JP5131718B2 - ゼオライト壁材を有する中空シリカマイクロカプセル及びその製造方法 - Google Patents

ゼオライト壁材を有する中空シリカマイクロカプセル及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ゼオライト壁材を有する中空シリカマイクロカプセル及びその製造方法に関する。
液体ないし固体物質を内包し得る直径数μm〜数百μm、壁材厚が1μm前後の微小球形容器は、一般にマイクロカプセルと称されている。
カプセルに内包される物質を外部環境から保護するためにマイクロカプセル化した例としては、感圧複写紙、感圧接着剤等が知られている。
カプセルに内包される物質を外部に放出するためにマイクロカプセル化した例としては、徐放性を備えた医薬品、徐放性を備えた農薬、化粧品、芳香剤等が知られている。
中空シリカマイクロカプセルは、生体及び環境に悪影響を殆ど与えない優れた素材であり、そのため、上記用途に幅広く利用されている。
今日まで、中空シリカマイクロカプセルは、例えば、アルカリ金属の珪酸塩の少なくとも1種を含む水溶液に、有機溶剤及び界面活性剤を混合してW/O型乳濁液を得る工程、得られる乳濁液に、無機酸、有機酸、無機酸のアンモニウム塩、有機酸のアンモニウム塩及びアルカリ金属の炭酸塩からなる群から選ばれた少なくとも1種であって且つ上記アルカリ金属珪酸塩との水溶液反応によって水不溶性の沈殿を形成し得る化合物の水溶液を混合して、中空シリカマイクロカプセルを形成する工程、形成された中空シリカマイクロカプセルをアルコール洗浄及び水洗した後、乾燥する工程を経て製造されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4等)。
上記方法で得られる中空シリカマイクロカプセルの壁材は、細孔を有しており、微小容器及び微小球としての機能を活かして機械部材、化粧品、医薬品、農薬、触媒、吸着・分離、繊維、特殊印刷、フィルム、家電品の液晶画面等の電子記録・表示材料等の分野で使用されている。
しかしながら、上記方法では、得られる中空シリカマイクロカプセルの細孔直径を制御することができず、広い細孔直径分布を有する中空シリカマイクロカプセルが得られるに過ぎない。
このような中空シリカマイクロカプセルでは、例えば、内包物質を外部に放出する際の放出速度を制御することが困難になり、医薬品、農薬等の効果持続性において問題が生ずる。
更に、上記方法で得られる中空シリカマイクロカプセルの細孔を形成する壁材は、アモルファスであるため、結晶が有している規則的な原子配列に基づく様々な電子的又は化学的機能を利用することができない。
中空シリカマイクロカプセルの壁材の細孔直径サイズをバラツキがないように揃えることができると、内包物質を外部に放出する際の放出速度を自由に制御することが容易になり、医薬品、農薬等に優れた効果持続性を付与することができる。また、ドラッグデリバリーシステム(DDS)、ジーンデリバリーシステム(GDS)の実現に大いに寄与することができる。
また、中空シリカマイクロカプセルの細孔を形成する壁材をゼオライト構造にすることができれば、該カプセルにゼオライトが有する特性を併有させることができる。
そのため、狭い細孔直径分布を有し、且つ細孔を形成する壁材がゼオライト構造である中空シリカマイクロカプセルの開発が切望されている。
特公昭54−6251号公報 特公昭57−55454号公報 特公昭63−258642号公報 特許第2555475号
本発明の課題は、ゼオライト構造の壁材を有する中空シリカマイクロカプセル及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは、狭い細孔直径分布を有し且つ細孔を形成する壁材がゼオライト構造である中空シリカマイクロカプセルを開発すべく鋭意研究を重ねて来た。特に、本発明者らは、中空シリカマイクロカプセルの壁材を結晶相で作成することに取り組んできたが、ナノオーダーレベルの結晶を生成させると、結晶の大きさを制御できず、また三次元的に規則正しく整列した構造を維持できず、中空シリカマイクロカプセルが潰れてしまう問題に直面していた。本発明者らは、更に引続き研究を重ねるうち、中空シリカマイクロカプセル形成の際に使用した界面活性剤を除去するためのアルコール洗浄を行うことなく、公知の方法で形成された中空シリカマイクロカプセルをそのまま水洗及び乾燥し、特定の温度で焼成を行った後、特定の条件下にゼオライト変成処理することにより、狭い細孔直径分布を有し且つ細孔を形成する壁材がゼオライト構造を有する中空シリカマイクロカプセルを製造できることを見い出した。本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものである。
本発明は、下記に1〜に示す中空シリカマイクロカプセル及びその製造方法を提供する
.細孔壁を有し、細孔壁を形成する壁材がゼオライト構造である中空シリカマイクロカプセルの製造方法であって、
(A)アルカリ金属の珪酸塩の少なくとも1種を含む水溶液に、有機溶剤及び界面活性剤を混合してW/O型乳濁液を得る工程、
(B)得られる乳濁液に、無機酸、有機酸、無機酸のアンモニウム塩、有機酸のアンモニウム塩及びアルカリ金属の炭酸塩からなる群から選ばれた少なくとも1種であって且つ上記アルカリ金属珪酸塩との水溶液反応によって水不溶性の沈殿を形成し得る化合物の水溶液を混合して、中空シリカマイクロカプセルを形成する工程、
(C)界面活性剤を除去するためのアルコール洗浄を行うことなく、中空シリカマイクロカプセルを水洗し、乾燥した後、300〜1000℃程度で焼成する工程、
(D)焼成後の中空シリカマイクロカプセルと構造規定剤(SDA)である水酸化テトラアルキルアンモニウムと水との比率が、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル)1モルに対してSDA(水酸化テトラアルキルアンモニウム)が0.05〜0.2モル、且つSDA(水酸化テトラアルキルアンモニウム)1モルに対してHOが400〜1300モルとなるような割合で、該シリカマイクロカプセルに構造規定剤を含有する水溶液を含浸させる工程、
(E)構造規定剤含有水溶液を含浸した中空シリカマイクロカプセルを、ゼオライトの結晶化温度まで加熱し、水熱合成反応を行う工程、及び
(F)水熱合成反応後の中空シリカマイクロカプセルから構造規定剤を除去する工程
を含む、中空シリカマイクロカプセルの製造方法。
.水熱合成反応後の中空シリカマイクロカプセルを乾燥し、焼成することにより、該カプセルから構造規定剤を除去する上記に記載の製造方法。
.水熱合成反応後の中空シリカマイクロカプセルを、構造規定剤を溶解し得る溶剤中で還流温度下に加熱し、構造規定剤を溶剤に抽出することにより、該カプセルから構造規定剤を除去する上記に記載の製造方法。
.細孔壁を有し、細孔壁を形成する壁材がゼオライト結晶構造である中空シリカマイクロカプセルの製造方法であって、
(A)アルカリ金属の珪酸塩の少なくとも1種を含む水溶液に、有機溶剤及び界面活性剤を混合してW/O型乳濁液を得る工程、
(B)得られる乳濁液に、無機酸、有機酸、無機酸のアンモニウム塩、有機酸のアンモニウム塩及びアルカリ金属の炭酸塩からなる群から選ばれた少なくとも1種であって且つ上記アルカリ金属珪酸塩との水溶液反応によって水不溶性の沈殿を形成し得る化合物の水溶液を混合して、中空シリカマイクロカプセルを形成する工程、
(C)界面活性剤を除去するためのアルコール洗浄を行うことなく、中空シリカマイクロカプセルを水洗し、乾燥した後、300〜1000℃程度で焼成する工程、
(D)焼成後の中空シリカマイクロカプセルと構造規定剤(SDA)であるハロゲン化テトラアルキルアンモニウムと水との比率が、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル)1モルに対してSDA(ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム)が0.3〜0.75モル、且つSDA(ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム)1モルに対してHOが80〜180モルとなるような割合で、該シリカマイクロカプセルに構造規定剤を含有する水溶液を含浸させる工程、
(E)構造規定剤含有水溶液を含浸した中空シリカマイクロカプセルを、ゼオライトの結晶化温度まで加熱し、水熱合成反応を行う工程、及び
(F)水熱合成反応後の中空シリカマイクロカプセルから構造規定剤を除去する工程
を含む、中空シリカマイクロカプセルの製造方法。
.水熱合成反応後の中空シリカマイクロカプセルを乾燥し、焼成することにより、該カプセルから構造規定剤を除去する上記に記載の製造方法。
.水熱合成反応後の中空シリカマイクロカプセルを、構造規定剤を溶解し得る溶剤中で還流温度下に加熱し、構造規定剤を溶剤に抽出することにより、該カプセルから構造規定剤を除去する上記に記載の製造方法。
モレキュラーシーブ(分子篩)は、それらの化学的組成及び構造によりいくつかのグループに分類されている。そのうちの一つのグループは、通常、ゼオライトと呼ばれており、分子サイズの細孔を有する無機酸化物の結晶である。結晶であるためその細孔分布は、均一である。ここに分子サイズとは、世の中に存在する分子のサイズの範囲であり、一般的には、ミクロ細孔に属する0.2nmから2nm程度の範囲である。このため、ゼオライトは、高性能の触媒、吸着剤等として広く利用されている。
一般的にゼオライトは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のような交換できるカチオンと結合したシリカ及び任意にアルミナの格子を含む。本明細書において、「ゼオライト」には、シリカ及び任意にアルミナを含有し、シリカ及びアルミナ部分が全て又は部分的に他の酸化物と置換されている物質が含まれる。
