JP5131973B2 - 管継手の製造方法及び治具 - Google Patents

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Description

本発明は、真空用フランジなどの管継手の製造方法、当該管継手を構成する部材間の溶接に用いられる治具、及び真空装置の製造方法に関する。
真空装置内、特に超高真空(例えば1×10−6Pa以下)で使用される真空装置内を排気する場合、真空装置を構成する基材から発生するガスや、真空装置内に付着した汚れから発生するガス等により、所望の圧力に到達しない、又は排気時間が長くなる等の不都合が生じる場合がある。このようなガスの発生を低減させるため、基材の表面処理(例えば、電界研磨、化学研磨、機械研磨、溶剤による緻密な表面酸化層の形成、精密な機械加工(研磨)など)や特殊な洗浄(例えば、酸、溶剤、純水などによる洗浄)が行われる。
基材の表面処理や洗浄は、真空装置が完成した後に実施されることが好ましいが、装置の形状や継手の取り付けなどの制限により、表面処理や洗浄が実施された後に部材間を溶接して装置を完成させる場合がある。しかし、溶接を行うと、溶接の時の熱により基材が酸化して変色したり、高温部に汚れが付着したりして、表面処理の効果が低減する。このため、溶接時の熱が溶接部分から広範囲に広がらないことが好ましい。
また、加工精度が要求される部分では、溶接の熱により歪が発生する場合がある。例えば、真空シール部分に歪が発生すると、リークが原因で所望の圧力を満たせない、又は排気時間が長くなる等の不都合を招く。このため、溶接時の熱による歪を低減することが必要である。
例えば、真空装置用の配管部品のひとつに真空用フランジが知られている。この真空用フランジは、管継手の一種であり、その構成の一例として、パイプ部材と、パイプ部材の先端部に溶接されたシール部材と、パイプ部材の外周面に摺動自在に装着されたフランジ部材とを有するものがある。シール部材は、パイプ部材とほぼ同一の内径を有し、かつ当該パイプ部材の外径よりも大きな外径を有している。上記フランジ部材は、鋼管の先端に接合されたシール部材と係合することで、パイプ部材からの抜けが防止される。
上述した構成の真空用フランジは、相手側のフランジ付き鋼管の端部に各々のフランジ同士をボルト等で締結することによって接続される。このとき、シール部材のシール部が相手側鋼管の端部に密着することで、接続部位のシール性が確保される。
パイプ部材にシール部材を溶接する工程においては、溶接時の熱によって溶接部およびその近傍に変形や変色を生じさせ易い。特に、上述した真空用フランジにおいては、シール部の変形または変色を招くおそれがある。シール部に変形が生じると、所望とするシール性が得られなくなり、また、シール部に変色が生じると、シール部の外観不良を招く。なお、シール部の変色は、溶接後にシール部の研磨処理を実施することで、外観不良とならない程度に回復させることが可能である。しかし、後処理の実施によって生産性の大幅な低下が避けられなくなるため、好ましくない。
そこで、溶接時の入熱による影響を緩和するため、溶接対象部材を冷却しながら溶接する方法が知られている。例えば、特許文献1には、水を入れた熱伝導性の良好な材料からなる冷却器を溶接対象部材の上面に設置して溶接部の温度低下を促進させる方法が開示されている。また、特許文献2,3には、溶接時に、循環する冷媒を溶接対象部材に直接的または間接的に接触させる冷却装置の構成が開示されている。
特開2002−224824号公報 特開平7−276073号公報 特開平6−238436号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載の溶接方法においては、冷媒が水であるため、溶接対象部材を0℃より低い温度に冷却することができず、吸熱作用が不十分であるという問題がある。
また、特許文献3に記載の溶接方法では、0℃以下−20℃以上の液体冷媒を用いて溶接対象部材を冷却するようにしている。しかしながら、特許文献3に記載された冷却器は平面的な大型部品の冷却には適するが、溶接部位の近傍に環状のシール部を有する継手部品のような複雑な立体形状を有する部品の冷却には適さない。このため、冷媒温度が−20℃の場合でもシール部の高い吸熱効果が得られず、シール部の変形や変色の発生を防止できない。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、真空用フランジなどの管継手を構成するシール部材の冷却効率を高めて、当該シール部材の熱変形または変色を効果的に抑制することが可能な管継手の製造方法、この方法に用いられる治具及び真空装置の製造方法を提供することにある。
