JP5135852B2 - 可溶化用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、難水溶性薬剤を可溶化するための組成物、並びに該組成物および難水溶性化合物を含有してなる該化合物の可溶化用前濃縮物に関するものである。
難水溶性の薬剤は、水への溶解性の低さから、腸管吸収性およびバイオアベイラビリティーが低くなるという問題がある。また、新薬開発においても、難水溶性である場合極めて深刻な問題になることが多い。特に、抗悪性腫瘍薬、免疫抑制剤、抗生物質、抗真菌剤、抗高脂血症剤、抗炎症剤等の新薬候補物質はそのほとんどが難水溶性であり、十分な薬理活性を有しつつも、可溶化できないため、毒性試験等各種の試験を行うことができず、開発途中でペンディングあるいはドロップアウトしてしまうことも少なくない。
そこで、従来から、難水溶性薬剤の製剤化として、熱力学的に安定なミクロエマルジョンを用いた可溶化が検討されてきた。
しかし、ミクロエマルジョン化には、粒子径を小さくするために高圧乳化機が用いられることが多く、薬剤によっては高圧乳化時の摩擦熱による影響で活性が低下してしまうという問題点があった。また、ミクロエマルジョン中の油滴自体が安定(小粒径)であったとしても、保存中の難水溶性薬剤の結晶成長により、薬剤が析出してしまうことも多かった。また、ミクロエマルジョンは組成中の大部分が水であるためカプセル化できない(カプセル皮膜として用いるゼラチンを溶解してしまう)ことから、基本的に剤型が液剤に限定される。そのため、薬剤由来の苦味や1回の服用量が多くなる等、コンプライアンスの点で問題があった。
例えば、特許文献1では、ポリオール、不飽和脂肪酸のエステル、界面活性剤、水を用いて、β-カロテンの透明な水性ゲルおよび水溶液を調製している。具体例として、リノール酸エチル、ポリソルベート80、グリセリン、レシチン、水等を用いてβ-カロテン含有の水性ゲルを調製している。当該組成物は、本発明における前濃縮物とは、水を含有する点以外にも、不飽和脂肪酸エステルとして実質的にリノール酸エチルを用いている点、付加的成分としてレシチン(主成分ホスファチジルコリン)を用いている点で異なっている。
当該組成物は水を高比率で含有する製剤であるため、ゼラチンカプセルを適用することができず、また特に水溶液の場合には、粒子の凝集・合一が起こり粒径が経時的に増大する等、製剤としての安定性に問題がある。また、結晶性の高い難水溶性薬剤を高濃度で組成物に溶解させることができない。さらに、当該組成物はβ-カロテンに限定的な処方、調製法であり、調製の段階で160〜180℃に加温する必要があるため、一般的な難水溶性薬剤の活性は大きく低下してしまう。
また、特許文献2では、中鎖脂肪酸トリグリセリド、リン脂質および水を用いて(付加的成分として遊離脂肪酸、グリセリン、界面活性剤をさらに用いて)サイクロスポリンの水中油型エマルションを調製している。具体例として、中鎖脂肪酸トリグリセリド(商品名ミグリオール810)、リノール酸、TWEEN20、グリセリン、卵リン脂質、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、水を用いて、サイクロスポリンAの水中油型エマルションを調製している。当該組成物は、本発明における前濃縮物とは、水を含有する点以外にも、付加的成分として遊離脂肪酸であるリノール酸を用いている点、実質的に卵リン脂質(主成分ホスファチジルコリン)をリン脂質成分として含む点で異なっている。
さらに、特許文献3では、トリグリセリド、リン脂質、ポリオキシエチレン・ソルビタンの部分脂肪酸エステルおよび水を用いてスタウロスポリン誘導体のナノエマルジョンを調製している。具体例として、中鎖脂肪酸トリグリセリド(商品名ミグリオール812)、ポリソルベート80、大豆油からのレシチン(商品名LIPOID S 100)、水を用いてナノエマルジョンを調製している。当該組成物は、本発明における前濃縮物とは、水を含有する点以外にも、多価アルコールを含有しない点、リン脂質として実質的に大豆油からのレシチン(主成分ホスファチジルコリン)を用いている点で異なっている。
これらの特許文献に記載の組成物は目的とするエマルジョンを調製するために高圧乳化機での乳化が必須であり、薬剤によっては高圧乳化の影響で失活してしまう。また、水相比率が高いためそのままでのゼラチンカプセル化は不可能である。しかし、水以外の成分による前濃縮物は、自己乳化性(自己ミクロまたはナノエマルジョン化性)がなく、経口投与のための剤型としては液剤に限定される。難水溶性薬剤の剤型が液剤(エマルジョン)の場合、粒子の凝集・合一が起こり粒径が経時的に増大する等、製剤としての安定性は十分とは言えない。
