JP5141000B2 - 位置検出方法及び位置検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、リニアパルスモータ、2次元リニアモータなどのリニアモータの可動子の位置を検出する位置検出方法及び位置検出装置に関する。
リニアモータは、可動子の位置を検出する検出手段を備えており、その検出手段により検出した位置情報と指令された位置情報とを比較し、それらの差が小さくなるように駆動信号を電気子に印加して可動子を目標の位置に移動させる制御を行っている。
可動子の位置の検出手段としては、一般的に光学式のものが用いられている(特許文献1参照)。レーザ光発生機構(レーザダイオード及びその駆動回路)、反射光検出機構、光学レンズ系などを有するリニアエンコーダを固定子側に設け、光の反射率に変化をつけた微細な周期構造を有するリニアスケールを可動子側に設けて、可動子の移動に伴う反射光の強弱パターンをパルスとして計数することにより、可動子の位置情報を得ている。この方式は光学式であるため、非接触であってノイズが少なく、しかもレーザ光の波長近くまで位置分解能を高くできる。
特開2000−262037号公報
しかしながら、レーザ光発生機構、反射光検出機構及び光学レンズ系を一体化してなるリニアエンコーダは高価であるという問題がある。また、位置を検出するために、リニアスケールを可動子に貼り付ける必要がある。また、このリニアスケールとリニアエンコーダとの取付け位置の精度は焦点合わせを含めて光学レベルでの精度が要求されているため、組み立てた後の微調整が不可避であり、組立て作業に熟練性を要するだけでなく、コストアップの要因になるという問題がある。また、リニアスケールは基本的に1軸のみの対応であるので、1つの可動子にて2次元動作を行わせる2次元リニアモータに対しては、測定方向と直角方向に可動子が移動した際に、光軸が合わなくなって位置検出を行えないという問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、リニアスケールを用いることなく、簡単な構成にて可動子の位置検出を精度良く行える位置検出方法及び位置検出装置を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、可動子が2次元に移動する場合であっても、検出方向と直角な方向の移動に伴う出力変動を抑制することができる位置検出方法及び位置検出装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、可動子と固定子との距離の変動に伴う検出出力の変動を補正することにより、その距離が変動しても安定した検出結果を得ることができる位置検出方法及び位置検出装置を提供することにある。
本発明に係る位置検出装置は、固定子となる磁気回路の表面に凹凸を設けて磁気抵抗の周期的な変化を用いて可動子の推力を発生させるリニアモータにおける前記可動子の位置を検出する位置検出装置であって、励磁コイル及び検出コイルを有する2個のセンサ素子をλ/2(λ:前記凹凸の1周期分の長さ)離隔させてなる磁気センサと、前記2個のセンサ素子の検出コイルにおける出力の差分を求める差分手段と、前記2個のセンサ素子の検出コイルにおける出力の振幅を求める手段と、求めた振幅が一定となるように前記励磁コイルへの励磁信号の大きさを調整する手段とを備えることを特徴とする。
本発明の位置検出装置にあっては、リラクタンス変化を可動子の推力に用いるために、磁気回路の表面に凹凸を設けたアクチュエータに対して、その凹凸を磁気センサにて直接検出することにより、可動子の位置情報を得る。よって、リニアスケールを設けることなく、可動子の位置を検出できる。センサ素子を前記固定子の凹凸部分に近接させた場合、凸部にセンサ素子が近接するときには、多くの磁束がセンサ素子に発生するので、検出コイルからの出力が大きくなり、凹部にセンサ素子が近接するときには、少ない磁束しかセンサ素子に発生しないので、検出コイルからの出力が小さくなる。