JP5142607B2 - カバーステント及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、血管等の生体内脈管構造内に挿入する医療用カバーステント、特に冠動脈形成術に用いられ、血管内に挿入及び留置するための医療用カバーステント及びその製造方法に関する。
ステントとは、急性心筋梗塞等、心臓の冠動脈が競作することによって引き起こされる病気に対して、血管内に挿入することにより患部(狭窄部位)を機械的に拡張させ、血流を改善するために用いられる筒状の医療用具であり、通常は、ステンレス等の金属製である。
ステントは、例えば、経皮的冠動脈形成術(PTCA)においては、直径が小さい状態でバルーンカテーテルと共に上腕又は大腿部の動脈から体内へ挿入される。血管の狭窄部位までカテーテル先端を誘導した後、先端のバルーンカテーテルを拡張させると、同時にステントも拡張され直径が大きくなり、その状態が維持される。
その後、バルーンカテーテルを縮小し、血管内から除去するが、ステントは血管内に留置される。その結果、血管が拡張して血流量が増大した状態が維持される。
この他、ステントは、胆管、尿管、大動脈瘤等人体の他の管腔部位にも用いることができる。そして、ステントを使用することにより、従来のバルーンカテーテルのみを用いた血管等の拡張術と比較して、狭窄部位の再狭窄は大幅に減少したとされる。
しかし、金属製ステントは、体内では異物であり、ステント挿入後数週間内に発症する血栓症がステントを用いる治療法における大きな課題となっている。また、金属製ステントを血管内等に留置することにより、血管内皮等の増殖が促進され、再狭窄を引き起こすとも言われている。
血管内壁を損傷させないために、ステントと血管との生物学的界面を高分子膜等で被覆することが知られている。例えば、直径1μm程度の細孔を有する電界紡糸ポリマー繊維からなる被膜でステントを被覆する発明が、特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示される発明では、薬剤を含んだカプセルの固定加工も同時に行われ、薬剤放出効果による細胞過剰増殖等の血管障害に対して効果があるとされる。
ステントの外表面をコーティングするための方法としては、特許文献1に開示されるような電界紡糸法(静電噴霧法:electrospinning)は非常に有用とされる。ステントのコーティングに静電噴霧法を利用すると、数十nm〜数十μmという広い範囲で被覆層の厚さを調整することが可能である。
特表2004−532665号公報
ここで、ステントは血管内等に挿入する非常に小さな医療用具であり、表面に形成する被覆層は薄く、かつ、均一でなければならず、静電噴霧法を用いてもその様な被覆層を形成することは困難であった。ところが、特許文献1には、ステント表面の被覆層の密度分布を調整するための工夫は開示されていない。
本発明は、外表面に伸縮性を有する生分解性有機重合性繊維からなる被覆層を薄く、かつ、均質に形成することにより、血管瘤治療後のステントにより補強治療をより安全に行うことができるカバーステント及びその製造方法の提供を目的とする。
本発明のカバーステントの製造方法は、生分解性有機重合性繊維を有機溶媒に溶解した紡糸液に高電圧を印加して、アースを施した表面が伝導性の管状ステントに静電噴霧することを第1の特徴としている。
また、本発明のカバーステントの製造方法は、上記管状ステントを、内孔の偏心位置を回転中心として回転させながら、生分解性有機重合性繊維を外表面に巻き付け、被覆層を形成することを第2に特徴としている。
具体的に、本発明は、
伸縮可能で表面が導電性である管状ステントと、
前記管状ステントの外表面を覆う生分解性有機重合性繊維からなる被覆層とを備える医療用カバーステントの製造方法であって、
生分解性有機重合性物質を有機溶媒に溶解させた紡糸液を調製する調製工程と、
前記紡糸液に高電圧を印加して、アースを施し、かつ、長軸を水平に設置した前記管状ステントに、前記紡糸液を静電噴霧しながら、静電紡糸有機性繊維からなる被覆層を外表面上に形成させる静電噴霧工程とを含み、
前記静電噴霧工程においては、前記管状ステントの内孔にアースを施した導電性の支柱を挿入し、前記支柱を前記管状ステント内孔の偏心位置に固定した後、前記管状ステント内側が前記支柱と直接接触するように、前記支柱を前記支柱の中心軸を回転中心として回転させることを特徴とする製造方法に関する。
前記管状ステントは、金属製(例えば、ステンレス製)であることが好ましい。
前記生分解性有機重合性物質は、コラーゲン又は乳酸/グリコール酸共重合体であることが好ましい。
前記紡糸液への印加電圧は、10kV以上30kV以下であることが好ましい。
