JP2001151669A - 経口用自己乳化製剤 - Google Patents

経口用自己乳化製剤

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JP2001151669A
JP2001151669A JP33224099A JP33224099A JP2001151669A JP 2001151669 A JP2001151669 A JP 2001151669A JP 33224099 A JP33224099 A JP 33224099A JP 33224099 A JP33224099 A JP 33224099A JP 2001151669 A JP2001151669 A JP 2001151669A
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surfactant
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Emiko Yamazaki
恵美子 山崎
Takaaki Okuma
高明 大熊
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】環境変化特に水の影響を受けやすい医薬成分を
油性基剤に分散又は溶解して安定化し、服用時に飲料水
に投入した際にカップを揺する程度で速やかに拡散及び
油性基剤が自己乳化し、油浮きのない乳化安定性に優れ
た経口製剤を提供する。 【解決手段】油性基剤として、製剤全体に対しグリセリ
ン脂肪酸エステル及び/又はプロピレングリコール脂肪
酸エステルを20〜50重量%、界面活性剤を10〜6
0重量%、極性有機溶剤を10〜60重量%を含有し、
薬効成分を0.1〜30重量%含有することを特徴と
し、水に投入した際に油性基剤が速やかに拡散し、自己
乳化することを特徴とする用時希釈型の経口用自己乳化
製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水で希釈する際に
速やかに拡散及び自己乳化する用時希釈タイプの油性製
剤に関するものである。環境変化の影響を受けやすい医
薬成分を安定な状態で含有し、必要により助剤を加える
ことで経口服用可能となる。
【0002】
【従来の技術】環境変化の影響を受けやすい医薬成分を
油性基剤に分散又は溶解して安定化することは可能であ
ると推測されるが、油剤をそのまま服用することは味、
におい等の面において不快感が伴い、商品価値は低い。
このためリポソーム化、O/W、O/W/Oエマルショ
ン化等の乳化技術及びマイクロカプセル化技術による安
定化が試みられている。乳化製剤の場合、製造設備にナ
ノメートルオーダーで均一なミセルを作るための特別な
乳化撹拌装置、加温装置等が必要である。一方で、常温
における長期保存は今だ難しいとされる(WO97/3
0696)。
【0003】自己乳化製剤自体は非乳化状態の製剤(水
相を含まないことを特徴とする油性製剤)であり、リポ
ソーム及びO/W、O/W/Oエマルション製剤とは区
別されるものである。非乳化状態の製剤とした場合、均
一系及び懸濁系となるため処方成分の混合攪拌が容易と
なる。非乳化状態の自己乳化製剤の研究としては、医薬
注射剤が特開平4−164024に開示されているに過
ぎず、医薬経口製剤は知られていない。
【0004】一方で、特開平10−53530に示され
た安定化されたセンノシド水溶液製剤においても医薬品
として常温で保存するに足る安定性は得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、環境変化の影響を受けやすい医薬成分を油
性基剤に分散又は溶解して安定化し、しかも服用時に飲
料水に投入した際に速やかに拡散し、乳化安定性に優れ
た経口用製剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく研究を重ねた結果、グリセリン脂肪酸エステ
ル及び/又はプロピレングリコール脂肪酸エステル、界
面活性剤、極性有機溶剤を特定の所定割合で配合するこ
とで、水に投入した際に速やかに拡散し、油性基剤が自
己乳化する用時希釈タイプの自己乳化製剤が可能とな
り、薬効成分の安定性が維持されることを見出した。
【0007】単にグリセリン脂肪酸エステル及び/又は
プロピレングリコール脂肪酸エステルを油相とし、これ
に界面活性剤、極性有機溶剤及び薬効成分を任意の割合
で混合攪拌した製剤では、水に投入した際に沈殿もしく
は浮遊し分散しない、又は速やかに拡散はするが最初か
