JP5126653B2 - エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Description

産業上の利用分野
本発明はエレクトロルミネッセンス素子(以下、「EL素子」と云う。)に関する。
従来の技術
EL素子は、一般に、透明基板上に、透明陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、必要に応じて電子注入層、金属陰極が順次平坦積層された構造を有する。近年、EL素子にあっては、発光効率の向上を目的として、上記層構成の材料、層厚等を選択し調整した技術が開発されている。取り分け、層厚を調整し、光の干渉効果を利用したものが開発されている。例えば、特許第2846571号(特許文献1)及び特開平7−240277号(特許文献2)によれば、ITO陽極及び複数の有機化合物材料層の厚みを調整することにより、発光による色純度の向上、特に、青色発光が向上されることが提案されている。しかしながら、多色発光ディスプレイに適用する場合、EL有機素子は、発光色の異なる画素に応じてITO陽極の層厚を個々に調整する必要性が生じるが、同一面に異なる層厚のITO陽極を形成することは困難であり、また形成工程が煩雑化し、生産コストが嵩むこととなる。具体的には、特許文献1の製造方法によれば、図1に示す通り、シャドーマスクを利用したITO陽極を複数回製膜した後、エッチング処理を施して、発光色に応じたITO陽極の層厚を調整し制御する必要性が生じる。このため、複雑かつ非常に高度かつ困難な工程が必要となる。また、特開平4−137485号(特許文献3)及び特開平4−328295号(特許文献4)によれば、電子輸送層の膜厚を30乃至60nmに制御して発光効率の向上を図ることが提案されている。しかしながら、電子輸送層は発光に関与するものであり、この層厚を調整すると、色純度及び発光効率が低下することがある。具体的には、特許文献4の製造方法によれば、図2に示す通り、シャドーマスクを利用してホール輸送層及び補助ホール輸送層を複数回製膜する必要性が生じ、この結果、発光色の調整が困難となることがある。
また、特許文献1及び特許文献4の提案は、発光層の発光界面から透明陽極までの光学距離を射出光の波長λの1/4の偶数倍、又は発光層の発光界面から金属陰極までの光学距離を射出光の波長λの1/4の奇数倍にすることにより、波長λの光を強調することができるものと思われる。この点、図3を用いて説明する。図3は、ガラス基板(Glass)の上に、ITO陽極、有機層(ホール輸送層、発光層、電子輸送層)と、Al陰極で構成されてなるEL素子を示す。ガラス基板とITO陽極の間及び電子輸送層とAl陰極の間に大きな屈折率の段差が生じる。従って、入射光はこの屈折率の段差において反射することとなる。屈折率が大きいと、屈折率の小さい方向に進む光は位相がずれないこととなる。例えば、ガラス基板とITO陽極の界面における反射である。また、屈折率が小さいと、屈折率の大きい方向に進む光は位相がπ(光の半波長分)ずれることとなる。例えば、有機層とAl陰極との界面における反射である。ここで、図3で示す通り、発光層から直接出力された光1とAl陰極で反射された光2とが強め合う条件は、2×n×d=λ×(2m+1)/2となり、その際、層厚は波長の1/4の奇数倍となる。また、発光層から直接出力された光1とITO陽極で反射された光3とが強め合う条件は、2×(n+nl)=λ×(m+1)となり、その際、層厚は波長の1/4の偶数倍となる。ここで、式中、nは電子輸送層の屈折率、nはホール輸送層の屈折率、nはITO陽極の屈折率、dは電子輸送層の層厚、dはホール輸送層の層厚、dはITO陽極の層厚をそれぞれ表す。つまり、上記提案にあっては、EL素子の構成層の層厚を調整し、光の干渉効果を利用して、特定の色の発光効率を向上させ、また、特定の波長の光を強調し色純度を向上させるものと考えられる。
しかしながら、フルカラーディスプレイの場合、3色の中心波長は、赤色(R)は、λ=630nm、緑色(G)は、λ=550nm、青色(B)は、λ=450nmであるとされ、各々の波長で光を強調する為に必要とされる発光層、透明陽極の膜厚が異なることとなる。このため、発光層、透明陽極を全面均一に形成する場合、決まった波長付近の色しか強調することができないものとなる。また、3色とも強調することを希望する場合、画素毎に異なる膜厚の発光層又は透明陽極を形成しなければならず、形成工程数が増加し、生産時間及び生産コストが嵩むこととなり、また、EL素子自体の構造が複雑化することとなる。
従って、現在、多段階かつ複雑な工程を用いることなく、多色発光を達成しうるEL素子の開発が望まれているといえる。
特許第2846571号公報 特開平7−240277号公報 特開平4−137485号公報 特開平4−328295号公報
発明者等は、本発明時において、透明基板に凹形状体又は凸形状体を形成させ、該凹形状体又は該凸形状体の上に、透明陽極、発光層等を逐次形成させることにより、特定の波長の光を強調し色純度を向上させ、かつ、特定の色の発光効率を向上さることができるとの知見を得た。より具体的には、透明基板に所定のテーパー角を有する凹形状体又は凸形状体を形成させた後、透明陽極、発光層等を逐次形成させることにより、R(赤色領域)、G(緑色領域)、B(青色領域)の画素毎に、その色を強調することが可能となり、色純度と発光効率を向上させることができるとの知見を得た。従って、本発明はかかる知見に基づいてなされたものである。
よって、本発明によるEL素子は、透明基材と、該透明基材の上に透明陽極と一又は複数の発光層と陰極とを少なくとも備えてなるEL素子であって、
透明基材の上に、一又は複数の凹形状体又は凸形状体を備えてなるものである。
本発明によるEL素子は、透明基板上に、所定のテーパー角を調整した凹形状体又は凸形状体を形成し、この形状体の上に、透明陽極、発光層をそのまま形成することから、色純度と発光効率に優れたものとなる。また、本発明によるEL素子の製造方法によれば、透明陽極、ホール輸送層等の層厚を調整する複雑かつ多数の工程を有することなく、一工程によりこれらの層を形成することが可能となり、生産時間、生産コストを格段に下げることが可能となる。
EL素子
