JP5144605B2 - マルチカラーリアルタイムpcr用の改良されたシステム - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、リアルタイムPCRの分野に関する。特に、本発明は、多重リアルタイムPCRを行うためのシステムに関する。
従来技術背景
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるDNAの増幅は、分子生物学において基本的な技術である。PCRによる核酸分析は、試料の調製、増幅、および産物の分析を必要とする。これらの工程は、通常、順次に行われるが、増幅および分析は同時に行い得る。DNA色素または蛍光プローブは、増幅前にPCR混合物に加えることができ、これを用いて、増幅の間にPCR産物を分析することができる。試料の分析は、同一機器内の同一試験管内での増幅と同時に行われる。この組み合わされたアプローチは試料の取扱を減少させ、時間を節約し、かつそれに続く反応のための産物の汚染の危険性を大いに低下させる。なぜなら、さらなる分析のためにその閉じた容器から試料を取り去る必要がないからである。増幅と産物分析とを組み合わせる概念は「リアルタイム」PCRとして知られるようになった。例えば、米国特許第6,174,670号参照。
PCRの各サイクルの間における蛍光のモニタリングは、最初、臭化エチジウムの使用を含むものであった。(Higuchi R, G Dollinger, PS WalshおよびR. Griffith, Simultaneous amplification and detection of specific DNA sequences, Bio/Technology 10(1992) 413-417; Higuchi R, C Fockler G DollingerおよびR Watson, Kinetic PCR analysis: real time monitoring of DNA amplification reactions, Bio/Technology 11(1993) 1026-1030)。そのシステムにおいて、蛍光は、産物濃度の相対的尺度としてサイクル毎に1回測定される。臭化エチジウムは二本鎖DNAを検出し;鋳型が存在する場合には、蛍光強度は温度サイクリングに伴って増大する。さらに、蛍光の増加が最初に検出されるサイクル数は、逆に、初期鋳型濃度のlogに比例して増大する。核酸濃度および配列に関する更なるデータを提供することができる他の蛍光システムが開発されている。
動的リアルタイムPCRにおいては、PCR産物の形成はPCRの各サイクルでモニタリングされる。増幅は、通常、増幅反応の間に蛍光シグナルを測定するためのさらなる装置を有するサーモサイクラーで測定される。
リアルタイムPCR機器類
いくつかのタイプのリアルタイム検出サーモサイクラーが当該分野で公知である。
欧州特許第0 640 828号は、例えば、多数の核酸増幅を同時にモニタリングするための装置を開示している。それは、マイクロタイタープレートのようなマルチウウェルプレートを塞ぐためのその中に形成された多数の窪みを有する熱伝導部材を含めた金属ブロックサーモサイクラーを含むことを特徴とする。検出は、該窪みの全てから(同時に)発せられた光を検出するために配置された、CCDカメラを用いて得られる。あるいは、光ファイバーの使用が提案されている。用いられる蛍光色素に応じて−より重要なことには、CCDカメラ近くのフィルターホイールの存在に応じて、該システムは多重増幅反応を分析する能力を有し、ここで、1つの反応チャンバーにおいて、1つ以上の異なるアンプリコンが2つ以上の異なる標識をされたハイブリダイゼーションプローブによって検出される。しかしながら、欧州特許第0 640 828号は、いずれの標識または検出フォーマットが、そのような多重/マルチカラーアプローチに用いることができるかを予想も示唆もしていない。
米国特許第6,015,674号は、異なるハイブリダイゼーションプローブ用の標識として用いて同一反応容器中の異なるアンプリコンを検出することができる、第一および第二の蛍光インジケーターを検出できることを特徴とする、リアルタイムPCR検出および定量のための装置およびシステムを開示している。しかしながら米国特許第6,015,674号は、高度の複雑性を伴う多重(multipex)実験を行うためのシステムは開示していない。
別の典型的な例はRoche Diagnostics LightCycler (カタログ番号2 0110468)である。それは、動的オンラインPCR定量およびそれに続くPCR−産物融解曲線の分析を可能にする迅速なPCRシステムである。市販の現行のLightCyclerバージョン1.2の光学システムは、1つの光源、青色発光ダイオード(470nm LED)および3つの検出チャネルを含む。増幅産物は、それが標的核酸に結合した場合に蛍光シグナルのみを発する蛍光標識ハイブリダイゼーションプローブによって、あるいはある場合にはまた、二本鎖DNAに結合する蛍光色素によっても検出される。規定されたシグナル閾値は、分析される全ての反応について決定され、この閾値に到達するのに必要なサイクル数Cpは、標的核酸について、ならびに標準またはハウスキーピング遺伝子のような参照核酸について決定される。標的分子の絶対的または相対的コピー数が、標的核酸および参照核酸について得られるCp値に基づいて決定され得る。
試料によって発せられた蛍光は、一組のダイクロイックミラーおよびフィルターによって、異なる波長に分けられ、これは3つの検出チャネル(530/640/710nm)の1つに記録することができる。これは、二本鎖DNA結合色素SybrGreenIの検出、TaqMan Probeフォーマットのモノカラー検出、およびハイブリダイゼーションプローブ(HybProbe)フォーマットのデュアルカラー検出を可能にする。Lightcyclerシステムの詳細はWO 97/46707、WO97/46712およびWO 98/46714に開示されている。これらの出願の完全な内容は参考によって本明細書中に援用される。
LightCycler機器の非常に重要な特徴は色補正ソフトウエアである。原理的には、このソフトウエアは、温度依存的に、モニタリングされた蛍光放射のスペクトルの重複を修正することによって正確な定量および融解曲線解析を可能にする。技術の詳細は米国特許第6,197,520号に開示されている。
LightCyclerシステムと同様に、Corbett Rotor-Gene Real time PCR Thermocycler (www.corbettresearch.com)は、励起源としての4つの異なるLEDおよび蛍光検出ユニットとしての対応する光ダイオードを含む4チャネル多重化システムである。かくして、この機器ハードウエアは少なくとも理論的には1つの反応容器内の4つまでの異なる標識をされたハイブリダイゼーションプローブにて多重実験を行う能力を有するが、それぞれの成功した適用プロトコルはこれまでのところ公表されていない。
別のリアルタイムPCR機器はBiorad iQ Multi-color Real time PCR検出システム(カタログ番号:170-8740)であり、これは、400nm〜700nmのフルオロフォアの励起および発光を可能にする。該システムは、サーモサイクリング用の慣用的マルチウエル加熱ブロック、励起源としてのタングステンランプ、適当な励起波長を提供するためのフィルターホイール、適当な発光波長を選択するための第二のフィルターホイールおよび検出ユニットとしてのCCDカメラに基づく。該機器は、同一反応容器中の4つの異なる標識をされたTaqManプローブを用い、おおよそ等モル濃度を持つ標的から生じた4つの異なるアンプリコンの検出用の多重アッセイで成功して用いられている(Pedersen, S., Bioradiations 107(2001)10-11)。
多重化能力を増大させるためのさらなるアプローチにおいて、米国特許第6,369,893号は、少なくとも2つの光源を備えた第一の光学アセンブリー、および異なる発光波長の光を検出し、区別するための少なくとも2つのディテクターを含む第二の光学アセンブリーを含むリアルタイムPCRサーモサイクリング機器を開示している。特に、光源としての異なる4つのLEDおよびディテクターとしての4つの異なる光ダイオードの特別な態様が開示されている。かくして、米国特許第6,369,893号に開示された機器は、原理的には、当該分野で公知の種々の蛍光色素の広い選択を伴うリアルタイムPCR検出に用いることができる。しかしながら、米国特許第6,369,893号は、どのようにして、各々が異なる蛍光実体で標識された多数の異なるプローブを含む多重実験を設計する必要があるかについてのいかなるアプローチも予想も示唆もしない。
リアルタイムPCR検出フォーマット
一般に、増幅されたDNAのリアルタイム検出用の異なるフォーマットが存在し、そのうち以下のものが周知であり、当該分野で通常に用いられる。
