JP5135068B2 - 光デバイスの設計方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバの波長分散を補償する波長分散補償器に利用可能な光デバイスの設計方法に関するものである。このデバイスは光ファイバ通信網に使用することができる。
光通信において、高密度波長多重(DWDM:Dense Wavelength−Division Multiplexing)伝送の広帯域化・高速化が急速に進められている。高速伝送を行うためには、これらの伝送線路として、伝送帯域で波長分散ができるだけ小さく、かつ、非線形効果を抑制するために波長分散が零にはならない光ファイバを用いることが望ましい。
また、既に広範囲に敷設されている光ファイバの多くは、分散が大きい波長領域で使われている。例えば、波長1.3μm付近で零分散を有する標準シングルモードファイバ(S−SMF:Standard Single−Mode Fiber)は、エルビウム添加光ファイバ増幅器が実用化されたことにより、波長1.53〜1.63μm帯で使われる。また、零分散が1.55μm付近にシフトさせた分散シフトファイバ(DSF:Dispersion Shifted Fiber)は、Cバンドだけでなく、SバンドやLバンドで使われることがある。そのほか、1.55μmで零分散にならない各種ノンゼロ分散シフトファイバ(NZ−DSF:Non−Zero Dispersion Shifted Fiber)がある。これらのファイバをDWDMで使用する場合、広い波長範囲にわたる残留分散の補償技術が重要である。
分散補償には様々な技術が用いられている。分散補償ファイバ(DCF:Dispersion Compensation Fiber)が最も実用化された技術である(例えば、特許文献1,2参照)。DCFは、所望の分散補償量が得られるようにファイバの屈折率分布を制御することで実現される。しかし、DCFは通常、補償の対象となるファイバと同程度の長さが必要であり、これをモジュール化した場合、大きなスペースが必要になるだけでなく、伝搬損失も無視できない。また、DCFには正確な屈折率分布の制御が必要であり、作製は難しい面があるだけでなく、広帯域で要求される分散補償量を満たすことが困難になることも多い。
ファイバブラッググレーティング(FBG:Fiber Bragg Grating)もよく分散補償に用いられる技術の一つである(例えば、特許文献3参照)。FBGは、ファイバにUV光を照射することにより、ファイバコアの屈折率を変化させ、屈折率が異なることによるグレーティングを形成させることで分散補償を行う。これにより小型デバイスが実現可能となる。しかし、屈折率変化の制御が難しく、さらにファイバの屈折率の変化に限度があるため、実現できる分散補償特性に限界がある。また、デバイスの小型化と大量生産にも限界がある。
分散補償を行う領域をチャンネルごとに分けて、各々のチャンネル内で分散補償を行うチャープしたFBGを一箇所に重ね合わせる構造も提案されている(例えば、特許文献4参照)。これを用いることにより、必要となるファイバの長さが短くなる。しかし、この提案は単に複数のFBGを重ね合わせるように設計されているため、各チャンネルの構造が接近し、各々のチャンネル特性に影響を及ぼすため、実現できる特性に限界がある。また、FBGを重ね合わせるために要求される屈折率の変化はUV照射で得られないため、実現できない構造も生じる。
光平面回路(PLC:Planar Lightwave Circuit)は、平面に構築される光回路を用いて、分散補償を行うことができる。ラティス型PLCはその一例である(例えば、非特許文献1参照)。しかし、ラティス型PLCは、結合共振器をカスケード接続して分散を制御しており、デジタルIIR(Infinite Impulse Response)フィルターの原理に基づいているため、実現する分散量が限られている。
アレイ導波路格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)で波長多重信号光を分波し、チャンネルごとに光路差を付け、遅延時間を調整した後にコリメートレンズで再び合波する仕組みも考えられている(例えば、特許文献5参照)。しかし、構造が複雑で作製が難しいだけでなく、必要とするスペースが大きい。
VIPA(Virtually Imaged Phased Array)型分散補償器は、薄板の両面に反射膜をコーティングした波長分散素子(VIPA板)、及び反射ミラーにより構成された分散補償デバイスである(例えば、特許文献6参照)。このデバイスは3次元の構造で分散を調整しており、構造的に複雑であり、製造上極めて高い精度が要求される。
特許第3857211号公報 特許第3819264号公報 特開2004−325549号公報 国際公開第03/010586号 特許第3852409号公報 特開2005−275101号公報 K.Takiguchiら、"Dispersion Slope Equalizer for Dispersion Shifted Fiber Using a Lattice−Form Programmable Optical Filter on a Planar Lightwave Circuit"、Journal of Lightwave Technology、1998年、第16巻、第9号、p.1647−1656
前述した従来技術における問題点は、次の通りである。
(1)DCFは、長尺ファイバの使用で必要なスペースが大きく、小型化が困難である。また実現できる分散補償特性に限界がある。
(2)FBGおよびFBGを重ね合わせたデバイスは、実現できる特性に限界がある。
(3)ラティス型PLCは、実現可能な分散補償量が小さい。
(4)AWGを使用したPLCは、構造が複雑であり、製造が難しく、コストが高くなってしまう。また、要求スペースが大きく、デバイスの小型化が困難である。
(5)VIPAは、構造が複雑であり、製造が難しく、コストが高くなってしまう。