例えば、酸化ゲルマニウム、酸化チタン、酸化錫、酸化燐及びそれらの混合物は、シリカ部分に置換され得る。酸化硼素、酸化鉄、酸化チタン、酸化ガリウム、酸化インジウム及びそれらの混合物は、アルミナ部分に置換され得る。
従って、本明細書において用いられている用語「ゼオライト(単数又は複数)」及び「ゼオライト物質」は、その結晶質格子構造において珪素及び任意にアルミニウム原子を含有する分子篩を含む結晶質ミクロ多孔質分子篩、前記珪素及びアルミニウム原子が他の原子に置換した分子篩、及びアルミナ(AlO2)及び酸化燐(PO2)及び任意にシリカ(SiO2)の骨組み四面体構成単位を有するALPO系分子篩を含む結晶質分子篩を含むが、それらに限定されないことを意味する。ALPO系分子篩には、SAPO、ALPO、MeAPO、MeAPSO、ELAPO及びELAPSOが含まれる。
更に、ゼオライトは、結晶性シリケート、結晶性アルミノシリケート、結晶性メタロシリケート、結晶性メタロアルミノシリケート、結晶性アルミノフォスフェート、結晶性メタロアルミノフォスフェート等で構成された結晶性マイクロポーラス物質を含む。結晶性メタロアルミノフォスフェートは、より具体的には、アトラス オブ ゼオライト ストラクチュア タイプス(マイヤー、オルソン、バエロチャー、ゼオライツ、17(1/2)、1996)(Atlas of Zeolite Structure types(W. M. Meier, D. H. Olson, Ch. Baerlocher, Zeolites, 17(1/2),1996))に記載されている構造を有する結晶性無機多孔性物質を含む。
本発明の好ましいゼオライトは、MFIタイプのゼオライトである。MFIとは、IZA(International Zeolite Association)が公表している骨格構造の一種である。
MFIタイプのゼオライトは、0.56nm×0.53nmの僅かに歪んだ楕円状細孔径を有するストレートチャンネルと、0.55nm×0.51nmの僅かに歪んだ楕円状細孔径を有するシヌソイダルチャンネルを有する。
ストレートチャンネルは、MFIタイプのゼオライト結晶のb軸方向に沿って直線状に開口しており、(0 1 0)面に細孔入り口を有する。一方、シヌソイダルチャンネルは、a軸方向に沿ってジグザグに開口しており、(1 0 0)面に細孔入り口を有する。ストレートチャンネル及びヌソイダルチャンネルは、結晶内で繋がり合い、2次元的細孔構造を形成する。
MFIタイプのゼオライトの構成元素は、一般的にはケイ素とアルミニウムと酸素である。MFIタイプのゼオライトは、アルミニウム原子近傍にイオン交換サイトを有しており、該イオン交換サイトに各種金属イオンを導入することができる。また、アルミニウム含有量は、シリカ/アルミナ比で20から無限大まで制御できる。特に、シリカ/アルミナ比が無限大であるMFIタイプのゼオライトは、疎水的な性質を有し、シリカライト−1(S−1)構造と言われる。本発明の好ましいMFIタイプのゼオライトは、シリカのみからなるシリカライト−1(S−1)である。
本発明の中空シリカマイクロカプセルは、例えば、以下に示す工程を経て製造される。
(A)工程
この工程では、アルカリ金属珪酸塩の少なくとも1種を含む水溶液に、有機溶剤及び界面活性剤を混合してW/O型乳濁液を調製する。
(A)工程を実施するに当たっては、特許文献1〜特許文献4等に記載されている公知の方法を広く適用できる。
アルカリ金属珪酸塩としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸ルビジウム等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
水溶液に含まれるアルカリ金属珪酸塩の濃度は、通常0.3モル/l程度以上、好ましくは3〜5モル/l程度である。上記水溶液は、アルカリ金属珪酸塩の飽和水溶液であってもよい。
好ましいアルカリ金属珪酸塩は、珪酸ナトリウムである。そのため、水ガラス1号(Na2O:17〜18%、SiO2:36〜38%)、水ガラス2号(Na2O:11.5〜11.8%、SiO2:27.8〜28.5%)及び水ガラス3号(Na2O:9〜10%、SiO2:28〜30%)(好ましくは水ガラス3号)を、アルカリ金属珪酸塩の少なくとも1種を含む水溶液として使用することができる。場合によっては、これら水ガラス1〜3号を水で適当な濃度に希釈してもよい。
有機溶剤は、水に対する溶解性が5%以下の有機溶媒が好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル、ハロゲン化炭化水素、エステル等が挙げられる。
脂肪族炭化水素の具体例としては、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、流動パラフィン、n−オクテン、イソオクテン、ガソリン、石油エーテル、灯油、ベンジン、ミネラルスピリット等が挙げられる。
脂環式炭化水素の具体例としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロノナン等が挙げられる。
芳香族炭化水素の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、クメン、メシチレン、テトラリン、スチレン等が挙げられる。
エーテルの具体例としては、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル等が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素の具体例としては、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン等が挙げられる。
エステルの具体例としては、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、乳酸n−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸n−ブチル等が挙げられる。
これらの有機溶剤は、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
界面活性剤としては、非イオン系界面活性剤が通常用いられる。
非イオン系界面活性剤としては、公知のものを広く使用でき、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール、ソルビタン脂肪酸エステル ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの具体例としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート等が挙げられる。
ポリオキシエチレンソルビトールの具体例としては、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等が挙げられる。
ソルビタン脂肪酸エステルの具体例としては、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセキスオレエート等が挙げられる。
ポリオキシエチレン高級アルコールエーテルの具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等が挙げられる。
ポリオキシエチレン脂肪酸エステルの具体例としては、ポリオキシエチレングリコールモノラウレート、ポリオキシエチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレングリコールステアレート、ポリオキシエチレングリオールモノオレート等が挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、ステアリン酸モノグリセライド、オレイン酸モノグリセライド等が挙げられる。
これらの界面活性剤の中では、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレン高級アルコールエーテルが好適である。
これら界面活性剤は、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
W/O型乳濁液は、アルカリ金属珪酸塩の少なくとも1種を含む水溶液に、有機溶剤及び界面活性剤を混合することにより調製される。
W/O型乳化液を調製するに当たり、得られる乳化液のW/O比が4/1〜1/5程度、好ましくは2/1〜1/2程度となるように、アルカリ金属珪酸塩含有水溶液と有機溶剤とを混合する。界面活性剤の使用量は、有機溶媒の10重量%程度以下が好ましく、0.1〜3重量%程度がより好ましい。
また、本発明の(A)工程では、アルカリ金属の珪酸塩の少なくとも1種を含む水溶液に、有機溶剤及び界面活性剤を混合してO/W型乳濁液を得、次いで得られるO/W型乳濁液を界面活性剤を含む有機溶剤に混合してO/W/O型乳濁液を調製してもよい。
O/W型乳化液を調製する際のO/W比は、得られる乳濁液が水中油滴型となる限り特に限定されるものではないが、O:W=1:10〜3:1程度とすることが好ましい。界面活性剤の使用量は、有機溶剤の10重量%程度以下であるのが好ましく、0.01〜3重量%程度であるのがより好ましい。
O/W型乳濁液を界面活性剤を含む有機溶剤に混合してO/W/O型乳濁液を調製するに当たっては、例えば、特許文献3に記載されている方法を採用することができる。
この際の有機溶剤及び界面活性剤は、上記有機溶剤及び界面活性剤と同様のものから適宜選択される。ここで上記乳濁液の(O/W)/O比(Oに対するO/Wの比)としては、(O/W):O=1:10〜2:1程度が好ましい。
(B)工程
