JP5129424B2 - リガンドの発見または薬物スクリーニング手段としてのnmr利用法 - Google Patents

リガンドの発見または薬物スクリーニング手段としてのnmr利用法 Download PDF

Info

Publication number
JP5129424B2
JP5129424B2 JP2002530637A JP2002530637A JP5129424B2 JP 5129424 B2 JP5129424 B2 JP 5129424B2 JP 2002530637 A JP2002530637 A JP 2002530637A JP 2002530637 A JP2002530637 A JP 2002530637A JP 5129424 B2 JP5129424 B2 JP 5129424B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nmr
target
spectrum
spectra
container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2002530637A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004510157A (ja
Inventor
グレッへ ディヴィッド シーガル
Original Assignee
ユニヴェルシテイト レイデン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ユニヴェルシテイト レイデン filed Critical ユニヴェルシテイト レイデン
Publication of JP2004510157A publication Critical patent/JP2004510157A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5129424B2 publication Critical patent/JP5129424B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/44Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance using nuclear magnetic resonance [NMR]
    • G01R33/46NMR spectroscopy
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N24/00Investigating or analyzing materials by the use of nuclear magnetic resonance, electron paramagnetic resonance or other spin effects
    • G01N24/08Investigating or analyzing materials by the use of nuclear magnetic resonance, electron paramagnetic resonance or other spin effects by using nuclear magnetic resonance
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/44Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance using nuclear magnetic resonance [NMR]
    • G01R33/46NMR spectroscopy
    • G01R33/4625Processing of acquired signals, e.g. elimination of phase errors, baseline fitting, chemometric analysis
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/44Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance using nuclear magnetic resonance [NMR]
    • G01R33/46NMR spectroscopy
    • G01R33/465NMR spectroscopy applied to biological material, e.g. in vitro testing
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S505/00Superconductor technology: apparatus, material, process
    • Y10S505/825Apparatus per se, device per se, or process of making or operating same
    • Y10S505/842Measuring and testing
    • Y10S505/843Electrical
    • Y10S505/844Nuclear magnetic resonance, NMR, system or device
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T436/00Chemistry: analytical and immunological testing
    • Y10T436/24Nuclear magnetic resonance, electron spin resonance or other spin effects or mass spectrometry