最近本発明者らは、非均一幅をもつ平面導波路(NPWG:Non−uniform Planar WaveGuide)を用いた分散補償デバイス(特願2007−331004等の本出願人による未公開出願)を提案している。この分散補償デバイスは、光導波路を不均一にすることにより、反射スペクトルを制御し、分散補償を行う。このデバイスは平面的な構造をしており、製造プロセスで容易に大量に作ることができる。しかし、NPWGの導波路の進行方向に沿って変化する幅が極大または極小となるピーク間の距離は、従来、使用波長の1/10程度となる場合がある。このような微細構造を実現するには、極めて高い作製精度が要求される。例えば、Lバンド用のデバイスでは、中心波長が1590nmであり、屈折率が2.3程度の材料で導波路を構成した場合、約70nmの作製精度が要求され、現在のプロセスでは達成できない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、コアの物理的寸法を変えることによりコアの等価屈折率が光伝搬方向に不均一に変化する光導波路で構成される光デバイスの作製精度を緩和することが可能な光デバイスの設計方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、クラッドに埋め込められたコアの物理的寸法を変えることによりコアの等価屈折率が光伝搬方向に不均一に変化する光導波路で構成される光デバイスの設計方法であって、得ようとする光デバイスが示す反射スペクトルデータに基づいて、導波路のzの関数であるポテンシャル関数を求めるポテンシャル関数導出工程と、導波路の作製精度に基づいて光伝搬方向の平均化区間幅を求め、前記ポテンシャル関数の積分分布を前記区間幅ごとに平均化した平均値の定数α倍(ただし、0.5≦α≦20、かつα≠1)の分布を求める平均化工程と、前記平均化工程で求めた平均値の定数α倍の分布に基づいて局所等価屈折率の分布を求め、この局所等価屈折率分布に基づいて、導波路寸法を求める導波路寸法導出工程とを有し、前記ポテンシャル関数導出工程では、前記反射スペクトルデータからポテンシャル関数を数値的に導く逆散乱問題としてZakharov−Shabat方程式を解くことによって、前記反射スペクトルデータを実現するためのポテンシャル関数を求める設計法によって前記ポテンシャル関数を求め、前記平均化区間幅は、デバイスで使用する中心波長において信号が導波路中で伝搬する1波長の長さの0.2〜0.4倍、もしくは(0.1+0.5j〜0.4+0.5j)倍(ただし、jは1以上の整数)の範囲内にすることを特徴とする光デバイスの設計方法を提供する。
前記設計方法によって設計された光導波路は、前記光伝搬方向の区間幅の範囲内で前記コアの物理的寸法が一様となる。
前記コアの物理的寸法がコアの幅であり、前記光導波路は、コアの幅が光伝搬方向に不均一に分布する平面光導波路であることが好ましい。
前記Zakharov−Shabat方程式は、前記光導波路の前方および後方に伝搬する電力波振幅なる変数を導入した波動方程式から帰着され、導波路の等価屈折率の対数の微分から導かれるポテンシャル関数を有するZakharov−Shabat方程式であることが好ましい。
本発明の光デバイスの設計方法によれば、NPWGの作製精度の要求が緩和され、導波路のコアの物理的寸法の変化が小さくなり、製造プロセスを容易にすることができる。また、デバイスの特性を改善することができる。
以下、図面を参照して本発明のNPWGデバイスの設計方法の実施形態を説明する。
本発明は、クラッドに埋め込められたコアの物理的寸法を変えることによりコアの等価屈折率が光伝搬方向に不均一に変化する光導波路で構成される光デバイスを設計する際に、作製精度の限界を考慮し、設計する最小寸法を緩和するものである。特に、コアの等価屈折率がコア幅の変化による場合、すなわち、非均一幅をもつ平面導波路(NPWG:Non−uniform Planar WaveGuide)を用いたデバイス(以下、「NPWGデバイス」ともいう。)の場合が好適である。すなわち、導波路の幅が、導波路の進行方向に所定の距離の間で一定となるようにすることにより、デバイス作製に要求される精度を緩和した。
しかし、平均化のみを行うと、局所的に導波路における幅分布の変動が小さくなり、屈折率の強弱が弱められる。結果として、デバイスの反射率が下って、デバイスの損失が増えてしまう。
本発明では、平均化工程を行ったあと、幅分布の変動が大きくなるように、幅分布を適切に増幅させることが望ましい。そうすることにより、作製精度を落しても、デバイスの特性を維持することができる。
設計の手順は次のようになっている。まず通常の手法でデバイスを設計する。そこで得られた幅分布に平均化工程を実行し、平均化した部分は均一幅とする。
<光導波路の構造>
図1は、本形態例のNPWGを用いた分散補償デバイスの主な構成要素である光導波路の一実施形態を示す概略斜視図である。本実施形態のデバイスが備える光導波路は、コアの等価屈折率を光伝搬方向にわたって不均一に変化させる手段として、コアの幅wを長手方向(z)にわたって変化させた非均一幅をもつ平面導波路(NPWG)である。図1中、符号10はNPWG、11はコア、12はクラッドである。
本実施形態のNPWG10は、クラッド12中に形成されたコア11を有する構造である。コア11は一定の(固定した)高さhを有するが、その幅wは長手方向(z方向)にわたって不均一に変化させ、導波路の伝搬モードの局所等価屈折率を変化させている。これによって反射型の波長分散補償機能を持たせることができる。導波路のコアの幅分布w(z)は、所望の反射特性に対して逆散乱問題を解くことで、決定することができる。
このNPWG10の動作原理は、FBGのグレーティングと一見類似しているところであるが、等価屈折率の変化に関し、FBGではUV光照射等でコア媒質の屈折率を変化させるのに対して、本実施形態のNPWG10では、コア11の幅を長手方向に沿って変化させることで等価屈折率を変化させている。このように、等価屈折率の変化に関して両者は全く相違している。
コア11の幅を長手方向に沿って変化させることで得られる等価屈折率の変動率は、FBGの場合に比べて大きい上、細かく正確な制御が容易である。また、デバイスの構造は平面的となっているため、製造プロセスで容易に大量に作ることができる。
コア11およびクラッド12を構成する材料としては、誘電体や半導体など特に限定されない。具体的には、石英系材料、樹脂系材料、シリコン系材料等が挙げられる。導波路に石英系材料を用いる場合には、例えば、クラッドに純石英を用い、コアとして屈折率を上げるためにゲルマニウムを添加した石英系材料を用いればよい。また、樹脂系材料の使用も可能である。また、シリコン系材料を用いた場合、例えば、電極を付けて電圧印加制御を行えば、可変デバイスが実現可能である。また、デバイスに温度制御を行えば、材料の熱膨張により導波路長が長くなるので、所望の波長分散補償を行う波長を長波長側にシフトさせることができる。その特性を利用すれば、熱の制御による可変デバイスが可能になる(前川他、特開2001−330741号公報(特願2000−147960)参照)。コア11とクラッド12に異なる種類の材料(例えば一方が石英系で他方が樹脂系など)を用いても良い。また、上クラッドと下クラッドとで異なる材料を用いても良い。