これらの背景から、最近では、難水溶性薬剤の製剤として、製剤自体には水を含まず、水に容易に分散、溶解する自己乳化(自己ミクロエマルジョン化)型のドラッグデリバリーシステム(SMEDDS;ミクロエマルジョン前濃縮物(MEPC)とも呼ばれる)の開発が進められてきている。しかし、SMEDDS製剤の性能として要望される、前濃縮物として安定であること、薬剤を高濃度で含有できること、自己乳化(自己ミクロエマルジョン化)すること、水への分散速度が高いこと、可溶化後の粒径が小さいこと、腸管吸収性が高いこと、の全ての条件を満たし、かつ種々の難水溶性薬剤に対して適用可能な可溶化用組成物はこれまでなかった。
国際公開WO03/066025パンフレット 特表2000−509021号公報 特開平8−208522号公報
本発明の目的は、上記したSMEDDS製剤に要求される全ての条件を満たし、かつ種々の難水溶性薬剤に対して広く適用可能な可溶化用組成物を提供し、該組成物を用いて難水溶性化合物の可溶化用前濃縮物を調製し、以って難水溶性化合物のバイオアベイラビリティを改善することである。
本発明は、(A) オレイン酸と炭素数1〜3のアルコールとのエステルおよび炭素数6〜12の脂肪酸のトリグリセリドから選択される少なくとも1種の油性成分、(B)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、(C)15〜25℃で液体の多価アルコール、および(D)アシル基を構成する脂肪酸が炭素数6〜14の飽和脂肪酸および炭素数16〜18の不飽和脂肪酸から選択される1種以上の酸性リン脂質を、適切な配合比で含有させることにより、実質的に水を含まず、また、薬剤を高濃度で含有できること、自己乳化(自己ミクロエマルジョン化)すること、水への分散速度が高いこと、分散後の粒径が小さいこと、の全ての条件を満たす可溶化用前濃縮物が、難水溶性化合物の種類を問わず調製可能であることの発見に基づく。
すなわち、本発明は以下に示されるものである。
(1)(A) オレイン酸と炭素数1〜3のアルコールとのエステルおよび炭素数6〜12の脂肪酸のトリグリセリドから選択される少なくとも1種の油性成分、(B)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、(C)15〜25℃で液体の多価アルコール、(D)アシル基を構成する脂肪酸が炭素数6〜14の飽和脂肪酸および炭素数16〜18の不飽和脂肪酸から選択される1種以上の酸性リン脂質を含有する可溶化用組成物。
(2)(A)〜(D)成分を、(A)〜(D)成分の全量を100重量%としてそれぞれ、(A) 20〜40重量%、(B) 30〜45重量%、(C) 15〜40重量%、(D) 0.5〜4重量%の配合比で含有する上記(1)に記載の可溶化用組成物。
(3)さらに(E)エタノールを(A)〜(D)成分の全量に対して0.1〜10重量%含有する上記(1)または(2)に記載の可溶化用組成物。
(4)(A)成分が、オレイン酸エチルおよび炭素数8〜10の脂肪酸トリグリセリドから選択される上記(1)〜(3)のいずれかに記載の可溶化用組成物。
(5)(B)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが、炭素数12〜18の脂肪酸からなるエステルであり、オキシエチレン基の平均付加モル数が15〜25である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の可溶化用組成物。
(6)(B)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが、炭素数12または18の脂肪酸からなるエステルである上記(5)に記載の可溶化用組成物。
(7)(C)多価アルコールが、プロピレングリコールまたはグリセリンである上記(1)〜(6)のいずれかに記載の可溶化用組成物。
(8)(D)酸性リン脂質が、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリンおよびホスファチジン酸から選択される上記(1)〜(7)のいずれかに記載の可溶化用組成物。
(9)(D)酸性リン脂質のアシル基を構成する脂肪酸が、炭素数6〜14の飽和脂肪酸およびオレイン酸から選択される上記(8)に記載の可溶化用組成物。
(10)上記(1)〜(9)のいずれかに記載の可溶化用組成物物および難水溶性化合物を含有してなる該化合物の可溶化用前濃縮物。
(11)難水溶性化合物を有効成分として含有する医薬組成物である、上記(10)記載の前濃縮物。