ら若しくは経時的な油の合一により油滴が浮遊してく
る。前者は極性有機溶剤の絶対量の不足、極性有機溶剤
の油相剤及び水との相溶性、油相の要求HLB、界面活
性剤の水への浸透速度、製剤粘度等が影響すると判断さ
れ、後者は界面活性剤の絶対量の不足、極性有機溶剤の
界面張力低下効果によるミセル形成への抑制作用等が影
響すると判断された。つまりこれらの要因に対処すべく
各添加剤の特性と油及び水への相溶性から成分の選択と
配合割合を特定し、所望される拡散力及び乳化安定性を
兼ね備えた自己乳化製剤を得た。
【0008】すなわち、本発明は次の(1)〜(10)
に関する。 (1)油性基剤として、製剤全体に対しグリセリン脂肪
酸エステル及び/又はプロピレングリコール脂肪酸エス
テルを20〜50重量%、界面活性剤を10〜60重量
%、極性有機溶剤を10〜60重量%を含有し、薬効成
分を0.1〜30重量%含有する製剤であって、水に投
入した際に油性基剤が速やかに拡散し、自己乳化するこ
とを特徴とする用時希釈型の経口用自己乳化製剤。 (2)好ましくは、グリセリン脂肪酸エステル及び/又
はプロピレングリコール脂肪酸エステルを25〜45重
量%、界面活性剤を20〜45重量%、極性有機溶剤を
10〜35重量%及び薬効成分を0.1〜20重量%含
有する前記1項記載の経口用自己乳化製剤。 (3)界面活性剤が非イオン性界面活性剤であってHL
Bが7〜18である1〜2項いずれかに記載の製剤。 (4)界面活性剤として少なくともショ糖脂肪酸エステ
ルを含む1〜3項いずれかに記載の製剤。
【0009】(5)界面活性剤としてショ糖脂肪酸エス
テル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
を含む4項記載の製剤。 (6)極性有機溶剤が低級アルコール及び/又は多価ア
ルコールである1〜5項いずれかに記載の製剤。 (7)極性有機溶剤がエタノール及び/又はプロピレン
グリコールである6項記載の製剤。 (8)助剤として矯味剤及び/又は矯臭剤を添加するこ
とにより、界面活性剤のエグミ及び/又は臭いをマスキ
ングした1〜7項いずれかに記載の製剤。 (9)薬効成分がセンノシド類である1〜8項いずれに
か記載の製剤。 (10)薬効成分がアスコルビン酸である1〜8項いず
れかに記載の製剤。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、グリセリン脂肪
酸エステル及び/又はプロピレングリコール脂肪酸エス
テルは油性基剤として用いるもので、常温で流動性があ
り極性有機溶剤との相溶性があるものである。本発明で
は、ポリグリセリン脂肪酸エステルを除いては、脂肪酸
側鎖の炭素数が8〜12の中鎖脂肪酸エステルが好まし
い。更に、具体的にはモノ、ジ、若しくはトリグリセラ
イドとして、モノカプロン、モノカプリン、ジカプロ
ン、ジカプリン、トリカプロン、トリカプリン、及びこ
れらの混合した混合グリセライド、ジカプリル酸プロピ
レングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、
トリオレイン酸デカグリセリン等が好ましい。これらの
製剤全体に対する配合量は20〜50重量%、好ましく
は25〜45重量%、更に好ましくは25〜35重量%
の範囲である。
【0011】界面活性剤は油相を水に投入した際に乳化
させるために用いるもので、例えば非イオン性界面活性
剤のポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン
硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル(Tween)、ソルビタン脂肪酸エステル(S
pan)、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレングリコール(ポロクサマー)、ホ
スファチジルコリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリ
コール脂肪酸エステル、カチオン性界面活性剤のラウリ
ル硫酸ナトリウム又はこれらの混合物等が挙げられる。
中でも非イオン性界面活性剤でHLBが7〜18である
ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ショ糖脂肪酸エステルが好ましく、更にはHLBが
11〜18であるポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオ
キシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルが特に好ま
