JP5142049B2 - 部品の停止位置決め部材 - Google Patents

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Description

この発明は、移送されてきた部品を受け止めるとともに、磁石で吸引して部品の停止位置を設定する部品の停止位置決め部材に関している。
一般的に部品の停止位置決め部材は種々な箇所に採用されているが、その一例として特許第3985237号公報に記載されたプロジェクションナット供給装置がある。これは、図7(A)に示され、移送されるプロジェクションナットは、図2(A)、(B)に示されている。以下の説明において、プロジェクションナットを単にナットと表現する場合もある。
図2(A)、(B)に示したプロジェクションナット1について説明すると、本体部2は真上から見ると正方形であり、その中央にねじ孔3が設けてある。本体部2の片側の四隅に溶着用突起4が形成されている。この溶着用突起4は図2(A)、(B)から明らかなように、ねじ孔3の軸線方向に突出しているとともに、ねじ孔3の直径方向にも本体部2から突き出ている。したがって、本体部2の横側面2Aから突出しており、この突出寸法は符号Lで示されている。換言すると、図7におけるナット1の移動状態から明らかなように、本体部2からナット1の搬送方向に突き出た突起が形成されている。
ナット1の各部の寸法は、本体部2の縦横寸法は13mm、ねじ孔3の中心線方向の高さ寸法は4.5mm、ねじ孔3の内径は6mm、突出寸法Lは0.5mmである。
図7(A)に示したプロジェクションナット供給装置5について説明すると、これは所定の位置に一時係止されたナット1を供給ロッドで串刺しにして目的箇所へ供給する形式のものである。パーツフィーダ(図示していない)から送出されたナット1は、断面矩形の供給管6によって仮止室7に到達する。供給管6の端部に断面円形のガイド管8が溶接されて、供給管6とガイド管8は直交した位置関係とされ、ナット1の進出方向の端部に停止位置決め部材9が配置してある。つまり、ナット1の搬送方向の終端部に停止位置決め部材9が配置してある。そして、前述の突出寸法Lは、この搬送方向に向かって形成されている。このようにして供給管6とガイド管8と位置決め部材9によって形成された空間が、仮止室7とされている。仮止室7には、ナット1が送出される出口開口10が設けてある。
前記ガイド管8内に、供給ロッド12が進退可能な状態で収容されている。この供給ロッド12は断面が円形であり、ガイド管8内を摺動する大径の摺動部13と、これよりも小径でナット1のねじ孔3を貫通するガイドロッド14によって構成されている。摺動部13とガイドロッド14の境界部に、ナット1の上面に密着する押出し面18が形成されている。ガイド管8にエアシリンダ11が取り付けられ、そのピストンロッドが供給ロッド12に結合されている。
前記停止位置決め部材9について説明する。
この停止位置決め部材9は、仮止室7の内壁面の一部を構成するもので、ガイド管8に溶接された押さえ金具15に固定ボルト16をねじ込んで固定されている。この固定は、ガイド管8の端部外周部に形成した平坦な受け面17に停止位置決め部材9が押し付けられることによってなされている。
停止位置決め部材9は3層構造になっていて、厚い鋼板で形成された主部材19に円形の貫通孔をあけ、そこに円形の磁石(永久磁石)20をはめ込み、仮止室7側に保護板21が貼り付けられ、その反対側に背板22が貼り付けられている。つまり、主部材19の厚さと磁石20の厚さが同じに設定され、その両側に保護板21と背板22が部分溶接により貼り付けてある。仮止室7に入ってきたナット1は、矢線26で示す方向に作用する磁石20の吸引力によって勢いよく保護板21に受け止められ、そのねじ孔3とガイドロッド14がほぼ同軸になった状態で停止する。