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、リガンドの発見のために、あるいは特に薬物のスクリーニング手段としての、核磁気共鳴(NMR)の応用法に関するものである。より詳しくは、本発明は、リガンド発見手段、あるいは大きなまたは不溶性のターゲット生体分子に対する、スクリーニング手段としてのNMR技術の応用法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、ターゲット固定化NMRスクリーニング(TINS)技術に関するものである。
【0002】
【背景技術】
本発明は、分子間の相互作用、および特に典型的には1000ダルトン以下の分子量を持つ小さな分子と、生体分子ターゲットとの間の相互作用を検出するための方法を提供しようとするものである。これらターゲットは、典型的にまたは一般的に疾患状態に関与する生体分子であり、またその狙いは、潜在的な薬物候補となり得る、相互作用分子を見出すことにある。
【0003】
日々の研究室での実務において、薬物発見の一般的な方法は、主として「偶然のスクリーニング(serendipity screening)」によっており、そこでは低分子量化学物質の大きなライブラリーを、系統的にターゲット分子に添加し、例えば酵素活性の結合または阻害についてインビトロで、あるいは生物学的な応答についてインビボにてアッセイしている。結合が必要とされている機能であれば、次には典型的に、このようなスクリーニングプログラムは、高いアフィニティーで、例えばナノモル乃至マイクロモル範囲で、かつ同時に高い特異性にて結合する化合物を探索する。このような化合物を発見するチャンスを高めるために、今日では、スクリーニングに用いるライブラリーの大きさを、百万もしくはそれ以上の化合物を包含するように拡大している。このようなライブラリーのスクリーニングは、明らかに時間がかかり、また極めて多量のターゲット分子を必要とする。
【0004】
より詳しく言えば、現在、新規な薬物発見の基本的な方法は、本質的にランダムな化学物質群を薬理学的ターゲットに添加し、結合性についてアッセイすることに基いている。この方法は、偶然スクリーニング法(serendipitous screening)と呼ばれている。2分子間の相互作用を見出す可能性は、大雑把に言えば該所望のアフィニティーに反比例し、典型的に、百万以上に及ぶ化合物のライブラリーが、ある薬物に必要とされるサブマイクロモルオーダーのアフィニティーを示す、相互作用を見出すチャンスを最大にするために使用される。「ハイスルーアウトスクリーニング(high-throughout screening)」 (HTS)における凄まじい技術的進歩は、幾つかのシステムが、一日当たり100,000個にも及ぶ化合物のスクリーニングを可能とするレベルにまで、この方法を合理化した。
【0005】
これらシステムは、一般に蛍光または放射性標識した化学プローブを、該ターゲットから置き換えた際に発生するシグナルを測定することに基いている。これらのシステムは、著しく効果的であるが、多数の制限がある。殆ど全てのスクリーニング法は、ターゲットのスクリーニングを開始するために、リガンドの先見的な入手性に依存する。結果として、所謂オーファンレセプタ、即ちリガンドを入手できないターゲットは、一般にHTSシステムの範囲外にある。更に、予め結合したリガンドを置換する必要性のために、HTSは、一般に高いアフィニティーでの相互作用に対して感受性であるに過ぎない。HTSスクリーニング由来の、該高アフィニティーをもたらすリード化合物は、典型的には複雑であり、かつ該ターゲットとの多重の相互作用を示す。結果として、HTSスクリーンからの大量のデータについて行われる、構造-活性関係(SAR)の分析が、律速段階(limiting step)となり得る。更に、高い特異性/アフィニティー/経口利用性(oral availability)についてのこれらのリード化合物の最適化も困難となる可能性がある。
【0006】
WO-A-97/18471およびWO-A-97/18469には、NMRを利用した、ターゲット生体分子に対するリガンドを同定するための、新規な方法が記載されている。ここに記載された方法は、SAR-by-NMR(「構造-活性関係」)と命名され、また偶然スクリーニング技術と該ターゲット分子の3次元構造との組合せに基いている。高アフィニティーかつ高特異的リガンド両者を探索する代わりに、これら2つの特許出願の目的は、2つの相互に排他的でない、アフィニティーは低いが、高い特異性を持つリガンドを見出し、かつこれらリガンドを一緒に結合して、高アフィニティーのリガンドを生成することにある。NMR分光分析法を利用して、該低アフィニティー結合の相互作用を検出しているが、NMRはこの目的に対して理想的に適した技術である。リガンド結合によって誘発された、該ターゲット分子の2D-NMRスペクトルにおける変動を検出する。
【0007】
より詳しくは、WO-A-97/18471は、特定のターゲット分子に結合するリガンドである、化合物を同定するための、化合物のスクリーニング法に係り、この方法は、15N-標識ターゲット分子の、2D-15N/1H NMR相関スペクトルを発生させ、該標識ターゲット分子を1種以上の化合物に暴露し、第二の2D-15N/1H NMR相関スペクトルを発生させ、およびこれら2つのスペクトルを比較して、その違いを決定する工程を含む。
WO-A-97/18469は、高アフィニティーリガンドの設計法を開示し、該方法は、該ターゲット分子上の別個の結合サイトに結合する、該ターゲット分子に対する少なくとも2種のリガンドを、多次元NMR分光分析法によって同定し、該少なくとも2つのリガンドを該ターゲット分子に暴露することにより、3成分系錯体を形成し、生成された錯体の3D-構造を決定し、該少なくとも2つのリガンドの空間的な配向を決定し、かつその決定された空間的な配向を利用して、該高アフィニティーリガンドを設計する工程を含む。
【0008】
WO-A-97/18471およびWO-A-97/18469に記載された方法は、該ターゲット、より具体的には小さな放射性同位元素で標識されたタンパクおよび該化合物ライブラリーの成分間の、弱いが特異的である相互作用を検出するために、NMRを利用することであった。該HTS法で必要とされるアフィニティーよりも1000倍も低い相互作用に対するNMRの感受性は、原理的に1000倍も少ない化合物をスクリーニングして、「的中」するチャンスをものにする必要があることを意味する。実際には、NMRスクリーン用のライブラリーは、典型的には100倍も小さい。その小さなサイズに加えて、該「SAR-by-NMR」法に用いられるライブラリーは、HTSに対して使用されるライブラリーよりも、一層単純な化合物からなり、300ダルトン以下の分子量を持つ。この点については、上記2つの国際特許出願に記載された本発明者等のグループによる、以下の2つの科学文献を参照できる:Hajduk等, Quarterly Reviews in Biophysics, 1999, 32: 211-240およびHajduk等, Science, 1997, 278: 12257-12261。このようなスクリーニングにより得られる高特異的かつ低アフィニティー化合物は、次いで種々の方法で最適化して、現実に即した薬物候補を製造することができる。
【0009】
SAR-by-NMR法は、完全にNMRによって実施できる、薬物またはリガンド発見システムである。従って、この技術は多数の限界を持つ。第一に、該ターゲット分子は、大量に(数百mg乃至g)入手する必要があり、また15Nまたは13Cで放射性同位元素標識する必要があり、これは多くのターゲットについては不可能である。第二に、該ターゲットは、およそ30 kDa(キロダルトン)未満とすべきであり、また高度に溶解性かつ安定である必要がある。第三に、少なくとも骨格となる核に関する共鳴の帰属が既知であり、しかも優先的には3D構造が利用可能であるべきである。更に、該ターゲットは、該2D-NMRスペクトルを記録するために、少なくとも数日間に渡り、高度に溶解性で安定である必要がある。
SAR-by-NMR法に代わる方法として、該ターゲットの代わりに該リガンドのシグナルを監視することが提案されている。このような方法は、分子のサイズおよび同位元素による標識等の要求を軽減するが、他の問題、例えば感度および該システムをあらゆるターゲットに対しても再度最適化する必要性等の問題が生じる。
【0010】
ターゲット生体分子に対するリガンドを同定するためのこのような方法は、WO-A-98/57155に記載されている。この文書には、与えられたターゲットに適した薬物コアを同定するための方法が記載されており、この方法は、限られた組から選択される特定の環状構造からなる薬物コアを生成することを含む。そのために、この文献に記載された発明の発明者は、一次元溶液NMRスペクトルを利用して、小さな化合物のスペクトルにおける変動に基いて、ターゲット-該小さな化合物間の相互作用を検出することを提案している。これら変動は、ライン拡大(line broadening) (T2緩和現象)拡散フィルタまたは2D転移NOE [2D transferred NOE(ヌクレアーオーバーハウザーエンハンスメント(Nuclear Overhauser Enhancement))]スペクトルによって検出する。
【0011】
NMRを利用して、ターゲット生体分子に対するリガンドを同定するための、他の代替法は、WO-A-98/48264に記載されている。この方法では、単純かつ周知の1H-NMR分光分析を利用して、該潜在的なリガンドのNMRスペクトルにおける変動を観察することによって、低アフィニティー結合事象を検出している。この方法は、WO-A-98/57155に記載された方法と同様に、該SAR-by-NMR法で行っている該3D-構造に関する情報を与えないが、同位元素で標識されたターゲットに対する要件による限界の問題を回避する。より詳細には、この既知の方法は、1種の化合物またはその混合物に関する、第一のT2-緩和フィルタ処理(T2-relaxation filtered)または拡散-フィルタ処理(diffusion-filtered)されたプロトン-NMRスペクトルを発生する段階、該1種以上の化合物を該ターゲット分子に暴露する段階、該暴露された1種以上の化合物に関する第二のT2-フィルタ処理または拡散-フィルタ処理されたプロトン-NMRスペクトルを発生する段階、および該記録されたスペクトルを比較して、該ターゲット分子と結合した1種以上の化合物の存在を同定する段階を含む。
【0012】
後者の2つの従来法は、大量の可溶性ターゲット物質の必要性に関する問題を克服し得ない。特に、これら方法は、大きくかつ魅力的な製薬上興味深いターゲット分子を生成する、膜結合タンパクを排除してしまう。
その上、WO-A-98/48264に記載の方法は、該ターゲットが、アッセイすべき該小さな化合物よりも十分に大きい場合にのみ利用できる。この国際特許出願の発明者等は、該ターゲットが5 kDa低度に小さいものと述べているが、本発明者は、感度の限界が10 kDa近傍にあることを示す実験を行った。更に、WO-A-98/48264に記載された方法の感度は、スクリーニングすべき各ターゲットに応じて変化する。