この工程では、(A)工程で得られるW/O型乳濁液(又はO/W/O型乳濁液)に、無機酸、有機酸、無機酸のアンモニウム塩、有機酸のアンモニウム塩及びアルカリ金属の炭酸塩からなる群から選ばれた少なくとも1種であって且つ上記アルカリ金属珪酸塩との水溶液反応によって不溶性のシリカの沈殿を形成し得る化合物(以下この化合物を「沈殿剤」という)の水溶液を混合する。
沈殿剤としては、無機酸、有機酸、無機酸のアンモニウム塩、有機酸のアンモニウム塩及びアルカリ金属の炭酸塩からなる群から選ばれた少なくとも1種が使用される。
無機酸としては、例えば、硫酸、塩酸、臭化水素酸、沃化水素酸、硝酸、亜硫酸、亜硝酸、炭酸等が挙げられる。
有機酸としては、例えば、蟻酸、蓚酸、酪酸、酢酸等が挙げられる。
無機酸のアンモニウム塩としては、例えば、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
有機酸のアンモニウム塩としては、例えば、蓚酸アンモニウム、酢酸アンモニウム等が挙げられる。
アルカリ金属の炭酸塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。
上記沈殿剤の中でも、無機酸のアンモニウム塩が好ましく、炭酸水素アンモニウムが特に好ましい。
沈殿剤を溶解した水溶液の濃度は、通常0.05モル/l程度以上、好ましくは0.1〜2.0モル/l程度である。上記水溶液は、沈殿剤の飽和水溶液であってもよい。
W/O型乳濁液(又はO/W/O型乳濁液)と沈殿剤の水溶液とを混合するに当たっては、沈殿物が形成する限り両者の混合割合は限定されるものではない。通常は、前者に対して後者を少なくとも等モル量程度、好ましくは2倍モル量程度の割合で両者を混合する。
中空シリカマイクロカプセル形成反応は、大気圧下、20〜30℃で良好に進行するが、反応液を60℃程度まで加熱してもよい。
このようにして、W/O型乳濁液(又はO/W/O型乳濁液)と沈殿剤の水溶液との混合により、シリカ壁を有する中空のマイクロカプセルが形成される。
(C)工程
本発明の方法は、(i)界面活性剤を除去するためのアルコール洗浄を行うことなく、(B)工程で得られた中空シリカマイクロカプセルをそのまま水洗すること、及び(ii)水洗後の中空シリカマイクロカプセルを300〜1000℃程度で焼成することを特徴としている。
上記(i)及び(ii)の要件のうちのいずれか1つの要件を欠いた場合には、本発明の課題を解決することができない。
例えば、(B)工程で得られた中空シリカマイクロカプセルをアルコールで洗浄して(A)工程で使用した界面活性剤を除去し、その後本発明の方法を実施した場合、ゼオライト化の際に中空シリカマイクロカプセルが粉砕され、中空シリカマイクロカプセルとしての形状を保持できない(後記比較例1参照)。
(B)工程で得られた中空シリカマイクロカプセルをアルコール洗浄することなくそのまま水洗しても、300℃より低温で焼成した場合、界面活性剤を焼成で十分除去できず、低強度の中空シリカマイクロカプセルが得られるに過ぎない。その後本発明の方法を実施した場合、ゼオライト化の際に中空シリカマイクロカプセルが粉砕され、中空シリカマイクロカプセルとしての形状を保持できない(後記比較例2参照)。

また、(B)工程で得られた中空シリカマイクロカプセルをアルコール洗浄することなくそのまま水洗しても、1000℃より高温で焼成した場合、クリストバライトの結晶相が析出してしまい、その後本発明の方法を実施しても、中空シリカマイクロカプセルの形状を保持するが、ゼオライト構造にすることができない(後記比較例3参照)。
中空シリカマイクロカプセルの水洗浄及び乾燥は、公知の水洗手段及び乾燥手段を適用して行うことができる。
水洗の際に使用される水は、蒸留水、イオン交換水等の不純物を含まない水であるのが望ましい。
乾燥は水分除去のために行われる。そのため、乾燥温度及び乾燥時間は、中空シリカマイクロカプセルから水分が十分に除去できるように、適宜設定すればよい。例えば、80〜150℃程度の温度で乾燥を行う場合、3〜12時間程度で十分である。
中空シリカマイクロカプセルの焼成は、公知の焼成手段を適用して行うことができる。焼成は、300〜1000℃程度(好ましくは500〜800℃程度)の温度下に6〜24時間程度(好ましくは8〜12時間程度)で行われる。
(D)工程及び(E)工程は、(C)工程で得られた中空シリカマイクロカプセルの細孔壁をゼオライト化するために必要な工程である。
(C)工程で得られた中空シリカマイクロカプセルを、ゼオライトの形成において配向と安定化に必要な構造規定剤(以下「SDA」という)と共に、水熱処理することにより、細孔壁がゼオライト化された中空シリカマイクロカプセルが製造される。
(D)工程
(D)工程では、焼成後の中空シリカマイクロカプセルにSDAを含有する水溶液を含浸させる。
SDAとしては、水酸化テトラアルキルアンモニウム及びハロゲン化テトラアルキルアンモニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種が使用される。
水酸化テトラアルキルアンモニウムとしては、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム、水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム、水酸化メチルトリエチルアンモニウム、水酸化エチルトリ−n−プロピルアンモニウム等が挙げられる。これら水酸化テトラアルキルアンモニウムは、それ自身で高いアルカリ性を示し、中空シリカマイクロカプセルの壁材のゼオライト化に寄与する。
ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムとしては、ハロゲン化テトラメチルアンモニウム、ハロゲン化テトラエチルアンモニウム、ハロゲン化テトラ−n−プロピルアンモニウム、ハロゲン化テトラ−n−ブチルアンモニウム、ハロゲン化メチルトリエチルアンモニウム等が挙げられる。ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムは、安価で入手が容易な化合物であるため、経済的見地から好ましいSDAである。ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムの中でも、ハロゲン化テトラ−n−プロピルアンモニウム及びハロゲン化テトラ−n−ブチルアンモニウムがより好ましい。また、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムは、塩化テトラアルキルアンモニウム及び臭化テトラアルキルアンモニウムが好ましい。塩化テトラ−n−プロピルアンモニウム、臭化テトラ−n−プロピルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化メチルトリエチルアンモニウム、臭化メチルトリエチルアンモニウム等が挙げられる。ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを使用する場合、それ自身が中性に近いので、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム水溶液のpHをアルカリ域側に調整するために、後述するようなpH調整剤を該水溶液に添加するのが望ましい。
本発明で使用されるSDAは、中空シリカマイクロカプセルの壁材をゼオライト化した後、(F)工程において中空シリカマイクロカプセルから除去される。中空シリカマイクロカプセルを焼成により除去できるが、焼成によりゼオライトの結晶性が低下する場合もあり、比較的穏和な条件で除去可能なSDAの使用が好ましい。このようなSDAとしては、上記したSDAの中で全炭素数10以下であるSDAを挙げることができる。
本発明において、中空シリカマイクロカプセル、SDA及び水の割合は、極めて重要である。
例えば、SDAとして水酸化テトラアルキルアンモニウムを使用する場合、焼成後の中空シリカマイクロカプセルと構造規定剤(SDA)である水酸化テトラアルキルアンモニウムと水との比率が、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル)1モルに対してSDA(水酸化テトラアルキルアンモニウム)が0.05〜2モル(好ましくは0.07〜0.18モル、より好ましくは0.08〜0.15モル)、且つSDA(水酸化テトラアルキルアンモニウム)1モルに対してH2Oが400〜1300モル(好ましくは500〜1200モル、より好ましくは600〜1100モル)となるような割合で、SDA含有水溶液に該シリカマイクロカプセルを含浸させる。
また、SDAとしてハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを使用する場合、焼成後の中空シリカマイクロカプセルと構造規定剤(SDA)であるハロゲン化テトラアルキルアンモニウムと水との比率が、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル)1モルに対してSDA(ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム)が0.3〜0.75モル(好ましくは0.35〜0.7モル、より好ましくは0.4〜0.5モル)、且つSDA(ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム)1モルに対してH2Oが80〜180モル(好ましくは85〜145モル、より好ましくは90〜140モル)となるような割合で、SDA含有水溶液に該シリカマイクロカプセルを含浸させる。
SDA(水酸化テトラアルキルアンモニウム及びハロゲン化テトラアルキルアンモニウム)の使用量及びSDAの水溶液中の濃度が上記範囲を逸脱すると、中空シリカマイクロカプセルが壊れたり、中空シリカマイクロカプセルの細孔壁のゼオライト化ができなくなったりして、本発明の所望する中空シリカマイクロカプセルを製造できなくなる(後記比較例4〜13参照)。