また、本発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカバーステントの製造方法によって製造された医療用カバーステントに関する。
上記第1の特徴により、金属製のステントのみならず、表面をメッキしたプラスチック製ステントであっても、静電噴霧を利用して生分解性有機重合性繊維でカバーすること画家能である。
また、上記第2の特徴により、ステントの外表面に薄く、かつ、均一に被覆層を形成することが可能である。
本発明の製造方法によって製造されるステントは、被覆層が均一であるため、術後の患部組織(血管内皮)がステント本体と直接接触することがなく、血栓が発生しにくい。また、ステントの網目から血管内皮細胞が入り込むことが防止でき、内膜の肥厚化が進行しにくい。
術後1週間から10日経過して、患部組織が治癒した後には、ステント外表面に形成された生分解性有機重合性繊維が分解され、患部から自然に除去することができる。
以下に、本発明の実施の形態について、適宜図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、これらに限定されるものではない。
血管等の生体内脈管構造内に挿入する医療用ステントの一般的構造の一例を、図1に示す。医療用ステントの外観は、図1(a)に示したように、中空の円柱状をしている。材質としては、18-8ステンレス等が使用される。また、医療用ステントの直径(外径)及び長さは、挿入する部位に応じて、適宜選択される。
医療用ステントの使用前の壁面構造は、図1(b)に示したような構造となっており、血管内等で半径方向に拡張した時には、図1(c)に示したように、構造が変化する。術後の医療用ステントは、図1(c)に示す拡張した状態を維持することにより、血管等を拡張して血流等を改善する。
次に、本発明の医療用ステントの製造方法において使用する静電噴霧装置の一例を、図2に示す。静電噴霧装置1は、密閉容器2の上部に絶縁板3を備えている。絶縁板3には金属製ホルダー4に接続された金属製ノズル5が固定されている。金属製ホルダー4には、金属製ノズル5の反対側に送液配管7が接続されると共に、高圧電源6が接続されている。
送液配管7は、別の密閉容器8の内部に収容されている容器9へと通じており、容器9内には紡糸液10として生分解性有機重合性繊維の有機溶媒溶液が満たされている。さらに、密閉容器8は、コンプレッサー11と接続しており、内部を加圧状態にすることができる。
コンプレッサー11をONにすると、密閉容器8の内部が加圧され、容器9内の紡糸液10は、送液配管7を通って金属製ノズル3へと送液される。
密閉容器2の内部には、表面が導電性であるステント12が設置される。ステント12の内孔には、導電性の支柱17が挿入されている。この支柱17には、アース14が設置されている。
また、支柱17は、モーター13に接続しており、モーター13を起動させることにより、中心軸を回転中心として回転させることができる。
モーター13の上部には、静電噴霧された生分解性有機重合性繊維がモーター13に付着することを防止するために、カバー16が設置されている。
次に、ステント12と支柱17の固定状態について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3に示すように、ステント12の内孔に支柱17を挿入し、ステント12の内孔の偏心位置でステント12と支柱17を固定する。ステント12は、支柱17に取り付けた2個のゴムリング20に挟持させて固定する。
図3のA−A断面図を、図4に示す。ステント12は通常管状(円柱状)であるため、内孔の断面は真円となる。符号18は、内孔の中心を表している。支柱17は、内孔の上端部でステントに固定されているが、図3及び図4では円柱状である支柱17の断面も真円であり、その中心は符号19である。そして、支柱17をモーター13によって回転させると、ステント12は、符号18ではなく、符号19を回転中心として回転する。
ここで、ステント12の回転運動について、図5〜図7を参照しながら、さらに詳細に説明する。図5(a)に示した状態から、モーター13を起動させて支柱17を、支柱17の先端からモーター13に向かって時計回りに180°回転させた場合、図5(b)の状態となる。このとき、支柱17に位置は同じであるが、ステント12は、内孔の偏心位置である符号19を回転中心として回転するため、上方にX移動する。
次に、図5(a)に示した状態から、モーター13を起動させて支柱17を、支柱17の先端からモーター13に向かって時計回りに180°回転させた場合、図5(b)の状態となる。このとき、支柱17に位置は同じであるが、ステント12は、内孔の偏心位置である符号19を回転中心として回転するため、上方に距離X移動する。このように、ステント12は、支柱17を中心として、距離Xだけ上下動することになる。