しい。また、界面活性剤は2種以上を組み合わせて用い
ると乳化安定性は相加的又は相乗的に向上する。これら
の製剤全体に対する配合量は10〜60重量%、好まし
くは20〜45重量%の範囲である。
【0012】また、本発明において、極性有機溶剤は配
合量が多いほど油性基剤及び薬効成分等の水への拡散速
度を速くする一方、界面活性剤のミセル形成に対しては
抑制的に働き、油の合一を促進させる。本発明では、親
水基が大きく乳化力が高いとされるポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ
油類等よりも、本来乳化安定化効果が弱いとされるショ
糖脂肪酸グリセリンの方が、極性有機溶剤を多量に用い
た場合は、前記界面活性剤に比べ乳化力は高くなること
を見いだした。また、ショ糖脂肪酸エステルと他の界面
活性剤を併用することにより、乳化安定性は相加的又は
相乗的に向上する。よって、拡散速度が速く乳化安定性
の良い自己乳化製剤とするためには少なくともショ糖脂
肪酸エステルを含むことが好ましく、更には界面活性剤
を2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。特に
本発明では、ショ糖脂肪酸エステルとポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステルを組み合わせて用いること
が好ましい。
【0013】極性有機溶剤は水に投入した際に油性基剤
及び薬効成分等を速やかに拡散させるために用いるもの
で、低級アルコールのエタノール、プロパノール、多価
アルコールのプロピレングリコール、グリセリン、ポリ
エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イ
ソプレングリコール、ヘキシレングリコール又はこれら
の混合物等が挙げられる。中でも油性基剤及び水との相
溶性を合い備えたものが相応しく、低級アルコール、プ
ロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポ
リエチレングリコールが好ましく、更にはエタノール、
プロピレングリコールが特に好ましい。これらの製剤全
体に対する配合量は10〜60重量%、好ましくは10
〜35重量%の範囲である。
【0014】本発明の自己乳化製剤は必要により助剤を
加えることができる。助剤としては矯味剤、矯臭剤、酸
化防止剤が挙げられる。界面活性剤の多くは特異なエグ
ミ及び油臭さを有するため、矯味剤、矯臭剤でマスキン
グすると経口服用感が良くなる。例えば矯味剤として甘
味剤を加えることで界面活性剤の舌に残る刺激を抑制し
エグミをマイルドにする。更に矯臭剤として着香剤を加
えることでエグミとにおいをマスキングできる。助剤を
添加する場合は、製剤全体に対して1〜20重量%程度
である。
【0015】薬効成分は、薬効成分に対して不活性な油
性基剤、界面活性剤及び極性有機溶剤等よりなる溶媒中
に溶解又は分散した状態で含有する。薬効成分は、経口
服用されるものであれば限定されるものではなく、特に
外部環境(例えば水、酸素等)の影響を受けやすいも
の、非水溶性のもの、嵩高く粉体では調剤しにくいもの
等について有用である。薬効成分の製剤全体に対する配
合量は0.1〜30重量%、分散状態の場合好ましくは
0.1〜20重量%の範囲である。例えば薬効成分とし
ては、センノシド類(センノシドA、センノシドB、セ
ンノシドC、センノシドD、センニジンA、センニジン
B及びそのカルシウム塩等)、アスコルビン酸等が挙げ
られる。
【0016】本発明の自己乳化製剤に配合される薬効成
分は、油性基剤中での形態が溶解状態であっても非溶解
状態であっても油性基剤の自己乳化に影響を与えないた
め、油性あるいは水性のものであるかの特定はする必要
がない。すなわち、本発明の自己乳化製剤を水に投入し
た際、薬効成分が水溶性の場合は薬効成分が均一に溶解
又は分散した水相を持つ乳化液となり、薬効成分が非水
溶性の場合は薬効成分が溶解又は分散した油相を持つ及
び/又は水相にも薬効成分が分散した乳化液となる。
【0017】例えば、水に対して不安定なセンノシド
(センノシドA及びBのカルシウム塩)を薬効成分とし
た場合、特開平10−53530記載のセンノシド水溶
液製剤では40℃2週間保存における対開始時含量が9
1〜96%だったのに対し、本発明の実施例1の40℃
4箇月保存における対開始時含量は99%であった。ま
た、センノシドの水に対する溶解状態及び油性基剤の乳
化状態も良好であった。また、酸素に対して不安定なア