pH調整剤としては、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム水溶液のpHをアルカリ域側に調整することのできる公知のpH調整剤を広く使用することができる。pH調整剤を用いて、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム水溶液のpHを通常8〜12程度に調整するのが望ましい。
使用できるpH調整剤としては、例えば、有機アミン、無機アルカリ等が挙げられる。
有機アミンは、下記式(1)で表されるアルキルアミンが好ましい。
NRZ3-Z ・・・(1)
[式中、Rは炭素数2〜10のアルキル基を、zは1〜3の整数を示す。]
Rで示される炭素数2〜10のアルキル基は、直鎖状、分枝鎖状及び環状のいずれのアルキル基であってもよい。斯かるアルキル基は、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基又はn−ブチル基が好ましい。
上記式(1)で表されるアルキルアミンの好ましい具体例を示せば、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン等を例示できる。
アルキルアミンは、ゼオライト細孔内に取り込まれないことが好ましい。このことから、炭素数が小さいアルキル基で構成されるトリアルキルアミンが好ましい。また、炭素数が大きく分枝鎖状又は環状のアルキル基で構成されるアルキルアミン場合は、アルキル基の数(z)が1又は2である、モノアルキルアミン又はジアルキルアミンが好ましい。
無機アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
本発明では、焼成後の中空シリカマイクロカプセルにSDAを含有する水溶液を含浸させる際に、移動化剤として加水分解によりF-を遊離し得るフッ素系化合物を該水溶液に存在させてもよい。
加水分解によりF-を遊離し得るフッ素系化合物の具体例は、NaF、KF、LiF、KHF2等のアルカリ金属のフッ化物、AlF3・3H2O等の金属の水溶性フッ化物、HBF4、HF、NH4F、NH4HF2,NH(n−C373F、SiF4、(NH42SiF6、H2SiF6、(NH42TiF6等を例示できる。好ましいフッ素系化合物は、NH4F及びNH4HF2である。
フッ化アンモニウムまたは酸性フッ化アンモニウムが好ましい塩である。これらの塩は溶解性が高く、好ましくない元素を与えず、さらに、それらを使うと後で結晶化物を取り出すのが容易である。このようなフッ素系化合物を使用すると、ゼオライト化処理後の中空シリカマイクロカプセルを容易に単離できるメリットがある。
焼成後の中空シリカマイクロカプセルにSDAを含有する水溶液を含浸させる際の温度は、特に限定されず、室温程度でよい。また、含浸時間は、数秒〜1時間程度であり、攪拌下で含浸処理を行うのが望ましい。
(E)工程
この工程では、SDA含有水溶液を含浸した中空シリカマイクロカプセルを、ゼオライト変成処理(ゼオライト化)する。この処理は、該中空シリカマイクロカプセルをゼオライトの結晶化温度まで加熱し、水熱合成反応を行うことにより行われる。
水熱合成反応は、公知の水熱合成反応の条件を適用して行われる。より具体的に説明すると、ステンレス製の密閉耐圧容器内に、テフロン(登録商標)製内筒を入れ、該内筒の中に、予めSDA含有水溶液を含浸した中空シリカマイクロカプセルを入れる。この容器を、通常90〜210℃程度、好ましくは140〜180℃程度、より好ましくは150℃〜170℃程度に設定したオーブン中に入れ、通常1〜48時間程度、好ましくは2〜24時間程度で水熱合成反応を行えばよい。
内筒は、テフロン(登録商標)製に限定されず、ガラス製、金属製及び他のプラスチックス製であってもよい。
水熱合成反応中は、中空シリカマイクロカプセルが沈降しない程度に反応液を撹拌しておいてもよい。攪拌羽等で液を攪拌したり、密閉容器自体を回転させる方法が一般的に用いられる。攪拌を行うことにより、カプセル同士の凝集を防ぐことができたり、ゼオライトへの変成反応を加速させることができ、その結果、水熱合成反応に要する時間を大幅に短縮することができる。
水熱合成反応終了後、反応液を冷却し、公知の固液分離技術を適用して、反応液から中空シリカマイクロカプセルを分離する。より具体的には、イオン交換水を用いて反応液を洗浄し、濾過等の分離操作により、反応液から中空シリカマイクロカプセルを分離するのがよい。
(F)工程
この工程では、水熱合成反応後の中空シリカマイクロカプセルから構造規定剤を除去する。
構造規定剤の除去方法としては、例えば、次の2つの方法を挙げることができる。
第一の方法は、水熱合成反応後の中空シリカマイクロカプセルを乾燥し、焼成することにより、該カプセルからSDAを除去する方法である。
水熱合成反応後の中空シリカマイクロカプセルを、例えば、80〜150℃程度(好ましくは100〜120℃程度)で3〜12時間程度(好ましくは4〜6時間程度)乾燥し、次いで400℃程度以上(好ましくは550〜700℃程度)の温度で0.5〜12時間程度(好ましくは1〜5時間程度)焼成を行うことにより、該中空シリカマイクロカプセル中のSDAが窒素酸化物、水、炭酸ガス等に分解され、本発明の目的とするゼオライト化中空シリカマイクロカプセルが得られる。
第二の方法は、水熱合成反応後の中空シリカマイクロカプセルを、SDAを溶解し得る溶剤中で還流温度下に加熱し、SDAを溶剤に抽出することにより、該カプセルからSDAを除去する方法である。
使用される溶剤は、SDAの種類により異なるが、例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコール、ジエチルエーテル等のエーテル類、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸等の有機酸、ピリジン等のアミン、水、塩酸等の無機酸水溶液等を挙げることができる。これらの溶剤は、1種単独で又は2種以上混合して使用される。これらの溶剤の中では、塩酸等の無機酸水溶液が好ましい。
SDAを溶剤に抽出した後の中空シリカマイクロカプセルを、濾過等により溶剤から取り出し、公知の手段に従って水洗及び乾燥を行うことにより、本発明の目的とするゼオライト化中空シリカマイクロカプセルを得ることができる。
本発明においては、(F)工程を実施するに当たり、上記第一方法及び第二方法を組み合わせてもよい。
上記でゼオライト化中空シリカマイクロカプセルは、中空シリカマイクロカプセルの形状を保持した状態で、種々の有機化合物を変換する触媒又は触媒担体として使用することが可能な触媒特性を有する。
本発明の中空シリカマイクロカプセルは、ほぼ球形をしており、平均粒径は1〜50μm程度である。粒径分布は比較的広い分布を有しており、通常0.1〜100μm程度である。
本発明の中空シリカマイクロカプセルの粒径サイズは、(A)工程で調製されるW/O型又はO/W/O型乳濁液の乳濁粒子サイズに依存するので、ホモジナイザー等の攪拌機を用いて(A)工程でW/O型又はO/W/O型乳濁液を調製する際に乳濁粒子サイズを調節することにより、所望する粒径サイズの本発明中空シリカマイクロカプセルを製造することができる。
本発明の中空シリカマイクロカプセルは、ゼオライト化された細孔壁を有している。この細孔壁は均一な細孔直径を有している。細孔直径は、通常0.2〜2nm程度、好ましくは0.7〜0.9nm程度である。ゼオライト壁の厚さは、粒径の5〜20%程度であり、例えば粒径が4〜5μmの中空シリカマイクロカプセルでは、ゼオライト壁の厚さは0.2〜1μm程度である。
本発明の中空シリカマイクロカプセルは、ゼオライト化された細孔壁を有している。該細孔壁は、均一な細孔直径を有している。そのため、内包物質を外部に放出する際の放出速度を容易に制御することができるので、本発明の中空シリカマイクロカプセルの使用により医薬品、農薬等に優れた効果持続性を付与することができる。
また、本発明中空シリカマイクロカプセルは、内包される物質を外部に放出する機能以外に、今日までに使用されている分野(機械部材、化粧品、医薬品、触媒、吸着・分離、繊維関係、特殊印刷関係、フィルム、家電品の液晶画面等の電子記録・表示材料等)での機能向上、今後成長が期待される分野(ナノ粒子制御、ナノテク、超微細化、DDS、GDS、マイクロリアクタ等)での応用も期待できる。
具体的な用途を示せば、本発明中空シリカマイクロカプセルは、ベックマン接触転移等のオキシムのアミドへの接触転位反応(シクロヘキサノン−オキシムのε−カプロラクタムへの転化)の触媒として好適に使用され得る。
以下に実施例を掲げて、本発明をより一層明らかにする。
以下において、X線回折は、理学製の RINT2500 を用い、CuKα線を照射して行った。細孔分布及び比表面積は、日本ベル株式会社製の BELSORP-mini を用い、窒素により測定した。細孔分布は、DH法により算出した。比表面積はBET法により算出した。
低温でのN2吸脱着等温線は、日本ベル株式会社製の BELSORP-miniの標準的な方法に従って測定した。
実施例1
A工程
珪酸ナトリウム水溶液(水ガラス3号)(二酸化珪素として4モル/l)36mlに、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート(Tween80、Rohm & Hass Co. 製)1.0g、ソルビタンモノオレート(Span80、Rohm & Hass Co. 製)0.5g及びn−ヘキサン72mlの混合物を、ホモジナイザー(DIAX900、Heidolph製)を使用して16000rpmで高速撹拌することにより、W/O型乳濁液を調製した。
B工程
A工程で得られたW/O型乳濁液を、2.0モル/lの塩化アンモニウム水溶液0.25リットルに加え、3時間撹拌を行うと、沈殿物が生成した。