次に、図6(a)に示した状態から、モーター13を起動させて支柱17を、支柱17の先端からモーター13に向かって時計回りに180°回転させた場合、図6(b)の状態となる。このときも、支柱17に位置は同じであるが、ステント12は、右側に距離X移動する。このように、ステント12は、支柱17を中心として、距離Xだけ左右動することになる。
すなわち、内孔の中心18に支柱17を固定した場合、符号18と符号19が一致するため、ステント12は、図7(a)に示すように、同じ位置で回転するが、図3及び図4に示した状態で支柱17と固定した場合には、図7(b)に示すように、上下及び左右に移動しながら回転する。本発明のカバーステントの製造方法においては、図7(b)に示すようにステント12を、上下及び左右に移動させながら回転させ、静電噴霧された生分解性有機重合性繊維を外周に巻き付け、被覆層を形成することを大きな特徴としている。
ここで、高圧電源6をONにすると、金属製ホルダー4を通して金属製ノズル5に高電圧が印加される。このとき、図8に示すように、高電圧によって金属製ノズル5内を流れる紡糸液10に電荷が誘発、蓄積される。金属製ノズル5から噴出された後、コラーゲン溶液は、プラスに帯電するために互いに反発する。
この反発力は、コラーゲン溶液の表面張力に対抗し、荷電臨界を超えると(表面張力を超えると)、紡糸液は帯電ミストになる。この帯電ミストの表面積は、体積に対して非常に大きいため、有機溶媒が効率良く蒸発し、さらに体積の減少により電荷密度が高くなるため、紡糸液は帯電微少ミスト15へと分裂していく。
金属製ノズル5は高電圧を印加されているが、導電性の支柱17及び支柱17に固定されているステント12はアースされているので、金属製ノズル5とステント12との間には、強い電界が形成されている。帯電微少ミスト15は、互いに反発しながら、形成された電界により表面が導電性のステント12に向かって進行するが、途中で溶媒が揮散し、繊維化した生分解性有機重合性繊維として、ステント12上に捕集される。このとき、金属製ノズル5に付与された荷電と反対の符号を有する荷電をステント12に付与してもよい。
なお、金属製ノズル5の内径は、0.1 mm以上2.0 mm以下であることが好ましく、0.1 mm以上1.0 mm以下であることがより好ましい。
金属製ホルダー4(及び金属製ノズル5)に印加する高電圧は、1 kV以上50 kV以下の直流電圧であることが好ましく、10 kV以上30 kV以下の直流電圧であることがより好ましい。
金属製ノズル5からの紡糸液の吐出速度は、0.01 mL/分以上10 mL/分以下であることが好ましい。この吐出速度は、密閉容器8内を加圧するコンプレッサー11の出力を制御することにより、調整することが可能である。
なお、ここでは、ホルダー、ノズル及び網を全て金属製としたが、金属製に限らず導電性材料であればよい。また、密閉容器2を用いずに、開放系で紡糸液を静電噴霧してもよい。
また、ステント12と金属製ノズル5を水平に配置し、水平方向から静電噴霧を行ってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
本発明の実施例1として、以下の製造方法によりコラーゲン繊維カバーステントを製造した。
1)調製工程
まず、可溶性コラーゲンをpH 2に調整した塩酸に溶解させた後、ろ過してコラーゲン水溶液(コラーゲン濃度:8.12重量%)を得た。次に、このコラーゲン水溶液100 mLに対して20 mLの割合でヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を添加して、コラーゲン溶液を得た。なお、コラーゲン溶液中の水とHFIPの重量比は、8:2〜5:5とすることが好ましい。
コラーゲン水溶液は、粘度が高く、そのままの状態では静電噴霧によってコラーゲン繊維を製造することはできないが、HFIPを添加してコラーゲン溶液とすることにより、粘度が低下して静電噴霧によってコラーゲン繊維を製造することが可能となる。
2)静電噴霧工程
次に、上記調製工程で製造したコラーゲン溶液を、図2に示す静電噴霧装置1を用いて繊維化し、コラーゲン繊維の不織布を製造した。ここでは、金属製ノズル5として内径0.2 mm、長さ1cmのステンレス製ノズルを使用し、金属製ノズル5の下端部からステント12までの距離を10cmとした。また、ステンレス製ホルダー(金属製ホルダー4)に可変電圧器(高圧電源6:パレス電子技術株式会社製)を接続し、20 kVの直流電圧を印加した。なお、コラーゲン溶液の噴出速度は、4.4 mL/分とした。
