以下、図面を参照しながら各実施形態の詳細について説明する。
[第1の実施形態]
1.無線通信ローカルネットワークシステムの構成
図1は、本発明の一実施形態にかかる通信リソース管理装置(通信制御装置)を備える無線通信ローカルネットワークシステム100の構成を示す図である。
図1に示すように、無線通信ローカルネットワークシステム100は、IEEE802.11系無線LAN110と有線LAN120とによって構成される。
無線LAN110は、独立無線セル110−1(SSID=1)を構築する無線アクセスポイント(AP)111と、独立無線セル110−2(SSID=2)を構築する無線アクセスポイント112とを備える。
113は、ストリーミングメディアデータが格納されている無線クライアント端末(STA)であり、114、115は、ストリーミングメディアデータの再生機能を備える無線クライアント端末(STA)である。なお、無線クライアント端末(STA)114は、独立無線セル110−1の範囲内に位置し、無線クライアント端末(STA)113、115は、独立無線セル110−1と110−2とがオーバラップする範囲内に位置しているものとする。
無線アクセスポイント111と112とは、有線LAN用のスイッチ121を介して接続されている。また、有線LAN用のスイッチ121には、各独立無線セルの範囲内に位置する各無線クライアント端末(STA)113〜115にパラメータ情報を設定する設定制御装置122が接続されている。更に、無線LAN110を構成する各機器(111〜115)と通信することで、各機器の通信リソースを管理する通信リソース管理装置123が接続されている。
有線LAN用のスイッチ121は、ゲートウェイルータ131を介してインタネット141に接続されている。インタネット141には、更に、ゲートウェイルータ151を介してストリーミングメディアサーバ161が接続されている。これにより、無線クライアント端末(STA)113〜115は、ストリーミングメディアサーバ161にアクセスすることが可能となっている。
2.各機器のハードウェア構成
2.1 通信リソース管理装置のハードウェア構成
図2Aは、通信リソース管理装置123のハードウェア構成を示す図である。CPU201は、ROM202やハードディスクドライブ(HDD)204等の記憶手段に格納されている制御プログラムに基づいて通信リソース管理装置123を統括制御する中央演算処理装置である。
RAM203は、CPU201のワークエリアであり、制御プログラムの実行に伴うデータが一時的に記憶される。
HDD204は、本実施形態にかかる通信制御方法を実現するための制御プログラムを格納する。当該制御プログラムには、無線通信ローカルネットワークシステム100を構成する各機器111〜115の識別情報を収集するためのディスカバリ処理部204−1が含まれる。また、無線クライアント端末のアソシエーションが集中していない無線アクセスポイント(AP)を判定するとともに、無線クライアント端末がアソシエートする独立無線セルの切り替えを制御する判定/制御処理部204−2が含まれる。更に、アソシエートする独立無線セルの切り替えを制御した結果を評価する評価部204−3が含まれる。なお、アソシエートする独立無線セルの切り替えを行う対象となる無線クライアント端末は、優先順位テーブル204−4に基づいて決定される。
有線LANI/F205は、通信リソース管理装置123を有線LAN用のスイッチ121に接続するための通信回路である。
2.2 設定制御装置のハードウェア構成
図2Bは、設定制御装置122のハードウェア構成を示す図である。CPU211は、ROM212やハードディスクドライブ(HDD)214等の記憶手段に格納されている制御プログラムに基づいて設定制御装置122を統括制御する中央演算処理装置である。
RAM213は、CPU211のワークエリアであり、制御プログラムの実行に伴うデータが一時的に記憶される。
HDD214は、通信リソース管理装置123からの指示に基づいて、無線クライアント端末(113〜115)のパラメータ情報を更新するための制御プログラムを格納する。
当該制御プログラムには、通信リソース管理装置123のディスカバリ処理に応答して、識別情報を送信する識別情報送信部214−1が含まれる。また、通信リソース管理装置123からのパラメータ情報更新指示を受信する指示受信部214−2や、パラメータ情報を更新するにあたって必要となる認証用PIN情報を取得するPIN情報取得部214−3が含まれる。また、通信リソース管理装置123より指示された無線クライアント端末のパラメータ情報を更新するための無線設定変更部214−4や、その変更結果を通信リソース管理装置123に送信する結果送信部214−5が含まれる。
有線LANI/F215は、設定制御装置122を有線LAN用のスイッチ121に接続するための通信回路である。
2.3 無線アクセスポイントのハードウェア構成
図2Cは、無線アクセスポイント111、112のハードウェア構成を示す図である。CPU221は、ROM222等の記憶手段に格納されている制御プログラムに基づいて無線アクセスポイントを統括制御する中央演算処理装置である。例えば、無線クライアント端末(113〜115)と無線回線を確立したり、無線LAN110と有線LAN120との間におけるデータの転送制御を行なったりする。
ROM222は、制御プログラムなどを格納している記憶手段であり、EEPROMなどからなる。RAM223は、CPU221のワークエリアであり、制御プログラムの実行に伴うデータが一時的に記憶される。有線LANI/F225は、無線アクセスポイント111、112を有線LAN120に接続するための通信回路である。
無線LANI/F224は、無線クライアント端末(113〜115)と接続するための無線通信回路である。なお、SSID(Service Set IDentifier)などの無線LAN110用の識別符号がROM222に格納されており、無線LANI/F224から定期的に送信されるよう構成されている。
2.4 無線クライアント端末のハードウェア構成
図2Dは、無線クライアント端末(113〜115)のハードウェア構成を示す図である。CPU231は、ROM232等の記憶手段に格納されている制御プログラムに基づいて無線クライアント端末(113〜115)を統括制御する中央演算処理装置である。例えば、無線アクセスポイント(AP)111、112と無線回線を確立したりする。
ROM232は、制御プログラムなどを格納している記憶手段であり、EEPROMなどからなる。RAM233は、CPU231のワークエリアであり、制御プログラムの実行に伴うデータが一時的に記憶される。無線LANI/F234は、無線アクセスポイント(AP)111、112と接続するための無線通信回路である。
3.無線通信ローカルネットワークシステムにおける通信制御処理の流れ
次に無線通信ローカルネットワークシステム100における通信制御処理の流れについて説明する。説明にあたり、無線クライアント端末(STA)114は無線アクセスポイント111が構築する独立無線セル110−1にアソシエートしているものとする。この状態で、無線アクセスポイント111が構築する独立無線セル110−1に、無線クライアント端末(STA)113、115がアソシエートした場合の通信制御処理の流れについて説明する。
図3は、無線通信ローカルネットワークシステム100における通信制御処理全体の流れを示すフローチャートである。また、図4〜図6は、通信リソース管理装置123、設定制御装置122、無線クライアント端末(STA)113、115における個別の処理の流れを示すフローチャートである。以下、図3〜図6を参照しながら、通信制御処理の流れについて説明する。
はじめに、通信リソース管理装置123が、無線通信ローカルネットワークシステム100を構成する各機器の識別情報を収集するためにディスカバリ処理(図3の305)を起動する(図4のステップS401)。
なお、本実施形態においては、設定制御装置122、無線アクセスポイント111、112のみが、ディスカバリ処理に対応しているものとする。このため、各機器の識別情報を収集するための情報要求信号(図3の301)は、設定制御装置122、無線アクセスポイント111、112に送信される。
情報要求信号(図3の301)を受信した設定制御装置122、無線アクセスポイント111、112では、これに応じて識別情報を送信すべく、応答信号(図3の302〜304)を返信する。なお、無線アクセスポイント111から送信される識別情報には、無線アクセスポイント111が構築する独立無線セル110−1にアソシエートしている無線クライアント端末(STA)114の識別情報も含まれる。