a) DNA結合色素フォーマット
二本鎖増幅産物の量は、通常、分析する試料に元来存在する核酸の量を超えるので、適当な波長での励起に際して、二本鎖DNAに結合した場合にのみ増強された蛍光を示す二本鎖DNA特異的色素を用いることができる。好ましくは、SybrGreenIIのように、例えば、PCR反応の効率に影響しない色素のみを用いることができる。
当該分野で公知の他の全てのフォーマットは、標的核酸への結合に際して蛍光を発するのみの蛍光標識ハイブリダイゼーションプローブの設計を必要とする。
b) TaqManプローブ
一本鎖ハイブリダイゼーションプローブは2つの成分で標識される。第一の成分が適当な波長の光で励起されると、蛍光共鳴エネルギー移動の原理に従って、吸収されたエネルギーは第二の成分、いわゆるクエンチャーに移される。PCR反応のアニーリング工程の間に、ハイブリダイゼーションプローブは標的DNAに結合し、それに続く伸長期の間にTaqポリメラーゼの5’-3’エキソヌクレアーゼ活性によって分解される。その結果、励起された蛍光成分およびクエンチャーは、相互に空間的に分離され、かくして、第一の成分の蛍光発光を測定することができる(米国特許第5,538,848号)。
c)分子ビーコン
また、これらのハイブリダイゼーションプローブは第一の成分で、およびクエンチャーで標識され、標識は、好ましくは、プローブの両端に位置する。プローブの第二の構造の結果として、双方の成分は溶液中で空間的に近傍にある。標的核酸へのハイブリダイゼーションの後、双方の成分は、適当な波長の光での励起の後、第一の成分の蛍光発光を測定することができるように相互に分離される(米国特許第5,118,801号)。
d)単一標識プローブ(SLP)フォーマット
この検出フォーマットは、5’または3’末端いずれかにおける単一の蛍光色素で標識された単一のオリゴヌクレオチドよりなる(WO 02/14555)。2つの異なる設計は、以下のオリゴ標識に用いることができる:G-消光プローブおよびニトロインドール−脱消光プローブ。
G-消光態様において、蛍光色素はオリゴ5’または3’末端のCに付着される。2つのG’がCと反対側の標的ストランドおよび相補的オリゴヌクレオチドプローブのそばで1位に位置する場合、プローブが標的にハイブリダイズすると、蛍光は有意に減少する。
ニトロインドール脱消光態様において、蛍光色素はオリゴヌクレオチドの5’または3’末端のニトロインドールに付着される。ニトロインドールは、幾分、遊離プローブの蛍光シグナリングを減少させる。プローブが脱消光作用のために標的DNAにハイブリダイズすると、蛍光は増加する。
e) FRETハイブリダイゼーションプローブ
FRETハイブリダイゼーションプローブテストフォーマットは、全ての種類の均一なハイブリダイゼーションアッセイで特に有用である(Matthews, J.A.,およびKricka, L.J., Analytical Biochemistry 169(1988)1-25)。それは、同時に用いられ、増幅された標的核酸の同一ストランドの隣接部位に相補的な2つの一本鎖ハイブリダイゼーションプローブの対によって特徴付けられる。双方のプローブは異なる蛍光成分で標識される。適当な波長の光で励起されると、第一の成分は吸収されたエネルギーを、蛍光共鳴エネルギー移動の原理に従って、第二の成分に移動させ、そのため、双方のハイブリダイゼーションプローブが検出される標的分子の隣接位置に結合すると、第二の成分の蛍光発光を測定することができる。
標的配列にアニーリングすると、ハイブリダイゼーションプローブは、head to tail型の配置において、相互に非常に近くに存在するはずである。通常、第一のプローブの標識された3’末端と、標識された5’末端または第二のプローブとの間のギャップはできる限り小さく、すなわち、1〜5塩基である。これは、FRETドナー化合物およびFRETアクセプター化合物の非常な近接を可能にし、これは、典型的には10〜100オングストロームである。
FRETアクセプター成分の蛍光の増加をモニタリングすることの代わりに、ハイブリダイゼーション事象の定量的測定としてFRETドナー成分の蛍光の減少をモニタリングすることも可能である。
特に、増幅された標的DNAを検出するために、FRETハイブリダイゼーションプローブフォーマットをリアルタイムPCRで用い得る。リアルタイムPCRの当該分野で公知の全ての検出フォーマットの中で、FRETハイブリダイゼーションプローブフォーマットは高感度であり、正確でかつ信頼性があることが証明されている(WO 97/46707; WO 97/46712; WO 97/46714)。しかしながら、適当なFRETハイブリダイゼーションプローブ配列の設計は、時々、検出される標的核酸配列の特別な特徴によって制限され得る。
2つのFRETハイブリダイゼーションプローブの用法の別法として、蛍光標識プライマーおよび1つだけ標識されたオリゴヌクレオチドプローブを用いることもできる(Bernard, P.S.,ら, Analytical Biochemistry 255(1998)101-107)。この点に関し、プライマーがFRETドナーで標識されるかFRETアクセプター化合物で標識されるかは、任意に選択することができる。
PCRおよびリアルタイムPCR以外に、FRETハイブリダイゼーションプローブは融解曲線解析で用いられる。かかるアッセイにおいて、標的核酸は、まず、適当な増幅プライマーを用いた典型的なPCR反応で増幅される。ハイブリダイゼーションプローブは、増幅反応の間に既に存在してもよく、またはそれに続いて加えてもよい。PCR反応の完了の後に、試料の温度を構成的に上昇させ、ハイブリダイゼーションプローブが標的DNAに結合している限り、蛍光が検出される。融解温度において、ハイブリダイゼーションプローブはその標的から放出され、蛍光シグナルは直ちにバックグラウンドレベルまで減少する。この減少は、蛍光減少の最大が観察される一次導関数が決定できるように、適当な蛍光対温度−時間プロットでモニタリングされる。
本発明に従い、原理的にはFRETドナー/FRETアクセプター対として一緒に作用することができる当該分野で公知の蛍光色素の多くの異なる対が存在する。しかしながら、本発明に先立って、4つの異なるFRET対が多重検出アッセイで成功して用いられたことを特徴とする機能的な例が開示されたことはない。他の理由の中では、これは、適当な機器の欠如のため、およびさらに、特異的FRET対のFRETプロセスの機能性が、同一反応混合物中に存在する他の蛍光化合物によって干渉されるという事実によるものであろう。
先に議論したように、多重/マルチカラー検出用の最大4つのディテクターチャネルを有する異なるリアルタイム検出サーモサイクラー機器が存在する。しかしながら、現在まで、多重検出用のこれらの全ての機器の利用性は、十分な感度および特異性を伴ういくつかの(少なくとも2つを超える)異なる標識をされたプローブを用いてリアルタイムマルチカラー多重アッセイを確立しようとする試みはこれまで成功していないという事実により非常に限定されていた。
かくして、多重/マルチカラー検出実験の最適化され、同時に柔軟性のある設計を可能にする改良されたシステムを提供することが本発明の目的であった。1つの側面において、解決すべき問題は、適当なハイブリダイゼーションプローブの設計の改良に関する。別の側面において、解決すべき問題は機器類の改良に関する。
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕−−蛍光化合物を含む反応容器の方に光を放射し得る少なくとも1つの光源、
−反応容器から光を受容するように配置され、光繊維束に伝達するために該光を均一に分布させ得る光パイプ
を含む励起ユニット;
−少なくとも5つの別個の蛍光検出実体を含む検出ユニット、該検出実体の各々は、互いに少なくとも25nm異なる中央検出波長を有する;
−少なくとも5つの複数の光繊維束、該束の各々は、光パイプからの均一に分布した光を受容するように配置され、該光を該蛍光検出実体に伝達する;
−加熱および冷却するための手段;ならびに
−反応混合物を含むための複数の反応容器
を含んでなるリアルタイムPCR機器であって、該複数の検出実体が、少なくとも5つの異なる蛍光化合物の最大蛍光発光を同時に検出し得、該励起ユニットおよび検出ユニットは、別々のハウジングに位置する、リアルタイムPCR機器、
〔2〕1つの光源を含む〔1〕記載のリアルタイムPCR機器、
〔3〕該中央検出波長が一群の波長の範囲から選択され、該群が520〜540nm、545〜565nm、570〜590nm、600〜620nm、630〜650nm、660〜680nmおよび700〜720nmからなる、〔1〕記載の機器
に関する。
本発明により、多重/マルチカラー検出実験の最適化され、同時に柔軟性のある設計を可能にする改良されたシステムが提供される。