本発明によるEL素子及びその製造方法について、図4を用いて説明する。図4は、本発明によるEL素子の一態様を表す断面概略図である。EL素子10は、透明基板11上に、凹形状体又は凸形状体19、透明陽極13、正孔輸送層14、発光層15、電子輸送層16、陰極17が逐次形成されてなる。本発明にあっては、透明基板11上に、凹形状体又は凸形状体19が形成されてなることを特徴とするものである。つまり、本発明によれば、透明基材11に対して垂直方向から測定すると、凹形状体又は凸形状体19の斜面上に形成された透明陽極13、有機層(13乃至16)、陰極17の層厚は、凹形状体又は凸形状体19に形成されていない平坦な透明陽極13、有機層(13乃至16)及び陰極17の各層厚と比較して、見かけ上、厚みがあることとなる。この結果、凹形状体又は凸形状体19のテーパー角(具体的には、凹形状体又は凸形状体の斜面の角度θで表すことができる)を調整することにより、従来の平坦な透明陽極13、有機層の形成方法をそのまま使用することができる。その結果、複雑かつ多数の工程を有することなく、一工程により本発明によるEL素子を製造することができ、また、凹形状体又は凸形状体19の存在により、色純度と発光効率に優れたEL素子を提供することが可能となる。
1.凹形状体又は凸形状体
凹形状体又は凸形状体が、赤色領域、緑色領域又は青色領域の各色を補色(強調)するものとして利用される。凹形状体又は凸形状体は、透明基材の上に一又は複数で形成される。複数形成される場合、凹形状体又は凸形状体は同一または異なる形状であってよい(図8乃至図10)。また、本発明にあっては、透明基材の垂直方向において、この透明基材の上に形成される透明陽極の層厚(dr)と、凹形状体又は凸形状体の上に形成される透明陽極の層厚(d)をそれぞれ測定した場合に、d=dr/cosθの関係を満たす。そして、本発明の好ましい態様によれば、d>drを満たすものが好ましい。
凹形状体又は凸形状体は、図5に示す通り、円錐体、角錐体、円錐台、角錐台、又はこれらの頭頂部位が曲線処理されてなるもの、及びこれらの混合物から選択されてなる形状として形成されてよい。また、凹形状体又は凸形状体は、図6に示す通り、画素領域と同一の範囲に形成されてよく(好ましい)、図6の6aが示す通り、同一画素5内に複数7存在していても、又は図6の6bが示す通り、同一画素内5’に一つの7’存在している場合であってもよい。
凹形状体又は凸形状体が複数存在する場合、それらは規則的又は不規則に配置されてよい。例えば、図7の7aで示す通りハニカム配置、同7bで示し通り格子状配置、同7cで示す通り不規則配置が挙げられる。凹形状体又は凸形状体が複数存在する場合、凹形状体又は凸形状体の頂点間距離が、5μm以上100μm以下であり、好ましくは、下限値が10μm以上であり、上限値が30μm以下である。また、凹形状体又は凸形状体が複数存在する場合、凹形状体又は凸形状体の垂直方向の高さが、0.5μm以上10μm以下であり、好ましくは、下限値が1μm以上であり、上限値が6μm以下である。凹形状体又は凸形状体は所望のテーパー角θを調整したものとして形成されるが、このテーパー角θは、0°以上80°以下であり、好ましくは上限値が50°以下である。テーパー角θが上記範囲内にあることにより、所望のテーパー形状を得ることができ、また、発光層、陰極等における断線を有効に防止することが可能なるからである。
凹形状体又は凸形状体は、フォトリソグラフィー法又は、凸形状又は凹形状を有する賦型を用いて前記透明基材の上に形成され、或いは、前記透明基材自体を凸形状又は凹形状に形成されたものであってよい。
1)フォトリソグラフィー法
フォトリソグラフィー法により形成される場合、形成用組成物を使用する。
形成用組成物は、例えば、(透明)樹脂を主要成分として含んでなり、具体的には、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等を使用することができる。また、アクリレート系、メタクリレート系の反応性ビニル基を有する光硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂、イソネート系、エポキシ系の熱硬化型樹脂、又は光熱併用硬化型樹脂を使用することができる。また、所望の凹凸形成を達成するために、上記樹脂に、を必要に応じて、溶剤、希釈剤、もしくはモノマー等、さらには、適宜な添加剤を包含してもよい。
形成用組成物を透明基材上に塗布、乾燥して塗膜を形成し、この塗膜にパターンマスクを介する露光)或いはレーザー光による直接描画等の選択的露光を行って硬化させる。ネガ型であれば未露光部が、ポジ型であれば非露光部が、その後の現像工程において洗い流され、凹凸が形成されることとなる。また、上記光硬化もしくは熱硬化性樹脂を、スクリーン印刷法、インクジェット法等で直接パターン印刷することにより、凹凸を形成することができる。塗工方法としては、スピンコートを始め、ロールコート、スリットコート、キャストコート法等が上げられる。
2)凸形状又は凹形状を有する賦型を用いて形成する方法
賦型を使用する方法としては、例えば、先に説明した光硬化もしくは熱硬化性樹脂を透明基材上に滴下し、その上に凹凸の原版金型載せてプレスし、その状態で、紫外線硬化型樹脂の場合は紫外線照射し、熱硬化型樹脂の場合は加熱して、硬化後原版金型を剥離して、凹凸を形成することができる。また、上記樹脂を金型内に流し込み、表面に凹凸を保有している基板を形成してもよい。
3)透明基材自体の凸形状又は凹形状形成方法
透明基材自体に、例えば、ドライエッチング法等を用いて直接凹形状又凸形状を形成してもよい。ドライエッチングは、プラズマエッチング、反応性イオンエッチング等で行われて良い。フォトレジスト法を用いた方法で行うことも可能である。例えば、パターニング、又はパターニングされたメタルマスクで透明基材の一部を保護し、反応性ガスと、透明基材上にレジスト及びメタルマスクで隠されていない部分を反応させてパターニングする方法が挙げられる。
4)不溶化処理
本発明にあって、凹形状体又は凸形状体の露出部分を不溶化する処理を施してもよい。具体的には、有機層(発光層等)に不溶化できるものであればいずれの方法を採用することができ、好ましくはプラズマ処理により行うことが好ましい。このプラズマ処理はフッ化物を含むガスを用いて行うものが好ましい。フッ素化ガスの具体例としては、フルオロカーボン(好ましくは四フッ化メタン)、六フッ化硫黄等が挙げられる。
2.透明基材
透明基材は、透明陽極の下面として使用されるものである。透明基材の具体例としては、石英、ガラス、シリコンウェハ、TFT(薄膜トランジスタ)が形成されたガラス等の無機透明基材;ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の高分子基材が挙げられる。特に、石英、ガラス、シリコンウェハ、またはポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の高分子基材が好ましくは挙げられる。これらの基材は、200℃以上の耐熱性を有していることから、製造段階で高温度処理が可能となる。基材の厚みは0.1mm以上2.0mm以下程度であり、好ましくは下限値が0.3mm以上であり、上限値が1.1mm以下程度である。
