JP5136279B2 - 鉛筆引掻き試験機 - Google Patents

鉛筆引掻き試験機 Download PDF

Info

Publication number
JP5136279B2
JP5136279B2 JP2008209901A JP2008209901A JP5136279B2 JP 5136279 B2 JP5136279 B2 JP 5136279B2 JP 2008209901 A JP2008209901 A JP 2008209901A JP 2008209901 A JP2008209901 A JP 2008209901A JP 5136279 B2 JP5136279 B2 JP 5136279B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
film
fixing
pencil
pencil scratch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008209901A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010044023A (ja
Inventor
雅顕 谷中
暢康 菅ヶ谷
優絵 嶋▲崎▼
誠 久米
佳寿子 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2008209901A priority Critical patent/JP5136279B2/ja
Publication of JP2010044023A publication Critical patent/JP2010044023A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5136279B2 publication Critical patent/JP5136279B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Description

本発明は、鉛筆引掻き試験に関するものであり、特に、鉛筆引掻き試験を行う際の試験片の固定方法および試験機に関するものである。
プラスチックフィルム基材上に、様々な機能性を有する塗膜および薄膜を形成した、機能性フィルムが多くの分野で用いられてきている。例えば、エレクトロニクス機器であるデイスプレーにおいては、光学フィルムや透明導電フィルムなどが用いられている。
これらの機能性フィルムにおける膜には、その主機能である例えば、光学特性や導電性といった要求特性を充たす事に加え、膜自身の強度が高い事や、基材フィルムと良好に密着する事といった、高い機械特性も求められる。成膜した膜が機械特性要求値を充たすか調べるために膜の硬度評価が行われている。
硬度評価の方法としては、鉛筆引掻き試験が広く行われており、JIS K5600で規定されている。図1に一般的に用いられる鉛筆引掻き試験機の模式図を示す。この試験は、塗膜が形成された試験片1を試料ステージ2に水平に設置し、その試験片に対して斜め45°に固定された鉛筆3の芯先が、重り4により試験片に一定の垂直荷重を負荷した状態で、面内一方向に引っかきを行い、その跡・キズの有無を調べるものである。試験に用いる鉛筆の先端は、芯が円柱状に露出するように削り、さらに、芯先端は平坦かつ、角は鋭くなるように研磨したものが用いられる。
JIS K5600で規定される鉛筆引掻き試験において、想定される試験片は、厚さ数mmの基材板の上に成膜された塗膜である。従って、試験片自体に充分な剛性がある事、平坦な基材を用いる事などにより、試験機に対して水平に設置する事は比較的容易である。例えば、四角形状の試験片の一辺のみを試験機の試料ステージに固定(図1中の5に図示)しただけでも達成出来る。
しかしながら、上記したような機能性フィルム材料では、フィルム基材自体が100μmかそれ以下の厚さとなる事が多く、その上に膜を形成した場合、試験片にカールなどの変形が生じ易い。鉛筆引掻き試験を行う場合、試験片の一片のみ固定しただけでは、水平に固定する事は難しく、試験片の変形度合いによっては、鉛筆芯が試験片に引っ掛かってしまい、キズが生じるという問題がある。