本発明の管継手の製造方法は、シール部を有する環状のシール部材をパイプ部材の先端に接触させ、前記シール部材を冷却するための治具を0℃より低い温度に冷却し、前記治具を前記シール部材に組み付け、前記治具に形成された開口を介して前記シール部材と前記パイプ部材の接触部位を溶接する。
本発明は、シール部材の冷却に0℃より低い温度に冷却した治具を用いているので、水を冷却媒体として用いる従来の溶接方法に比べて、シール部材の吸熱効果を高めることができる。また、治具をシール部材に組み付けて両者の密着を図るようにしている。さらに、治具に形成された開口を介してシール部材とパイプ部材の接触部位を溶接するので、シール部材に組み付けられた治具が溶接作業性を低下させることはない。
治具は、銅などの熱伝導性の高い金属ブロックで形成される。治具の温度は、低温であるほど好ましく、好適には、治具を液体窒素で冷却する。この場合、液体窒素に治具を浸漬しておき、溶接時に当該治具を液体窒素から取り出してシール部材の上に組み付ける。
また、本発明に係る治具は、シール部材のシール部を当該シール部に非接触で遮蔽するように構成されている。この構成により、溶接作業中に誤って溶接器具がシール部に接触することを回避できるので、シール部の保護が図れるようになる。
具体的に、本発明に係る治具は、シール部を有する環状のシール部材をパイプ部材の先端に溶接する際に前記シール部材を冷却するための治具であって、環状の金属ブロックからなる治具本体と、前記治具本体に形成され前記シール部材の外周面に接触する内周壁部と、前記内周壁部から前記治具本体の中央部に向かって突出する、前記シール部を遮蔽するための突出部とを具備する。
そして、上記構成の治具において、前記突出部の先端部には、前記シール部の内周側で前記シール部材と係合させるための係合部が突出して設けられている。この係合部の高さをシール部の高さよりも大きく形成することで、シール部に非接触でシール部を保護することが可能となる。また、シール部周辺の当該治具による吸熱効果を高めることが可能となる。
一方、本発明に係る真空装置の製造方法は、構成部材を溶接して真空装置を製造する方法であって、溶接部分の周辺に0℃以下(例えば液体窒素温度)の治具を接触させ、前記溶接部分を溶接する。これにより、溶接部分から周辺部への広範囲な熱の伝達を抑制し、熱の影響を受ける範囲を低減することができる。また、溶接の熱による構成部材の変色、表面処理効果の低減及び歪の発生を抑制することが可能となる。
以上のように、本発明によれば、真空装置として例えば真空用フランジなどの管継手を構成するシール部材の冷却効率を高めて、溶接時におけるシール部の熱変形や変色を効果的に防止することが可能となる。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づき説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態において説明する管継手1の要部断面図である。また、図2は管継手1の要部の分解断面図である。管継手1は、真空装置として、例えば、真空配管の一部である真空用フランジを構成している。管継手1は、構成部材として、シール部材2と、パイプ部材(配管)3と、フランジ部材4とを備えている。シール部材2及びフランジ部材4は回転フランジを構成しており、特に、シール部材2は、当該回転フランジにおけるインナーに相当し、フランジ部材4は、当該回転フランジにおけるアウターに相当する。
シール部材2は例えば鋼製で、環状に形成されている。シール部材2の一方の面(図1において上面側)にはシール部21が形成されており、他方の面(図1において下面側)には、フランジ部材4と係合する係合面22が形成されている。シール部21は、斜面部21aと垂直壁部21bとを有する断面三角形状のナイフエッジを構成しており、斜面部21aと垂直壁部21bの間には鋭利なコーナー部21cが形成されている。
シール部材2の一方の面であって、シール部21の内周側には、平坦面23が形成されている。さらに、シール部材2の内周壁部25には、シール部材2の中心に向かって突出する凸部24が形成されている。シール部21、平坦面23および凸部24は、シール部材2の外形(円形)と同心円的に形成されている。