これまで提案されたNPWG分散補償器の中には、補償対象の波長領域を複数のチャンネルに分けて、各々のチャンネル内で分散補償を行う方式を用いるものがある。この方式を用いることにより、必要な導波路の長さが短くなり、デバイスが小さくなるだけでなく、導波路の損失を小さくすることができる。
<デバイスの設計方法>
NPWGデバイスの設計には、所望の反射スペクトルから必要な幅分布を得る逆散乱問題の手法を用いる。この方法を用いることにより、FBGを重ね合わせる方法(特許文献4)で起きるチャンネル間の干渉が、設計方法内に考慮されているため、起きないという利点がある。また、ここで用いる設計で得られる導波路は、特許文献4のものと異なる構造になる。
次に、逆散乱問題の手法によるNPWGデバイスの設計方法について説明する。
まず、導波路に伝搬する電磁界を次のように定式化する(J.E.Sipe、L.Poladian、and C.Martijn de Sterke、“Propagation through nonuniform grating structures”、J.Opt.Soc.Am.A、1994年、第11巻、第4号、p.1307−1320参照)。
電磁界の時間変動をexp(−iωt)と仮定すると、Maxwell方程式により、下記式(1)、(2)のようになる。
Figure 0005135068
Figure 0005135068
ただし、E、Hはそれぞれ電界と磁界の複素振幅を表し、nは導波路の屈折率を表す。ここで、下記式(3)、(4)で定義される、zの前方に伝搬する電力波振幅A(z)およびzの後方に伝搬する電力波振幅A(z)を導入する。
Figure 0005135068
Figure 0005135068
ただし、Z=√(μ/ε)は真空中のインピーダンスを表し、nは参照屈折率を表す。これらの変数は次式(5)、(6)を満たす。
Figure 0005135068
Figure 0005135068
ただし、cは真空中の光速を表す。
これらの式(5)、(6)は、式(7)で表される変数変換により、Zakharov−Shabat方程式に帰着される。
Figure 0005135068
ただし、ωは参照角周波数を表す。
上記変数変換によって得られるZakharov−Shabat方程式は、次式(8)、(9)で表される。
Figure 0005135068
Figure 0005135068
Zakharov−Shabat方程式は、逆散乱問題として解くことができる。これにはまず、反射係数のスペクトルデータを下記式(10)で定義する。
Figure 0005135068
すると、式(10)で定義される反射係数のスペクトルデータからポテンシャル関数u(x)を数値的に導くことができる(P.V.Frangos and D.L.Jaggard、“A Numerical Solution to the Zakharov−Shabat Inverse Scattering Problem”、IEEE Transactions on Antennas and Propagation、1991年、第39巻、第1号、p.74−79参照)。これを上記問題に当てはめると、所望の反射スペクトルを実現するためのポテンシャルを求めることができる。
ここで、反射スペクトルとは、波長に対する群遅延量と反射率から得られる複素反射データをいう。さらに、不均一とは、物理寸法が導波路の進行方向の場所とともに変化していることをいう。
波長分散補償を目的としてNPWGを設計する場合、この反射スペクトルは、ある限られた波長帯域において、所定の長さの光ファイバの波長分散を補償するように設定される。この場合に必要な反射特性は適宜設定できる。例えば、中心波長λが1280nm≦λ≦1320nmまたは1490nm≦λ≦1613nmで、動作帯域ΔBWが0.1nm≦ΔBW≦60nmの1または複数のチャンネルからなる波長帯域において、光導波路の分散Dが−3000ps/nm≦D≦3000ps/nm、分散に対する分散スロープの比RDSが−0.1nm−1≦RDS≦0.1nm−1とする例が挙げられる。
ポテンシャルu(x)が得られれば、局所等価屈折率は次の式(11)のように求められる。
Figure 0005135068
ただし、n(0)は、x=0におけるn(x)の値である。
さらに、実際作製しようとする導波路におけるコアの厚み、コアの屈折率、およびクラッドの屈折率から求められる、コアの幅に対する等価屈折率との関係から、変数xに対するコア幅w(x)を求めることができる。
このため、本発明では、ポテンシャル関数導出工程として、ポテンシャル関数u(x)を求める工程を設けている。
本発明において、得られた幅分布は図2のように平均化手法で修正する(平均化工程)。まず、式12に示されるポテンシャルの積分について一定幅Δxの範囲内で平均化し、平均値をその範囲内の値とする。
Figure 0005135068
すなわち、式13によって平均値q′を求める(図2のaveraged)。
Figure 0005135068
次に、式14に示すように、得られたq′をスケールα倍にする(図2のenhanced)。αは1でもよく、その場合はq″≡q′であるから、α倍の工程は省略できる。
Figure 0005135068
α>1で定数倍すると、下記の実施例等に説明されているように、平均化によって低下するポテンシャルの振幅が再び大きくなり、デバイスの反射率を大きくすることができる。逆に0<α<1とすると、ポテンシャルの振幅が小さくなり、導波路の幅分布の変化を小さくすることができるので、デバイスの作製を容易にすることができる。特に、0.5≦α≦20(ただしα≠1)が好ましい。
得られたq″から、式15に示すように、新たに局所等価屈折率を求め、この局所等価屈折率分布に基づいて、導波路寸法を求める(導波路寸法導出工程)。
Figure 0005135068
このように得られる局所等価屈折率はΔxの範囲内で一定となり、そこから得られる幅分布も同様にΔxの範囲内で一定になる。これにより、導波路の作製精度をΔx程度に落とすことができる。また、異なる区間ではコアが異なる幅を有することにより、所望の光学特性が実現される。
このΔxは、実現できる作製精度に応じて決められる。すなわち、式(7)の第1式により、Δxは、光伝搬方向の区間幅Δzを用いて、次の式(16)のように表される。
