JP5129449B2 - セキュリティ集積回路 - Google Patents

Description

本発明は、受信した送信信号、特にテレビジョンのようなブロードキャスト信号を処理するための集積回路に関する。

許可された受信者だけがオリジナルの信号を取り出せるようにするための何らかの方法でブロードキャスト信号が符号化されるか、スクランブルをかけられるか、又は暗号化されるブロードキャスト送信のための広範囲な技術が公知である。この方面で研究されてきた１つの特定の分野は、ブロードキャストテレビジョンである。
認可又は許可された受信者だけがテレビジョン信号から鮮明なテレビジョン画像を生成することができるテレビジョン信号のブロードキャストは、「条件付きアクセステレビジョン」又は「ペイ−ＴＶ」として公知である。この関連では、ブロードキャストは、オーバーエア、衛星経由、ケーブル、又は実際に同じ信号コンテンツが多くの受信者に送られるあらゆる適切な配信媒体を含むことができる。テレビジョン信号は、アナログ信号又はデジタル信号とすることができる。「スクランブルをかける」という用語は、「スクランブルが解かれる」までアナログ信号を使用できなくする処理のために使用されることが多く、それに対して「暗号化」及び「解読」という用語は、デジタル信号のためにより多く使用される。どちらの場合も、目的は、加入費を支払ったユーザが信号のスクランブルを解く／信号を解読することを可能にするだけである。復号器及び復号化という用語は、本明細書ではアナログ及びデジタル装置及び処理の両方を含むように使用されることになる。

受信した信号を処理するための公知のシステム及び受信機は、図１に示されているＥＰ０，４２８，２５２で説明される。このシステムにおける概念は、誰にでも受信されるが、「セットトップボックス」復号器２及び関連するスマートカード２２を有する受信者によってのみ使用可能にすることができる信号を空中で（衛星により）ブロードキャストすることである。全ての受信者の復号器２は同一であるが、スマートカード２２は、ユーザが視聴を許されるのはブロードキャスト信号内のどのチャンネルかを指定する、資格を含む固有の秘密を含んでいる。システムは、概略以下のように作動する。

テレビジョン信号は、スクランブルをかけた形式で空気を通じてブロードキャストされ、テレビジョン信号のスクランブルを解く方法を説明する制御データのストリームを含む。テレビジョン信号及び制御データは、必ず、全てのユーザに送られる同じ信号である。固有にスクランブルをかけた／暗号化された信号を各受信者に送ることは、数千万のユーザがいる場合があり、数千万倍も帯域幅を必要とすると考えられるので実現不可能である。従って、全ての受信者は、同じスクランブル解除／解読処理を作動させることができなければならない。これは、受信機１２からブロードキャストされた信号を受信する復号器２で実行される。データ復調器１４は、映像及び／又は音声のための信号の部分を抽出し、これをスクランブル解除のためのスクランブル解除器１６に供給する。制御データ部分が抽出されて、回線１５上で検証器２０に供給される。制御データは、映像／音声信号のスクランブルを解く方法をスクランブル解除器に命令するのに必要な暗号化された制御ワードを含む。制御ワードは、従って、解読されるべきであり、スマートカード２２が設けられるのは、この目的のためである。

検証器２０は、暗号化された制御ワードをインタフェースを通じて回線２１に沿ってスマートカード２２に供給する。スマートカード２２は、ユーザが選択したチャンネルを視聴する資格を与えられた場合、制御ワードを解読して回線２３を通じて検証器２０にそれらを供給するアルゴリズムを含んでいる。検証器は、解読された制御ワードをＰＲＢＳ１８に通し、それは、次に、スクランブル解除コードをスクランブル解除器に供給する。制御ワード及び従ってスクランブル解除コードは、頻繁に（数秒毎に）変わる点に注意すべきである。この構成でのセキュリティは、従って、スマートカードアルゴリズムなしにリアルタイムで制御ワードを解読しようとすることは実現不可能であるということである。また、スマートカードアルゴリズムが損なわれた場合、スマートカード自体を全ての加入者に対して再発行することができる。最後に、いずれかのチャンネルを見るためには、ユーザは、空気を通じてブロードキャストされ、各ユーザに固有にアドレス指定され、かつスマートカード２２に記憶された「資格」に対して代金を支払わなければならない。