通信リソース管理装置123では、ディスカバリ処理により、各無線アクセスポイント111、112が構築する独立無線セル110−1、110−2にアソシエート中の無線クライアント端末(STA)の識別情報を収集する(図4のステップS402)。
尚、本実施形態ではディスカバリ処理に利用するプロトコルとして、UPnP(登録商標)規定のDiscovery Descriptionや、WINDOWS(登録商標) RALLY(登録商標)規定のLLTDを想定している。ただし、識別情報を収集するにあたっては他のプロトコルを利用してもよい。なお、UPnPとはUniversal Plug Playの略称であり、LLTDとは、Link Layer Discoveryの略称である。
通信リソース管理装置123では、収集した識別情報より、無線LAN110内の特定の無線アクセスポイントが構築する独立無線セルに対して、無線クライアント端末によるアソシエーションが集中しているか否かを判定する(図4のステップS403)。
ステップS403において、特定の無線アクセスポイント(AP)に対して、無線クライアント端末(STA)によるアソシエーションが集中していないと判定された場合には、処理を終了する。
一方、特定の無線アクセスポイント(AP)が構築する独立無線セルに対して、無線クライアント端末(STA)によるアソシエーションが集中していると判定された場合には、図4のステップS404に進む。
ステップS404では、特定の無線アクセスポイントが構築する独立無線セルに集中してアソシエートしている無線クライアント端末(STA)の中から、他の独立無線セルに切り替えてアソシエートすべき無線クライアント端末(STA)の候補を抽出する。抽出に際しては、無線クライアント端末(STA)間の優先順位を定めた優先順位テーブル204−4を参照する。図1の例では、無線クライアント端末(STA)113と115が候補として抽出されるものとする。
更にステップS405では、ステップS402において収集した識別情報に基づいて、無線LAN110内に、通信リソースに余裕のある無線アクセスポイント(AP)がないかを判定する。
ステップS405において、通信リソースに余裕のある無線アクセスポイントがないと判定された場合には、処理を終了する。
一方、ステップS405において、通信リソースに余裕のある無線アクセスポイントがあると判定された場合には、ステップS406に進む。ステップS406では、当該余裕のある無線アクセスポイントが構築する独立無線セルを、上記無線クライアント端末(STA)の候補が切り替え先とする独立無線セルであると判断する。図1の例では、無線アクセスポイント112が構築する独立無線セル110−2が、無線クライアント端末113、115が切り替え先とする独立無線セルであると判断されるものとする。
そして、ステップS404にて抽出された無線クライアント端末の候補に設定されたパラメータ情報を、切り替え先とする独立無線セルを構築する無線アクセスポイント(AP)用に変更すべく、設定制御装置122に変更依頼指示(図3の306)を送信する。
図1の例では、無線クライアント端末(STA)113と無線クライアント端末(STA)115が、切り替えてアソシエートすべき無線クライアント端末の候補として抽出されている。このため、無線アクセスポイント112が構築する独立無線セル110−2に、当該無線クライアント端末(STA)113、115が切り替えてアソシエートするように、設定制御装置122に対して変更依頼指示(図3の306)を送信する。
なお、通信リソース管理装置123が、設定制御装置122に対して変更依頼指示(図3の306)を送信するにあたっては、切り替えてアソシエートすべき無線クライアント端末(STA)113、115の識別情報を送信する。更に、切り替え先となる独立無線セル110−2を構築する無線アクセスポイント(AP)112の識別情報を併せて送信する。
尚、ここでは、無線クライアント端末(STA)及び無線アクセスポイント(AP)の識別情報として、MACアドレス、IPアドレス、UUID等を想定している。ただし、設定制御装置122において機器を特定できる情報であれば、特にこれに限定されるものではない。
変更依頼指示(図3の306)を受信した設定制御装置122では、これを認識する(図5のステップS501)。具体的には、切り替えてアソシエートすべき無線クライアント端末113、115の識別情報と、切り替え先となる独立無線セル110−2を構築する無線アクセスポイント(AP)112の識別情報を認識する。
設定制御装置122では、切り替え先となる独立無線セル110−2を構築する無線アクセスポイント112用のパラメータ情報を無線クライアント端末113、115に設定するための認証用PIN情報(認証情報)を入手する(図5のステップS502)。
次に、設定制御装置122では、切り替えてアソシエートすべき無線クライアント端末113、115に対して、パラメータ情報設定モードへの移行を依頼するインバンド方式のメッセージ(図3の307、308)を送信する(図5のステップS503)。また、あわせて、認証用PIN情報を送信する。
パラメータ情報設定モードへの移行を依頼するメッセージ(図3の307、308)を受信した無線クライアント端末113、115では、送信された認証用PIN情報を用いて、パラメータ情報設定モードへ移行する(図6のステップS601)。
その後、設定制御装置122と無線クライアント端末113、115との間でWi−Fi Protected Setup(登録商標)を利用したパラメータ情報の変更処理(309〜311)が実施される。これにより、無線クライアント端末(STA)113、115において設定されているSSIDが「1」から「2」へと変更される。
尚、本実施形態ではパラメータ情報の設定プロトコルとして、Wi−Fi Protected Setup(登録商標)を利用することとするが、その他のインバンド方式のパラメータ設定処理を利用しても実現可能である。
無線クライアント端末(STA)113、115では、パラメータ情報の変更が完了すると、切り替え先となった独立無線セルにアソシエートする(図6のステップS602)。
更に、ステップS603では、切り替え先となった独立無線セル110−2への無線クライアント端末113、115によるアソシエートが成功したか否かを判定する。ステップS603において切り替え先となった独立無線セル110−2へのアソシエートに失敗したと判定された場合には、ステップS604に進む。ステップS604では、無線クライアント端末113、115に設定されたパラメータ情報をもとに戻し、切り替え前の無線アクセスポイント111が構築する独立無線セル110−1にアソシエートする。
一方、ステップS603において切り替え先となった独立無線セルへのアソシエートに成功したと判定された場合には、切り替え処理を終了する。
設定制御装置122では、無線クライアント端末113、115による切り替え処理が終了したか否かを監視し(図5のステップS504)、切り替え処理が終了したと判定された場合には、ステップS505に進む。
ステップS505において、設定制御装置122は、無線クライアント端末113、115に対するパラメータ情報の変更が完了した旨のメッセージ(図3の312)を通信リソース管理装置123に送信する。
通信リソース管理装置123では、無線クライアント端末113、115に対するパラメータ情報の変更が完了した旨のメッセージが、設定制御装置122より送信されたか否かを監視する(図4のステップS407)。通信リソース管理装置123において、当該メッセージを受信したと判定した場合には、ステップS408に進む。
ステップS408では、再度ディスカバリ処理(図3の313から317)を起動する。なお、ディスカバリ処理の詳細は、上述したので、ここでは説明を省略する。
ステップS409では、ディスカバリ処理の結果、各無線アクセスポイント111、112が構築する独立無線セル110−1、110−2にアソシエート中の無線クライアント端末(STA)の識別情報を収集する。
ステップS410では、切り替えてアソシエートすべき無線クライアント端末113、115が、切り替え先となる独立無線セル110−2にアソシエートされたか否かを判定する。
具体的には、無線クライアント端末113、115が現在アソシエートしている独立無線セルを構築する無線アクセスポイントが、変更依頼指示を送信する前にアソシエートしていた独立無線セルを構築する無線アクセスポイントと同じであるか否かを判定する。
同じであると判定された場合には、ステップS410において、当該無線クライアント端末が切り替えに失敗したと判断し、優先順位テーブル204−4における当該無線クライアント端末の優先順位を最低順位に設定する。