Figure 0005135068
ただし、n(z)は下記式(17)で定義されるzからz+Δzまでの区間における平均屈折率を表す。
Figure 0005135068
また、λは下記式(18)で定義される中心波長における管内波長を表す。
Figure 0005135068
したがって、平均化に用いる区間幅Δxは、導波路の光伝搬方向の幅変化の間隔Δzが実現できる作製精度に基づいて決めることができる。なお、n(z)/nは、後述する実施例(特に、平均化した規格化等価屈折率分布のグラフを参照)で示されるように、ほぼ1とみなすことができるから、Δzを一定とすれば、Δxもほぼ一定とみなすことができる。
Δzは、デバイスで使用する中心波長において信号が導波路中で伝搬する1波長の長さ(管内波長)λの0.2〜0.4倍、もしくは(0.1+0.5j〜0.4+0.5j)倍(ただし、jは1以上の整数)の範囲内にすることが好ましい。例えば、0.2λ〜0.4λ、0.6λ〜0.9λ、1.1λ〜1.4λなどである。
また、式(16)よりΔx≒Δz/λと近似した場合、Δxは、0.2〜0.4、もしくは0.1+0.5j〜0.4+0.5j(ただし、jは1以上の整数)の範囲内にすることが好ましい。例えば、0.2〜0.4、0.6〜0.9、1.1〜1.4などである。
<分散補償デバイス>
被補償ファイバの使用波長と帯域および使用長さを考慮し、ファイバの分散と逆になるようにスペクトルデータを作成し、上記設計手法を用いて逆問題を解き、平均化を行うことで、NPWG10を設計することができる。その設計に基づいてNPWG10を作製すれば、小型で高性能の分散補償デバイスが実現される。
前記実施形態では、クラッド12中に、高さ(厚さ)hが一定で幅が長手方向にわたって不均一に変化するコア11が埋設された構造のNPWG10を例示したが、本発明に用いる光導波路は本例示にのみ限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、コア11の幅分布は、図1に示すように、コアの幅が、中心軸から幅方向両側が対称となるように光伝搬方向にわたって不均一に分布している構造の他、中心軸から幅方向両側が非対称となるように光伝搬方向にわたって不均一に分布している構造であってもよい。ここで、非対称な幅分布とは、コアの幅方向片側が中心軸と平行で(すなわち不均一な変化をせず)その反対側が不均一に変化している場合でもよく、あるいは、コアの幅方向両側がそれぞれ異なる不均一な変化をしている場合でもよい。
また、コア11は、図1に示すように、その中心軸がNPWG10の長手方向(z)に沿って直線状に設ける構造の他、蛇行状(meander)にコアを設ける構造としてもよい。このように蛇行状にコアを設け、光伝搬方向が基板上で交互に折り返した構造とすることで、NPWG10をより小型化することが可能となる。
図3は、本形態例による分散補償デバイスの使用形態の一例を示す構成図である。分散補償デバイス20は、前述したNPWG10と、その始端13側に接続されたサーキュレータ15とを備えて構成され、またNPWG10の先端14には無反射終端16が設けられている。サーキュレータ15には、入力側(input)に図示していない被補償光ファイバが接続され、出力側(output)にも下流側の光ファイバが接続され、光伝送路内で使用される。分散補償デバイス20に用いられるNPWG10は反射型デバイスであり、被補償光ファイバからサーキュレータ15の入力側に入力された光信号は、NPWG10に入って反射され、その反射波がサーキュレータ15を介して出力されるようになっている。
反射波の出力は、サーキュレータ15に限らず、方向性結合などを介することによっても実現することができる。また、NPWG10の先端14に別部材の無反射終端16を付ける代わりに、NPWG10の先端14を無反射処理するのでも良い。
この分散補償デバイス20のNPWG10は、前述したように、被補償光ファイバの波長分散を補償できるような反射率特性を有しているので、被補償光ファイバから出力された光信号がNPWG10で反射される際に、その光信号の波長分散が補正されて出力される。そして、分散補償デバイス20から出力された光信号は、サーキュレータ15の出力側に接続された下流側の光ファイバに入力され、このファイバ内を伝搬する。
本発明の分散補償デバイス20の主要構成要素であるNPWG10は、例えば、次の(a)〜(d)のように製造される。
(a)まず、NPWG10の下クラッド層を設ける。
(b)次いで、前記下クラッド層上に、下クラッド層よりも屈折率の大きいコア層を設ける。
(c)次いで、前記コア層に、コアの等価屈折率が光伝搬方向にわたって不均一に変化するように設計された所定のコア形状を残し、それ以外の部分を除去する加工を施してコア11を形成する。
(d)次いで、前記コア11を覆うクラッド12を設け、NPWG10を製造する。
このNPWG10を用いた分散補償デバイス20は、前述した通りNPWG10を製造した後、該NPWG10の先端14に無反射終端16を付けるか無反射処理を施して終端し、始端13にサーキュレータ15や方向性結合器を接続することで製造することができる。
NPWG10のコア11を形成する際、コア11の等価屈折率が光伝搬方向にわたって不均一に変化するように設計された所定のコア形状を持ったマスクを用いたフォトリソグラフィー法によってコア11を形成することが好ましい。このフォトリソグラフィー法に用いる材料や手順は、半導体製造分野等で周知のフォトリソグラフィー法に用いる材料や手順を用いて実施することができる。また、クラッド層やコア層の成膜方法は、一般の光導波路の製造において用いられている周知の成膜技術を用いて実施することができる。
比較例1
波長領域[1570.01nm,1612.22nm](ただし、[a,b]はa〜bの閉区間を表す。以下同じ。)において、分散量D=−236ps/nm、分散に対する分散スロープの比RDS=0.018nm−1となる波長分散を実現するように分散補償器を設計した。ただし、波長領域を周波数fが(188.45+0.1n THz≦f≦188.45+0.1n THz)を満たす50チャンネルに分けており、それぞれのチャンネル内で分散補償を行っている。ここにnは−25≦n≦24を満たす整数を表す。なお、これらのチャンネルはITUグリッド間隔を満たす。
この分散補償器は、長さが80kmのLバンドの分散シフトファイバ(DSF:Dispersion Shifed Fiber)(伝送損失は0.02dB/km、波長1590nmにおける分散は2.95ps/nm/km、分散スロープの比は0.018nm−1とした)の残留分散を補償することができる。