スコルビン酸を薬効成分とした場合、本発明の実施例1
0の40℃1箇月保存における対開始時含量は92%で
あった。いずれも、薬効成分の安定性は優れたものであ
った。
【0018】臨床での用い方としては、本発明により得
られた製剤を患者に適用するには、直接又は振盪後、油
滴を水に滴下して経口服用すればよい。各々の薬剤の服
用量は、症状ごとの通常用いる用量を基準として、この
薬剤量となるよう適当量に希釈して服用することが可能
である。また、患者の症状、年齢、体重によって、適宜
増減して服用することで構わない。
【0019】
【実施例】以下に実施例及び実験例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、これらは本発明を限定するものでは
ない。なお、以下の例において%はいずれも重量%であ
る。 実施例1 センノシドカルシウム塩(センノサイド、日本粉末薬
品、センノシドA及びBのカルシウム塩として60%)
1.5gにポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル(ポリソルベート80、日光ケミカルズ)3gを乳鉢
攪拌しながら徐々に加える。ジカプリル酸プロピレング
リコール(Sefsol−228、日光ケミカルズ)9
g及び無水エタノール4.5gで溶解しておいたショ糖
オレイン酸エステル(シュガーエステルO−1570、
三菱化学フーズ)6gを加え、ガラス容器に移した後ホ
モミキサーにて8000rpmで5分間攪拌を行い油性
懸濁製剤24g(自己乳化製剤)を得た。
【0020】実施例2 センノシドカルシウム塩(センノサイド、日本粉末薬
品)を製剤組成物全体(8g)に対し10%及びサッカ
リンナトリウム5%にポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル(ポリソルベート80,Nafable、
日本油脂)10%を乳鉢攪拌しながら徐々に加える。ジ
カプリル酸プロピレングリコール(Sefsol−22
8、日光ケミカルズ)30%、無水エタノール25%で
溶解しておいたショ糖オレイン酸エステル(シュガーエ
ステルO−1570、三菱化学フーズ)20%及びペパ
ーミントオイル微量を加え、ガラス容器に移した後ホモ
ミキサーにて8000rpmで5分間攪拌を行い油性懸
濁製剤8gを得た。
【0021】実施例3〜4 実施例1および2に準じて、特定の処方割合で実施例3
〜4の油性懸濁製剤を作成して得た。なお、後記する表
1に、実施例1〜4の油性懸濁製剤(自己乳化製剤)の
処方を製剤全体に対する割合比(重量%)で示した。
【0022】実施例5 アスコルビン酸(丸石製薬)を製剤組成物全体(22
g)に対して10%にポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル(ポリソルベート80、日光ケミカルズ)
11%を乳鉢攪拌しながら徐々に加える。ジカプリル酸
プロピレングリコール(Sefsol−228、日光ケ
ミカルズ)32%及びプロピレングリコール26%で溶
解しておいたショ糖オレイン酸エステル(シュガーエス
テルO−1570、三菱化学フーズ)21%を加え、ガ
ラス容器に移した後ホモミキサーにて攪拌を行い油性懸
濁製剤22gを得た。
【0023】参考例1〜5 薬効成分の含まれていない油性懸濁液を参考例1〜5と
して、実施例1および2に準じて作成して得た。なお、
処方およびその割合比については後記する表1に示し
た。
【0024】次に、試験例として、本発明の実施例、参
考例および比較例について薬効成分の安定性、製剤の拡
散性及び乳化安定性を試験したので以下に示す。 試験例1 薬効成分(センノシド)の安定性 本発明実施例1に示した油性懸濁液を5mLバイアルに
1mL入れ、密封後40℃で保存し、含量を高速液体ク
ロマトグラフ法(ODSカラム、波長270nm)によ
り測定し、保存開始時に対するセンノシドA及びBの残
存率を求めた結果、2箇月後で101%、4箇月後で9
9%と安定であった。
【0025】一方、比較例として特開平10−5353
0記載の実施例製剤(センノシド水溶液製剤)では、4
0℃2週間保存における対開始時含量が91〜96%と
低下していた。特開平10−53530の実施例1の処
方は以下の通り:センノシドカルシウム塩3.07gを
pH6.0の50mMクエン酸緩衝液140mLに溶解
し、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に調節(セン
ノシドAおよびB濃度;12mg/ml)。
【0026】試験例2 薬効成分(アスコルビン酸)の
