JP5136279B2 - 鉛筆引掻き試験機 - Google Patents
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Description
言い換えると、請求項1記載の発明は、基材上に形成されたフィルム状試料の硬度を試験する鉛筆引掻き試験機において、試料の引掻き方向に、張力を与える機構を有する事を特徴とする鉛筆引掻き試験機である。
また、言い換えると、請求項1記載の発明は、試料を設置する試料台は、引掻き方向に垂直な溝を少なくとも1本有し、かつ、その溝に対して、上から棒状の押さえ具を押し付ける手段を有する事を特徴とする鉛筆引掻き試験機である。
また、請求項3記載の発明は、前記張力付与用押さえ具の表面は、柔軟性を有する材料で覆われていることを特徴とする。
また、請求項5記載の発明は、前記固定手段は、前記載置面に前記引掻く方向と直交する方向に延在形成された固定用溝と、前記固定用溝に挿入され前記固定用溝上に位置する前記フィルム状試料の部分を前記固定用溝の面に押し付ける固定用押さえ具とを含んで構成されていることを特徴とする。
また、請求項6記載の発明は、前記固定用溝は、半円筒面で形成され、前記固定用押さえ具は、前記半円筒面に係合可能な円筒面を有する軸状の部材で形成されていることを特徴とする。
また、請求項7記載の発明は、前記固定用押さえ具の表面は、柔軟性を有する材料で覆われていることを特徴とする。
より詳細には、鉛筆引掻き試験機は、載置面902が設けられた基板9と、載置面902上に載置されたフィルム状試料17を載置面902に対して移動不能に固定する固定手段(試料固定部)7と、フィルム状試料17上に当て付けられる鉛筆18の芯と、基板9または鉛筆18の何れか一方を移動させ鉛筆18の芯でフィルム状試料17を引掻く移動手段(試料移動部)8とを備える。
移動手段8は、例えば、基台に設けられ基板9を直線移動可能に支持するあり溝と、ハンドルにより回転され基板9にねじ結合された雄ねじなどを含んで構成され、ハンドルの操作により基板9を直線移動させる。
さらに、鉛筆引掻き試験機は、載置面902上に載置されたフィルム状試料17に、前記引掻く方向に張力を与える張力機構30を備えている。
張力機構30は、載置面902に前記引掻く方向と直交する方向に延在形成された張力付与用溝11と、張力付与用溝11に挿入され張力付与用溝11上に位置するフィルム状試料17の部分を張力付与用溝11の面に押し付ける張力付与用押さえ具14とを含んで構成されている。
本実施の形態では、フィルム状試料17を傷つけることなくフィルム状試料17に張力を確実に発生させるように、張力付与用溝11は半円筒面で形成され、張力付与用押さえ具14は、前記半円筒面に係合可能な円筒面を有する軸状の部材で形成されている。
この場合、張力付与用押さえ具14の表面を、柔軟性を有する材料で覆うと、フィルム状試料17との接触圧を均一化でき、張力を確実に発生させて張力を確実に付与する上で有利となる。
固定手段7は、載置面902に前記引掻く方向と直交する方向に延在形成された固定用溝10、12と、固定用溝10、12に挿入され固定用溝10、12上に位置するフィルム状試料17の部分を固定用溝10、12の面に押し付ける固定用押さえ具13、15とを含んで構成されている。
本実施の形態では、フィルム状試料17を傷つけることなくフィルム状試料17を確実に固定できるように、固定用溝10、12は半円筒面で形成され、固定用押さえ具13、15は、前記半円筒面に係合可能な円筒面を有する軸状の部材で形成されている。
この場合、固定用押さえ具13、15の表面を、柔軟性を有する材料で覆うと、フィルム状試料17との接触圧を均一化でき、フィルム状試料17を確実に固定する上で有利となる。
本発明の鉛筆引掻き試験機は、総厚が10μm以上200μm以下のフィルム状試料の表面の鉛筆硬度を測定する際に有効である。特に、総厚が10μm以上120μm以下のフィルム状試料の表面の鉛筆硬度を測定する際に有効である。さらには、総厚が10μm以上60μm以下のフィルム状試料の表面の鉛筆硬度を測定する際に有効である。
総厚が200μmを超えるフィルム状試料の表面の鉛筆硬度を測定する場合には、図1に示したような従来の鉛筆引掻き試験機の試験方法で鉛筆硬度を適切に測定することができる。