パイプ部材3は、断面円形の鋼管である。パイプ部材3の外径は、シール部材2の凸部24の内径よりも大きく、かつ、シール部材2の内周壁部25の直径よりも小さい。パイプ部材3の先端は、シール部材2の内周壁部25に嵌合し、凸部24の下面に接触している。そして、これらシール部材2の凸部24とパイプ部材3の先端との接触部位が溶接によって接合される。
本実施形態では、パイプ部材3を構成する鋼板の肉厚は、シール部材2の内周壁部25からの凸部24の突出量よりも大きく形成されている。したがって、凸部24の内周面と、この凸部24よりもシール部材2の内周側に位置するパイプ部材3の先端領域との間の領域が、シール部材2およびパイプ部材3の被溶接部とされる。
フランジ部材4は例えば鋼製で、環状(円形)に形成されている。フランジ部材4は、パイプ部材3の外周面に沿ってパイプ部材3の軸方向に摺動自在であり、かつ、パイプ部材3の軸方向の周りに回転自在な内周壁部42を有している。フランジ部材4のシール部材2と対向する側の面には、シール部材2を収容する凹部41が形成されている。この凹部41は、フランジ部材4の軸心部を中心とする円形を有している。凹部41の直径は、シール部材2の外径と同一またはこれよりも若干大きく形成され、凹部41の深さは、シール部材2の高さと同一またはこれより若干大きく形成されている。
フランジ部材4は、凹部41の底部と、パイプ部材3の先端に接合されたシール部材2の係合面22との係合作用によって、パイプ部材3の先端からの抜けが防止される。そして、フランジ部材4は、パイプ部材3が挿入された状態で、シール部材2を挿んで他のフランジと固定される、回転フランジにおけるフランジ部を構成する。
以上のように構成される管継手1の製造に際しては、まず、フランジ部材4がパイプ部材3の外周面に装着される。
次に、図3(A)に示すように、パイプ部材3の軸方向を鉛直方向に向けて固定し、シール部材2をパイプ部材3の先端に接触させる。本実施形態では、シール部材2の凸部24の下面をパイプ部材3の先端に載置する。この後、凸部24とパイプ部材3の先端の間に形成される環状の接触部位を溶接して、シール部材2とパイプ部材3とを一体的に接合する。
ここで、溶接時において、シール部材2への入熱によってシール部21が変形したり、変色したりするおそれがある。シール部21(特に、コーナー部21c)に変形が生じると、所期のシール性が得られなくなる。また、シール部21に変色が生じると、研磨等の後処理を当該シール部に対して施す必要性が生じ、生産性を阻害することになる。
このような問題を回避するため、本実施形態では、図3(B)に示すように、シール部材2の上に、治具5を組み付けた状態で溶接するようにしている。治具5は、溶接工程の間、シール部材21を冷却し、溶接熱からシール部21の変形や変色を防止する機能を有している。
以下、図3(B)および図4を参照して、本発明に係る治具5の構成について説明する。図3(B)は、シール部材2の上に治具5を組み付けた状態を示す要部断面図であり、図4はその平面図である。
治具5は、金属ブロックからなる治具本体51を有する。治具本体51は、熱伝導性に優れた金属材料で構成されており、本実施形態では銅で構成されている。治具本体51の中央部には、シール部材2への組み付け時に、シール部材2の外周面と接触する円筒状の内周壁部(内周面)52が形成されている。この内周壁部52の直径は、シール部材21の外径とほぼ同一に形成されている。
一方、治具本体51の内周壁部52の上部には、治具本体51の中央部に向かって突出する突出部53が形成されている。この突出部53は、治具本体51の内周壁部からシール部材2のシール部21の上部を遮蔽できる長さに形成されている。突出部53は、内周壁部52の全周にわたって形成されている。これにより、治具本体41の上面に、シール部材2とパイプ部材3の環状の接触部位(被溶接部)を露出させる開口55が形成されている。
そして、突出部53の先端部には、治具本体51の下面側に向かって突出する係合部54が形成されている。係合部54は、突出部53の先端部の全周にわたって形成されている。突出部53からの係合部54の突出長は、シール部材2のシール部21の高さよりも大きく形成されている。係合部54の先端部は、平坦面23に接触しており、シール部21が開口55から露出しないようにシール部材2の上面を、シール部21に非接触で遮蔽している。すなわち、係合部54は、治具本体51に、シール部21を突出部53に接触しないように収容する凹部56を形成している。
