能により単レポート要素関連情報を生成するようにしても良い。但し、指定された要素等に基づいて、直接的に単レポート要素関連情報が生成される方が演算量が低減されるため、好ましい。
以上のように、本発明の実施形態に係る情報処理システム1によれば、サーバ100における支援情報生成機能により、複数の要素の項目に含まれる各項目に属する要素が関連付けられた単レポート要素関連情報が、特定の条件を満たす端末10〜30から送信されてきた場合に、その単レポート要素関連情報に基づいて、各項目に属する1以上の要素が複数の要素の項目間で関連付けられたネットワーク情報が生成される。このような構成を採用することで、端末10〜30が設置されている病院の専門性などといった端末10〜30の使用状況に応じたネットワーク情報が生成される。したがって、各種要素が関連付けられた情報を状況に応じて生成および供与することができる。
特に、サーバ100では、支援情報生成機能により、端末10〜30から送信された単レポート要素関連情報に基づいて、各端末が特定の条件を満たすことを認識する。このため、端末の使用状況に即した状況の切り分けをより適正かつ容易に行うことができる。その結果、より状況に応じたネットワーク情報が生成される。より詳細には、サーバ100では、1つの端末からサーバ100に送信された複数の単レポート要素関連情報のうち、所定要素を含む単レポート要素関連情報が占める割合が、所定の値域範囲にあれば、該1つの端末が特定の条件を満たすように認識される。このため、端末の使用状況に即した状況の切り分けを情報の内容の観点から行うことができる。
また、サーバ100は、情報配信機能により、複数の端末10〜30のうちの特定の条件を満たす端末に対して、特定の条件に係る支援情報DBを構築するための要素関連ネットワーク情報を送信する。このため、病院の専門性などといった端末の特定の使用状況に応じて生成された要素関連ネットワーク情報が、その特定の使用状況にある端末に送信されることとなり、ユーザーはこの端末を介して状況に即した情報を容易に得ることができるようになる。
そして、端末10〜30においては、入力支援機能により、病院の専門性に応じた一部ネットワーク情報の一覧表示が可視的に出力される。このため、端末10〜30において、ユーザーは状況に即した情報を容易に得ることができる。なお、ここでは、全体ネットワーク情報から抽出条件に合致する一部ネットワーク情報を抽出し、この一部ネットワーク情報に係る一覧表示を可視的に出力したが、これに限られず、例えば、全体ネットワーク情報を構成する要素の数が少ないような場合には、端末10〜30において、全体ネットワーク情報の一覧表示が可視的に出力されても良い。
ここで、本発明の実施形態に係る情報処理システム1によって得られる効果について具体例を挙げて更に詳細に説明する。
仮に、「脳腫瘍に強い病院」と「脳血管障害に強い病院」があった場合に、この2つのタイプの病院では作成される読影レポートが大きく異なる。このため、例えば「脳腫瘍に強い病院」から見れば「脳血管障害に強い病院」で作成された読影レポートに基づいて生成される支援情報DBの情報はほとんど使わない情報である。したがって、この2つのタイプの病院で作成された読影レポートを混ぜて支援情報DBを作成すると、どちらの病院から見ても、ほとんど使わない情報が多数混じった支援情報DBになってしまう。そこで、「脳腫瘍に強い病院」向けの支援情報DBの生成方法として、収集した読影レポートの情報から、脳腫瘍に関連する読影レポートの情報のみを抽出して支援情報DBを生成するという方法も考えられるが、「脳腫瘍に強い病院」であっても、それ以外の症例については詳細に書くという事がないだけで、それ以外の症例についての読影レポートが全く書かれないわけではない。
このような問題点に対して、本発明の実施形態に係る情報処理システム1によれば、専門性によって切り分けつつも、その専門性に係る読影レポートだけでなく、その他の専門性に係る読影レポートも利用して、支援情報DBが提供される。したがって、病院特有の専門分野に関連しない読影レポートを作成する場合であっても、簡単な読影レポート程度の作成の支援をすることができる。