【0013】
一般に、NMRが、弱い相互作用に対して高い感度をもち、またリガンドに関する先見的な知見の必要性を持たない等の、偶発的薬物スクリーニングのための検出法として、かなりの利点を持つことに注目すべきである。しかし、このNMR法は、幾つかの限界を示す。その限界の中で最も重大なものは、大量の可溶性でしかも安定な薬理的ターゲットを必要とする点にある。
そこで、本発明の第一の目的は、これら既知のNMRスクリーニング技術の利点を持ち、かつ上記技術の持つ諸欠点の全部または一部を示さない方法を提供することにある。
【0014】
【発明の開示】
上記目的は、NMRを利用して、リガンド等の潜在的な結合性化合物のスペクトルにおける変化を検出することに基いた、本発明の方法によって達成される。この方法において、該ターゲットは、固体担体上に固定化される。このことは、単一のターゲットサンプルについて、該スクリーニング法全体をフロースルー様式で実施することを可能とする。該ターゲットに関する物性上のあらゆる制限(例えば、サイズ、溶解性、安定性または化学的組成)が、緩和される。本発明の、このターゲット固定化NMRスクリーニング法は、種々のターゲットに対して、融通性および耐久性であることが立証されており、このことは、このシステムを、(工業的な)薬物発見およびターゲット、特にターゲット分子と相互作用する他の化合物の発見のために、極めて有用なものとする。
【0015】
より詳しく言えば、第一の局面において、本発明は、特定のターゲットに結合する化合物を同定するための、化合物スクリーニング法に係り、この方法は、(a) 固体担体に固定化されたターゲットを調製する工程と、(b) 該固体担体の存在下で、該ターゲット分子を該担体に固定化することなしに、該スクリーニングすべき化合物の第一のNMRスペクトルを発生させる工程と、(c) 固定化された該ターゲット分子を含む、該固体担体の存在下で、該スクリーニングすべき化合物の第二のNMRスペクトルを発生させる工程と、(d) 該第一および第二NMRスペクトルを比較して、該第一および第二NMRスペクトル間の違いを決定する工程を含むことを特徴とする。
【0016】
更なる局面において、本発明はNMR装置にも関連し、この装置は、テストサンプルのフロースルー式NMRスクリーニングに適したNMRプローブを備え、該プローブは流入口、該流入口と接続する第一容器、該第一容器と接続している第二容器および該第二容器と接続している流出口を含み、該容器の一方が、一種のターゲット分子を含む一種の担体材料を含み、かつ他方の容器が、該ターゲット分子を含まない該担体材料を含み、該NMR装置が、該NMRプローブの少なくとも該第一および第二容器内に伸びた、パルス化されたラジオ波場(pulsed-radio field)を発生する第一手段を含むように設けられ、かつ該NMR装置が、該発生したパルス化ラジオ波場に対する該一方の容器における第一の応答および該発生したパルス化ラジオ波場に対する該他方の容器における第二の応答を測定するための第二の手段を含むように設けられていることを特徴とする。
【0017】
【発明を実施するための最良の形態】
上記の如く、本発明は、あるターゲットおよび特にターゲット(生体)分子に対する化合物の結合を検出する方法を提供する。化合物をスクリーニングして、リガンドとしての化合物、例えば特定のターゲット分子と結合する化合物を同定するための、この方法は、(a) 固体担体上のターゲット分子、(b) 該ターゲット分子を含まない、しかもターゲット分子の不在下でまたは標準生体分子の存在下で誘導されたものであり得る、標準固体担体の存在下で、該ターゲット分子と結合できるものと思われる1種以上の化合物の標準となるNMRスペクトル、即ち標準NMRスペクトル測定工程と、(c) 固定化された該ターゲット分子を含む、該固体担体の存在下で、該ターゲット分子と結合できるものと思われる該1種以上の化合物のNMRスペクトル、即ち実験的なNMRスペクトルを測定する工程と、(d) 該実験的なNMRスペクトルと標準NMRスペクトルとを比較して、これら2つのスペクトル間の差を決定する工程を含む。
【0018】
本発明の重要な局面の一つは、該ターゲット分子の固体担体への結合である。この局面は、既知のNMRスクリーニング技術の上記限界を緩和できる。特に、その構成において、迅速かつ高感度なNMR分光分析、および好ましくは一次元NMR分光分析および最も好ましくは1H-NMR分光分析を利用して、ターゲット結合に基いてスクリーニングされた化合物のスペクトルにおける変化を追跡することができる。本発明によるこの方法は、TINS (target immobilized NMR screening)として本明細書に記載される。以下に述べるように、本発明のこの方法は、ターゲットとして小さなタンパクおよびDNAを使用して、その融通性をテストしている。TINSは、該ターゲットの単一サンプルを使用して、約10 mM程度の低い解離定数によって特徴付けられる、特異的な結合を検出できる。この方法は容易に定量化され、従っておよその結合定数の決定をもたらす。即ち、該小化合物の定量化は、正確であり、また更に精度の高い定量化は困難であり、「およそ」の結合定数(±10%)が測定でき、これはスクリーニングの目的にとって十分すぎるものである。
【0019】
固体担体に固定化された該ターゲットは、フローインジェクションNMRプローブに配置することができ、また化合物ライブラリーの成分、または分画カラムもしくはクロマトグラフィーカラムから溶出された成分等を、自動的な様式で迅速に適用でき、従って孤立したレセプタを含む広範囲に渡るターゲットの、真のハイ-スループットスクリーニングを可能とする。
好ましくは、これら測定されるNMRスペクトルは、一次元NMRスペクトルである。
感度および処理の容易さ故に、好ましくはプロトン-(または1H)-NMRスペクトルを記録する。これらスペクトルは、13C-NMRの約16倍および15N-NMRの約100倍も高い感度を示す。しかし、13C-、15N-および他の既知元素のNMRスペクトルおよびこれらの組合せ、例えば15N/1H-NMRスペクトルも、本発明において有利に使用できる。
【0020】
該ターゲット分子への化合物の結合は、結合する化合物に由来するピークの高さにおける減少について、該ターゲット分子の存在下または不在下でのNMRスペクトルを比較することによって決定される。
これら変化は、該差スペクトルにおいて最も容易に見られるので、本発明の方法の上記工程(d)は、好ましくはおよび最も有利には第一のスペクトルから第二のスペクトルを差し引くか、あるいはその逆によって行われる。このような差スペクトルは、排他的に該ターゲットと結合した該化合物由来のピークを含む。
もう一つの好ましい態様では、該コントロールおよび実験的スペクトルにおける積分されたピークの比較により、結合の定量分析を達成することができる。
極めて弱い結合または化合物-ターゲット分子間相互作用を検出するためには、熟練者を雇う必要があり、また拡散フィルタまたはNMR緩和に基くフィルタ(T2フィルタ)を使用することができる。
【0021】
必須ではないが、典型的に、該ターゲットは、(生体)分子ターゲットであり、例えば典型的に、生体分子または特定の疾患状態に関与する一連の分子群を使用する。しかし、あらゆる種類のレセプタ、例えば新規な芳香成分または香味成分を発見するのに適した、知覚識別に関与するレセプタを使用することも可能である。適当なターゲット分子は、例えばDNAまたはRNAフラグメント、タンパクフラグメント、糖部分、オリゴおよびポリアミノ酸、レセプタ、リボソーム、ホルモン、酵素等、これらの組み合わせ、例えばリボ核タンパク質、または他の分子群(集団)であり得る。このターゲットの固定化は、多数の利点を実現する。即ち、可能なターゲット分子の範囲を、興味ある分子の殆ど全てを含むまでに拡張して、例えば膜タンパク等の、既知のNMRスクリーニング技術においてはターゲットとして使用し得ない、不溶性タンパクをも含む。該ターゲットのサイズには制限がない。既知のNMRスクリーニング技術において必要とされる量に比して、著しく少量のターゲットが必要とされるに過ぎない。
【0022】
例えば、ターゲットタンパクでは、該NMRプローブにおいて、約0.5 mMの固定化タンパクという単一サンプル濃度にて、既に良好な結果を得ている。その上、該ターゲット分子の安定性は、固体担体とのカップリングにより高められ、一方人為的なまたは例えばタンパクの凝集による他の問題が、減じられ、しかも該スクリーニング法の速度が高められる。
該ターゲット分子は、あらゆる型の固体担体に固定化することができる。その結合は共有結合である必要はない。また、例えば高アフィニティー結合型の非-共有結合が適している(図2参照)。該ターゲットが、このNMR測定環境内で、固定化状態を維持することのみが必要とされる。更に、この固定化は、該固体担体に対して直接行う必要はなく、また適当な橋架け部分または分子を介して、あるいはスペーサを介して間接的に行うことも可能である。極めて適当な担体は、クロマトグラフィーで使用している固体ポリマー、例えばビーズ形状または多孔質マトリックス形状にある、例えばポリスチレン、セファロースおよびアガロース樹脂およびゲルである。また、適当に化学的に変性した珪素を主成分とする材料も極めて適した担体である。
【0023】
事実、あらゆる可溶性分子が、該ターゲットに結合する候補化合物として使用できる。該可溶性分子が、水溶性である必要はない。該化合物並びに該ターゲット分子を変性することのない任意の液状媒体を、このNMR測定において使用できる。このことは、本発明のこの方法を極めて融通性の良いものとしている。
好ましくは、結合候補として使用される該可溶性分子は、約1000 Da未満の分子量を持つ小さな分子であるが、本発明の方法は、原理的には結合候補化合物に関して、特定の最大サイズに限定されない。
スクリーニングを行いえる溶解した化合物と共に、固定化したターゲット分子を使用することによって、サンプルの調製における変動、例えばpHにおける差および溶媒の違い等に対する寛容性のある系が得られる。従って、本発明で使用するこの系は、各テスト化合物を、その化学的特長、例えば疎水性、安定性等にとって最適化された溶媒に溶解することを可能とする。
【0024】
更に、本発明の方法の手順並びに感度は、該ターゲット分子が固体担体に固定化されていることから、該ターゲット分子の特徴とは無関係に、一種のターゲット分子と他のターゲット分子との間で、高い一貫性を示す。
本発明の実施に際して、該ターゲット分子は、適当な支持体、例えば固体樹脂に固定化され、また付随的に該スクリーニング操作中、適当なNMRプローブおよび好ましくはフローインジェクションNMRプローブに配置される。スクリーニングすべき化合物、例えばライブラリーからの化合物の各サンプルを、次に該固体担体を通して、これに沿ってあるいはこれを介して該化合物をポンプ輸送することにより、該固定化されたターゲットに適用する。アッセイすべきこのサンプルは、該ターゲット分子と結合するものと考えられる単一の成分を含むことができ、あるいは化合物ライブラリーまたは他の型の集合または混合物の、多数の成分を含むことができる。この流れは、該ターゲット含有プローブまたは容器において、アッセイすべき該化合物の所定濃度に達した場合に、停止することができる。