第２の公開されたシステムは、１９８２年７月のリーディング大学での「ビデオ革命会議」で与えられた論文「ペイ−ＴＶのためのセキュリティ及びアドレス可能度」に開示されている。このシステムでは、復号器に記憶された各加入者の固有のユニットキーを使用して、毎月のキーを各加入者にブロードキャストすることが提案されている。次に、システムの全ユーザに共通であるその毎月のキーを使用して、所定のテレビジョンプログラムを解読するためのプログラムキーを解読する。

ＥＰ０，４２８，２５２ 論文「ペイ−ＴＶのためのセキュリティ及びアドレス可能度」、ビデオ革命会議、リーディング大学、１９８２年７月

本発明者は、公知の条件付きアクセスブロードキャスト技術に関わるセキュリティ問題を認めている。この既存のスマートカード手法では、「セットトップボックス」を購入し、何らかの不正な方法で修正されたスマートカードを挿入することによって不正に使用することができるであろう。
本発明者は、従って、半導体集積回路、特に「セットトップボックス」で使用されるものの不正な使用を防ぐ機構に対する必要性を認めている。

本発明は、参照されるべき特許請求の範囲に規定されている。
本発明の好ましい実施形態は、「セットトップボックス」のようなコンテンツデコーダをサービスプロバイダによってイネーブルにされるまで使用不能か又は部分的にのみ使用可能なある一定の状態で販売することができるという利点を有する。
本発明の実施形態の全ては、半導体集積回路の何らかの機能生がセキュアメッセージによって許可されるか又は却下されるという共通の概念を共有する。これによって、コンテンツデコーダのような装置は、受信したセキュアメッセージによってイネーブルにされるまで、ある意味で完全な又は単に部分的な機能性を選択的に有することができる。「イネーブルにされる」という用語は、回路の何らかのハードウエア機能が、何らかの形式のハードウエアスイッチによって作動が許可されるまで制限されるという意味で使用される。これは、サービスへのアクセスが秘密キーの入力によって許可される公知の装置とは対照的であるとすることができる。この概念は、本発明の実施形態と共に使用される場合もあるが、このような公知の装置が符号化されたデータコンテンツへのアクセスを許可するか又は却下するのに対して、本発明の実施形態がハードウエア機能へのアクセスを許可し、却下し、又は制限する点で異なっている。

また、本発明の実施形態を使用すると、新しいビジネスモデルの作成も可能になる。音声−映像復号器のような装置は、コンテンツプロバイダによって補助された価格で販売することができるが、装置は、サービスプロバイダからの秘密メッセージの提供によってイネーブルにされるまで部分的にのみ使用可能である場合がある。復号器の更に別の機能へのアクセスを取得するために、ユーザは、サービスプロバイダに加入費を支払うことによってその機能性に対して加入する必要があり、サービスプロバイダは、次に、復号器にその機能性を提供させる秘密メッセージを提供する。
ここで、本発明の実施形態を図面を参照して単に例示的に以下に説明する。

本発明は、いくつかの方法で具体化することができるが、ここで説明する好ましい実施形態は、セキュリティを提供するためのモノリシック半導体回路である。好ましくは、これらの実施形態は、「セットトップボックス」のようなテレビジョン信号を復号する（解読する又はスクランブルを解く）ための装置に使用するためのものである。
「セットトップボックス」という用語は、秘密復号方式の何らかの形式を使用して復号することによってテレビジョン信号への条件付きアクセスを提供するのに使用されるテレビジョンデコーダを意味するように十分に理解されている。本発明は、このような装置に特に適用可能であるが、本質的にテレビジョンセットの一部を形成する復号器、又は実際にハードディスクレコーダ、ＤＶＤレコーダ、ラジオのような別の装置、又は実際にユーザにデータコンテンツを供給するあらゆる音声、視覚、又はマルチメディア装置を本質的に含むものである。データコンテンツとは、ユーザに呈示するために受信及び復号される音声及び映像データである。ここで以下に説明する好ましい実施形態は、テレビジョンデコーダ内の半導体集積回路である。