図1は、本発明のためのFRETドナーおよびアクセプター色素の励起スペクトルを示す。 図2は、本発明のためのFRETドナーおよびアクセプター色素の発光スペクトルを示す。 図3は、本発明のためのFRETドナーおよびアクセプター色素の発光スペクトルおよび検出チャネルを示す。 図4は、光度計設定を示す。 図5は、実施例1の4色リアルタイムPCR定量実験を示す。 図5は、実施例1の4色リアルタイムPCR定量実験を示す。 図5は、実施例1の4色リアルタイムPCR定量実験を示す。 図5は、実施例1の4色リアルタイムPCR定量実験を示す。 図6は、実施例2のプライマー/プローブ設計を示す。 図7は、実施例2の4色リアルタイムPCR融解曲線実験を示す。 図7は、実施例2の4色リアルタイムPCR融解曲線実験を示す。 図7は、実施例2の4色リアルタイムPCR融解曲線実験を示す。 図7は、実施例2の4色リアルタイムPCR融解曲線実験を示す。 図8は、実施例3のデュアルカラーTaqManリアルタイムPCR定量実験を示す。 図8は、実施例3のデュアルカラーTaqManリアルタイムPCR定量実験を示す。
発明の簡単な説明
かくして、新しい発明は、適用可能な検出フォーマットの拡大およびマルチカラー特徴を伴うリアルタイムPCRシステムに関する。該システムは、多重/マルチカラー検出用の特定の試薬混合物、ならびに多数の検出ユニットを含む光学検出システムを備えた改良されたリアルタイムPCR機器を含む。光学システムは、励起源、および多数検出フォーマット用の検出チャネル、例えば:SybrGreenI、多重FRETハイブリダイゼーションプローブ、および多重TaqManプローブを提供するように設計される。
より正確には、本発明は、リアルタイムPCR機器、および多重PCRを行うための特定の組成物または反応混合物を含む、マルチカラーリアルタイムPCRを行うためのシステムに関する。
本発明の組成物または反応混合物は、少なくとも3対、好ましくは4〜5対、最も好ましくはちょうど4対のFRETハイブリダイゼーションプローブを含む。該ハイブリダイゼーションプローブの各対は、FRETドナー部分を保持するFRETドナープローブおよび550〜710nmの間に発光最大を有するFRETアクセプター部分を保持するFRETアクセプタープローブよりなる。
ある態様において、少なくとも3つ、好ましくは少なくとも4つ、最も好ましくはちょうど4つのFRETドナー部分は同一である。最も好ましくは、全てのFRETドナー部分は同一である。換言すれば、異なるFRET対の全てのFRETドナー部分が同一である場合、それらは同一励起源で励起することができる。
本発明の別の態様において、少なくとも3つ、好ましくは少なくとも4つ、最も好ましくはちょうど4つのFRETドナー部分はフルオレセインである。最も好ましくは、全てのFRETドナー部分はフルオレセインである。
特別な態様において、少なくとも1つのさらなるFRETドナー部分はAtto425およびWI343よりなる群から選択される。
前記開示の態様に対して相互に全く排他的ではない別の特別な態様において、1つのFRETアクセプター部分はLC-Red 705、Cy5.5、JA286および米国特許第6,027,709号の式1に開示されたスルホン化シアニン色素よりなる群から選択される。
第二のFRETアクセプター部分として、Cy5を選択することができる。
第三のFRETアクセプター部分として、LC-Red 640を用いることができる。
第四のFRETアクセプター部分として、LCRed誘導体LC-Red610が選択される。
特別な態様において、第五のFRETアクセプター部分はRh6GおよびTAMRAよりなる群から選択される。
該システムの機器部分は、該リアルタイムPCR機器が:
・少なくとも1つの光源、好ましくはLED、
・少なくとも4つ、好ましくは5〜6つの蛍光ディテクター実体、該実体の各々は、少なくとも25nm、好ましくは少なくとも30nm相互に異なる中央検出波長を有し、
該ディテクター実体は:
・少なくとも3つ、好ましくは4つ、最も好ましくは5つの異なる標識をされたFRETハイブリダイゼーションプローブ対の最大蛍光発光を同時に検出すること、
・少なくとも2つの異なる標識をされたTaqManハイブリダイゼーションプローブの最大蛍光発光を同時に検出すること、ならびに
・SybrGreenIの最大蛍光発光を検出すること
ができることを特徴とし、
・加熱および冷却のための手段、
・反応混合物を含有するための多数の反応容器;
を含むことを特徴とする。
本発明の好ましい態様において、該システムの機器部分は、該リアルタイムPCR機器がちょうど1つの光源を含むことを特徴とする。
この意味においては、機器はFRETフォーマット、TaqManフォーマットおよびSybrGreenフォーマットの蛍光発光を検出することができるが、用語「同時に」は、同一サーモサイクリングプロトコル内で(すなわち、機器の1回の運転内で)、少なくとも3つの異なる標識をされたFRETハイブリダイゼーションプローブまたは少なくとも2つの異なるTaqManプローブまたはSybrGreenIが検出されることを意味するのが理解される。
好ましくは、機器は少なくとも24個、より好ましくは32個、最も好ましくは48個の該反応容器を含む。
また、好ましくは、該中央で検出される波長は波長の範囲の群から選択され、該群は520〜540nm、545〜565nm、570〜590nm、600〜620nm 、630〜650nm、660〜680nm、および700〜720nmよりなる。
また、好ましくは、各反応容器は、該蛍光光源による蛍光励起、および該蛍光ディテクター実体による蛍光モニタリングが該反応容器の同一軸に沿って得られることを特徴とする。
該光源および該ディテクター実体が別のハウジングに配置される場合、特に有利であることが判明している。
また、加熱および冷却用の該手段が強制液体または強制ガスの手段、好ましくは強制空気の手段である場合、特に有利であることも判明している。
さらに、反応容器が回転円形コンベアーに固定される場合、特に有用であることも判明している。
最後の側面において、本発明は:
a) 前記開示のように反応混合物を提供し、
b) 該多数標的配列の増幅が起こり得るように、該反応混合物をサーモサイクリングプロトコルに付し、
c) 複数の増幅サイクルの後、FRETハイブリダイゼーションプローブの該対の各々のハイブリダイゼーションを少なくとも1回モニタリングすることを含む、
多数標的DNA配列を増幅し、検出するための対応する方法にも関する。
融解曲線解析を行うためにハイブリダイゼーションを温度依存的に少なくとも1回モニタリングすることもできる。
発明の詳細な説明
A) 機器
第一の態様において、本発明によるシステムはリアルタイムPCRに適した機器を含む。任意に、該機器は融解曲線解析、すなわち、ハイブリダイゼーションプローブまたはds DNA結合色素のようなDNA結合実体の温度依存性結合のモニタリングにも適する。
該機器は、基本的には、光学部品、およびその各反応容器中の多数の増幅溶液を、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が起き得るように、反復されたサーモサイクリングのプロセスに付すことができるサーモサイクリングのための手段よりなる。
好ましくは、該システムの機器部分は、該リアルタイムPCR機器が:
・少なくとも1つの光源、好ましくは発光ダイオード、
・少なくとも4つ、好ましくは5〜6つの蛍光ディテクター実体、該実体の各々は少なくとも25nm、好ましくは少なくとも30nm相互に異なる中央検出波長を有し、
該ディテクター実体は、
・少なくとも3つ、好ましくは4つ、最も好ましくは5つの異なる標識をされたFRETハイブリダイゼーションプローブ対の最大蛍光発光を同時に検出すること、
・少なくとも2つの異なる標識をされたTaqManハイブリダイゼーションプローブの最大蛍光発光を同時に検出すること、および
・SybrGreenIの最大蛍光発光を検出すること
ができることを特徴とし、
・加熱および冷却のための手段、ならびに
・反応混合物を含有するための多数の反応容器;
を含むことを特徴とする。
最も好ましくは、該システムの機器部分は、該リアルタイムPCR機器がちょうど1つの光源を含むことを特徴とする。
サーモサイクリングのための手段は任意に選択することができる。例えば、当該分野で周知の金属ブロックサイクラーを用いることができる。しかしながら、サーモサイクリングのための手段が能動加熱のための手段、ならびに能動冷却のための独立した手段を提供する場合が有利である。さらに、加熱および冷却のための該手段が強制液体または強制気体の手段である場合に、特に有利なことも判明している。特定の態様において、該手段は強制空気を用いる。
また、サーモサイクリングのための該手段が迅速なサーモサイクリングを行うことができる場合、それも好ましく、それはLightCycler技術において同様に当てはまる(WO 97/46712)。WO 97/46712から導くことができるように、この技術は、周囲空気が加熱コイルによって加熱されることを特徴とする強制空気加熱、および周囲空気が提供されることを特徴とする強制空気冷却に基づく。