ステント12としては、外径1.5 mm、内径1.2 mmのステンレス製医療用ステント((株)カネカ製、カネカステントD30L18型、材質SUS316L)を使用した。支柱17としては、直径0.6 mmのステンレス製の円柱を使用し、ステント12と支柱17は、図3に示すように、2個のゴムリング20を用いて固定した。
支柱17は、モーター13によって毎分105回転させた。このとき、ステント12は、内孔の偏心位置を回転中心として、図7(b)に示すように回転した。なお、支柱17は、毎分50〜10000回転させることができるが、毎分100〜2000回転させることが好ましい。
紡糸液を静電噴霧した結果、ステント12の外周には、白いコラーゲン繊維が均一に捕集され、コラーゲン繊維からなる被覆層が形成された。このコラーゲン繊維は、捕集された直後であっても、コラーゲンの溶媒であったが水及びヘキサフルオロイソプロパノールが完全に揮散していた。また、このコラーゲン繊維は非常に繊細であり、形成された被覆層も均質であった。
実施例1のコラーゲン繊維の電子顕微鏡写真を、図9(a)及び図9(b)に示す。実施例1のコラーゲン繊維は、図9(a)に示すように繊維径が均一であり、電子顕微鏡写真に基づいて5箇所の繊維径を測定し、その平均値を算出したところ、約5μmであった。また、図9(b)からも明らかなように、実施例1のコラーゲン繊維は、その表面が非常に平滑であった。
次に、実施例1のカバーステント外観の拡大写真を、図10(a)に示す。実施例1のカバーステントは、ステント表面に均一に被覆層が形成されていた。この被覆層は、伸縮性を有する繊細なコラーゲン繊維から構成されているため、ステント本体を図1(c)に示すように拡張させる際、被覆層自身も拡張できるために、ステント拡張を妨げることがない。
実際に実施例1のカバーステントを内径3.0mmにまで拡張した場合においても、被覆層が破損することはなかった。
(実施例2)
次に、実施例2として、乳酸/グリコール酸共重合体(PLGA)(平均分子量22万、乳酸:グリコール酸=75:25(モル比))をジクロロメタンに溶解させ、10重量%とした溶液を紡糸液として使用した。そして、紡糸液が異なること以外は、すべて実施例1と同様にしてカバーステントを製造した。
実施例2のPLGA繊維も、実施例1のコラーゲン繊維と同様、繊維径が均一であり、平均繊維径は約5μmであった。
次に、実施例2のカバーステント外観の拡大写真を、図10(b)に示す。実施例1のカバーステントは、ステント表面に均一に被覆層が形成されていた。この被覆層は、伸縮性を有する繊細なPLGA繊維から構成されているため、ステント本体を図1(c)に示すように拡張させる際、被覆層自身も拡張できるために、ステント拡張を妨げることがない。
実際に実施例2のカバーステントを内径3.0 mmにまで拡張した場合においても、被覆層が破損することはなかった。
(比較例1)
次に、比較例1として、直径1.2 mmのステンレス製の円柱を支柱17として使用し、ステント12を、内孔の中心を回転中心として図7(a)に示すように回転させた。それ以外は、すべて実施例1と同様にしてカバーステントを製造した。
なお、比較例1においても、ステント12と支柱17は、図3に示すように、2個のゴムリング20を用いて固定した。
比較例1のカバーステントは、ステントのいずれか一端に被覆層が偏って形成されていた。この被覆層の偏りは、コラーゲン溶液の濃度、印加電圧、金属ノズルとステントの距離、支柱の回転数を偏差させて実験を繰り返しても、解消することはできなかった。
また、この被覆層の偏りは、ステントと金属製ノズルを水平に設置し、図11(a)又は図11(b)に示すように、紡糸液(コラーゲン溶液)を水平方向から噴霧しても解消することはできなかった。
なお、図2又は図11(a)に示すような状態でコラーゲン溶液を噴霧する場合には、被覆層は、実験を行うたびにいずれか一端に偏って形成されたが、図11(b)に示すような状態では、金属製ノズル5に近い端部に被覆層が偏って形成された。
(比較例2)
次に、比較例2として、直径1.2 mmのステンレス製の円柱を支柱17として使用し、ステント12を、内孔の中心を回転中心として図7(a)に示すように回転させた。それ以外は、すべて実施例2と同様にしてカバーステントを製造した。
なお、比較例2においても、ステント12と支柱17は、図3に示すように、2個のゴムリング20を用いて固定した。
比較例2のカバーステントも、ステントのいずれか一端に被覆層が偏って形成されていた。この被覆層の偏りは、PLGA溶液の濃度、印加電圧、金属ノズルとステントの距離、支柱の回転数を偏差させて実験を繰り返しても、解消することはできなかった。
