JP5135275B2 - 経路障害箇所推定装置及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Description
非特許文献1〜3の従来技術では、同時に複数箇所で障害が発生した場合、確かに同一の経路障害に起因して発生したメッセージ群を抽出することが難しく、推定結果に誤りが生じやすい。
非特許文献4の従来技術では、計測されたBGPアップデートメッセージを障害前のものと障害後のものとに正確に分類することが難しいために、経路障害発生前後の各ネットワークトポロジーの精度が低下し、推定結果に誤りが生じる恐れがある。また、AS個別のルーティングポリシーを考慮しないので、計測地点ごとに推定される障害箇所候補間で矛盾が発生し、推定精度が低下する。
また、非特許文献5の従来技術では、各AS間リンクを通信経路として利用するプレフィックス数をBGPアップデートメッセージから算出した値と、算出された値の移動平均による期待値とを比較し大きく乖離する場合を抽出している。
このため、算出された値と算出された値の移動平均による期待値とを比較して大きな乖離とみなされないような小規模の障害が推定できず、大規模な経路障害しか推定できないという課題があった。
これにより、前述の経路障害箇所推定装置がコンピュータを利用して実現できるようになる。
以下、図面を参照し、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る経路障害箇所推定装置1の構成を示すブロック図である。図1において、経路障害箇所推定装置1は、実BGPデータファイル入力部2と実BGPデータ記憶部3とASトポロジー情報抽出部4とoriginAS情報抽出部5とRIB比較部6と尤度計算部7と推定データ生成部8とネットワークシミュレータ10とを備える。
また、上記周辺機器については、経路障害箇所推定装置1に直接接続するものであってもよく、あるいは通信回線を介して接続するようにしてもよい。また、通信装置によりサーバ装置等とデータ通信し、データを入出力するようにしてもよい。
まず、図2においてステップS1では、実BGPデータファイル入力部2が、実BGPデータファイルを入力する。実BGPデータファイルは、実際に複数の計測地点の各ノードで計測されたBGPアップデートメッセージと、実際に該計測地点の各ノードにより生成されたRIB(Routing Information Base;ルーティング情報ベース)とが、5〜10分単位で、ファイルに格納されたものである。
なお、説明の便宜上、実BGPデータファイルに含まれる、BGPアップデートメッセージのことを「実BGPアップデートメッセージ」と称し、RIBのことを「実RIB」と称する。
例えば、尤度が最大である障害シナリオ40を確かなものとする。或いは、尤度が所定値以上である障害シナリオ40を確かなものとしてもよい。そして、推定データ生成部8は、確からしいと判定した障害シナリオ40で指定される障害箇所の情報を推定データに含める。複数の障害シナリオ40が確からしい場合は、尤度の大きい順に、発生の高い障害箇所として推定データ内で明示する。また、各障害箇所に対応する尤度を推定データに含めてもよい。
以下、図4、8〜12を参照し、本発明の第2の実施形態について説明する。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る経路障害箇所推定装置1の構成を示すブロック図である。図8において、経路障害箇所推定装置1は、実BGPデータファイル入力部2と実BGPデータ記憶部3とASトポロジー情報抽出部4とoriginAS情報抽出部5とRIB比較部6と尤度計算部7と推定データ生成部8とネットワークシミュレータ10と経路障害箇所候補の抽出部50を備える。
まず、図9においてステップS1では、実BGPデータファイル入力部2が、実BGPデータファイルを入力する。
同様に、他のAS間リンクのプレフィックス数を集計する。
経路障害箇所候補の抽出部50は、実BGPアップデートメッセージの受信前に経由していたAS間リンクであるAS4とAS3間リンクのプレフィックス数=2から1減算した結果の1と、この履歴を図示しない記憶部に記憶する。
また、経路障害箇所候補の抽出部50は、実BGPアップデートメッセージの受信後に経由するAS間リンクであるAS3とAS1間リンクのプレフィックス数=2に1加算した結果の3と、この履歴を図示しない記憶部に記憶する。
経路障害箇所候補の抽出部50は、実BGPアップデートメッセージの受信前に経由していたAS間リンクであるAS4とAS3間リンクのプレフィックス数=2から1減算した結果の1と、この履歴を図示しない記憶部に記憶する。
次に、ネットワークトポロジー生成部11が、経路障害箇所候補の抽出部50から受け取ったASトポロジー情報に基づいて、抽出されたASノートとAS間リンクをダウンさせたAS間の接続の構成を表す情報であるネットワークトポロジーを生成する。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disk)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
Claims (9)