この沈殿物は、シリカ壁を有する中空のマイクロカプセルであった。
C工程
B工程で得られた沈殿物を濾過し、水洗した後、120℃で12時間乾燥し、次いで700℃で12時間焼成を行った。
焼成後のマイクロカプセルのSEM写真(×3000倍)を図1に示す。また、該マイクロカプセルのX線回折パターンを図2に示す。このマイクロカプセルのBET比表面積は、315m2/gであった。
D工程
テフロン(登録商標)製容器に、C工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液2g及びイオン交換水52.71gを入れ、この混合物を30分間撹拌した。これは、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル):水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム:H2O=1:0.118:90(組成はモル比)に相当する。
E及びF工程
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、170℃で24時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、シリカの壁材がMFI化された中空のマイクロカプセルを得た。
このマイクロカプセルのSEM写真(×3000倍)を図3に示す。該カプセルのX線回折パターンを図4に示す。X線回折の結果、MFI型ゼオライトであり、シリカライト−1に起因するピークのみを示した。また、SEM観察の結果、中空シリカマイクロカプセルの形状を保持していることがわかる。
これらの結果から、シリカ壁がMFI化している中空シリカマイクロカプセルであることが判明した。
実施例2
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液2g及びイオン交換水76.8gを入れ、この混合物を30分間撹拌した。これは、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.118:130(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、150℃で30時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例3
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液2g及びイオン交換水82.8gを入れ、この混合物を30分間撹拌した。これは、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.118:140(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、150℃で35時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例4
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして50%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液1.08g及びイオン交換水53.4gを入れ、この混合物を30分間撹拌した。これは、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.08:90(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、190℃で24時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例5
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして10%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液8。0g及びイオン交換水64.8gを入れ、この混合物を30分間撹拌した。これは、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.118:120(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、140℃で36時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例6
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして10%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液8g及びイオン交換水82.8gを入れ、この混合物を30分間撹拌した。これは、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.118:150(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、160℃で48時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例7
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液2g及びイオン交換水34.8gを入れ、この混合物を30分間撹拌した。これは、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.118:60(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、130℃で24時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例8
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液1.44g及びイオン交換水53.1gを入れ、この混合物を30分間撹拌した。これは、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.118:90(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、170℃で24時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例9
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液1.44g及びイオン交換水77.1gを入れ、この混合物を30分間撹拌した。これは、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.118:130(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、150℃で30時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例10
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム水溶液2.54g及びイオン交換水52.4gを入れ、この混合物を30分間撹拌した。これは、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.118:90(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、170℃で24時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例11
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム水溶液2.54g及びイオン交換水76.4gを入れ、この混合物を30分間撹拌した。これは、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.118:130(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、150℃で30時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例12
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして20%含有臭化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液22.2g、イオン交換水12.22g及びトリエチルアミン1.68gを入れ、この混合物を30分間撹拌した。これは、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.5:50(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、170℃で24時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例13
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして20%含有塩化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液14.8g、イオン交換水18.17g及びトリエチルアミン0.67gを入れ、この混合物を30分間撹拌した。これは、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.4:50(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、150℃で30時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例14