図4は、幅分布の平均化を考慮していないときのポテンシャルを表す。図中の横軸は中心波長1590.83nmで規格された場所を表す。このポテンシャルを用いると、図5に示す群遅延と図6に示す反射率が得られる。両図には、設計に用いたスペクトルデータ(designed)と得られたスペクトルデータ(realized)が示されている。
導波路は、高さがh=6μm、比屈折率の差Δ=0.6%となるコアが、石英からなるクラッドに埋め込められた導波路構造を用いた場合、図5と図6を実現する導波路の幅分布は図7に示す。そのときの導波路の等価屈折率の分布は図8に示す。
コアとクラッドの材料は石英系だけでなく、シリコン、ポリマー等ほかの材料を用いることもできる。屈折率の高い材料を用いれば、デバイスをさらに小さくし、伝送損失を下げることができる。
図8の一部を拡大したものは図9に示す。ただし、縦軸は中心屈折率(中心波長における参照屈折率n)で規格化されている。この分布は作製プロセスで実現できる最小寸法の制限により実現できない。
そこで、図10のように最小間隔をΔz=0.2λ、α=1として元の分布を平均化した。ここに、λは波長1590.83nmの信号が導波路を通過するときの管内波長を表す。
Δz=0.2λ、α=1として元の分布を平均化した場合のポテンシャルは図11のようになる。図示のように、平均化することにより、ポテンシャルの振幅が小さくなることがわかる。これにより導波路の幅変化が小さくなり、導波路はより作り易くなる。
高さがh=6μm、比屈折率の差Δ=0.6%となるコアが、石英からなるクラッドに埋め込められた導波路構造を用いた場合の導波路の幅分布は図12に示す。
また、そのときの群遅延および反射率は、それぞれ図13と図14になる。両図には、設計に用いたデータ(designed)、平均化する前のデータ(original)および平均化後のデータ(averaged)が示されている。図示のように、平均化しても群遅延の形状が保存されるが、反射率のみが低下している。
分散補償器の効果を確かめるために、図15に示す40G/sのNRZの信号の伝搬特性を調べた。この信号を波長λが1590.41nm≦λ≦1591.26nmとなるチャンネルを使って、80kmの前記DSFを通ったときのアイパターンは図16に示す。オリジナルの分散補償器を用いた場合のアイパターンは図17に示す。
また、Δz=0.2λ、α=1で平均化した分散補償器を用いた場合のアイパターンは図18に示す。図17に比べると、振幅が小さくなるが、分散補償の効果が維持できていることがわかる。
(実施例
比較例1におけるオリジナル設計において、図19のように最小間隔をΔz=0.2λ、α=2として元の分布を平均化したこと以外は比較例1と同様にして、Lバンド用の分散補償器を設計した。
Δz=0.2λ、α=2として元の分布を平均化した場合のポテンシャルは、図20のようになる。図示のように、平均化することにより、ポテンシャルの振幅が小さくなるが、α=2とすることにより、ポテンシャルが大きくなり、反射率が大きくなる。
高さがh=6μm、比屈折率の差Δ=0.6%となるコアが、石英からなるクラッドに埋め込められた導波路構造を用いた場合の導波路の幅分布は図21に示す。
また、そのときの群遅延および反射率は、それぞれ図22と図23になる。図示のように、平均化しても群遅延の形状が保存され、反射率が増大されている。
また、Δz=0.2λ、α=2で平均化した分散補償器を用いた場合のアイパターンは図24に示す。図17に比べると、振幅が大きくなっていることがわかる。
(実施例
比較例1におけるオリジナル設計において、図25のように最小間隔をΔz=0.2λ、α=3として元の分布を平均化したこと以外は比較例1と同様にして、Lバンド用の分散補償器を設計した。
Δz=0.2λ、α=3として元の分布を平均化した場合のポテンシャルは図26のようになる。実施例に比べて、ポテンシャルの振幅がさらに大きくなっている。
高さがh=6μm、比屈折率の差Δ=0.6%となるコアが、石英からなるクラッドに埋め込められた導波路構造を用いた場合の導波路の幅分布は図27に示す。オリジナルの幅分布に比べると、強弱が強められている。
また、そのときの群遅延および反射率は、それぞれ図28と図29になる。図示のように、平均化しても群遅延の形状が保存され、反射率が上昇している。
また、Δz=0.2λ、α=3で平均化した分散補償器を用いた場合のアイパターンは図30に示す。図17に比べると、振幅が大きくなるが、分散補償の効果が維持できていることがわかる。
この例はα=3としており、オリジナルの構成よりも反射率が上昇し、デバイスの損失が小さくなっているが、群遅延特性の設計からのずれが大きくなり、アイパターンの変形が目立つようになっている。また、幅分布が大きくなり、デバイスの作製を困難にしている面もある。この実施例は倍率αの限界を示している。
比較例2
比較例1におけるオリジナル設計において、図31のように最小間隔をΔz=0.3λ、α=1として元の分布を平均化したこと以外は比較例1と同様にして、Lバンド用の分散補償器を設計した。
Δz=0.3λ、α=1として元の分布を平均化した場合のポテンシャルは図32のようになる。図示のように、平均化することにより、ポテンシャルの振幅が小さくなることがわかる。これにより導波路の幅変化が小さくなり、導波路はより作り易くなる。
高さがh=6μm、比屈折率の差Δ=0.6%となるコアが、石英からなるクラッドに埋め込められた導波路構造を用いた場合の導波路の幅分布は図33に示す。
また、そのときの群遅延および反射率は、それぞれ図34と図35になる。図示のように、平均化しても群遅延の形状が保存されるが、反射率のみが低下している。
また、Δz=0.3λ、α=1で平均化した分散補償器を用いた場合のアイパターンは図36に示す。図17に比べると、振幅が小さくなるが、分散補償の効果が維持できていることがわかる。
(実施例
比較例1におけるオリジナル設計において、図37のように最小間隔をΔz=0.3λ、α=2として元の分布を平均化したこと以外は比較例1と同様にして、Lバンド用の分散補償器を設計した。
Δz=0.3λ、α=2として元の分布を平均化した場合のポテンシャルは図38のようになる。図示のように、α=2とすることにより、ポテンシャルの振幅が増幅される。そうすることにより、導波路の反射率が大きくなり、デバイスの損失特性が向上する。
高さがh=6μm、比屈折率の差Δ=0.6%となるコアが、石英からなるクラッドに埋め込められた導波路構造を用いた場合の導波路の幅分布は図39に示す。
また、そのときの群遅延および反射率は、それぞれ図40と図41になる。図示のように、平均化しても群遅延の形状が保存されるが、反射率のみが低下している。
また、Δz=0.3λ、α=2で平均化した分散補償器を用いた場合のアイパターンは図42に示す。図17に比べると、振幅が小さくなるが、分散補償の効果が維持できていることがわかる。
(実施例
比較例1におけるオリジナル設計において、図43のように最小間隔をΔz=0.3λ、α=3として元の分布を平均化したこと以外は比較例1と同様にして、Lバンド用の分散補償器を設計した。
Δz=0.3λ、α=3として元の分布を平均化した場合のポテンシャルは図44のようになる。実施例に比べ、ポテンシャルの振幅がさらに増幅されている。
高さがh=6μm、比屈折率の差Δ=0.6%となるコアが、石英からなるクラッドに埋め込められた導波路構造を用いた場合の導波路の幅分布は図45に示す。
また、そのときの群遅延および反射率は、それぞれ図46と図47になる。図示のように、平均化しても群遅延の形状が保存されるが、反射率のみが低下している。
また、Δz=0.3λ、α=3で平均化した分散補償器を用いた場合のアイパターンは図48に示す。図17に比べると、振幅が大きくなるが、分散補償の効果が維持できていることがわかる。
比較例3
比較例1におけるオリジナル設計において、図49のように最小間隔をΔz=0.6λ、α=1として元の分布を平均化したこと以外は比較例1と同様にして、Lバンド用の分散補償器を設計した。
Δz=0.6λ、α=1として元の分布を平均化した場合のポテンシャルは図50のようになる。図示のように、平均化することにより、ポテンシャルの振幅が小さくなることがわかる。これにより導波路の幅変化が小さくなり、導波路はより作り易くなる。
高さがh=6μm、比屈折率の差Δ=0.6%となるコアが、石英からなるクラッドに埋め込められた導波路構造を用いた場合の導波路の幅分布は図51に示す。
また、そのときの群遅延および反射率は、それぞれ図52と図53になる。図示のように、平均化しても群遅延の形状が保存されるが、反射率のみが低下している。
また、Δz=0.6λ、α=1で平均化した分散補償器を用いた場合のアイパターンは図54に示す。図17に比べると、振幅が小さくなるが、分散補償の効果が維持できていることがわかる。
(実施例
比較例1におけるオリジナル設計において、図55のように最小間隔をΔz=0.6λ、α=12として元の分布を平均化したこと以外は比較例1と同様にして、Lバンド用の分散補償器を設計した。
Δz=0.6λ、α=12として元の分布を平均化した場合のポテンシャルは図56のようになる。α=12とすることにより、ポテンシャルの振幅が大きくなっていることがわかる。
高さがh=6μm、比屈折率の差Δ=0.6%となるコアが、石英からなるクラッドに埋め込められた導波路構造を用いた場合の導波路の幅分布は図57に示す。
また、そのときの群遅延および反射率は、それぞれ図58と図59になる。図示のように、平均化しても群遅延の形状が保存されるが、反射率のみが低下している。
また、Δz=0.6λ、α=12で平均化した分散補償器を用いた場合のアイパターンは図60に示す。図17に比べると、振幅が小さくなるが、分散補償の効果が維持できていることがわかる。
比較例4
波長領域[1530.33nm,1570.42nm]において、分散量D=−1700ps/nm、分散に対する分散スロープの比RDS=0.0034nm−1となる波長分散を実現するように分散補償器を設計した。ただし、波長領域を周波数fが(193.4+0.1n THz≦f≦193.5+0.1n THz)を満たす50チャンネルに分けており、それぞれのチャンネル内で分散補償を行っている。ここにnは−25≦n≦24を満たす整数を表す。なお、これらのチャンネルはITUグリッド間隔を満たす。
この分散補償器は、長さが100kmのCバンドの標準シングルモードファイバ(S−SMF:Standard Single−Mode Fiber)(伝送損失は0.02dB/km、波長1550nmにおける分散は17ps/nm/km、分散スロープの比は0.0034nm−1とした)の残留分散を補償することができる。
図61は、幅分布の平均化を考慮していないときのポテンシャルを表す。図中の横軸は中心波長1550.12nmで規格された場所を表す。このポテンシャルを用いると、図62に示す群遅延と図63に示す反射率が得られる。両図には設計に用いたスペクトルデータ(designed)と得られたスペクトルデータ(realized)が示されている。
導波路は、高さがh=6μm、比屈折率の差Δ=0.6%となるコアが、石英からなるクラッドに埋め込められた導波路構造を用いた場合、図62と図63を実現する導波路の幅分布は図64に示す。そのときの導波路の等価屈折率の分布は図65に示す。
図65の一部を拡大したものは図66に示す。ただし、縦軸は中心屈折率(中心波長における参照屈折率n)で規格化されている。この分布は作製プロセスで実現できる最小寸法の制限により実現できない。
そこで、図67のように最小間隔をΔz=0.3λ、α=1として元の分布を平均化した。ここに、λは波長1550.12nmの信号が導波路を通過するときの管内波長を表す。
Δz=0.3λ、α=1として元の分布を平均化した場合のポテンシャルは図68のようになる。図示のように、平均化することにより、ポテンシャルの振幅が小さくなることがわかる。これにより導波路の幅変化が小さくなり、導波路はより作り易くなる。
高さがh=6μm、比屈折率の差Δ=0.6%となるコアが、石英からなるクラッドに埋め込められた導波路構造を用いた場合の導波路の幅分布は図69に示す。
また、そのときの群遅延および反射率は、それぞれ図70と図71になる。図示のように、平均化しても群遅延の形状が保存されるが、反射率のみが低下している。
分散補償器の効果を確かめるために、図72に示す10G/sのNRZの信号の伝搬特性を調べた。この信号を波長λが1533.47nm≦λ≦1534.25nmとなるチャンネルを使って、100kmの前記S−SMFを通ったときのアイパターンは図73に示す。オリジナルの分散補償器を用いた場合のアイパターンは図74に示す。
また、Δz=0.3λ、α=1で平均化した分散補償器を用いた場合のアイパターンは図75に示す。図74に比べると、振幅が小さくなるが、分散補償の効果が維持できていることがわかる。
(実施例
比較例4におけるオリジナル設計において、図76のように最小間隔をΔz=0.3λ、α=2として元の分布を平均化したこと以外は比較例4と同様にして、Cバンド用の分散補償器を設計した。
Δz=0.3λ、α=2として元の分布を平均化した場合のポテンシャルは図77のようになる。図示のように、α=2としたことで、ポテンシャルの振幅が大きくなっていることがわかる。
高さがh=6μm、比屈折率の差Δ=0.3%となるコアが、石英からなるクラッドに埋め込められた導波路構造を用いた場合の導波路の幅分布は図78に示す。
また、そのときの群遅延および反射率は、それぞれ図79と図80になる。図示のように、平均化しても群遅延の形状が保存されるが、反射率のみが低下している。
また、Δz=0.3λ、α=2で平均化した分散補償器を用いた場合のアイパターンは図81に示す。図74に比べると、振幅が小さくなるが、分散補償の効果が維持できていることがわかる。
非均一平面光導波路(NPWG)の構造の一例を示す概略斜視図である。 幅分布の修正のための平均化手法を説明するグラフである。 分散補償デバイスの一実施形態を示す構成図である。 比較例1のオリジナルポテンシャル分布を示すグラフである。 比較例1のオリジナル群遅延特性を示すグラフである。 比較例1のオリジナル反射率特性を示すグラフである。 比較例1のオリジナル導波路の幅分布を示すグラフである。 比較例1のオリジナル等価屈折率の分布を示すグラフである。 図8の一部拡大を示すグラフである。 比較例1のΔz=0.2λ、α=1で平均化した規格化等価屈折率分布(一部)を示すグラフである。 比較例1のΔz=0.2λ、α=1で平均化した場合のポテンシャル分布(一部)を示すグラフである。 比較例1のΔz=0.2λ、α=1で平均化した場合の導波路の幅分布を示すグラフである。 比較例1のΔz=0.2λ、α=1で平均化した場合の群遅延特性(一部)を示すグラフである。 比較例1のΔz=0.2λ、α=1で平均化した場合の反射率特性(一部)を示すグラフである。 40G/sのNRZ初期パルスのアイパターンを示すグラフである。 80kmのDSFを通過した後の40G/sパルスのアイパターンを示すグラフである。 オリジナル補償器を通過した後の40G/sパルスのアイパターンを示すグラフである。 比較例1のΔz=0.2λ、α=1で平均化した補償器を通過した後の40G/sパルスのアイパターンを示すグラフである。 実施例のΔz=0.2λ、α=2で平均化した規格化等価屈折率分布(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.2λ、α=2で平均化した場合のポテンシャル分布(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.2λ、α=2で平均化した場合の導波路の幅分布を示すグラフである。 実施例のΔz=0.2λ、α=2で平均化した場合の群遅延特性(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.2λ、α=2で平均化した場合の反射率特性(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.2λ、α=2で平均化した補償器を通過した後の40G/sパルスのアイパターンを示すグラフである。 実施例のΔz=0.2λ、α=3で平均化した規格化等価屈折率分布(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.2λ、α=3で平均化した場合のポテンシャル分布(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.2λ、α=3で平均化した場合の導波路の幅分布を示すグラフである。 実施例のΔz=0.2λ、α=3で平均化した場合の群遅延特性(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.2λ、α=3で平均化した場合の反射率特性(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.2λ、α=3で平均化した補償器を通過した後の40G/sパルスのアイパターンを示すグラフである。 比較例2のΔz=0.3λ、α=1で平均化した規格化等価屈折率分布(一部)を示すグラフである。 比較例2のΔz=0.3λ、α=1で平均化した場合のポテンシャル分布(一部)を示すグラフである。 比較例2のΔz=0.3λ、α=1で平均化した場合の導波路の幅分布を示すグラフである。 比較例2のΔz=0.3λ、α=1で平均化した場合の群遅延特性(一部)を示すグラフである。 比較例2のΔz=0.3λ、α=1で平均化した場合の反射率特性(一部)を示すグラフである。 比較例2のΔz=0.3λ、α=1で平均化した補償器を通過した後の40G/sパルスのアイパターンを示すグラフである。 実施例のΔz=0.3λ、α=2で平均化した規格化等価屈折率分布(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.3λ、α=2で平均化した場合のポテンシャル分布(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.3λ、α=2で平均化した場合の導波路の幅分布を示すグラフである。 実施例のΔz=0.3λ、α=2で平均化した場合の群遅延特性(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.3λ、α=2で平均化した場合の反射率特性(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.3λ、α=2で平均化した補償器を通過した後の40G/sパルスのアイパターンを示すグラフである。 実施例のΔz=0.3λ、α=3で平均化した規格化等価屈折率分布(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.3λ、α=3で平均化した場合のポテンシャル分布(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.3λ、α=3で平均化した場合の導波路の幅分布を示すグラフである。 実施例のΔz=0.3λ、α=3で平均化した場合の群遅延特性(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.3λ、α=3で平均化した場合の反射率特性(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.3λ、α=3で平均化した補償器を通過した後の40G/sパルスのアイパターンを示すグラフである。 比較例3のΔz=0.6λ、α=1で平均化した規格化等価屈折率分布(一部)を示すグラフである。 比較例3のΔz=0.6λ、α=1で平均化した場合のポテンシャル分布(一部)を示すグラフである。 比較例3のΔz=0.6λ、α=1で平均化した場合の導波路の幅分布を示すグラフである。 比較例3のΔz=0.6λ、α=1で平均化した場合の群遅延特性(一部)を示すグラフである。 比較例3のΔz=0.6λ、α=1で平均化した場合の反射率特性(一部)を示すグラフである。 比較例3のΔz=0.6λ、α=1で平均化した補償器を通過した後の40G/sパルスのアイパターンを示すグラフである。 実施例のΔz=0.6λ、α=12で平均化した規格化等価屈折率分布(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.6λ、α=12で平均化した場合のポテンシャル分布(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.6λ、α=12で平均化した場合の導波路の幅分布を示すグラフである。 実施例のΔz=0.6λ、α=12で平均化した場合の群遅延特性(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.6λ、α=12で平均化した場合の反射率特性(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.6λ、α=12で平均化した補償器を通過した後の40G/sパルスのアイパターンを示すグラフである。 比較例4のオリジナルポテンシャル分布を示すグラフである。 比較例4のオリジナル群遅延特性を示すグラフである。 比較例4のオリジナル反射率特性を示すグラフである。 比較例4のオリジナル導波路の幅分布を示すグラフである。 比較例4のオリジナル等価屈折率の分布を示すグラフである。 図65の一部拡大を示すグラフである。 比較例4のΔz=0.3λ、α=1で平均化した規格化等価屈折率分布(一部)を示すグラフである。 比較例4のΔz=0.3λ、α=1で平均化した場合のポテンシャル分布(一部)を示すグラフである。 比較例4のΔz=0.3λ、α=1で平均化した場合の導波路の幅分布を示すグラフである。 比較例4のΔz=0.3λ、α=1で平均化した場合の群遅延特性(一部)を示すグラフである。 比較例4のΔz=0.3λ、α=1で平均化した場合の反射率特性(一部)を示すグラフである。 10G/sのNRZ初期パルスのアイパターンを示すグラフである。 100kmのS−SMFを通過した後の10G/sパルスのアイパターンを示すグラフである。 オリジナル補償器を通過した後の10G/sパルスのアイパターンを示すグラフである。 比較例4のΔz=0.3λ、α=1で平均化した補償器を通過した後の10G/sパルスのアイパターンを示すグラフである。 実施例のΔz=0.3λ、α=2で平均化した規格化等価屈折率分布(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.3λ、α=2で平均化した場合のポテンシャル分布(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.3λ、α=2で平均化した場合の導波路の幅分布を示すグラフである。 実施例のΔz=0.3λ、α=2で平均化した場合の群遅延特性(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.3λ、α=2で平均化した場合の反射率特性(一部)を示すグラフである。 実施例のΔz=0.3λ、α=2で平均化した補償器を通過した後の10G/sパルスのアイパターンを示すグラフである。
符号の説明
10…NPWG(非均一平面導波路)、11…コア、12…クラッド、13…始端、14…先端、15…サーキュレータ、16…無反射終端、20…分散補償デバイス。

Claims (4)

  1. クラッドに埋め込められたコアの物理的寸法を変えることによりコアの等価屈折率が光伝搬方向に不均一に変化する光導波路で構成される光デバイスの設計方法であって、
    得ようとする光デバイスが示す反射スペクトルデータに基づいて、導波路のzの関数であるポテンシャル関数を求めるポテンシャル関数導出工程と、
    導波路の作製精度に基づいて光伝搬方向の平均化区間幅を求め、前記ポテンシャル関数の積分分布を前記区間幅ごとに平均化した平均値の定数α倍(ただし、0.5≦α≦20、かつα≠1)の分布を求める平均化工程と、
    前記平均化工程で求めた平均値の定数α倍の分布に基づいて局所等価屈折率の分布を求め、この局所等価屈折率分布に基づいて、導波路寸法を求める導波路寸法導出工程と、
    を有し、
    前記ポテンシャル関数導出工程では、前記反射スペクトルデータからポテンシャル関数を数値的に導く逆散乱問題としてZakharov−Shabat方程式を解くことによって、前記反射スペクトルデータを実現するためのポテンシャル関数を求める設計法によって前記ポテンシャル関数を求め、
    前記平均化区間幅は、デバイスで使用する中心波長において信号が導波路中で伝搬する1波長の長さの0.2〜0.4倍、もしくは(0.1+0.5j〜0.4+0.5j)倍(ただし、jは1以上の整数)の範囲内にすることを特徴とする光デバイスの設計方法。
  2. 前記設計方法によって設計された光導波路は、前記光伝搬方向の区間幅の範囲内で前記コアの物理的寸法が一様となることを特徴とする請求項1に記載の光デバイスの設計方法。
  3. 前記コアの物理的寸法がコアの幅であり、前記光導波路は、コアの幅が光伝搬方向に不均一に分布する平面光導波路であることを特徴とする請求項1または2に記載の光デバイスの設計方法。
  4. 前記Zakharov−Shabat方程式は、前記光導波路の前方および後方に伝搬する電力波振幅なる変数を導入した波動方程式から帰着され、導波路の等価屈折率の対数の微分から導かれるポテンシャル関数を有するZakharov−Shabat方程式であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光デバイスの設計方法。
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