本発明の好ましい実施形態には２つ代替的な構成があり、すなわち、（ｉ）イネーブル信号を使用して半導体回路を一度だけイネーブルにする、及び（ｉｉ）記憶装置をリセットするためにイネーブル信号を使用して半導体回路の再イネーブルを可能にすることである。これらは、単一の実施形態として以下に説明する。単一の実施形態内に、制御される機能性の方式及び種類の様々な代替形態がある。
本発明の好ましい実施形態による半導体集積回路３０が図２に示されている。この実施形態で重要なことは、回路３０は、図示の内部バス接続が外部装置に利用可能ではないという結果をもたらす単一のチップとしてそれが実施されるという意味でモノリシック装置であるということである。従って、ハッカーが、内部バスのいずれかにある信号を単純に読み取ることによって構成のセキュリティを危うくするか又は入力インタフェースを使用することなくデータを書き込むことは不可能である。外部接続がある場所は、ブロードキャスト信号を受信する入力インタフェース４３、及びスクランブルを解かれた／解読された出力信号を供給する出力インタフェース４５である。この実施形態は、主にデジタルブロードキャストテレビジョン信号（あらゆる媒体によるブロードキャスト）に適用可能であるが、セキュリティを必要とするあらゆる他のデジタルブロードキャスト信号にも等しく適用可能である。

デジタルテレビジョン信号は、受信機によって受信され、信号を受信した方法（例えば、衛星、地上波、ケーブル）に従って処理され、制御チャンネルを含むデータ信号から信号分離される。得られるデジタルＴＶ信号は、暗号化された形式のままであり、インタフェース４３で回路３０に供給される。ＴＶ信号は、必ず、全ての許可された受信者に共通の暗号化／解読方式に従って暗号化される。この理由は、何百万人の受信者がおり、個々の暗号化方式を使用してＴＶ信号をブロードキャストすると恐らく何百万の異なる暗号化形式で信号を同時にブロードキャストする必要があると考えられ、これは、単純に実現不可能であるからである。暗号化されたＴＶ信号は、内部バス回線５１上でＤＶＢユニット３８に供給され、そこで、それは、出力インタフェース４５への出力回線４１においてクリアなＴＶ信号を生成するために制御データに従って解読される。クリアなＴＶ信号とは、更に別の秘密暗号化技術を必要とせずに画像及び音声に変換することができる信号ストリームである。

全てのユーザ及び全てのチャンネルに共通のキーを使用する固定された解読方式を使用することもできるであろうが、これは、一度暗号が破られると解読が次に全てに対して利用可能になるので安全ではないと考えられる。従って、変化する暗号化方式が使用され、ＤＶＢユニット３８に供給するために解読を必要とする制御ワード（ＣＷ）の暗号化フローが、制御データ内でブロードキャストされる。制御ワードはまた、全ての許可された受信者に共通の方式で暗号化され、そうでなければ、制御ワードの固有のフローを何百万の受信者の各々に個々に供給する必要があると考えられ、それは、ここでもまた帯域幅のために実現不可能であろう。制御ワードは、暗号化された形式で入力インタフェース４３及び内部バス４７を通じてここではＡＥＳ回路である解読回路３２に供給される。ＡＥＳ回路３２は、制御ワードデータを解読し、これを内部バス３１を通じてＤＶＢユニット３８に供給する。

制御ワードデータフローの暗号化方式は、全ての受信者に対して同じである（そうでなければ、制御ワードデータフロー自体が各受信者に対して異なり、上述の帯域幅問題を有するであろう）。従って、ＡＥＳ回路３２のための共通キー（ＣＫ）が必要である。共通キーは、共通キー記憶装置３６に記憶され、回線３７上で解読回路３２に供給される。この実施形態では、共通キーが共通キー記憶装置に供給される方法は重要ではない。しかし、好ましくは、共通キーは、空気を通じて各回路３０に送信される。本出願人の他の現在出願中の特許出願では、回路内の様々なキー又は権利記憶装置に記憶された資格のある権利を安全に更新するためのシステムが開示されている。

