JP5138021B2 - 空気調和機器および信号伝送方法 - Google Patents
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Description
前記室内ユニットを制御するとともに、前記室外ユニットを制御するための第1の制御信号を出力する室内ユニット制御回路と、
前記室外ユニットを制御するとともに、前記室内ユニットを制御するための第2の制御信号を出力する室外ユニット制御回路と、
前記室内ユニット制御回路と前記冷媒配管の外側金属表面とに電気的に接続されており、前記第1の制御信号に基づいてマイクロ周波数帯の第1の電波信号を前記冷媒配管の外側金属表面に発生させ、前記冷媒配管に沿って伝搬させることにより前記室外ユニットに伝送する第1の結合器と、
前記室外ユニット制御回路と前記冷媒配管の外側金属表面とに電気的に接続されており、前記冷媒配管を伝播した前記第1の電波信号を抽出して前記第1の制御信号に変換し、当該第1の制御信号を前記室外ユニット制御回路に出力する第2の結合器とを備え、
前記第2の結合器は、前記第2の制御信号に基づいてマイクロ周波数帯の第2の電波信号を前記冷媒配管の外側金属表面に発生させ、前記冷媒配管に沿って伝搬させることにより前記室内ユニットに伝送し、
前記第1の結合器は、前記冷媒配管を伝播した前記第2の電波信号を抽出して前記第2の制御信号に変換し、当該第2の制御信号を前記室内ユニット制御回路に出力し、
前記第1および第2の結合器のうち少なくとも一方は前記冷媒配管の外側金属表面に電気的に接続された結合コンデンサを有し、当該結合コンデンサを経由して前記第1または第2の制御信号を前記冷媒配管の外側金属表面に供給することによって、マイクロ周波数帯の前記第1または第2の電波信号を発生させ、
前記冷媒配管の表層部にて前記第1または第2の電波信号を表層効果によって伝播させ前記室内ユニット制御回路と前記室外ユニット制御回路との間の通信を行うことを特徴とする。
図1は本実施の形態に係る空気調和機器の構成を示したブロック図である。
図において室内ユニット2と室外ユニット3は、外壁1を間に挟んで、ガス側冷媒配管4と液側冷媒配管5を介して接続されている。
図において分配器14は、室内ユニット制御回路8から出力される制御信号(電気信号)を室内アンテナ10と結合器15に所定の比率で分配する機能、ならびに室内アンテナ10、結合器15からの制御信号(電気信号)を所定の比率で混合し、室内ユニット制御回路8に伝達する機能を有している。
リモコン6が運転操作されると、運転指令が電波信号(操作信号)として室内ユニット2に伝送される。この電波信号は、室内ユニット2の室内アンテナ10によって受信され、信号分配器9内の分配器14を経由して室内ユニット制御回路8に電気信号として伝達される。室内ユニット制御回路8は受信した電気信号を解読し、運転指令であることを判断すると、直ちに室内ユニット冷媒回路7に運転の指示を与える。
結合方法は、静電結合方法と誘導結合方法に大別できる。図3、4は、それぞれ静電結合方法、誘導結合方法を採用した場合における結合器15の構成を示したものである。
また電波信号の周波数をマイクロ周波数帯(例えば2から3GHzの間)から選ぶようにする。このような設定により電波信号は銅表面から深さ1μm程度の表層を伝播することになる。この時の(マイクロ周波数帯における)冷媒配管の電気抵抗は、次の式(1)よって与えられる。
R=P×L/S 式(1)
ここで R:電気抵抗(Ω)
P:抵抗率 (Ωm)
L:長さ (m)
S:面積 (m2)
一方、電波信号が自由空間を伝播する場合は、距離100mにおいて約80dB減衰する。したがって両者を比べると、前者は格段に小さく、極めて低い損失で電波信号を伝送できることが判る。
ここで結合回路13は、室内ユニット2の結合器15と同様、図3若しくは図4いずれかに示した結合方法で構成されている。
このようにして、リモコン6からの運転操作は室内ユニット2と液側冷媒配管5を経由し室外ユニット3に伝達され、空気調和機器としての運転動作を完結させることができる。
また、分配器14の分配比率は結合器15と室内アンテナで等分としていたが、冷媒配管伝送の減衰が空間伝送より低いことを考慮し、その分配比率を変化させるようにしてもよい。
実施の形態1では、冷媒配管の表層を伝わって室内ユニット2まで達した電波信号を信号分配器9によって取り出す場合について説明してきたが、本実施の形態では、信号分配器9を使わずに取り出す場合について説明する。
図6は本実施の形態に係る空気調和機器の構成を示したブロック図である。図1と同一もしくは相当部分には同じ符号が付されている。図1の構成と異なる点は、室内ユニット2から信号分配器9が除かれていること、及びガス側冷媒配管4が信号伝送路として使われていることである。
本実施の形態は、このように冷媒配管がアンテナとして機能することに着目したものである。