一方、異なると判定された場合には、ステップS410において、当該無線クライアント端末が切り替えに成功したと判断し、処理を終了する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、無線通信ローカルネットワークシステムにおいて通信リソース管理装置を配し、無線アクセスポイントの通信リソースを管理する構成とした。これにより無線クライアント端末ごとに無線アクセスポイントの通信リソースを監視する必要性がなくなった。
更に、通信リソース管理装置において、特定の無線アクセスポイントが構築する独立無線セルへのアソシエーションが集中している場合には、該通信リソース管理装置がこれを検出する構成とした。そして、検出した場合にあっては、無線LANを構成する無線アクセスポイントの中から、処理負荷に余裕のある無線アクセスポイントを抽出する構成とした。更に、当該余裕のある無線アクセスポイントが構築する独立無線セルへ切り替えてアソシエートすべき無線クライアント端末を抽出する構成とした。
これにより、通信リソース管理装置側で認識する各無線アクセスポイント毎の通信リソースの状況に応じて、無線クライアント端末が適切な独立無線セルに切り替えてアソシエートすることが可能になった。
このように、通信リソース管理装置が定期的に起動することで、無線クライアント端末の独立無線セル間にまたがるロードバランシングを実現することが可能となった。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、特定の無線アクセスポイントが構築する独立無線セルに無線クライアント端末のアソシエーションが集中していることを、通信リソース管理装置が検出した場合に、他の独立無線セルに切り替えるように制御する構成とした。
しかしながら、本発明はこれに限られない。例えば、無線クライアント端末が新たに通信サービスの提供を受けようとした場合に、サービスの提供を受けるのに必要な通信リソース量を考慮した上で、予め他の独立無線セルに切り替えてアソシエートするように制御する構成としてもよい。
1.無線通信ローカルネットワークシステムの構成
本実施形態にかかる通信リソース管理装置が適用される無線通信ローカルネットワークシステムの構成は、上記第1の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
2.無線通信ローカルネットワークシステムにおける通信制御処理の流れ
無線通信ローカルネットワークシステム100における本実施形態の通信制御処理の流れについて説明する。
説明にあたり、無線クライアント端末(STA)113〜115は、無線アクセスポイント111の構築する独立無線セル110−1にアソシエートしているものとする。
また、無線クライアント端末(STA)113〜115のうち、無線クライアント端末(STA)114は、ストリーミングメディアサーバ161にアクセスし、ストリーミングメディアデータの再生サービスの提供を受けているものとする。そして、本実施形態では、無線クライアント端末113、115がストリーミングメディアデータの再生サービスの提供を受けようとした場合の通信制御処理の流れについて説明する。
なお、無線クライアント端末(STA)113〜115は、通信リソース管理装置123に対して、利用帯域を要求する機能を有しているものとする。
図7は、無線通信ローカルネットワークシステム100における本実施形態の通信制御処理全体の流れを示すフローチャートである。また、図8は、通信リソース管理装置123における個別の処理の流れを示すフローチャートである。なお、設定制御装置122ならびに無線クライアント端末(STA)113〜115における処理の流れは、基本的に、上記第1の実施形態と同様であるため、ここでは図面を用いての説明は省略する。
はじめに、無線アクセスポイント111では、ストリーミングメディアデータの再生サービスの提供を受ける無線クライアント端末113、115より、再生サービスの提供を受けるために必要なリソース量を算出するための情報(TSPEC)を入手する。
このために、無線アクセスポイント111では、メッセージシーケンスを起動し、無線クライアント端末(STA)113、115に対して、TSPECを送信する旨の指示を送信する(図7の701)。
無線クライアント端末113、115では、通信リソース管理装置123に対してTSPECを送信し、ストリーミングメディアデータの再生サービスの提供を受けるために必要なリソース量の確保を要求する通信セッション設定要求を行う(図7の702)。
通信リソース管理装置123では、無線クライアント端末(STA)113、115から送信された通信セッション設定要求により、必要なリソース量を認識する(図8のステップS801)。
尚、本実施形態では、これらの処理に利用するプロトコルとして、UPnP(登録商標)規定のUPnP AV、UPnP QoSを想定しているが、他のプロトコルを利用してもよい。なお、UPnPとは、Universal Plug and Playの略称である。
無線クライアント端末(STA)113、115がストリーミングメディアデータの再生サービスの提供を受けるのに必要なリソース量を認識した通信リソース管理装置123では、ディスカバリ処理を起動する(図8のステップS802)。通信リソース管理装置123では当該ディスカバリ処理により、無線通信ローカルネットワークシステム100を構成する各機器の通信リソース情報を収集する。
なお、本実施形態においては、設定制御装置122、無線アクセスポイント111、112、無線クライアント端末113〜115が、ディスカバリ処理に対応しているものとする。このため、各機器の通信リソース情報を収集するための情報要求信号(図7の703)は、設定制御装置122、無線アクセスポイント111、112、無線クライアント端末113〜115に送信される。
情報要求信号(図7の703)を受信した設定制御装置122、無線アクセスポイント111、112等では、これに応じて通信リソース情報を送信すべく、応答信号(図7の704〜709)を返信する。
これにより、通信リソース管理装置123では、独立無線セルごとの通信リソース情報を収集することができる(図8のステップS803)。
尚、本実施形態ではディスカバリ処理に利用するプロトコルとして、UPnP(登録商標)規定のDiscovery Descriptionや、WINDOWS(登録商標) RALLY(登録商標)規定のLLTDを想定している。ただし、通信リソース情報を収集するための他のプロトコルを利用しても実現可能である。なお、UPnPとはUniversal Plug Playの略称であり、LLTDとは、Link Layer Discoveryの略称である。
通信リソース管理装置123では、収集した通信リソース情報に基づいて、ストリーミングメディアデータの再生サービスの提供を受けるのに必要なリソース量を、現在アソシエート中の独立無線セルにて提供可能であるかを判定する(ステップS804)。
提供可能であると判定された場合には、無線クライアント端末113、115からの通信セッション設定要求に対する応答信号(図7の718)として、通信セッションの設定に成功した旨の信号を送信する(図8のステップS812)。
この場合、無線アクセスポイント111と無線クライアント端末113、115との間で、通信セッション設定の準備が完了するため、ストリーミングメディアデータの通信が開始される(図7の719)。
一方、提供可能でないと判定された場合には、ステップS805に進み、収集した通信リソース情報より、無線LAN110内に通信リソースに余裕のある無線アクセスポイントの有無を判定する。
ステップS805において、通信リソースに余裕のある無線アクセスポイントがないと判定された場合には、ステップS811に進む。ステップS811では、無線クライアント端末113、115からの通信セッション設定要求に対する応答信号(図7の718)として、通信セッションの設定に失敗した旨の信号を送信する(図8のステップS811)。
一方、ステップS805において、通信リソースに余裕のある無線アクセスポイントがあると判定された場合には、ステップS806に進む。ステップS806では、当該余裕のある無線アクセスポイントが構築する独立無線セルを、切り替え先と認識する。そして、再生サービスの提供を受ける無線クライアント端末(STA)113、115のパラメータ情報を、切り替え先とされた独立無線セルを構築する無線アクセスポイント用に変更すべく、設定制御装置122に変更依頼指示(図7の711)を送信する。