【0025】
NMRスペクトルを得るために、原理的には、溶解した分子サンプルからの共鳴を検出および好ましくは例えばパルス化フィールド勾配(pulsed field gradients)により、残留溶媒シグナルを抑制することができる、任意のNMRパルス配列を使用して、結合を検出することができる。しかし、実際には、一次元1H-NMRスペクトルを、十分な解像度および感度で得て、コントロール固体担体の存在下で、アッセイすべき各化合物由来の共鳴を検出し、かつ定量する。更に、同一のNMRプロトコールを利用して記録した第二のスペクトルが、該固定化されたターゲット分子を含む該固体担体の存在下で、スクリーニング性化合物の同一の溶液について得られる。
場合によっては、極端に弱いターゲット結合を検出するために、該固定化されたターゲット分子を含む該固体担体の存在下で、第三のスペクトルを得ることができる。このスペクトルは、拡散またはT2フィルタを使用して、記録することができる。
【0026】
該NMRスペクトルの獲得後、小さな化合物または化合物群のサンプルを、該ターゲットが固定化された固体担体を含むNMRプローブから洗い流す。引き続き、次のサンプルを、ストップトフロー式に該プローブに適用することができる。このスクリーニングプロセス全体に渡り、該ターゲットが固定化された固体担体の単一のサンプルは、該NMRプローブ中に維持される。該ターゲットが固定化された固体担体は、該ターゲットが変性され、化学的に劣化し、あるいは洗い流すことができない程緊密に結合した化合物によって飽和した場合にのみ、交換する必要がある。
該ターゲット分子が閉塞されるほどに、幾つかの化合物が結合しないことを保証するために、ある段階において、コントロールを実施して、該ターゲット分子に対する結合機会の有効性につきチェックする。
【0027】
これらNMRスペクトルは、好ましくは該2つのNMRデータ群の一方から差し引くことによって比較し、かくして差スペクトルを生成する。一般に、該ターゲット分子は、本質的に固相中にあるので、該ターゲット分子と結合した化合物由来の共鳴はブロードとなり、結合状態にあって検出限界外にある。従って、結合は、排他的に、溶液状態にある該ターゲット分子と結合性の化合物に由来するピークの、高さにおける減少によって、高感度かつ高信頼度で検出できる。この効果は、該差スペクトルにおいて最も容易に見ることができる。
該ターゲット-リガンド相互作用に関するアフィニティーを定量するのに使用できるもう一つの方法は、該コントロールおよび実験的スペクトルのピーク面積を測定(例えば、積分によって)し、これら面積の値を比較することである。
【0028】
バッチ式で本発明のスクリーニング法を実施することも可能であるが、本発明の該TINS法の主な利点の一つは、これら方法が、フローインジェクションモードでスクリーニングの実施を可能とすることにある。本発明が開発された時点において公知のあらゆるNMR法は、バッチ式でのみ実施できた。本発明のフローインジェクション構成では、ターゲットの1サンプルを、全ライブラリーのスクリーニングのために使用できる。
更に、この方法の速度は大幅に改善され、従って、個々の試験管にサンプルを満たし、バッチ式に分析のために該装置内にこれらサンプルを配置するという、時間を要する工程は不要となる。
更に、該NMR実験、および特に該一次元実験は、既知のNMRスクリーニング技術において利用されているより複雑な実験に比して、より迅速であり、しかもより高感度である。
前章で述べた利点は、本発明の方法を、真のハイ-スループットスクリーニング法とする。
【0029】
本発明の第二の局面を構成する、好ましい一態様においては、該方法を実施し、一方でスクリーニングすべきサンプルと、一連のターゲット分子を含むまたは含まない該固体担体とが接触できるような配置を使用する。
本発明によるこの第二の態様では、該第一および第二NMRスペクトルを、2つのチャンバーを含むプローブを用いる工程と、ここで該チャンバーの一方は、該ターゲット分子が固定化されていない該固体担体を含み、また他方のチャンバーは、該ターゲット分子が固定化されている該固体担体を含み、該スクリーニングすべきサンプルを該第一のチャンバーに導入する工程と、該第一のチャンバー内の第一のNMRスペクトルを記録する工程と、該スクリーニングすべきサンプルを該第二のチャンバーに導入する工程と、該第二のチャンバー内の第二のNMRスペクトルを記録する工程とを含む方法により得られる。
【0030】
この方法の好ましい態様では、該サンプルを、ストップト-フローモードにて、該第一および第二チャンバーに導入する。
該第一の態様における利点以外に、この第二の態様は、該標準のおよび実験的なスペクトルが、同一のスクリーニング性分子の溶液を使用して、ほぼ同時に記録され、従って装置、環境および/またはサンプルの変動に起因する人為的な差異を排除することができる。
【0031】
更なる局面において、本発明は、テストサンプルのフロー-スルーNMRスクリーニングに適した、NMRプローブを備えているNMR装置にも係り、該プローブは、流入口、この流入口に接続された第一の容器、該第一の容器に接続された第二の容器および該第二容器と接続している流出口を含み、ここで該容器の一方は1種のターゲット分子を含む1種の担体物質を含み、かつ他方の容器は該ターゲット物質を含まない該担体物質を含み、該NMR装置は、少なくとも該NMRプローブの2つの容器内に広がったパルス化ラジオ波場(pulsed-radio field)を発生するための、第一の手段を含むように設置され、かつ該NMR装置は、該発生したパルス化ラジオ波場に対する該一方の容器における第一の応答、および該発生したパルス化ラジオ波場に対する該他方の容器における第二の応答を測定するための、第二の手段を含むように設置されている。
【0032】
上記のように、好ましい一態様では、フローインジェクションNMRプローブが使用され、これは2つの小さな(200μm未満の容量)チャンバーをインラインで含み、これらは夫々該コントロールおよび実験的な固体担体、特にコントロールおよび実験的な樹脂を含む。
従って、例えば2つの別々のコイルが、独立におよび好ましくは同時に、結合についてテストすべき該化合物の1Hスペクトルを記録することができる。これは、高度に効果的かつ自動的な装置を可能とし、そこではスクリーニング性サンプルは、サンプル調製ロボットを介して注入され、また該NMR分光分析器における該固体担体を通して、該固体担体を介して、あるいは該固体担体に沿って、ポンプ輸送することができる。1サンプル当たり、例えば10個の化合物を含む場合、この装置は、該ターゲット数mgのみを使用して、1週間に100,000個の化合物を問題なしにスクリーニングできる。
【0033】
更に、図3を参照しつつ、このNMR装置をより詳細に説明する。図3は、本発明のフロースルー法に対して最適化された、NMRプローブの可能な一態様を模式的に示す図である。このデバイスは、スクリーニングすべきサンプルを適用するための、(図示されていない)ポンプに接続されている流入口(1)、各内部にフリット化されたサンプル容器(4および5)が配置される、2つの容器ホルダ(2および3)、該2つのフリット化された容器(4および5)を接続するチューブ(6)および出口チューブ(7)からなり、ここで該サンプルは、廃棄または回収かつ再循環することができる。該アセンブリーは、NMR装置内の、パルス/検出コイル(8)および2つの傾斜磁場コイル(9および10)の内側に配置する必要がある。サンプル容器4は、ターゲット分子を持たないコントロール固体担体を含むことができ、一方サンプル容器5は、ターゲット分子を持つ実験用の固体担体を含むことができ、またその逆であっても良い。スクリーニング性化合物の混合物を、これら両容器を介してポンプ輸送する。NMRスペクトルを、サンプル容器4内のサンプルおよびサンプル容器5内のサンプルについて別々に記録する。
【0034】
好ましい一態様においては、2つの独立したパルス場傾斜磁場コイル(9および10)を、各容器につき使用し、また一つの検出コイル(8)を使用する。これら2つの独立したパルス場傾斜磁場コイルは、一サンプル容器内の位相一貫性を選択的に破壊するのに利用できる。
もう一つの好ましい態様では、別々のパルス検出コイルを、各容器に対して使用する。
上記のように、一般に、種々のNMR法は、実験条件、例えばリガンドまたはターゲットの濃度変化、温度、pH等における可能な変化に対して敏感である。これら変化は、該差スペクトルにおける誤差(artefacts)に導き、結果的にデータ分析を複雑にする。しかし、上記した本発明のTINS装置は、テスト化合物の同一の溶液を、該コントロールおよび実験樹脂両者に適用するという事実のために、これらの潜在的な諸問題点をかなり最小化する。更に、両スペクトルを、物理的に相互に隣接するサンプルについて、ほぼ同時に得ており、このことは、温度におけるあらゆる可能な変動または分光法上の条件におけるドリフトを最小化する。
【0035】
約1000 Da未満の分子量を持つ小分子に注目すると、この装置は、該テスト化合物を溶解するために使用する溶媒およびpHの選択において、より一層融通性あるものとし、しかもターゲットの付着は、可溶性ターゲットに関する要求を緩和し、また多くの場合において実際に該ターゲットの安定化を助ける。最後に、このTINS法は、実際の薬物スクリーニング過程で、該コントロールチャンバーにおいて、既知の非-特異的薬物バインダ、例えばヒト血清アルブミンを使用することによって、特異的結合のみを測定することが可能となる。スクリーニングの溶液モードでは、このような差の検出は不可能であろう。
【0036】
上記のように、本発明は、先見的に知ることができなかった、リガンドのスクリーニング法に係る多くの利点を実現する。本発明の方法は、多くの技術的な局面を持ち、これらは、本発明の方法を、多数の有力なリガンドのスクリーニングにとって有利なものとする。第一の利点は、データの単純性である。リガンドは、該ターゲット分子と結合した場合、事実上固体状態にあるので、そのNMRシグナルは、検出限界を越えてブロードになることが分かった。従って、リガンドと結合したターゲットは、該観測されたNMRスペクトルには寄与しない。換言すれば、該NMRスペクトルは、溶液中に存在する分子のみに由来するシグナルを含む。単純な一次元スペクトルにおいて、ある化合物が該固定化したターゲットと結合した場合、そのスペクトルに及ぼす唯一の効果は、該化合物に由来する共鳴のピーク高さを減じることである。本質的に、このことは、本発明の方法を二重に簡単なものにする。このことは、勿論データ、特にハイ-スループットスクリーニングにおいて得たデータの解釈を、一層簡単なものとする。
【0037】
