JP5128505B2 - 喫煙行動のモニタリング及び数量化 - Google Patents

Description

本発明は、携帯型の生理学的モニタリングに関し、特に、被験者の全体的な喫煙行動を長期にわたって数量化し、例えば被験者のふかし方の性質といった、被験者の喫煙の方法の特徴を数量化する、自動システムおよび方法に関する。

喫煙は、まきタバコ（ｃｉｇａｒｅｔｔｅ）、葉巻、パイプ、あるいは他の喫煙用品のいずれに関わらず、主として誘発性の肺疾患から深刻な罹患率および死亡率につながる、世界的に深刻な健康問題としてよく知られている。喫煙者に喫煙を止めるように、または喫煙を制限するように、あるいはより病原性の少ない方法で喫煙するように支援するための設備や情報を提供することは、有益である。また、被験者の喫煙行動にも続いて潜在的な肺疾病の可能性および重症度を評価することは、有益である。さらに、公衆衛生、研究およびその他の目的のために、数人の被験者の平均的な喫煙行動、および／または、被験者の母集団の平均的な喫煙行動をモニタリングおよび数量化することは、有益である。

長時間にわたって被験者の喫煙行動をモニタリングおよび数量化し、被験者の喫煙方法の特徴をモニタリングおよび数量化する自動システムは、先行技術においては得られない。

本発明の目的は、喫煙者に上記の情報を提供するシステムおよびコンピュータ実装した方法を提供することである。

本発明は、被験者のまきタバコ及びその他の喫煙のタイプの特異的な特性をモニタリグおよび数量化するために処理・解釈することができるデータを提供するための、携帯型の心肺モニタリング・システムの利用を含む。このモニタリングは、喫煙者とタバコあるいは他の喫煙用品との相互作用についてのより大きな理解を可能にする。さらにそれは、個々の喫煙者に、喫煙を止めたり、喫煙を制限したり、もしくは喫煙行動を改善するよう支援する。

本発明は、被験者の全体的な喫煙行動および被験者の詳細な喫煙行動、すなわち、被験者の個々のふかし方および全体的なタバコのふかし方パターンの特徴や、異なる喫煙用品でどのように変化するか、を特徴付けるための、携帯用および／または臨床用および／または研究用のモニタリング・データを、解析する方法を提供する。概して喫煙は、モニタリング・データによって明らかにされるタバコのふかしの数、およびその発生回数によって決定される。本発明は、呼吸がタバコのふかしであることを示す特異的な特徴を識別し、さらに個々のタバコのふかしについての重要な形態的特徴を識別する。好適な実施形態では、コンピュータ実装型の方法は、タバコのふかし方を識別するタバコのふかしを示す特徴に対して一回換気量(Ｖｔ)データを検討する。さらに、これらのコンピュータ実装型の方法はまた、重要な形態的特徴を識別するためにそれぞれのタバコのふかし方についてのＶｔデータを検討もすることが好ましい。タバコのふかしの発生のデータおよびタバコのふかし形態のデータは保持され、被験者の喫煙行動、すなわち被験者の全体的な喫煙行動および被験者がどのようにタバコをふかすのかについての詳細といったあらゆる局面の特徴、を提供するために統計的に要約される。

１回のタバコのふかしもまた、タバコをふかす際の吸気および呼気の容量、流量、タイミングを決定することによってモニタリングし数量化することができる。さらに、心臓のデータが利用可能な場合、心拍数、心拍変動、及び活動に対する喫煙の影響は、関連付けることができる。さらには、喫煙パターンおよび喫煙者と喫煙道具との相互作用は、喫煙依存症と関連する診断情報、および、喫煙関連疾患の進行の可能性と関連する予後の情報を提供することが出来る。

さらに、心臓、呼吸、活動データを含む、完全な携帯用および／または臨床用および／または研究用のモニタリング・データは、タバコの煙を吸う、止める、吐くという動作に関連する喫煙者の活動／動作についての詳細な相関、ならびに、その結果生じる呼吸パターン、血中酸素飽和度、心拍数および心拍変動、喫煙前後の身体活動レベル等に関する喫煙の影響についての詳細な相関を有効にする。昼夜にわたる継続的モニタリングは、喫煙習慣の変化と、呼吸パターンならびにその結果生じる睡眠潜時、睡眠時間、睡眠の質との相関を認める。