本実施形態では、無線アクセスポイント112が通信リソースに余裕のある無線アクセスポイントと判定されるものとする。このため、無線アクセスポイント112が構築する独立無線セル110−2に、無線クライアント端末113、115が切り替えてアソシエートするように、設定制御装置122に対して変更依頼指示(図7の711)を送信する。
なお、通信リソース管理装置123が、設定制御装置122に対して変更依頼指示(図7の711)を送信するにあたっては、ストリーミングメディアデータの再生サービスを受けようとする無線クライアント端末113、115の識別情報を送信する。更に、切り替え先となる独立無線セル110−2を構築する無線アクセスポイント112の識別情報も併せて送信する。
尚、ここでは、無線クライアント端末及び無線アクセスポイントの識別情報として、MACアドレス、IPアドレス、UUID等を想定しているが、設定制御装置122において機器を特定できる情報であれば、特にこれに限定されるものではない。
変更依頼指示(図7の711)を受信した設定制御装置122では、切り替えてアソシエートすべき無線クライアント端末113、115の識別情報と、切り替え先となる独立無線セルを構築する無線アクセスポイント112の識別情報を認識する。
変更依頼指示を認識した設定制御装置122では、切り替え先の独立無線セルを構築する無線アクセスポイント112用のパラメータ情報を無線クライアント端末に設定する際に必要となる認証用PIN情報を入手する。
次に、設定制御装置122では、切り替えてアソシエートすべき無線クライアント端末113、115に対して、パラメータ情報設定モードへの移行を依頼するインバンド方式のメッセージ(図7の712、713)を送信する。また、あわせて、認証用PIN情報を送信する。
パラメータ情報設定モードへの移行を依頼するメッセージ(図7の712、713)を受信した無線クライアント端末113、115では、あわせて送信された認証用PIN情報を用いて、パラメータ情報設定モードへ移行する。
その後、設定制御装置122と無線クライアント端末113、115との間でWi−Fi Protected Setup(登録商標)を利用したパラメータ情報の設定処理(714〜716)が実施される。これにより、無線クライアント端末113、115において設定されているSSIDが「1」から「2」へと変更される。
尚、本実施形態ではパラメータ情報の設定プロトコルとして、Wi−Fi Protected Setup(登録商標)を利用することとするが、その他のインバンド方式のパラメータ設定処理を利用しても実現可能である。
切り替え先となる独立無線セル110−2への無線クライアント端末113、115によるアソシエートが成功したか否かを判定する。切り替え先となる独立無線セル110−2へのアソシエートに失敗したと判定された場合には、無線クライアント端末113、115に設定されたパラメータ情報をもとに戻し、切り替え前の独立無線セル110−1にアソシエートする。
一方、切り替え先となる独立無線セル110−2へのアソシエートに成功したと判定された場合には、切り替え処理を終了する。
設定制御装置122では、無線クライアント端末113、115による切り替え処理が終了したか否かを監視する。切り替え処理が終了したと判定された場合には、無線クライアント端末113、115に対するパラメータ情報の変更が完了した旨のメッセージ(図7の717)を通信リソース管理装置123に送信する。
通信リソース管理装置123では、無線クライアント端末113、115に対するパラメータ情報の変更が完了した旨のメッセージが、設定制御装置122より送信されたか否かを監視する(図8のステップS807)。通信リソース管理装置123において、当該メッセージを受信したと判定した場合には、ステップS808に進む。
ステップS808では、再度ディスカバリ処理を起動する。なお、ディスカバリ処理の詳細は、上述したので、ここでは説明を省略する。
ステップS809では、ディスカバリ処理の結果、各無線アクセスポイント111、112が構築する独立無線セルにアソシエート中の無線クライアント端末(STA)の識別情報を収集する。
ステップS810では、切り替えてアソシエートすべき無線クライアント端末114、115が、切り替え先となる独立無線セルにアソシエートされたか否かを判定する。
具体的には、無線クライアント端末113、115が現在アソシエートしている独立無線セルが、変更依頼指示を送信する前にアソシエートしていた独立無線セルと同じであるか否かを判定する。
同じであると判定された場合には、ステップS810において、当該無線クライアント端末が切り替えに失敗したと判断し、ステップS811に進む。
ステップS811では、無線クライアント端末113、115からの通信セッション設定要求に対する応答信号(図7の718)として、通信セッションの設定に失敗した旨(必要な通信リソースを確保できなかった旨)の信号を送信する。
一方、ステップS810において、異なると判定された場合には、当該無線クライアント端末が切り替えに成功したと判断し、通信セッション設定要求に対する応答信号(図7の718)として、通信セッションの設定に成功した旨の信号を送信する。
この場合、無線アクセスポイント111と無線クライアント端末113、115との間で通信セッションの準備が完了するため、ストリーミングメディアデータの通信が開始される(図7の719)。
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、無線クライアント端末が新たに通信サービスの提供を受ける場合に、サービスの提供を受けるのに必要なリソース量を考慮したうえで、必要に応じて他の独立無線セルに切り替えることが可能となる。
[第3の実施形態]
上記第2の実施形態では、無線クライアント端末が新たに通信サービスの提供を受けようとした場合に、リソース量を考慮した上で、必要に応じて他の独立無線セルに切り替えてアソシエートするケースについて説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、既に通信サービスの提供を受けている無線クライアント端末が、これを解除したことを契機として、必要に応じて他の独立無線セルに切り替えてアソシエートするようにしてもよい。
1.無線通信ローカルネットワークシステムの構成
本実施形態にかかる通信リソース管理装置が適用される無線通信ローカルネットワークシステムの構成は、上記第1の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
2.無線通信ローカルネットワークシステムにおける通信制御処理の流れ
無線通信ローカルネットワークシステム100における本実施形態の通信制御処理の流れについて説明する。
説明にあたり、無線クライアント端末(STA)113〜115は、無線アクセスポイント111が構築する独立無線セル110−1にアソシエートしているものとする。
また、独立無線セル110−1にアソシエートしている無線クライアント端末(STA)113〜115は、ストリーミングメディアサーバ161にアクセスし、ストリーミングメディアデータの再生サービスの提供を受けているものとする。
そして、本実施形態では、無線クライアント端末113、115がストリーミングメディアデータの再生サービスの享受を解除しようとした場合の通信制御処理の流れについて説明する。
なお、無線クライアント端末(STA)113〜115は、通信リソース管理装置123に対して、利用帯域解除を要求する機能を有しているものとする。
図9は、無線通信ローカルネットワークシステム100における本実施形態の通信制御処理全体の流れを示すフローチャートである。また、図10は、通信リソース管理装置123における個別の処理の流れを示すフローチャートである。なお、設定制御装置122ならびに無線クライアント端末(STA)113〜115における処理の流れは、基本的に、上記第1の実施形態と同様であるため、ここでは図面を用いての説明を省略する。
はじめに、再生サービスの提供(図9の901)を受けている無線クライアント端末113、115は、再生サービスの提供を受けるのに利用していた通信リソースの解除を要求するために、通信セッション解除要求(図9の902)を送信する。
尚、本実施形態では、通信セッション解除要求の送信に利用するプロトコルとして、UPnP(Universal Plug and Play)(登録商標)規定のUPnP QoSを想定しているが、他のプロトコルを利用してもよい。