実際には、機能性フィルム材料は、ガラス基材に貼り付けたり、または、さらに厚いフィルムとラミネートして使用するものであり、これら最終構成においては、カールなどの変形状態の発生もなく、また、鉛筆引掻き試験を行ってもキズは発生しない。従って、上述した鉛筆引掻き試験でのキズは試験時だけ発生するものであり、適切に機能性フィルム材料の硬さを試験していない事になる。
このような状態を避けるため、試験片の4辺をテープなどでステージに固定したり、平坦な板に簡易的に接着した場合も、試験片フィルムのうねりのようなものを完全に無くす事は難しく、上述したキズが発生してしまう場合がある。
実開昭58−169548
本発明は、プラスチックフィルム基材上に機能性を有する膜を形成した、機能性フィルム材料の鉛筆引掻き試験を行う際、試験片のカールなどの変形のため、適切に膜の硬度を試験出来ないという問題を解決するためになされたものであり、容易かつ確実に試験片の変形の影響を排除し、膜の硬度を適切に試験する鉛筆引掻き試験機を提供する事を目的とする。
請求項1に記載の本発明は、載置面が設けられた基板と、前記載置面上に載置されたフィルム状試料を前記載置面に対して移動不能に固定する固定手段と、前記フィルム状試料上に当て付けられる鉛筆の芯と、前記基板または前記鉛筆の何れか一方を移動させ前記鉛筆の芯で前記フィルム状試料を引掻く移動手段とを備える鉛筆引掻き試験機において、前記載置面上に載置された前記フィルム状試料に、前記引掻く方向に張力を与える張力機構が設けられ、前記張力機構は、前記載置面に前記引掻く方向と直交する方向に延在形成された張力付与用溝と、前記張力付与用溝に挿入され前記張力付与用溝上に位置する前記フィルム状試料の部分を前記張力付与用溝の面に押し付ける張力付与用押さえ具とを含んで構成されていることを特徴とする。
言い換えると、請求項1記載の発明は、基材上に形成されたフィルム状試料の硬度を試験する鉛筆引掻き試験機において、試料の引掻き方向に、張力を与える機構を有する事を特徴とする鉛筆引掻き試験機である。
また、言い換えると、請求項1記載の発明は、試料を設置する試料台は、引掻き方向に垂直な溝を少なくとも1本有し、かつ、その溝に対して、上から棒状の押さえ具を押し付ける手段を有する事を特徴とする鉛筆引掻き試験機である。
また、請求項記載の発明は、前記張力付与用溝は、半円筒面で形成され、前記張力付与用押さえ具は、前記半円筒面に係合可能な円筒面を有する軸状の部材で形成されていることを特徴とする。
また、請求項記載の発明は、前記張力付与用押さえ具の表面は、柔軟性を有する材料で覆われていることを特徴とする。
また、請求項記載の発明は、請求項1乃至4に記載の鉛筆引掻き試験機において、フィルム状試料の引張破壊歪み値の10〜50%の引張り歪みを試料に負荷する事を特徴とする鉛筆引掻き試験機である。
また、請求項記載の発明は、前記固定手段は、前記載置面に前記引掻く方向と直交する方向に延在形成された固定用溝と、前記固定用溝に挿入され前記固定用溝上に位置する前記フィルム状試料の部分を前記固定用溝の面に押し付ける固定用押さえ具とを含んで構成されていることを特徴とする。
また、請求項6記載の発明は、前記固定用溝は、半円筒面で形成され、前記固定用押さえ具は、前記半円筒面に係合可能な円筒面を有する軸状の部材で形成されていることを特徴とする。
また、請求項7記載の発明は、前記固定用押さえ具の表面は、柔軟性を有する材料で覆われていることを特徴とする。
本発明では、容易かつ確実に、試料に引掻き方向の張力を与える事が可能となる。その結果、基材が薄く、カールなどの変形が生じ易い機能性フィルム材料の鉛筆引掻き試験を行う際、従来問題であった試料の不適切な固定による試料自体の変形を抑える事が可能となるため、基材フィルム上の膜硬度を容易かつ確実に試験する事が出来る。
本発明の鉛筆引掻き試験機を、図面を用いさらに詳しく説明する。
図2に、本発明の鉛筆引掻き試験機を示す。鉛筆固定および垂直荷重負荷部6、試料に張力を負荷した状態で設置する試料固定部7、試料固定部7を移動させる試料移動部8からなる。試料固定部7は、試料移動部8に連結される。