安定性 本発明実施例5に示した油性懸濁液を5mLバイアルに
1mL入れ、密封後40℃で1箇月保存し、含量を高速
液体クロマトグラフ法(波長245nm)により測定し
た結果、保存開始時に対するアスコルビン酸の含量は9
2%と安定であった。
【0027】試験例3 製剤の拡散性及び乳化安定性 室温(20〜25℃)下、水25mL中に本発明実施例
1〜4および参考例1〜5の自己乳化製剤(油性懸濁
液)0.5gを滴下したときの拡散に要する時間及び2
4時間後までの乳化安定性を目視にて試験した。 拡散性の評価分類(滴下直後): ◎:グラスを軽く揺すると1分以内に拡散した ○:グラスを揺すると5分以内に拡散した △:グラスを揺するだけでは拡散せず、スプーンを用い
て拡散した ×:拡散せずに分離した状態 乳化安定性の評価分類(滴下24時間後) ○:均一溶液である △:1mm以下の油の合一を認める ×:1mmより大きい油の合一もしくは油層を認める 結果を表1に示す。なお、実施例および参考例の処方を
製剤組成物全体に対する割合比(重量%)で示した。
【0028】
【表1】 本発明の製剤は、いずれも拡散性および乳化安定性を十
分満たすものであった。
【0029】
【発明の効果】本発明の自己乳化製剤は環境変化の影響
を受けやすい薬効成分を油性基剤に分散又は溶解して安
定化し、服用時に飲料水に投入した際にカップを揺する
程度で速やかに拡散及び自己乳化し、油浮きのない乳化
安定性に優れた製剤である。薬効成分として外部環境
(例えば水、酸素等)の影響を受けやすいもの、非水溶
性のもの、嵩高く粉体では調剤しにくいもの等を安定な
状態で配合することもでき、滴下容器を用いることで用
量調節が可能であり、嚥下しやすい水溶液剤として服用
できる点で有用である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C076 AA22 BB01 CC16 CC24 DD09F DD37 DD38 DD46A DD68F FF16 FF43 FF52 FF63 4C086 AA01 AA02 BA18 MA03 MA05 MA23 MA52 NA03 NA04 NA09 NA11 ZC28 4C088 AB59 MA23 MA52 NA03 NA04 NA09 NA11 ZA72

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油性基剤として、製剤全体に対しグリセリ
    ン脂肪酸エステル及び/又はプロピレングリコール脂肪
    酸エステルを20〜50重量%、界面活性剤を10〜6
    0重量%、極性有機溶剤を10〜60重量%を含有し、
    薬効成分を0.1〜30重量%含有する製剤であって、
    水に投入した際に油性基剤が速やかに拡散し、自己乳化
    することを特徴とする用時希釈型の経口用自己乳化製
    剤。
  2. 【請求項2】グリセリン脂肪酸エステル及び/又はプロ
    ピレングリコール脂肪酸エステルを25〜45重量%、
    界面活性剤を20〜45重量%、極性有機溶剤を10〜
    35重量%及び薬効成分を0.1〜20重量%含有する
    請求項1記載の経口用自己乳化製剤。
  3. 【請求項3】界面活性剤が非イオン性界面活性剤であっ
    てHLBが7〜18である請求項1〜2いずれかに記載
    の製剤。
  4. 【請求項4】界面活性剤として少なくともショ糖脂肪酸
    エステルを含む請求項1〜3いずれかに記載の製剤。
  5. 【請求項5】界面活性剤としてショ糖脂肪酸エステル及
    びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む
    請求項4記載の製剤。
  6. 【請求項6】極性有機溶剤が低級アルコール及び/又は
    多価アルコールである請求項1〜5いずれかに記載の製
    剤。
  7. 【請求項7】極性有機溶剤がエタノール及び/又はプロ
    ピレングリコールである請求項6記載の製剤。
  8. 【請求項8】助剤として矯味剤及び/又は矯臭剤を添加
    することにより、界面活性剤のエグミ及び/又は臭いを
    マスキングした請求項1〜7いずれかに記載の製剤。
  9. 【請求項9】薬効成分がセンノシド類である請求項1〜
    8いずれかに記載の製剤。
  10. 【請求項10】薬効成分がアスコルビン酸である請求項
    1〜8いずれかに記載の製剤。
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