3.透明陽極
透明陽極の材料は、金属材料、有機材料、無機材料またはこれらの複合材料であってよいが、好ましくは金属材料である。金属材料の具体例としては、クロム、ニッケル、タングステン、マンガン、インジウム、スズ、亜鉛、アルミニウム、金、銀、タンタル、白金、パラジウム、モリブデン、ニオブ、これらの二種以上の組合せ、又はこれらを主成分とする合金、或いはこれらの組合せを挙げることができる。好ましくは、クロム、ニッケル、タングステン、マンガン、インジウム、スズ、および亜鉛から群から選択されるものが好ましい。本発明の好ましい態様によれば、透明陽極は、一種以上の合金と、一種以上の金属又は合金との積層体により構成されてなるものが好ましい。合金は、特に耐熱性、耐食性に優れたものが好ましく、このような例としては、Cr系(Cr−Al−Mn−Si、Cr−Mn−C−Si等)、Ni−Cr系(Cr−Ni−C−Mn、Cr−Ni−Mn−Si、Cr−Ni−Mo−Mn、Cr−Ni−Ti−Mn、Cr−Ni−Ta−Mn、Cr−Ni−Cu−C等)が挙げられる。また、ニッケル、チタン、タンタル、ジルコニウムを含む合金としては、Ti系(Ti−Al−Sn、Ti−Mn、Ti−Al−V等)、Zr−Ni系(Zr−Sn−Fe、Zr−Sn−Fe−Cr、Ni−Cr−Fe−Ti、Ni−Cr−Mo−Fe、Ni−Cu−Fe、Ni−Cr−Fe、Ni−Mn−Al−Si等)が挙げられる。さらに、アモルファス金属合金も好ましくは利用することができ、その具体例としては、金属−半金属(金属:Fe、Co、Ni、Nb等、半金属はP、B、Si等)型、金属−金属(Fe−Zr、La−Cu、U−Co、Ca−Al等)型の非晶質が挙げられる。
積層構成の具体例としては、Cr系、Ni−Cr系合金の積層した電極/合金、アモルファス金属を積層した電極/アモルファス金属、合金/アモルファス金属、アモルファス金属/合金、またこれらを交互にした積層構造等が挙げられる。このような金属層を形成することにより、金属粒界による突起を減少させ、表面平均粗さが低下するので、短絡と漏れ電流の発生を抑制したEL素子が実現できるので好ましい。金属層の固有抵抗値は、1×10−2Ω・cm以下が好ましい。
透明基材に透明陽極を形成する方法としては、スパッタリング法、真空加熱蒸着法、EB蒸着、イオンプレーティング等を挙げることができるが、好ましくはスパッタリング法が挙げられる。透明陽極層を均一な層厚として形成しうるからである。透明陽極の層厚は、特に制限されないが、10nm以上1000nm以下程度であり、好ましくは下限値が、50nm以上であり、下限値が500nm以下程度であることが好ましい。この層厚が上記範囲内にあることにより、抵抗値を好ましい値に調整することができ、かつ、透明陽極層を平滑にすることが可能となる。また、透明陽極等の段差切れまたは断線を有効に防止することが可能となる。
4.発光層
発光層は、赤色領域、緑色領域又は青色領域の色を呈するものが使用される。本発明にあっては、発光層は、一又は複数備えられて良い。発光層を構成する材料は、無機系発光材料、有機系発光材料が挙げられ、本発明にあっては有機系発光材料が好ましくは挙げられる。本発明にあっては、有機系発光材料を用いた場合、有機EL素子となり、無機系発光材料を用いた場合、無機EL素子となる。
発光材料としては、例えば、色素系発光材料、金属錯体系発光材料、または高分子系発光材料等が挙げられる。色素系材料の具体例としては、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー等を挙げることができる。
金属錯体系材料の具体例としては、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体、イリジウム金属錯体、プラチナ金属錯体等;中心金属が、Al、Zn、Be等または、Tb、Eu、Dy等の希土類金属であり、配位子がオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等である金属錯体等が挙げられる。
高分子系材料の具体例としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記した色素系材料又は金属錯体系材料を高分子化したものなどが挙げられる。
本発明にあっては、上記した発光材料のうち、赤色(R)に発光する材料の具体例としては、クマリン誘導体、チオフェン環化合物、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが挙げられ、好ましくはポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体が挙げられる。緑色(G)に発光する材料の具体例としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、及びそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等が挙げられ、好ましくはポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体が挙げられる。青色(B)に発光する材料の具体例としては、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、及びそれらの重合体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等が挙げられ、好ましくはポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体が挙げられる。
無機発光材料の具体例としては、硫化亜鉛系蛍光体(例えば、ZnS:Mn、ZnS:Tb、Zn−Mg−S:Mnが挙げられる)、硫化ストロンチウム系(例えば、SrS:Ceが挙げられる)、硫化カルシウム系(例えば、CaS:Euが挙げられる)、硫化バリウム系(例えば、Ba−Al−S:Euが挙げられる。なお、例示した無機発光材料の記号(:「コロン」)の後に表示された金属はドーパントを意味する。
ドーパント
発光層中に発光効率の向上及び発光波長を変化させる等の目的で、ドーパントを添加することができる。このようなドーパントとしては、有機系発光材料では、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどを挙げることができる。また、無機発光材料では先に説明したのと同様であってよい。