そこで、凹凸の1周期分の長さλの半分であるλ/2だけ離隔させて2個のセンサ素子を配置して、両センサ素子の検出コイルからの出力の差分を求めることにより、固定子の凹凸パターンを検知できて、可動子の位置を簡単に検出できる。2個のセンサ素子の検出コイルにおける出力の振幅の大きさ(絶対値、実効値など)が一定となるように励磁コイルへの励磁信号の大きさを調整する。両センサ素子の出力(磁束の変化)は、目的の検出方向では差分で変化するが、目的の検出方向と直角な方向では同相であるため振幅が変化する。よって、両センサ素子の出力の振幅を一定に制御することにより、目的の検出方向と直角な方向の変位による出力の変動を抑えることができ、目的の検出方向における可動子の位置を精度良く検出できる。また、このような制御を行うことにより、磁気センサと固定子との距離が変動した場合でも、その出力の変化(磁束の変化)の影響を受けることがなくなり、位置の検出精度は高くなる。
本発明に係る位置検出装置は、前記検出コイルが巻回されてλ/2離隔させた前記2個のセンサ素子に共通の励磁コイルを巻回して前記磁気センサを構成していることを特徴とする。
本発明の位置検出装置にあっては、それぞれに検出コイルを巻回した2個のセンサ素子をλ/2だけ離隔させた状態で、検出コイルの外側に共通の励磁コイルを包括的に巻回して、磁気センサを構成している。よって、2個のセンサ素子に対して同位相、同レベルの励磁を確実に行えるとともに、構成の簡略化を図れる。
本発明に係る位置検出装置は、前記2個のセンサ素子の幅をNλ(N:自然数)としてあることを特徴とする。
本発明の位置検出装置にあっては、センサ素子の固定子に近接する幅が凹凸の1周期分の長さλの整数倍である。このようにすると、目的の検出方向と直角な方向に移動した場合に、その直角な方向の移動に関して常に凹凸の整数周期分の磁束を検出することになって平均化されるため、目的の検出方向と直角な方向の磁束の変化は小さくなり、その磁束の変化の影響を受けることなく、目的の検出方向における可動子の位置を精度良く検出できる。
本発明に係る位置検出装置は、前記励磁コイルの両端の電圧に基づいて、前記差分手段の出力を補正する手段を備えることを特徴とする。
本発明の位置検出装置にあっては、2個のセンサ素子に共通に巻回されている励磁コイルの両端の電圧に基づいて、差分手段の出力を補正する。固定子と磁気センサ(可動子)との距離に応じて、励磁コイルのインダクタンスが変化するため、その両端の電圧は変動する。このことに基づき、励磁コイルを、固定子と磁気センサとの距離を検出する近接センサとして使用して、差分手段の出力を補正する。よって、固定子と磁気センサとの距離が変動した場合でも、その変動に応じて検出出力を補正するので、常に安定した検出結果が得られて、可動子の位置を精度良く検出できる。
本発明に係る位置検出方法は、固定子となる磁気回路の表面に凹凸を設けて磁気抵抗の周期的な変化を用いて可動子の推力を発生させるリニアモータにおける前記可動子の位置を検出する位置検出方法であって、励磁コイル及び検出コイルを有する2個のセンサ素子をλ/2(λ:前記凹凸の1周期分の長さ)離隔させてなる磁気センサでの前記2個のセンサ素子の検出コイルにおける出力の差分を求め、前記2個のセンサ素子の検出コイルにおける出力の振幅を求め、求めた振幅が一定となるように前記励磁コイルへの励磁信号の大きさを調整することとし、前記求めた出力の差分に基づいて前記可動子の位置情報を得ることを特徴とする。
本発明では、固定子の凹凸を磁気センサにて検出することにより、可動子の位置情報を得るようにしたので、リニアスケールが不要である簡単な構成で可動子の位置を検出することができる。
本発明では、センサ素子の幅を固定子の凹凸の1周期分の長さの整数倍とするようにしたので、または、両センサ素子の出力の振幅が一定となるように励磁コイルへの励磁信号の大きさを調整するようにしたので、可動子が2次元で移動する場合にあっても、目的の検出方向と直角な方向への移動に伴う出力の変化を抑制することができ、目的の検出方向における固定子の位置情報を精度良く取得することができる。