本発明のフィルム状試料としては、プラスチックフィルム基材上に様々な機能性を有する塗膜及び薄膜が形成された積層フィルムを用いることができる。また、オウラスチックフィルムそのものであっても構わない。例えば、プラスチックフィルム上に電離放射線硬化型樹脂を塗布し、電離放射線を照射して塗膜を形成し、保護膜とすることができる。また、積層フィルムは3層以上の積層フィルムであってもよい。また、積層フィルムはプラスチックフィルム基材上に湿式成膜法、真空成膜法のいずれかで塗膜もしくは薄膜を形成することができる。
押さえ具13、14、15は、ネジ16によりそれら押さえ具の両端を載置面902上に締め付けるようになっている。試料17はそれら押さえ具と溝の間に挟み込んで固定する。
すなわち、張力付与用押さえ具14の表面を、柔軟性を有する材料で覆うと、フィルム状試料17との接触圧を均一化でき、張力を確実に発生させて張力を確実に付与する上で有利となる。
また、固定用押さえ具13、15の表面を、柔軟性を有する材料で覆うと、フィルム状試料17との接触圧を均一化でき、フィルム状試料17を確実に固定する上で有利となる。
本発明の鉛筆引掻き試験機ではなく一般的な試料固定ステージを持った、通常の鉛筆引掻き試験機を用いた以外は、実施例と同じ条件で鉛筆引掻き試験を行った。
試料の固定は、図1に示した方法により行なった。すなわち、試料を挟んだ状態で、ネジ5で平板と基板2を締め付ける。
本発明に用いた試料の基材面側に、新たに厚さ300μmのPETフィルムを貼り付け、剛性を増した試料を作成した。貼り付けには、厚み精度が高い高精度ラミネーター装置を用いた。
2・・・試験片固定部
3・・・鉛筆
4・・・重り
5・・・試験片固定具
6・・・鉛筆固定および垂直荷重負荷部
7・・・試料固定部
8・・・試料移動部
9・・・電子部品、半導体チップ
10・・・左端の溝
11・・・中間の溝
12・・・右端の溝
13・・・左端の押さえ具
14・・・中間の押さえ具
15・・・右端の押さえ具
16・・・ネジ
17・・・試料フィルム
18・・・鉛筆
19・・・重り
20・・・バランス重り
Claims (7)
- 載置面が設けられた基板と、
前記載置面上に載置されたフィルム状試料を前記載置面に対して移動不能に固定する固定手段と、
前記フィルム状試料上に当て付けられる鉛筆の芯と、
前記基板または前記鉛筆の何れか一方を移動させ前記鉛筆の芯で前記フィルム状試料を引掻く移動手段とを備える鉛筆引掻き試験機において、
前記載置面上に載置された前記フィルム状試料に、前記引掻く方向に張力を与える張力機構が設けられ、
前記張力機構は、
前記載置面に前記引掻く方向と直交する方向に延在形成された張力付与用溝と、
前記張力付与用溝に挿入され前記張力付与用溝上に位置する前記フィルム状試料の部分を前記張力付与用溝の面に押し付ける張力付与用押さえ具とを含んで構成されている、
ことを特徴とする鉛筆引掻き試験機。 - 前記張力付与用溝は、半円筒面で形成され、
前記張力付与用押さえ具は、前記半円筒面に係合可能な円筒面を有する軸状の部材で形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の鉛筆引掻き試験機。 - 前記張力付与用押さえ具の表面は、柔軟性を有する材料で覆われている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の鉛筆引掻き試験機。 - 請求項1乃至3に何れか1項記載の鉛筆引掻き試験機において、前記張力機構により前記フィルム状試料の引張り破壊歪値の10〜50%の引張り歪みを前記フィルム状試料に負荷することを特徴とする鉛筆引掻き試験機。
- 前記固定手段は、前記載置面に前記引掻く方向と直交する方向に延在形成された固定用溝と、前記固定用溝に挿入され前記固定用溝上に位置する前記フィルム状試料の部分を前記固定用溝の面に押し付ける固定用押さえ具とを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至4に何れか1項記載の鉛筆引掻き試験機。 - 前記固定用溝は、半円筒面で形成され、
前記固定用押さえ具は、前記半円筒面に係合可能な円筒面を有する軸状の部材で形成されている、
ことを特徴とする請求項5記載の鉛筆引掻き試験機。 - 前記固定用押さえ具の表面は、柔軟性を有する材料で覆われている、
ことを特徴とする請求項5または6記載の鉛筆引掻き試験機。
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