本発明に関する回路の主な特徴は、「ハードウエア特徴マネージャ（ＨＦＭ）」６０として説明され、秘密記憶装置６２、解読回路６４、比較器６６、及びイネーブル回路６８である。ハードウエア特徴マネージャの目的は、正しいアンロック信号が回線６７上で受信されない限り、回路３０の機能性を妨げるか又は制限することである。これは、テレビジョン信号自体への条件付きアクセスを提供することに全て頼っていた従来の公知の技術と対比することができる。対照的に、本発明により、テレビジョンデコーダのような装置を「ロックした」状態で（それが機能しないか又は単に部分的に機能することになるという意味で）顧客に販売することができ、その復号器は、適切なイネーブルメッセージを受信した場合にのみロックを解かれることになる。

ハードウエア特徴マネージャ６０は、以下のように作動する。最初に、回路３０及び従って内部で回路が作動するテレビジョンデコーダは、機能していない状態か又は部分的に機能している状態である。これは、作動するために「飛ばされる」ヒューズをハードウエア作動のエリアが必要とするように配置されたハードウエアヒューズを含むイネーブル回路６８によって形成される。ヒューズは、回路を収容する装置がユーザに販売された時には、最初は「飛んでいない」状態にある。
イネーブル装置は、代替的に、１つ又はそれよりも多くのエリアの機能をイネーブルにするか又はしないかを可逆的に行うことができるように設定及びリセットすることができる不揮発性メモリを含むことができる。

回路又はその何らかの部分は、回路のユーザが回路を作動することを許可された場合には、イネーブルメッセージを受信することによってイネーブルにされる。「ペイ−ＴＶ」装置のこの場合は、ユーザは、加入費を支払ったという条件で許可される。サービスプロバイダは、次に、暗号化形式で適切なイネーブルメッセージを供給することになる。インタフェース４３でイネーブルメッセージが受信されると、これは、回線６７上で解読回路６４（ここではＡＥＳ回路）に送られる。ＡＥＳ回路は、Ｎバイトの平文信号を生成するために記憶された秘密キーを使用してメッセージを解読する。平文信号は、次に、秘密記憶装置６２の固定値と比較される。平文のｎバイトがハードウエア比較器６６によって判断される時に固定値に適合する場合、イネーブル回路６８は、例えばイネーブル装置内のヒューズを飛ばすことにより、又は不揮発性メモリの状態フラグを設定又はリセットすることにより、回路３０を機能させるように設定される。イネーブル回路６８は、データ経路内のハードウエアスイッチを切り換える段階、又は記憶された値に適合しない平文信号内のバイトを使用して１つ又はそれよりも多くのヒューズ又はメモリ値を設定する段階を含む様々な方法で回路３０を機能させるように設定される。

すなわち、ユーザが回路の全部又は一部分をその回路がイネーブルにされた場合のみに作動させることのできるという点で回路内のセキュリティが提供される。回路は、サービスプロバイダが回路の秘密キーに従って暗号化されたイネーブル信号を提供するようにユーザが加入費を支払った場合にのみイネーブルにされることになる。回路は、テレビジョン信号解読機能を実行するハードウエア特徴マネージャ及び回路が同じ集積回路（半導体チップ）上にあるという意味でモノリシックであるから、回路は非常に安全である。回路を不正に使用する唯一の方法は、適切なアンロック信号を想像することか（ＡＥＳのようなアルゴリズムを使用する場合は実現不可能）又はハードウエアレベルで回路をハッキングしようとする「総当たり」である。

比較器６６の一部分が図３に更に詳しく概略的に示されている。第１シフトレジスタ６９は、値記憶装置６２に接続され、記憶された秘密値又はメッセージを受信する。第２シフトレジスタ７０は、ＡＥＳ回路６４に接続され、解読された平文信号を受け取り、平文信号のｎバイトをＸＯＲツリー６６にシフトすることによってビット毎の比較を行う。比較器の出力は、イネーブル回路６８への１ビット信号である。更に、受信した解読された平文信号（Ｎ−ｎ）のいずれかの残りのバイトを使用して、どの機能がイネーブルにされるか又は制限されるか示すためにイネーブル回路６８をアドレス指定する。