本発明の可溶化用前濃縮物は、実質的に水を含まないことにより、薬剤の析出や粒子の凝集、合一等、製剤としての不安定化要素のない安定な透明溶液であり、かつゼラチンカプセル化が可能な前濃縮物である。また、上記(A)〜(D)成分を含有するという新規な組成をとることにより、好ましくはそれらを上記した配合比で含有することにより、薬剤を高濃度で含有できること、自己乳化(自己ミクロエマルジョン化)すること、水への分散速度が高いこと、分散後の粒径が小さいこと、の全ての条件を満たし、かつ種々の難水溶性薬剤に対して適用可能な前濃縮物である。また、本発明の可溶化用前濃縮物は、経口投与時の腸管吸収性が高いことも特徴のひとつである。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明は難水溶性化合物を可溶化するための前濃縮物、即ち「可溶化用前濃縮物(以下、「本発明の前濃縮物」という場合もある)」、並びに難水溶性化合物とともに配合することにより、難水溶性化合物を高濃度で含有できること、自己乳化(自己ミクロエマルジョン化)すること、水への分散速度が高いこと、および分散後の粒径が小さいことの各条件を満たす可溶化用前濃縮物を調製し得る、実質的に水を含まない組成物、即ち「可溶化用組成物(以下、「本発明の組成物」という場合もある)」を提供する。尚、ここで「可溶化」とは、前濃縮物中の難水溶性化合物が所望の生理活性を発揮するのに十分な生体吸収性が得られる程度に、生体内で水に溶解もしくは分散することを意味し、したがって、ミクロエマルジョン化をも包含する意味で用いることとする。
上記の特性および前記の効果を有するために、本発明の組成物は実質的に水を含まないという固有の性質を有する。ここで「実質的に水を含まない」とは、難水溶性化合物を加えて本発明の前濃縮物とした際に、保存中に結晶成長による該化合物の析出が生じず、かつゼラチン等の慣用のカプセル皮膜を溶解しない程度にしか水を含まないことを意味し、具体的には、本発明の組成物の総重量の0.5重量%以下、好ましくは0.3重量%以下である。
本発明において、「難水溶性化合物」とは、20℃での水への溶解度が10mg/mL以下の化合物をいう。本発明の組成物は、好ましくは、20℃での水への溶解度が1mg/mL以下、さらに好ましくは0.1mg/mL以下の化合物に対して適用され得る。具体的には、難水溶性化合物としては、例えば、インドメタシン、アセメタシン、スリンダク、マレイン酸プログルメタシン、ピンドロール等のインドール誘導体;アスピリン、ジフルニサル等のサリチル酸誘導体;イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、プラノプロフェン等のフェニルプロピオン酸誘導体;メフェナム酸、フルフェナム酸アルミニウム等のアントラニル酸誘導体;ピロキシカム、アンピロキシカム等のベンゾチアジン誘導体;チアプロフェン酸等のチオフェン酢酸誘導体;酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸クロルマジノン、ダナゾール、フルオロメトロン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン等のステロイド誘導体;葉酸、メトトレキサート等の葉酸誘導体;パクリタキセル、ドセタキセル水和物等のタキサン誘導体;メルカプトプリン等のプリン誘導体;フルオロウラシル、テガフール等のピリミジン誘導体;シクロスポリンA等のペプチド系薬剤;エノキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、塩酸シプロフロキサシン、トシル酸トスフロキサシン、スパルフロキサシン、塩酸ロメフロキサシン、フレロキサシン等のピリドンカルボン酸誘導体(ニューキノロン系抗生物質);イトラコナゾール、フルコナゾール等のトリアゾール誘導体;クロフィブラート、クリノフィブラート、ベザフィブラート等のフィブラート系薬剤;ニフェジピン等のジヒドロピリジン誘導体;トリアゾラム、ジアゼパム、ニトラゼパム、塩酸フルラゼパム、ミダゾラム、エスタゾラム等のベンゾジアゼピン誘導体;ハロペリドール、ドロペリドール等のブチロフェノン誘導体;テオフィリン等のキサンチン誘導体;ジギトキシン、ジゴキシン等のジギタリス誘導体;フェノバルビタール等のバルビツール酸誘導体;フェニトイン等のヒダントイン誘導体;シメチジン等のイミダゾール誘導体;オメプラゾール、ランソプラゾール等のベンズイミダゾール誘導体;ファモチジン等のチアゾール誘導体;シンバスタチン等のスタチン系薬剤のほか、プロブコール、マイトマイシンC、クエン酸タモキシフェン、シスプラチン、タクロリムス水和物、グリセオフルビン、アシクロビル、ジピリダモール、塩酸プラゾシン、レセルピン、塩酸ベラパミル、アテノロール、スルピリド、フマル酸クレマスチン、テルフェナジン、塩酸シプロヘプタジン、オキセサゼイン、スクラルファート、ゲファルナート、レバミピド、メトクロプラミド、パルミチン酸レチノール、酪酸リボフラビン、リン酸ピリドキサール、メコバラミン、酢酸トコフェロール、フィトナジオン、メナテトレノン、フロセミド、インダパミド、スピロノラクトン、トラニラスト、塩酸ブロムヘキシン、ベンズブロマロン、アロプリノール、トルブタミド、レボドパ、等の医薬および/または動物薬して用いられ得る化合物が挙げられるが、上記溶解度を有する限り特に制限はなく、例えば、加工食品や飲料のような一般食品における食品添加物や、特定保健用食品、栄養機能食品等の保健機能食品、サプリメントなどの成分、あるいは農薬化合物なども含まれる。