一方、ナット1が供給される箇所は電気抵抗溶接の電極である。固定電極23上に鋼板部品24が載置され、この鋼板部品24を貫通して突き出ているガイドピン25に、2点鎖線図示のようにナット1が供給される。この供給動作は、供給ロッド12の進出によってガイドロッド14がねじ孔3を貫通し、押出し面18でナット1を押し出してガイドロッド14の先端部がガイドピン25の直近で停止すると、ナット1はガイドロッド14を滑動してガイドピン25に合致する。その後、供給ロッド12が後退し可動電極36が進出して、ナット1が鋼板部品24に溶接される。
そして、供給ロッド12が進出している間は、2番目のナット1は摺動部13によって移動が禁止されているが、供給ロッド12が図7(A)に示す位置まで戻ると、2番目のナット1が磁石20に吸引されて勢いよく保護板21に衝突し、位置決めがなされて次の供給ロッド12の進出に備える。
さらに、磁石の配置については、特許第3398791号公報に記載されたものがある。
特許第3398791号公報には、長時間停止しているプロジェクションナット供給装置5を始動させると、供給ロッド12の速度変化に異常をきたすことが記載されている。この異常は、図7(B)に示すように、ストロ−ク開始直後はピストン速度が急激に高まり、その直後に急激に低下する。その後は一定速度になる。
このような現象が発生するのは、エアシリンダ11の内面とピストンとの間の潤滑油に粘着抵抗があるため、長時間停止後に作動空気がエアシリンダ11内に供給されると、初期の間はただちに供給ロッド12を移動させることができず、エアシリンダ11内の空気圧力が高くなり、それが一定値に達すると急激に始動するためである。特に、潤滑油の粘着現象はエアシリンダ11を長時間停止させておくと発生しやすい問題である。したがって、ピストンに作用する初期圧力は高くなり、供給ロッド12の初速が図7(B)に示すように、高くなるのである。
上記エアシリンダと同様な異常速度の問題が、電動モータの場合にも存在する。これは電動モータの回転動作を供給ロッドの進退動作に変換する変換機構が採用されるのであるが、長時間停止している間に変換機構の潤滑油の粘性が高まって、エアシリンダと同様な粘着現象が発生する。また、何等かの原因で電圧が変化すると、供給ロッドの速度に異常現象が発生する。
このような速度特性を有する供給ロッド12が進出すると、非常に速度が高い時期に押出し面18がナット1に密着してナット移動がなされるが、その直後には供給ロッド12に進出速度が急激に低下するので、ナット1だけがガイドロッド14上を先行的に滑動し、したがって、ガイドロッド14の先端が目的箇所に到達するまでに、ナット1がガイドロッド14から抜け出てしまうことになる。
換言すると、図7(A)に示すように、ナット1の押し出し方向で見たナット1の高さ寸法と、同方向で見た磁石20の寸法が、ほぼ同じであるために、ナット1が異常高速で押し出された直後には、磁石20による制動現象が消滅するために、ナット1が弾き飛ばされたような現象が発生するのである。
特許第3985237号公報 特許第3398791号公報
特許文献1のような先行技術であると、図7(C)に示すように、保護板21と磁石20との間に隙間Cができやすいことになる。このような隙間Cは、磁石20の厚さ寸法や主部材19の厚さ寸法が所定の精度になっていないことが要因になってできてしまう。とくに、磁石20の厚さ寸法が主部材19の厚さ寸法を上回ると、保護板21を平坦な状態で主部材19に密着させることができないので、両者の寸法の大小関係を逆にして、上記隙間Cを意識的に形成するようになっている。なお、図示の隙間Cは、理解しやすくするために寸法を拡大して記載してある。
ところで、ナット1の押し出し方向で見たナット1の高さ寸法と、同方向で見た磁石20の寸法が、ほぼ同じであるために、つまり、磁石20の押し出し方向寸法S(磁石20の直径寸法)が小さくなっている。そのため、ナット1の衝撃で保護板21が隙間Cの方へ撓み込んだ場合、保護板21の屈曲変形量が大きくなり、この屈曲部に割れが発生するという問題がある。
さらに、磁石20の直径Sが小さくて磁石が小型であると、ナット1に対する吸引力が不足する場合がある。とくに、保護板21の厚さを大きくした場合にこの問題が発生しやすい。