室外ユニット制御回路12より出力された制御電気信号は、結合器13を介し、室内まで敷設されているガス側冷媒配管4に結合される。この結合によりガス側冷媒配管4周辺に電磁界が発生し、ガス側冷媒配管4自身がアンテナ素子として機能し、電波信号が放射される。この電波信号は、室内ユニット2のアンテナ10によって受信され、電気信号に変換され、室内ユニット制御回路8に入力される。
このようにして室内ユニット2と室外ユニット3の間で双方向通信が実現される。
図において第1の室内ユニット22及び第2の室内ユニット23は、ガス側冷媒配管4もしくは液側冷媒配管5を介し、室外ユニット3と接続されている。また第1のリモコン61は第1の室内ユニット22と第2の室内ユニット23からそれぞれa、b(a<b)の距離に位置し、第2のリモコン62は第1の室内ユニット22と第2の室内ユニット23からそれぞれc、d(c>d)の距離に位置している。
最初に各機器に対するアドレス番号の付与について説明する。
室外ユニット3の室外ユニット制御回路12には、例えばフロア番号などに基づいたID番号が設定される。そして室外ユニット制御回路12は、室内ユニット2やリモコン6などの存在を確認するためのディスカバリコマンドを作成し、自身のID番号を付して発行する。発行されたコマンド電気信号は、結合器13によってガス側冷媒配管4に結合され、コマンド電波信号として放射される。
そして室外ユニット制御回路12は、受信した応答内容に基づいて返答を作成する。
なおこの返送の手順は、コードとアドレス番号を対応させた表を1つのコマンドとして同報などにより送信するようにしても良い。
なお、室外ユニット3のアドレス番号については、最初に設定したID番号そのものを使っても良いし、室内ユニット2やリモコン6などにアドレス番号を配布した際に用いた番号を使うようにしても良い。
以上の手順により室内ユニット2やリモコン6などの冷媒配管を介して通信できる機器に対するアドレス番号の付与が完了する。
まず室外ユニット3と室内ユニット2の関連付けについて説明する。
室外ユニット3の室外ユニット制御回路12は、アドレス番号を付与した室内ユニット2に対し、試験運転指令を個別に、1台ずつ送信する。そして室内ユニット運転により、室外ユニット3の制御状態が変化すること、例えば冷媒の流量の変化などを検出し、自身の冷媒回路に接続されている室内ユニットであるかどうかの確認を行う。
一方、自身の冷媒回路への接続が確認できない場合には、リモコン6の表示器等を用いて前述のコードと共にアラーム表示などを行い、設定の確認を促したりする。
また最終的に確認できない場合には、当該室内ユニット2にアドレス番号の破棄を通知すると共に、室外ユニット3の管理テーブルから除外する処理を行う。
このような処理により室外ユニット3と室内ユニット2の関連付けを確実なものとすることができる。
室外ユニット3の室外ユニット制御部12は、第1の室内ユニット22と第2の室内ユニット23に対し、第1のリモコン61及び第2のリモコン62と通信するように指示する。
Γ=(4πd/λ)2 式(2)
ただし Γ:減衰量
d:距離(m)
λ:波長(m)
このようにして室内ユニット2と、この室内ユニットの近くに配置されたリモコン6との関連付けを確実なものとすることができる。
この結果、室内ユニット2は空調範囲内に配置されたセンサ18の情報を自由に活用することができる。
このようにしてリモコン6の操作により室内ユニット2、室外ユニット3を円滑に運転することが可能となる。
この場合、結合器9を介して冷媒配管に電気信号を結合し、この結合によって冷媒配管から電波信号を空間に放射させると共に、飛来してきた電波信号によって冷媒配管に励起された電波信号を抽出して電気信号に変換するようにする。
このようにして逆からの指令であっても円滑に伝えられ、トラブルの発生に対し、迅速な対応が可能となる。
実施の形態1で説明したように結合方法は、静電結合方法と誘導結合方法に大別される。静電結合方法の場合、図3で説明したように電気信号が結合コンデンサ16を経由してガス側冷媒配管4に直接結合される。図10はこれを実現するための具体的な構成例であって、信号ケーブルの芯線はガス側冷媒配管にコンデンサ16を介して接続され、信号ケーブルのアース線は配管断熱材の外側に貼り付けた金属テープ等に接続される。
図11はこれを実現するための具体的な構成例であって、誘導コイル17はトロイダルコアにコイルを巻き付けた形態をしており、信号ケーブルの芯線とアース線はそれぞれコイルの一端と他端に接続されている。そして冷媒配管はトロイダルコアの中空部を通り誘導コイル17と近接する構成になっている。
結合器13を介し、断熱材で覆われている冷媒配管に、高周波の電波信号が結合され、励振された場合を考える。
電磁理論によれば冷媒配管周辺の電磁波(表面波)の位相速度は冷媒配管の抵抗と周囲の誘電体により光速度より遅くなる。この結果、表面波の振幅は冷媒配管から離れるにしたがって指数関数的に振幅が減衰する。そして減衰の度合いは冷媒配管の導電率と誘電体の比誘電率で決定される。
この結果、実施の形態1でも説明したように、電波を利用しない従来の伝送方法と比べると、室内ユニット2や室外ユニット3による伝送損失を低減させることができる他、冷媒配管の両端付近の鋼管を、電気的絶縁装置に交換する困難かつ煩雑な作業も不要となり、既設の冷媒配管を簡単な工事で優れた信号伝送路として活用することができるようになる。