本発明では、励磁コイルの両端の電圧に基づいて差分手段の出力を補正するようにしたので、固定子と磁気センサ(可動子)との距離が変動した場合でも、その距離の変動に応じて検出出力を補正することができ、安定した検出結果が得られて、固定子の位置情報を精度良く取得することができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(第1実施の形態)
図1は、第1実施の形態に係る位置検出装置の構成図である。本発明の位置検出装置は、磁気センサ1と、磁気センサ1に接続される検出回路とから構成されている。
まず、磁気センサ1の構成について説明する。図2は、磁気センサ1の作製手順を示す図である。磁気センサ1は、差動フラックスゲート型の構成をなしており、2つのセンサ素子11a,11bとを有している。各センサ素子11a,11bは、同様の構造をなし、図2(a)に示すようなH型形状の高透磁率軟質磁性体コア12a,12bの中央部に検出コイル13a,13bを巻いて構成される(図2(b)参照)。
この2つのセンサ素子11a,11bを、λ/2(但し、λは後述する固定子の凹凸の1周期分の長さ)だけ離隔させて平行に並べ、同一の回数巻回された検出コイル13a,13bを直列逆相で接続する(図2(c)参照)。そして、検出コイル13a,13bの外側に、検出コイル13a,13bとは絶縁させた態様で、2つのセンサ素子11a,11bを包括するように共通の励磁コイル14を巻回して、磁気センサ1を構成する(図2(d)参照)。
検出回路は、交流電源21と、同期検波器22と、増幅器23,24とを備えている。交流電源21は、増幅器23を介して励磁コイル14の一端と接続されており、交流電源21から交流の励磁信号が励磁コイル14に印加される。励磁コイル14の他端は接地されている。また、交流電源21は同期検波器22の一方の入力端子に接続されている。
同期検波器22の他方の入力端子は、一方の検出コイル13aの一端と接続されており、磁気センサ1の検出信号(検出出力)が同期検波器22に入力される。他方の検出コイル13bの一端は接地されている。同期検波器22は、交流電源21からの励磁信号を参照して磁気センサ1からの検出信号を同期検波し、その同期検波後の信号を増幅器24を介して出力する。
図3は、このような構成の位置検出装置を用いた可動子の位置検出の実施状態を示す模式図である。3は磁気回路の表面に周期的に凹凸を設けた軟質磁性材料でできた固定子である。この凹凸の1周期分の長さ(隣合う凸部間の距離、隣合う凹部間の距離)はλである。固定子3の上方に固定子3から適長隔てて、可動子(図示せず)に取り付けられた位置検出装置の磁気センサ1を配置している。2個のセンサ素子11a,11bの離隔方向(図3での白抜矢符方向:y方向)が可動子位置の目的の検出方向である。
次に、可動子位置の検出動作について説明する。磁気センサ1の励磁コイル14に交流の励磁信号を印加した場合、2つのコア12a,12bに同一の磁束が発生するため、2つの検出コイル13a,13bには同レベルの起電力が発生する。この際、検出コイル13a,13bは互いに逆相で接続されているので、磁気センサ1の検出出力には信号が得られない(磁気センサ1の検出出力が常にゼロである)。
しかしながら、この磁気センサ1を、表面が凹凸形状をなす固定子3に近接させた場合、凸部に近接したセンサ素子のコアには多くの磁束が発生する。この結果、センサ素子11aのコア12a内の磁束の大きさと、センサ素子11bのコア12b内の磁束の大きさとに差が生じて、磁気センサ1の検出出力にゼロでない信号が現れる。そして、検出コイル13a,13b同士は逆相で接続されているため、センサ素子11aが凸部に近接したときとセンサ素子11bが凸部に近接したときとでは、検出信号の位相が180度異なる。そこで、図1に示す検出回路において、励磁信号を参照して磁気センサ1の検出信号を同期検波器22で同期検波することにより、固定子3の凹凸の位置に応じて変動する正弦波出力を得ることができる。