本発明の他の態様は、喫煙者が、例えばフィルター付き、フィルターなし、メントール、低タール等の異なるタイプのまきタバコを吸う、そして葉巻、パイプ、その他の喫煙道具等で喫煙するというような方法のモニタリングを含む。本発明の他の態様は、ニコチン依存症に関連した喫煙から逃れるために、自らの喫煙行動を変えたいと望む喫煙者のためのバイオフィードバック情報としてのモニタリング・データの利用を含む。本発明の他の態様は、「１日１箱」の喫煙をベースにした評価よりも高い精度で喫煙関連疾患の可能性および重症度を評価するための喫煙行動データの利用を含む。本発明の他の態様は、様々な被験者母集団からの喫煙行動データの収集、ならびに、様々な公衆衛生、研究、およびその他の目的ためのデータベースにこのデータを格納することを含む。

好適な携帯型モニタリング・システムは、一回換気量、一回換気量に対する胸郭および腹腔の拡張の相対的寄与、心拍数、ＥＣＧ(心電図)、動作、血中酸素飽和度、姿勢、および活動をモニタすることができる。上記のシステムは、カリフォルニア州ヴェントゥーラのＶｉｖｏＭｅｔｒｉｃｓ社から入手可能である。

本発明の好適な実施形態について述べる。これらの実施形態は本発明のいくつかの好適な態様の説明であるため、これらの実施形態は、本発明の範囲を限定しない。何れの均等物である実施形態も、本発明の範囲内とするものである。実際に、記載される構成要素の代替の有用な組み合わせといった、本明細書に示され、記載された内容に加え本発明の様々な改良は、後の記載から当業者に明らかとなるだろう。上記のような改良および組み合わせはまた、添付の請求項の範囲内にあるものとする。以下において(および出願全体において)、標題および凡例は、明確性および便宜性のみに使用される。

発明は、移動中にモニタされる、または、クリニックにいる間モニタされる被験者に役立つ。本発明はさらに、研究所でのモニタリングおよび研究に役立つ。本発明は、本出願において、「携帯用」、「臨床用」、あるいは「研究用」として記載することができるが、これらの用語の使用は、それぞれ、本発明の適用性を限定するものではない。

（喫煙解析法）
喫煙の動作は、心肺機能の特徴的パターン、携帯型モニタリング・データをもたらす。本発明は、これらの特徴的パターンを認識しかつ数量化するシステム、および、コンピュータ実装型の方法を提供する。これらの方法は、図１乃至４を参照して述べる。それは、例示的な喫煙パターンを示す。好適な携帯型モニタリング装置およびデータ解析システムを、続いて述べる。

本発明の方法は、最初に心肺機能データ中のタバコのふかしを認識する方法と、認識したタバコの吹かしに基づいて、次に長時間にわたって被験者の全体的な喫煙行動を数量化する方法（喫煙行動法）とに、大まかに分けられる。第２の方法群は、被験者の喫煙の仕方(喫煙法またはタバコのふかしの形態的方法の仕方)を数量化し分類するために、各タバコのふかしを詳細に検討するものである。

まず喫煙行動法を見ると、図１は、５分４５秒間の喫煙時間での被験者からの心肺機能のモニタリング・データを示す。Ｖｔ出力は、被験者の一回換気量である。ＲＣとＡＢの出力は、それぞれ被験者の胸郭および腹腔の伸縮である。Ｂｒ/Ｍで表示された出力上のスパイクは、各呼吸の始まりを記録し、スパイクの高さは、その関連する呼吸の容量を示す。Ｖｅ/Ｖｏｌ出力で表示された出力中のスパイクの高さは、その関連する呼気量を示す。ＥＣＧ出力は、コンカレント心電図（ｃｏｎｃｕｒｒｅｎｔ ｅｌｅｃｔｒｏｃａｒｄｉｏｇｒａｍ）である。ＨＲ出力は、心拍数である。また、ＡＣＣ出力は被験者の活動を反映する加速度計データである。この期間中、範囲指定したバンドによって示されるように、被験者は、１４回タバコをふかした。これらのタバコのふかしは、目立った特性を持ち、本発明のコンピュータ実装型の方法は、これらの目立った特徴の記録を検証することによりタバコのふかしの発生を認識する。

タバコのふかし１１は、波形の特徴およびタバコのふかしを示す特性を示す。第１に、タバコのふかしは、典型的には、隣接した呼吸の持続時間より約２．５〜３．０倍長い持続時間を有し、隣接した呼吸の振幅より約２倍大きい振幅を有する。

第２に、タバコのふかしは、ふかし１１によって再び示される、特徴的な形状をしている。タバコのふかしは、単一の吸気相および単一の呼気相で構成される単一の呼吸である。ほとんどの場合、呼気相の傾斜は、実質上一定か、あるいはゆっくり変化している（約５０％未満である傾斜での相対的な変化)。しかしながら、吸気相は、しばしばけしてマイナスにはならないが、０まで低下する介在期間によって分離された、類似する傾斜の２つのセグメントを含むことがしばしばである。すなわち、呼気は介在期間中に生じない。しかしながら、吸気相の傾斜もまた、実質上一定か、あるいはゆっくり変化している。吸気相及び呼気相は、実質上一定であるが上昇した肺容量で、息止めの期間によって分離することができる。

