JP5131477B2 - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの排気浄化装置に係り、詳しくは、EGR装置を備えたエンジンの排気浄化触媒の再生技術に関する。
エンジンには、排気中に含まれるNOx(窒素酸化物)を捕集、除去するため、排気浄化装置として排気通路にNOx吸蔵触媒を備えるものが増加してきている。NOx吸蔵触媒は、リーン空燃比下においてNOxを吸蔵し、リッチ空燃比下において吸蔵したNOxが還元除去される。また、NOx吸蔵触媒は、リーン空燃比下においてSOx(硫黄酸化物)を吸蔵する機能も有している。NOx吸蔵触媒に吸蔵されたSOxは、リッチ空燃比下においてNOxの還元除去より高温状態にしなければNOx吸蔵触媒から還元除去されない。
上記NOx等が還元除去されるように排気空燃比を制御する方法としては、例えばエンジン運転時における燃料の主噴射の後に筒内に燃料を噴射する筒内ポスト噴射が知られている。更に、NOx吸蔵触媒からSOxを還元除去するために、NOx吸蔵触媒の排気上流に酸化触媒を備え、酸化触媒に燃料を供給して酸化反応させ、排気を昇温させる技術も知られている。
また、エンジンには、NOxの排出を抑制するために、EGR装置が広く採用されている。このようにEGR装置を備えたエンジンにおいて、上記筒内ポスト噴射を実行しようとすると、EGR通路に未燃燃料が流入してしまう虞がある。そこで、筒内ポスト噴射によるNOx吸蔵触媒の再生時にはEGR弁を閉作動させて、未燃燃料のEGR通路への流入を防止する技術も開発されている(特許文献1)。
特開2005−299480号公報
しかしながら、上記特許文献1のように、筒内ポスト噴射時にEGR弁を閉動作させてしまうと、再生時間中にEGR(排気の還流)が行われず、エンジンからのNOx排出量が増大する虞がある。
一方、排気空燃比の制御方法としては、上記筒内ポスト噴射の他に、排気通路に設けられた燃料噴射弁(排気通路燃料添加弁)から燃料を排気通路内に添加する技術も開発されている。しかしながら、このような排気通路燃料添加弁による燃料添加では、特に排気流量の少ない低回転時や排気温度の低い低負荷時において、燃料が排気に一様に混合し難いので、酸化触媒における異常燃焼が発生し酸化触媒が劣化したり、また酸化効率が低下して排気の十分な昇温が困難となり、NOx吸蔵触媒の再生効率、特にSOxの還元除去効率が低下する虞がある。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、排気空燃比を適切に制御して、排気浄化触媒の再生効率を確保しつつ、再生時における排気性能を向上させるエンジンの排気浄化装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、エンジンの排気通路から排気の一部を導入し吸気通路に還流するEGR手段と、エンジンの排気通路に設けられ、排気中の有害成分を吸蔵する排気浄化触媒と、排気浄化触媒に流入する排気の空燃比をリッチ化して、排気浄化触媒に吸蔵された有害成分を還元除去し、排気浄化触媒を再生する再生手段と、を備えたエンジンの排気浄化装置であって、再生手段は、エンジンの主噴射の後に筒内へ燃料を噴射する筒内ポスト噴射手段と、EGR手段の排気導入部より下流側かつ排気浄化触媒より上流側の排気通路内に燃料を添加する排気通路燃料添加手段と、を備えるとともに、エンジンの運転状態に基づいて筒内ポスト噴射手段及び排気通路燃料添加手段のいずれか一方または両方を選択し使用して排気浄化触媒に流入する排気の空燃比をリッチ化し、筒内ポスト噴射手段を使用した再生時には、排気通路に未燃燃料が排出される時期に合わせて排気の還流が規制されるようにEGR手段を制御するとともに、未燃燃料が排出されない時期には排気の還流が実施されるようにEGR手段を制御して、間欠的に排気を還流させることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1において、再生手段は、エンジンの回転速度と、ドライバが要求する負荷とに基づいて、筒内ポスト噴射手段または排気管燃料添加手段のいずれか一方または両方を選択し使用して排気浄化触媒に流入する排気の空燃比をリッチ化することを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または2において、吸気通路に設けられ、吸気流量を調節するスロットルバルブと、吸気通路に介装されたコンプレッサと排気通路に介装されたタービンとを含んで構成され、ベーン駆動アクチュエータによりベーン開度を調節可能なターボチャージャとを更に備え、再生手段は、EGR手段による排気の還流の実施時に、ベーン開度を高にして過給圧を上昇させるとともにスロットルバルブの開度を小さくして吸気量を抑制することを特徴とする。