ここで、本発明の実施形態内の様々な代替形態を説明するが、それぞれの作動に関連する回路３０の部分は、図４に関して説明されている。
回路３０の機能性を許可するか又は却下することができる１つの方法は、図４に示すようなイネーブル回路６８内のスイッチング構成によるものである。この構成は、重要なデータ経路をオフに切り換えることにより、回路３０の一部分の作動を許可又は却下することができる。テレビジョンデコーダの実施形態では、回路の一部分が示されていないものがあり、それには、ＭＰＥＧ復号器、ディスプレイエンジン、及びデータポート（全て示されていない）、及び暗号化プロセッサ（図２のＡＥＳ回路３２として示されている）が含まれる。これらの回路の１つに出入りするか又はその内部の重要な経路は、イネーブル回路６８によって選択的にゲート制御することができると考えられる。１つ又はそれよりも多くの経路の選択的な遮断は、回路３０のこれらの部分の１つからの入力１１０と、回路のその部分に戻る出力１１２とによって示され、経路内のゲート制御されたループを有効に作成している。入力及び出力の間には、メモリ１００の制御の下で切り換えられるマルチプレクサ１０４、１０６、及び１０８がある。メモリ１００は、一度だけ飛ばすことができるヒューズ又は設定及びリセットすることができるメモリを含む。どちらの場合も、メモリ１００の設定は、受信されて解読されたイネーブルメッセージによるものである。メッセージ内では、バイトの一部分は、記憶された秘密値に適合することが必要な場合があり、残りは、メモリ１００へのメッセージとして使用され、回路３０のどの機能が作動を許可され、却下され、又は制限されるかを示すビットパターンを設定する。メモリ１００内のビットパターンは、マルチプレクサ１０４、１０６、及び１０８が、入力１１０の１つを対応する出力１１２に選択的に接続して経路を完成するか、又は固定されているが無用の値を各マルチプレクサの第２入力から出力１１２に接続すべきであるか否かを指定する。

回路の異なるエリア上で上述のようにデータ経路を切り換える影響は、以下の通りである。回路３０内のＭＰＥＧ復号器を出入りする経路のスイッチングは、復号器全体が受信テレビジョン信号を復号することを防止するものである。従って、回路は、回路内のソフトウエアからのデータ、例えば、何故ユーザがブロードキャスト信号を視聴できないか示すユーザへのメッセージを表示するためだけに作動することになる。

ディスプレイエンジンへの経路のスイッチングは、あらゆるディスプレイを視聴することを妨げることができ、又はディスプレイを見ることができなくするであろう。
テレビジョンデコーダの入力又は出力部のいずれも同じ方法でブロックすることができると考えられる。例えば、周辺装置を接続させるＵＳＢポートをブロックすることができ、ユーザがテレビジョンデータを記録又は再生できないようにハードディスクへのアクセスのためのＡＴＩポートを妨げることができるであろう。同じ手法を使用して、ＤＶＤ、ＤＶＤ−ＲＷ、又は他のフォーマットの大容量コンテンツ記憶媒体へのアクセスを防止することができる。ＵＳＢポートのブロックは、ビデオカメラ又はスチールカメラのような装置が、例えば写真又は映像が復号器内のハードディスクに記録されないか又は表示することができないように、復号器と対話することを防止するであろう。他の可能性は、音声生成を阻止又は制限することによって音声生成を阻害すること、高精細度ではなく標準まで表示の解像度を低下させること、又は実際に回路のあらゆる機能性を阻止又は制限することを含む。

機能性を阻害することのできる更に別の方法は、チップクロック、特に、テレビジョンデコーダ内のメインＣＰＵのためのクロックの作動に影響を与えることによるものである。これは、入力１１０を通って出力１１２に至るクロック分周器からの回線の１つによって行うことができると考えられる。イネーブルメッセージの受信によってイネーブルにされない限り、適切なマルチプレクサが第２入力を出力に接続するように切り換えられることになり、第２入力は、クロック分周器が遅いクロックを生成するためにクロックを分周するように高い値を取ることができるであろう。このような阻害の影響は、復号器全体は依然として作動していると考えられるが、ユーザがテレビジョンを見るのに使用するには遅すぎるということである。