したがって、タバコのふかしを示す1つの主要な特徴は、両方がそれぞれ隣接した呼吸より約１．５倍乃至２．０倍長いまたは大きい、持続時間と振幅とを伴う呼吸である。これらの偏差が大きいほど、特定の呼吸がタバコのふかしであるという信頼性が大きい。さらなる主要な信号は、実質上単一の吸気相を特徴付ける。それは、実質上一定の肺容量における１期間、および、実質上単一の呼気相よって、中断されてもよい。実質上一定の上昇した肺容量での息止め期間は、吸気と呼気を分離してもよい。タバコのふかしは、特徴的には、それ以上の構成を持たない。実際、それ以上の構成は、タバコのふかしではなく、おそらく、咳、ため息、発声の期間等であることを示唆する。二次的な特徴は、ほとんどのタバコのふかし持続時間にわたって通常減少する心拍数である。

このように、タバコのふかしは、モニタするデータのコンピュータ実装による検査によって決定される特徴の欠如の存在といった、これらの主要及び二次的特徴について予め定義された組み合わせを有する呼吸として識別されることが好ましい。タバコのふかしは、制限された被験者活動の期間に最も確実に認識される。これは、例えば、加速度計といった、携帯型モニタリング装置の一部である、運動センサーによって示すことができる。図１では、ＡＣＣ出力は、制限された被験者活動を示す加速度計出力である。より激しい活動の間、正常に増加した分時換気量および動作のアーチファクトは、タバコのふかしについての特徴すべてのうちのいくつかを模倣することができる。オプションとして、タバコのふかし識別は、上記の活動中や、データ・セット中に注記された保留期間に、保留することができる。

全体的な喫煙行動は、識別されたタバコのふかしの発生およびタバコのふかし発生の回数から、抽出することができる。例えば、一日におけるすべてのタバコのふかし数を数えることができる。この測定は、1日当たりに吸われたまきタバコ（ｃｉｇａｒｅｔｔｅ）の本数（あるいは箱数）であるよりも、きざみタバコ（ｔｏｂａｃｃｏ）の煙による肺暴露に関する、より信頼できる指標であると予想される。さらに、喫煙時間の長さおよび発生時刻と同様に喫煙時間の数は、要約することができる。さらに、これらの喫煙の定量的な測度は、他の心肺機能能のパラメータ、例えば心拍数、心拍変動、呼吸数、１回換気量などとそれらの変動数におけるパターンと関連付けることが出来る。さらに、一日の一部または一日中および次の夜にわたるモニタリングについては、喫煙の定量的測度は、睡眠への喫煙の影響を確認することを目的として、睡眠の時間および質についての客観的尺度と関連させることができる。睡眠は、様々な睡眠段階、夜間覚醒の数等で費やされた時間によって評価することができる。好適な実施形態では、睡眠パラメータは、心肺機能モニタリング・データおよび運動モニタリング・データから決定される。すべての目的のために参照することにより本明細書全体に含まれる、「脳波によらない睡眠（ｎｏｎ−ｅｅｇ ｓｌｅｅｐ）」の適用を参照のこと。

次に喫煙方法の仕方を見てみると、タバコのふかし方形態は、きざみタバコ（ｔｏｂａｃｃｏ)の煙による肺暴露の推定の改善において重要であり、それは、喫煙行動方法によって最初に提供される。異なるタバコのふかしの形態は、結果として、タバコの煙の暴露の程度を表すことは知られている。より短いタバコのふかしや、一回の吸気だけのタバコをふかして、続いてすぐに顕著な息止めのない１回だけの呼気は、煙の暴露時間および肺の樹状構造中の煙の暴露位置をともに限定する。特に、上記のタバコのふかしは、タバコの煙や、より小さな細気管支および肺胞の微粒子暴露の低減をもたらす。これらの肺の構成要素は、最終的に、肺気腫および／またはＣＯＰＤ（慢性閉塞性肺疾患）を引き起こす、喫煙が誘発する損傷をより起こしやすい。他方では、より長いタバコのふかしや息止めを伴うたばこのふかしは、呼吸樹（ｒｅｓｐｉｒａｔｏｒｙ ｔｒｅｅ）中でのタバコの煙および微粒子の分散および拡散に対して、より多くの時間を提供し、それは、より小さな細気管支および肺胞のタバコの煙や微粒子暴露を受け、さらには、それらの損傷の可能性の増大という結果を導く。さらに、主として胸郭拡張に起因するタバコのふかしは、末梢気道においてタバコの煙の暴露を制限するような傾向がある。反対に、胸郭と腹腔の同程度の拡張を伴うタバコのふかしは、末梢気道のタバコの煙の暴露の増加を引き起こす傾向がある。タバコのふかしの形態は、気道のタバコの煙の暴露に影響を及ぼすので、この形態は、喫煙が関連する肺疾患の発生および重症度に関する予後の情報を提供することができる。