ステップS1001(図10)では、通信リソース管理装置123が、無線クライアント端末113、115より通信セッション解除要求(図9の902)を受信する。これにより、通信リソース管理装置123では、無線クライアント端末113、115が再生サービスの提供を受けるにあたって利用していた通信リソースが解除されることを認識する。
通信リソースが解除されることを認識した通信リソース管理装置123では、無線通信ローカルネットワークシステム100を構成する各機器の通信リソース情報を収集するために、ディスカバリ処理(910)を起動する(図10のステップS1002)。
なお、本実施形態においては、設定制御装置122、無線アクセスポイント111、112、無線クライアント端末113〜115が、ディスカバリ処理に対応しているものとする。このため、各機器の通信リソース情報を収集するための情報要求信号(図9の903)は、設定制御装置122、無線アクセスポイント111、112、無線クライアント端末113〜115に送信される。
情報要求信号(図9の903)を受信した設定制御装置122、無線アクセスポイント111、112では、これに応じて通信リソース情報を送信すべく、応答信号(図9の904〜909)を返信する。
これにより、通信リソース管理装置123では、独立無線セルごとの通信リソース情報を収集することができる(図10のステップS1003)。
尚、本実施形態ではディスカバリ処理に利用するプロトコルとして、UPnP(登録商標)規定のDiscoveryやDescription、あるいはWINDOWS(登録商標) RALLY(登録商標)規定のLLTDを想定している。ただし、通信リソース情報を収集するにあたっては他のプロトコルを利用してもよい。
通信リソース管理装置123では、収集した通信リソース情報に基づいて、独立無線セルに対する現在のアソシエーションの状態を維持することが、システム全体の通信リソースのバランス上妥当であるかを判定する(図10のステップS1004)。
ステップS1004において、妥当であると判断した場合には、現在アソシエートしている独立無線セルへのアソシエーションの状態を維持することとする。
一方、ステップS1004にて、妥当でないと判断した場合には、通信リソースのバランスを改善すべく、無線LAN110内に、通信リソースに余裕のある無線アクセスポイントがないかを判定する(図10のステップS1005)。
ステップS1005において、通信リソースに余裕の或る無線アクセスポイントがないと判定された場合には、処理を終了する。
一方、ステップS1005において、通信リソースに余裕の或る無線アクセスポイントがあると判定された場合には、当該無線アクセスポイントが構築する独立無線セルを切り替え先として認識する。そして、再生サービスの享受を解除する無線クライアント端末113、115のパラメータ情報を、切り替え先として認識された独立無線セルを構築する無線アクセスポイント用に変更すべく、設定制御装置122に変更依頼指示(図9の911)を送信する。
本実施形態では、無線アクセスポイント112が通信リソースに余裕のある無線アクセスポイントと判定されるものとする。このため、無線クライアント端末113、115が、切り替え先となる独立無線セル110−2に切り替えてアソシエートするように、設定制御装置122に対して変更依頼指示(図9の911)を送信する。
なお、通信リソース管理装置123が、設定制御装置122に対して変更依頼指示(図9の911)を送信するにあたっては、ストリーミングメディアデータの再生サービスの享受を解除しようとする無線クライアント端末113、115の識別情報を送信する。更に、切り替えて先となる独立無線セルを構築する無線アクセスポイント112の識別情報をあわせて送信する。
尚、ここでは、無線クライアント端末及び無線アクセスポイントの識別情報として、MACアドレス、IPアドレス、UUID等を想定しているが、設定制御装置122において機器を特定できる情報であれば、特にこれに限定されるものではない。
変更依頼指示(図9の911)を受信した設定制御装置122では、切り替えてアソシエートする無線クライアント端末113、115の識別情報と、切り替え先となる独立無線セルを構築する無線アクセスポイント112の識別情報を認識する。
変更依頼指示を認識した設定制御装置122では、切り替え先となる独立無線セルを構築する無線アクセスポイント112用のパラメータ情報を無線クライアント端末に設定する際に必要となる認証用PIN情報を入手する。
次に、設定制御装置122では、切り替えてアソシエートすべき無線クライアント端末113、115に対して、パラメータ情報設定モードへの移行を依頼するインバンド方式のメッセージ(図9の912、913)を送信する。また、あわせて、認証用PIN情報を送信する。
パラメータ情報設定モードへの移行を依頼するメッセージ(図9の912、913)を受信した無線クライアント端末113、115では、あわせて送信された認証用PIN情報を用いて、パラメータ情報設定モードへ移行する。
その後、設定制御装置122と無線クライアント端末113、115との間でWi−Fi Protected Setup(登録商標)を利用したパラメータ情報の設定処理(914〜916)が実施される。これにより、無線クライアント端末113、115において設定されているSSIDが「1」から「2」へと変更される。
尚、本実施形態ではパラメータ情報の設定プロトコルとして、Wi−Fi Protected Setup(登録商標)を利用することとするが、その他のインバンド方式のパラメータ設定処理を利用しても実現可能である。
切り替え先となる独立無線セル110−2への無線クライアント端末113、115によるアソシエートが成功したか否かを判定する。切り替え先となる独立無線セル110−2への無線アクセスポイント112へのアソシエートに失敗したと判定された場合には、パラメータ情報をもとに戻し、切り替え前の独立無線セルにアソシエートする。
一方、切り替え先となる独立無線セルへのアソシエートに成功したと判定された場合には、切り替え処理を終了する。
設定制御装置122では、無線クライアント端末113、115による切り替え処理が終了したか否かを監視する。切り替え処理が終了したと判定された場合には、無線クライアント端末113、115に対するパラメータ情報の変更が完了した旨のメッセージ(図9の917)を通信リソース管理装置123に送信する。
通信リソース管理装置123では、無線クライアント端末113、115に対するパラメータ情報の変更が完了した旨のメッセージが、設定制御装置122より送信されたか否かを監視する(図10のステップS1007)。
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、通信サービスの提供を受けている無線クライアント端末が、これを解除したことを契機として、無線通信ローカルネットワークシステム内の通信リソースのバランスを見直す構成とした。この結果、必要に応じて無線クライアント端末がアソシエートしている独立無線セルを切り替えることが可能となり、これにより、無線通信ローカルネットワークシステム内の通信リソースを、最適に配分させることが可能となった。
[第4の実施形態]
上記第1乃至第3の実施形態では、図1に示す無線通信ローカルネットワークシステムを前提とした通信制御処理について説明した。しかしながら、本発明にかかる通信制御装置が適用可能なシステムはこれに限定されない。
そこで、以下では、図11に示す無線通信ローカルネットワークシステムにおける通信制御処理について説明する。
1.無線通信ローカルネットワークシステムの構成
図11は、本発明の一実施形態にかかる通信リソース管理装置(通信制御装置)を備える無線通信ローカルネットワークシステム1100の構成を示す図である。
図11に示すように、無線通信ローカルネットワークシステム1100は、IEEE802.11系無線LAN1110と有線LAN1120とによって構成される。
無線LAN1110は、独立無線セル1110−2(SSID=2)を構築する無線アクセスポイント(AP)1112と、独立無線セル1110−1(SSID=1)を構築する無線デュアル端末(STA/AP)1111とを備える。なお、無線デュアル端末(STA/AP)1111は、無線アクセスポイントとしての機能と、無線クライアント端末としての機能とを有しているものとする。
1113、1114は、ストリーミングメディアデータの再生機能を備える無線クライアント端末(STA)である。なお、無線クライアント端末(STA)1113は、独立無線セル1110−2の範囲内に位置し、無線クライアント端末(STA)1114は、独立無線セル1110−1と1110−2とがオーバラップする範囲内に位置しているものとする。