暗号化されたイネーブルメッセージが回路３０に供給される方法は、空気を通じたブロードキャストによるものが好ましい。メッセージは、復号器にアドレス指定されて送られ、その復号器に記憶された秘密メッセージだけに適合するように暗号化される。暗号化されたメッセージのための戻り経路に対して他の代替形態が存在し、それには、ＩＲ、有線、又は無線リンクによる復号器への転送のためにユーザの携帯電話にメッセージを送ること、ＰＩＮ番号を送ること、スマートカード又はデータを転送する他の手段を送ることが含まれる。

本発明による回路を組み込む装置（特に「ペイ−ＴＶ」装置及び「セットトップボックス」として）を使用することができる方法は、以下の通りである。供給業者は、テレビジョンデコーダ、例えば「セットトップボックス」を販売し、これは、ハードウエアが上述のように通常の作動を阻止するか又は制限するように構成されるために、全ての可能なユーザ機能を提供するようには作動することができないものである。「セットトップボックス」に機能性を提供させるために、ユーザは、サービスプロバイダに「ペイ−ＴＶ」サービスに対する加入費を支払わなければならない。サービスプロバイダは、次に、「セットトップボックス」の秘密キーに従って暗号化されたイネーブルメント信号を空気を通じてブロードキャストする。この信号は、平文信号を生成するために解読され、これは、記憶された信号又は値と比較され、適合する場合には、適切な１つ又は複数の機能が作動するようにイネーブルにされる。

これは、ユーザがテレビジョンデコーダのような音声／映像装置のある一定の機能性を取得するために加入費を支払う必要がある新しいビジネスモデルを効果的に作り出すものである。単一の装置がテレビジョン信号を復号化し、長期記憶装置にテレビジョンコンテンツを記録し、ゲームのためのソフトウエアを実行し、ビデオ及びスチールカメラからのコンテンツをダウンロードして編集することができるように装置の機能性が収束するので、本発明を使用して、全てのこれらの機能性を可能にするが、加入費が支払われない限りこれらを作動するようにイネーブルにはされない装置を提供することができる。このようなビジネスモデルは、製造コストの低減を可能にし、装置のコストを継続中の加入費によって補助させることによってユーザの購入を促進するものである。このようなビジネスモデルでは、イネーブルメントメッセージを供給するための最も簡単な機構は、空気を通じてブロードキャストすることであるが、他の経路も上述の通り可能である。

公知の受信機及び復号器の構成を示す図である。 本発明の第１の実施形態による回路の主な機能的構成要素を示す図である。 比較器をより詳細に示す図である。 イネーブル回路をより詳細に示す図である。

符号の説明

３０ 回路
４３ 入力インタフェース
４５ 出力インタフェース
６０ ハードウエア特徴マネージャ
６８ イネーブル回路

Claims (17)