したがって、第２のクラスの方法は、１つ以上の先に識別されたタバコのふかしについて、秒数での持続時間、最初の吸息よりも先に振幅が縮小したタバコのふかしの有無、タバコのふかしにおける胸郭および腹腔の動作の相対的な重要性、吸息および呼息の相対的な持続時間、吸息および呼息がスムーズであるか、多数の段階で中断されるか、もしあれば、息止めの持続時間、息止め中の肺容量、等を含む、一回換気量出力における付加的な特性を認識することが好ましい。真のタバコのふかしの総持続期間は、吸息の期間や、任意の息止めの持続時間、さらには呼息の持続時間に加えて、任意の減少した前のふかしの略持続時間である。

図２乃至４は、これらの波形特性を示す様々なタイプのタバコのふかしを示す。図２は、有意な息止めのない、単なる吸息続いて呼息という、単一相タイプのタバコのふかしを示す。このタイプのふかしは、減少した最初のタバコのふかし２１に、主要な呼気２３および主要な吸気２５が続く、という特徴を含む。呼気、および吸気はともに、明白な相または中断なしにスムーズに変化する傾斜を有する。このタバコのふかしは、吸息と呼息の間に息の保持がない。また、胸郭拡張２７は、このタバコのふかしに対して、腹腔の拡張２９を行なうよりも有意に大きく寄与する。

図３は、１回の息止め相を有するふかしを示すが、それ以外は一般に図２のタバコのふかしと同様である。このタバコのふかしは、減少した最初のタバコのふかし４１、滑らかに変化する傾斜を有する吸気４３、部分的な呼気の後の息止め４５、および呼息４９、という特徴を含む。ここで再び、吸息と呼息は、吸息の開始時の肺容量よりも低い、呼息の終了時の肺容量でスムーズに変化する傾斜を有する。息止め期の持続時間は、タバコのふかし持続時間の５０％未満であり、ゆっくりとした呼息を含むので、それほど顕著でない息止めである。指標４９の高さは、呼気容量および終了時間に比例する。ここで、胸郭拡張は依然として優位ではあるものの、胸郭拡張４２および腹腔拡張４４の寄与は同程度である。

図４は、より顕著な息止めを伴うタバコのふかしを示す。ここで、息止め５５は、脈拍持続時間の半分超の期間延びる、息止め中の肺容量は吸気終了時の容量で、隣接する呼吸に匹敵し、そして、肺容量は、息止め中は実質上一定である、という点でより顕著である。また、ここで胸郭拡張５２の寄与は、腹腔拡張５４の寄与よりもわずかに大きいだけである。指標５９の高さは、吸息前の大きな呼気を示す。吸息５３および呼息５７は、さらに、相または中断を伴い、滑らかに変化する傾斜を有する。

図５は、二相の吸息を伴う高い肺容量での非常に顕著な息止め示す。吸息は、隣接した呼吸の終了吸気の容量より相当に高い、ほぼ一定の肺容量で、初期段階７１を表示し、後続して息止め中断７３を表示する。吸息の再開７５は、より多くのタバコの煙を肺へ取り込んで、既存の煙をさらに肺抹消へと取り込む。

この吸息相に続く相は、さらにもっと高い肺容量でのさらなる息止めの期間７７である。これらの息止め期間は、隣接する正常な呼吸の一回換気量の２〜３倍のタバコの煙を吸息する。このふかしは、肺容量および吸息の開始に戻って滑らかな呼気７９で終了する。ここで、略等しい胸郭７２および腹腔の７４の拡張は、このタバコの煙の有意な容量を吸息し保持するために必要とされる。

したがって、タバコのふかしについての基本となる形態的分類は、少なくとも隣接する正常な呼吸と比較してのタバコのふかしの持続時間および肺容量、ならびに、再度隣接した正常な呼吸と比較しての、息止め中の相対的な持続期間および息止め中の肺容量を、含むことが好ましい。

（好適なシステム）
上述した喫煙行動およびタバコのふかし方の形態的手法によって解析されたデータを収集する、好適な携帯型モニタリングおよびデータ解析システムについて、述べる。生理学的データは、例えば、病院での使用、医院での使用、携帯型使用、もしくはその他の使用などのために、種々様々のモニタリング・システムによって収集することができる。しかしながら、制限または偏見なしに、以下の記載は、主として携帯型使用のための好適なモニタリング・システムに関するものである。