本発明の前濃縮物における難水溶性化合物の濃度としては、0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜15重量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。
本発明における(A)成分は、オレイン酸と炭素数1〜3のアルコールとのエステルおよび炭素数6〜12の脂肪酸のトリグリセリドから選択される少なくとも1種の油性成分である。オレイン酸と炭素数1〜3のアルコールの具体的な化合物としては、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸プロピルが挙げられ、特に好適なものとしてオレイン酸エチルが挙げられる。
炭素数6〜12の脂肪酸のトリグリセリドにおけるトリグリセリドのアシル基は1種または2種以上であっても良い。好ましくは、炭素数8〜10の脂肪酸のトリグリセリドが挙げられる。市販の製品としては、NOFABLE EO-99、NOFABLE EO-85S(オレイン酸エチル、日本油脂(株)製)、パナセート810(炭素数6〜12の脂肪酸のトリグリセリド)等が挙げられる。
本発明における(B)成分はポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるが、好ましくは炭素数12〜18の脂肪酸からなるエステルであり、オキシエチレン基の平均付加モル数が15〜25であるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであり、さらに好ましくは炭素数12または18の脂肪酸からなるエステルでありオキシエチレン基の平均付加モル数が15〜25であるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである。具体的な化合物としては、例えば、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート(ポリソルベート40)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(ポリソルベート60)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(ポリソルベート80)等が挙げられるが、好ましくはポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(ポリソルベート80)等が挙げられ、さらに好ましくはポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(ポリソルベート80)が挙げられる。市販の製品としては、Polysorbate20(HX)(ポリソルベート20)、Polysorbate80(HX)(ポリソルベート80)(ともに日本油脂(株)製)等が挙げられる。
本発明における(C)成分は、15〜25℃で液体の多価アルコールであれば特に制限はないが、好ましくはプロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600が挙げられ、さらに好ましくはプロピレングリコールまたはグリセリンが挙げられる。最も好ましくはグリセリン、プロピレングリコールを併用し、グリセリン/プロピレングリコール比率が1〜1.5であることが挙げられる。(c)成分としてこれらの化合物を用いることにより、可溶化用前濃縮物の水への分散速度が顕著に上昇することから、経口用製剤として非常に有用である。
本発明における(D)成分は、アシル基を構成する脂肪酸が炭素数6〜14の飽和脂肪酸および炭素数16〜18の不飽和脂肪酸から選択される1種以上の酸性リン脂質である。本発明において、「酸性リン脂質」とは、リン脂質の親水性部位がホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン等である、分子構造全体としてアニオン性のリン脂質を意味する。好ましくは、該酸性リン脂質は、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、またはホスファチジン酸である。さらに好ましくは、アシル基を構成する脂肪酸が炭素数6〜14の飽和脂肪酸およびオレイン酸から選択されるホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、またはホスファチジン酸である。