図4は、磁気センサ1の位置と検出出力との関係を示す図である。図4(a)は、センサ素子11aが凹部に近接してセンサ素子11bが凸部に近接したときの検出信号を表している。センサ素子11aのコア12a内とセンサ素子11bのコア12b内とで磁束の大きさが異なるため、励磁信号と位相が180度ずれた大きい振幅の検出信号が得られている。また、図4(b)は、磁気センサ1の中心が凸部の中央に位置したときの検出信号を表している。センサ素子11aのコア12a内とセンサ素子11bのコア12b内とで磁束の大きさが同じになるため、検出信号が得られていない。また、図4(c)は、センサ素子11aが凸部に近接してセンサ素子11bが凹部に近接したときの検出信号を表している。図4(a)の例とは逆に、センサ素子11aのコア12a内がセンサ素子11bのコア12b内より磁束が大きくなるため、励磁信号と同位相で大きい振幅の検出信号が得られている。また、図4(d)は、磁気センサ1の中心が凹部の中央に位置したときの検出信号を表している。センサ素子11aのコア12a内とセンサ素子11bのコア12b内とで磁束の大きさが同じになるため、図4(b)の例と同様に、検出信号が得られていない。
このように、可動子の移動に伴う磁気センサ1と固定子3の凹凸パターンとの位置関係に応じて、磁気センサ1の検出信号が周期的に変動する。したがって、この検出信号をモニタすることにより、可動子の位置を検出することが可能である。
本発明の位置検出装置では、従来例のようにリニアスケールを可動子に設ける必要がなくなり、装置の小型化及び簡略化を図ることができる。また、光学式の検出手段で必要であった高い精度が要求される光学的な位置合わせは不要であり、組立て作業に熟練性は要求されない。
本発明のように磁気的に物理量を検出するシステムにあっては、1つの検出系だけでは誤差が出現する可能性があるため、また進行方向を判別するため、正弦波による検出系と余弦波による検出系とを併設することが広く行われている。このような検出系を本発明に適用する場合には、上述したような磁気センサ1を有する2つの位置検出装置を、目的の検出方向(図3のx方向)に3λ/4+nλ(nは0以上の整数)だけ離隔して平行に設けるようにすれば良い。
ところで、可動子が2次元(図3のx方向及びy方向)に移動する場合には、上述したようなy方向の位置を検出する位置検出装置に加えて、2つのセンサ素子の離隔方向をx方向とした磁気センサを有してx方向の位置を検出する位置検出装置を更に設け、2個の位置検出装置にて、独立的にx方向及びy方向の位置を検出することが可能である。
但し、この場合、目的の検出方向だけでなく、これと直角な方向にも可動子は移動するため、この直角な方向への可動子の移動の影響を受けることなく、つまりこの直角な方向への可動子の移動に伴う検出信号をできる限り抑制して、目的の検出方向における可動子の位置を検出することが必要である。このことを実現するための手法を第2,第3実施の形態として以下に説明する。
(第2実施の形態)
各センサ素子11a,11b(コア12a,12b)の固定子3に近接する部分の幅(図2のw)をNλ(Nは自然数)としている。このようにしておくと、固定子3上方に磁気センサ1を設けた場合に、目的の検出方向(図3のy方向)と直角な方向(図3のx方向)における各センサ素子11a,11b(コア12a,12b)の長さが凹凸の1周期分の長さの整数倍となる。
したがって、可動子がこの直角な方向(図3のx方向)に移動しても、この直角な方向(図3のx方向)にあっては整数周期分の磁束を検出することになり、全体が平均化されてその方向における磁束の変化は非常に小さくなる。この結果、目的の検出方向(図3のy方向)における可動子の位置を検出する位置検出装置において、この直角な方向(図3のx方向)への可動子の移動に伴う検出信号はほとんど得られず、目的の検出方向(図3のy方向)における可動子の位置を精度良く検出できる。
なお、N=1である場合には、横方向への漏れ磁束によって、直角な方向(図3のx方向)の磁束が平均化されずにある程度の検出信号が得られる可能性がある。よって、高精度の検出を実現するためには、Nは2以上の自然数であることが好ましい。
(第3実施の形態)
図5は、第3実施の形態に係る位置検出装置の構成図である。図5における磁気センサ1の構成は、前述した第1実施の形態における磁気センサ1の構成と同じである。