迅速サーモサイクリングに関するさらなる改良は、そこでの比較的高い表面/容量比率による反応容器としての毛細管の用法である。5mm未満、好ましくは3.2mm未満、最も好ましくは1.6mm未満の外径を持つ毛細管が特に有利であることが本発明者らによって判明している。というのは、それらは、10μl〜100μlの間の合計容量を有する反応混合物を可能にし、これは、依然として、サイクル当たり2分未満の反応時間での迅速なサーモサイクリングプロトコルに付すことができるからである。
さらに、各反応容器は、少なくとも部分的に、または完全に、ガラスまたはプラスチックのような光学的に透明な材料で製造する必要がある。
モニタリング位置における各反応容器(毛細管)の配置は、好ましくは、蛍光励起およびモニタリングが該反応容器の同一軸に沿って行われることを特徴とする。そのような原理は、総内部反射の現象(phemomenon)のためシグナリングを増強する。
さらに、反応容器が回転円形コンベアーに固定されて、多数反応容器を通じて均一なサーモサイクリングプロフィールを生じる場合、特に有利であることが判明した。
該機器の光学部品は、基本的には、反応溶液に存在する蛍光化合物を励起するための1つ以上の適当な光源を備えた励起ユニット、および該反応容器からの蛍光発光を検出するための検出ユニットよりなる。
WO 97/46712によると、光学システムを構築することができ、ここで、励起ユニットおよび検出ユニットは一般的なハウジングに入れられ、但し、適当な数のダイクロイックミラーが用いられるものとする。しかしながら、本発明の意味では、光源を含む励起ユニットおよびディテクター実体を含む検出ユニットが別のハウジングに位置し、その結果、改良されたリアルタイムPCR機器が2つの別個の光学ユニットを含む場合、有利であることが判明した。
励起ユニットでは、単色励起または多色励起のいずれかを本発明に従って用いることができる。単色励起では、単色LED(発光ダイオード)または単色レーザーいずれかを用いることができる。また、2または多数のLEDまたは単色レーザーを備えるが、個々の測定において一時に1つのみを用いる機器を用いることもできる。多色励起では、白色LED、ハロゲンランプまたはキセノンランプを用いることができる。この場合、適当なフィルターを励起ビーム中に、および励起ビームの外へ移動させるためのフィルターホイールまたは他の手段いずれかが、異なる選択的励起波長を持つ光を提供できるように機器に装備される必要がある。
本発明による励起ユニットの光学的特徴は、考慮すべき種々のパラメーターに従って選択される。
まず、最も短い励起波長は360nmより長く、好ましくは400nmより長いべきである。というのは、短い波長の放射は、ガラスまたはプラスチックのようなリアルタイムPCR反応容器に用いられる慣用的に用いられる光学材料を通って比較的低い透過率を有するからである。加えて、例えば、400〜500nmの範囲のより高い波長を持つ励起は、反応のモニタリングを妨げるかもしれない反応容器の材料からの固有の蛍光の干渉を回避する。
本発明の好ましい態様において、励起ユニットはただ1つの光源よりなる。なぜならば、本発明によると、単一の光源でさえ、リアルタイムPCRにおいて多重検出を行うことが可能だからである。さらに、リアルタイムPCRにおける多重検出は、単一の単色光源でさえ可能である。
ある態様において、励起ユニットは470nmで発光する青色LEDを含む。図1は、本発明に従って用いることができる異なる蛍光色素についての励起スペクトルを示す。これらの色素の中では、頻繁に用いられるFRETドナー化合物としてのフルオレセイン、または当業者に知られたTaqManレポーター色素は、470nmの励起波長を有する単一の発光ダイオードで励起させることができ、他方、頻繁に用いられるFRETアクセプター色素は470nm LEDでわずかに励起されるだけである。
加えて、400〜430nmの間の、好ましくは415nmの第二のUV-LED発光を、任意に、フルオレセインと比較してより短い励起最大を有する他のFRETドナー化合物を励起させるのに用いてもよい。
より正確には、青色470nm LEDはフルオレセインを励起させることができ、これは、4つの異なるアクセプター(レポーター)色素と組み合わせてドナー色素としてHybProbeフォーマットで用いられる。一方、LC-Red-640またはCy5のような典型的なFRETアクセプター色素は、470nm LEDによってわずかに励起されるだけである。また、青色LEDは、デュアルカラーTaqManアッセイにおいてレポーター色素FAMおよびHEXまたはVICを励起してもよい。加えて、フルオレセインは、Single Label Probe (単一標識プローブ)(SLP)フォーマットでレポーター色素として用いられる。さらに、青色LEDを用いて、増幅産物の非プローブベースの検出のためにSybrGreenIを励起させる。
任意のUV LEDをHybProbeフォーマットで用いて、比較的短い波長において蛍光を発光する適当なレポーター色素と組み合わせて短い波長のドナー色素を励起させてもよい。さらに、580nmにおいて発光する第三のLEDを含めてもよい。
検出ユニットでは、当該分野で公知の異なるモードの検出を本発明に従って用いることができる。例えば、各光ダイオードが特定の波長の蛍光を検出することができることを特徴とするいくつかの光ダイオードを用いることは当該分野で周知である。本発明のある側面において、ディテクターとして光ダイオードを用いるちょうど5つまたは6つのチャネルを有する検出システムが提供される。示されるように、そのような態様は、同時の4色FRETハイブリダイゼーションプローブ検出を既に可能にする。
本発明よる検出ユニットの光学的特徴は以下の異なるパラメーターに従って選択される。
まず、検出されるべき最も長い発光波長は800nm未満程度、好ましくは730nm未満である。というのは、より高い波長シグナルの検出は、機器の加熱部分によって推定赤外線の可能なバックグラウンドによって影響されるからである。さらに、当該分野で公知の長い波長の赤外色素は最適下量子収率を有し、安定性はより低く、かくして、所望のハイブリダイゼーションプローブにカップリングさせるのはより困難である。
その結果、異なる検出チャネルは500〜800nmの間、好ましくは520〜730nmの間の中央検出最大(maximae)を有すべきである。これに関して、図2は、本発明に従って用い得る異なる蛍光色素についての発光スペクトルを示す。
500と800nmの範囲内では、検出チャネルは、各光ダイオードに入るに先立って光ビームが通過しなければならない適当なフィルターを選択することによって正確に規定することができる。適当な選択のためには、以下のパラメーターが考慮されるよう本発明者らによって同定されている。
まず、各チャネルの中央波長検出最大は、優勢に検出されるべき蛍光色素の発光スペクトルの最大に応じて選択されるべきである。経験則として、適当な検出感度には、検出すべき色素からの蛍光発光の最大は、各チャネルの中央で検出される波長から+/-10nmを超えて異なるべきではない。
さらに、全ての検出チャネルは区別される発光を検出できるべきであり、すなわち、スペクトルの重複はできる限り最小化すべきである。この点において、各チャネルの半分のバンド幅が40nm以下である場合、有利である。より有利には、各チャネルの半分のバンド幅は20nm以下である。
好ましくは、隣接するチャネルで検出されるフルオロフォアのクロストークは70%未満、より好ましくは50%未満、最も好ましくは30%未満である。この点についての別の重要な基準(criterium)はブロッキング値であり、これは、チャネル(フィルター)の特定の透過範囲の外側で検出される最大強度についての指標である。好ましくは、この値は10−3未満である。
これらの基準に基づき、本発明による5〜6チャネルの各々の中央で検出される波長が25nmを超えて、好ましくは30nmを超えて相互から分離される場合、それは有利であることが判明している。
ある態様において、該中央で検出される波長は波長の範囲の群から選択され、該群は520〜540nm、545〜565nm、570〜590nm、600〜620nm、630〜650nm、660〜680nm、700〜720nmよりなる。
さらに、6つのディテクターチャネルよりなるある特定の態様において、該チャネルは530、580、610、640、670、および710nm+/-5nm程度、または530、555、610、640、670および710nm+/-5nm、または好ましくは+/-2nm程度の中央で検出される波長を有する。
5つのディテクターチャネルよりなるもう別の特定の態様において、該チャネルは530、610、640、670および710nm+/-5nm、または好ましくは+/-2nm程度の中央で検出される波長を有する。