5.陰極
陰極は導電性を有するものであれば特に限定はされないが、その具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム−銀合金、Al/Al2 3 、インジウム、希土類金属などが挙げられる。該陰極はこれらの電極物質を蒸着法又はスパッタリング法により、形成することができる。陰極自体を透明性のものとする場合には、透明陽極に挙げたものを使用してもよい。陰極の層厚さは、10nm以上500nm以下程度であり、好ましくは上限値が50nm以上であり、下限値が300nm以下程度の範囲内である。陰極の層厚をこの範囲内とすることにより、陰極としての機能と耐久性とが付与される。
6.その他の層
本発明によるEL素子は上記したものを基本的には含んでなるものであるが、EL素子の機能を効果的に発揮させるために、正孔注入層、正孔輸送層、正孔輸送注入層、電子輸送層、電子注入層、電子輸送注入層等を積層した複数層として形成することができる。
1)正孔注入層
本発明にあっては、正孔注入層を、特に透明陽極と発光層との間に形成することが好ましい。正孔注入層を構成する材料は、透明陽極から発光層への正孔の注入を安定化させることが可能な材料であれば特に限定されない。その具体的としては、ドープされたポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン等の導電性高分子、又はフェニレンジアミン部位を含む有機材料等の電子供与性化合物と、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン等の電子受容性化合物から成る電荷移動錯体を形成する有機材料等を挙げることができる。正孔輸送層の厚さは、1nm以上300nm以下であり、好ましくは上限が、200nm以下であり、下限が100nm以上である。
2)正孔輸送層
本発明にあっては、正孔輸送層を、特に透明陽極と発光層との間に形成することが好ましい。正孔輸送層を構成する材料は、陽極から発光層への正孔の輸送を安定化させることが可能な材料であれば特に限定されない。その具体的としては、N−(1−ナフチル)−N−フェニルべンジン(α−NPD)、トリフェニルジアミン(TPD)等が挙げられる。正孔輸送層は、陰極から注入された電子が、この正孔輸送によってブロックされることが好ましい。正孔注入輸送層の厚さは、1nm以上、300nm以下であり、好ましくは上限が、100nm以下であり、下限が5nm以上である。
3)正孔注入輸送層
本発明の好ましい態様によれば、上記した正孔輸送層と正孔注入層とを兼ね備えた正孔注入輸送層を透明陽極と発光層との間に形成してもよい。正孔注入輸送層を構成する材料は、その機能を発揮するものであれば特に限定されない。その具体的としては、N−(1−ナフチル)−N−フェニルべンジン(α−NPD)、4,4,4−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、ポリ3,4エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリアニリン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体等が挙げられる。正孔注入輸送層の厚さは、その機能が十分に発揮される膜厚であれば特に限定されないが、一般に、10nm以上300nm以下であり、好ましくは下限値が30nmであり、上限値が200nm以下程度の範囲内であることが好ましい。
4)電子輸送層
電子輸送層は、陰極からの電子を発光層内へ輸送しうるものであり、陰極と発光層の間に形成される。電子輸送層を構成する材料はその機能を発揮するものであれば特に限定されない。具体的には、アルミニウムキノリノール錯体(Alq3)、バソキュプロン(BCP)、バソフェナントロリン(Bphen)等の有機材料を挙げられ、好ましくはバソキュプロン(BCP)、バソフェナントロリン(Bphen)が挙げられる。電子輸送層の厚さは、1nm以上100nm以下であり、好ましくは上限が50nm以下であり、下限が5nm以上である。
5)電子注入層
電子注入層は、陰極からの電子を発光層へ注入するものであり、陰極と発光層の間に形成される。電子注入層を構成する材料はその機能を有するものであればいずれのものであって良い。その具体例としては、ドープされたポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン等の導電性高分子、電子供与性化合物と電子受容性化合物からなる電荷移動錯体を形成する有機材料等を挙げることができる。また、本発明の好ましい態様によれば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の、酸化物またはフッ化物(例えば、LiF、NaF、LiO、 MgF、CaF、SrF、BaF等)が挙げられる。これらの材料は、低電圧下での電子注入を容易にし、かつ、耐水性、耐熱性等の耐久性を表示素子に付与する。また、本発明の好ましい態様によれば、4.0eV以下の仕事関数を有する金属材料単体、具体的には、Ba、Ca、Li、Cs、Mg、Sr等を材料として電子注入層を形成してもよい。このような電子注入層の厚さは、0.2nm以上50nm以下、好ましくは下限値が0.2nm以上であり、上限値が20nm以下程度の範囲内とすることが好ましい。
6)電子輸送注入層
本発明の好ましい態様によれば、電子輸送層と電子注入層とを兼ね備えた電子輸送注入層の形態で形成されることが好ましい。この場合、電子輸送層の構成材料と、電子注入層の構成材料とを混合して用いて層を形成することができる。例えば、上記した電子輸送層の構成有機材料である、Alq3(アルミニウムキノリノール錯体)、BCP(バソキュプロン)、Bphen(バソフェナントロリン)と、電子注入層の構成材料である、Ba、Ca、Li、Cs、Mg、Sr等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属との共蒸着した層が挙げられる。この共蒸着からなる電子輸送注入層は、モル比で有機材料:金属が1:1〜1:3、好ましくは1:1〜1:2程度である。この共蒸着からなる電子輸送注入層の厚さは、5nm〜200nm、好ましくは10nm〜80nmである。この共蒸着からなる電子輸送注入層は、電子移動度が大きく、透光性が金属単体に比べ高いため、上記厚さを実現することが可能となる。
発光層及びその他の層の形成方法