ここで、係合部54の外径(凹部56の内径)は、シール部材2のシール部21(垂直壁部21b)の内径よりも小さく形成されている。特に、シール部材2の外周と治具本体51の内周壁部52の間の隙間よりも、係合部54とシール部材21の間の隙間が大となるように、係合部54が構成されている。なお、係合部54の内径は、シール部材2の内周壁部25の直径と同等またはそれよりも若干大きく形成されている。
次に、以上のようにして構成される治具5を用いた管継手1の製造方法について説明する。
図3Aに示したように、フランジ部材4をパイプ部材3の外周面に装着した後、鉛直方向に向けて軸方向が固定されたパイプ部材3の先端にシール部材2を接触させる。これにより、シール部材2は、その内周壁部25に形成された凸部24とパイプ部材3の先端部との係合作用によって、パイプ部材3に支持される。
一方、治具5は、0℃より低い温度に冷却される。具体的に、治具5は、後述する溶接工程においてシール部材21及びこれが接合されるパイプ部材3の先端周辺部の熱変形等を防止できる温度に冷却される。治具5の冷却温度は、溶接温度、溶接時間等に応じて適宜定められる。治具5の冷却工程はいつ実施されてもよく、上述したシール部材2のパイプ部材3への組み付け工程の後、当該組み付け工程の前、または当該組み付け工程と同時に行ってもよい。
本実施形態では、治具5を液体窒素で冷却する。液体窒素は取り扱いが容易で、入手しやすく、安価であり、更に温度が低く(−195.8℃以下)冷却効果が高いという利点がある。この場合、治具5を直接、液体窒素に浸漬する方法のほか、治具5を金属箔や金属ケースで包んだ状態で液体窒素に浸漬する方法が採用可能である。治具5は、0℃より低い温度で、かつ、液体窒素の温度(マイナス196℃以上)の範囲で適宜設定することができる。その後、この治具5を液体窒素から取り出して、図3(B)に示すように、シール部材2の上に治具5を組み付ける。
図3(B)を参照して、冷却された治具5は、シール部材2の外周面に嵌合される。このとき、係合部54は、シール部材2の平坦面23に接触し、図3(B)に示すようにシール部材2に対する治具5の懸吊姿勢を保持する。
本実施形態によれば、治具5の内周壁部52とシール部材2の外周面の間の隙間よりも、治具5の係合部54とシール部材2のシール部21の間の隙間の方が大きく形成されているので、シール部材2への治具5の嵌合時に、係合部54との接触によるシール部21の変形を防止することができる。
続いて、シール部材2とパイプ部材3の環状の接触部位(被溶接部)Cを全域にわたって溶接する。この溶接工程では、治具5に形成された開口55の内部に溶接器具を進入させて作業が行われる。図5は被溶接部の拡大断面図である。本実施形態では、シール部材2の凸部24の内周面とパイプ部材3の先端部との間の隅肉溶接が行われる。図5において符号Wは、被溶接部Cに形成された溶接ビード(フィレット)である。
なお、溶接方法は、例えば、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接、MIG(Metal Inert Gas)溶接等の種々のアーク溶接法が適用可能であり、本実施形態では、TIG溶接法が採用される。なお、溶加棒を用いる場合には、適宜の材料のものが用いられる。
シール部材2およびパイプ部材3は、溶接入熱によって加熱される。このとき、シール部2は、フランジのシール面またはシール部を構成するものであるため、熱による歪や酸化による加工精度の低下が問題となる。特に、シール部材2は、他の部材と比べて小型であるため熱容量が小さく、溶接中に全体の温度が容易に上昇する。しかも、シール部21は、精密な機械加工が施されているため、熱変形によるシール性の低下は著しくなる。また、シール部21に変色が生じた場合、外観不良を招くため、溶接後に変色部分を除去する必要がある。この変色部分の除去作業は通常、手作業で行われることが多く、機械加工に比べて加工精度が低下し、品質にばらつきが生じるとともに、加工精度の低下がリークの原因となる場合もある。
本実施形態では、シール部材21を冷却するための治具5をシール部材2に組み付けることで、シール部材21に加えられた熱を治具5で吸熱し、シール部材2の過度な加熱を防止する。これにより、シール部材2のシール部21の熱変形および変色を防止することができる。