酸性リン脂質1分子中のアシル基は炭素数6〜14の飽和脂肪酸および炭素数16〜18の不飽和脂肪酸から選択される少なくとも1分子の脂肪酸からなり、リゾ体も含まれる。
市販の製品としては、COATSOME MG-4040LS(ジミリストイルホスファチジルグリセロール)、COATSOME MS-8181LS(ジオレオイルホスファチジルセリン)、COATSOME MA-4040LS(ジミリストイルホスファチジン酸)(全て日本油脂(株)製)等が挙げられる。
本発明の組成物における(A)〜(D)成分の配合比は、難水溶性化合物と配合した場合に、難水溶性化合物を高濃度で含有できること、自己乳化(自己ミクロエマルジョン化)すること、水への分散速度が高いこと、および分散後の粒径が小さいことの各条件を満たす可溶化用前濃縮物を調製し得る限り、特に制限されないが、好ましくは(A)〜(D)成分の全量を100重量%としてそれぞれ、(A) 20〜40重量%、(B) 30〜45重量%、(C) 15〜40重量%、(D) 0.5〜4重量%、より好ましくは(A) 20〜38重量%、(B) 32〜45重量%、(C) 15〜38重量%、(D) 0.5〜3重量%、さらに好ましくは(A) 20〜35重量%、(B) 34〜45重量%、(C) 15〜35重量%、(D) 0.5〜2重量%の配合比で含有する。
本発明の可溶化用組成物の組成について、(A)成分が(A)〜(D)成分の総重量の20重量%未満の場合、難水溶性薬剤の可溶化用組成物への溶解量が小さく、その結果、適正量の薬剤を服用するためには、1カプセルの大きさを大きくするか1回に服用するカプセルの個数を増やす必要があるため、コンプライアンスの点で問題である。また、油性成分の比率が小さいと高い腸管吸収性は期待できない。逆に(A)成分が(A)〜(D)成分の総重量の40重量%より高い場合、相対的に(B)成分(界面活性剤)が低下するため、前濃縮物が分相したり、水に分散後の粒径が大きくなってしまう問題がある。(B)成分が(A)〜(D)成分の総重量の30重量%未満の場合も同様な理由で問題があり、(B)成分が(A)〜(D)成分の総重量の45重量%より高い場合は、前濃縮物総重量に対する(B)成分比率が高くなるため、水に分散したときに前濃縮物がゲル化し、分散時間がかなり遅くなり、また分散時間のバラツキも大きくなる。また、(C)成分が(A)〜(D)成分の総重量の15重量%未満の場合、水への分散速度が遅く、分散時間のバラツキも大きい。逆に(C)成分が(A)〜(D)成分の総重量の40重量%より大きい場合、相対的に(A)および/または(B)成分比率が相対的に小さくなるため、上記と同様の問題点が挙げられる。(D)成分は前濃縮物自体を均一に溶解するのに重要であり、(A)〜(D)成分の総重量の0.5重量%未満の場合、その効果が認められないため前濃縮物は分相し、(A)〜(D)成分の総重量の4重量%より高い場合、前濃縮物中での(D)成分の析出、水への分散時の粒径増大あるいは(D)成分の析出、粘性上昇による水への分散速度の遅延等の問題がある。安定性を更に良好にするためには、(C)/(D)(重量比)を13〜85とすることが好ましく、16〜70とすることがより好ましい。
また、上記重量比を満足すれば、本発明の組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で他の成分を含んでも良い。例えば、(E)エタノールを(A)〜(D)成分の全量を100重量%として、(E)0.1〜10重量%の配合比で含有しても良い。(E)成分を使用すると本発明の組成物への難水溶性化合物の溶解度を著しく上昇させることができるが、(A)〜(D)成分の総重量の10重量%より高くなると、水に分散後の粒径が大きくなったり、腸管吸収後にエタノールの副作用発現の可能性がある等の問題がある。
(E)成分以外の他の成分としては、目的の難水溶性化合物の用途に適した各種の添加剤、例えば、難水溶性化合物が医薬化合物の場合には、医薬上許容され得る担体、賦形剤等が挙げられる。
また、本発明による可溶化用前濃縮物の調製方法としては、例えば、難水溶性化合物を本発明の組成物に直接溶解する方法が挙げられるがそれに限定されず、それ以外にも、例えば以下の方法が挙げられる。
(i)当該可溶化用組成物物に(ii)難水溶性化合物の有機溶媒溶解液を(i):(ii)=2:1〜1:10(v/v)の割合で加え、十分に混合して均一にした後、エバポレート等の方法で有機溶媒を除去する。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、等の揮発性有機溶媒が好ましい。また、エバポレートの温度、時間は薬剤の物性に応じて設定してよい。