発光層及びその他の層を形成する方法は、各層を構成する材料を、例えば、蒸着法、印刷法、インクジェット法等によるパターン状に形成する方法、各層を構成する材料を組成物として塗布する方法、例えば、スピンコーティング法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、自己組織化法(交互吸着法、自己組織化単分子膜法)等の塗布方法が挙げられる。一般的に、低分子材料は蒸着法を、高分子材料はそれ以外の方法、特に塗布法を利用して形成することができる。
EL素子の形態
本発明によるEL素子は、図4に示す通り、R(赤色領域)、G(緑色領域)、B(青色領域)の画素毎に、形成されてよい。また、本発明の好ましい態様によれば、以下の態様のものが挙げられる。これらの態様は、基本的な層構成は図4に示すものと同様である。
1)三色塗り分けEL素子
本発明の好ましい態様によれば、R(赤色領域)、G(緑色領域)、B(青色領域)の画素全てが形成されてなるEL素子を提供することができる。
より具体的には、このEL素子は、発光層が、赤色領域、緑色領域又は青色領域の色を呈するものであり、及び、前記発光層が、赤色領域、緑色領域又は青色領域の色を呈するものであり、及び、前記凹形状体又は前記凸形状体が、前記赤色領域、緑色領域又は青色領域の各色を補色するものである。三色塗り分けEL素子の内容を図8により説明する。図8は、本発明によるEL素子の一態様を表す断面概略図である。EL素子20は、透明基板11上に、凹形状体又は凸形状体19a、19b及び19cが形成され、その上に、透明陽極13a、13b及び13cが形成され、その上に、正孔輸送層14が形成されてなる。正孔輸送層14の上に、発光層15a、15b及び15cが、凹形状体又は凸形状体19a、19b及び19cに対応して形成されてなる。これにより、発光層の赤色領域、緑色領域又は青色領域の各色を補色する。そして、これら発光層15a、15b及び15cの上に、電子輸送層16、陰極17が逐次形成されてなる。
2)カラーフィルターと白色発光層を備えたEL素子
本発明の好ましい態様によれば、R、G及びBをそれぞれ実現できる一又は複数のカラーフィルターを備えてなるEL素子を提供することができる。より具体的には、このEL素子は、
透明基材と透明陽極の間に一又は複数のカラーフィルターをさらに備えてなり、
前記発光層が白色を呈するものであり、
カラーフィルターが、赤色領域、緑色領域又は青色領域の色を呈するものであり、
及び
凹形状体又は凸形状体が、赤色領域、緑色領域又は青色領域の各色を補色するものである。
カラーフィルターと発光層を備えたEL素子の内容を図9により説明する。図9は、本発明によるEL素子の一態様を表す断面概略図である。EL素子30は、透明基板11上に、カラーフィルター21(R、G、B)が形成される。このカラーフィルター21の上に、カラーフィルター21のR、G、Bに対応して、凹形状体又は凸形状体19a、19b及び19cが形成される。これにより、カラーフィルター21の赤色領域、緑色領域及び青色領域の各色を補色(強調)する。そして、これらの上に、透明陽極13a、13b及び13cが形成され、その上に、正孔輸送層14、発光層15、電子輸送層16、陰極17が逐次形成されてなる。
発光層
発光層から白色を形成させる手段としては、R(赤色領域)、G(緑色領域)、B(青色領域)の各発光層を積層させることにより実現することができる。これら発光層の内容については先の述べたのと同様であってよい。
カラーフィルター
本発明において、カラーフィルターは、R(赤色領域)、G(緑色領域)、B(青色領域)の各色のものが規則的に配列したものであり、各色の着色剤(顔料又は染料)とバインダー樹脂で構成されている。カラーフィルターの各色の部分は、ブラックマトリクスがある場合、その開孔部毎に設けたものであってもよい。カラーフィルターの層厚は、0.5μm以上10μm以下程度であり、好ましくは下限値が1μm以上であり、上限値が3.0μm以下程度である。
赤色(R)カラーフィルターの着色剤としては、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、又はイソインドリン系顔料等から選択される一種又は二種以上のものが挙げられる。緑色(G)カラーフィルターの着色剤としては、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料若しくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、又はイソインドリノン系の顔料の一種又は二種以上のものが挙げられる。また、青色(B)カラーフィルターの着色剤としては、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、若しくはジオキサジン系顔料の一種又は二種以上のものが挙げられる。
バインダー樹脂の具体例としては、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、4−メチルペンテン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリプロピレンテレフタレート樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等が挙げられる。また、エポキシ系樹脂、シリコーン樹脂等を主骨格として、吸水性を低減するような設計をなされたものを用いることができる。
着色剤を含有する感光性樹脂を用いフォトリソグラフィー法により形成する場合、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する電離放射線硬化性樹脂、特に電子線硬化性樹脂もしくは紫外線硬化性樹脂を使用することができる。紫外線硬化性樹脂を使用する場合には、バインダー樹脂に光重合開始剤が単独または複数組み合わせて使用される。紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を含有してもよい。
カラーフィルターの形成は、フォトリソグラフィー法、又は塗工方法、印刷方法によって行うことができる。
ブラックマトリクス
本発明にあっては、ブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスは、画素毎に発光する区域を区画すると共に、発光する区域どうしの境界における外光の反射を防止し、画像、映像のコントラストを高める目的で備えることができる。ブラックマトリクスは、一般に、黒色の細線で構成された、縦横の格子状等、もしくは一方向のみの格子状等の、開孔部を有するパターン状に形成することができる。EL素子の発光による光は、このブラックマトリクス層3の開孔部を経由し、観察側に到達する。