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして20%含有塩化メチルトリエチルアンモニウム水溶液12.6g、イオン交換水34.9g及び水酸化ナトリウム0.67gを入れ、この混合物を30分間攪拌した。これはシリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.5:75(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、155℃で36時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例15
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして20%含有塩化メチルトリエチルアンモニウム水溶液10.09g、イオン交換水21.9g及び水酸化ナトリウム0.67gを入れ、この混合物を30分間攪拌した。これはシリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.4:50(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、155℃で28時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例16
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして20%含有塩化メチルトリエチルアンモニウム水溶液12.6g、イオン交換水19.9g及び水酸化ナトリウム0.67gを入れ、この混合物を30分間攪拌した。これはシリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.5:50(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、155℃で24時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例17
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして20%含有臭化メチルトリエチルアンモニウム水溶液16.3g、イオン交換水28.9g及び水酸化ナトリウム0.67gを入れ、この混合物を30分間攪拌した。これはシリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.5:70(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、155℃で36時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例18
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして20%含有臭化メチルトリエチルアンモニウム水溶液16.3g、イオン交換水17.0g及び水酸化ナトリウム0.67gを入れ、この混合物を30分間攪拌した。これはシリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.5:50(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、155℃で24時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例19
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして20%含有臭化メチルトリエチルアンモニウム水溶液16.3g、イオン交換水17.0g及び水酸化ナトリウム0.67gを入れ、この混合物を30分間攪拌した。これはシリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.5:50(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、アンカー型攪拌機(回転数200rpm)により攪拌しながら155℃で3時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例20
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして20%含有塩化メチルトリエチルアンモニウム水溶液12.6g、イオン交換水19.9g及び水酸化ナトリウム0.67gを入れ、この混合物を30分間攪拌した。これはシリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.5:50(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、アンカー型攪拌機(回転数200rpm)により攪拌しながら155℃で3時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例21
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして20%含有塩化メチルトリエチルアンモニウム水溶液12.6g、イオン交換水19.9g及び水酸化ナトリウム0.67gを入れ、この混合物を30分間攪拌した。これはシリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.5:50(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、155℃で24時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、1M塩酸エタノール溶液で18時間加熱還流を行い、SDAを抽出した。同一条件で3回加熱還流を行い、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例22
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液2g及びイオン交換水52.71gを入れ、この混合物を30分間撹拌した。これは、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.118:90(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、アンカー型攪拌機(回転数200rpm)により攪拌しながら170℃で4.5時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例23
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液2g及びイオン交換水34.8gを入れ、この混合物を30分間撹拌した。これは、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.118:60(モル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、アンカー型攪拌機(回転数200rpm)により攪拌しながら170℃で2時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例24
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液2g及びイオン交換水28.8gを入れ、この混合物を30分間撹拌した。これは、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.118:50(モル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、アンカー型攪拌機(回転数200rpm)により攪拌しながら170℃で2時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例25
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液2g及びイオン交換水40.78gを入れ、この混合物を30分間撹拌した。これは、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.118:70(モル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、該容器を回転式乾燥機(300rpm)に入れ攪拌しながら170℃で3時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、1M塩酸エタノール溶液で18時間加熱還流を行い、SDAを抽出した。同じ条件で加熱還流を3回行い、SDAを完全に抽出し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例26
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液1.69g及びイオン交換水23.0gを入れ、この混合物を30分間撹拌した。これは、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.1:40(モル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、アンカー型攪拌機(回転数200rpm)により攪拌しながら170℃で1.5時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例27