他方、特許文献2のような先行技術であると、1つ目の磁石が進入してきたナットに対応して仮止室への吸引導入を果たし、2つ目の磁石が1つ目の磁石から離隔させて配置してある。この2つ目の磁石がナットに制動力を付与して、供給ロッドの異常速度によるナットの弾き飛ばしを防止するようになっている。
しかしながら、このように2つ目の磁石が離隔して配置してあると、2つ目の磁石で制動されて低速状態になっているナットに対して、供給ロッドの押出し面が急激に衝突するので、この時の衝撃でナットが弾き飛ばされ、ガイドロッドから抜け出るという問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するために提供されたもので、保護板の耐久性を向上させるとともに、部品の弾き飛ばしを防止することのできる部品の停止位置決め部材の提供を目的とする。
請求項1記載の発明は、主部材に形成した収容孔に磁石をはめ込みその表面側を保護板で覆って磁性材料製の部品を吸引して受け止め、この部品を供給ロッドの進出により保護板に沿って所定の方向へ押し出す形式のものにおいて、磁石は部品の進入方向に進退可能な状態で収容孔に挿入され、磁石の背面と収容孔の底面との間に緩衝部材が配置され、部品の押し出し方向で見た部品の高さ寸法に対する同方向で見た磁石の寸法の比が、2.5以上に設定され、収容孔の開口角部が保護板が屈曲する屈曲箇所とされ、前記2.5以上の寸法比設定によって屈曲箇所における保護板の弾性変形量を少なくしたことを特徴とする部品の停止位置決め部材である。
上述のように部品の高さ寸法に対する磁石の寸法の比が、2.5以上に設定されているので、部品に対して十分に大きな磁石の寸法となり、保護板が収容孔内へ撓み込むときには、保護板の屈曲箇所における曲げ変形量がわずかなものとなる。換言すると、保護板と磁石との間の隙間寸法に対する曲げ込み区間の長さが大きく設定できるので、屈曲箇所における曲げ変形量、すなわち、弾性変形量が少なくなる。したがって、保護板と磁石との間に隙間が形成された場合であっても、保護板が屈曲箇所で割れるようなことが回避でき、保護板の耐久性を向上することができる。
さらに、部品の高さ寸法に対する磁石の寸法の比が、2.5以上に設定されているので、部品が磁石に吸引されて一時係止されている状態から押し出されて行くときには、吸引状態が途切れることなく連続的な状態で継続する。したがって、供給ロッドの初期過大速度が正常な均一速度に変化する時期まで吸引状態が継続し、供給ロッドで押し出された部品は長い距離にわたって制動を受けることとなる。その結果、部品は供給ロッドの進出によって弾き飛ばされる現象がなくなり、供給ロッドから外れることが防止できる。
しかも、部品寸法に対して大きなサイズの磁石が採用されることになるので、吸引磁力を高く設定することができ、部品導入が円滑で確実に行われる。
請求項2記載の発明は、本体部から部品の搬送方向に突き出た突起が形成されている部品を停止位置決めの対象とするものであり、前記突起の突出寸法に対する保護板の厚さ寸法の比が、1.2〜4.0に設定されている請求項1記載の部品の停止位置決め部材である。
例えば、プロジェクションナットのように溶着用突起がナットの搬送方向に突き出ている場合には、溶着用突起が保護板に突き当たるので、その箇所が窪んだ形態の摩耗形状を呈することとなる。このような窪みが発生しても、前記突起の突出寸法に対する保護板の厚さ寸法の比が、1.2〜4.0に設定されているので、保護板の剛性が低下することがなく、十分な耐久性が確保できる。同時に、保護板が収容孔内へ撓み込むような場合であっても、上記のように保護板の剛性が十分に維持されているので、収容孔全体にわたる撓み込み変形が滑らかになされる。したがって、保護板の屈曲箇所における曲げ変形量をわずかなものとすることができて、屈曲箇所における割れ発生を防止できる。
停止位置決め部材の斜視図や断面図である。 プロジェクションナットの斜視図と側面図である。 停止位置決め部材の正面図と部分的な断面図である。 停止位置決め部材の変形例を示す断面図と正面図である。 供給ロッドの動作速度を示す線図である。 部品送出装置に適用した実施例の平面図と正面図である。 供給装置の断面図と供給ロッドの動作速度を示す線図である。