ブラックマトリクスは、クロム等の金属の、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等により形成した薄膜の表面に、フォトレジストを塗布し、パターンマスクで被覆して露光、現像、エッチング、及び洗浄等の各工程を経て形成することができる。また、無電界メッキ法で形成することができる。さらに、カーボンブラック等の黒色着色剤(顔料もしくは染料)を含む感光性樹脂を用いてフォトリソグラフィー法で形成すること、或いは、黒色のインキ組成物を用いた塗工方法、印刷方法等を利用しても形成することができる。ブラックマトリクスの層厚は、薄膜で形成する場合には、0.2μm以上2μm以下である。
平坦化層
カラーフィルター層又は色変換層の表面には、(透明)平坦化層を設けることができる。透明平坦化層は、透明樹脂により形成することができる。透明樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等を使用することができる。また、アクリレート系、メタクリレート系の反応性ビニル基を有する光硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂、イソネート系、エポキシ系の硬化型樹脂、熱硬化型樹脂を使用することができる。平坦化層の形成には、透明樹脂を必要に応じ、溶剤、希釈剤、もしくはモノマー等、さらには、適宜な添加剤と共に混合して、適宜なコーティング手段により一様に塗布し、乾燥させるか、又は、電離放射線照射又は加熱により硬化させることによって形成することができる。
上記平坦化層の形成は、上記の樹脂材料が液体の場合、スピンコート、ロールコート、キャストコート等の方法で塗布して成膜し、光硬化型樹脂は紫外線照射後に必要に応じて熱硬化させ、熱硬化型樹脂は成膜後そのまま硬化させる。また、使用材料がフィルム状に成形されている場合、直接、あるいは、粘着剤を介して貼着することができる。
3)カラーフィルターと発光層とを備えたEL素子
本発明の好ましい態様によれば、R、G及びBをそれぞれ実現できる一又は複数のカラーフィルターと、青色領域色変換層を備えてなるEL素子を提供することができる。より具体的には、このEL素子は、透明基材と透明陽極の間に一又は複数のカラーフィルターをさらに備えてなり、
前記発光層が白色を呈するものであり、
カラーフィルターが、赤色領域、緑色領域又は青色領域の色を呈するものであり、
緑色領域カラーフィルターの上に、青色領域色変換層を備えてなり、
赤色領域カラーフィルターの上に存在する前記凹形状体又は前記凸形状体が、赤色領域の色を補色(強調)し、
緑色領域カラーフィルターの上に存在する前記凹形状体又は前記凸形状体が、青色領域の色を補色(強調)し、
青色領域カラーフィルターの上に存在する前記凹形状体又は前記凸形状体が、青色領域の色を補色(強調)するものである。
カラーフィルターと発光層と青色領域色変換層を備えたEL素子の内容を図10により説明する。図10は、本発明によるEL素子の一態様を表す断面概略図である。EL素子30は、透明基板11上に、カラーフィルター21(R、G、B)が形成される。緑色領域カラーフィルターの上に、青色領域色変換層23が形成されている。青色領域色変換層23の存在により、青色領域の色を緑色領域の色に変換することができる。カラーフィルター21の上に、カラーフィルター21のR、G、Bに対応して、凹形状体又は凸形状体19a、19b及び19cが形成される。赤色領域Rカラーフィルターの上に存在する凹形状体又は凸形状体は、赤色領域の色を補色(強調)する。緑色領域Gカラーフィルターの上に存在する凹形状体又は凸形状体は、青色領域の色を補色(強調)する。そして、青色領域Bカラーフィルターの上に存在する凹形状体又は凸形状体は、青色領域の色を補色(強調)する。さらに、これらの凹形状体又は凸形状体の上に、透明陽極13a、13b及び13cが形成され、その上に、正孔輸送層14、発光層15、電子輸送層16、陰極17が逐次形成されてなる。
青色領域色変換層
本発明にあっては、緑色領域カラーフィルターの上に、青色領域色変換層が備えられてなる。
色変換層に用いられる蛍光色素は、発光層から発せられる近紫外領域または可視領域の光、特に青色または青緑色領域の光を吸収して異なる波長の可視光を蛍光として発光するものである。本発明の如く青色領域の発光層が用いられることから、緑色領域の蛍光を発する蛍光色素の一種類以上と組み合わせを用いることが好ましい。
発光層から発する青色領域の光を吸収して、緑色領域の蛍光を発する蛍光色素の具体例としては、3−(2´−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、3−(2´−ベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン7)、3−(2´−N−メチルベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン30)、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジン(9,9a,1−gh)クマリン(クマリン153)等のクマリン系色素;ベーシックイエロー51等のクマリン色素系染料;ソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116等のナフタルイミド系色素;等が挙げられる。さらに、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)も蛍光性があれば使用することができる。
色変換層に用いられるマトリクス樹脂としては、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂(レジスト)を、光および/または熱処理して、ラジカル種またはイオン種を発生させて重合または架橋させ、不溶不融化させたものを用いることができ、色変換層のパターニングを行うために、上記光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂は、未露光の状態において有機溶媒またはアルカリ溶液に可溶性であることが望ましい。光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂は、(1)アクロイル基やメタクロイル基を複数有するアクリル系多官能モノマーおよびオリゴマーと、光または熱重合開始剤とからなる組成物、(2)ボリビニルケイ皮酸エステルと増感剤とからなる組成物、(3)鎖状または環状オレフィンとビスアジドとからなる組成物、および(4)エポキシ基を有するモノマーと酸発生剤とからなる組成物などを含む。特に(1)のアクリル系多官能モノマーおよびオリゴマーと光または熱重合開始剤とからなる組成物が、高精細なパターニングが可能であること、および耐溶剤性、耐熱性等の信頼性が高いことから好ましい。また、光硬化性又は光熱併用型硬化性樹脂中の樹脂自身が光または熱により重合することが可能である場合には、光重合開始剤および熱重合開始剤を添加しないことも可能である。色変換層の形成方法としては、一般的なカラーフィルターの形成方法、例えばフォトリソグラフィー法や蒸着法等を用いることができる。