また、本実施形態によれば、治具5を液体窒素温度にまで冷却することが可能であるので、水を冷却媒体に用いる場合に比べて、シール部材2の吸熱効率を著しく高めることができる。また、治具5がシール部材2の外周面および平坦面23にそれぞれ接触する構成であるので、シール部材2の吸熱性を高めてシール部材2を効率よく冷却することができる。
また、図6に示すように、治具5の治具本体51に冷却媒体を循環させる循環通路57を形成し、この循環通路57を図示しない冷却媒体の循環装置に接続することも可能である。これにより、治具5を常時所定の冷媒温度に保持できるので、シール部材2の冷却効率を向上させることが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、治具5の開口55を介して被溶接部Cの溶接を行うようにしているので、作業性を悪化させることなく被溶接部Cの溶接作業を行うことができる。特に、シール部材2のシール部21を治具5の突出部53および係合部54によって遮蔽しているので、溶接作業時に溶接器具がシール部21へ接触することが確実に防止され、シール部21の保護を図ることができる。
溶接後、治具5は、シール部材2から取り外される。以上のようにして、ルーズフランジタイプの管継手1が製造される。製造された管継手1は、相手側のフランジ付き鋼管の端部に各々のフランジ同士をボルト等で締結することによって接続される。このとき、シール部材2のシール部21が相手側鋼管の端部に密着することで、接続部位のシール性が確保される。
本実施形態によれば、パイプ部材3へのシール部材2の溶接時に、0℃より低く、かつ液体窒素温度以上にまで冷却された治具5をシール部材2に組み付けているので、溶接入熱によるシール部材2の過度な加熱を防止して、シール部21の熱変形を防止することができる。これにより、管継手1の接続時にシール部21における所望のシール性を確保することができる。また、シール部21の熱による変色を防止できるので、溶接後におけるシール部21の研磨等の後処理を不要とすることができる。
また、治具5がシール部材21のほぼ全体を被覆する構成であるので、シール部材2の吸熱効果を高めることができる。したがって、シール部材2のような複雑な立体構造を有する部材を適切に冷却することができる。
さらに、治具5によってシール部材2の上面をシール部21に非接触で遮蔽できるので、溶接工程の前後にわたって、高い形状精度で形成されたシール部21を適切に保護することができる。
[第2の実施形態]
以下、図7(A)及び(B)を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。
図7(A)及び(B)は、真空装置として、真空排気通路、ガス導入通路などを構成するパイプアレイ60の一製造工程を示しており、特に、図7(A)はパイプアレイ60の軸方向に平行な断面図、図7(B)はパイプアレイ60の軸方向に垂直な断面図である。パイプアレイ60は、第1のパイプ部材(配管)61と第2のパイプ部材(配管)62の接合体で構成されている。
第1のパイプ部材61と第2のパイプ部材62は、いずれも同一のパイプ径を有しているが、パイプ長に関しては任意である。パイプアレイ60は、第1のパイプ部材61と第2のパイプ部材62のそれぞれの先端部どうしを溶接することによって製造される。図7(A)において符号63は、パイプ部材61,62間の溶接部を示している。
本実施形態では、パイプ部材61,62の溶接に際して、第1の治具71と第2の治具72を用いている。治具71,72は、0℃以下の温度(例えば液体窒素温度)に冷却されており、パイプ部材61,62の外周面に装着されることで溶接熱からパイプ部材61,62の熱変形等を防止する冷却用治具として構成されている。
治具71,72はそれぞれ同一の構成を有し、パイプ部材61,62の外周面と接触する内周面を有する環状に形成されている。特に本実施形態では、治具71,72は、図7(B)に示すように、2つの半円形の治具部品71A(72A)及び71B(72B)で構成されており、これら複数の治具部品を組み合わせることで、パイプ部材61,62の外周に取り付けられる。なお、治具71,72の構成部品の数は3個以上でも構わず、パイプ部材の形状や大きさに合わせて任意に構成可能である。