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして20%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液4g及びイオン交換水50.77gを入れ、この混合物を30分間撹拌した。これは、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.118:90(モル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、アンカー型攪拌機(回転数200rpm)により攪拌しながら190℃で3時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例28
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして20%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液4g及びイオン交換水56.8gを入れ、この混合物を30分間撹拌した。これは、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.118:100(モル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、アンカー型攪拌機(回転数200rpm)により攪拌しながら200℃で3時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去し、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
実施例29
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして20%含有塩化メチルトリエチルアンモニウム水溶液12.6g、イオン交換水44.0g及び水酸化ナトリウム0.67gを入れ、この混合物を30分間攪拌した。これはシリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.5:90(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、150℃で47時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、1M塩酸エタノール溶液で18時間加熱還流を行い、SDAを抽出した。同一条件で3回加熱還流を行い、マイクロカプセルを得た。
SEM観察及びX線回折の結果、得られたマイクロカプセルは、シリカの壁材がMFI化タイプのシリカライト−1である中空のマイクロカプセルであることが判明した。
比較例1
実施例1の(B)工程で作製した中空シリカマイクロカプセルをメタノールで洗浄して、(A)工程で使用した界面活性剤を除去し、次いで水洗した後、120℃で12時間乾燥し、次いで700℃で12時間焼成を行った。テフロン(登録商標)製容器に、この焼成したマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液2.0g及びイオン交換水52.71gを入れ、この混合物を30分間攪拌した。これは、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.118:90(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、170℃で24時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去した。SEM観察及びX線回折の結果、MFI化はしていたが、シリカマイクロカプセルは壊れており、中空シリカマイクロカプセルとしての形状を保持できていないことが判明した。
比較例2
実施例1の(B)工程で作製した中空シリカマイクロカプセルをアルコール洗浄を行わずに、水洗を行い、200℃で12時間焼成を行った。テフロン(登録商標)製容器に、この焼成したマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液2.0g及びイオン交換水52.71gを入れ、この混合物を30分間攪拌した。これは、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.118:90(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、170℃で24時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去した。SEM観察及びX線回折の結果、MFI化はしていたが、シリカマイクロカプセルは壊れており、中空シリカマイクロカプセルとしての形状を保持できていないことが判明した。
比較例3
実施例1の(B)工程で作製した中空シリカマイクロカプセルをアルコール洗浄を行わずに、水洗を行い、1100℃で12時間焼成を行った。焼成後の中空シリカマイクロカプセルはクリストバライトの結晶相が析出していた。テフロン(登録商標)製容器に、この焼成したマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液2.0g及びイオン交換水52.71gを入れ、この混合物を30分間攪拌した。これは、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.118:90(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、170℃で24時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成した。SEM観察及びX線回折の結果、中空シリカマイクロカプセルの形状は保持していたが、MFI化していないことが判明した。
比較例4
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液0.51g、イオン交換水77.7gを入れ、この混合物を30分間攪拌した。これはシリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.03:130(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、155℃で24時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、1M塩酸エタノール溶液で18時間加熱還流を行い、SDAを抽出した。同一条件で3回加熱還流を行った。SEM観察及びX線回折の結果、中空シリカマイクロカプセルの形状は保持していたが、MFI化していないことが判明した。
比較例5
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液0.85g、イオン交換水113.4gを入れ、この混合物を30分間攪拌した。これはシリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.05:190(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、170℃で24時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、1M塩酸エタノール溶液で18時間加熱還流を行い、SDAを抽出した。同一条件で3回加熱還流を行った。SEM観察及びX線回折の結果、中空シリカマイクロカプセルの形状は保持していたが、MFI化していないことが判明した。
比較例6
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液4.1g、イオン交換水15.6gを入れ、この混合物を30分間攪拌した。これはシリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.24:30(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、170℃で24時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、1M塩酸エタノール溶液で18時間加熱還流を行い、SDAを抽出した。同一条件で3回加熱還流を行った。SEM観察及びX線回折の結果、MFI化はしていたが、シリカマイクロカプセルは壊れており、中空シリカマイクロカプセルとしての形状を保持できていないことが判明した。
比較例7
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液4.1g、イオン交換水69.5gを入れ、この混合物を30分間攪拌した。これはシリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.24:120(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、155℃で24時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、1M塩酸エタノール溶液で18時間加熱還流を行い、SDAを抽出した。同一条件で3回加熱還流を行った。SEM観察及びX線回折の結果、MFI化はしていたが、シリカマイクロカプセルは壊れており、中空シリカマイクロカプセルとしての形状を保持できていないことが判明した。
比較例8