上記のようにして得られる本発明の前濃縮物が医薬組成物である場合、経口または非経口投与に適する剤形にさらに製剤化することができる。経口投与のための組成物としては、固体または液体の剤形、具体的には錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等が挙げられる。このような組成物は公知の方法によって製造され、製剤分野において通常用いられる担体、希釈剤もしくは賦形剤を含有していても良い。シロップ剤、乳剤、懸濁剤等で投与する場合は、使用直前に調製することが望ましい。水を実質的に含まないという本発明の前濃縮物の特徴を生かすという意味で、該前濃縮物をゼラチンなどのカプセル剤に充填して使用することが好ましい。
非経口投与のための組成物としては、例えば、注射剤、坐剤等が用いられ、注射剤は静脈注射剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤等の剤形を包含しても良い。このような注射剤は、公知の方法に従って調製できる。注射剤の調製方法としては、例えば、本発明の前濃縮物を、必要に応じて通常注射剤に用いられる無菌の水性液、または油性液に溶解、懸濁または乳化することによって調製できる。注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液等が用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、HCO−50(polyoxyethylene(50mol)adduct of hydrogenated castor oil)〕等と併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油等が用いられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール等を併用してもよい。水性液、または油性液に溶解、懸濁または乳化して注射剤とする場合、溶解、懸濁、乳化の操作は使用直前に行うことが望ましい。また、直腸投与に用いられる坐剤は、本発明の前濃縮物を通常の坐薬用基剤に混合することによって調製することもできる。
本発明の前濃縮物における難水溶性化合物の水への溶解性は化合物の種類などによっても大きく異なるが、水への分散(ミクロエマルジョン化)後の最終濃度としては、各難水溶性化合物自体の水への溶解度の5〜10000倍、好ましくは10〜5000倍、さらに好ましくは20〜2000倍である。
また、本発明において、可溶化用前濃縮物を水に分散後の粒径として、200nm以下が好ましく、100nm以下がさらに好ましい。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
表1に実施例および比較例に記載の可溶化用組成物の製造に使用した化合物の製品名および一般名を示す。
Figure 0005135852
以下に実施例に関して、可溶化用組成物の組成を表2に示す。なお、表中の数字は(A)〜(D)成分の全量に対する重量比(重量%)である。
〔実施例1〜9〕
Figure 0005135852
実施例1の可溶化用組成物は(A)〜(D)成分を約80℃で攪拌、完全に溶解させることにより製造した。実施例2〜6の可溶化用組成物も同様の方法で製造した。実施例7の可溶化用組成物は(A)〜(D)成分を約80℃で攪拌、完全に溶解後、常温で成分(E)を加えて十分混合し均一に溶解させることにより製造した。実施例8〜9の可溶化用組成物も同様の方法で製造した。
以下に比較例に関して、可溶化用組成物の組成を表3および表4に示す。なお、表中の数字は可溶化用組成物中の重量比(重量%)である。また、(A)〜(D)成分との比較のための化合物を(A)’成分(油性成分)および(D)’成分(リン脂質成分)とした。
〔比較例1〜8〕
Figure 0005135852
〔比較例9〜15〕
Figure 0005135852
比較例1の可溶化用組成物は、120℃程度に加熱した(B)成分に(A)成分および(C)成分を徐々に加え、さらに(D)’成分を加えて十分に混合することにより製造した。比較例2の可溶化用組成物は、(C)成分に(A)、(B)、(D)’成分を加え、約50℃で12時間程度加温することにより製造した。比較例3の可溶化用組成物は、130℃程度に加熱した(B)成分に(A)および(C)成分を加え、85〜90℃でこの混合物が溶解するまで攪拌を続け、溶解後に(D)’成分を加えて十分に混合することにより製造した。比較例4の可溶化用組成物は、(A)成分および(B)成分を混合後、(D)’成分を加えて80℃程度で均一に溶解するまで攪拌することにより製造した。比較例5の可溶化用組成物は、(A)および(A)’成分を混合し、この混合物に(D)および(D)’成分を加えて60〜70℃程度で混合し、さらに(B)成分および(C)成分を加えて十分に混合することにより製造した。比較例6の可溶化用組成物は各成分を約80℃で十分に混合することにより製造した。比較例7〜15の可溶化用組成物も同様の方法で製造した。