1. 音声−映像信号を生成するように配置された、音声−映像装置に使用するための半導体集積回路（３０）であって、
   受信した暗号化されたイネーブル信号を受け取るための入力インタフェース（４３）と、
   音声−映像信号の出力のための出力インタフェース（４５）と、
   各々が前記音声−映像信号に関連するデータを処理するように配置された１つ又はそれよりも多くのハードウエア回路部分と、
   前記暗号化されたイネーブル信号を受信し、平文メッセージを形成するためのキーに従って該暗号化されたイネーブル信号を解読するように配置された解読回路と、
   前記半導体集積回路（３０）のデジタルコード値を収容する記憶装置と、
   前記１つ又はそれよりも多くのハードウエア回路部分の少なくとも１つの作動を選択的に制限し、却下し、又は許可するように配置されたイネーブル回路と、
   前記平文メッセージを前記記憶された値と比較し、前記平文メッセージと記憶された値が適合する場合には、前記１つ又はそれよりも多くのハードウエア回路部分の少なくとも１つの作動を可能にするように前記イネーブル回路に命令するように配置された比較回路と、
   を含むことを特徴とする半導体集積回路（３０）。
2. 前記イネーブル回路は、前記ハードウエア回路部分の前記１つ又はそれよりも多くのうちの少なくとも１つに対するデータ経路又は前記ハードウエア回路部分の前記１つ又はそれよりも多くのうちの少なくとも１つの内部にあるデータ経路を選択的に遮断するように配置された１つ又はそれよりも多くのスイッチ要素を含むことを特徴とする請求項１に記載の半導体集積回路。
3. 前記データ経路は、１つ又はそれよりも多くのハードウエア回路部分のクロックに関連し、それによって該データ経路の遮断は、該クロックを通常よりも遅く作動させることを特徴とする請求項２に記載の半導体集積回路。
4. 前記１つ又はそれよりも多くのハードウエア回路部分のうちの前記１つは、半導体集積回路のメインＣＰＵであることを特徴とする請求項３に記載の半導体集積回路。
5. 前記１つ又はそれよりも多くのハードウエア回路部分の前記少なくとも１つは、ディスプレイエンジンであり、それによって前記データ経路の遮断は、前記出力インタフェースでの前記映像信号を遮断又は阻害させることを特徴とする請求項２に記載の半導体集積回路。
6. 前記１つ又はそれよりも多くのハードウエア回路部分の前記少なくとも１つは、半導体集積回路のデータポートであり、それによって前記データ経路の遮断は、該データポートの作動を妨げることを特徴とする請求項２に記載の半導体集積回路。
7. 前記入力インタフェースは、ブロードキャスト信号から前記暗号化されたイネーブル信号を受信するように配置されていることを特徴とする請求項１から請求項６のいずれか１項に記載の半導体集積回路。
8. 前記入力インタフェースは、マニュアルユーザ入力から前記暗号化されたイネーブル信号を受信するように配置されていることを特徴とする請求項１から請求項６のいずれか１項に記載の半導体集積回路。
9. 前記入力インタフェースは、別の装置から前記暗号化されたイネーブル信号を受信するように配置されていることを特徴とする請求項１から請求項８のいずれか１項に記載の半導体集積回路。
10. 前記イネーブル回路は、どのハードウエア回路要素の作動を制限し、却下し、又は許可すべきであるかの指示を記憶するように配置された更なる記憶装置を含むことを特徴とする請求項１から請求項９のいずれか１項に記載の半導体集積回路。
11. 前記記憶装置は、１つ又はそれよりも多くのハードウエアヒューズを含んでおり、前記１つ又はそれよりも多くのハードウエアヒューズは、どのハードウエア回路要素が作動を制限し、却下し、又は許可されるべきであるかを指示するのに用いられることを特徴とする請求項１０に記載の半導体集積回路。
12. 前記記憶装置は、不揮発性メモリを含むことを特徴とする請求項１０に記載の半導体集積回路。
13. 前記イネーブル回路は、どのハードウエア回路要素の作動を制限し、却下し、又は許可すべきであるかの指示を前記平文メッセージから抽出するように配置されていることを特徴とする請求項１から請求項１２のいずれか１項に記載の半導体集積回路。
14. ブロードキャストされた音声−映像信号の解読のためのモノリシック回路であることを特徴とする請求項１から請求項１３のいずれか１項に記載の半導体集積回路。
15. 前記１つ又はそれよりも多くのハードウエア回路部分の前記少なくとも１つは、音声−映像信号を外部記憶装置に記憶する機能を提供しており、前記イネーブル回路は、半導体集積回路によって生成された該音声−映像信号の記憶を選択的に制限し、却下し、又は許可するように配置されていることを特徴とする請求項２に記載の半導体集積回路。
16. 前記音声−映像信号が生成されるブロードキャストネットワークからブロードキャスト信号を受信するための入力部を含み、
    前記１つ又はそれよりも多くのハードウエア回路部分の前記少なくとも１つは、前記音声−映像信号を生成する機能を提供しており、前記イネーブル回路は、該音声−映像信号の生成を選択的に制限し、却下し、又は許可するように配置されている、
    ことを特徴とする請求項２に記載の半導体集積回路。
17. 請求項１４に記載の半導体集積回路を含むテレビジョンデコーダ。

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