3)態様のEL素子は、上記した内容以外は、先に説明した1)及び2)態様のEL素子で説明した内容と同様であってよい。
用途
本発明によるEL素子は、エリアカラー、フルカラーを実現することができるEL画像表示装置に使用される。駆動方式はパッシブ方式又はアクティブ方式のいずれであってもよく、発光表示方向は、トップエミッション方式又はボトムエミッション方式のいずれにも態様することができる。
発明の実施態様
本発明の内容を下記の実施例により詳細に説明するが、本発明の内容は下記の実施例により限定して解釈されるものではない。
EL素子の調製
ブラックマトリックスの形成
透明基材として、150mm×150mm、厚み0.7mmの無アルカリガラス(日本電気硝子(株)製)を準備した。この透明基材を定法にしたがって洗浄した後、透明基材の片側全面にスパッタリング法により酸化窒化複合クロムの薄膜(厚み0.2μm)を形成し、この複合クロム薄膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、複合クロム薄膜のエッチングを行って、80μm×280μmの長方形状の開口部を、上記の80μm開口辺方向に100μmピッチ、280μm開口辺方向に300μmピッチでマトリックス状に備えたブラックマトリックスを形成した。
カラーフィルタ層の形成
次に、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3種の着色層用感光性塗料を用いて各色の着色層を形成した。すなわち、ブラックマトリックスが形成された上記の透明基材全面に、緑色着色層用の感光性塗料をスピンコート法により塗布し、プリベーク(80℃、3分間)を行った。その後、所定の着色層用フォトマスクを用いて露光した。次いで、現像液(0.05%KOH水溶液)にて現像を行い、次いで、ポストベーク(100℃、30分間)を行なった。これにより、300μmピッチでブラックマトリックスの開口部上に位置するように帯状(幅90μm)の緑色着色層(厚み1.5μm)を、ブラックマトリックスパターンの280μm開口辺方向に延設した。
同様に、赤色着色層の感光性塗料を用いて、300μmピッチでブラックマトリックスの開口部上に位置するように帯状(幅85μm)の赤色着色層(厚み1.5μm)を、ブラックマトリックスパターンの280μm開口辺方向に延設した。
さらに、青色着色層の感光性塗料を用いて、300μmピッチでブラックマトリックスの開口部上に位置するように帯状(幅85μm)の青色着色層(厚み1.5μm)を、ブラックマトリックスパターンの280μm開口辺方向に延設した。
上記Green、Red及びBlueの組み合わせで、Whiteの色度 x=0.313 y=0.323 Y=26.3のカラーフィルターが得られた。
モノクロフィルターの作成
白色有機ELの輝度及び色度を測定するために、着色層の含まれないモノクロフィルターを作成した。すなわち、上記手法でブラックマトリックスを作成後、着色層を形成せずにブラックマトリックス上に平坦化層を形成した。
平坦化層の形成
着色層が形成された上に、ネガ型のアクリレート系光硬化性樹脂(JSR(株) 製、商品名;NN803)をスピンコート法により塗布し、プリベーク(80℃、30分)を行った。その後、所定の平坦化層用フォトマスクを用いて露光した。次いで、現像液(0.05%KOH水溶液)にて現像を行い、ついで、ポストベーク(200℃、60分)を行った。これにより、上記の着色層を覆うように透明保護層(厚み1.5μm)を形成した。形成した透明平坦化層は、透明かつ均一な膜であった。
凸形成用のフォトマスクとして、直径10μmの円形開口が、80μm×280μmの長方形領域内に、20μmピッチでハニカム配置した開口部郡を、上記80μm開口辺方向に300μmピッチ、280μm方向に300μmピッチで配置したフォトマスクを用意した。
凹凸形状の調製
[実施例1]
ネガ型の透明なアクリレート系光硬化型樹脂をスピンコート法により上記カラーフィルター上に厚み2.5μmで塗布し、プリベーク(100℃、3分間)した。次いで、この塗布膜を上記フォトマスクを介して露光(し、現像液(0.05質量%水酸化カリウム水溶液)にて現像を行い、次いで、ポストベーク(230℃、60分間)を行なった。これにより、Green画素領域内に、複数個の円錐台形凸部を形成した。この円錐台形凸部のテーパー角は平均26°であった。尚、この測定は、凸部の断面をSEMで観察し、写真よりテーパー角度を測定した。同様の凸部を、上記手法でRed画素領域内、及びBlue画素領域内に形成した。
[実施例2]
実施例1で使用したものと同じ透明樹脂を上記カラーフィルター上に厚み5.0μmで塗布し、実施例1と同じプロセスでGreen画素領域内に複数個の円錐台形凸部を形成した。この円錐台形凸部のテーパー角は平均45°であった。同様の凸部を、上記手法でRed画素領域内、及びBlue画素領域内に形成した。
[実施例3]
上記カラーフィルターのGreen、Red及びBlue画素領域内に、それぞれ形状の異なる円錐台形凸部を形成した。
すなわち、Green画素領域内には実施例1で形成したものと同様の円錐台形凸部を形成した。そして、Blue画素領域内には実施例2で形成したものと同様の円錐台形凸部を形成した。Red画素領域内には円錐台形凸部は形成しなかった。
[実施例4]
実施例1で使用したものと同じ透明樹脂を上記モノクロフィルター上に厚み2.5μmで塗布し、実施例1と同じプロセスで全画素領域内に複数個の円錐台形凸部を形成した。この円錐台形凸部のテーパー角は平均26°であった。
[実施例5]
実施例1で使用したものと同じ透明樹脂を上記モノクロフィルター上に厚み5.0μmで塗布し、実施例1と同じプロセスで全画素領域内に複数個の円錐台形凸部を形成した。この円錐台形凸部のテーパー角は平均45°であった。
[比較例1]
比較例として、上記カラーフィルター上の、Green、Red及びBlue全ての画素領域内に凸部を形成しないもの(従来のカラーフィルター)を比較例とした。
[比較例2]