有線LAN用のスイッチ121には、無線アクセスポイント1112が接続されている。また、各独立無線セルの範囲内に位置する各無線クライアント端末(STA)1113、1114にパラメータ情報を設定する設定制御装置1122が接続されている。更に、無線LAN1110を構成する各機器(1111〜1114)と通信することで、各機器の通信リソースを管理する通信リソース管理装置1123が接続されている。
有線LAN用のスイッチ121は、ゲートウェイルータ131を介してインタネット141に接続されている。インタネット141には、更に、ゲートウェイルータ151を介してストリーミングメディアサーバ161が接続されている。これにより、無線クライアント端末(STA)1113、1114は、ストリーミングメディアサーバ161にアクセスすることが可能となっている。
2.無線通信ローカルネットワークシステムにおける通信制御処理の流れ
無線通信ローカルネットワークシステム1100における通信制御処理の流れについて説明する。説明にあたり、無線クライアント端末(STA)1113、1114及び無線デュアル端末(STA/AP)1111は、無線アクセスポイント1112が構築する独立無線セル1110−2にアソシエートしているものとする。
また、このうち、無線クライアント端末(STA)1113は、ストリーミングメディアサーバ161にアクセスし、ストリーミングメディアデータの再生サービスの提供を受けているものとする。そして、以下では、無線クライアント端末1114がストリーミングメディアデータの再生サービスの提供を受けようとした場合の通信制御処理の流れについて説明する。
図12は、無線通信ローカルネットワークシステム1100における通信制御処理全体の流れを示すフローチャートである。また、図13は、通信リソース管理装置1123における個別の処理の流れを示すフローチャートである。なお、設定制御装置1122ならびに無線クライアント端末(STA)1113、1114における処理の流れは、基本的に上記第2の実施形態と同様であるため、ここでは図面を用いての説明を省略する。
はじめに、無線アクセスポイント1112では、ストリーミングメディアデータの再生サービスの提供を受ける無線クライアント端末1114より、再生サービスの提供を受けるにあたり必要となるリソース量を算出するための情報(TSPEC)を入手する。
このために、無線アクセスポイント1112では、メッセージシーケンスを起動し、無線クライアント端末1114に対して、TSPECを送信する旨の指示を送信する(図12の1201)。
無線クライアント端末(STA)1114では、通信リソース管理装置1123に対してTSPECを送信する。そして、ストリーミングデータの再生サービスの提供を受けるために必要なリソース量の確保を要求する通信セッション設定要求を行う(図12の1202)。
通信リソース管理装置1123では、無線クライアント端末1114から送信された通信セッション設定要求により、必要なリソース量を認識する(図13のステップS1301)。
尚、本実施形態では、これらの処理に利用するプロトコルとして、UPnP(登録商標)規定のUPnP AV、UPnP QoSを想定しているが、他のプロトコルを利用してもよい。
無線クライアント端末1114がストリーミングメディアデータの再生サービスの提供を受けるのに必要なリソース量を認識した通信リソース管理装置1123では、ディスカバリ処理(図12の1209)を起動する(図13のステップS1302)。通信リソース管理装置1123では当該ディスカバリ処理により、無線通信ローカルネットワークシステム1100を構成する各機器の通信リソース情報を収集する。
なお、本実施形態においては、設定制御装置1122、無線アクセスポイント1112、無線クライアント端末1113、1114、無線デュアル端末1111が、ディスカバリ処理に対応しているものとする。このため、各機器の通信リソース情報を収集するための情報要求信号(図12の1203)は、設定制御装置122、無線アクセスポイント1112、無線クライアント端末1113、1114、無線デュアル端末1111に送信される。
情報要求信号(図12の1203)を受信した設定制御装置1122、無線アクセスポイント1112等では、これに応じて通信リソース情報を送信すべく、応答信号(図12の1204〜1208)を返信する。
これにより、通信リソース管理装置1123では、独立無線セルごとの通信リソース情報を収集することができる(図13のステップS1303)。
尚、本実施形態ではディスカバリ処理に利用するプロトコルとして、UPnP(登録商標)規定のDiscoveryやDescription、あるいはWINDOWS(登録商標) RALLY(登録商標)規定のLLTDを想定している。ただし、通信リソース情報を収集するための他のプロトコルを利用してもよい。
通信リソース管理装置1123では、収集した通信リソース情報に基づいて、ストリーミングメディアデータの再生サービスの提供を受けるのに必要なリソース量を、現在アソシエート中の独立無線セルにて提供可能であるかを判定する(ステップS1304)。
提供可能であると判定された場合には、無線クライアント端末1114の通信セッション設定要求に対する応答信号(図12の1217)として、通信セッションの設定に成功した旨の信号を送信する(図13のステップS1312)。
この場合、無線アクセスポイント1112と無線クライアント端末1114との間で通信セッション設定の準備が完了するため、ストリーミングメディアデータの通信が開始される(図12の1218)。
一方、提供可能でないと判定された場合には、ステップS1305に進み、収集した通信リソース情報より、無線デュアル端末1111が含まれているか否かを判定する(図13のステップS1305)。
無線デュアル端末が含まれていないと判定された場合には、ステップS1311に進む。ステップS1311では、通信セッション設定要求に対する応答信号(図12の1217)として、通信セッションの設定に失敗した旨の信号を送信する(図13のステップS1311)。
一方、ステップS1305において、無線デュアル端末が含まれていると判定された場合には、当該無線デュアル端末が一時的に構築する独立無線セルを切り替え先として認識する。
そして、再生サービスの提供を受けようとする無線クライアント端末(STA)1114のパラメータ情報を、切り替え先として認識された独立無線セルを構築する無線デュアル端末用のパラメータ情報に変更するための処理を行う。また、無線クライアント端末として機能している無線デュアル端末を、無線アクセスポイントとして機能させるための処理を行う。具体的には、設定制御装置122にこれらの変更依頼指示(図12の1210)を送信する。
図11の例では、無線デュアル端末1111が含まれるため、当該無線デュアル端末1111が構築する独立無線セルを切り替え先として認識する。このため、無線デュアル端末1111を無線アクセスポイントとして機能させ、かつ当該無線デュアル端末1111が構築する独立無線セルに、無線クライアント端末1114が、切り替えてアソシエートするように処理する。具体的には、設定制御装置122に対してパラメータ情報の変更依頼指示(図12の1210)を送信する。
なお、通信リソース管理装置1123が、設定制御装置122に対して変更依頼指示(図12の1210)を送信するにあたっては、ストリーミングメディアデータの再生サービスの提供を受けようとする無線クライアント端末1114の識別情報を送信する。また、切り替え先となる独立無線セルを構築する無線デュアル端末1111の識別情報も併せて送信する。
尚、ここでは、無線クライアント端末及び無線デュアル端末の識別情報として、MACアドレス、IPアドレス、UUID等を想定しているが、設定制御装置1122において機器を特定できる情報であれば、特にこれに限定されるものではない。
変更依頼指示(図12の1210)を受信した設定制御装置1122では、切り替えてアソシエートすべき無線クライアント端末1114の識別情報と、切り替え先となる独立無線セルを構築する無線デュアル端末1111の識別情報を認識する。
変更依頼指示を認識した設定制御装置122では、切り替え先となる独立無線セルを構築する無線デュアル端末1111用のパラメータ情報を無線クライアント端末1114に設定する際に必要となる認証用PIN情報を入手する。
次に、設定制御装置1122では、切り替えてアソシエートすべき無線クライアント端末1114に対して、パラメータ情報設定モードへの移行を依頼するインバンド方式のメッセージ(図12の1211、1212)を送信する。また、あわせて、認証用PIN情報を送信する。