本発明の請求項1のエンジンの排気浄化装置によれば、排気浄化触媒の再生時に排気空燃比を制御する際に、エンジンの運転状態に基づいて筒内ポスト噴射手段及び排気通路燃料添加手段を選択するので、エンジンの運転状態に適した排気空燃比の制御が可能となり、筒内ポスト噴射手段による再生時には、EGR手段により排気が間欠的に還流し、還流が規制される時期に合わせて筒内ポスト噴射手段による燃料噴射が行われるので、未燃燃料が吸気通路へ流入することなく、排気の還流が可能となる。したがって、筒内ポスト噴射手段による再生時においても、排気の還流が可能となり、排気性能をより向上させることができる。
本発明の請求項2のエンジンの排気浄化装置によれば、エンジンの回転速度と、ドライバが要求する負荷とに基づく選択により、エンジンの排気流量及び排気温度に基づいて、筒内ポスト噴射手段または排気管燃料添加手段のいずれか一方または両方を適切に選択することができる。
本発明の請求項3のエンジンの排気浄化装置によれば、EGR手段による排気の還流の実施時に、ターボチャージャのベーン開度を高にして過給圧を上昇させるとともにスロットルバルブの開度を小さくして吸気量を抑制するので、排気温度を上昇させ、再生効率を向上させることができる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の排気浄化装置が適用されたエンジン1の給排気系の概略構成図である。
エンジン1はターボチャージャ2を備えたコモンレール式ディーゼルエンジンである。
エンジン1のシリンダヘッド3には、各気筒毎にグロープラグ4及び筒内燃料噴射弁5が設けられている。筒内燃料噴射弁5は、コモンレール6から供給された高圧化した燃料を筒内に噴射する機能を有する。コモンレール6には、図示しない燃料タンクから燃料が高圧ポンプ7により高圧化されて供給される。
ターボチャージャ2は、エンジン1の吸気通路である吸気管10に介装されたコンプレッサ11と、排気通路である排気管12に介装されたタービン13と、を含んで構成されており、エンジン1の排気によって駆動されたタービン13の回転力を利用して、コンプレッサ11を駆動して吸気を圧縮することで、吸気流量を増加させて、エンジン1の出力を向上させる機能を有している。本実施形態のターボチャージャ2は、ベーン駆動アクチュエータ14によりベーン開度を調節可能な構造である、所謂可変容量ターボチャージャである。
吸気管10には、コンプレッサ11の上流側にエアクリーナ15が設けられるとともに、コンプレッサ11から下流側に向かって順番に、インタークーラ16、吸気流量を調節するスロットルバルブ17が介装されている。
排気管12には、タービン13から下流側に向かって順番に、酸化触媒20、NOx吸蔵触媒21(排気浄化触媒)、DPF22が介装されている。酸化触媒20は、通路を形成する多孔質の壁にプラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の触媒貴金属を担持して形成されており、排気中のCO及びHCを酸化させてCO及びHOに変換させるとともに、排気中のNOを酸化させてNOを生成する機能を有する。
NOx吸蔵触媒21は、例えば、白金(Pt),パラジウム(Pd)等の貴金属を含んだ担体に、バリウム(Ba),カリウム(K)等のNOx吸蔵剤を担持させて構成されており、リーン空燃比雰囲気(酸化雰囲気)下でNOxを捕捉する一方、リッチ空燃比雰囲気(還元雰囲気)下で、捕捉しているNOxを放出し、排気中のHC、COと反応させて還元する機能を有している。
DPF22は、例えば、ハニカム担体の通路の上流側及び下流側を交互にプラグで閉鎖して、排気中のPMを捕集する機能を有しており、更に、通路を形成する多孔質の壁にプラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の触媒貴金属を担持して形成されている。なお、本実施形態ではDPF22を用いているが、DPF22を用いないシステムでも良い。
酸化触媒20の上流側には、排気管燃料添加弁23が設置されている。排気管燃料添加弁23には、図示しない燃料タンクから、エンジン1によって駆動される燃料ポンプによって燃料が供給される。排気管燃料添加弁23は、供給された燃料を排気管12内に噴射する機能を有している。
また、エンジン1には、EGR装置(EGR手段)が備えられている。EGR装置は、タービン13の上流側の排気管12とスロットルバルブ17の下流側の吸気管10とを連通するEGR通路30と、該EGR通路30を開閉するEGR弁31と、EGR通路30に介装されたEGRクーラ32とを含んで構成されている。EGR装置は、EGR弁31を開作動させることで、排気の一部を吸気に還流させ、エンジン1の燃焼温度を低下させてNOxの排出を抑制する機能を有する。
ECU40は、エンジン1の運転制御をはじめとして総合的な制御を行うための制御装置であり、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)等を含んで構成されている。
ECU20の入力側には、クランク角を検出するクランク角センサ41や図示しないエアフローセンサ、アクセルポジションセンサ等が接続されており、これらセンサ類からの検出情報が入力される。
一方、ECU40の出力側には、上述した筒内燃料噴射弁5、EGR弁31及びベーン駆動アクチュエータ14、スロットルバルブ17等の各種出力デバイスが接続されている。ECU40は、各種センサ類からの検出情報に基づいて筒内への燃料噴射量、燃料噴射時期、EGR量、ベーン開度、吸気量等を演算し、各種出力デバイスにそれぞれ出力することで、適正なタイミングで筒内燃料噴射弁5等を制御する。
以上のようにDPF22の上流に酸化触媒20を配置することにより、リッチ空燃比雰囲気下では、酸化触媒20からNOが排出され、NOx吸蔵触媒21を通過してDPF22に流入し、DPF22に捕集され堆積しているPM中の炭素成分であるすすと反応してこれを酸化させる。酸化したすすはCOとなり、DPF22から除去され、DPF22が連続的に再生される(連続再生)。
上記の連続再生では、エンジン1の運転状況により十分にDPF22の再生が行われない場合がある。そこで、ECU40は、DPF22でのPMの堆積量を推定し、この推定量が許容量以上となったときに、強制再生を実施させる。強制再生は、酸化触媒に燃料を供給して酸化反応させ、排気温度を上昇させることで、DPF22に堆積したPMを燃焼除去し、DPF22を再生させるものである。強制再生の開始判定は、例えば筒内20への燃料噴射量とエンジン1の運転時間を積算して推定したり、DPF22の上流側と下流側とで排気管12内の差圧を検出し、差圧と排気流量との積算値に基づいて判定すればよい。
また、エンジン1には、NOx吸蔵触媒21に吸蔵されたNOxを排出させるNOxパージ機能が備えられている。NOxパージは、ECU40により、上述する各種センサ類からの検出情報、即ちエンジン1の運転状態に基づいて、上記のようにNOx吸蔵触媒21に流入する排気の空燃比をリッチ化させることで実行される。また、NOx吸蔵触媒21には、燃料中の硫黄成分の酸化によるSOxも硫酸塩として堆積されるので、この堆積した硫黄成分をNOx吸蔵触媒21から除去するために、エンジン1にはSパージ機能も備えられている。このSパージは、上記NOxパージと同様にNOx吸蔵触媒21に流入する排気の空燃比をリッチ化させるとともに、更に、NOx吸蔵触媒21を高温状態にすることで実行される。NOxパージ及びSパージの開始判定は、例えば筒内への燃料噴射量とエンジン1の運転時間を積算して推定すればよい。
上記強制再生,NOxパージ及びSパージといった各種再生時において、本実施形態では、排気に燃料を添加する方法として、筒内ポスト噴射及び排気管燃料添加の2つの方式の再生が可能となっている。
筒内ポスト噴射による再生は、ECU40が筒内燃料噴射弁5を制御して、主噴射の後にエンジン1の運転に寄与しないタイミングで燃料を噴射させることで、排気管12に未燃燃料を排出させる(筒内ポスト噴射手段)。
排気管燃料添加による再生は、ECU40が排気管燃料添加弁23を制御して、排気管12内に直接燃料を噴射させる(排気通路燃料添加手段)。
図2は、Sパージ時における再生方式の選択に用いられるマップである。
ECU40は、Sパージ時において、クランク角センサ41から入力したクランク角の推移に基づいて計測したエンジン1の回転速度と、アクセルポジションセンサから演算されるドライバが要求する負荷(トルク)とに基づいて、筒内ポスト噴射または排気管燃料添加を選択する。例えば、図2に示すように、低回転あるいは低負荷時では筒内ポスト噴射が選択され、高回転高負荷時では、筒内ポスト噴射が選択されずに排気管燃料添加のみが選択される。なお、低回転あるいは低負荷時や、排気空燃比をリッチ化するには排気管燃料添加弁の流量が不足する虞のある高排気流量時などでは、筒内ポスト噴射と排気管燃料添加とを併用してもよい。
また、ECU40は、筒内ポスト噴射を選択した際に、EGR弁31を間欠的に開閉作動させて排気を間欠的に導入する(間欠EGR導入)。一方、排気管燃料添加のみを選択した際に、EGR弁31を開作動させて排気を常時導入する(常時EGR導入)。
図3は、間欠EGR導入時の各種アクチュエータ作動量及び排気温度の推移を示すタイムチャートである。
筒内ポスト噴射時には、図3に示すように、エンジン1の運転に伴って未燃燃料が間欠的に排気に添加される。ECU40は、筒内ポスト噴射時に間欠EGRを導入する際に、排気管12に未燃燃料が排出される時期に合わせてEGR弁31を閉弁させる一方、未燃燃料が排出されない時期にはEGR弁31を開弁するように制御する。更に、EGR弁31の開弁時には、ベーン開度を高にして過給圧を上昇させるとともに、スロットルバルブ17の開度を小さくして吸気量を抑制し、排気温度の低下を抑制する。
次に、EGR弁31を作動制御と昇温制御について説明する。
図4に示すように、ステップS10では、NOx吸蔵触媒21のSパージ要求条件とSパージ実施条件とが成立しているか否かを判断する。Sパージ要求条件は、エンジン1の運転時間や運転状況または運転距離等によりS被毒の度合いを推定し、この推定値が許容量以上であるか否かを条件としている。また、Sパージ実施条件は、水温,排気温,車速,負荷等が所定値以上のとき、すなわち現状の運転状態がSパージ可能な状態になるか否かを条件としている。
ステップS10でNOx吸蔵触媒21のSパージ要求と実施の条件が成立したときステップS11に移行し、NOx吸蔵触媒21のSパージのための排気の昇温制御が開始される。ここではまず、筒内ポスト噴射や排気管燃料添加を行う前に、筒内燃料噴射弁5による多段噴射や吸気絞りによる昇温制御が行われる。ステップS12では、図2に示したマップを用いて、現在の運転領域が筒内ポスト噴射を使用する領域かを判定し、ステップS13で筒内ポスト噴射を使用する領域である場合にはステップS14に進む。ここで未燃燃料の添加は図3に示すように間欠的に行われるので、ステップS14で実際に筒内ポスト噴射を行うタイミングか否かを判断する。ステップS14で実際に筒内ポスト噴射を行うタイミングであると判断されたら、ステップS15に移行しEGR弁31を閉作動させ、排気の吸気管への還流を規制する。その後ステップS16にて筒内ポスト噴射、または筒内ポスト噴射と排気管燃料添加を併用して昇温を開始し、ステップS17のSパージが完了したか否かを判定し、完了したらフローを終了し、完了しなければステップS12にリターンする。
ステップS14で筒内ポスト噴射を行うタイミングでないと判断されたら、EGR通路に未燃燃料が流入する虞が低いため、ステップS18に移行しEGR弁31の開作動を許可する。その後ステップS19にて排気温度やPM燃焼のための酸素量を考慮してEGR弁31の開度,ターボチャージャ2の過給能力,スロットルバルブ17を調整してステップS17に移行し、ステップS17のSパージが完了したか否かを判定し、完了したらフローを終了し、完了しなければステップS12にリターンする。このように実際の筒内ポスト噴射に応じてEGR弁31の開閉を行うことができる。
ステップS13にて筒内ポスト噴射を使用しない領域である場合にはステップS20に進みEGR弁31の開作動が許可される。この場合、筒内ポスト噴射が行われないので、EGR通路に未燃燃料が流入しがたくなるため、排気の吸気管への還流を規制する必要がなく排気性能が向上する。その後ステップS21にて排気温度やPM燃焼のための酸素量を考慮してEGR弁31の開度,ターボチャージャ2の過給能力,スロットルバルブ17を調整した上で、ステップS22で排気管燃料添加による昇温を開始し、ステップS17のSパージが完了したか否かを判定し、完了したらフローを終了し、完了しなければステップS12にリターンする。
以上のように、本実施形態では、NOx吸蔵触媒21を再生する際に、低回転または低負荷時には筒内ポスト噴射が採用される一方、高回転高負荷時では排気管燃料添加のみ採用される。筒内ポスト噴射は排気管燃料添加と比較して排気と燃料との混合性が良いので、上記のように低回転または低負荷時に筒内ポスト噴射が採用されることで、酸化触媒20での異常燃焼を抑制できるとともに酸化機能が向上し、酸化触媒劣化の抑制と排気温度の上昇が促進され、NOx吸蔵触媒21の再生効率を向上させることができる。一方、高回転高負荷時には、排気流量が多くかつ排気温度も高い状況であるので、排気管燃料添加を採用しても、十分に排気と燃料とが混合し、酸化触媒20での酸化性能が確保される。排気管燃料添加弁23は、EGR通路の排気導入部より下流側に配置されているので、排気管燃料添加弁23からの燃料噴射時に、EGR弁31を開弁させても燃料がEGR通路30へ流入しない。したがって、排気管燃料添加による再生時においてもEGRが可能となり、再生時における排気性能を向上させることができる。
また、筒内ポスト噴射時には、未燃燃料の排気管12への排出時期に合わせてEGR弁31を閉弁するので、吸気管10への未燃燃料の流入を防止でき、燃焼安定性を確保することができる。一方、未燃燃料が排気管12へ排出されない時期にEGR弁31が開弁するので、筒内ポスト噴射であってもEGRを可能にし、排気性能を向上させることができる。
また、EGR弁31の開弁時には筒内燃焼温度が低下し、これに伴い排気温度も低下するので、上記のようにベーン開度を増加して過給圧を上昇させたり、スロットルバルブの開度を抑えて吸気量を減少させたりすることにより、排気温度を上昇させ、再生効率を向上させることができる。あるいは、筒内で燃焼する分の筒内燃料噴射弁5からの燃料噴射量及びそのタイミングを適宜制御することで排気温度を上昇させてもよい。また、図3に示すように、排気への燃料添加の頻度を制御してもよい。これらの制御は、NOx吸蔵触媒21の再生に最適な排気温度及び排気空燃比に維持されるように、例えばエンジン回転速度及び負荷に基づいて行えばよい。なお、NOx吸蔵触媒21の再生とともに、排気のリーン時にDPF21の強制再生を実行する場合には、DPF21に堆積したすすが良好に燃焼されるように酸素量を考慮して、上記ベーン開度等を設定するとよい。
本発明に係るエンジンの給排気系の概略構成図である。 再生方式の選択に用いられるマップである。 間欠EGR時の各種アクチュエータ開度及び排気温度の推移を示すタイミングチャートである。 EGR弁作動制御と昇温制御手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン
5 筒内燃料噴射弁
21 NOx吸蔵触媒
23 排気管燃料添加弁
30 EGR通路
31 EGR弁
40 ECU

Claims (3)

  1. エンジンの排気通路から排気の一部を導入し吸気通路に還流するEGR手段と、
    エンジンの排気通路に設けられ、排気中の有害成分を吸蔵する排気浄化触媒と、
    前記排気浄化触媒に流入する排気の空燃比をリッチ化して、前記排気浄化触媒に吸蔵された有害成分を還元除去し、前記排気浄化触媒を再生する再生手段と、
    を備えたエンジンの排気浄化装置であって、
    前記再生手段は、前記エンジンの主噴射の後に筒内へ燃料を噴射する筒内ポスト噴射手段と、前記EGR手段の排気導入部より下流側かつ前記排気浄化触媒より上流側の排気通路内に燃料を添加する排気通路燃料添加手段と、を備えるとともに、前記エンジンの運転状態に基づいて前記筒内ポスト噴射手段及び前記排気通路燃料添加手段のいずれか一方または両方を選択し使用して前記排気浄化触媒に流入する排気の空燃比をリッチ化し、前記筒内ポスト噴射手段を使用した再生時には、前記排気通路に未燃燃料が排出される時期に合わせて排気の還流が規制されるように前記EGR手段を制御するとともに、未燃燃料が排出されない時期には排気の還流が実施されるように前記EGR手段を制御して、間欠的に排気を還流させることを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  2. 前記再生手段は、前記エンジンの回転速度と、ドライバが要求する負荷とに基づいて、前記筒内ポスト噴射手段または前記排気管燃料添加手段のいずれか一方または両方を選択し使用して前記排気浄化触媒に流入する排気の空燃比をリッチ化することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの排気浄化装置。
  3. 前記吸気通路に設けられ、吸気流量を調節するスロットルバルブと、
    前記吸気通路に介装されたコンプレッサと前記排気通路に介装されたタービンとを含んで構成され、ベーン駆動アクチュエータによりベーン開度を調節可能なターボチャージャとを更に備え、
    前記再生手段は、前記EGR手段による排気の還流の実施時に、前記ベーン開度を高にして過給圧を上昇させるとともに前記スロットルバルブの開度を小さくして吸気量を抑制することを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンの排気浄化装置。
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