また、図5の検出回路における交流電源21、同期検波器22及び増幅器24は、図1に示すものと同様である。交流電源21と励磁コイル14の一端との間には、励磁信号の増幅率を制御可能なゲイン制御増幅器31が設けられている。検出コイル13aの一端は増幅器32の入力端子と反転増幅器33の入力端子とに接続され、検出コイル13bの一端は増幅器34の入力端子と増幅器35の入力端子とに接続されている。
増幅器32の出力端子と増幅器34の出力端子とは結線されて同期検波器22に接続されている。反転増幅器33の出力端子と増幅器35の出力端子とは結線されて振幅検出器36に接続されている。検出コイル13a,13bは他端同士が逆相で接続されているので、増幅器32の出力と増幅器34の出力との合成出力(同期検波器22への入力)は検出コイル13aにおける検出信号と検出コイル13bにおける検出信号との差分となり、一方、反転増幅器33の出力と増幅器35の出力との合成出力(振幅検出器36への入力)は検出コイル13aにおける検出信号と検出コイル13bにおける検出信号との和となる。
振幅検出器36は、両検出信号の和である振幅を検出し、その振幅が一定になるように励磁レベル制御信号をゲイン制御増幅器31へ送出する。ゲイン制御増幅器31は、この励磁レベル制御信号に基づいて交流電源21からの励磁信号の増幅率を制御する。
センサ素子11a,11bにおける磁束の変化は、目的の検出方向では差分として変化するが、目的の検出方向と直角な方向では同相で変化する。このことを利用して、両センサ素子11a,11bの同相の出力の和が常に一定となるように、励磁信号にフィードバック制御をかけることにより、目的の検出方向と直角な方向の出力を抑えることができる。この結果、目的の検出方向(図3のy方向)における可動子の位置を検出する位置検出装置において、それと直角な方向(図3のx方向)への可動子の移動に伴う検出信号はほとんど得られず、目的の検出方向(図3のy方向)における可動子の位置を精度良く検出できる。
また、この第3実施の形態では、このような制御を行うことにより、磁気センサ1と固定子3との距離が変動した場合でも、その出力の変化(磁束の変化)を抑えることができるため、この点でも位置の検出精度を高くすることが可能となる。
(第4実施の形態)
固定子3と磁気センサ1(可動子)との距離が変動すると、その変動に応じて検出出力(同期検波器22の出力)が変動する。一次元方向のみの駆動が可能であるリニアモータでは、可動子がリニアガイドに固設されているので、固定子,可動子間の距離が変動することはほとんどないが、二次元方向での駆動が可能であるリニアモータにあっては、可動子がエアーで浮き上がって移動されるため、固定子,可動子間の距離は変動しやすくなる。よって、特に二次元方向での駆動が可能なリニアモータにおいて、固定子,可動子間の距離変動への対策が必要である。
図6は、このような対策を施した第4実施の形態に係る位置検出装置の構成図である。図6において、図5と同一部材には同一番号を付してそれらの説明は省略する。
同期検波器22の出力端子には、増幅器24に代えて、ゲイン制御増幅器43が接続されており、ゲイン制御増幅器31と励磁コイル14との結線上には抵抗41が介装されている。抵抗41の出力側とゲイン制御増幅器43とが結線されており、その結線上には振幅検出器42が設けられている。また、2つのセンサ素子11a,11bを有する磁気センサ1には、コア12a,12bに接触させて、軟質磁性体からなる薄板状の導磁板44が設けられている。
振幅検出器42は、交流電流を印加して交番磁界を発生させる励磁コイル14の両端における電圧の振幅を検出し、その検出信号をゲイン制御増幅器43へ送出する。ゲイン制御増幅器43は、この検出信号に基づいて同期検波器22の出力を補正制御する。例えば、簡単な手法としては、磁気センサ1が固定子3に近づいた場合、同期検波器22の出力は大きくなり、振幅検出器42の検出信号(励磁コイル14の両端の電圧)は小さくなるため、両者を掛け合わせることによって補正を行うようにしても良い。