パラメータ情報設定モードへの移行を依頼するメッセージ(図12の1211、1212)を受信した無線クライアント端末1114及び無線デュアル端末1111では、あわせて送信された認証用PIN情報を用いて、パラメータ情報設定モードへ移行する。
その後、設定制御装置1122と無線クライアント端末1114及び無線デュアル端末1111との間でWi−Fi Protected Setup(登録商標)を利用したパラメータ情報の設定処理(1213〜1215)が実施される。これにより、無線デュアル端末1111が無線クライアント端末として機能する動作モードから、無線アクセスポイントとして機能する動作モードへと変更される。更に、無線クライアント端末1114において設定されているSSIDが「2」から「1」へと変更される。
尚、本実施形態ではパラメータ情報の設定プロトコルとして、Wi−Fi Protected Setup(登録商標)を利用することとするが、その他のインバンド方式のパラメータ設定処理を利用しても実現可能である。
無線デュアル端末1111が構築する独立無線セルへの無線クライアント端末1114によるアソシエートが成功したか否かを判定する。無線デュアル端末1111が構築する独立無線セルへのアソシエートに失敗したと判定された場合には、パラメータ情報をもとに戻し、切り替え前の独立無線セルにアソシエートする。
一方、無線デュアル端末1111が構築する独立無線セルへのアソシエートに成功したと判定された場合には、切り替え処理を終了する。
設定制御装置1122では、無線クライアント端末1114による切り替え処理が終了したか否かを監視する。切り替え処理が終了したと判定された場合には、無線クライアント端末1114に対するパラメータ情報の変更が完了した旨のメッセージ(図12の1216)を通信リソース管理装置1123に送信する。
通信リソース管理装置1123では、無線クライアント端末1114に対するパラメータ情報の変更が完了した旨のメッセージが、設定制御装置1122より送信されたか否かを監視する(図13のステップS1307)。通信リソース管理装置1123において、当該メッセージを受信したと判定した場合には、ステップS1308に進む。
ステップS1308では、再度ディスカバリ処理を起動する。なお、ディスカバリ処理の詳細は、上述したので、ここでは説明を省略する。
ステップS1309では、ディスカバリ処理の結果、各無線アクセスポイント1112が構築する独立無線セルにアソシエート中の無線クライアント端末(STA)の識別情報を収集する。
ステップS1310では、切り替えてアソシエートすべき無線クライアント端末1114が、切り替え先となる独立無線セル1110−1にアソシエートされたか否かを判定する。
具体的には、無線クライアント端末1114が現在アソシエートしている独立無線セルが、変更依頼指示を送信する前にアソシエートしていた独立無線セルと同じであるか否かを判定する。
同じであると判定された場合には、ステップS1310において、当該無線クライアント端末が切り替えに失敗したと判断し、ステップS1311に進む。
ステップS1311では、無線クライアント端末1114からの通信セッション設定要求に対する応答信号(1317)として、通信セッションの設定に失敗した旨(必要な通信リソースを確保できなかった旨)の信号を送信する。
一方、異なると判定された場合には、ステップS1310において当該無線クライアント端末1114が切り替えに成功したと判断する。そして、通信セッション設定要求に対する応答信号(図13の1317)として、通信セッションの設定に成功した旨の信号を送信する。
この結果、無線クライアント端末1114では、ストリーミングメディアデータの再生サービスの提供を受けることが可能となる(図12の1218)。
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、無線クライアント端末が新たに通信サービスの提供を受ける際に、サービスの提供を受けるのに必要なリソース量を考慮した上で、必要に応じて予め他の独立無線セルに切り替えることが可能となる。
また、本実施形態によれば、システム内に無線デュアル端末が含まれている場合に、切り替え先として当該無線デュアル端末により一時的に生成される独立無線セルも含めて切り替えを行うことが可能となる。
[第5の実施形態]
上記第4の実施形態では、無線クライアント端末が新たに通信サービスの提供を受けようとした場合に、リソース量を考慮した上で、必要に応じて他の独立無線セルに切り替えてアソシエートするケースについて説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、既に通信サービスの提供を受けている無線クライアント端末が、これを解除したことを契機として、必要に応じて他の独立無線セルに切り替えてアソシエートするようにしてもよい。
1.無線通信ローカルネットワークシステムの構成
本実施形態にかかる通信リソース管理装置が適用される無線通信ローカルネットワークシステムの構成は、上記第4の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
2.無線通信ローカルネットワークシステムにおける通信制御処理の流れ
無線通信ローカルネットワークシステム1100における本実施形態の通信制御処理の流れについて説明する。
説明にあたり、無線クライアント端末(STA)1113は、無線アクセスポイント1112が構築する独立無線セル1110−2にアソシエートしているものとする。また、無線デュアル端末(STA/AP)1111は、無線アクセスポイントとして機能し、当該無線デュアル端末1111が構築する独立無線セル1110−1に無線クライアント端末1114がアソシエートしているものとする。
また、独立無線セル1110−1にアソシエートしている無線クライアント端末(STA)1114は、ストリーミングメディアサーバ161にアクセスし、ストリーミングメディアデータの再生サービスの提供を受けているものとする。
そして、本実施形態では、無線クライアント端末1114がストリーミングデータの再生サービスの享受を解除しようとした場合の通信制御処理の流れについて説明する。
なお、無線クライアント端末(STA)1113、1114及び無線デュアル端末1111は、通信リソース管理装置1123に対して、利用帯域解除を要求する機能を有しているものとする。
図14は、無線通信ローカルネットワークシステム1100における本実施形態の通信制御処理全体の流れを示すフローチャートである。また、図15は、通信リソース管理装置1123における個別の処理の流れを示すフローチャートである。なお、設定制御装置122ならびに無線クライアント端末(STA)1114における処理の流れは、基本的に、上記第4の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
はじめに、再生サービスの提供(図14の1401)を受けている無線クライアント端末1114では、再生サービスの提供を受けるのに利用していた通信リソースの解除を要求するために、通信セッション解除要求(図14の1402)を送信する。
尚、本実施形態では、通信セッション解除要求の送信に利用するプロトコルとして、UPnP(Universal Plug and Play)(登録商標)規定のUPnP QoSを想定しているが、他のプロトコルを利用してもよい。
ステップS1501(図15)では、通信リソース管理装置1123が、無線クライアント端末1114より、通信セッション解除要求(図14の1402)を受信する。これにより、通信リソース管理装置1123では、無線クライアント端末1114が再生サービスの提供を受けるにあたって利用していたた通信リソースが解除されることを認識する。
通信リソースが解除されることを認識した通信リソース管理装置1123では、無線通信ローカルネットワークシステム1100を構成する各機器の通信リソース情報を収集するために、ディスカバリ処理を起動する(図15のステップS1502)。
なお、本実施形態においては、設定制御装置1122、無線アクセスポイント1112、無線クライアント端末1113、1114及び無線デュアル端末1111が、ディスカバリ処理に対応しているものとする。このため、各機器の通信リソース情報を収集するための情報要求信号(図14の1403)は、設定制御装置1122、無線アクセスポイント1112、無線デュアル端末1111、無線クライアント端末1113、1114に送信される。
情報要求信号(図14の1403)を受信した設定制御装置1122、無線アクセスポイント1112、無線デュアル端末1111等では、これに応じて通信リソース情報を送信すべく、応答信号(図14の1404〜1409)を返信する。