本発明の方法に係る第二の利点は、感度である。本発明の方法は、約10 mM程度の弱い結合相互作用の検出を可能とする。そのスクリーニングの条件は、所望に応じてこの検出限界を変えるように変更することができる。例えば、固定化ターゲット分子の量を高め、および/またはスクリーニングすべき、溶液中の該化合物の濃度を下げることが可能であり、このことは、検出できる相互作用の最低のアフィニティーを低下する。というのは、より高い比率で該可溶性の化合物が、該ターゲットと結合するであろうからである。結合するリガンドを見出すチャンスは、この相互作用のアフィニティーに反比例するので、本発明の方法は既知のスクリーニング法と比較して、約100-1000倍もリガンドを見出す確率が高く、低マイクロモル範囲の、解離定数によって特徴付けられる相互作用を検出することができる。
【0038】
【実施例】
以下、本発明を、以下に記載する非限定的な実施例を参照しつつ、更に詳細に説明する。
実施例1
ホスホチロシン(pY)、アルギニン(R)、メチオニン(M)およびグリシン(G)各々の1 mM溶液を、D2O、20 mMの重水素化Trisバッファー(pH 7.5)および50mM NaClを用いて調製した。
1D 1Hスペクトルを、600MHz ブルカー(Bruker) DMX分光光度計(ブルカー(Bruker)、ドイツ国)に記録した。但し、残留溶媒の共鳴を抑制するために、WATERGATEパルスシーケンスを使用した(Piotto等, J. Biomol. NMR, 1992, 2: 661-665を参照のこと)。
第二の1D 1Hスペクトルを、同一の溶液を用いて記録した。但し、500μlのActigel ALD (Sterogenem Carlsbad, CA, USA)クロマトグラフィー樹脂の存在下で行った。1H共鳴の線幅は、この樹脂の存在下で、約50倍(0.5から25Hzに)増大することが分かった。それにも拘らず、この樹脂の存在下で得たスペクトルは、依然として十分な解像度を示し、各ピークを鮮明に示し、また該スペクトルを1分以内に得ることができる。
【0039】
実施例2
本例における目的は、小さな分子と、該樹脂に結合したターゲットとの結合が、1Hスペクトルにおいて検出可能であるか否かを検討することにあった。このテスト装置では、ウシホスホイノシチド3'-キナーゼの、85 kDa、α型調節サブユニットを由来とするC-末端SH2ドメイン(CSH2)を使用した。この小さな(110残基)タンパクドメインは、十分に特徴付けされた結合特異性を持つ。高アフィニティー結合(Kd〜100nM)が、ホスホチロシン(pY)-バリンまたはメチオニン-x-メチオニン(ここでxは任意のアミノ酸残基である)からなるペプチドリガンドについて観測される。
本発明の方法が、化合物の大きなライブラリーの、効率的なスクリーニングにとって適当なモードを与えるか否かを検討するために、CSH2を、共有結合によってActigel ALD製の化学的に活性化したクロマトグラフィー樹脂上に固定化した。この結合は、製造業者らの文献に記載されたように、即ち(ほぼ)ランダムに配向したCSH2の表面上で、第一アミンを介して起こる。
【0040】
詳しく説明すると、p85αのC-末端SH2ドメインを、以前Siegal等, J. Mol. Biol., 1998, 276:461-478に記載されたようにして調製した。25 mMのHEPES (pH 7.5)および100 mMのNaClからなるバッファー中に分散させた、11 mg のこのドメインCSH2を、1 mlのActigel ALD (Sterogene, Carlsbad, CA, USA)と共に、その製造業者によるプロトコールに従って、インキュベートした。この量は、1 mM溶液の濃度に相当する。該ゲル上の未結合サイトを、d11-Tris (Cambridge Isotopes, Andover, MA, USA)を使用してブロックした。コントロール樹脂は、排他的にd11-Trisを用いて誘導した。
これら有力なリガンドを、d11-Trisと共に99% D2O中に溶解した。該CSH2を誘導体化した樹脂との結合をテストするための、該溶液は、25 mMのTris (pH 7.5)および50mM NaCl中に溶解した、各1 mMのホスホチロシン(pY)、メチオニン(M)、グリシン(G)およびアルギニン(R)からなっていた。
【0041】
全ての場合において、樹脂を含む該コントロールおよび実験的ターゲットは、テスト物質を含む同一の混合物で3回洗浄した。
全てのNMRスペクトルは、ブルカー(Bruker, ドイツ) DMX 600分光光度計で記録した。典型的に2k複素点(complex points)の16〜64個のトランジエント(transients)からなるスペクトルを、該製造業者の文献に記載されている方法に従って、sin2関数を使用してアポダイゼーション処理し、かつ製造業者であるブルカーによって提供された、XWINNMRソフトを利用して、自動的にベースライン補正した。差スペクトルも、XWINNMRソフトを利用して計算した。
【0042】
溶液状態NMR分光分析の観点から、該結合タンパクが本質的に固体状態にあり、その結果検出不能なほどにブロードな共鳴を示し、該CSH2誘導体化樹脂の1Hスペクトルは、重水素化Trisを用いて誘導したコントロール樹脂のスペクトルと殆ど同一である(図示せず)。D2Oに溶解したPY、M、GおよびRの混合物を、次に該コントロール樹脂およびCSH2と共有結合した該樹脂に適用した。各々の1Hスペクトルを、同一のパラメータを用いて記録した(図1aおよびb)。これらスペクトルの目視による検討は、該固定化CSH2の存在下で記録した該スペクトルにおける、pY由来のピーク (7.2〜7.3ppmなる範囲の芳香族プロトン由来のピークの中で最も鮮明に見える)の明らかな減少を示す。図1aおよび図1bのスペクトル同士の引き算は、この違いを更に高める(図1c)。ここでは、pYの全部で5つの固有の共鳴を、鮮明に観測できる。更に、Mのβ、γおよびδプロトン由来の小さな残留ピークを観測することができる。これとは対照的に、CSH2と結合しない、グリシンおよびアルギニンのプロトン由来の全てのピークは、完全に除去される。
【0043】
更に詳しくは、図1は、D2O、20 mMの化d11-Trisバッファー(pH 7.5)および50 mM NaClに溶解した、pY、R、MおよびGの1 mM溶液の、1D 1H NMRスペクトルを示す。図1aは、コントロールの誘導体化樹脂の存在下で記録した該スペクトルを示す。図1bに示されたスペクトルは、該固体担体に共有結合によって結合された、5 mg のSH2ドメインの存在下で記録されたものである。このSH2にとって好ましいリガンドは、ホスホチロシン(pY)-バリンまたはメチオニン-x-メチオニン(ここで、xは任意のアミノ酸残基である)からなる短いペプチドである。pYは、該SH2ドメインの天然リガンドの模倣品であり、約0.6 mMなるKdにて結合する。その共鳴は、pYで記される。RおよびGは、結合しない。Mは天然リガンドのメチオニン残基の模倣品であるが、極めて低いアフィニティー(Kd≧10 mM)にて結合することが予想される。メチオニンを由来とするピークは、Mで記される。
【0044】
図1cは、差スペクトル、即ちスペクトル1a引くスペクトル1bを示す。このスペクトルは、該タンパク質ターゲットと特異的に結合する化合物由来の共鳴のみを示す。このように、該pYピークは比較的緊密な結合を大きく反映している。Mと該SH2ドメインとの弱い結合は、Mで記された差スペクトルにおける小さな残留ピークとして検出できる。星印は、工業的製造における低濃度のpY含有異物を表す。
実施例3
このTINS法の特に興味深い局面は、この方法が広範囲のターゲットに対して慣例的に適用できることにある。この方法は、該ターゲットと結合した所定量の小分子に対してのみ感受性であるから、該ターゲットの特徴は、スクリーニングに対して必要な手順に、殆どまたは全く影響を与えない。原理的には、どの程度該ターゲットを固定化すべきかを知り、次いで単に適用すべき該化合物の濃度を調節して、所定のアフィニティーを持つ結合を検出することで十分であるが、新たなターゲットをスクリーニングするために、その他の変更をしてはならない。このことを立証するために、実施例2のタンパク質ターゲットを、DNAで置き換えた。
【0045】
これに対して、26塩基をもつオリゴヌクレオチドを合成し、その5'末端をビオチンで標識した。このオリゴヌクレオチドをストレプタビジン-セファロース樹脂と結合させ、スペルミンを含有する小さな化合物の混合物を、このものおよびこの樹脂のみを含むコントロールサンプルに適用した。スペルミンは、DNAのリン酸骨格と中程度に高いアフィニティーで結合することが知られている。図2は、スペルミンと該オリゴペプチドとの結合が、タンパクと全く同一の手順で検出できることを立証している。
より詳しくは、脱塩しかつビオチン処理したオリゴペプチド(4 mg、配列:ATGGCGAATCCGTAATCGGAT TCGCC)を、20 mMリン酸ナトリウムバッファー(pH 7.5)および150 mMのNaCl中に溶解し、1 mMのストレプタビジン-セファロース樹脂(Pharmacia, Uppsala, Sweden)と共に室温にて30分間インキュベートした。次いで、この樹脂を99%のD2Oで15分間洗浄して、未結合物質を除去した。
【0046】
その後、このサンプルを、実施例2で使用したものと同一のNMR法に供した。
図2には、D2O中の、pY、R、イミダゾール(I)およびスペルミン(S)の1 mM 溶液に関する、1D 1H NMRスペクトルを示す。図2aは、ストレプタビジン-セファロース樹脂の存在下で記録したスペクトルである。図2bのスペクトルは、該ストレプタビジン-セファロース樹脂と結合した、26塩基を含む合成二本鎖の、5'-ビオチン処理されたオリゴヌクレオチドの付随的な存在下で記録されたものである。スペルミンは、DNAのホスフェート骨格と結合することが知られている。R、pYおよびIはDNAと結合しない。アルギニンの共鳴は、Rで記され、可視性のイミダゾールの共鳴は、Iで記され、またホスホチロシンに関する共鳴は、pYによって記されている。図2cに示された差スペクトルから、スペルミンのピークのみが残されることを知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、(a) コントロールの誘導体化樹脂の存在下および(b) 5.5 mg のCSH2を用いて誘導した樹脂500μlの存在下で、D2Oに溶解したホスホチロシン、グリシン、メチオニンおよびアルギニン混合物の、1H NMRスペクトルを示す。各サンプルに対して同一の溶液を使用し、NMRスペクトルは同一のパラメータで記録した。差スペクトルを図1cに示す。但し、CSH2と結合することが知られている、ホスホチロシン由来のピークのみが、この差スペクトルに見られる。
【図2】 図2は、a) ストレプタビジン-セファロース樹脂の存在下およびb) 4 mg の合成オリゴペプチドが結合したストレプタビジン-セファロース樹脂500μlの存在下での、D2Oに溶解したスペルミン、ホスホチロシン、イミダゾールおよびアルギニン混合物の、1H NMRスペクトルを示す。差スペクトルのみをcに示す。公知のDNA結合分子である、スペルミン由来のピークのみが、この差スペクトルにおいて観測される。
【図3】 本発明の方法において有用なNMRプローブの、可能な実施態様を模式的に示す図である。