また、この被覆層の偏りは、ステントと金属製ノズルを水平に設置し、図11(a)又は図11(b)に示すように、PLGA溶液を水平方向から噴霧しても解消することはできなかった。
なお、図2又は図11(a)に示すような状態でPLGA溶液を噴霧する場合には、被覆層は、実験を行うたびにいずれか一端に偏って形成されたが、図11(b)に示すような状態では、金属製ノズル5に近い端部に被覆層が偏って形成された。
ここで、比較例2及び実施例2において製造されたカバーステントの全体写真を、図12(a)及び図12(b)にそれぞれ示す。比較例2のカバーステントは、ステント左側にPLGA繊維が多く巻き付いた結果、PLGA繊維から構成される被覆層が偏って形成されていた。
一方、実施例2のカバーステントは、ステント外周にPLGA繊維が均等に巻き付いた結果、PLGA繊維から構成される被覆層が均一に形成されていた。
なお、比較例1及び実施例1において製造されたカバーステントの全体写真も、比較例2及び実施例2と同様であった。
本発明のカバーステント及びその製造方法は、医療用ステント及びその製造方法として、医療用具及び外科医療の分野において有用である。
医療用ステントの一般的構造の一例を示す図であり、図1(a)は外観図、図1(b)は使用前の側面図、図1(c)は拡張後の側面図である。 本発明のコラーゲン繊維の製造方法において使用する静電噴霧装置の一例を示す概略図である。 ステント12と支柱17の固定状態の一例を示す外観図である。 図3のA−A断面図である。 ステント12の回転を説明する図である。 ステント12の回転を説明する図である。 ステント12の回転を説明する図であり、図7(a)は内孔の中心(符号18)を回転中心とする場合、図7(b)は支柱断面の中心(符号19)を回転中心とする場合である。 静電噴霧装置を作動させた時の、金属製ノズル下端部付近の紡糸液の状態を示す拡大概略図である。 実施例1に係るコラーゲン繊維の走査型電子顕微鏡写真である。 カバーステント外観の拡大写真であり、図10(a)は実施例1のカバーステント、図10(b)は実施例2のカバーステントである。 紡糸液を水平方向に噴霧する場合のステント及び金属製ノズルの位置関係を示す図であり、図11(a)はステントの長軸に対して金属製ノズルを直角方向に設置する場合、図11(b)はステントの長軸の延長線上に金属製ノズルを設置する場合を示す外観図である。 カバーステントの全体写真であり、図12(a)は比較例2のカバーステント、図12(b)は実施例2のカバーステントである。
1:静電噴霧装置
2:密閉容器
3:絶縁板
4:金属製ホルダー
5:金属製ノズル
6:高圧電源
7:送液配管
8:別の密閉容器
9:容器
10:紡糸
11:コンプレッサー
12:ステント
13:モーター
14:アース
15:帯電微小ミスト
16:カバー
17:支柱
18:ステント内孔の中心
19:支柱断面の中心
20:ゴムリング

Claims (5)

  1. 伸縮可能で表面が導電性である管状ステントと、
    前記管状ステントの外表面を覆う生分解性有機重合性繊維からなる被覆層とを備える医療用カバーステントの製造方法であって、
    生分解性有機重合性物質を有機溶媒に溶解させた紡糸液を調製する調製工程と、
    前記紡糸液に高電圧を印加して、アースを施し、かつ、長軸を水平に設置した前記管状ステントに、前記紡糸液を静電噴霧しながら、静電紡糸有機性繊維からなる被覆層を外表面上に形成させる静電噴霧工程とを含み、
    前記静電噴霧工程においては、前記管状ステントの内孔にアースを施した導電性の支柱を挿入し、前記支柱を前記管状ステント内孔の偏心位置に固定した後、前記管状ステント内側が前記支柱と直接接触した状態で、前記支柱を前記支柱の中心軸を回転中心として回転させることを特徴とする製造方法。
  2. 前記管状ステントが金属製である請求項1に記載の医療用カバーステントの製造方法。
  3. 前記生分解性有機重合性物質がコラーゲン又は乳酸/グリコール酸共重合体である請求項1又は2に記載の医療用カバーステントの製造方法。
  4. 前記紡糸液への印加電圧が10kV以上30kV以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の医療用カバーステントの製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカバーステントの製造方法によって製造された医療用カバーステント。
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