4つのディテクターチャネルよりなる第三の特定の態様において、該チャネルは610、640、670および710nm+/-5nm、または好ましくは+/-2nm程度の中央で検出される波長を有する。
例として、図3は、好ましい態様の6つの検出チャネル、および本発明に従って用いることができる異なる蛍光色素についての発光スペクトルを示す。この態様において、6つのチャネルは少なくとも25nmスペクトル距離だけ分離されて、各レポーター色素から隣接検出チャネルへのクロストークを最小化する。検出ユニットは、530nm程度の中央波長検出最大を有するチャネルにおけるSybrGreenIおよびTaqManレポーター色素フルオレセイン/FAMを検出することができる。加えて、該システムは、好ましくは、560nm程度の第二のチャネルにおけるHEX/VICを検出することができる。さらなる長い波長の検出チャネルは、HybProbeアクセプター色素および、任意に、長い波長のSLPレポーター色素を検出することができる。
励起および検出ユニットは多数レッグ繊維束によって連結される。反応容器(例えば、ガラス毛細管)からの発光された光は、光パイプを用いて均一に分配され、6つのガラス繊維束に伝達される。50μm の単一ガラス繊維のこれらの束は光を6つの検出チャネルの各々に伝達する。
別々のハウジングに位置した励起ユニットおよび検出ユニットのこの設定は、WO 97/46712:全ての6つの検出チャネルへの発せられた光の均一な分布、および励起および検出ユニットの機械的脱カップリング、に開示されたように光学ユニットと比較して2つの利点を提供する。これは、反応容器に向けての励起ユニットの高度に正確な位置決定が、検出ユニットを動かすこと無くモニタリングされるようにする(例えば、毛細管先端)。さらに、必要なダイクロイックミラーの数は最小化される。そのような設定の例は図4に示され、これは本発明の可能な態様を開示する。理解できるように、励起および検出ユニットは異なるハウジングに位置する。
加えて、本発明によるシステムは、参照によりその全体を本願に援用する米国特許第6,197,520号に詳細に開示された色補正ツールを含む。対応するソフトウエアは、ある範囲の温度を通じての蛍光の測定、および前記開示の6つのディテクターチャネルの温度依存性スペクトル重複の補正を可能にする。
原則として、これは、
a) 多重実験に組み込まれて実行されるようになる各蛍光実体につきキャリブレーター溶液を提供すること、
b) 異なるチャネルの間のクロストークの温度の依存性量を測定するためにディテクターチャネルの各々において該溶液の各々の温度依存性蛍光をモニタリングすること、および
c) 補正値を含む色補正データ組を生じさせること;
によって達成される。
B) テストフォーマットおよび色素の選択
本発明の意味では、用語「多重PCR」は、2つ以上の異なる増幅産物が、同一PCR反応において2対以上の対の増幅プライマーを用いることによって生成されることを特徴とするPCR反応として理解される。
また、本発明の意味でも、用語「マルチカラーリアルタイムPCR」は、多重PCRまたは(ただ1つの対の増幅プライマーを用いる)一重PCRのいずれかで生じた1つ以上の異なる増幅産物が異なる標識をされたハイブリダイゼーションプローブによって検出されることを特徴とするリアルタイムPCRアッセイと定義される。
本発明の主な側面は、異なる標識をされたハイブリダイゼーション試薬の用法に基づき、各試薬は、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の原理で相互に相互作用する2つの蛍光色素の対を含むFRETハイブリダイゼーションプローブの対を含む。本発明によると、適当な色素対は、少なくとも3つまたは4つ、好ましくはできる限り多くの検出チャネルでの検出で用い得るハイブリダイゼーション試薬の標識のために選択することができる。
より正確には、かかるハイブリダイゼーション試薬は、WO 97/46707、WO 97/46712、およびWO 97/46714に開示されたようなFRET-HybProbe検出フォーマットに従ってそれらが一緒に作用できるように、適切に標識された2つの隣接してハイブリダイズするオリゴヌクレオチドよりなる。多くの場合、ハイブリダイゼーション試薬が単一のオリゴヌクレオチドよりなれば、あるいはFRET-hybprobeフォーマットの場合には、ドナープローブおよびアクセプタープローブとして一緒に作用するオリゴヌクレオチドの対よりなれば、それは十分である。しかしながら、他の場合には、検出される必要がある標的配列には多くの他の配列バリアントが存在し得る。かくして、FRETオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブをただ1対だけ用いるだけで、全てのメンバーの配列を検出するのはおそらく不可能であろう。
それらの場合では、ハイブリダイゼーション試薬は、1、2またはそれより多いハイブリダイゼーションプローブからなってもよく、これらは、類似であって、相同配列に結合するが、1、2、3またはそれより多いモノヌクレオチド、ジヌクレオチドまたはトリヌクレオチドの交換、欠失または付加によって相互に異なる。FRETハイブリダイゼーションプローブの対であるハイブリダイゼーション試薬の場合には、該ハイブリダイゼーション試薬は1、2、3またはそれより多いFRETドナーオリゴヌクレオチドプロ−ブおよび/または1、2、3またはそれより多いアクセプターオリゴヌクレオチドプローブよりなってもよい。この場合には、全てのドナープローブは類似であってもよいが、モノヌクレオチド、ジヌクレオチド、またはトリヌクレオチドの交換、欠失または付加によって相互に異なってもよい。同様に、全てのアクセプタープローブは類似であってもよく、モノヌクレオチド、ジヌクレオチドまたはトリヌクレオチドの交換、欠失または付加によって相互に異なってもよい。
加えて、マルチカラーFRET検出が行われ、ここで、Bernard, P.S.,ら, Analytical Biochemistry 255(1998)101-107に開示されたように、標識されたハイブリダイゼーションプローブの該対の1つのメンバーが適当に標識されたプライマーによって置き換えられた場合、それも本発明の範囲内にある。さらに、各FRETアクセプター化合物からの蛍光発光の増加の代わりに、1個、数個、または全てのFRETドナー部分の蛍光発光の減少が、検出される標的核酸の存在に対する指標であるようにモニタリングされる場合、それもまた本発明の範囲内にある。
FRET原理に基づくマルチカラー検出を行うための種々の可能性に加えて、本発明のシステムはまた、SybrGreenI、異なる標識をされた分子ビーコン、単一標識プローブを用いた多重検出、またはデュアルカラーTaqMan検出による、標的核酸の検出のような他の検出フォーマットの実行をも可能にする。当該分野で知られているように、デュアルカラーTaqManアッセイは、第一の標準レポーター色素としてのFAMおよび第二のレポーター化合物としてのHEXまたはVICのいずれかと組み合わせたクエンチャー化合物としてのCy5(Amersham)の使用に基づくことができる。
原則として、FRET対として一緒に作用することができる、蛍光色素組合せの多数の可能性が存在する(Review: Resonance Energy Transfer Editors: Meer, B Wieb van der ら, VCH Publishers INC., 1994)。しかしながら、機器前提条件に基づき、当業者にとって、各リアルタイムPCR実験の感度および/または特異性が影響されるように、相互に干渉しない多数のFRETハイブリダイゼーション試薬を組み合わせるマルチカラーテストを開発するのは些細なことではない。
FRETハイブリダイゼーションプローブの適当な対の選択に関しては、例えば、FRETドナーおよびFRETアクセプターで用いられる色素は任意に選択することができないが、少なくとも以下の要件を満たす必要がある:
・十分な溶解性、およびオリゴヌクレオチド(oligonkleotide)にカップリングされる可能性
・PCRサーモサイクリング条件下での色素の安定性
・十分かつ再生可能な発光強度および量子収率
・発光強度の、低い温度依存性
・異なる化学的条件下で実質的にスペクトルシフトがないこと
・異なるオリゴヌクレオチド配列にカップリングした場合に実質的にスペクトルシフトがないこと
・区別されるスペクトル発光最大
・FRETプロセスを行うのに適したパートナー色素の利用可能性
その結果、本発明によるシステムのある重要な側面は、できる限り多くの検出チャネルのためのHybProbeフォーマットで使用できる多数の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)色素対の同定に焦点が当てられる。4重または5重マルチカラー検出設定を可能にする色素FRET色素対の励起および発光スペクトルは、既に、図1〜3に示した。別法を以下に記載する。