このような構成とすることにより、室内に新たなネットワーク回線を引き込む工事が不要となり、安価な空気調和器のネットワークシステムを構築することができる。
2 室内ユニット
3 室外ユニット
4 ガス側冷媒配管
5 液側冷媒配管
6 リモコン
7 室内ユニット冷媒回路
8 室内ユニット制御回路
9 信号分配回路
10 室内アンテナ
11 室外ユニット冷媒回路
12 室外ユニット制御回路
13 結合器
14 分配器
15 結合器
16 結合コンデンサ
17 誘導コイル
18 センサ
20 情報/家電機器
21 外部制御機器
22 第1の室内ユニット
23 第2の室内ユニット
61 第1のリモコン
62 第2のリモコン
Claims (6)
- 銅製の冷媒配管と、前記冷媒配管の一端に接続された室内ユニットと、前記冷媒配管の他端に接続された室外ユニットとを有する空気調和機器であって、
前記室内ユニットを制御するとともに、前記室外ユニットを制御するための第1の制御信号を出力する室内ユニット制御回路と、
前記室外ユニットを制御するとともに、前記室内ユニットを制御するための第2の制御信号を出力する室外ユニット制御回路と、
前記室内ユニット制御回路と前記冷媒配管の外側金属表面とに電気的に接続されており、前記第1の制御信号に基づいてマイクロ周波数帯の第1の電波信号を前記冷媒配管の外側金属表面に発生させ、前記冷媒配管に沿って伝搬させることにより前記室外ユニットに伝送する第1の結合器と、
前記室外ユニット制御回路と前記冷媒配管の外側金属表面とに電気的に接続されており、前記冷媒配管を伝播した前記第1の電波信号を抽出して前記第1の制御信号に変換し、当該第1の制御信号を前記室外ユニット制御回路に出力する第2の結合器とを備え、
前記第2の結合器は、前記第2の制御信号に基づいてマイクロ周波数帯の第2の電波信号を前記冷媒配管の外側金属表面に発生させ、前記冷媒配管に沿って伝搬させることにより前記室内ユニットに伝送し、
前記第1の結合器は、前記冷媒配管を伝播した前記第2の電波信号を抽出して前記第2の制御信号に変換し、当該第2の制御信号を前記室内ユニット制御回路に出力し、
前記第1および第2の結合器のうち少なくとも一方は前記冷媒配管の外側金属表面に電気的に接続された結合コンデンサを有し、当該結合コンデンサを経由して前記第1または第2の制御信号を前記冷媒配管の外側金属表面に供給することによって、マイクロ周波数帯の前記第1または第2の電波信号を発生させ、
前記冷媒配管の表層部にて前記第1または第2の電波信号を表層効果によって伝播させ前記室内ユニット制御回路と前記室外ユニット制御回路との間の通信を行うことを特徴とする空気調和機器。 - 前記室内ユニットは、前記室内ユニットに対して操作を行うリモコンの制御信号を送受信する送受信部と、前記送受信部で送受信した信号を前記第1の結合器に分配する分配器と、を備え、前記リモコンの制御信号と冷媒配管に沿って伝搬する制御信号とが、同一の電波信号で前記室内ユニットとリモコン間を通信することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機器。
- 前記室外ユニットは、ネットワーク回線に接続され、前記室内ユニットと前記室外ユニットとの少なくとも一方を、前記ネットワーク回線に接続された外部制御機器から遠隔操作可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気調和機器。
- 前記室外ユニットは、ネットワーク回線に接続され、前記室内ユニットと無線或いは有線で接続された家電機器を、前記ネットワーク回線に接続された外部制御機器から遠隔操作可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気調和機器。
- 前記銅製の冷媒配管の一部もしくは全てを、空気より大きい比誘電率を持つ材質からなる断熱材で囲んだことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項記載の空気調和機器。
- 銅製の配管の一端に接続された第一のユニットと前記銅製の配管の他端に接続された第二のユニットとの間で信号を伝送させる信号伝送方法であって、
前記第一のユニットと前記第二のユニットとの少なくともいずれか一方のユニットから他方のユニットを制御するための制御信号を出力し、
前記出力された制御信号を、前記銅製の配管の外側金属表面に接続された結合コンデンサを有する結合器を介して前記銅製の配管の表層に静電結合することによって、前記制御信号に基づいてマイクロ周波数帯の電波信号を前記銅製の配管の表層に発生させ、
前記発生したマイクロ周波数帯の電波信号を表層効果により前記銅製の配管の前記表層を沿って前記他方のユニットに伝送させることを特徴とする信号伝送方法。
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