より詳細には、鉛筆引掻き試験機は、載置面902が設けられた基板9と、載置面902上に載置されたフィルム状試料17を載置面902に対して移動不能に固定する固定手段(試料固定部)7と、フィルム状試料17上に当て付けられる鉛筆18の芯と、基板9または鉛筆18の何れか一方を移動させ鉛筆18の芯でフィルム状試料17を引掻く移動手段(試料移動部)8とを備える。
移動手段8は、例えば、基台に設けられ基板9を直線移動可能に支持するあり溝と、ハンドルにより回転され基板9にねじ結合された雄ねじなどを含んで構成され、ハンドルの操作により基板9を直線移動させる。
さらに、鉛筆引掻き試験機は、載置面902上に載置されたフィルム状試料17に、前記引掻く方向に張力を与える張力機構30を備えている。
張力機構30は、載置面902に前記引掻く方向と直交する方向に延在形成された張力付与用溝11と、張力付与用溝11に挿入され張力付与用溝11上に位置するフィルム状試料17の部分を張力付与用溝11の面に押し付ける張力付与用押さえ具14とを含んで構成されている。
本実施の形態では、フィルム状試料17を傷つけることなくフィルム状試料17に張力を確実に発生させるように、張力付与用溝11は半円筒面で形成され、張力付与用押さえ具14は、前記半円筒面に係合可能な円筒面を有する軸状の部材で形成されている。
この場合、張力付与用押さえ具14の表面を、柔軟性を有する材料で覆うと、フィルム状試料17との接触圧を均一化でき、張力を確実に発生させて張力を確実に付与する上で有利となる。
固定手段7は、載置面902に前記引掻く方向と直交する方向に延在形成された固定用溝10、12と、固定用溝10、12に挿入され固定用溝10、12上に位置するフィルム状試料17の部分を固定用溝10、12の面に押し付ける固定用押さえ具13、15とを含んで構成されている。
本実施の形態では、フィルム状試料17を傷つけることなくフィルム状試料17を確実に固定できるように、固定用溝10、12は半円筒面で形成され、固定用押さえ具13、15は、前記半円筒面に係合可能な円筒面を有する軸状の部材で形成されている。
この場合、固定用押さえ具13、15の表面を、柔軟性を有する材料で覆うと、フィルム状試料17との接触圧を均一化でき、フィルム状試料17を確実に固定する上で有利となる。
本発明の鉛筆引掻き試験機は、総厚が10μm以上200μm以下のフィルム状試料の表面の鉛筆硬度を測定する際に有効である。特に、総厚が10μm以上120μm以下のフィルム状試料の表面の鉛筆硬度を測定する際に有効である。さらには、総厚が10μm以上60μm以下のフィルム状試料の表面の鉛筆硬度を測定する際に有効である。
総厚が200μmを超えるフィルム状試料の表面の鉛筆硬度を測定する場合には、図1に示したような従来の鉛筆引掻き試験機の試験方法で鉛筆硬度を適切に測定することができる。
本発明のフィルム状試料としては、プラスチックフィルム基材上に様々な機能性を有する塗膜及び薄膜が形成された積層フィルムを用いることができる。また、オウラスチックフィルムそのものであっても構わない。例えば、プラスチックフィルム上に電離放射線硬化型樹脂を塗布し、電離放射線を照射して塗膜を形成し、保護膜とすることができる。また、積層フィルムは3層以上の積層フィルムであってもよい。また、積層フィルムはプラスチックフィルム基材上に湿式成膜法、真空成膜法のいずれかで塗膜もしくは薄膜を形成することができる。
図3に、試料固定部分の上面および側面図を示す。
押さえ具13、14、15は、ネジ16によりそれら押さえ具の両端を載置面902上に締め付けるようになっている。試料17はそれら押さえ具と溝の間に挟み込んで固定する。
試料設置基板9、押さえ具13、14、15の材質としては、例えば、一般的な金属材料であるアルミや真鍮、ステンレスなどを使う事が出来るが、試験の際の剛性が高ければよく特に限定するものではない。固定するネジ16についても限定するものではないが、試料の固定を容易にするため手締めが可能なローレットネジ、または蝶ネジが好ましい。
なお、本発明では3本の溝を形成しているが、内側の溝11の1本だけが必須であり、両側の溝10、12については、押さえ具と試料設置基板の間に試料を挟み込んで固定できればよく、従来公知の様々な固定手段が採用可能であり、溝は必ずしも必要ではない。その場合、押さえ具13、15の断面形状も、フィルムとの接触面積を確保するため、接触する辺を長辺とした長方形状とする事が望ましい。