<変形例>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
◎例えば、上記本発明の実施形態に係る情報処理システム1では、「脳腫瘍に強い病院」と「脳血管障害に強い病院」などといった病院の専門性に沿った特定の条件で読影レポートに係る情報を区別して、異なる支援情報DB122,123を生成したが、これに限られない。例えば、「大病院」と「小病院」といった病院の規模に沿った特定の条件などに基づいて、読影レポートに係る情報を区別して、異なる支援情報DB122,123を生成するようにしても良い。
具体的には、この特定の条件としては、一定期間において1つの端末からサーバ100に送信されてきた単レポート要素関連情報の数が、所定の値域範囲に含まれるか否かといった条件が挙げられる。例えば、1ヶ月間に1つの端末から送信されてきた単レポート要素関連情報の数が、所定数(例えば、300)以上であるか、所定数未満であることを特定の条件とするようなものが挙げられる。
より詳細には、以下のような構成を挙げることができる。
統合DB121において端末10〜30ごとに区別して蓄積された単レポート要素関連情報から、解析部113で1ヶ月間に各端末10〜30から送信されてきた単レポート要素関連情報の数を解析する。そして、解析部113による解析結果に基づいて、端末管理部114で、各端末10〜30から送信されてきた単レポート要素関連情報の数が、所定数(例えば300)以上であれば第1の特定条件を満たす端末であり、所定数(例えば300)未満であれば第2の特定条件を満たす端末であると認識し、その認識結果を端末管理情報129として記憶部120に記憶する。例えば、端末10から1ヶ月間に500件の単レポート要素関連情報がサーバ100に対して送信されてきた場合には、端末10は第1の特定条件を満たし、2つの端末20,30からそれぞれ1ヶ月間に100件の単レポート要素関連情報がサーバ100に対して送信されてきた場合には、端末20,30はそれぞれ第2の特定条件を満たすものと認識される。そして、専門DB構築部115において、端末管理情報129に従って、第1の特定条件を満たす端末10から送信されてきた単レポート要素関連情報に基づいて、第1支援情報DB122が生成され、第2の特定条件を満たす2つの端末10,30から送信されてきた単レポート要素関連情報に基づいて、第2支援情報DB123が生成される。
このような構成を採用すると、大病院および小病院といった規模の異なる病院にそれぞれ設置されているといった端末10〜30の使用状況に即した状況の切り分けを情報量の観点から行うことができる。なお、比較的規模の大きな病院と比較的規模の小さな病院とを切り分ける態様については、1ヶ月間にサーバ100に送信された単レポート要素関連情報が所定数を境に切り分けるような態様だけに限られず、例えば、1ヶ月間に0〜200件を小規模病院の範囲、1ヶ月間に200〜400件を中規模病院の範囲、1ヶ月間に400件超を大規模病院の範囲とするなど、種々の態様が考えられる。
また、単レポート要素関連情報の内容から手術数や失敗数や成功数などといった情報を得ることができれば、このような情報の数によって、特定の条件を満たすか否かを判定するようにしても良い。また、単レポート要素関連情報におけるモダリティなどといった所定の項目に属する要素によって専門性などが分かる場合には、このような情報に基づいて、特定の条件を満たすか否かを判定するようにしても良い。
◎また、上記実施形態では、単レポート要素関連情報に基づいて、各端末が特定の条件を満たすか否かが判定されたが、これに限られず、例えば、各端末に固有のIDや名称やパスワードなどといった識別情報に基づいて、特定の条件を満たすか否かが判定されても良い。例えば、病院の専門性や規模によって付与される識別情報が異なれば、この識別情報に基づいて、病院の専門性や規模などといった特定の条件を満たすか否かが容易に判定される。