つぎに、本発明の部品の停止位置決め部材を実施するための形態を説明する。
図1〜図3は、実施例1を示す。
図2および図7にもとづいて説明した部分と同じ機能を果たす部分については、同一の名称と符号が記載してある。
図1にしたがって説明すると、対象となる部品としてはフランジつきのナットや溶着用突起付きのプロジェクションナット等種々なものがあるが、ここでは後者のプロジェクションナットである。ここでの停止位置決め部材9は、前記寸法のナット1を受け止めるものであり、図1(A)に見られるように全体形状は直方体であり、幅寸法は34mm、長さ寸法は45mm、保護板21の厚さは2mm、主部材19の厚さは5.5mm、背板22の厚さは3.5mmである。
分厚い鋼板で作られた主部材19には、あらかじめ貫通孔28があけられ、主部材19の背面に背板22が固定されている。これによって底面29が形成される。貫通孔28の中心軸線は、矢線26で示したナット1の進出方向と同方向とされている。なお、貫通孔28が収容孔であり、収容孔にも同じ符号を記載してある。この収容孔28は円形の孔であり、その内径は20.5mmである。
磁石20は永久磁石であり、分厚い円板型とされ、その直径は20.0mmで、厚さは5.0mmである。磁石20の背面30と収容孔28の底面29との間に緩衝部材31が配置してある。この緩衝部材31の厚さは0.5mmである。磁石20の表面側をN極、背面側をS極に設定し、収容孔28の底面29を形成する部材すなわち背板22が磁性材料製である鋼板とされている。なお、この極性を逆にすることも可能である。
組立順序は、貫通孔28があけられた主部材19に、背板22を部分的に溶接する。符号32はこの部分溶接部を示している。それから図1(D)に示す円盤形の緩衝部材31を底面29に密着させるように押し込む。つぎに磁石20をわずかな挿入空隙のもとで収容孔28に挿入する。この挿入によって、図1(B)に示すように、磁力線33がループ状に形成されるので、磁石20は背板22の方へ吸引されて緩衝部材31を挟み付けた状態となる。最後に、保護板21を主部材19の表面に密着させて、部分溶接部34で溶接する。この保護板21は、非磁性材料であるステンレス鋼で作られており、こうすることによってより磁力線の透過性を良好にして、ナット1に対する吸引力を強くすることができる。
上述の各部材の組み合わせによって、収容孔28に磁石20をはめ込みその表面側を保護板21で覆って磁性材料製のナット1を吸引して受け止める形式のものにおいて、前記磁石20はナット1の進入方向に進退可能な状態で収容孔28内に挿入され、前記保護板21とは反対側の磁石20の背面30と収容孔28の底面29との間に緩衝部材31が配置されたものとなっている。そして、図1(C)は理解しやすくするために、保護板21を外した状態にして示してある。
前記緩衝部材31を形成する材料としては種々なものが採用できる。そして、非磁性材料を用いることが望ましい。例えば、厚紙、ポリアミド樹脂やウレタン樹脂等の合成樹脂、半流動性の接着剤、亜鉛、アルミニウム、銅等の金属である。これらの材料は、硬度が高くて脆い磁石に対して緩衝性の良好な材料として機能する。図示の実施例では、厚紙が採用されている。
図4(C)に示すように、保護板21と磁石表面27との間に隙間が存在しない場合が最良であるが、磁石20の厚さ寸法や主部材19の厚さ寸法のバラツキ誤差により、磁石20の表面27と保護板21との間に、わずかな隙間Cができてしまうことがある。この実施例における隙間Cは0.4mmである。
この隙間Cが存在する場合には、保護板21にナット1が勢いよく衝突すると、その衝撃力によって保護板21が収容孔28内へ撓み込む現象が生じる。この撓み込みの際には、保護板21は収容孔28の開口角部から屈曲することになり、この屈曲箇所が符号50で示されている。屈曲箇所50においては、保護板21に曲げ変形が弾性的に繰り返して発生しており、この曲げ変形量が少ないほど屈曲箇所50における割れの問題が発生しにくくなる。磁石20が円形であるから、屈曲箇所50は図3(A)に示すように、円形となっている。