これに関して、以下の表は、これまでに、4色FRETハイブリダイゼーションプローブアッセイまたはデュアルカラーTaqManアッセイのいずれかを行う示された検出チャネルで首尾よく用いられてきた種々のFRETアクセプター色素およびTaqManレポーター色素をまとめる。
しかしながら、前記で示された種々のレポーター実体のいくつかについては、種々のFRETドナー部分(ドナー)およびTaqManクエンチャー化合物(Q)は、各々、1、2または3つの異なるLEDいずれかの存在により利用可能な励起波長に依存して用いられてきた。したがって、適当なFRET対またはTaqMan組合せの異なる可能性を、以下のより包括的な表にまとめる。
前記表で言及された色素は以下のように入手可能である:
LC-Red-705およびLC Red-640はRoche Applied Science (カタログ番号2 015 161および2 157 594)から入手可能である。
LC-Red 610は、米国特許第5,750,409号に開示された蛍光色素、化合物IIを用いて標準的なプロトコルに従って合成される。
JA286はEP 0 747 447、実施例1に開示されている。この色素では、この色素が、5つのヌクレオチド残基の、長いハイブリダイズしないスペーサー部分によって、ハイブリダイズするオリゴヌクレオチドに連結される場合、それは有利である。
Cy-5 NHS-エステルはAmershamから入手可能であり(カタログ番号PA 15100)、Cyc 5.5ホスホルアミダイトもまたAmershamから入手可能である(カタログ番号271799 01)。
Bodipy 650/665 NHS-エステルおよびAlexa 647 NHSエステルはMolecular Probes (カタログ番号D1 000 1およびA 2 000 6)から入手可能である。
Atto 425-NHSエステルはAttotecから入手可能である(カタログ番号AD 425-3)。
WI 343はクマリン343の誘導体であり(Aldrich, カタログ番号55 804 654)、これは、リンカー(βアラニン)とカップリングされ、標準的な方法に従ってスクシンイミジルエステルに変換される。
加えて、全てのTaqMan色素は当業者に公知の種々の供給業者、例えば、Molecular probesから入手可能である。
BlackHole Quencher (BHQ)は、Biosearch Technologies から入手可能である(カタログ番号BHQ1-3)。
オリゴヌクレオチドプローブの適当な標識は、当業者に公知の慣用的な方法によって行うことができる。特に、デノボオリゴヌクレオチド合成自体の間に標識を行うことができるように、活性化されたNHS-エステルを含む蛍光化合物またはホスホルアミダイトに連結された蛍光化合物のいずれかを用いて標識を実行することができる。さらに、フルオレセイン標識プローブは、オリゴヌクレオチド合成のための固体支持体としてフルオレセイン制御多孔性ガラス粒子(Roche Applied Science カタログ番号3 138 178)を用いて調製することができる。
C)方法およびキット
さらなる側面において、本発明は、前記開示のシステム、機器および組成物の全ての異なる態様を用いることによって、多重PCRを行う方法に関する。
特に、本発明は、
・本発明による組成物または反応混合物を提供する工程、
・該多数標的配列の増幅が起こり得るように、該反応混合物をサーモサイクリングプロトコルに供する工程、および、
・複数の増幅サイクルの後にFRETハイブリダイゼーションプローブの該対の各々のハイブリダイゼーションを少なくとも1回モニタリングする工程;
を含む、多数標的DNA配列を増幅し、検出する方法に関する。
特定の態様において、ハイブリダイゼーションは温度依存的に少なくとも1回モニタリングされる。
該組成物または反応混合物は、主に、少なくとも3対、好ましくは4〜5対、最も好ましくはちょうど4対のFRETハイブリダイゼーションプローブを含み、ハイブリダイゼーションプローブの各対はFRETドナー部分を保持するFRETドナープローブ、および550〜710nmの間に発光最大を有するFRETアクセプター部分を保持するFRETアクセプタープローブよりなる。
加えて、本発明によるかかる組成物または反応混合物は、以下のリストから選択された1個、または数個、または好ましくは全ての化合物および試薬を含むことができる:
・ポリメラーゼ連鎖反応に適用できる緩衝液
・デオキシヌクレオシド三リン酸
・鋳型依存性DNAポリメラーセ、好ましくは熱安定性、
・少なくとも1対または数対の増幅プライマー。
さらに別の側面において、本発明は、少なくとも第一の組の増幅プライマー、および少なくとも3、4、または5対のFRETハイブリダイゼーションプローブを含むキットに関する。
加えて、本発明によるかかるキットは以下のリストから選択された1つまたは数個の他の化合物および試薬を含むことができる:
・ポリメラーゼ連鎖反応に適用できる緩衝液、
・デオキシヌクレオシド三リン酸
・鋳型依存性DNAポリメラーゼ、好ましくは熱安定性、
・少なくとも1対または多数の対の増幅プライマー。
また、かかるキットは、いずれかの標的核酸の検出で用いられる同一のプライマーおよびプローブを用いて増幅し、検出できる内部対照DNAを含むこともできる。前記開示の化合物の各々は単一の貯蔵容器に貯蔵することができる。しかしながら、同一容器内の貯蔵用の成分のいずれかの組合せは同様に可能である。
D)発明の最良の形態:
出願日において本発明者らによって知られた発明の最良の形態は以下の通りである。
この好ましい態様においては、本発明によるシステムは、1つまたは2つの励起源および6つの検出チャネルを備えた光度計を提供する。青色(470nm)および、任意に、UV(410nm)発光ダイオードを、530、555、610、640、670および710nmにおいて中央検出波長を有する検出チャネルと組み合わせる。
改良されたリアルタイムPCR機器の光度計は2つの別々の光学ユニットを含む。図4に開示されているように、励起および検出ユニットは異なるハウジングに位置させる。
(I) 1つまたは2つのLED:470nmにおいて発光する青色LEDおよび、任意に、415nmで発光する紫色LEDを備えた励起ユニット。青色LEDはSybrGreenIおよびフルオレセインを励起することができる。フルオレセインは、4つの異なるアクセプター(レポーター)色素:Red 610、Red 640、Cy5、Red 705と組み合わせたドナー色素としてHybProbeフォーマットで用いられる。さらに、青色LEDはデュアルカラーTaqManアッセイにおいてレポーター色素FAMおよびHEXまたはVICを励起する。加えて、フルオレセインは単一標識プローブ(SLP)フォーマットにてレポーター色素として用いられる。任意の紫色LEDをHybProbeフォーマットで用いて、555nmにおけるレポーター色素(Rh6G)と組み合わせて短い波長のドナー色素(Atto 425)を励起することができる。
(II) ディテクターとして光ダイオードを用いる6つのチャネルを備えた検出ユニット。6つのチャネルは少なくとも25nmスペクトル距離離されて、各レポーター色素から隣接検出チャネルへのクロストークを最小化する。検出ユニットは、530nmチャネルにおいてSybrGreenIおよびフルオレセイン/FAMを検出することができる。加えて、該システムは555nmチャネルにおいてHEX/VICおよびRH6G aを検出することができる。長波長検出チャネル(610、640、670、710nm)は、HybProbeアクセプター色素、任意に、長い波長のSLPレポーター色素を検出することができる。
励起および検出ユニットは6レッグ繊維束によって連結される。ガラス毛細管から発光された光は光パイプを用いて均一に分布され、6つのガラス繊維束に伝達される。50μmの単一ガラス繊維のこれらの束は光を6つの検出チャネルの各々に伝達する。この設定はLC 1.2光学ユニットと比較して2つの利点を提供する:発光された光の全ての6つの検出チャネルへの均一な分布、ならびに励起および検出ユニットの機械的脱カップリング。これは、検出ユニットを移動させることなく、毛細管先端に向けて励起ユニットを高度に正確な配置を可能にする。効果的な色補正機能は、異なるチャネルにおける多数の標的の同時検出を可能にする。
これらのハードウエアおよびソフトウエア特徴と組み合せ、多重FRETハイブリダイゼーションプローブ検出を行うためのシステムのマルチカラー能力が確立された。加えて、本発明によるシステムは、他の非FRET-Hybprobe検出フォーマットを可能にする。