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液0.85g、イオン交換水113.4gを入れ、この混合物を30分間攪拌した。これはシリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.05:190(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、アンカー型攪拌機(回転数200rpm)により攪拌しながら170℃で2時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去した。SEM観察及びX線回折の結果、中空シリカマイクロカプセルの形状は保持していたが、MFI化していないことが判明した。
比較例9
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液1.7g、イオン交換水95.0gを入れ、この混合物を30分間攪拌した。これはシリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.25:160(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、アンカー型攪拌機(回転数200rpm)により攪拌しながら170℃で2時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、550℃で1時間焼成することにより、SDAを除去した。SEM観察及びX線回折の結果、MFI化はしていたが、シリカマイクロカプセルは壊れており、中空シリカマイクロカプセルとしての形状を保持できていないことが判明した。
比較例10
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液2.03g、イオン交換水5.98gを入れ、この混合物を30分間攪拌した。これはシリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.12:12(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、170℃で24時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、1M塩酸エタノール溶液で18時間加熱還流を行い、SDAを抽出した。同一条件で3回加熱還流を行った。SEM観察及びX線回折の結果、MFI化はしていたが、シリカマイクロカプセルは壊れており、中空シリカマイクロカプセルとしての形状を保持できていないことが判明した。
比較例11
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして40%含有水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液1.22g、イオン交換水101.2gを入れ、この混合物を30分間攪拌した。これはシリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.25:170(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、170℃で24時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。更にこの乾燥物を、1M塩酸エタノール溶液で18時間加熱還流を行い、SDAを抽出した。同一条件で3回加熱還流を行った。SEM観察及びX線回折の結果、MFI化はしていたが、シリカマイクロカプセルは壊れており、中空シリカマイクロカプセルとしての形状を保持できていないことが判明した。
比較例12
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして20%含有臭化メチルトリエチルアンモニウム水溶液6.52g、イオン交換水24.8g及び水酸化ナトリウム0.67gを入れ、この混合物を30分間攪拌した。これはシリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.2:50(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、155℃で24時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。SEM観察及びX線回折の結果、中空シリカマイクロカプセルの形状は保持していたが、MFI化に相当するピークは検出されず、シリカの壁材はMFI化されていないことが判明した。
比較例13
テフロン(登録商標)製容器に、実施例1のC工程で作製した焼成後のマイクロカプセル2g、SDAとして20%含有臭化メチルトリエチルアンモニウム水溶液16.32g、イオン交換水4.9g及び水酸化ナトリウム0.67gを入れ、この混合物を30分間攪拌した。これはシリカ源(中空シリカマイクロカプセル):SDA:H2O=1:0.5:30(組成はモル比)に相当する。
容器に蓋をし、ステンレス製密閉容器に入れた後、155℃で24時間水熱合成反応させた。反応液を冷却し、反応生成物を濾過により取り出し、水洗した後、120℃で12時間乾燥した。SEM観察及びX線回折の結果、MFI化はしていたが、シリカマイクロカプセルは壊れており、中空シリカマイクロカプセルとしての形状を保持できていないことが判明した。
図1は、実施例1のC工程で得られるゼオライト変成前のマイクロカプセルのSEM写真である。 図2は、実施例1のC工程で得られるマイクロカプセルのX線回折パターンである。 図3は、実施例1のE及びF工程で得られるマイクロカプセルのSEM写真である。 図4は、実施例1のE及びF工程で得られるマイクロカプセルのX線回折パターンである。

Claims (6)

  1. 細孔壁を有し、細孔壁を形成する壁材がゼオライト構造である中空シリカマイクロカプセルの製造方法であって、
    (A)アルカリ金属の珪酸塩の少なくとも1種を含む水溶液に、有機溶剤及び界面活性剤を混合してW/O型乳濁液を得る工程、
    (B)得られる乳濁液に、無機酸、有機酸、無機酸のアンモニウム塩、有機酸のアンモニウム塩及びアルカリ金属の炭酸塩からなる群から選ばれた少なくとも1種であって且つ上記アルカリ金属珪酸塩との水溶液反応によって水不溶性の沈殿を形成し得る化合物の水溶液を混合して、中空シリカマイクロカプセルを形成する工程、
    (C)界面活性剤を除去するためのアルコール洗浄を行うことなく、中空シリカマイクロカプセルを水洗し、乾燥した後、300〜1000℃程度で焼成する工程、
    (D)焼成後の中空シリカマイクロカプセルと構造規定剤(SDA)である水酸化テトラアルキルアンモニウムと水との比率が、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル)1モルに対してSDA(水酸化テトラアルキルアンモニウム)が0.05〜0.2モル、且つSDA(水酸化テトラアルキルアンモニウム)1モルに対してHOが400〜1300モルとなるような割合で、該シリカマイクロカプセルに構造規定剤を含有する水溶液を含浸させる工程、
    (E)構造規定剤含有水溶液を含浸した中空シリカマイクロカプセルを、ゼオライトの結晶化温度まで加熱し、水熱合成反応を行う工程、及び
    (F)水熱合成反応後の中空シリカマイクロカプセルから構造規定剤を除去する工程
    を含む、中空シリカマイクロカプセルの製造方法。
  2. 水熱合成反応後の中空シリカマイクロカプセルを乾燥し、焼成することにより、該カプセルから構造規定剤を除去する請求項に記載の製造方法。
  3. 水熱合成反応後の中空シリカマイクロカプセルを、構造規定剤を溶解し得る溶剤中で還流温度下に加熱し、構造規定剤を溶剤に抽出することにより、該カプセルから構造規定剤を除去する請求項に記載の製造方法。
  4. 細孔壁を有し、細孔壁を形成する壁材がゼオライト結晶構造である中空シリカマイクロカプセルの製造方法であって、
    (A)アルカリ金属の珪酸塩の少なくとも1種を含む水溶液に、有機溶剤及び界面活性剤を混合してW/O型乳濁液を得る工程、
    (B)得られる乳濁液に、無機酸、有機酸、無機酸のアンモニウム塩、有機酸のアンモニウム塩及びアルカリ金属の炭酸塩からなる群から選ばれた少なくとも1種であって且つ上記アルカリ金属珪酸塩との水溶液反応によって水不溶性の沈殿を形成し得る化合物の水溶液を混合して、中空シリカマイクロカプセルを形成する工程、
    (C)界面活性剤を除去するためのアルコール洗浄を行うことなく、中空シリカマイクロカプセルを水洗し、乾燥した後、300〜1000℃程度で焼成する工程、
    (D)焼成後の中空シリカマイクロカプセルと構造規定剤(SDA)であるハロゲン化テトラアルキルアンモニウムと水との比率が、シリカ源(中空シリカマイクロカプセル)1モルに対してSDA(ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム)が0.3〜0.75モル、且つSDA(ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム)1モルに対してHOが80〜180モルとなるような割合で、該シリカマイクロカプセルに構造規定剤を含有する水溶液を含浸させる工程、
    (E)構造規定剤含有水溶液を含浸した中空シリカマイクロカプセルを、ゼオライトの結晶化温度まで加熱し、水熱合成反応を行う工程、及び
    (F)水熱合成反応後の中空シリカマイクロカプセルから構造規定剤を除去する工程
    を含む、中空シリカマイクロカプセルの製造方法。
  5. 水熱合成反応後の中空シリカマイクロカプセルを乾燥し、焼成することにより、該カプセルから構造規定剤を除去する請求項に記載の製造方法。
  6. 水熱合成反応後の中空シリカマイクロカプセルを、構造規定剤を溶解し得る溶剤中で還流温度下に加熱し、構造規定剤を溶剤に抽出することにより、該カプセルから構造規定剤を除去する請求項に記載の製造方法。
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