また、隙間Cが存在しない状態であっても、緩衝部材31が圧縮されることにより、保護板21が収容孔28内に撓み込むことが生じる。この場合における屈曲箇所50の曲げ変形は上記の場合と同じである。
例えば、隙間Cが0.4mmであると仮定した場合、磁石20の直径が大きいほど、すなわち、図1(B)に示した上側の屈曲箇所50と下側の屈曲箇所50との距離が大きくなるので、屈曲箇所50における曲げ変形量が少なくなって、保護板21の割れ発生が確実に防止できる。磁石20の直径が小さくなれば、屈曲箇所50における曲げ変形量が過大になって、屈曲箇所50に割れが発生しやすくなる。
このような観点から、保護板21の板厚に対する磁石20の直径の比が、6.0〜20.0に設定される。好ましくは8.0〜16.0であり、10.0〜14.0がさらに良好である。この比が6.0未満であると、屈曲箇所50における剛性が過剰になり、保護板21の弾性変形が十分に得られなくなり、ナット1が跳ね返されるような現象が発生する。また、20.0を超えると、保護板21の厚さが薄くなりすぎて、ナット1の衝撃に十分耐えられなくなる。
上述の磁石20は円形であるが、これを四角い形状にすることも可能である。そして、その幅寸法はナット1の幅寸法13.0mmよりも大きく設定されている。例えば、20.0mmである。
図3に示すように、突出寸法Lがあるので、溶着用突起4に対応した箇所の保護板21の表面に窪み51が形成される。これはLで示される突起部分が繰り返し保護板21の表面に衝突するので、この箇所が局部的に摩耗するために形成される。そこで、保護板21の板厚寸法よりも突出寸法Lを小さくしておくことにより、保護板21に穴があいたり極度に肉薄になったりすることが防止できる。
突出寸法Lに対する保護板21の厚さ寸法の比が、1.2〜4.0に設定されている。この比が1.2未満であると、窪み51の形成によって残された部分の肉厚が過小となり、保護板21自体の剛性が維持できなくなる。また、この比が4.0を超えると、保護板21の板厚が過大になり、磁力線の透過性が低下して吸引力に支障をきたす虞がある。さらに、保護板21の弾性変形が十分に得られなくなり、ナット1が跳ね返されるような現象が発生する。
図3(B)によく示されているように、ナット1が供給ロッド12の押出し面18によって押し下げられても、ナット1に対する吸引力は途絶えることなく連続的に継続している。図5に示すように、長時間停止後にエアシリンダ11を動作させると、初期の供給ロッド進出速度が異常高速になり、その後、正常な均一速度となる。磁石20の吸引力が継続的にナット1に作用していることにより、この吸引力が異常高速から均一速度に定着するまでの継続的吸引区間Tの間にわたって作用する。したがって、ナット1の押し出し変位に対して、連続的に制動作用が機能して、ナット1の弾き飛ばしが防止される。
このような連続性のある吸引力が、継続的吸引区間Tの間にわたって作用するようにするために、ナット1の押し出し方向で見たナット1の高さ寸法に対する同方向で見た磁石20の寸法の比が、2.5以上に設定されている。この比が2.5未満であると、継続的吸引区間Tが短すぎて供給ロッド12からナット1が抜け出る虞がある。また、上限はとくに設定されていないが、上述のナットサイズであれば、本比は10.0付近に設定するのが望ましい。こうすることによって、正常な均一速度の域においても吸引力が存続しているので、ナット1が供給ロッド12から抜け出ることが防止できる。
特許請求の範囲には記載していないが、図7に示すようなエアシリンダ11を備えたプロジェクションナット供給装置5において、ナット1に対する吸引制動が図5の吸引区間Tで示すように、初期過大速度の段階から正常な均一速度の段階まで継続するように、ナット1の押出し方向におけるナット1の高さ寸法に対する同方向の磁石20の寸法の比を、2.5以上に設定する、という形で発明を定義することができる。
以上に説明した実施例1の作用効果は、つぎのとおりである。