本発明では、3本の溝の内、内側の溝14を片方の溝に近い位置に設置した。具体的には、両端の溝13,15の間隔を105mmとし、引掻き試験を行う内側14と右端15の溝の間隔を88mmとした。しかしながら、これは引掻き試験を行う面積を充分大きく取れればよく、必ずしもこの寸法に限定するものではない。
また、押さえ具と溝の間には、試料との接触圧を均一化し、固定を確実にするために、柔軟なスペーサ−材(不図示)を挿入してもよい。例えば、0.5mmのシリコンゴムシートを用いる事が可能であるが、溝の深さより薄いものが望ましい他は特に限定するものではない。材質についても限定するもではない。
すなわち、張力付与用押さえ具14の表面を、柔軟性を有する材料で覆うと、フィルム状試料17との接触圧を均一化でき、張力を確実に発生させて張力を確実に付与する上で有利となる。
また、固定用押さえ具13、15の表面を、柔軟性を有する材料で覆うと、フィルム状試料17との接触圧を均一化でき、フィルム状試料17を確実に固定する上で有利となる。
また、試料設置基板の表面凹凸による試験結果への影響が考えられる場合、引掻き試験を行う領域において、試料設置基板9と試料17の間に、平坦度が高い、ガラス板(不図示)などを設けてもよい。その場合、試料設置板をガラス板厚分削り、そこにガラス板をはめ込む事により、ガラス板表面と設置板の表面を同じ高さにする事もできる。
次に、本発明の鉛筆引掻き試験機における試料の固定手順について説明する。まず、試料フィルムを引掻き方向に長い長方形に切り出す。幅方向の長さは特に決まったものではないが、本発明では約50mmとした。引掻き方向の長さは、両端の溝間隔よりも長く、本発明では125mmとした。切り出したフィルム試料17は、押さえ具が無い状態の試料設置板9にたるみがないようにテープなどで貼り付ける。この際、テープは両端の溝より外側の部分に貼り付ける(不図示)。
次に、両端の溝10,12の上に押さえ具13,15を取りつけ、ネジ締めにより溝部分に固定する。これにより、試料フィルム17の両端を固定する。続いて、内側の溝14の上から押さえ具17を取り付け、ネジ締めにより溝14に固定する。これにより、試料フィルム20に引掻き方向に平行な一定の張力を負荷する。
試料フィルム20の引張りは、図4に示すように、内側の溝11の部分において、押さえつける前は、溝の開口長さLであった試料フィルムの部分が、溝内部に押さえつけられる事により、L‘に伸ばされる事によって発生する。その結果、引掻きを行う領域の長さをLtとすると、引掻きを行う領域の引張り率は、(L’-L)/2Ltとなる。
試料フィルムに与える引張率は、小さすぎる場合は試料固定の効果が少なく、一方、大きすぎる場合は、鉛筆で引掻いた際に負荷される局所的な引張力により膜が破断する恐れがある。本発明においては、検討の結果、膜の引張破壊歪の10〜50%の引張り歪みを試料フィルムに負荷した場合には、張力による試料の固定効果を保ちつつ、破断が生じない事を確認した。
引張率が上記範囲を満たすならば、溝および押さえ具の断面形状は特に限定するものではなく、本発明で採用した円形状のほかに、例えば矩形形状やV字型形状を用いてもよい。
上述した手順により均一な張力を負荷し、平坦に固定した試料に対して、鉛筆引掻き試験を以下のように行う。すなわち、引掻き試験用鉛筆18の芯先端をJISK5600規定の方法で平坦化し、鉛筆固定部6に固定する。次に、重り19をのせる前に、鉛筆芯が空中で水平を保つようにバランス重り20により調整した後、重り19をのせ、引掻き試験を行う部分の試料表面に荷重を負荷した後、試料移動部8によって一定長さの引掻きを行う。試験後、試料フィルム17を取り外し、観察により傷の有無を判定する。
以上のように、本発明によれば、両端を固定した試料の内側に設けた溝に押さえ具を押し付けるという機構により、容易かつ確実に、試料に引掻き方向の一定な張力を与え、平坦に固定する事が可能であり。その結果、基材が薄く、カールなどの変形が生じ易い機能性フィルム材料の変形を抑える事が出来、基材フィルム上の膜硬度を適切に試験する事が出来る。