◎また、上記実施形態では、特定の条件を満たす端末にのみ、特定の条件に対応する支援情報DBを構成する要素関連ネットワーク情報が配信されたが、これに限られず、例えば、サーバ100に対してネットワーク回線NTWを介して接続された端末10〜30を区別することなく、全ての端末10〜30に対して、特定の条件に対応する支援情報DBを構成する要素関連ネットワーク情報が配信されるような構成を採用しても良い。例えば、本発明の実施形態について言えば、第1の特定条件を満たす端末10,20に対しても、第2支援情報DB123を構成する要素関連ネットワーク情報が配信され、第2の特定条件を満たす端末30に対しても、第1支援情報DB122を構成する要素関連ネットワーク情報が配信されるような構成を採用しても良い。このような構成が採用される場合には、端末10〜30側で適宜使用する支援情報DBを選択することができるようにすれば良い。
◎また、上記実施形態では、放射線を用いて得られた画像を読影して読影レポートを作成するシステムを例にとって説明したが、これに限られず、例えば、看護レポートやインシデントレポートなどといったその他の医療用のレポートを作成するシステムについても本発明を適用することができる。更に、例えば、営業レポートなどといった医療以外の分野のレポートの作成についても本発明を適用することができ、更にレポート以外の分野にもついても本発明を適用することができる。
以下、医療以外でかつレポート以外の分野へ適用した具体例を2つ(具体例1、2)挙げて説明する。
○具体例1:
端末10〜30が各家庭に設置され、サーバ100に送られる複数の要素が関連付けられた情報(要素関連情報)が、食事のメニューに係る項目「主食」「主莱」「副菜」に属する要素を関連付けたものである。そして、サーバ100側で判定する「特定の条件」を「一定期間内に主菜が肉料理である割合が所定割合以上」などといったものとすれば、特定の条件に沿って切り分けられて生成されるデータベースを用いて、家庭ごとの嗜好を反映したメニューの提案などが可能となる。
○具体例2:
端末10〜30がパソコン販売店にそれぞれ配置され、サーバ100に送られる複数の要素が関連付けられた情報(要素関連情報)が、売れたパソコンセットの内容、例えば、「メーカー」「OSの種類」「CPUの種類」「メモリの容量」「ハードディスクの容量」「ディスプレイのサイズ」「プリンタの種類」といった項目に属する要素を関連付けたものである。そして、サーバ100側で判定する「特定の条件」が「一定期間にハードディスクの容量が100GB以上である割合が所定割合以上」などといったものとすれば、特定の条件に沿って切り分けられて生成されるデータベースを用いて、店舗ごとに異なるユーザー層の特徴(所謂ライトユーザーが多いのか、所謂ヘビーユーザーが多いのか等)を反映して、おすすめ商品の提案などが可能となる。
◎なお、上記実施形態では、端末が端末10〜30の3台しか示されていなかったが、これに限られず、複数の端末が備わっていれば何台であっても良い。
◎また、上記実施形態では、読影レポートの所見文が、「T2にて前頭葉に高信号を認め、梗塞を疑う。」といった自然文の形式であったが、これに限られず、例えば、所見文の形式が、「撮影条件:T2」「部位:前頭葉」「所見:高信号」「疾患名:梗塞」などといった予め属性項目毎に要素が関連付けられて構造化されたような形式であっても良い。このような所見文の形式を採用した場合には、端末10〜30における関連情報生成機能が不要となるため、情報処理システムの機能構成の簡略化、ならびに情報処理に要する時間などの軽減を図ることができる。
◎また、上記実施形態では、4つの機能(関連情報生成機能、支援情報生成機能、情報配信機能、および入力支援機能)のうち、関連情報生成機能と入力支援機能とが端末10〜30に備わっており、支援情報生成機能と情報配信機能とがサーバ100に備わっていたが、これに限られず、4つの機能(関連情報生成機能、支援情報生成機能、情報配信機能、および入力支援機能)を、サーバ100と端末10〜30とに適宜分け合って持たせても良い。更に、1台の器機に4つの機能(関連情報生成機能、支援情報生成機能、情報配信機能、および入力支援機能)を実質的に持たせ、例えば、ユーザーIDなどによって区別される異なるユーザに、異なる支援情報DBを提供するような態様も考えられる。