上述のようにナット1の高さ寸法に対する磁石20の寸法の比が、2.5以上に設定されているので、ナット1に対して十分に大きな磁石20の寸法となり、保護板21が収容孔28内へ撓み込むときには、保護板221の屈曲箇所50における曲げ変形量がわずかなものとなる。換言すると、保護板21と磁石20との間の隙間寸法Cに対する曲げ込み区間の長さが大きく設定できるので、屈曲箇所50における曲げ変形量、すなわち、弾性変形量が少なくなる。したがって、保護板21と磁石20との間に隙間Cが形成された場合であっても、保護板21が屈曲箇所50で割れるようなことが回避でき、保護板21の耐久性を向上することができる。
さらに、ナット1の高さ寸法に対する磁石20の寸法の比が、2.5以上に設定されているので、ナット1が磁石20に吸引されて一時係止されている状態から押し出されて行くときには、吸引状態が途切れることなく連続的な状態で継続する。したがって、供給ロッド12の初期過大速度が正常な均一速度に変化する時期まで吸引状態が継続し、供給ロッド12の押出し面18で押し出されたナット1は長い距離にわたって制動を受けることとなる。その結果、ナット1は供給ロッド12の進出によって弾き飛ばされる現象がなくなり、ガイドロッド14から抜け出ることが防止できる。
しかも、ナット寸法に対して大きなサイズの磁石20が採用されることになるので、吸引磁力を高く設定することができ、ナット導入が円滑で確実に行われる。
本体部2からナット1の搬送方向に突き出た溶着用突起4が形成されているナット1を停止位置決めの対象とするものであり、前記突起4の突出寸法Lに対する保護板21の厚さ寸法の比が、1.2〜4.0に設定されている。
プロジェクションナット1の溶着用突起4がナット1の搬送方向に寸法Lだけ突き出ている。このような溶着用突起4が保護板21に突き当たるので、その箇所が符号51で示すように、窪んだ形態の摩耗形状を呈することとなる。このような窪み51が発生しても、前記突起4の突出寸法Lに対する保護板21の厚さ寸法の比が、1.2〜4.0に設定されているので、保護板21の剛性が低下することがなく、十分な耐久性が確保できる。同時に、保護板21が収容孔28内へ撓み込むような場合であっても、上記のように保護板21の剛性が十分に維持されているので、収容孔28全体にわたる撓み込み変形が滑らかになされる。つまり、保護板21が窪み51の箇所で折れ曲がるような変形が生じないのである。したがって、保護板21の屈曲箇所50における曲げ変形量をわずかなものとすることができて、屈曲箇所50における割れ発生を防止できる。
図4は、実施例2を示す。
図4(A)に示したものは、実施例1のような背板22がなく、収容孔28が有底の孔、すなわち実施例1のような貫通孔28ではない形式のものである。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて先の実施例と同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
図4(B)に示したものは、主部材19の背面全体を覆うような背板ではなく、収容孔28の部分だけを封鎖する蓋板35を主部材に溶接したものである。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて先の各実施例と同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
前記収容孔28は前記主部材19に有底の孔を設けて形成されているものであるから、前記のような背板22の採用を省くことができ、停止位置決め部材9の構造が簡素化される。
図4(C)、(D)に示したものは、保護板21の撓み込み量に対して屈曲箇所50間長さを大きくしたものである。そのために、収容孔28の外周側に円形の切欠部48を形成したものである。切欠部48の設置によって(C)図に示すように、上側の屈曲箇所50と下側の屈曲箇所50の間隔が大きくなっている。これを(D)図で見ると、屈曲箇所50は直径が拡大された円形を呈していることが分かる。この場合は、隙間Cが存在しない場合であるが、緩衝部材31が圧縮されることにより、前述の隙間Cに相当する撓み込み量が発生する。なお、理解しやすくするために(D)図は、保護板21を除去して図示してある。