本発明の試料設置基板として、厚さ8mmのアルミ板を長さ155mm, 幅80mmに切り、長さ方向の左端からそれぞれ、約20、37、155mmの位置に、幅方向に平行な溝を形成した。溝の断面形状は直径9mmの円形、深さは2.4mmとした。次に、押さえ具として、直径9mm, 長さ80mmのアルミ丸棒を3本を作成した。丸棒の両端10mmの位置にネジ止め用の貫通穴を開け、また、試料設置基板の対応する位置にもネジ穴を開けた。また、締め付け用のネジとしては、ローレット型のネジを用いた。この溝および押さえ具の断面形状、溝の間隔より、試料の引張り歪は約1%とした。
作製した試料設置基板と押さえ具からなる試料固定部を、一般的な鉛筆引掻き試験機の試料ステージ上に固定する事により、本発明の鉛筆引掻き試験機を作製した。
試料として、50μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)上にポリメタクリル酸メチル(PMMA)の厚さ5μmの膜を形成したものを用い、長さ140mm, 幅50mmに切り出した。
予め試料フィルムの引張り試験を行い、PMMA膜の引張破壊歪を測定したところ、破壊歪みは、約2.5%であった。従って、本実施例の引張破壊歪に対する張力は40%である。
この試料を膜面を上にして、試料設置基板にテープで貼り付け、まず両側の溝、続いて内側の溝の上から押さえ具を押し付け、試料の固定および、張力負荷を行った。
次に、3Hの鉛筆の芯の先端をJISK5600に規定された方法で平坦化した後、試料に対して45度に固定した。続いて重りにより、芯先端から試料表面に500gfの荷重をかけ、試料ステージを移動して引掻き試験を行った。鉛筆引掻き試験は、長さ15mmの引掻きを5mm間隔で5回行い、試料の面に45度の角度から目視でキズの有無を確認した。5本引掻いたうち、キズのつかなかった回数xを数え、x/5と評価した。
5回試験を行い、塗膜の硬度を測定した結果を表1に示す。
<比較例1>
本発明の鉛筆引掻き試験機ではなく一般的な試料固定ステージを持った、通常の鉛筆引掻き試験機を用いた以外は、実施例と同じ条件で鉛筆引掻き試験を行った。
試料の固定は、図1に示した方法により行なった。すなわち、試料を挟んだ状態で、ネジ5で平板と基板2を締め付ける。
実施例と同様3回鉛筆引掻き試験を行い、キズの有無を調べた。結果を表1に示す。
<比較例2>
本発明に用いた試料の基材面側に、新たに厚さ300μmのPETフィルムを貼り付け、剛性を増した試料を作成した。貼り付けには、厚み精度が高い高精度ラミネーター装置を用いた。
この試料を比較例1と同様の方法で通常の鉛筆引掻き試験機に固定し、鉛筆引掻き試験を行った。
実施例と同様3回鉛筆引掻き試験を行い、キズの有無を調べた。結果を表1に示す。
<評価>
Figure 0005136279
キズのつかなかった回数xを数え、x/5と評価する。3/5以上であれば使用した鉛筆硬さに対して、塗膜の耐性があるものと判断する。
表1より、従来の鉛筆引掻き試験機により試験した場合は、塗膜の引掻き耐性の合否が混在している。一方、従来の引掻き試験機であっても、基材厚さが厚く剛性が増している場合には、安定して合格しており、塗膜自体の硬度は不足していない事が分かり、固定方法が不十分である事が分かる。一方、本発明の鉛筆引掻き試験機による結果は、安定した合格を示しており、基材が薄い試料の場合でも塗膜の硬度が適切に試験出来ている事が確認された。
本発明の鉛筆引掻き試験機は、基材が薄く、カールなどの変形が生じ易い基材フィルム上の膜硬度を、容易かつ確実に試験する事が出来る。各種分野の機能性フィルム製品に広く利用することが出来る。
一般的な鉛筆引掻き試験機の構成模式図。 本発明の鉛筆引掻き試験機の構成模式図。 本発明の試料固定部の上面および側面図。 本発明の張力負荷機構の概念図。
符号の説明
1・・・試験片板
2・・・試験片固定部
3・・・鉛筆
4・・・重り
5・・・試験片固定具
6・・・鉛筆固定および垂直荷重負荷部
7・・・試料固定部
8・・・試料移動部
9・・・電子部品、半導体チップ
10・・・左端の溝
11・・・中間の溝
12・・・右端の溝
13・・・左端の押さえ具
14・・・中間の押さえ具
15・・・右端の押さえ具
16・・・ネジ
17・・・試料フィルム
18・・・鉛筆
19・・・重り
20・・・バランス重り