実施例1〜9の可溶化用組成物に関して、可溶化用組成物の外観、可溶化用組成物の水への分散速度、分散後のミクロエマルジョンの粒径の点から性能を評価した結果を表5に示す。
<評価方法>
・可溶化用組成物の外観
各成分を溶解後の常温での可溶化用組成物の外観を評価した。さらに1日静置後の可溶化用組成物の外観を評価した。
○:均一な透明液体
△:半透明、微濁りありの液体
×:分相、析出等、不均一な状態、または固化等、流動性の無い状態
・分散速度
10mLの水(容器:20mLスクリュー管)をマグネチックスターラーを用いて400rpmで攪拌しながら、可溶化用組成物100μLを添加し、添加してから均一に分散するまでの時間を測定した。
S:1分以内、A:1〜3分、B:3〜5分、C:5〜10分、D:10〜20分、E:20分以上
・粒径
分散速度測定後のミクロエマルジョンについて、動的光散乱式粒度分布測定機を用いて粒径を測定した。
Figure 0005135852
比較例1〜15の可溶化用組成物に関して、実施例1〜9と同様に性能の評価を行った。結果を表6および表7に示す。なお、基本的に1日後の外観評価が×の可溶化用組成物は、組成が不均一なため製剤として不適当であると判断し、分散速度および粒径の測定を実施しなかったが、比較例2については確認のため、約80℃で可溶化用組成物を加温溶解した直後の分散速度と粒径を測定し、評価を行った。
Figure 0005135852
Figure 0005135852
また、実施例2の可溶化用組成物を用いて各種の難水溶性薬剤を適用した例を以下に示す。
〔実施例10〕
実施例2の可溶化用組成物10.63gにプロブコール(PRB)0.93gを添加後、常温で攪拌して完全に溶解することにより8% PRB含有前濃縮物を得た。
〔実施例11〕
実施例2の可溶化用組成物200μLにシクロスポリンA(CyA)30mg/mLエタノール溶液を500μL加えて完全に溶解した後、約50℃でエバポレーションを行い、エタノールを留去することにより7.5% CyA含有前濃縮物を得た。
〔実施例12〕
実施例2の可溶化用組成物200μLにインドメタシン(IND)20mg/mL溶液(エタノール:アセトニトリル=1:1(v/v))を500μL加えて完全に溶解した後、約50℃でエバポレーションを行い、エタノールおよびアセトニトリルを留去することにより5% IND含有前濃縮物を得た。
〔実施例13〕
実施例2の可溶化用組成物200μLにパクリタキセル(PTX)10mg/mLエタノール溶液を500μL加えて完全に溶解した後、約50℃でエバポレーションを行い、エタノールを留去することにより2.5% PTX含有前濃縮物を得た。
〔実施例14〕
実施例2の可溶化用組成物200μLに酢酸メドロキシプロゲステロン(MPS)2mg/mL溶液(エタノール:アセトニトリル=1:1(v/v))を500μL加えて完全に溶解した後、約50℃でエバポレーションを行い、エタノールおよびアセトニトリルを留去することにより0.5% MPS含有前濃縮物を得た。
〔実施例15〕
実施例2の可溶化用組成物200μLにメフェナム酸(MFA)4mg/mL溶液(エタノール:アセトニトリル=1:1(v/v))を500μL加えて完全に溶解した後、約50℃でエバポレーションを行い、エタノールおよびアセトニトリルを留去することにより1% MFA含有前濃縮物を得た。
〔実施例16〕
実施例2の可溶化用組成物200μLにクロフィブラート(CLF)30mg/mLエタノール溶液を500μL加えて完全に溶解した後、約50℃でエバポレーションを行い、エタノールを留去することにより7.5% CLF含有前濃縮物を得た。
〔実施例17〕
実施例2の可溶化用組成物200μLにニフェジピン(NFD)12mg/mL溶液(エタノール:アセトニトリル=1:1(v/v))を500μL加えて完全に溶解した後、約50℃でエバポレーションを行い、エタノールおよびアセトニトリルを留去することにより3% NFD含有前濃縮物を得た。
〔実施例18〕
実施例2の可溶化用組成物200μLにベンズブロマロン(BzB)20mg/mLアセトン溶液を500μL加えて完全に溶解した後、約50℃でエバポレーションを行い、アセトンを留去することにより5% BzB含有前濃縮物を得た。
〔実施例19〕
実施例2の可溶化用組成物200μLに酢酸クロルマジノン(CLM)2mg/mLアセトニトリル溶液を500μL加えて完全に溶解した後、約50℃でエバポレーションを行い、アセトニトリルを留去することにより0.5% CLM含有前濃縮物を得た。
実施例10〜19の難水溶性薬剤含有前濃縮物に関して、実施例1〜9と同様に性能の評価を行った。結果を表8に示す。