Claims (12)

  1. 特定のターゲットに結合する化合物を同定するための、化合物スクリーニング法であって、
    (a) 固体担体に固定化されたターゲットを調製し、
    (b) 該固体担体の存在下で、該ターゲット分子を該担体に固定化することなしに、該スクリーニングすべき化合物の第一のNMRスペクトルを発生させ、
    (c) 固定化された該ターゲット分子を含む、該固体担体の存在下で、該スクリーニングすべき化合物の第二のNMRスペクトルを発生させ、および
    (d) 該第一および第二NMRスペクトルを比較して、該第一および第二NMRスペクトル間の違いを決定する、
    各工程を含むことを特徴とする、上記方法。
  2. 該ターゲットが、分子または一群の分子である、請求項1記載の方法。
  3. 該第一および第二NMRスペクトルが一次元スペクトルである、請求項1または2記載の方法。
  4. 該第一および第二NMRスペクトルがプロトン-NMRである、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
  5. 上記の工程(d)が、該第二スペクトルから該第一スペクトルを差し引く、あるいはその逆の工程を含む、請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
  6. 上記の工程(d)が、該第一および第二スペクトルにおけるピーク面積を測定し、これらピーク面積を比較する工程を含む、請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
  7. 該第一および第二NMRスペクトルが、2つのチャンバーを含むプローブを使用し、ここで該チャンバーの一方は、該ターゲット分子を固定化していない該固体担体を含み、該チャンバーの他方は、固定化された該ターゲット分子を含む該固体担体を含み、該スクリーニングすべき該サンプルを該第一のチャンバーに導入し、該第一チャンバー内の該第一NMRスペクトルを記録し、引き続き該スクリーニングすべきサンプルを該第二チャンバーに導入し、かつ該第二チャンバーにおける該第二NMRスペクトルを記録することによって得られる、請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。
  8. 該サンプルを、ストップト-フローモードで該第一および第二チャンバーに導入する、請求項7記載の方法。
  9. NMR装置であって、テストサンプルのフロースルー式NMRスクリーニングに適したNMRプローブを備え、該プローブは流入口、該流入口と接続する第一容器、該第一容器と接続している第二容器および該第二容器と接続している流出口を含み、該容器の一方が、一種のターゲットを含む一種の担体材料を含み、かつ他方の容器が、該ターゲットを含まない該担体材料を含み、該NMR装置が、該NMRプローブの少なくとも該第一および第二容器内に伸びた、パルス化されたラジオ波場を発生する第一手段を含むように設けられ、かつ該NMR装置が、該発生したパルス化ラジオ波場に対する該一方の容器における第一の応答および該発生したパルス化ラジオ波場に対する該他方の容器における第二の応答を測定するための第二の手段を含むように設けられていることを特徴とする、上記NMR装置。
  10. 該NMR装置が、該各容器内における、該発生したパルス化ラジオ波場に対する該第一および第二応答を比較するための、第三の手段を含むように設けられている、請求項9記載のNMR装置。
  11. 該第一の手段が、パルス送出の検出用コイルを含み、かつ該第二の手段が、一つの検出コイルと、各容器に対する2つの独立したパルス化場勾配コイルを含む、請求項9または10記載のNMR装置。
  12. 該第一の手段が、少なくとも一つのラジオ波場パルス送出コイルを含み、かつ該第二の手段が、各容器に対して一つの検出コイルをふくむ、請求項9または10記載のNMR装置。
JP2002530637A 2000-09-27 2001-09-27 リガンドの発見または薬物スクリーニング手段としてのnmr利用法 Expired - Lifetime JP5129424B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US23579100P 2000-09-27 2000-09-27
US60/235,791 2000-09-27
PCT/NL2001/000711 WO2002027309A1 (en) 2000-09-27 2001-09-27 Method for applying nmr for ligand discovery or as a drug screening tool