Claims (7)

  1. 載置面が設けられた基板と、
    前記載置面上に載置されたフィルム状試料を前記載置面に対して移動不能に固定する固定手段と、
    前記フィルム状試料上に当て付けられる鉛筆の芯と、
    前記基板または前記鉛筆の何れか一方を移動させ前記鉛筆の芯で前記フィルム状試料を引掻く移動手段とを備える鉛筆引掻き試験機において、
    前記載置面上に載置された前記フィルム状試料に、前記引掻く方向に張力を与える張力機構が設けられ
    前記張力機構は、
    前記載置面に前記引掻く方向と直交する方向に延在形成された張力付与用溝と、
    前記張力付与用溝に挿入され前記張力付与用溝上に位置する前記フィルム状試料の部分を前記張力付与用溝の面に押し付ける張力付与用押さえ具とを含んで構成されている、
    ことを特徴とする鉛筆引掻き試験機。
  2. 前記張力付与用溝は、半円筒面で形成され、
    前記張力付与用押さえ具は、前記半円筒面に係合可能な円筒面を有する軸状の部材で形成されている、
    ことを特徴とする請求項記載の鉛筆引掻き試験機。
  3. 前記張力付与用押さえ具の表面は、柔軟性を有する材料で覆われている、
    ことを特徴とする請求項または記載の鉛筆引掻き試験機。
  4. 請求項1乃至3に何れか1項記載の鉛筆引掻き試験機において、前記張力機構により前記フィルム状試料の引張り破壊歪値の10〜50%の引張り歪みを前記フィルム状試料に負荷することを特徴とする鉛筆引掻き試験機。
  5. 前記固定手段は、前記載置面に前記引掻く方向と直交する方向に延在形成された固定用溝と、前記固定用溝に挿入され前記固定用溝上に位置する前記フィルム状試料の部分を前記固定用溝の面に押し付ける固定用押さえ具とを含んで構成されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至に何れか1項記載の鉛筆引掻き試験機。
  6. 前記固定用溝は、半円筒面で形成され、
    前記固定用押さえ具は、前記半円筒面に係合可能な円筒面を有する軸状の部材で形成されている、
    ことを特徴とする請求項記載の鉛筆引掻き試験機。
  7. 前記固定用押さえ具の表面は、柔軟性を有する材料で覆われている、
    ことを特徴とする請求項または記載の鉛筆引掻き試験機。
JP2008209901A 2008-08-18 2008-08-18 鉛筆引掻き試験機 Expired - Fee Related JP5136279B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008209901A JP5136279B2 (ja) 2008-08-18 2008-08-18 鉛筆引掻き試験機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008209901A JP5136279B2 (ja) 2008-08-18 2008-08-18 鉛筆引掻き試験機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010044023A JP2010044023A (ja) 2010-02-25
JP5136279B2 true JP5136279B2 (ja) 2013-02-06

