JP5133915B2 - 人工股関節 - Google Patents

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Description

本発明は、人工関節に関し、特に、脱臼防止機構のついた人工股関節に関するものである。
関節において、外傷や疾患によって機能障害に陥る場合に人工関節が施される場合がある。人工関節は、関節の種類に応じて、人工股関節、人工膝関節、人工肩関節、人工肘関節および人工足関節等がある。例えば、人工股関節を一例にとって、人工関節の構造について説明する。
この人工股関節1は、一般的には、図1に示されるように、先端に球状ヘッド11を備えた人工骨(ステム)12および半球殻状のソケット13といった構成要素から成る。ステム12の本体部分は、大腿骨18の髄腔内に挿入固定される部分であり、ステム12にはネック部14が形成されており、この部分に球状ヘッド11が配置されている。また、ソケット13は、股関節骨頭を除去した後、寛骨臼19に装着され、ソケット13の球殻の内側に球状ヘッド11が嵌め込まれ、ステム12はソケット13の周りで自在回転できるように構成されている。
通常、ステム12、球状ヘッド11およびソケット13は、生体に害のない金属あるいはセラミック材料で形成される(特許文献1、特許文献2を参照)。
このような人工股関節などを生体の骨盤に取り付ける場合、一般的には初めにソケット13を骨盤の股関節部(おおむね半球状に凹んでいる)に挿入し、螺子固定して、次に球状ヘッド11をソケット13に挿入する方法と、球状ヘッド11をソケット13に挿入してからソケット13を固定する方法がある。
前者は、螺子などで固定することができるのに対し、後者はセメントなどの接着剤を用いる。セメントなどの接着剤で固定する場合も、初期に確実な固定が可能な螺子固定が併用されることが多い。
ソケット13を螺子で骨盤に固定する場合、螺子はソケット13の内側から骨盤に向かってねじ込む必要があり、球状ヘッド11は、ソケット13を骨盤に固定した後に、ソケット13内の凹球面部13aに挿入することになる。この球状ヘッド11の挿入を容易にするため、ソケット13の凹球面部13aは、半球かそれより浅くなるように形成されている。この結果、球状ヘッド11はソケット13の凹球面部13aから抜け易く、手術後に筋肉が再生強化されるまでは脱臼しやすいといった問題がある。
かかる脱臼を防止するために、ソケット13の凹球面部13aの淵に円筒形部分を付加することも成されている。
人間用の人工関節の一部にはC−リングなどを用いて脱臼を防ぐものもあるが、かかる方法では構造が複雑となり、小型の人工関節には適用し難い問題がある。また、コストもかさむため、人間用の人工関節の場合は、脱臼防止機構は付けず、筋肉が再生強化されるまで手術後の一定期間、安静にすることで対応するケースが多い。
これに対し、犬などの動物の場合、手術後の一定期間を安静にさせることが難しく、この間にソケット13から球状ヘッド11が外れる脱臼が頻発する問題がある。
特表昭60−500657号公報 特開2008−54788号公報
かかる状況の下、小型の人工関節にも適用でき、また、子犬などの手術後の一定期間を安静にさせることが難しいケースにおいても、ソケットから骨頭となる球状ヘッドが脱臼するのを防止できる人工関節が切望されており、特に犬などの動物を扱う獣医師からはかかる人工関節とその手術を支援する器具の要望が強い。
上記の事情に鑑みて、本発明は、ソケットを骨盤に固定した後に、骨頭となる球状ヘッドをソケットの凹球面部に挿入するタイプの人工関節において、ソケットを骨盤に固定後に球状ヘッドをソケットの凹球面部に容易に挿入でき、かつ、挿入後はその球状ヘッドがソケットの凹球面部から簡単に抜けない、すなわち、一定の抜け防止機能を備えた人工関節用ソケットを具備する人工股関節を提供することを目的とする。
また、球状ヘッドをソケットの凹球面部に挿入に必要な力または抜く際に必要な力(抜け防止力)を容易に調整可能な人工関節用ソケットを具備する人工股関節を提供することを目的とする。
本発明者は、様々な検討を重ねた結果、本発明に係る人工関節用ソケット及びそれを用いた人工股関節、並びに球状ヘッド押し込み器具を完成した。
すなわち、上記問題を解決すべく、本発明に係る人工関節用ソケットは、
骨頭を除去した後の骨盤側に装着され、骨側に埋設された人工骨(ステム)のネック部に固定された球状ヘッドを摺動可能に支持すべく、略半球殻状に一部材で造形されており、
その特徴としては、
1)球状ヘッドを受け入れるソケットの凹球面部は、球状ヘッドに対して直径赤道面を超えて被るように半球線を超え延在して形成されており、
かつ、
2)半球線を超え延在して形成された凹球面部の開口側淵部に切り込み溝が設けられ
3)切れ込み溝は、溝の幅、溝の深さ、溝の本数、並びに、溝の配置をパラメータとして、開口側淵部の口開き剛性を所定の強さまで低減調整でき、
4)口開き剛性は、球状ヘッドを凹球面部に簡単に挿入でき、挿入後は球状ヘッドが凹球面部から簡単には抜けないものであり、
5)一部材で造形されたソケットが別部材なしで直接に球状ヘッドを固定し得る、
構成を有している。
かかる構成によれば、ソケットの球殻の開口側の淵部分に切り込み溝が設けられていることから、ソケットを骨盤に固定した後においても、球状ヘッドをソケットの凹球面部に容易に挿入できる。
その上、ソケットは、球状ヘッドに対して直径赤道面を超えて被るように、球状ヘッドを受け入れる凹球面部が半球線を超え延在して形成されており、ソケットの内側にある球状ヘッドが挿入される凹球面部分の深さを半球より深くとられていることから、挿入した後は、その球状ヘッドがソケットの凹球面部から簡単に抜けることがない。すなわち、一定の抜け防止機能を実現させることができる。
また、上記のソケットにおいて、その切れ込み溝における溝の幅、溝の深さ、溝の本数、並びに、溝の配置をパラメータとして、ソケットの開口側淵部の口開き剛性を所定の強さまで低減調整できる。
これにより、球状ヘッドをソケットの凹球面部に挿入に必要な力または抜く際に必要な力(抜け防止力)を容易に調整できる。
また、本発明の人工股関節において、上記のソケットの開口側淵部の厚みは、半球殻状に造形されたソケット本体よりも小さくされることが好ましい態様である。
球殻が厚い場合や金属製の外殻を有する場合、相当に深い切り込みを入れることが必要となる。深い切り込みを入れた場合、ソケットと骨盤の密着に悪影響が出る可能性がある。そこで、切り込みのある部分の球殻を薄く、すなわち、ソケットの開口側淵部の厚みを薄くすることにより、口開き剛性を更に効果的に低減できるのである。
また、本発明の他の観点からは、上記の本発明の人工股関節を利用して、子犬などの手術後の一定期間を安静にさせることが難しいケースにおいても、ソケットから骨頭となる球状ヘッドが脱臼するのを防止できる人工関節、特に、人工股関節が提供される。
また、本発明の他の観点からは、上記の本発明の人工股関節におけるソケットに着脱自在な器具であって、
1)ソケットと螺合し得る螺子部を先端に有する2本のアーム部と、
2)アーム部を保持し得る本体部と、
3)アーム部と本体部とを固定する固定手段と、
4)本体部に取り付けられる押し込みガイド部であって、ソケットの直径中心に向かって、球状ヘッドの中心をソケットの凹球面部に押し込むための人工骨(ステムの押し込みガイド部と、
を備えたことを特徴とする人工股関節用球状ヘッド押し込み器具が提供される。
かかる構成の人工股関節用球状ヘッド押し込み器具によれば、球状ヘッドをソケットの凹球面部に挿入する際、若しくは、抜く際に、ソケットが固定されている骨盤に過度の負荷をかけることを回避できる。
また、本体部に取り付けられる押し込みガイド部を介して、確実に、ソケットの凹球面部の中心に向かって、球状ヘッドの中心を挿入することができる。すなわち、球状ヘッドをソケットの凹球面部に容易に挿入できるのである。
このように、上記構成の人工股関節用球状ヘッド押し込み器具は、人工関節の埋め込み施術を支援する器具として活用できるのである。
本発明の人工股関節によれば、脱臼防止機構が付設不可能な小型の人工関節においても、また、子犬などの手術後の一定期間を安静にさせることが難しいケースにおいても、ソケットから骨頭となる球状ヘッドが脱臼するのを防止できるといった効果を有する。
また、本発明の人工股関節用球状ヘッド押し込み器具によれば、人工関節の埋め込み施術の際に、骨盤に過度の負荷をかけることを回避でき、また、確実にソケットの凹球面部の中心に向かって球状ヘッドの中心を挿入するため、球状ヘッドをソケットの凹球面部に容易に挿入できるといった効果を有する。
人工股関節の説明図である。 従来の人工関節におけるソケットと球状ヘッドの拡大図である。(1)は球状ヘッドがソケットの凹球面部に挿入された状態の断面模式図であり、(2)は球状ヘッド側から見たソケットの凹球面部の模式図である。 実施例1の人工関節におけるソケットと球状ヘッドの拡大図である。(1)は球状ヘッドがソケットの凹球面部に挿入された状態の断面模式図であり、(2)は球状ヘッド側から見たソケットの凹球面部の模式図である。 実施例2の人工関節におけるソケットと球状ヘッドの拡大図である。(1)は球状ヘッドがソケットの凹球面部に挿入された状態の断面模式図であり、(2)は球状ヘッド側から見たソケットの凹球面部の模式図である。 実施例1の人工股関節用ソケットの正面図である。 実施例1の人工股関節用ソケットの断面模式図である。 本発明の球状ヘッド押し込み器具の一実施形態の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明していく。
先ず、従来の人工関節用ソケットの一実施形態について、図2を参照して説明する。
通常、人工関節用ソケットは、骨頭(図示せず)を除去した後の骨盤19側に螺子20を用いて装着される。ソケット13を螺子で骨盤に固定するため、螺子20はソケット13の内側から骨盤に向かってねじ込んでいる。そして、骨側に埋設された人工骨(ステム)(図1における12、図2では図示していない。)のネック部14に固定された球状ヘッド11を摺動可能に支持するため、ソケット13は、略半球殻状に造形されている。球状ヘッド11は、ソケット13を骨盤に固定した後に、ソケット13内の凹球面部13aに挿入することになる。
従来の人工関節用ソケットの場合、この球状ヘッド11の挿入を容易にするため、ソケット13の凹球面部13aは、図2(1)に示されるように、半球線のところまで形成されている。この結果、球状ヘッド11はソケット13の凹球面部13aから抜け易く、手術後に筋肉が再生強化されるまでは脱臼しやすいといった問題がある。上述したように、かかる脱臼を防止するために、ソケット13の凹球面部13aの淵に円筒形部分を付加することも成されている。
一方、本発明の人工関節用ソケットでは、従来の人工関節用ソケットと比較して、主として、1)ソケット13は、球状ヘッド11に対して半球線を超えて被るように、球状ヘッドを受け入れる凹球面部13aが半球線を超え延在して形成されており、かつ、2)半球殻状の開口側淵部に切り込み溝が設けられている点に特徴がある。
ソケットが、球状ヘッドに対して直径赤道面を超えて被るように、球状ヘッドを受け入れる凹球面部が半球線を超え延在して形成し、球状ヘッドを挿入後、その球状ヘッドがソケットの凹球面部から簡単に抜けることがないようにしている。しかしながら、球状ヘッドを受け入れる凹球面部が半球線を超え延在して形成している場合、球状ヘッドをソケットの凹球面部に容易に挿入できず、またソケットを骨盤に固定した後では更に困難な作業となるため、骨盤に過度の負担をかけることになる。そのため、ソケットの球殻の開口側の淵部分に切り込み溝を設けて、ソケットを骨盤に固定した後においても、球状ヘッドをソケットの凹球面部に容易に挿入できるようにしているのである。
上記内容をより詳細に説明すると、ソケットの凹球面部を、半球線を超え延在形成させることで、球状ヘッドを受け入れるソケット内側の凹球面部を半球より深くすることができ、それにより、球状ヘッドが挿入される半球殻状のソケットの開口部の入り口の半径が球状ヘッドの半径より小さくなるので、一旦、球状ヘッドがソケットの凹球面部に入ると容易には抜けなくなるのである。
一方、ソケットの開口部の入り口の直径は球状ヘッドより小さいので、球状ヘッドを挿入するには開口部の入り口を広げる必要があるが、一定の厚みのある金属製の半球殻状のソケットの開口部の入り口を一定量広げる(口開き)には大きな力が必要である。これは、球殻構造は内部から押し広げる力に対して剛性が高いことに加え、材料である金属の剛性(ヤング率)が大きいためである(口開き剛性)。
この球状ヘッドの挿入は、手術中にソケット内側の凹球面部を骨盤に固定した後に引き続いて行う必要があり、このような環境下ではあまり大きな力は掛けられない。仮に何らかの冶具を使って大きな力が掛けられても、変形は主としてポリエチレンなどの柔らかい素材でできたインナーカップの端部が変形する(つぶれる)モードになり、挿入後に抜けやすくなることは避けられない。
インナーカップの端部がつぶれない程度の力で挿入するには、ソケット内側の凹球面部の深さ増分は極めて僅かなものとなり、加工精度に加え、ソケット、インナーカップの材質の一例であるポリエチレンや、球状ヘッドの材質の一例であるコバルトクロムの熱膨張率の違いや温度変化により、抜けやすくなる可能性もあり、製造や管理は極めて困難になる。
そこで、本発明の人口関節用ソケットでは、半球殻状のソケットの開口側淵部に一定深さ部分に切り込み溝を入れることにより、ソケット内側の凹球面部の淵部の口開き剛性を大幅に低減させることにしたのである。
更に、口開き剛性は、上記の切り込み溝の深さに加え、切り込み溝の本数(切り込み溝の間隔や配置)にも依存する。従って、これらの組み合わせにより、口開き剛性を任意に調整することができるようにしている。適当な本数にすれば切り込み溝の深さは数mm程度になるので、口開き剛性の調整および管理は容易である。ソケットの深さも大きく取れるのでソケット端部の直径も1mm程度は小さくなるので温度変化の影響も問題はなくなる。
仮に、上記のような切り込み溝を採用せずに口開き剛性を調整しようとすると、ソケットの淵部の直径を球状ヘッドの直径より極めてわずかだけ大きく保つ必要があり、わずかな加工寸法誤差や温度変動で球状ヘッドの挿入が困難になったり、一旦挿入された球状ヘッドの抜けが発生することになる。
また、インナーカップが薄い場合、その材質であるポリエチレンの低いヤング率とあいまって、インナーカップの剛性は金属製のアウターカップに比べて著しく低くなるため、必ずしもインナーカップには切り込み溝(スリット)を設ける必要はない場合もある。ポリエチレンなどは延性がありすぎて、機械加工で切り込み溝(スリット)を入れようとするとバリが発生してその処置に工数を要するため、インナーカップの切り込み溝(スリット)の加工を省略することは製造上も大いに有意である。
以下の実施例1,2では、本発明の人工関節用ソケットの一実施形態について説明する。また、実施例3では、発明の球状ヘッド押し込み器具の一実施形態について説明する。
なお、以下の実施例は、単に本発明の説明に役立つものであり、本発明はクレームによって定義されるものである。以下に述べる実施例は、本発明の趣旨と範囲から逸脱しないで、様々な変更や代替の実施例について工夫できる。
図3は、実施例1の人工関節におけるソケットと球状ヘッドの拡大図であり、図3(1)は球状ヘッドがソケットの凹球面部に挿入された状態の断面模式図であり、図3(2)は球状ヘッド側から見たソケットの凹球面部の模式図である。
実施例1の人工関節用ソケット13は、骨頭を除去した後の骨盤19側に装着され、骨側に埋設された人工骨(ステム)のネック部14に固定された球状ヘッド11を摺動可能に支持すべく、略半球殻状に造形されており、その特徴としては、1)ソケット13は、球状ヘッド11に対して直径赤道面を超えて被るように、球状ヘッドを受け入れる凹球面部13aが半球線を超え延在して形成されており、かつ、2)半球殻状の開口側淵部に切り込み溝(31〜38)が設けられている構成を有している。
実施例1の人工関節用ソケット13は、従来の人工関節用ソケット(図2参照)に比較して、球状ヘッドを受け入れる凹球面部13aが半球線を超え延在して形成されている(13c)。また、延在して形成された半球殻状の開口側淵部(13d)に、図3(2)に示されるように、切り込み溝(31〜38)が設けられている。
上記の実施例1の人工関節用ソケットでは、球殻状の厚みが大きい場合や強度な金属製の外殻を有する場合、相当に深い切り込み溝を設けなければならず、ソケットと骨盤の密着に悪影響が出る可能性がある。実施例2では、深い切り込み溝を設けることなく、口開き剛性をさらに効果的に低減できる実施形態について説明する。
図4は、実施例1の人工関節におけるソケットと球状ヘッドの拡大図であり、図4(1)は球状ヘッドがソケットの凹球面部に挿入された状態の断面模式図であり、図4(2)は球状ヘッド側から見たソケットの凹球面部の模式図である。
実施例2の人工関節用ソケット13は、実施例1の人工関節用ソケットと同様に、骨頭を除去した後の骨盤19側に装着され、骨側に埋設された人工骨(ステム)のネック部14に固定された球状ヘッド11を摺動可能に支持すべく、略半球殻状に造形されており、その特徴としては、1)ソケット13は、球状ヘッド11に対して直径赤道面を超えて被るように、球状ヘッドを受け入れる凹球面部13aが半球線を超え延在して形成されており、かつ、2)半球殻状の開口側淵部に切り込み溝(41〜48)が設けられ、更に、3)ソケット13における開口側淵部の厚みが、半球殻状に造形されたソケット本体よりも小さくされている構成を有している。
ソケット13における開口側淵部の厚みを、半球殻状に造形されたソケット本体よりも小さくするとは、具体的には、図4(1)に示すように、ソケット13における開口側淵部(13f)を、図3(1)に示される実施例1のソケット13における開口側淵部(13d)よりも小さくすることである。開口側淵部の厚みが、半球殻状に造形されたソケット本体よりも小さくなるため、開口側淵部は階段状となる(13e、13f、13g)。
ソケット13における開口側淵部の厚みを、半球殻状に造形されたソケット本体よりも小さくすることにより、すなわち、切り込み溝を設けるソケット内側の凹球面部の淵部の球殻を薄くすることにより、球殻状の厚みが大きい場合や強度な金属製の外殻を有する場合でも、深い切り込み溝を設けることなく、口開き剛性を効果的に低減するものとしたのである。
(球状ヘッド押し込み器具について)
実施例3では、球状ヘッド押し込み器具について説明する。図7は、本発明の球状ヘッド押し込み器具の一実施形態の説明図である。
図7に示すように、球状ヘッド押し込み器具100は、本発明の人工関節用ソケットに着脱自在な器具であって、
(1)ソケット13と螺合し得る螺子部(83,92)を先端に有する2本のアーム部(81,91)と、
(2)2本のアーム部(81,91)を保持し得る本体部101と、
(3)2本のアーム部(81,91)と本体部101とを固定する固定手段である締め付けボルト(84,85,94,95)と、
(4)本体部101に取り付けられる押し込みガイド部であって、ソケット13の直径中心に向かって、球状ヘッド11の中心をソケット13の凹球面部13aに押し込むためのステムの押し込みガイド部(102,103,104)により構成される。
球状ヘッド押し込み器具によれば、球状ヘッド11をソケット13の凹球面部13aに挿入する際、若しくは、抜く際に、ソケット13が固定されている骨盤(図示せず)に過度の負荷をかけることを回避でき、また、本体部101に取り付けられる押し込みガイド部(102,103,104)を介して、確実に、ソケット13の凹球面部13aの中心に向かって、球状ヘッド11の中心を挿入することができる。
球状ヘッド押し込み器具を利用することで、球状ヘッド11をソケット13の凹球面部13aに容易に挿入可能となる。
(他の実施例)
(1)上述の実施例では、ソケットの開口側淵部に設ける切り込み溝を8本にしているが、口開き剛性の要求に応じて、また切り込み溝の深さ、溝の間隔、溝の配置、溝の形状との関係で自由に設計することができる。また、ソケット自体の形状によっても、切り込み溝の本数、溝の深さ、溝の間隔、溝の配置、溝の形状を自由に設計できる。図5および図6には、ソケット13自体の形状が半球殻状の上端部がカットされた形状のもの、その形状のソケットに7本の切り込み溝(51〜57)を設けた実施形態を示す。
(2)上述の実施例では、初めにソケットを骨盤に挿入し、螺子固定して、次に球状ヘッドをソケットに挿入する方法に用いる人工関節用ソケットとして説明しているが、本発明の人工関節用ソケットは、球状ヘッドをソケットに挿入してからソケットを接着剤などで固定する方法に用いてもかまわない。
本発明は、人工股関節や人工肩関節、また、それらの施術の支援器具として有用である。
1 人工股関節
11 球状ヘッド
12 ステム(人工骨)
13 ソケット
13a 凹球面部
14 ネック部
18 大腿骨
19 骨盤(寛骨臼)
21 螺子頭部
31〜38,41〜48,51〜57 切り込み溝
81,91 アーム部
100 球状ヘッド押し込み器具
101 本体部

Claims (2)

  1. 先端に球状ヘッドを備えた人工骨(ステム)および略半球殻状のソケットとから成る人工股関節において、
    前記ソケットは、骨頭を除去した後の骨盤側に装着され、骨側に埋設された前記人工骨(ステム)のネック部に固定された前記球状ヘッドを摺動可能に支持すべく、略半球殻状に一部材で造形され、
    前記球状ヘッドを受け入れる前記ソケットの凹球面部は、前記球状ヘッドに対して直径赤道面を超えて被るように半球線を超え延在して形成されており、かつ、半球線を超え延在して形成された前記凹球面部の開口側淵部に切り込み溝が設けられ、
    前記切れ込み溝は、溝の幅、溝の深さ、溝の本数、並びに、溝の配置をパラメータとして、前記開口側淵部の口開き剛性を所定の強さまで低減調整でき、
    前記口開き剛性は、前記球状ヘッドを前記凹球面部に簡単に挿入でき、挿入後は前記球状ヘッドが前記凹球面部から簡単には抜けないものであり、
    一部材で造形された前記ソケットが別部材なしで直接に前記球状ヘッドを固定し得る、ことを特徴とする人工股関節。
  2. 前記ソケットにおける前記開口側淵部の厚みを、半球殻状に造形された前記ソケット本体よりも小さくしたことを特徴とする請求項1に記載の人工股関節。
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