ハイブリダイゼーションプローブ検出フォーマットに基づき、システムは、リアル−タイム定量および融解曲線解析の少なくとも4色多重化を可能にする。チャネル当たり6つの融解ピークの融解曲線分解能を考慮すると、本発明による光度計を用い、24までの異なるPCR産物が識別できる。これを可能にするために、新しい従前には未知のFRETアクセプター色素が、610および670nmにおける中央発光波長を持つ検出チャネルのために開発された。加えて、任意の410nm LEDは、555nmで発光するアクセプター色素と組み合わせた短波長ドナー色素を用いるためのオプションを提供し、かくして、5番目のHybProbe検出チャネルを提供する。特に有用な色素の励起および発光スペクトルは図1および2に示される。
フルオレセインをFRETドナー色素として用い、2つの新しいFRETアクセプター色素を同定することができ、各々、610nmチャネル(Red 610)および670nmチャネル(Cy 5)で検出可能であった。双方の色素は、HybProbe FRETフォーマットで用いる場合、高いシグナルダイナミックスを示す。加えて、色素のスペクトル特性は、前記開示の光度計に完全に適合し、かくして、異種検出チャネルへのクロストークを最小化する。柔軟な多数チャネル色補正アルゴリズムを用い、単一の反応からの(既に存在する色素LC Red 640およびLC Red 705を含めた)全ての4つのFRETアクセプター色素の特異的検出が、40℃〜95℃の温度範囲にわたって可能であることが示される。
555nmチャネルのために5番目のFRETアクセプター色素を同定しようとする場合、良好なFRETシグナルダイナミックスが以下の2つの効果によって阻害されることが判明した。
(I) フルオレセインドナー色素は555nmチャネルへの高いクロストークを示し、かくして、PCRプロセスの間に潜在的FRETアクセプター色素の増加するシグナルをマスキングする。
(II) 555nmにおいて発光するFRETアクセプター色素は470nm LEDによってそれ自体が直接的に励起され、かくして、検出感度を有意かつ結果的に降下させるバックグラウンド蛍光を増加させる。
これらの欠点に対する解決は、適当な555nmアクセプター色素(Rh6G)と組み合わせた短い波長のドナー色素(Atto425)の励起に410nm UV LEDを用いることによって見出された。この組み合わせにおいて、ドナーから555nm検出チャネルへのクロストーク、およびFRETアクセプターの直接的励起は最小化され、十分なシグナルダイナミックスが色補正後に達成された。
さらに、短波長ドナーAtto 425は、全ての長波長アクセプター色素と組み合わせて用いることさえできることが判明した。予期せぬことに、Atto 425と組み合わされた長波長アクセプターのFRETシグナルダイナミックスはフルオレセインと組み合わせて用いられる場合にシグナルダイナミックスに匹敵する。この観察により、ドナー色素を1つだけ用いて、マルチカラー特徴を5チャネルフォーマットに拡大するオプションが提供される。
TaqMan検出フォーマットを用い、標準TaqManレポーター色素FAM(530nmで検出)およびHEXまたはVIC(560nmで検出)に基づいたデュアルカラー適用は、当該分野で知られたTaqManの化学的性質の主な修飾なしに行うことができる。得られた検出感度は、COBAS TaqMan機器(Roche Molecular Systems)に匹敵する。
さらに、融解曲線解析のための単一標識プローブ(SLP)フォーマット(WO 02/14555)は、本発明によるシステム内で適用可能である。このフォーマットはその標的配列へのハイブリダイゼーションの後のプローブ−標識の消光、または、各々、脱消光に基づく。フォーマットは、単一の色素で末端が標識されたプローブを1つだけ必要とする。HybProbeまたはTaqManフォーマットと比較して、SLPは、かくして、一塩基多型(SNP)の統合された分析のためのアッセイの有意に安価な設定を可能にする。融解温度を報告することによって、SLPの異なる対立遺伝子は単一の反応で明確に識別することができる。多重化オプションは、異なるレポーター色素を用いることによって提供される。
前記開示の機器におけるリアルタイムマルチカラーPCR検出についての可能性を以下の表にまとめる。
以下の実施例、参考文献、配列表および図面は、本発明の理解を助けるために提供するものであり、その真の範囲は添付の特許請求の範囲に示される。本発明の精神を逸脱することなく示された手法に変更をなすことができるのが理解される。
異なるフルオレセイン化合物で標識されたFRETハイブリダイゼーションプローブの異なる対を用いる第V因子DNAの定量的リアルタイムPCR
第V因子DNA断片の増幅については、4つの異なる100μlリアルタイムPCR反応混合物は以下の通りに設定した:
第V因子遺伝子を含む106コピーのプラスミド
3mM MgCl2
各々500nM プライマー
200nM 配列AによるFRET 3’ハイブリダイゼーションプローブ
200nM 各々、配列B1、B2、B3またはB4によるFRET 5’ハイブリダイゼーションプローブ。
加えて、LightCycler DNA Hyb Probes Kit (Roche Applied Science,カタログ番号2158825)からのPCR成分を用いた。
プライマーおよびプローブは以下の通りに用いた:
プライマー第V因子、フォワード:
5’-GAG AGA CAT CGC CTC TGG GCT A-3’ (22量体)(配列番号:1)
プライマー第V因子、リバース:
5’-TGT TAT CAC ACT GGT GCT AA-3’ (20量体)(配列番号:2)
A: 3’フルオレセイン標識ハイブリダイゼーションプローブ
5’-AAT ACC TGT ATT CCT CGC CTG TC-3’ (23量体)(配列番号:3)
B1: 5’Red610ハイブリダイゼーションプローブ
5’-AGG GAT CTG CTC TTA CAG ATT AGA AGT AGT CCT ATT-3’(36量体)
B2: 5’Red640ハイブリダイゼーションプローブ
5’-AGG GAT CTG CTC TTA CAG ATT AGA AGT AGT CCT ATT-3’(36量体)
B3: 5’Cy5ハイブリダイゼーションプローブ
5’-AGG GAT CTG CTC TTA CAG ATT AGA AGT AGT CCT ATT-3’(36量体)
B4: 5’Red705ハイブリダイゼーションプローブ
5’-AGG GAT CTG CTC TTA CAG ATT AGA AGT AGT CCT ATT-3’(36量体)
(B1〜B4:配列番号:4)
増幅は、以下のサーモサイクリングプロトコルに従って本発明の最良の形態として前記開示のLightCycler機器で行った。
リアルタイムモニタリングは、検出チャネルにて蛍光シグナルを測定することにより45サイクルにわたる二次導関数閾値方法を用い、かつ初期蛍光バックグラウンド強度の標準化のための算術バックグラウンド補正を用いて、色補正アルゴリズム有りおよび無しで行った。
結果を図5a〜5dに示す。図面で理解できるように、全ての用いられるFRETアクセプター色素の特異的かつ定量的増幅シグナルは、対応する610、640、670および710nm検出チャネルにおける色補正後に得ることができた。さらに、隣接するチャネルにおける異なる色素のスペクトルの重複は、適当な色補正が行われる場合、特異的かつ定量的シグナリングに影響しなかったことが示される。
4色融解曲線解析
N-アセチル−トランスフェラーゼイソ酵素をコードするヒトNAT-2遺伝子の断片を含む特異的プラスミドの479bp断片を、特異的プライマーで増幅し、FRETハイブリダイゼーションプローブの4つの異なる特異的対を用い、蛍光によって検出した。3つのプローブはフルオレセインで3’末端が標識されたが、4つの検出プローブはLight-Cycler-Red 610、640、705またはCy5のいずれかで5’標識されて、リン酸化によって3’末端が修飾された。この実験設定の略図を図6に示す。図面から推定できるように、4つの異なる標識をされたFRETアクセプタープローブがあったが、検出部位は3つだけあった。この結果、2つの検出プローブのアニーリングが競合した。
アッセイ条件は、実施例1に記載したのと基本的に同一であり、標的DNAの3×106コピーを用いる変更を加えた。
プライマーフォワード:
5’-TGC CTT GCA TTT TCT GCT T-3’ (19量体)(配列番号:5)
プライマーリバース:
5’-GAG TTG GGT GAT ACA TAC A-3’ (19量体)(配列番号:6)
3’-フルオレセインHybProbe 1:
5’-GAA ATT CTT TGT TTG TAA TAT ACT GCT CTC TC-Fluos-3’ (32量体)
(配列番号:7)
5’-Red610 HybProbe 1a:
5’-Red610-TGA TTT GGT CCA CGT ACC-3’ (18量体)
(配列番号:8)