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004510157A JP2004510157A (ja) 2004-04-02
JP5129424B2 true JP5129424B2 (ja) 2013-01-30

Family

ID=22886927

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002530637A Expired - Lifetime JP5129424B2 (ja) 2000-09-27 2001-09-27 リガンドの発見または薬物スクリーニング手段としてのnmr利用法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8173441B2 (ja)
EP (2) EP2280272A1 (ja)
JP (1) JP5129424B2 (ja)
AU (1) AU1106902A (ja)
CA (1) CA2423914C (ja)
WO (1) WO2002027309A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004063715A2 (en) * 2003-01-10 2004-07-29 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Methods of using crystal structure of carboxyltransferase domain of acetyl-coa carboxylase, modulators thereof, and computer methods
EP1794324A4 (en) 2004-09-20 2010-04-14 Wisconsin Alumni Res Found NONLINEAR SPECTROSCOPIC PROCEDURES FOR IDENTIFICATION AND DESCRIPTION OF MOLECULAR INTERACTIONS
JP2008216092A (ja) * 2007-03-06 2008-09-18 Tottori Univ ポリペプチドのnmrスペクトル測定・解析法、その方法に用いる試料、装置およびプログラム
US7760342B2 (en) 2007-12-21 2010-07-20 Wisconsin Alumni Research Foundation Multidimensional spectrometer