固定子3と磁気センサ1(励磁コイル14)の距離が変動すると、インダクタンスが変化して、励磁コイル14の両端の電圧は変動する。2つのセンサ素子11a,11bは、固定子3の凹凸の1周期分の長さλの半分(λ/2)だけ離隔させているので、何れか一方のセンサ素子は固定子3の凸部に対向するため、両センサ素子11a,11bを包括して巻回している励磁コイル14は、全体で見た場合に、その磁気抵抗がほとんど変化しない。よって、励磁コイル14の両端の電圧は、固定子,可動子間の距離を正確に反映することになる。このように、第4実施の形態では、励磁コイル14を、固定子,可動子間の距離を検出する近接センサとして使用し、そのセンサ出力に基づいて位置検出信号(同期検波器22の出力)をフィードフォワード方式で補正している。
固定子3と磁気センサ1との距離が長くなった場合には、磁気センサ1と固定子3とのインタラクションがなくなって、距離変動に伴う電圧変動の出力が得られない可能性がある、このような可能性を防止するための対策として、導磁板44を設けている。固定子3と磁気センサ1との距離が長くなっても、導磁板44内に磁路が形成されるので、磁気センサ1と固定子3とのインタラクションが存在して、距離変動に伴う電圧変動の出力を得ることができる。
この、第4実施の形態では、2つのセンサ素子11a,11bに共通に巻回されている励磁コイル14の両端の電圧に基づいて、同期検波器22の出力を補正するので、固定子3と磁気センサ1との距離が変動した場合でも、その変動に応じて検出出力を取得でき、常に安定した検出結果が得られて、可動子の位置を精度良く検出できる。
なお、導磁板44のサイズ,形状は、安定した検出結果を得ることが必要とされる固定子,可動子間の距離に応じて設定すれば良い。また、その距離が比較的短くてもよい場合には、導磁板44は設けなくても良い。他の機器からのノイズを遮蔽するために、磁気センサ1をシールドケースに収納して使用することが想定されるが、このような場合には、シールドケースの一部に導磁板44の機能を持たせるようにしても良い。
(実施例)
以下、本発明者が作製した磁気センサ1の具体的な構成と、作製した磁気センサ1を用いて得られた位置検出結果とについて説明する。
まず、2次元のリニアパルスモータに用いる固定子3として、図7に示すような形状のものを作製した。固定子3の表面の凹凸の1周期分の長さ(λ)は6mmである。また、凸部の幅は3mm、凹部の幅は3mm、凹部に対する凸部の高さは3mmである。
次に、80Niパーマロイ板(厚さ0.5mm)より、図8に示すような形状のH型のコア12a(12b)を切り出し、水素中で1000℃、4時間の焼鈍を行った。図8に示す例では、コア12a(12b)の幅が12mmであって、凹凸の1周期分の長さ(λ)の2倍(N=2)である。焼鈍後のコアの中央部に絶縁ポリイミドテープを貼り付け、テープ上に検出コイル13a(13b)としての直径0.1mmのポリウレタン被覆銅線を200回巻き付けたものを2個(センサ素子11a,11b)作製した。
次いで、一方のセンサ素子11aのH型コア12aの巻き線(検出コイル13a)がない部分に厚さ2mmのアクリル板から切り出したスペーサを貼り付けた後、他方のセンサ素子11bを重ねて貼り付けた。更に、この2つのセンサ素子11a,11bを包括して検出コイル13a,13bの上に、励磁コイル14としての直径0.18mmのポリウレタン被覆銅線を100回巻き付けた。このようにして作製した磁気センサ1にあって、検出コイル13a,13bとなる巻き線は、巻き始め同士を逆相で直列接続し、巻き終わりは出力端とした。
次に、X−Yテーブルに載置した固定子3の上方に、取り付けスタンドを用いて磁気センサ1を固定し、固定子3の凸部との距離が1mmとなるように磁気センサ1の高さを調整した。なお、センサ素子11a,11bのコア12a,12bの底面は図3のx方向に平行になるように配置した。
このような準備を行った後に、励磁コイル14に10kHz,1Vrmsの励磁信号を印加し、磁気センサ1を図3のy方向に移動させながら検出コイル13a,13bからの検出信号を観測した。その結果、磁気センサ1が凸部中央に位置するとき(図4(b))及び凹部中央に位置するとき(図4(d))には出力がなくなり、磁気センサ1が凸部と凹部との境界に位置するとき(図4(a),(c))には出力が最大となった。