したがって、屈曲箇所50における曲げ変形量が少なくなり、保護板21の耐久性が一層向上する。
実施例2の作用効果は、実施例1の作用効果と同じである。
なお、上述の各実施例から明らかなように、停止位置決め部材9をプロジェクションナット供給装置5に組み付けることにより、本願発明を「プロジェクションナット供給装置」として把握することができる。
図6は、実施例3を示す。
この実施例3は、パーツフィーダ等から連続的に送出されてきた鉄製の部品を1つずつ送り出す部品送出装置37に、前記各停止位置決め部材9のいずれかを組み付けた場合である。ここでの部品は、円柱状の円柱部品38であり、パーツフィーダ(図示していない)から移送されてきた円柱部品38は、ガイド管39を経てケース本体40に入る。ケース本体40に入口孔41が形成され、前記ガイド管39が入口孔41に連通している。入口孔41の反対側に停止位置決め部材9が取り付けられ、入口孔41に到達した円柱部品38を磁石20によって引き込み、停止位置が設定される。円柱部品38は、図6(B)に鎖線で示した磁石20の上方寄りに吸着されるようになっている。
この停止した円柱部品38を移行させる押出し部材42が、エアシリンダ43によって進退するようになっている。磁石20に吸引されている1つの円柱部品38は押出し部材42の進出によってそれだけが左方へ移行され、出口孔44に到達すると空気噴射によって目的箇所へ移送されてゆく。
図6(B)には、蓋板45を図示しているが、同図(A)には理解しやすくするために、蓋板45を外した状態が図示されている。そして、前記空気噴射は、蓋板45に設けた空気噴射口46からおこなわれる。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて先の各実施例と同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
実施例3における作用効果は、先の各実施例の作用効果と同じである。
上述のように、本発明によれば、保護板の耐久性を向上させるとともに、部品の弾き飛ばしを防止することのできる部品の停止位置決め部材であるから、このような停止位置決め部材をプロジェクションナット供給装置に組み付けることにより、自動車の車体溶接工程や、家庭電化製品の板金溶接工程などの広い産業分野で利用できる。
1 プロジェクションナット
2 本体部
3 ねじ孔
4 溶着用突起
5 プロジェクションナット供給装置
9 停止位置決め部材
12 供給ロッド
14 ガイドロッド
18 押出し面
19 主部材
20 磁石(永久磁石)
21 保護板
26 矢線
28 貫通穴、収容孔
50 屈曲箇所
51 窪み
S 押出し方向寸法、磁石の直径
C 隙間寸法
L 突出寸法
T 吸引区間

Claims (2)

  1. 主部材に形成した収容孔に磁石をはめ込みその表面側を保護板で覆って磁性材料製の部品を吸引して受け止め、この部品を供給ロッドの進出により保護板に沿って所定の方向へ押し出す形式のものにおいて、磁石は部品の進入方向に進退可能な状態で収容孔に挿入され、磁石の背面と収容孔の底面との間に緩衝部材が配置され、部品の押し出し方向で見た部品の高さ寸法に対する同方向で見た磁石の寸法の比が、2.5以上に設定され、収容孔の開口角部が保護板が屈曲する屈曲箇所とされ、前記2.5以上の寸法比設定によって屈曲箇所における保護板の弾性変形量を少なくしたことを特徴とする部品の停止位置決め部材。
  2. 本体部から部品の搬送方向に突き出た突起が形成されている部品を停止位置決めの対象とするものであり、前記突起の突出寸法に対する保護板の厚さ寸法の比が、1.2〜4.0に設定されている請求項1記載の部品の停止位置決め部材。
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