5’-Red640 HybProbe 1b:
5’-Red640-TGA TTT GGT CCA AGT ACC C-3’(19量体)
(配列番号:9)
3’-フルオレセインHybProbe 2:
5’-GTT GGA GAC GTC TGC AGG TAT GTA TTC ATA GAC TCA A-Fluos-3’(37量体)(配列番号:10)
5’-Red705 HybProbe 2:
5’-Red705-ATC TTC AAT TGT TCG AGG TT-3’(20量体)
(配列番号:11)
3’-フルオレセインHybProbe 3:
5’-ATT TCC TTG GGG AGA AAT CTC GTG CCC A-Fluos-3’(28量体)
(配列番号:12)
5’-RedCy5 HybProbe 3:
5’-Cy5-ACC TGG TGA TGA ATC CCT TAC TAT TTA GAA TAA GGA AC-3’(37量体)(配列番号:13)
増幅およびそれに続く融解曲線解析は、以下のサーモサイクリングプロトコルに従い、本発明の最良の形態として前記開示のLightCycler機器で行った。
結果を図7に示す。図面から推定できるように、4つの異なるアクセプター色素と共にハイブリダイゼーションプローブを用いる4色融解曲線解析は、適当な色補正方法を用いて行なうことができた。ハイブリダイゼーションプローブ特異的融解ピークは、次いで、いかなる実質的クロストーク効果もなく検出することができた。
デュアルカラーTaqMan検出
本発明の最良の形態によるLightCycler機器は、デュアルカラーTaqManアッセイの感受性検出のための全ての手段を提供した。確立されたTaqMan色素FAMおよびHEXは470nm LEDでよく励起され、機器の色補正機能を用いた後は、高い感度でもって530nmおよび560nm検出チャネルで異なって同定できた。本発明による機器へのデュアルカラーTaqManアッセイプロトコルの移行は、単純に、確立されたアッセイ条件にBSAを補充することによって行った。
成功したデュアルカラー増幅および検出の異なる例を図8に示す。図8aは、FAMまたはHEXのいずれかを用いるモノカラー実験において、デュアルカラーTaqManアッセイについての約1コピー/μlの検出感度が得られた。(陰性対照のみが、PCR反応後に蛍光の有意な増加をもたらさなかった)。図8bはデュアルカラー実験を示し、ここで、Hex標識TaqManプローブを常に用いて、第一の標的DNAの500コピーを検出し、同一の反応において、FAM標識TaqManプローブを用いて、第二の標的DNAの異なる量(100〜106コピーを検出した)。
(検出されるようになる2つの標的の濃度の相対的差の指標である)ダイナミックレンジは約103であった。
本発明の態様として、以下のものが挙げられる。
[1]少なくとも3、好ましくは4〜5、最も好ましくはちょうど4対のFRETハイブリダイゼーションプローブを含み、ハイブリダイゼーションプローブの各対は、FRETドナー部分、および550〜710nmの発光最大を有するFRETアクセプター部分を保持するFRETアクセプタープローブを保持するFRETドナープローブからなる、マルチカラーリアルタイムPCRを行うための組成物または反応混合物。
[2]少なくとも3つ、好ましくは少なくとも4つ、最も好ましくはちょうど4つのFRETドナー部分が同一である、[1]記載の組成物または反応混合物。
[3]全てのFRETドナー部分が同一である、[1]記載の組成物または反応混合物。
[4]少なくとも3つ、好ましくは4つ、最も好ましくはちょうど4つのFRETドナー部分がフルオレセインである、[1]記載の組成物または反応混合物。
[5]全てのFRETドナー部分がフルオレセインである、[1]記載の組成物または反応混合物。
[6]少なくとも1つのさらなるFRETドナー部分がAtto425およびWI343からなる群から選択される、[1]〜[5]いずれか記載の組成物または反応混合物。
[7]1つのFRETアクセプター部分がLC-Red 705、Cy5.5およびJA286からなる群から選択される、[1]〜[6]記載いずれかの組成物または反応混合物。
[8]少なくとも1つ、2つまたは3つのFRETアクセプター部分が、Cy5、LC-Red 640およびLC-Red 610からなる群から選択される、[1]〜[7]いずれか記載の組成物または反応混合物。
[9]1つのFRETアクセプター部分が、Rh6GおよびTAMRAからなる群から選択される、[1]〜[8]いずれか記載の組成物または反応混合物。
[10]・リアルタイムPCR機器および
・[1]〜[9]いずれか記載の組成物または反応混合物
を含む、マルチカラーリアルタイムPCRを行うためのシステム。
[11]該リアルタイムPCR機器が
・少なくとも1つの光源、好ましくはLED
・それぞれが少なくとも25、好ましくは少なくとも30nm互いに異なる中央検出波長を有する少なくとも4つ、好ましくは5〜6つの蛍光検出実体
を含み、
該検出実体が
・少なくとも3つ、好ましくは4つ、最も好ましくは5つの異なる標識をされたFRETハイブリダイゼーションプローブ対の最大蛍光発光を同時に検出すること、
・少なくとも2つの異なる標識をされたTaqManハイブリダイゼーションプローブの最大蛍光発光を同時に検出すること、および
・SybrGreenI最大蛍光発光検出すること
ができることで特徴づけられ、
・加熱および冷却のための手段
・反応混合物を含むための複数の反応容器
を含む、[10]記載のシステム。
[12]該リアルタイムPCR機器がちょうど1つの光源を含むことで特徴付けられる、[11]記載のシステム。
[13]複数の標的DNA配列を増幅および検出するための方法であって、
a) [1]〜[9]いずれか記載の組成物または反応混合物を提供する工程、
b)該反応混合物を、該複数の標的配列の増幅が起こり得るようにサーモサイクリングプロトコールに供する工程、
c)複数の増幅サイクルの後にFRETハイブリダイゼーションプローブの該対のそれぞれのハイブリダイゼーションを少なくとも1回モニタリングする工程
を含む方法。
[14]ハイブリダイゼーションが、温度依存的な様式で少なくとも1回モニタリングされる、[13]記載の方法。
[15]・少なくとも1つの光源、好ましくはLED
・それぞれが互いに少なくとも25、好ましくは少なくとも30nm異なる中央検出波長を有する5〜6つの蛍光検出実体
を含み、該検出実体が
・少なくとも3つ、好ましくは4つ、最も好ましくは5つの異なる標識をされたFRETハイブリダイゼーションプローブ対の最大蛍光発光を同時に検出すること
・少なくとも2つの異なる標識をされたTaqManハイブリダイゼーションプローブの最大蛍光発光を同時に検出すること、および
・SybrGreen Iの最大蛍光発光を検出すること
ができることで特徴付けられ、
・加熱および冷却するための手段
・反応混合物を含むための複数の反応容器
を含む、リアルタイムPCR機器。
[16]ちょうど1つの光源を含む、[15]記載のリアルタイムPCR機器。
[17]該中央検出波長が一群の波長の範囲から選択されることで特徴付けられ、該群が520〜540nm、545〜565nm、570〜590nm、600〜620nm、630〜650nm、660〜680nmおよび700〜720nmである、[15]または[16]記載の機器。

Claims (3)

  1. −−蛍光化合物を含む反応容器の方に光を放射し得る少なくとも1つの光源、
    −反応容器から光を受容するように配置され、光繊維束に伝達するために該光を均一に分布させ得る光パイプ
    を含む励起ユニット;
    −少なくとも5つの別個の蛍光検出実体を含む検出ユニット、該検出実体の各々は、互いに少なくとも25nm異なる中央検出波長を有する;
    −少なくとも5つの複数の光繊維束、該束の各々は、光パイプからの均一に分布した光を受容するように配置され、該光を該蛍光検出実体に伝達する;
    −加熱および冷却するための手段;ならびに
    −反応混合物を含むための複数の反応容器
    を含んでなる、少なくとも5つの異なる標識をされたFRETハイブリダイゼーションプローブ対の最大蛍光発光を同時に検出するためのリアルタイムPCR機器であって、該複数の検出実体が、少なくとも5つの異なる蛍光化合物の最大蛍光発光を同時に検出し得、該励起ユニットおよび検出ユニットは、別々のハウジングに位置する、リアルタイムPCR機器。
  2. 1つの光源を含む請求項1記載のリアルタイムPCR機器。
  3. 該中央検出波長が一群の波長の範囲から選択され、該群が520〜540nm、545〜565nm、570〜590nm、600〜620nm、630〜650nm、660〜680nmおよび700〜720nmからなる、請求項1記載の機器。
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