通常の日常の寝起きの営みを行なうために、モニタされる被験者は、制約される以上は、モニタリング装置によってのみ最小限に制約されるべきである。したがって、好適な実施形態では、生理学的センサーは、目立たず、快適でかつ援助なしで使用可能な普通の着用可能なアイテムの一部にまたはその一部として、取り付けられていたり、貼られていたり、携帯されたり、あるいは、組み込まれたりする。適切な着用可能なアイテムは、様々な材料、特に、体にぴったり合うことを約束する伸縮素材でできた、衣服、ジャケット、ベルト、パッチ等を含む。それらはワンピースで装着することができるか、あるいは、装着後に連結されるジッパー、マジックテープ(登録商標）、スナップ等含むことができる。センサーは、例えば、衣服の布地に織る、編む、あるいは編み込む、もしくは、衣服に縫う、携帯する、搭載する、あるいは取り付けるといった、多くの方法で、衣服に組み込むことができる。また、フレキシブル・センサーが、衣服の外表面及び内表面へ接着、印刷、噴射等することができる。米国特許公報第６，５５１，２５２号および米国特許公報第６，０４７，２０３号を参照。例えば、図６Ａは、センサー１２７、１２９が貼られるまたは取り付けられている、シャツ様の衣服１２５を示す。この衣服は、ジッパー、マジックテープ(登録商標）等によって、腹側正中線に沿って連結することができる。この衣服は、ジッパー、マジックテープ(登録商標）等によって、腹部の中線に沿って連結することができる。オプションとして、衣服は、ワンピースに出来る。

多くのタイプのセンサーは、着用可能なモニタリング・アイテムへと組み入れることができる。本明細書において「サイズ・センサー」と総称される、ある有用な生理学的センサーは、例えば胴体・首・四肢・これらの部分といった、モニタされた被験者の身体の部分について記述する基準量のしるしに応答して信号を集める。サイズ・センサー信号は、臓器系機能に関する情報を与えるよう処理することができる。特に、例えば腹腔のレベルや胸郭レベルといった、胴体のうち１つ以上のレベルにおいて、サイズ・センサーからの信号は、呼吸数、呼吸量、呼吸イベント等を決定するために２つのコンポーネントからなる呼吸モデルを使用して解釈することができる。米国特許公報第６，５５１，２５２号、米国特許公報第５，１５９，９３５号、米国特許公報第４，７７７，９６２号、および米国特許出願第１０／８２２，２６０号を参照。

好適なサイズ・センサーは、誘導プレチスモグラフ(ＩＰ)技術に基づいている。手短に説明すると、導体素子のインピーダンスは、素子のサイズおよび形状を反映することで知られる。したがって、身体部分に位置するように、もしくは部分的にあるいは完全に身体部分を包囲するように形成された、もしくは、別のやり方で被験者の身体上に配置された導体素子のインピーダンスは、例えば呼吸、脈拍、随意運動、心臓の活動等に起因して潜在的な身体部位の変化の大きさとして変化する。ＩＰ技術は、このインピーダンスを測定し、その結果上記の生理学的機能を反映させる。しかしながら、有用なサイズ・センサーは、本技術分野で既知の多様な他の技術を基にすることができる。サイズ・センサーの能動素子は、糸および繊維の技術を基にすることができる。図６Ａの例示的な衣服は、胸郭レベルおよび腹腔のレベルで２つのサイズ・センサー１２７を含んでいる。それは、呼吸情報に処理することができる信号を返す。

呼吸および／または心臓の情報を提供するサイズ・センサーに加えて、着用可能なアイテムは、モニタされる被験者のその他の生理学的および／または非生理学的なパラメータ用の種々の追加のセンサーを含むことができる。例えば、加速度計は、現在の活動レベルおよび体位もしくは方向を、感知することができる。サーミスタは、皮膚温あるいは中核体温を感知することができる。パルスオキシメータは血中酸素濃度を感知することが出来る。さらに、さらに、被験者との電気通信における電極は、心電図(「ＥＣＧ」)信号、脳波(「ＥＥＧ」)信号、眼振図(「ＥＯＧ」)信号、(眼窩・顔・その他の筋肉の)筋電図(「ＥＭＧ」)信号、皮膚コンダクタンスまたは皮膚抵抗等のような、電気的な活動を感知することができる。これらの電極は、本技術分野において知られているように、繊維ベースであり得るか、さもなければフレキシブルであり得る。追加のセンサーは、様々な方法で実装するか組み込むことができる。図６Ａは、衣服１２５の切り抜きを通して被験者と接触する、ＥＣＧ電極１２９を示す。あるいは、ＥＣＧ電極は、被験者の皮膚に直接接触するように衣服１２５の内表面に実装することができ、これによって衣服の切り抜きを不要にすることができる。

着用可能なアイテムは、通常、モニタされた被験者に装着させるかあるいはその被験者が携行するに十分コンパクトで軽量な、ポータブル・データ・ユニット(「ＰＤＵ」)と本明細書で称される、ローカル電子通信ユニットを伴う。ＰＤＵは、ＩＰセンサー電子機器、ならびに、他のセンサーを操作し、(必要な場合は)センサー・データを読み出し、かつ数値化するための電子機器を含むのが好ましい。例えば、米国特許公報第６，５５１，２５２号を参照のこと。ＰＤＵはまた、センサー・データをリアル・タイムに送信できるように、ローカルまたはリモートの外部のサーバー・システムとの有線または無線の双方向通信であることが好ましい。あるいは、センサー・データは、後のアクセスのために、例えばフラッシュ・メモリー、磁気メディア、ハードドライブ等に記憶することができる。

外部サーバー・システムは、主として1つ以上のＰＤＵからデータを受信・格納し、より詳細な生理学的情報を決定するために受信データの更なる処理を行い、さらに、モニタする人員用に受信したデータをフォーマット及び表示を行なう。好適な実施形態では、本発明の方法は、上記の外部システム上で実装される。図６Ａは、衣服センサーにケーブルで接続され、かつ外部サーバー・システム１２１と無線で接続されたＰＤＵ１３１を示す。サーバー装置１２１は、本技術分野においてともに公知である、ＰＣ型コンピュータまたはワークステーション型・コンピュータであることができる。ディスプレイ、マウスおよびキーボード１２３といった、ユーザー・インタフェース装置は、モニタリングを行なう人員が使用するために、サーバー・システムに伴うことが好ましい。

ＰＤＵにおける、あるいは外部システムにおけるセンサー・シグナル処理は、一般的には、フィルタリング、ディジタル化、ノイズ制限、関連信号のコンポーネントの抽出、呼吸サイズ・センサー信号の特定の処理を含む。例えば、米国特許公報第６，４１３，２２５号、米国特許公報第５，１５９，９３５号、米国特許公報第４，８３４，７６６号、米国特許公報第４，７７７，９６２号、および米国特許出願第１０／８２２，２６０号を参照のこと。その他のセンサーからの信号もまた、次のように処理することができる。まず、Ｒ波は、既知の方法を使用して、ＥＣＧ信号において認識することができる。加速度計信号は、姿勢情報および活動レベル情報を、それぞれ抽出するローパスフィルタおよびハイパスフィルタであることができる等。例えば、米国特許出願第１０／９９１，８７７号参照。

本発明の方法は、ソフトウェアまたはファームウェアでプログラムできるシステム上で実行される。ソフトウェア・プログラミングの場合、メソッドは、例えばＣ言語やＣ＋＋のような、標準的なコンピュータ言語、もしくは、Ｍａｔｌａｂおよび関連するツール・ボックス(マサチューセッツ州ナティック、マス・ワークス（Ｍａｔｈ Ｗｏｒｋｓ）)のような高水準アプリケーション言語で、コードされる。コードは、その後マイクロプロセッサまたは類似のものを制御するための実行可能なコンピュータ命令に翻訳されるかコンパイルされる。ファームウェア・プログラミングの場合、ソフトウェア言語または例えばＶＨＤＬのようなハードウェア言語で書かれた、より高水準の方法の仕様は、一般に、プログラムされているハードウェア部分のメーカーによって供給されるツールによって、ビット・コードに翻訳される。例えば、メーカーのツールは、ＦＰＧＡを構成するためのビット・ストリームを準備している。本発明はまた、例えば、コンピュータ上の実行のために、もしくはファームウェア装置をプログラミングするために、本発明の方法をエンコードした、コンピュータが読み込み可能なメディアでの、ソフトウェアの配布を含む。

（喫煙解析法の例示的な実施形態）
本発明の喫煙解析法は、１つ以上の携帯型モニタリング装置からデータを受信するサーバー・システム上で実行されるのが好ましいソフトウェア・プログラムとして、実装される。例えば、図６Ａを参照すると、これらのソフトウェア・プログラムは、ＰＤＵ １３１を介して、モニタリング衣服１２５のから受信した入力データを有するサーバー・システム１２１上で、実行することができる。

図６Ｂは、例示的なソフトウェア実装のためのフローチャートを示す。第１ステップは、携帯型モニタリング装置から直接的または間接的に受信した入力データ１５１中のタバコのふかしを検索する。一回換気量(Ｖｔ)波形は、このデータに対して取得され、上述したタバコのふかしを示す特徴を有する呼吸を検索する１５３。呼吸が十分なタバコのふかし様の特徴を持つと分かった場合、タバコのふかしが検出された１５５と決定される。そうでない場合、プログラムは、Ｖｔデータの検索を続行する。呼吸がそれらの有意性によって任意に重みが加えられた特性のしきい値の数値を有するか、あるいは、呼吸が多くの必須の特性および任意の特性等のしきい値の数値を有するか等、十分な特性を検出することができる。オプションとして、タバコのふかし識別は、入力加速度計データによって示されるように、タバコのふかし識別の信憑性が低いとするのに十分な活動の期間中に一時中断することができる。タバコのふかしおよびそれら発生回数は、その後、被験者の全体的な喫煙行動を描写する特徴を生成するため、既知の統計的手法(例えば、合計、平均、標準偏差等)によって、要約される１５７。

タバコのふかしが識別されると、次のステップでは、その形態を判定する。それに応じて、識別されたふかしは、例えば、吸息のタイプおよび容量、呼息のタイプおよび容量、もしあれば息止めの持続時間、および息止めの容量等といった、鍵となる形態的特性を検索する１５９。タバコのふかしの形態は、見出された特徴から決定され、統計データは、例えば平均持続およびその標準偏差、息止め時間のパーセンテージ、相対的な一回換気量等といった、被験者のふかしのタイプによって保持される１６３。上述したタイプのような、様々なタイプのタバコのふかしの数もまた保持することができる。次に、この実行は、入力データ１５１の受信と、タバコのふかし用にそのデータの検索を再開する。

一旦十分なデータが蓄積されると、データは、さらに処理が行われるのが好ましい。少なくとも、それは解析のために表示される。さらに、データは、その他の生理学的モニタリング・データと関連させることができる。また、喫煙行動データベースを参照して、予後の情報を被験者に対して評価することができる。また、それは、禁煙または改善を支援するためのバイオフィードバックとして使用することができる。

特許や特許出願を含む、多数の参考文献が本明細書において引用され、これら文献の開示のすべては、すべての目的のために参照することにより、本明細書中にすべて包含される。さらに、これらの参考文献はいずれも、上記でどのように特徴付けられたかに関わらず、本明細書で請求された対象の発明に先行するものと認められるものではない。

本発明の特定の特性は、いくつかの図面中に示され他では示されていないが、これは便宜上、各特性が、本発明に従ってその他の特性のうちいずれかまたはすべてと組み合わせてもよいとしただけのことである。ここに使用されているように、「含む」、「備える」、「有する(ｈａｖｅ)」、および「を有する（ｗｉｔｈ)」は、広く包括的に解釈されるべきであり、いかなる物理的相互接続にも制限されない。さらに、対象出願において開示されるいかなる実施形態も、それらのみを可能な実施形態として解釈するべきではない。その他の実施形態は、当業者が思い浮かぶものであり、請求項の範囲内にある。

さらに、本特許のための特許出願の審査手続の間に示されたいかなる補正も、出願時に示されたいかなる請求項要素を放棄するものではない。当業者は、あらゆる可能性のある均等物を包含する請求項を作成することを当然望むことはできない。多くの均等物は、補正時に予測することができず、また（たとえあったとしても）放棄されるべき事項について公平な解釈を越えるだろう。補正の基礎となる論理的根拠は、多くの均等物にほとんど関係ないかもしれない。ならびに／もしくは、補正されたいかなる請求項要素に対してある種の実体のない代替事項を記述することを出願人が予測することができない、その他多くの理由が存在する。

５分４５秒の喫煙記録を示す。 第１のタバコのふかしの形態を示す。 第２のタバコのふかしの形態を示す。 第３のタバコのふかしの形態を示す。 第４のタバコのふかしの形態を示す。 本発明の方法の一実施形態を示し、好適な携帯型モニタリング・システムを示す。 本発明の方法の一実施形態を示し、好適な携帯型モニタリング・システムを示す。

Claims (13)

1. 被験者の喫煙行動を特徴付けるシステムを動作する方法であって、前記システムは、携帯型モニタリング装置からデータを受信して処理するコンピュータを含み、前記方法は、
   一回換気量(Ｖｔ)を反映するデータを含む携帯型モニタリング・データを前記携帯型モニタリング装置から前記コンピュータが受信するステップと、
   １つ以上の、タバコのふかしを示す特徴を有する呼吸であるタバコのふかしの候補に対して、受信したＶｔデータを前記コンピュータが検索するステップと、
   認識されたタバコのふかしを示す特徴の数およびタイプに基づいて、タバコのふかしの候補が実際のタバコのふかしであるか否かを、前記コンピュータが判定するステップであって、前記ふかしの候補が、隣接した呼吸の持続時間より１．５倍乃至２．０倍長い持続時間を有し、且つ隣接した呼吸の振幅より１．５倍乃至２．０倍大きい振幅を有するか否かを、前記コンピュータが判定するステップと、
   発生データの回数を含むタバコのふかし発生データ及びタバコのふかしの特徴データを前記コンピュータが記憶するステップと、を含む方法。
2. 前記タバコのふかしを示す特徴が、吸気の持続時間および／または流量および／または容量、もしくは呼気の持続時間および／または流量および／または容量、もしくは、呼気と後続する吸気との間の持続時間、のうち１つ以上を含む、請求項１に記載の方法。
3. 前記コンピュータによる実際のタバコのふかしの判定が、タバコのふかし判定の信憑性がないことを根拠とするに十分な活動期間の間に一時中断される、請求項１に記載の方法。
4. 前記記憶されたタバコのふかし発生データに依存して前記被験者の全体的な喫煙行動を前記コンピュータが特徴付けるステップをさらに備える、請求項１に記載の方法。
5. 形態的特性に対して少なくとも１つの実際のたばこのふかしを前記コンピュータが検索するステップと、
   タバコのふかし方の形態的データを前記コンピュータが記憶するステップと、
   前記タバコのふかしの形態的データに基づいて、前記被験者のタバコのふかしおよび喫煙の仕方を前記コンピュータが特徴付けるステップと、をさらに備える、請求項１に記載の方法。
6. タバコのふかしの形態的特性が、吸気の持続時間および／または流量および／または容量、もしくは呼気の持続時間および／または流量および／または容量、もしくは、呼気と後続する吸気との期間の持続時間、のうち１つ以上を含む、請求項１に記載の方法。
7. 被験者の喫煙行動を特徴付けるシステムを動作する方法であって、前記システムは、携帯型モニタリング装置からデータを受信して処理するコンピュータを含み、前記方法は、
   一回換気量(Ｖｔ)を反映するデータを含む携帯型モニタリング・データを前記携帯型モニタリング装置から前記コンピュータが受信するステップと、
   １つ以上の、タバコのふかしを示す特徴を有する呼吸であるタバコのふかし候補に対して、受信したＶｔデータを前記コンピュータが検索するステップと、
   タバコのふかし候補が、認識されたタバコのふかしを示す特徴についての数およびタイプに基づいて実際のタバコのふかしであるか否かを前記コンピュータが判定するステップであって、前記ふかしの候補が、隣接した呼吸の持続時間より１．５倍乃至２．０倍長い持続時間を有し、且つ隣接した呼吸の振幅より１．５倍乃至２．０倍大きい振幅を有するか否かを、前記コンピュータが判定するステップと、
   発生データの回数を含む、タバコのふかし発生データと、タバコのふかしの特徴データを前記コンピュータが記憶するステップと、
   形態的特性に対して少なくとも１つの実際のタバコのふかしを前記コンピュータが検索するステップと、
   タバコのふかしの形態的データを前記コンピュータが記憶するステップと、
   前記記憶されたタバコのふかし発生データおよび前記記憶されたふかしの形態的データに基づいて、被験者の全体的な喫煙行動および前記被験者のタバコのふかし行動を前記コンピュータが特徴付けるするステップと、を含む方法。
8. その他の生理学的システムの機能についての指標を用いて、前記被験者の全体的な喫煙行動および前記被験者のタバコのふかし行動を前記コンピュータが関連付けるステップをさらに備える、請求項７に記載の方法。
9. 前記記憶されたタバコのふかし発生データおよび前記記憶されたタバコのふかしの形態的データのうち少なくとも一部に基づいて、可能性のある喫煙関連の病気についての前記可能性および重症度を前記コンピュータが評価するステップをさらに備える、請求項７に記載の方法。
10. 前記記憶されたタバコのふかし発生データおよび前記タバコのふかしの形態的データのうち少なくとも一部に基づいて、前記被験者にバイオフィードバックを前記コンピュータが提供するステップをさらに備える、請求項７に記載の方法。
11. Ｖｔを反映するデータを含む生理学的モニタリング・データを提供する携帯型モニタリング装置と、
    前記携帯型モニタリング装置に動作可能なように接続され、かつ請求項１から１０の何れか一項に記載の方法を実行するためのエンコードされた命令を備えるコンピュータ読み取り可能メモリを含むコンピュータとを備える、システム。
12. 請求項５の方法をさらに実行するために前記エンコードされた命令を含む、請求項１１に記載のシステム。
13. 前記コンピュータは、複数の携帯型モニタリング装置に動作可能なように接続されることを特徴とする、請求項１１に記載のシステム。

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