- 複数のASが相互に接続されて構成される通信ネットワークシステムにおける通信経路の障害箇所を推定する経路障害箇所推定装置において、
あるネットワークトポロジーにおけるBGPアップデートメッセージの伝播状態を計算するネットワークシミュレータと、
障害箇所推定時刻における前記通信ネットワークシステムのネットワークトポロジーにおいてある障害シナリオが適用された前記ネットワークシミュレータのシミュレーション結果と、前記通信ネットワークシステムで実測された前記障害箇所推定時刻におけるBGPアップデートメッセージの伝播状態との類似度を計算する計算部と、
前記類似度に基づいて、経路障害箇所推定結果を表す推定データを生成する推定データ生成部と、
を備えたことを特徴とする経路障害箇所推定装置。 - 障害箇所推定時刻における前記通信ネットワークシステムのネットワークトポロジーにおいて障害シナリオ非適用の前記ネットワークシミュレータのシミュレーション結果と、前記通信ネットワークシステムで実測された前記障害箇所推定時刻におけるBGPアップデートメッセージの伝播状態とを比較する比較部と、
前記比較の結果に基づいて、前記ネットワークシミュレータのシミュレーション条件を校正する制御部と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の経路障害箇所推定装置。 - 前記ネットワークシミュレータは、ネットワークトポロジーに含まれるASからある地点に到達するまでにBGPアップデートメッセージが経由するASのAS番号順序列を計算する手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の経路障害箇所推定装置。
- 前記制御部は、前記比較の結果、不一致したAS番号順序列に対応するプレフィックスの広報を停止させることを特徴とする請求項2に記載の経路障害箇所推定装置。
- 前記ネットワークシミュレータは、前記AS番号順序列に基づいてRIBを生成するRIB生成部を有することを特徴とする請求項3に記載の経路障害箇所推定装置。
- 前記比較部は、前記ネットワークシミュレータによって、ネットワークトポロジーに含まれるASからある地点に到達するまでにBGPアップデートメッセージが経由するASのAS番号順序列に基づいて生成されたRIBと、前記通信ネットワークシステムで実測されたRIBとを比較することを特徴とする請求項2に記載の経路障害箇所推定装置。
- 前記通信ネットワークシステムで実測されたBGPアップデートメッセージ及びRIBを入力する入力部と、
前記入力されたBGPアップデートメッセージ及びRIBからASトポロジー情報を取得するASトポロジー情報抽出部と、
前記ASトポロジー情報に基づいて、前記ネットワークシミュレータで用いるネットワークトポロジーを生成するネットワークトポロジー生成部と、
を備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の経路障害箇所推定装置。 - 前記通信ネットワークシステムで実測されたBGPアップデートメッセージ及びRIBを入力する入力部と、
前記入力されたBGPアップデートメッセージ及びRIBから、前記BGPアップデートメッセージが発信元のASから順次経由してきたASのAS番号が経由順で並べられたAS番号列を、隣接するAS対に分解する隣接AS分解手段と、
前記隣接AS分解手段で分解された各隣接するAS対の経路をBGPアップデートメッセージが通信経路として利用するプレフィックス数を集計するプレフィックス数集計手段と、
前記プレフィックス数集計手段で集計されたプレフィックス数を前記BGPアップデートメッセージに基づき増減させるプレフィックス数増減手段と、
前記プレフィックス数の減少を監視するプレフィックス数監視手段と、
前記プレフィックス数監視手段に基づき、プレフィックス数が減少した隣接するASの組を経路障害箇所候補として生成する経路障害箇所候補生成手段と、
前記経路障害箇所の候補生成手段で生成された経路障害箇所候補の情報を用いて、前記ネットワークシミュレータのシミュレーション条件を校正する制御部と、
を備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の経路障害箇所推定装置。 - 複数のASが相互に接続されて構成される通信ネットワークシステムにおける通信経路の障害箇所を推定する経路障害箇所推定処理を行うためのコンピュータプログラムであって、
障害箇所推定時刻における前記通信ネットワークシステムのネットワークトポロジーにおいてある障害シナリオが適用された場合のBGPアップデートメッセージの伝播状態を計算するシミュレーションステップと、
該シミュレーション結果と、前記通信ネットワークシステムで実測された前記障害箇所推定時刻におけるBGPアップデートメッセージの伝播状態との類似度を計算する計算ステップと、
前記類似度に基づいて、経路障害箇所推定結果を表す推定データを生成する推定データ生成ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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