Figure 0005135852
実施例10の前濃縮物について、ラットを用いて腸管吸収試験を行った。対照物質として、プロブコール市販製剤(ロレルコ錠:大塚製薬(株))を使用した。
<ラット腸管吸収試験(n=5)>
・使用動物:雄性SDラット(8週齢)
・投与方法:実施例10および市販製剤について、精製水を用いて20mg/mLの薬液とし、100mg/kg経口投与を行った。
・採血:投与後0,2,4,6,8時間経過時の血液を尾静脈より採血した。血液は直ちに遠心分離を行い血清とした。
・定量:血清を常法により除タンパク、抽出を行い、HPLCにて定量を行った。
定量条件
カラム:5μm Hypersil ODS (250mm×4.6mm, chemco, Japan)
移動相:アセトニトリル:ヘキサン:0.1M酢酸アンモニウム=180:13:7(v/v)
流速:0.9mL/min
波長:254nm
実施例10および市販製剤について、血中濃度の推移を図1、最大血中濃度(Cmax)および血中濃度下面積(Area Under Concentration;AUC)を表9に示した。
Figure 0005135852
本発明の可溶化用組成物は、薬剤を高濃度で含有できること、自己乳化(自己ミクロエマルジョン化)すること、水への分散速度が高いこと、分散後の粒径が小さいこと、の全ての条件を満たし、かつ種々の難水溶性薬剤に対して広く適用可能であることから、多種多様な難水溶性薬剤の腸管吸収性およびバイオアベイラビリティーの改善に有用である。また、抗悪性腫瘍薬、免疫抑制剤、抗生物質、抗真菌剤、抗高脂血症剤、抗炎症剤等の新薬候補物質のほとんどが難水溶性であるような薬剤の新薬開発において、毒性試験等の各種試験を行うための難水溶性化合物を可溶化に有用である。
実施例10および市販製剤について、血中濃度の推移を示す図である。(−◆−)実施例10;(−■−)市販製剤

Claims (10)

  1. (A)オレイン酸と炭素数1〜3のアルコールとのエステルおよび炭素数6〜12の脂肪酸のトリグリセリドから選択される少なくとも1種の油性成分、(B)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、(C)15〜25℃で液体の多価アルコール、(D)アシル基を構成する脂肪酸が炭素数6〜14の飽和脂肪酸および炭素数16〜18の不飽和脂肪酸から選択される1種以上の酸性リン脂質を含有する、20℃での水への溶解度が10mg/mL以下である難水溶性化合物の可溶化用組成物であって、(A)〜(D)成分を、(A)〜(D)成分の全量を100重量%としてそれぞれ、(A)20〜40重量%、(B)30〜45重量%、(C)15〜40重量%、(D)0.5〜4重量%の配合比で含有し、水の含有量が組成物の総重量の0.5重量%以下である可溶化用組成物。
  2. さらに(E)エタノールを(A)〜(D)成分の全量に対して0.1〜10重量%含有する請求項1に記載の可溶化用組成物。
  3. (A)成分が、オレイン酸エチルおよび炭素数8〜10の脂肪酸トリグリセリドから選択される請求項1または2に記載の可溶化用組成物。
  4. (B)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが、炭素数12〜18の脂肪酸からなるエステルであり、オキシエチレン基の平均付加モル数が15〜25である請求項1〜3のいずれか1項に記載の可溶化用組成物。
  5. (B)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが、炭素数12または18の脂肪酸からなるエステルである請求項4に記載の可溶化用組成物。
  6. (C)多価アルコールが、プロピレングリコールまたはグリセリンである請求項1〜5のいずれか1項に記載の可溶化用組成物。
  7. (D)酸性リン脂質が、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリンおよびホスファチジン酸から選択される請求項1〜6のいずれか1項に記載の可溶化用組成物。
  8. (D)酸性リン脂質のアシル基を構成する脂肪酸が、炭素数6〜14の飽和脂肪酸およびオレイン酸から選択される請求項7に記載の可溶化用組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の可溶化用組成物および、20℃での水への溶解度が10mg/mL以下である難水溶性化合物を含有してなる該化合物の可溶化用前濃縮物。
  10. 20℃での水への溶解度が10mg/mL以下である難水溶性化合物を有効成分として含有する医薬組成物である、請求項9記載の前濃縮物。
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