Family

ID=42015517

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008209901A Expired - Fee Related JP5136279B2 (ja) 2008-08-18 2008-08-18 鉛筆引掻き試験機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5136279B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6702290B2 (ja) * 2017-11-10 2020-06-03 Jfeスチール株式会社 荷重設定装置、スクラッチ装置、荷重設定方法及びスクラッチ方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58146954U (ja) * 1982-03-30 1983-10-03 日本電気株式会社 塗膜の硬度測定治具
JPS58169548U (ja) * 1982-05-08 1983-11-12 ソニー株式会社 鉛筆引つかき試験機
JPS5987650U (ja) * 1982-12-02 1984-06-13 京セラミタ株式会社 鉛筆引かき試験機
JPS59120458U (ja) * 1983-02-01 1984-08-14 三井化学株式会社 鉛筆引かき試験機
JPS6019946U (ja) * 1983-07-15 1985-02-12 三井化学株式会社 鉛筆引かき試験機の鉛筆ホルダ−
JP4168496B2 (ja) * 1998-10-13 2008-10-22 凸版印刷株式会社 薄膜状試料観察用治具
JP4032590B2 (ja) * 1999-12-28 2008-01-16 株式会社島津製作所 シート状試料用強度試験治具
JP2005121567A (ja) * 2003-10-20 2005-05-12 Fuji Photo Film Co Ltd 引っ掻き試験装置及び引っ掻き試験方法
JP4556846B2 (ja) * 2005-11-04 2010-10-06 トヨタ紡織株式会社 シート用表皮の耐久試験装置とそれを用いた耐久試験方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010044023A (ja) 2010-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5171944B2 (ja) 剥離試験装置、および、粘着テープの衝撃剥離特性の評価方法
JP7231979B2 (ja) 調整式固定装置及び調整式固定装置を使用するための方法
KR101076679B1 (ko) 연성기판 위에 형성된 코팅 박막의 접착 강도 시험 방법
JP2006242645A (ja) シート状材料の面内せん断試験用治具および面内せん断試験機
JP2019056688A (ja) 接着性試験システム及び方法
KR101850565B1 (ko) 편광판 및 상기 편광판을 포함하는 디스플레이 장치
JP7005803B1 (ja) 積層体
Takahashi et al. Tack performance of pressure-sensitive adhesive tapes under tensile loading
JP5136279B2 (ja) 鉛筆引掻き試験機
CN112098192A (zh) 用于十字交叉法测试胶粘剂拉伸剪切蠕变的夹具及方法
CN105784487B (zh) 一种薄膜材料的拉伸试验装置
JP2010078325A (ja) カード曲げ試験装置
KR20150057778A (ko) 연성기판의 박막층 박리강도 측정장치
CN111837072B (zh) 定量粘合剂是否从偏光板泄漏或粘合剂泄漏程度的方法
JP2011064476A (ja) 試料平行出し治具
KR20150069913A (ko) 박막의 접착 강도 측정용 시편 및 이를 이용한 박막의 접착 강도 측정 방법
ATE471509T1 (de) Messverfahren des kriechens einer dünnschicht, die zwischen zwei starre substrate eingeschoben ist und deren eines ende eingeklemmt wird
Hoefnagels et al. A small-scale, contactless, pure bending device for in-situ testing
KR20070117164A (ko) 인장 시험기의 시험편 고정 장치
CN205620234U (zh) 一种薄膜材料的拉伸试验装置
Kaneko et al. Estimation of viscoelastic resistance and subduction profile of acrylic based pressure sensitive adhesive sheet subjected to wedge indentation
CN111044180A (zh) 一种半导体衬底片连续径向加压装置
Fedorov et al. Effects of tensile and compressive in-plane stress fields on adhesion in laser induced delamination experiments
JP2013190384A (ja) ひずみゲージ取り付け治具および取り付け方法
JP4305267B2 (ja) 薄膜層の密着性評価方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110804

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120807

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120924

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121016

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121029

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5136279

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151122

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees