以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態としての画像信号処理装置100の構成を示している。
この処理装置100は、筐体101を有している。筐体101には、コネクタ102a〜102c,103が設けられている。コネクタ102a〜102cは、それぞれ、画像信号Sin1〜Sin3を入力するためのコネクタである。例えば、画像信号Sin1はVCR(Video Cassette Recorder)、DVD(Digital Versatile Disc)プレーヤ等から出力される画像信号、画像信号Sin2はデジタル地上波チューナから出力される画像信号、画像信号Sin3はでU/Vチューナから出力される画像信号である。コネクタ103は、ディスプレイに供給する画像信号Soutを出力するためのコネクタである。
また、筐体101には、機能ブロックとしての基板を挿入するための複数個のスロット、本実施の形態においては、3個のスロット104a〜104cが設けられており、各スロット104a〜104cにはそれぞれコネクタ105a〜105cが備えられている。スロット104aは、機能ブロック4としての高画質化処理を行うDRC(Digital Reality Creation)回路の基板121(以下、単に、「DRC回路121」という)を挿入するためのスロットである。スロット104bは、機能ブロック3としてのノイズ除去回路の基板122(以下、単に、「ノイズ除去回路122」という)を挿入するためのスロットである。スロット104cは、機能ブロック5としてのLCD(Liquid Crystal Display)やPDP(Plasma Display Panel)等のパネル処理回路の基板123(以下、単に、「パネル処理回路123」という)を挿入するためのスロットである。
また、筐体101の内部には、例えばマイクロコンピュータを備え、装置全体の動作を制御するシステム制御ブロック110と、機能ブロック1としての入力セレクタの基板124(以下、単に、「入力セレクタ124」という)と、機能ブロック2としての信号ルータ(マトリクススイッチ)の基板125(以下、単に、「信号ルータ125」という)と、機能ブロック6としての子画面OSD回路の基板126(以下、単に「子画面OSD回路126」という)とを有している。
なお、上述のマイクロコンピュータの動作プログラムは、例えばROM(read only memory)等の記憶媒体によって提供される。この場合、当該記憶媒体を着脱自在とすることで、制御の変更に柔軟に対応可能となる。また、この記憶媒体を書き込み可能な不揮発性メモリとすることで、制御の変更に合わせて動作プログラムの内容を書き換えることができる。
システム制御ブロック110は、ユーザが操作するリモコン送信機112からの赤外線信号を受光する受光部110aを備えている。上述した、入力セレクタ124、信号ルータ125、子画面OSD回路126、さらにはスロット104a〜104cは、それぞれ、制御バス111を介して、システム制御ブロック110に接続されている。
ここで、機能ブロック1〜6の基本となる機能ブロック120について説明する。図2は、機能ブロック120の構成を示している。この機能ブロック120は、制御用コネクタ120a、入力信号用コネクタ120bおよび出力信号用コネクタ120cを有している。また、機能ブロック120は、制御部120dおよび機能部120eを有している。入力信号用コネクタ120bには機能部120eで処理すべき信号が入力され、この信号は入力信号用コネクタ120bを介して機能部120eに入力される。出力信号用コネクタ120cには機能部120eで処理されて出力された信号が出力される。
制御用コネクタ120aは、制御バス111に接続される。制御部120dは制御用コネクタ120aに接続されている。制御部120dは、後述するように、自己の機能ブロックに係る共通コマンド(システム制御コマンド)とこの共通コマンドに対応して発行すべき、機能部の動作を制御するための機能ブロック内コマンドとの対応関係を、自己の機能ブロックの状態と関連づけて記憶したメモリであるROM(Read Only Memory)を有している。ここで、共通コマンドは、同報制御を行うためのコマンドであり、放送型コマンドと呼ぶこともある。
制御部120dは、システム制御ブロック110等から制御バス111を通じて送信されてくる共通コマンドが自己の機能ブロックに係る共通コマンドであるとき、この共通コマンドを、上述したROMの記憶内容に基づいて、機能部120eの動作を制御するための機能ブロック内コマンドに変換する。
図3は、制御部120dの構成を示している。この制御部120dは、共通コマンド送受信部131と、機能ブロック内コマンド送信部132と、機能ブロック内イベント受信部136と、コマンドキュー133と、所定個数、この図では3個のステートマシンインタプリタ134a〜134cと、ROM135とを有している。
共通コマンド送受信部131は、制御バス111から共通コマンドを取得してコマンドキュー133に積み込むと共に、インタプリタ134a〜134cによりコマンドキュー133に積み込まれ、当該コマンドキュー133から送られてくる共通コマンドを制御バス111に送出する。機能ブロック内コマンド送信部132は、インタプリタ134a〜134cによりコマンドキュー133に積み込まれ、当該コマンドキュー133から送られてくる機能ブロック内コマンドを機能部120eに送信する。
機能ブロック内イベント受信部136は、機能部120eから送られてくる機能ブロック内イベントを受信してコマンドキュー133に積み込む。例えば、このように機能部120eから送られてくる機能ブロック内イベントとしては、機能部120eで入力画像信号のフォーマット変化を検知したときに発行される「入力画像信号フォーマットが変更された」という意味の機能ブロック内イベント等がある。
コマンドキュー133は、コマンドおよびイベントをキュー構造で管理する。コマンドキュー133には、制御バス111から共通コマンド送受信部131で取得された共通コマンド、機能ブロック内イベント受信部136で受信された機能ブロック内イベント、さらにはインタプリタ134a〜134cで共通コマンド、機能ブロック内イベントが変換されて得られた共通コマンド、機能ブロック内イベント、機能ブロック内コマンドが順次積み込まれる。
コマンドキュー133は、キューの先頭のコマンド(イベント)を取り出し、当該コマンド(イベント)を送り先のモジュールを判断して送る。例えば、インタプリタ134a〜134cによって積み込まれた共通コマンド、機能ブロック内イベント、および共通コマンド送受信部131によって積み込まれた共通コマンドは、インタプリタ134a〜134cに送られる。また、インタプリタ134a〜134cによって積み込まれた機能ブロック内コマンドは、機能ブロック内コマンド送信部132に送られる。さらに、インタプリタ134a〜134cによって積み込まれた共通コマンドは、共通コマンド送受信部131に送られる。
ROM135は、自己の機能ブロックに係る共通コマンドとこの共通コマンドに対応して発行すべき機能ブロック内コマンドおよび共通コマンドとの対応関係を、自己の機能ブロックの状態と関連づけて記憶している。このROM135には、上述した対応関係として、インタプリタ134a〜134cのそれぞれに対応した状態遷移表が記憶されている。この状態遷移表は、現在状態と入力コマンド/イベント(共通コマンドまたは機能ブロック内イベント)の各組み合わせに対する、次状態と出力コマンド/イベント(共通コマンド、機能ブロック内イベントまたは機能ブロック内コマンド)が示されたものである。この状態遷移表の具体例については後述する。
インタプリタ134a〜134cのそれぞれは、コマンドキュー133から送られてくる共通コマンドまたは機能ブロック内イベントを、ROM135内の対応する状態遷移表に基づいて、現在状態に対応した共通コマンド、機能ブロック内イベントおよび機能ブロック内コマンドの少なくとも1つに変換し、このように変換して得られたコマンド、イベントをコマンドキュー133に積み込む。また、このインタプリタ134a〜134cは、変換時に状態遷移表から次状態を取得し、この次状態を、次回の変換において現在状態として用いるために状態を更新する。
図3に示す制御部120dの動作を説明する。システム制御ブロック110または他の機能ブロックから制御バス111を通じて送られてくる共通コマンドは共通コマンド送受信部131で受信されて、コマンドキュー133に積み込まれる。また、機能部120eで発行されて機能ブロック内イベント受信部136で受信された機能ブロック内イベントはコマンドキュー133に積み込まれる。そして、このコマンド/イベントはコマンドキュー133からインタプリタ134a〜134cに送られる。
インタプリタ134a〜134cでは、それぞれ、このコマンド/イベントが、変換対象である場合、ROM135内の対応する状態遷移表に基づいて、現在状態に対応した共通コマンド、機能ブロック内イベントおよび機能ブロック内コマンドの少なくとも1つに変換され、変換されて得られたコマンド、イベントはコマンドキュー133に積み込まれる。
インタプリタ134a〜134cで得られてコマンドキュー133に積み込まれた共通コマンドは、共通コマンド送受信部131に送られ、この送受信部131から制御バス111に送出される。また、インタプリタ134a〜134cで得られてコマンドキュー133に積み込まれた機能ブロック内コマンドは、機能ブロック内コマンド送信部132に送られ、この送信部132から機能部120eに送信される。
また、インタプリタ134a〜134cで得られてコマンドキュー133に積み込まれた機能ブロック内イベントは、インタプリタ134a〜134cに送られる。
インタプリタ134a〜134cでは、それぞれ、この機能ブロック内イベントが変換対象の機能ブロック内イベントである場合、上述した共通コマンドの変換と同様に、ROM135内の対応する状態遷移表に基づいて、現在状態に対応した共通コマンド、機能ブロック内イベントおよび機能ブロック内コマンドの少なくとも1つに変換されて、コマンドキュー133に積み込まれる。
図4のフローチャートは、上述したインタプリタ134a〜134cの動作を示している。まず、ステップST1で、例えばパワーオンに伴って動作を開始する。そして、ステップST2で、コマンド(共通コマンドおよび機能ブロック内イベントのいずれか)を受け付けると、ステップST3で、状態遷移表を検索する。
そして、ステップST4で、受け付けコマンドが状態遷移表に存在するか否かを判定する。受け付けコマンドが状態遷移表に存在しないときは、ステップST2に戻って、コマンドの受け付けの処理に移る。一方、受け付けコマンドが状態遷移表に存在するときは、ステップST5に進む。このステップST5では、状態遷移表から受け付けコマンドに対応し、かつ現在状態に対応したコマンド(共通コマンド、機能ブロック内イベントおよび機能ブロック内コマンドの少なくとも1つ)を取得し、そのコマンドをコマンドキュー133に積み込む。
そして、ステップST6で、状態遷移表から次状態を取得し、この次状態に状態を更新する。その後に、ステップST2に戻って、コマンドの受け付けの処理に移る。
図5は、機能部120eの構成を示している。この機能部120eは、機能ブロック内コマンド受信部141と、機能ブロック内イベント送信部146と、信号処理制御部142と、信号入力インタフェース143と、信号処理部144と、信号出力インタフェース145とを有している。
機能ブロック内コマンド受信部141は、制御部120dから送られてくる機能ブロック内コマンドを受信して信号処理制御部142に供給する。機能ブロック内イベント送信部146は、信号処理制御部142で発行される機能ブロック内イベントを制御部120dに送信する。信号処理部144は、入力信号Siに対して処理を行って出力信号Soを得る。この場合、信号処理部144から信号出力インタフェース145を介して出力信号Soが出力される。信号処理制御部142は、機能ブロック内コマンド受信部141から供給される機能ブロック内コマンドの内容を解釈し、その内容に基づいて信号処理部144を制御する。
図5に示す機能部120eの動作を説明する。入力信号Siは信号入力インタフェース143を介して信号処理部144に入力される。この信号処理部144では、入力信号Siに対する処理が行われる。そして、この信号処理部144の出力信号Soは信号出力インタフェース145を介して出力される。
制御部120dから機能部120eに供給される機能ブロック内コマンドは、機能ブロック内コマンド受信部141で受信されて信号処理制御部142に供給される。そして、信号処理制御部142では、その機能ブロック内コマンドの内容が解釈され、その解釈結果に基づいて信号処理部144の制御が行われる。また、信号処理制御部142で発行される機能ブロック内イベントは、機能ブロック内イベント送信部146により制御部120dに送られる。
図6は、図1に示す画像信号処理装置100におけるシステム構成の概念図を示している。制御バス111に、システム制御ブロック110と複数の機能ブロック120が接続されている。上述したように、システム制御ブロック110または一部または全部の機能ブロック120から共通コマンド(GC)が発行されて制御バス111を介して各機能ブロック120に送られる。
また、各機能ブロック120は、制御バス111を介して送られてくる共通コマンドGCが自己の機能ブロックに係る共通コマンドであるとき、上述したように、制御部120dで自己の機能ブロックの状態に基づいて、機能ブロック内コマンド(LC)が発行されて機能部120eに送信される。そして、機能部120eでは、上述したように、制御部120dから送られてくる機能ブロック内コマンドの内容が解釈され、解釈結果に基づいて信号処理が制御される。また、機能部120eで発行される機能ブロック内イベント(EVENT)は制御部120dに送信される。
上述した入力セレクタ124(機能ブロック1)、信号ルータ125(機能ブロック2)および子画面OSD回路126(機能ブロック6)の制御用コネクタ120aは、それぞれ、制御バス111を介してシステム制御ブロック110に接続される。
入力セレクタ124(機能ブロック1)は、3個の入力からいずれか一個を選択して出力する。したがって、この入力セレクタ124は、入力信号用コネクタ120bに3個の入力端子を備えており、出力信号用コネクタ120cに1個の出力端子を備えている。
また、信号ルータ125(機能ブロック2)は、例えば4×4のマトリックススイッチを構成している。したがって、この信号ルータ125は、入力信号用コネクタ120bに4個の入力端子を備えており、出力信号用コネクタ120cに4個の出力端子を備えている。
また、子画面OSD回路126(機能ブロック6)は、入力セレクタ124および信号ルータ125からの画像信号を選択的に用いる。したがって、この子画面OSD回路126は、入力信号用コネクタ120bに2個の入力端子を備えており、出力信号用コネクタ120cに1個の出力端子を備えている。
上述したスロット104a〜104cのコネクタ105a〜105cのそれぞれは、機能ブロック120(DRC回路121、ノイズ除去回路122、パネル処理回路123)が挿入されるとき、その制御用コネクタ120a、入力信号用コネクタ120bおよび出力信号用コネクタ120cにそれぞれ接続される制御用コネクタ、入力信号用コネクタおよび出力信号用コネクタを備えている。コネクタ105a〜105cの制御用コネクタは、それぞれ制御バス111に接続される。これにより、スロット104a〜104cに挿入される機能ブロック120の制御用コネクタ120aは、制御バス111を介してシステム制御ブロック110に接続される。
コネクタ102a〜102cは、それぞれ、入力セレクタ124(機能ブロック1)の入力信号用コネクタ120bの第1〜第3の入力端子に接続される。入力セレクタ124の出力信号用コネクタ120cの1個の出力端子は、信号ルータ125の入力信号用コネクタ120bの第1の入力端子、および子画面OSD回路126の入力信号用コネクタ120bの第1の入力端子に接続される。信号ルータ125の出力信号用コネクタ120cの第4の出力端子は子画面OSD回路126の入力信号用コネクタ120bの第2の入力端子に接続される。そして、この子画面OSD回路126の出力信号用コネクタ120cの1個の出力端子はコネクタ103に接続される。
信号ルータ125の出力信号用コネクタ120cの第1の出力端子はスロット104a内のコネクタ105aの入力信号用コネクタに接続され、このコネクタ105aの出力信号用コネクタは信号ルータ125の入力信号用コネクタ120bの第2の入力端子に接続される。
信号ルータ125の出力信号用コネクタ120cの第2の出力端子はスロット104b内のコネクタ105bの入力信号用コネクタに接続され、このコネクタ105bの出力信号用コネクタは信号ルータ125の入力信号用コネクタ120bの第3の入力端子に接続される。
信号ルータ125の出力信号用コネクタ120cの第3の出力端子はスロット104c内のコネクタ105cの入力信号用コネクタに接続され、このコネクタ105cの出力信号用コネクタは信号ルータ125の入力信号用コネクタ120bの第4の入力端子に接続される。
図2に示す機能ブロック120は、上述したように、機能ブロック1〜6の基本となるものである。個々の機能ブロックについて、さらに説明する。
入力セレクタ124において、機能部120eは、入力信号用コネクタ120bの3個の入力端子にそれぞれ入力される第1〜第3の画像信号のうち、いずれかの画像信号を選択的に出力信号用コネクタ120cの1個の出力端子に出力する。
信号ルータ125(機能ブロック2)おいて、機能部120eは、入力信号用コネクタ120bの4個の入力端子にそれぞれ入力される第1〜第4の画像信号を、出力信号用コネクタ120cの第1〜第4の出力端子に選択的に出力する。
DRC回路121(機能ブロック4)において、機能部120eは、入力信号用コネクタ120bからの入力画像信号であるSD(Standard Definition)信号をHD(High Definition)信号に変換し、このHD信号を出力画像信号として出力信号用コネクタ120cに出力する、DRC処理(高画質化処理)を行う。
このDRC回路121の機能部120eでは、HD信号における注目位置の画素データを得る際に、例えば、SD信号からHD信号における注目位置の周辺に位置する複数の画素データを抽出し、この複数の画素データに基づいてHD信号における注目位置の画素データの属するクラスを検出し、このクラスに対応した推定式の係数データを用い、当該推定式に基づいてHD信号における注目位置の画素データを求めることが行われる(特開2001−238185号参照)。ユーザは、HD信号の解像度、ノイズ除去度を、自由に調整できる。この場合、推定式の係数データとして、ユーザによって操作される解像度軸、ノイズ軸のボリウム値に応じたものが使用される。
また、DRC回路124の機能部120eでは、画像の拡大率を連続的に変化させた画像を得るズーム機能を備えている。この場合、入力画像信号の画素データより出力画像信号の画素データを得る際に、入力画像信号の画素に対する出力画像信号の画素の各位相に対応した推定式の係数データをメモリに格納しておき、この係数データを用い、推定式に基づいて出力画像信号の画素データを求めるようにされる。
なお、位相情報に基づいて係数種データより推定式で用いられる係数データを生成する構成とすることで、種々の拡大率への変換を行うために大量の係数データを格納しておくメモリを不要とできる(特開2002−196737号公報、特願2002−362666号参照)。ユーザは、ズーム率(画像の拡大率)およびズーム中心位置(水平方向のx座標および垂直方向のy座標)を自由に調整できる。
パネル処理回路123(機能ブロック5)において、機能部120eは、入力信号用コネクタ120bから入力された画像信号に対して、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)等のフラットパネルディスプレイに当該画像信号による画像を表示する際に必要となる処理、例えば輝度調整、色調整、水平、垂直の画素数変換、インタレース方式からプログレッシブ方式への方式変換等の処理を行い、処理後の画像信号を出力信号用コネクタ120cに出力する。
ノイズ除去回路122(機能ブロック3)において、機能部120eは、入力信号用コネクタ120bから入力された画像信号に対して、ノイズ抑圧処理を行い、処理後の画像信号を出力信号用コネクタ120cに出力する。このノイズ除去回路122では、ノイズ抑圧度を調整できる。
子画面OSD回路126(機能ブロック6)において、機能部120eは、入力信号用コネクタ120bの第1の入力端子に入力された、入力セレクタ124からの画像信号に基づいて子画面用の画像信号を生成する機能、画面上に文字、図形等を表示するための表示信号を生成する機能、入力セレクタ124からの画像信号または入力信号用コネクタ120bの第2の入力端子に入力された、信号ルータ125からの画像信号を選択し、その選択された画像信号に、上述した子画面用の画像信号や表示信号を合成して出力画像信号を取得し、その出力画像信号を出力信号用コネクタ120cに出力する機能等を持っている。
図1に示す画像信号処理装置100の動作を説明する。まず、第1の構成(基本構成)について説明する。この第1の構成では、図示のように、スロット104aにはDRC回路121(機能ブロック4)が挿入されているが、スロット104bへのノイズ除去回路122の挿入、およびスロット104cへのパネル処理回路123の挿入がない状態である。
この場合、システム制御ブロック110は、電源投入時に、入力セレクタ124、信号ルータ125、子画面OSD回路126の他、DRC回路121から基板IDを取得し、第1の構成(基本構成)にあることを認識する。
そして、システム制御ブロック110は、この第1の構成を意味する共通コマンドを、制御バス111に送出する。これにより、信号ルータ125は、第1の入力端子が第2の出力端子に接続され、第2の入力端子が第4の出力端子に接続された第1の状態となる。これにより、DRC回路121が処理系に挿入される。また、子画面OSD回路126は、第1の構成である旨を表示するための表示信号を生成し、この表示信号が合成された出力画像信号を出力する状態となる。
また、システム制御ブロック110は、信号ルータ125に係る共通コマンドを除く、全種類の共通コマンドの初期値を制御バス111に送出する。これにより、入力セレクタ124、子画面OSD回路126およびDRC回路121は、初期状態となり、画像信号処理装置100としての動作が開始される。
すなわち、入力セレクタ124では、システム制御ブロック110から送られてくる共通コマンドに基づいて、画像信号Sin1〜Sin3のいずれかが選択される。この入力セレクタ124で選択された画像信号は、信号ルータ125の第1の入力端子、第1の出力端子を介して、DRC回路124に入力される。
DRC回路124では、入力された画像信号に対して、システム制御ブロック110から送られてくる、共通コマンドに基づいて、DRCボリウム処理、DRCズーム処理が施される。
DRC回路121から出力される画像信号は、信号ルータ125の第2の入力端子、第4の出力端子を介して、子画面OSD回路126の第2の入力端子に供給される。この子画面OSD回路126の第1の入力端子には、入力セレクタ124で選択された画像信号が供給される。
子画面OSD回路126では、システム制御ブロック110から送られてくる、共通コマンドに基づいて、出力画像信号を得る処理、その出力画像信号に種々の表示をする表示信号を合成する処理等が行われる。
この子画面OSD回路126で得られる出力画像信号は、コネクタ103に出力画像信号として出力される。この出力画像信号は、例えばCRT(Cathode-Ray Tube)で構成されるディスプレイに供給される。
また、電源投入後は、ユーザ操作があるとき、システム制御ブロック110からユーザ操作に対応した共通コマンドが制御バス111に送出される。これにより、入力セレクタ124で選択される入力、DRC回路121のDRCボリウム処理、DRCズーム処理の処理内容等が変更される。
次に、上述した基本構成(第1の構成)に、パネル処理回路123を追加した第2の構成について説明する。この第2の構成では、スロット104aにDRC回路121(機能ブロック4)が挿入される他に、スロット104cにパネル処理回路123が挿入される。
この場合、システム制御ブロック110は、電源投入時に、入力セレクタ124、信号ルータ125、子画面OSD回路126の他、DRC回路121およびパネル処理回路123から基板IDを取得し、第2の構成にあることを認識する。
そして、システム制御ブロック110は、この第2の構成を意味する共通コマンドを、制御バス111に送出する。これにより、信号ルータ125は、第1の入力端子が第1の出力端子に接続され、第2の入力端子が第3の出力端子に接続され、第4の入力端子が第4の出力端子に接続される第2の状態となる。これにより、DRC回路121およびパネル処理回路123が処理系に挿入される。また、子画面OSD回路126は、第2の構成である旨を表示するための表示信号を生成し、この表示信号が合成された出力画像信号を出力する状態となる。
また、システム制御ブロック110は、信号ルータ125に係る共通コマンドを除く、全種類の共通コマンドの初期値を制御バス111に送出する。これにより、入力セレクタ124、子画面OSD回路126、DRC回路121およびパネル処理回路123は、初期状態となり、画像信号処理装置100としての動作が開始される。
すなわち、入力セレクタ124では、システム制御ブロック110から送られてくる、共通コマンドに基づいて、画像信号Sin1〜Sin3のいずれかが選択される。この入力セレクタ124で選択された画像信号は、信号ルータ125の第1の入力端子、第1の出力端子を介して、DRC回路121に入力される。このDRC回路121では、入力された画像信号に対して、システム制御ブロック110から送られてくる、共通コマンドに基づいて、DRCボリウム処理、DRCズーム処理が施される。
そして、DRC回路121から出力される画像信号は、信号ルータ125の第2の入力端子、第3の出力端子を介して、パネル処理回路123に供給される。このパネル処理回路123では、入力画像信号に対して、システム制御ブロック110から送られてくる、共通コマンドに基づいて、LCD、PDP等のフラットパネルディスプレイに当該画像信号による画像を表示する際に必要となる処理、例えば輝度調整、色調整、水平、垂直の画素数変換、インタレース方式からプログレッシブ方式への方式変換等の処理が行われる。
そして、このパネル処理回路123から出力される画像信号は、信号ルータ125の第4の入力端子、第4の出力端子を介して、子画面OSD回路126の第2の入力端子に供給される。この子画面OSD回路126の第1の入力端子には、入力セレクタ124で選択された画像信号が供給される。この子画面OSD回路126では、システム制御ブロック110から送られてくる、共通コマンドに基づいて、出力画像信号を得る処理、その出力画像信号に種々の表示をする表示信号を合成する処理等が行われる。
この子画面OSD回路126で得られる出力画像信号は、コネクタ103に出力画像信号として出力される。この出力画像信号は、パネル処理回路123がLCD用のものであるときはLCDで構成されるディスプレイに供給され、パネル処理回路123がPDP用のものであるときはPDPで構成されるディスプレイに供給される。
また、電源投入後は、ユーザ操作があるとき、システム制御ブロック110からユーザ操作に対応した共通コマンドが制御バス111に送出される。これにより、入力セレクタ124で選択される入力、DRC回路121のDRCボリウム処理、DRCズーム処理の処理内容等が変更される。
次に、上述した基本構成(第1の構成)に、パネル処理回路123およびノイズ除去回路122を追加した第3の構成について説明する。この第3の構成では、スロット104aにDRC回路121(機能ブロック4)が挿入される他に、スロット104cにパネル処理回路123が挿入され、スロット104bにノイズ除去回路122が挿入される。
この場合、システム制御ブロック110は、電源投入時に、入力セレクタ124、信号ルータ125、子画面OSD回路126の他、DRC回路121、パネル処理回路123およびノイズ除去回路122から基板IDを取得し、第3の構成にあることを認識する。
そして、システム制御ブロック110は、この第3の構成を意味する共通コマンドを、制御バス111に送出する。これにより、信号ルータ125は、第1の入力端子が第2の出力端子に接続され、第3の入力端子が第1の出力端子に接続され、第2の入力端子が第3の出力端子に接続され、第4の入力端子が第4の出力端子に接続される第3の状態となる。これにより、ノイズ除去回路122、DRC回路121、パネル処理回路123が処理系に挿入される。また、子画面OSD回路126は、第3の構成である旨を表示するための表示信号を生成し、この表示信号が合成された出力画像信号を出力する状態となる。
また、システム制御ブロック110は、信号ルータ125に係る共通コマンドを除く、全種類の共通コマンドの初期値を制御バス111に送出する。これにより、入力セレクタ125、子画面OSD回路126、DRC回路121、パネル処理回路123およびノイズ除去回路122は、初期状態となり、画像信号処理装置100としての動作が開始される。
すなわち、入力セレクタ124では、システム制御ブロック110から送られてくる共通コマンドに基づいて、画像信号Sin1〜Sin3のいずれかが選択される。この入力セレクタ124で選択された画像信号は、信号ルータ125の第1の入力端子、第2の出力端子を介してノイズ除去回路122に供給される。このノイズ除去回路122では、入力された画像信号に対して、システム制御ブロック110から送られてくる、共通コマンドに基づいて、ノイズを抑圧する処理が行われる。
このノイズ除去回路122から出力される画像信号は、信号ルータ125の第3の入力端子、第1の出力端子を介して、DRC回路121に入力される。このDRC回路121では、入力された画像信号に対して、システム制御ブロック110から送られてくる、共通コマンドに基づいて、DRCボリウム処理、DRCズーム処理が施される。
そして、DRC回路121から出力される画像信号は、信号ルータ125の第2の入力端子、第3の出力端子を介して、パネル処理回路123に供給される。このパネル処理回路123では、入力画像信号に対して、システム制御ブロック110から送られてくる、共通コマンドに基づいて、LCD、PDP等のフラットパネルディスプレイに当該画像信号による画像を表示する際に必要となる処理、例えば輝度調整、色調整、水平、垂直の画素数変換、インタレース方式からプログレッシブ方式への方式変換等の処理が行われる。
そして、このパネル処理回路123から出力される画像信号は、信号ルータ125の第4の入力端子、第4の出力端子を介して、子画面OSD回路126の第2の入力端子に供給される。この子画面OSD回路126の第1の入力端子には、入力セレクタ124で選択された画像信号が供給される。この子画面OSD回路126では、システム制御ブロック110から送られてくる、共通コマンドに基づいて、出力画像信号を得る処理、その出力画像信号に種々の表示をする表示信号を合成する処理等が行われる。
この子画面OSD回路126で得られる出力画像信号は、コネクタ103に出力画像信号として出力される。この出力画像信号は、パネル処理回路123がLCD用のものであるときはLCDで構成されるディスプレイに供給され、パネル処理回路123がPDP用のものであるときはPDPで構成されるディスプレイに供給される。
また、電源投入後は、ユーザ操作があるとき、システム制御ブロック110からユーザ操作に対応した共通コマンドが制御バス111に送出される。これにより、入力セレクタ124で選択される入力、DRC回路121のDRCボリウム処理、DRCズーム処理の処理内容、ノイズ除去回路122のノイズ抑圧処理の処理内容等が変更される。
図1に示す画像信号処理装置100においては、上述したように、機能ブロック120(入力セレクタ124、信号ルータ125、DRC回路121,ノイズ除去回路122、パネル処理回路123、子画面OSD回路126)では、制御バス111を介して送られてくる共通コマンドが自己の機能ブロックに係る共通コマンドであるとき、それが機能部120eを制御するための機能ブロック内コマンドに変換される。これにより、機能ブロック120を共通コマンドに応じて適応的に動作させることができる。
また、図1に示す画像信号処理装置100においては、機能ブロック120では、自己の機能ブロックに係る共通コマンドが状態に応じた機能ブロック内コマンドに変換される。つまり、機能ブロック120における共通コマンドの解釈がその機能ブロックの状態に応じて切り替えられる。これにより、システム制御ブロック110はシステム全体の状態を管理し、その状態に応じてシステム中に生じたイベントの意味を解釈し、適切な共通コマンドを発行するという処理が必要なく、システム制御ブロック110における処理の単純化を図ることができる。
次に、アプリケーション例、およびそれに関係する機能ブロックの状態遷移表例について説明する。
最初に、図7Aに示すような、「ズーム機能のみ」のアプリケーション(アプリケーションA)に関して説明する。このアプリケーションAは以下のようなものとする。
すなわち、ユーザはリモコン(リモコン送信機112)を用いてアプリケーションを利用する。リモコンにはズームボタン、上下左右ボタン、ズーム率上下ボタンが存在する。アプリケーションの初期時に、ズーム機能は無効である。
ズーム機能が無効な状態で、ユーザがズームボタンを押すと、ズーム機能が有効な状態になり入力画像信号がズーム処理されて出力される。逆にズーム機能が有効な状態で、ユーザがズームボタンを押すと、ズーム機能が無効な状態になり入力画像信号がそのまま出力される。
ズーム機能が有効な状態で、ユーザが上下左右ボタンを押すとズーム位置が押されたボタンの方向に移動する。ズーム機能が有効な状態で、ユーザがズーム率上下ボタンを押すとズーム率が押された方向に変化する。
図8は、アプリケーションAが正しく動作するように、DRC回路121(機能ブロック4)の状態遷移表を設計した例である。コマンドは次のような命名則に沿って名付けられている。すなわち、共通コマンドは GC_ で始まる大文字英数字、機能ブロック内コマンドは LC_ で始まる大文字英数字、機能ブロック内イベントは EVENT_ で始まる大文字英数字とする。
図8の状態遷移表に基づく、DRC回路121の制御部120d内のステートマシンインタプリタ(ズームステートマシン)の動作を説明する。ズームステートマシンはズーム機能の制御を行うステートマシンインタプリタである。
ズームステートマシンの状態は初期時にOFFであり、ズーム機能が無効であることを意味する。ユーザがズームボタンを押すと、共通コマンドGC_BTN_ZOOMが発行される。ズームステートマシンは、共通コマンドGC_BTN_ZOOMを処理し、状態ONに移行する。その際、機能ブロック内コマンドLC_ZOOM_ONを発行し、ズーム処理を実行するように機能部を制御する (9−1)。
ズームステートマシンの状態がONの時にユーザがズームボタンを押すと、ズームステートマシンはシステム制御ブロックが発行した共通コマンドGC_BTN_ZOOMを処理し、状態OFFに移行する。その際、機能ブロック内コマンドLC_ZOOM_OFFを発行し、ズーム処理を終了するように機能部を制御する(9−2)。
ユーザが上下左右ボタンを押すと、共通コマンドGC_BTN_UP, GC_BTN_DOWN, GC_BTN_LEFT, GC_BTN_RIGHTのいずれかが発行される。ズームステートマシンの状態がONの時にユーザが上下左右ボタンを押すと、ズームステートマシンは前述の共通コマンドを処理し、対応する機能ブロック内コマンドLC_ZOOM_UP, LC_ZOOM_DOWN, LC_ZOOM_LEFT, LC_ZOOM_RIGHTのいずれかを発行してズーム位置を移動させるように機能部を制御する。その際ズームステートマシンの状態はONのままである(9−3)。
ユーザがズーム率上下ボタンを押すと、共通コマンドGC_BTN_ZOOM_IN, GC_BTN_ZOOM_OUTのいずれかが発行される。ズームステートマシンの状態がONの時にユーザがズーム率上下ボタンを押すと、ズームステートマシンは前述の共通コマンドを処理し、対応する機能ブロック内コマンドLC_ZOOM_IN, LC_ZOOM_OUTのいずれかを発行してズーム率を変化させるように機能部を制御する。その際、ズームステートマシンの状態はONのままである(9−4)。
次に、図7Bに示すような、「ズーム機能+メニュー表示機能」のアプリケーション(アプリケーションB)に関して説明する。このアプリケーションBは以下のようなものとする。
すなわち、ユーザはリモコンを用いてアプリケーションを利用する。リモコンにはズームボタン、上下左右ボタン、ズーム率上下ボタンに加え、メニューボタンが存在する。アプリケーションの初期時に、ズーム機能は無効であり、メニューは非表示である。ズーム機能が無効な状態で、ユーザがズームボタンを押すと、ズーム機能が有効な状態になり入力画像信号がズーム処理されて出力される。逆にズーム機能が有効な状態で、ユーザがズームボタンを押すと、ズーム機能が無効な状態になり入力画像信号がそのまま出力される。
メニューが非表示状態で、ユーザがメニューボタンを押すと、メニュー表示状態になり入力画像信号にメニューリスト画像が重畳されて出力される。逆にメニュー表示状態で、ユーザがメニューボタンを押すと、メニュー非表示状態になり入力画像信号がそのまま出力される。
メニュー表示状態で、ユーザが上下左右ボタンを押すとメニューのフォーカスが押されたボタンの方向のメニューアイテムに移動する。ズーム機能が有効でかつメニュー非表示状態の時、ユーザが上下左右ボタンを押すとズーム位置が押されたボタンの方向に移動する。ズーム機能が有効な状態で、ユーザがズーム率上下ボタンを押すとズーム率が押された方向に変化する。
図9、図10は、アプリケーションBが正しく動作するように、子画面OSD回路126(機能ブロック6)とDRC回路121(機能ブロック4)の状態遷移表を設計した例である。図9は、子画面OSD回路126の制御部120dが持つ状態遷移表を示している。図10は、DRC回路121の制御部120dが持つ状態遷移表を示している。
図9の状態遷移表に基づく、子画面OSD回路126の制御部120d内のステートマシンインタプリタ(メニューステートマシン)の動作を説明する。
メニューステートマシンの状態は初期時にOFFであり、メニュー機能が無効であることを意味する。ユーザがメニューボタンを押すと、共通コマンドGC_BTN_MENUが発行される。メニューステートマシンは、共通コマンドGC_BTN_MENUを処理し、状態ONに移行する。その際、機能ブロック内コマンドLC_MENU_ONを発行し、メニュー表示するように機能部を制御する。また同時に、共通コマンドGC_MENU_ONを発行し、その他の機能ブロックに対してメニュー表示が有効になったことを通知する(10−1)。
メニューステートマシンの状態がONの時にユーザがメニューボタンを押すと、メニューステートマシンはシステム制御ブロックが発行した共通コマンドGC_BTN_MENUを処理し、状態OFFに移行する。その際、機能ブロック内コマンドLC_MENU_OFFを発行し、メニュー表示を終了するように機能部を制御する。また同時に、共通コマンドGC_MENU_OFFを発行し、その他の機能ブロックに対してメニュー表示が無効になったことを通知する(10−2)。
ユーザが上下左右ボタンを押すと、共通コマンドGC_BTN_UP, GC_BTN_DOWN, GC_BTN_LEFT, GC_BTN_RIGHTのいずれかが発行される。メニューステートマシンの状態がONの時にユーザが上下左右ボタンを押すと、メニューステートマシンは前述の共通コマンドを処理し、対応する機能ブロック内コマンドLC_MENU_UP, LC_MENU_DOWN, LC_MENU_LEFT, LC_MENU_RIGHTのいずれかを発行してメニューフォーカスを移動させるように機能部を制御する。その際、メニューステートマシンの状態はONのままである(10−3)。
図10の状態遷移表に基づく、DRC回路121の制御部120d内のステートマシンインタプリタ(ズームステートマシン、コマンドフィルタステートマシン)の動作を説明する。この場合、アプリケーションAの際のDRC回路121の制御部120dのステートマシン(図8参照)と比べると、コマンドフィルタステートマシンが新しく追加されている他、ズームステートマシンが変更されている。
コマンドフィルタステートマシンはメニューステートマシンと排他的に扱う必要があるコマンドを処理するかもしくは破棄するか判断を行う、コマンドフィルタ機能を持つステートマシンである。
コマンドフィルタステートマシンの状態は初期時にOFFであり、コマンドフィルタ機能が無効であることを意味する。メニュー機能が有効になると、共通コマンドGC_MENU_ONが発行される。コマンドフィルタステートマシンが状態OFFの時に共通コマンドGC_MENU_ONを処理すると、状態ONに移行する(11−1)。
また、メニュー機能が無効になると、共通コマンドGC_MENU_OFFが発行される。コマンドフィルタステートマシンが状態ONの時に共通コマンドGC_MENU_OFFを受けると、状態OOFFに移行する(11−2)。
コマンドフィルタステートマシンが状態OFFの時にユーザが上下左右ボタンを押すと、コマンドフィルタステートマシンは共通コマンドGC_BTN_UP, GC_BTN_DOWN, GC_BTN_LEFT, GC_BTN_RIGHTのいずれかを処理し、対応する機能ブロック内イベントEVENT_BTN_UP, EVENT_BTN_DOWN, EVENT_BTN_LEFT, EVENT_BTN_RIGHTのいずれかを発行する。その際、コマンドフィルタステートマシンの状態はOFFのままである(11−3)。発行された機能ブロック内イベントはズームステートマシンに渡され処理される。
コマンドフィルタステートマシンが状態ONの時にユーザが上下左右ボタンを押すと、コマンドフィルタステートマシンは共通コマンドをGC_BTN_UP, GC_BTN_DOWN, GC_BTN_LEFT, GC_BTN_RIGHTらを無視する。
コマンドフィルタステートマシンが上下左右ボタンに対応するコマンドをいったん受けて、ズームステートマシンに渡すかどうか判断することで、ズーム機能とメニュー機能が、上下左右ボタンが押されたというイベントを同時に処理することを防いでいる。
ズームステートマシンは、アプリケーションAのときと比べて、共通コマンドを処理する代わりに機能ブロック内イベントを処理するように変更されている。
ズームステートマシンの状態がONの時に機能ブロック内イベントEVENT_BTN_UP, EVENT_BTN_DOWN, EVENT_BTN_LEFT, EVENT_BTN_RIGHTのいずれかを受けると、対応する機能ブロック内コマンドLC_ZOOM_UP, LC_ZOOM_DOWN, LC_ZOOM_LEFT, LC_ZOOM_RIGHTのいずれかを発行してズーム位置を移動させるように機能部を制御する。その際ズームステートマシンの状態はONのままである(11−4)。
アプリケーションAのズームステートマシン(図8参照)ではズーム有効状態で共通コマンドGC_BTN_UP, GC_BTN_DOWN, GC_BTN_LEFT, GC_BTN_RIGHTを処理していたが、アプリケーションBのズームステートマシン(図10参照)ではズーム有効状態で機能ブロック内イベントEVENT_BTN_UP, EVENT_BTN_DOWN, EVENT_BTN_LEFT, EVENT_BTN_RIGHTを処理している。
ズームステートマシンが共通コマンドを処理せずに、コマンドフィルタステートマシンによって発行される機能ブロック内イベントを処理することで、ズーム機能とメニュー機能が、上下左右ボタンが押されたというイベントを同時に処理することを防いでいる。
次に、図7Cに示すような、「ズーム機能+メニュー表示機能+ズーム枠表示機能」のアプリケーション(アプリケーションC)に関して説明する。このアプリケーションCは以下のようなものとする。
すなわち、このアプリケーションCは、上述したアプリケーションBに追加して、ズーム機能が有効な状態のとき、ズームされた入力画像信号にズームされていない画像が子画面として重畳されて出力される。子画面上に、現在ズーム中の画像の範囲を示す枠(ズーム枠)が表示される。
ズーム機能が有効でかつメニュー非表示状態の時、ユーザが上下左右ボタンを押すとズーム枠の位置が押されたボタンの方向に移動する。ズーム機能が有効な状態で、ユーザがズーム率上下ボタンを押すとズーム枠の大きさが押された方向に変化する。
図11、図12は、アプリケーションCが正しく動作するように 、子画面OSD回路126(機能ブロック6)とDRC回路121(機能ブロック4)の状態遷移表を設計した例である。図11は子画面OSD回路126の制御部120dが持つ状態遷移表を示し、図12はDRC回路121の制御部120dが持つ状態遷移表を示している。
図11の状態遷移表に基づく、子画面OSD回路126の制御部120d内のステートマシンインタプリタ(メニューステートマシン、ズーム枠ステートマシン)の動作を説明する。この場合、アプリケーションBの際の子画面OSD回路126の制御部120dのステートマシン(図9参照)と比べると、ズーム枠ステートマシンが新しく追加されている他、メニューステートマシンが変更されている。
メニューステートマシンは、アプリケーションBのときと比べて、OFF状態でリモコンの上下左右ボタンが押されたときに機能ブロック内イベントをズーム枠ステートマシンに渡すように変更されている。
メニューステートマシンの状態がOFFの時に共通コマンドGC_BTN_UP, GC_BTN_DOWN, GC_BTN_LEFT, GC_BTN_RIGHTのいずれかを受けると、対応する機能ブロック内イベントEVENT_BTN_UP, EVENT_BTN_DOWN, EVENT_BTN_LEFT, EVENT_BTN_RIGHTのいずれかを発行する(12−1)。発行された機能ブロック内イベントはズーム枠ステートマシンに渡され処理される。
ズーム枠ステートマシンの状態は初期時にOFFであり、ズーム枠が表示されていないことを意味する。ズーム機能が有効になると、共通コマンドGC_ZOOM_ONが発行される。ズーム枠ステートマシンが状態OFFの時に共通コマンドGC_ZOOM_ONを受けると、状態ONに移行する(12−2)。そのとき、機能ブロック内コマンド LC_ZOOM_FRAME_ONを発行し、入力画像信号にズーム枠表示子画面を重畳して出力するように機能部を制御する。
また、ズーム機能が無効になると、共通コマンドGC_ZOOM_OFFが発行される。ズーム枠ステートマシンが状態ONの時に共通コマンドGC_ZOOM_OFFを受けると、状態OFFに移行する(12−3)。そのとき、機能ブロック内コマンド LC_ZOOM_FRAME_OFFを発行し、入力画像信号にズーム枠表示子画面を重畳せずにそのまま出力するように機能部を制御する。
ズーム枠ステートマシンの状態がONの時に機能ブロック内イベントEVENT_BTN_UP, EVENT_BTN_DOWN, EVENT_BTN_LEFT, EVENT_BTN_RIGHTのいずれかを受けると、対応する機能ブロック内コマンドLC_ZOOM_FRAME_UP, LC_ZOOM_FRAME_DOWN, LC_ZOOM_FRAME_LEFT, LC_ZOOM_FRAME_RIGHTのいずれかを発行してズーム枠位置を移動させるように機能部を制御する。その際ズーム枠ステートマシンの状態はONのままである(12−4)。
ユーザがズーム率上下ボタンを押すと、共通コマンドGC_BTN_ZOOM_IN, GC_BTN_ZOOM_OUTのいずれかが発行される。ズーム枠ステートマシンの状態がONの時にユーザがズーム率上下ボタンを押すと、ズーム枠ステートマシンは前述の共通コマンドを処理し、対応する機能ブロック内コマンドLC_ZOOM_FRAME_IN, LC_ZOOM_FRAME_OUTのいずれかを発行してズーム枠の大きさを変化させるように機能部を制御する。その際、ズーム枠ステートマシンの状態はONのままである(12−5)。
図12の状態遷移表に基づく、DRC回路121の制御部120d内のステートマシンインタプリタ(ズームステートマシン、コマンドフィルタステートマシン)の動作を説明する。この場合、アプリケーションBの際のDRC回路121の制御部120dのステートマシン(図10参照)と比べると、ズームステートマシンが変更されている。
ズームステートマシンは、アプリケーションBのときと比べて、OFF状態からON状態に遷移する際に共通コマンドGC_ZOOM_ONを発行するように変更されている(13−1)。共通コマンドGC_ZOOM_ONはズーム機能が有効になったことを他の機能ブロックに通知するために使用される。
また、ズームステートマシンはON状態からOFF状態に遷移する際に共通コマンドGC_ZOOM_OFFを発行するように変更されている(13−2)。共通コマンドGC_ZOOM_OFFはズーム機能が無効になったことを他の機能ブロックに通知するために使用される。追加された共通コマンド GC_ZOOM_ON, GC_ZOOM_OFFは、子画面OSD回路126の制御部120dのズーム枠ステートマシンによって処理される。
以上のように各機能ブロックの制御部120dが保持する状態遷移表を追加/変更していくことで、A、B、Cと順次複雑になっていくアプリケーションを実現することができる。
なお、上述実施の形態においては、入力セレクタ124(機能ブロック1)、信号ルータ125(機能ブロック2)、ノイズ除去回路122(機能ブロック3)、DRC回路121(機能ブロック4)、パネル処理回路123(機能ブロック5)、子画面OSD回路126(機能ブロック6)等からなる画像信号処理装置100を示したものであるが、機能ブロックの個数および種類はこれに限定されない。スロット数も3個に限定されず、例えば全ての機能ブロックがスロットに挿入される構成としてもよい。
また、上述実施の形態においては、この発明を画像信号処理装置100に適用したものであるが、この発明は、画像信号だけでなく、音声信号等のその他の情報信号を処理する装置にも同様に適用できる。
また、上述実施の形態において、機能ブロック120は基板を単位としているが、これに限定されるものではない。機能ブロック120としては、LSI(Large Scale Integrated circuit)のチップを単位とすることもでき、またこれら基板、チップからなる装置を単位とすることもできる。
100・・・画像信号処理装置、101・・・筐体、102a〜102c,103・・・コネクタ、104a〜104c・・・スロット、105a〜105c・・・コネクタ、110・・・システム制御ブロック、111・・・制御バス、112・・・リモコン送信機、120・・・機能ブロック、120a・・・制御用コネクタ、120b・・・入力信号用コネクタ、120c・・・出力信号用コネクタ、120d・・・制御部、120e・・・機能部、121・・・DRC回路(機能ブロック4)、122・・・ノイズ除去回路(機能ブロック3)、123・・・パネル処理回路(機能ブロック5)、124・・・入力セレクタ(機能ブロック1)、125・・・信号ルータ(機能ブロック2)、126・・・子画面OSD回路(機能ブロック6)、131・・・共通コマンド送受信部、132・・・機能ブロック内コマンド送信部、133・・・コマンドキュー、134a〜134c・・・ステートマシンインタプリタ、135・・・ROM、141・・・機能ブロック内コマンド受信部、142・・・信号処理制御部、143・・・信号入力インタフェース、144・・・信号処理部、145・・・信号出力インタフェース