そして、固定子3を0.1mmずつ移動させながら、図1に示す同期検波器22での同期検波後の出力を測定した。その測定結果を図9に示す。良好な正弦波形状の出力が得られており、0.1mm以下の位置分解能を確認できた。
また、上述した第4実施の形態の位置検出装置を用いて得られた位置検出結果について説明する。なお、使用した固定子3の形状は上記の実施例(図7)と同じである。また、使用したH型コア12a(12b)と導磁板44との形状を図10に示す。H型コア12a(12b)のサイズは上記の実施例(図8)と同じであり、導磁板44は、縦36mm×横36mm×厚さ1mmのNiパーマロイ板を使用した。
図11は、得られた位置検出結果における固定子3,磁気センサ1間の距離と検出出力との関係を示すグラフであり、可動子が図4の(b)で示されるような基準位置にある場合(位置:0mm)と、基準位置から可動子が1.3mmだけ移動した場合(位置:1.3mm)と、基準位置から可動子が−1.3mmだけ移動した場合(位置:−1.3mm)との3例について、固定子3,磁気センサ1間の距離変動に応じて検出出力がどの程度変動するかを表している。固定子3,磁気センサ1間の距離が変動しても、検出出力はほとんど変動しないことを確認できた。
第1実施の形態に係る位置検出装置の構成図である。 磁気センサの作製手順を示す図である。 可動子の位置検出の実施状態を示す模式図である。 磁気センサの位置と検出出力との関係を示す図である。 第3実施の形態に係る位置検出装置の構成図である。 第4実施の形態に係る位置検出装置の構成図である。 固定子の一例の形状を示す図である。 H型コアの一例の形状を示す図である。 磁気センサの検出特性を示すグラフである。 H型コア及び導磁板の一例の形状を示す図である。 磁気センサの検出特性を示すグラフである。
符号の説明
1 磁気センサ
3 固定子
11a,11b センサ素子
12a,12b コア
13a,13b 検出コイル
14 励磁コイル
21 交流電源
22 同期検波器
23,24,32,34,35 増幅器
31 ゲイン制御増幅器
33 反転増幅器
36 振幅検出器
42 振幅検出器
43 ゲイン制御増幅器
44 導磁板

Claims (5)

  1. 固定子となる磁気回路の表面に凹凸を設けて磁気抵抗の周期的な変化を用いて可動子の推力を発生させるリニアモータにおける前記可動子の位置を検出する位置検出装置であって、励磁コイル及び検出コイルを有する2個のセンサ素子をλ/2(λ:前記凹凸の1周期分の長さ)離隔させてなる磁気センサと、前記2個のセンサ素子の検出コイルにおける出力の差分を求める差分手段と、前記2個のセンサ素子の検出コイルにおける出力の振幅を求める手段と、求めた振幅が一定となるように前記励磁コイルへの励磁信号の大きさを調整する手段とを備えることを特徴とする位置検出装置。
  2. 前記検出コイルが巻回されてλ/2離隔させた前記2個のセンサ素子に共通の励磁コイルを巻回して前記磁気センサを構成していることを特徴とする請求項記載の位置検出装置。
  3. 前記2個のセンサ素子の幅をNλ(N:自然数)としてあることを特徴とする請求項1または2記載の位置検出装置。
  4. 前記励磁コイルの両端の電圧に基づいて、前記差分手段の出力を補正する手段を備えることを特徴とする請求項乃至の何れかに記載の位置検出装置。
  5. 固定子となる磁気回路の表面に凹凸を設けて磁気抵抗の周期的な変化を用いて可動子の推力を発生させるリニアモータにおける前記可動子の位置を検出する位置検出方法であって、励磁コイル及び検出コイルを有する2個のセンサ素子をλ/2(λ:前記凹凸の1周期分の長さ)離隔させてなる磁気センサでの前記2個のセンサ素子の検出コイルにおける出力の差分を求め、前記2個のセンサ素子の検出コイルにおける出力の振幅を求め、求めた振幅が一定となるように前記励磁コイルへの励磁信号の大きさを調整することとし、前記求めた出力の差分に基づいて前記可動子の位置情報を得ることを特徴とする位置検出方法。
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