本実施形態によっても、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。特に本実施形態によれば、溶接対象となる2つの部材を同時に冷却できるので、両部材に対して高い冷却効果を得ることが可能となる。また、配管の内面は、変色部分の除去や再処理ができない場合も多いが、本実施形態によれば配管の熱による変色を防止できるので、配管内面の再処理が不要となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、以上の実施形態では、治具5の冷却に液体窒素を用いたが、これに代えて、ドライアイス(マイナス79℃)を用いてもよい。また、治具5を冷凍機器(例えばマイナス60℃程度まで冷却可能な市販の冷凍機器)で冷却してもよい。この場合、治具5に氷(霜)が付着しないように治具5を真空パックに入れて冷却することが好ましい。
また、以上の実施形態では、シール部材2の被溶接部Cが円形である場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、被溶接部が長円形状、楕円形状、四角形状の場合にも本発明は適用可能である。
また、以上の第1の実施形態では、回転フランジと配管部材の溶接工程に本発明を適用する例について説明したが、シール部材2とパイプ部材3の溶接工程の説明から容易に理解されるように、単一部材からなるフランジの配管への溶接にも本発明は適用可能である。
さらに、真空装置の例として真空用フランジ及び真空用配管を例に挙げて説明したが、これら以外の真空部品又は真空装置の製造にも、本発明は適用可能である。
本発明の第1の実施形態において説明する管継手の要部断面図である。 図1に示した管継手の分解断面図である。 管継手の製造方法を説明する工程図であり、(A)は、パイプ部材へのシール部材の組み付け工程、(B)は治具を用いたシール部材の溶接工程をそれぞれ示している。 シール部材に治具を組み付けたときの状態を示す平面図である。 シール部材とパイプ部材の間の溶接部位を示す拡大断面図である。 治具の構成の変形例を示す管継手の要部断面図である。 本発明の第2の実施形態において説明する真空装置(パイプ部材)の溶接工程の説明図であり、(A)はパイプ部材の軸方向に平行な断面図、(B)はパイプ部材の軸方向に垂直な断面図である。
符号の説明
1・・・管継手(真空装置)
2・・・シール部材(インナー)
3・・・パイプ部材(配管)
4・・・フランジ部材(アウター)
5・・・治具
21・・・シール部
23・・・平坦面
24・・・凸部
51・・・治具本体
52・・・内周壁部
53・・・突出部
54・・・係合部
55・・・開口
56・・・凹部
57・・・循環通路
60・・・パイプアレイ
61・・・第1のパイプ部材(配管)
62・・・第2のパイプ部材(配管)
71・・・第1の治具
72・・・第2の治具
C・・・接触部位(被溶接部)

Claims (7)

  1. シール部を有する環状のシール部材をパイプ部材の先端に接触させ、
    前記シール部材を冷却するための治具を0℃より低い温度に冷却し、
    前記治具を前記シール部材に組み付け、
    前記治具に形成された開口を介して前記シール部材と前記パイプ部材の接触部位を溶接する
    管継手の製造方法。
  2. 請求項1に記載の管継手の製造方法であって、
    前記治具を冷却する工程は、前記治具を液体窒素に浸漬して冷却する
    管継手の製造方法。
  3. 請求項1に記載の管継手の製造方法であって、
    前記接触部位を溶接する工程は、前記治具で、前記シール部を当該シール部に非接触で遮蔽する
    管継手の製造方法。
  4. 請求項1に記載の管継手の製造方法であって、さらに、
    前記シール部材を前記パイプ部材の先端に接触させる工程の前に、前記パイプ部材の外周面に対して摺動自在なフランジ部材を前記パイプ部材に装着する
    管継手の製造方法。
  5. 環状のシール部と、このシール部の内周側に環状の被溶接部を有するシール部材をパイプ部材の先端に溶接する際に前記シール部材を冷却するための治具であって、
    環状の金属ブロックからなる治具本体と、
    前記治具本体に形成され前記シール部材の外周面に接触する内周壁部と、
    前記内周壁部から前記治具本体の中央部に向かって突出する、前記シール部を遮蔽するための突出部と
    を具備する治具。
  6. 請求項5に記載の治具であって、
    前記シール部の内周側、かつ、前記被溶接部の外周側で、前記シール部材と係合する係合部をさらに具備する治具。
  7. 請求項6に記載の治具であって、
    前記係合部の高さは、前記シール部の高さよりも大きく形成されている
    治具。
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