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3427532A (en) * 1966-02-14 1969-02-11 Varian Associates Nuclear magnetic resonance probe for spectrometers having an internal reference nuclei different than the nuclei under observation
US4646024A (en) * 1983-11-02 1987-02-24 General Electric Company Transverse gradient field coils for nuclear magnetic resonance imaging
US4654592A (en) * 1985-01-14 1987-03-31 Varian Associates, Inc. Concurrent NMR analysis of multiple samples
US5861254A (en) * 1997-01-31 1999-01-19 Nexstar Pharmaceuticals, Inc. Flow cell SELEX
DE4104075C1 (ja) * 1991-02-11 1992-03-19 Bruker Analytische Messtechnik Gmbh, 7512 Rheinstetten, De
WO1992016040A1 (en) * 1991-03-08 1992-09-17 Elbit-Ati, Ltd. Apparatus for in-line analysis of flowing liquid and solid materials by nuclear magnetic resonance
US5162739A (en) * 1991-04-05 1992-11-10 F. David Doty Balanced multi-tuned high-power broadband coil for nmr
US5372783A (en) 1992-08-03 1994-12-13 Sapidyne, Inc. Assay system
US5698401A (en) 1995-11-14 1997-12-16 Abbott Laboratories Use of nuclear magnetic resonance to identify ligands to target biomolecules
PT870197E (pt) 1995-11-14 2001-11-30 Abbott Lab Utilizacao de ressonancia magnetica nuclear para projectar ligandos para biomoleculas alvo
DE19548977C1 (de) * 1995-12-28 1997-02-27 Bruker Analytische Messtechnik NMR-Meßzelle und Verfahren zur schnellen Mischung mindestens zweier Reaktionsfluide in der NMR-Meßzelle
US5705928A (en) * 1996-06-14 1998-01-06 Varian Associates, Inc. Sample delivery system used in chemical analysis methods which employs pressurized gas for sample conveyance
US6054857A (en) * 1997-03-18 2000-04-25 Doty Scientific, Inc. NMR MAS sealing sample cells and methods
JP3417791B2 (ja) * 1997-04-04 2003-06-16 信越化学工業株式会社 無機系充填剤における固体表面状態の直接測定方法
US6043024A (en) * 1997-04-18 2000-03-28 Abbott Laboratories Use of one-dimensional nuclear magnetic resonance to identify ligands to target biomolecules
JP2002505004A (ja) 1997-06-13 2002-02-12 バーテックス ファマシューティカルズ インコーポレイテッド 薬剤核を同定する方法
ATE364837T1 (de) * 1997-12-17 2007-07-15 Aventis Pharm Prod Inc Verfahren zur quantifizierung von reaktionen in der festphase unter verwendung von fluor nmr
AU3007300A (en) * 1999-02-26 2000-09-14 Purdue Research Foundation Nuclear magnetic resonance analysis of multiple samples
US6677160B1 (en) * 1999-09-29 2004-01-13 Pharmacia & Upjohn Company Methods for creating a compound library and identifying lead chemical templates and ligands for target molecules
US6307372B1 (en) * 1999-11-02 2001-10-23 Glaxo Wellcome, Inc. Methods for high throughput chemical screening using magnetic resonance imaging

Also Published As

Publication number Publication date
EP1322942A1 (en) 2003-07-02
JP2004510157A (ja) 2004-04-02
WO2002027309A1 (en) 2002-04-04
EP2280272A1 (en) 2011-02-02
US20030148297A1 (en) 2003-08-07
US8173441B2 (en) 2012-05-08
CA2423914A1 (en) 2002-04-04
CA2423914C (en) 2010-11-30
AU1106902A (en) 2002-04-08
EP1322942B1 (en) 2014-03-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6043024A (en) Use of one-dimensional nuclear magnetic resonance to identify ligands to target biomolecules
Vanwetswinkel et al. TINS, target immobilized NMR screening: an efficient and sensitive method for ligand discovery
US6677160B1 (en) Methods for creating a compound library and identifying lead chemical templates and ligands for target molecules
Nicholson et al. High resolution nuclear magnetic resonance spectroscopy of biological samples as an aid to drug development
Coles et al. NMR-based screening technologies
Keifer et al. Direct-injection NMR (DI-NMR): a flow NMR technique for the analysis of combinatorial chemistry libraries
JP5129424B2 (ja) リガンドの発見または薬物スクリーニング手段としてのnmr利用法
Śledź et al. Ligand‐observed NMR in fragment‐based approaches
Siegal et al. Biomolecular NMR: recent advances in liquids, solids and screening
KR20050008788A (ko) 고처리량 스크리닝을 위한 불소 nmr의 용도
CA2467657A1 (en) Process for determining target function and identifying drug leads
JP2005345193A (ja) 核磁気共鳴法及び/又は核磁気共鳴による拡散係数測定法を用いた定量方法
AU2002211069B2 (en) Method for applying NMR for ligand discovery or as a drug screening tool
Middleton NMR methods for characterising ligand-receptor and drug–membrane interactions in pharmaceutical research
AU2002211069A1 (en) Method for applying NMR for ligand discovery or as a drug screening tool
CA2292751A1 (en) Methods for identifying drug cores
AU772620B2 (en) Use of one-dimensional nuclear magnetic resonance to identify ligands to target biomolecules
Chen et al. LC method for the analysis of kanamycin residue in swine tissues using derivatization with 9‐fluorenylmethyl chloroformate
US20030143757A1 (en) Methods for identifying drug cores
Früh et al. Target immobilized NMR screening: Validation and extension to membrane proteins
O’Connell et al. Spectroscopic Methods of Analysis: Nuclear Magnetic Resonance Spectroscopy
Jahnke Fragment-based Ligand Design
Derrick Critical analysis of affinity NMR for the measurement of protein/ligand binding
Hage et al. Research Spotlight: Research in bioanalysis and separations at the University of Nebraska–Lincoln
MXPA99009558A (en) Use of one-dimensional nuclear magnetic resonance to identify ligands to target biomolecules

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080926

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111006

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120105

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120510

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120724

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120731

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121025

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5129424

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151109

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250