これにより、通信リソース管理装置1123では、独立無線セルごとの通信リソース情報を収集することができる(図15のステップS1503)。
尚、本実施形態ではディスカバリ処理に利用するプロトコルとして、UPnP(登録商標)規定のDiscoveryやDescription、あるいはWINDOWS(登録商標) RALLY(登録商標)規定のLLTDを想定している。ただし、通信リソース情報を収集するにあたっては他のプロトコルを利用してもよい。
通信リソース管理装置1123では、収集した通信リソース情報に基づいて、独立無線セルに対する現在のアソシエーション状態を維持することが、システム全体の通信リソースのバランス上妥当であるか否かを判定する(図14のステップS1404)。
ステップS1404において、妥当であると判断した場合には、現在アソシエートしている独立無線セルへのアソシエーションの状態を維持することとする。
一方、ステップS1404において、妥当でないと判断した場合には、通信リソースのバランスを改善すべく、無線LAN1110内に、通信リソースに余裕のある無線アクセスポイントがないかを判定する(図15のステップS1505)。
ステップS1505において、通信リソースに余裕の或る無線アクセスポイントがないと判定された場合には、処理を終了する。
一方、ステップS1505において、通信リソースに余裕の或る無線アクセスポイントがあると判定された場合には、当該無線アクセスポイントが構築する独立無線セルを切り替え先として認識する。
そして、再生サービスの享受を解除しようとした無線クライアント端末(STA)1114のパラメータ情報を、切り替え先として認識された独立無線セルを構築する無線アクセスポイント用のパラメータ情報に変更するための処理を行う。更に、切り替え前にアソシエートしていた独立無線セルを構築する無線アクセスポイントとして機能していた無線デュアル端末1111を、無線クライアント端末として機能させるための処理を行う。具体的には、設定制御装置122にこれらの変更依頼指示(図14の1410)を送信する。
図11の例では、無線アクセスポイント1112が通信リソースに余裕のある無線アクセスポイントと判定されるものとする。このため、無線クライアント端末1114を、無線アクセスポイント1112が構築する独立無線セルに切り替えてアソシエートするように、また、無線デュアル端末1111を無線クライアント端末として機能させるように処理を行う。具体的には、設定制御装置122に対してこれらの変更依頼指示(図14の1410)を送信する。
なお、通信リソース管理装置1123が、設定制御装置122に対して変更依頼指示(図14の1410)を送信するにあたっては、再生サービスの享受を解除しようとする無線クライアント端末1114の識別情報を送信する。また、切り替え先となる独立無線セル1110−2を構築する無線アクセスポイント1112の識別情報をあわせて送信する。
尚、ここでは、無線クライアント端末及び無線アクセスポイントの識別情報として、MACアドレス、IPアドレス、UUID等を想定しているが、設定制御装置1122において機器を特定できる情報であれば、特にこれに限定されるものではない。
変更依頼指示(図14の1410)を受信した設定制御装置1122では、切り替えてアソシエートすべき無線クライアント端末1114の識別情報と、切り替え先となる独立無線セルを構築する無線アクセスポイント1112の識別情報を認識する。
変更依頼指示を認識した設定制御装置122では、切り替え先となる独立無線セルを構築する無線アクセスポイント1112用のパラメータ情報を無線クライアント端末に設定する際に必要となる認証用PIN情報を入手する。
次に、設定制御装置122では、切り替えてアソシエートすべき無線クライアント端末1114に対して、パラメータ情報設定モードへの移行を依頼するインバンド方式のメッセージ(図14の1413、1414)を送信する。また、無線クライアント端末として機能するように動作モードを変更する無線デュアル端末1111に対して、パラメータ情報設定モードへの移行を依頼するインバンド方式のメッセージ(図14の1413、1414)を送信する。また、あわせて、認証用PIN情報を送信する。
パラメータ情報設定モードへの移行を依頼するメッセージ(図14の1413、1414)を受信した無線クライアント端末1114及び無線デュアル端末1111では、あわせて送信された認証用PIN情報を用いて、パラメータ情報設定モードへ移行する。
その後、設定制御装置122と無線クライアント端末1114及び無線デュアル端末1111との間でWi−Fi Protected Setup(登録商標)を利用したパラメータ情報の設定処理(1413〜1415)が実施される。これにより、無線クライアント端末1114において設定されているSSIDが「1」から「2」へと変更される。また、無線デュアル端末1111が、無線アクセスポイントとして機能する動作モードから、無線クライアント端末として機能する動作モードへと変更される。
尚、本実施形態ではパラメータ情報の設定プロトコルとして、Wi−Fi Protected Setup(登録商標)を利用することとするが、その他のインバンド方式のパラメータ設定処理を利用しても実現可能である。
無線アクセスポイント1112が構築する独立無線セル1110−2への無線クライアント端末1114及び無線デュアル端末1111によるアソシエートが成功したか否かを判定する。無線アクセスポイント1112が構築する独立無線セル1110−2へのアソシエートに失敗したと判定された場合には、パラメータ情報をもとに戻す。これにより、無線デュアル端末1111は無線アクセスポイントとして機能すると共に、無線クライアント端末1114は、該無線デュアル端末1111が構築する、切り替え前の独立無線セル1110−1にアソシエートする。
一方、無線アクセスポイント1112へのアソシエートに成功したと判定された場合には、切り替え処理を終了する。
設定制御装置122では、無線クライアント端末1114及び無線デュアル端末1111による切り替え処理が終了したか否かを監視する。切り替え処理が終了したと判定された場合には、無線クライアント端末1114及び無線デュアル端末1111に対するパラメータ情報の変更が完了した旨のメッセージ(図14の1416)を通信リソース管理装置1123に送信する。
通信リソース管理装置1123では、無線クライアント端末1114及び無線デュアル端末1111に対するパラメータ情報の変更が完了した旨のメッセージが、設定制御装置1122より送信されたか否かを監視する(図14のステップS1407)。
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、通信サービスの提供を受けている無線クライアント端末が、これを解除したことを契機として、無線通信ローカルネットワークシステム内の通信リソースのバランスを見直す構成とした。この結果、必要に応じて無線クライアント端末がアソシエートしている独立無線セルを切り替えることが可能となり、これにより無線通信ローカルネットワークシステム内の通信リソースが、最適に配分させることが可能となった。
また、本実施形態によれば、無線デュアル端末が一時的に独立無線セルを構築していた場合に、当該独立無線セルにアソシエートしていた無線クライアント端末が通信サービスの享受の解除したことを契機として、これを終了させることが可能となる。
[他の実施形態]
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体を、システムあるいは装置に供給するよう構成することによっても達成されることはいうまでもない。この場合、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することにより、上記機能が実現されることとなる。なお、この場合、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピ(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現される場合に限られない。例えば、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記録媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。つまり、プログラムコードがメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって実現される場合も含まれる。