比較例として、上記モノクロフィルター上の全ての画素領域内に凸部を形成しないものを比較例とした。
補助電極の形成
次に、上記の透明保護層上の全面にスパッタリング法によりクロム薄膜(厚み0.2μm)を形成し、このクロム薄膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、クロム薄膜のエッチングを行って、補助電極を形成した。この補助電極は、カラーフィルターのストライプ状着色層と平行に形成されたストライプ状のパターンであり、幅15μmでブラックマトリックス上に位置し、透明基材周縁部の端子部では幅が60μmのものとした。
透明電極層の形成
次いで、上記の補助電極を覆うように透明保護層上にイオンプレーティング法により膜厚150nmの酸化インジウムスズ(ITO)電極膜を形成し、このITO電極膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、ITO電極膜のエッチングを行って、透明電極層を形成した。この透明電極層は、透明基材上から透明保護層上に乗り上げ、各色の着色層と平行に、形成された幅85μmの帯状パターンであり、幅方向の一方のエッジ部位は透明保護層の平坦部に位置し、他方のエッジ部位は上記の補助電極上に位置するものであった。
絶縁層と隔壁部の形成
感光性を有するポリイミド系樹脂(東レ製 DL1602)を、スピンコート法により上記基板上に1μmの厚みで塗布し、プリベーク(100℃、30分間)、マスク露光、現像、ポストベーク(230℃、30分間)行って絶縁層を形成した。この絶縁層は、ブラックマトリックスの開口部に、絶縁層の開口部が位置するように配置され、絶縁層の開口部は、ブラックマトリックス開口部よりも大きい90μm×290μmの長方形状とした。
次に、隔壁部用塗料(日本ゼオン社製フォトレジスト ZPN1168)をスピンコート法により上記基板に全面に塗布し、プリベーク(70℃、30分間)を行った。その後、所定の隔壁部用フォトマスクを用いて露光し、現像、ポストベーク(230℃、30分間)を行った。これにより、絶縁層上に隔壁部を形成した。この隔壁部は、高さ5μm、下部(絶縁層側)の幅15μm、上部の幅26μmである形状を有するものであった。
有機EL素子層の形成
次いで、上記の隔壁をマスクとして、真空蒸着法により正孔注入層、発光層、電子注入層からなる白色発光の有機EL素子層を形成した。
すなわち、まず、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミンを、画像表示領域に相当する開口部を備えたマスクを介して60nm厚まで蒸着して成膜することによって、隔壁がマスクパターンとなり、各隔壁間のみを正孔注入層の形成材料が通過して透明電極層上に正孔注入層が形成された。
同様にして、4,4′−ビス(2,2′−ジフェニルビニル)ビフェニル(蛍光ピーク波長:465nm(固体))を40nm厚まで蒸着して成膜した。このとき、同時にルブレン(アルドリッチ(株)製、蛍光ピーク波長:585nm(ジメチルホルムアミド0.1重量%溶液))を少量含有させた。これにより白色蛍光層を形成した。
その後、トリス(8−キノリノール)アルミニウムを20nm厚まで、隔壁をマスクパターンとして蒸着することにより電子注入層を形成した。
このようにして形成された白色発光の有機EL素子層は、幅280μmの帯状パターンとして各隔壁間に存在(各レンチキュラーレンズ素子上に存在)するものであり、隔壁の上部表面にも同様の層構成でダミーの有機EL素子層が形成された。
背面電極層の形成
次に、画像表示領域よりも広い所定の開口部を備えたマスクを介して上記の隔壁が形成されている領域に真空蒸着法によりマグネシウムと銀を同時に蒸着(マグネシウムの蒸着速度=1.3〜1.4nm/秒、銀の蒸着速度=0.1nm/秒)して成膜した。これにより、隔壁がマスクとなって、マグネシウム/銀混合物からなる背面電極層(厚み200nm)が白色発光の有機EL素子層上に形成された。この背面電極層は、幅280μmの帯状パターンとして有機EL素子層上に存在するものであり、隔壁の上部表面にもダミーの背面電極層が形成された。
以上により、有機EL表示装置を得た。この有機EL表示装置の透明電極層と背面電極層に直流1.0mA/cm2の一定電流を流してして連続駆動させることにより、透明電極層と背面電極層とが交差する所望の部位の白色有機EL素子層を発光させた。そして、カラーフィルター層で色補正された後、透明基材の反対面側で観測される各色の発光について、色度を測定した。
評価試験
[評価1]
実施例4〜5及び比較例2として作成した有機ELの、色度及び輝度を測定し、その結果を表1に記載した。
凸部を形成しなかったもの(比較例2)と比較して、テーパー角26°の円錐台形凸部を形成したものは(実施例4)はGreen領域(500〜550nm)の輝度が向上した。
また、テーパー角45°の円錐台形凸部を形成したものは(実施例5)はBlue領域(450〜500nm)の輝度が向上した。
円錐台形凸部を形成していないもの(比較例2)は、Red領域(550〜650nm)の輝度が高い。
Figure 0005126653
[評価2]
続いて、実施例1〜3及び比較例1として作成した有機ELの、色度及び輝度を測定し、その結果を表2に記載した。
円錐台形凸部を形成しなかったもの(比較例1)と比較して、テーパー角26°の凸部を形成したものは(実施例1)、特にGreen画素の輝度が向上したが、Red画素の輝度が低下した。
また、円錐台形凸部を形成しなかったもの(比較例1)と比較して、テーパー角45°の凸部を形成したものは(実施例2)、特にBlue画素の輝度が向上したが、Red及びGreen画素の輝度が低下した。
Red画素の輝度は、円錐台形凸部を形成しないもの(比較例1)でもっとも良い値を示した。
Figure 0005126653
各色で最も輝度と色純度を向上させるような凸形状をそれぞれ選択し、凸部の混合したもの(実施例3)の色度及び輝度を測定し、表3に記載した。
円錐台形凸部を形成しなかったもの(比較例1)と比較して、Whiteの輝度及びNTSC比が向上した。
Figure 0005126653
図1は従来の有機EL素子の概略断面図を示す。 図2は従来の有機EL素子の概略断面図を示す。 図3は従来の有機EL素子の光の干渉効果を示す。 図4は本発明による有機EL素子の概略断面図を示す。 図5は本発明による凹形状体又は凸形状体の概略図を示す。 図6は本発明による凹形状体又は凸形状体の配置概略図を示す。 図7は本発明による凹形状体又は凸形状体の配置概略図を示す。 図8は本発明による三色塗り分けEL素子の概略断面図を示す。 図9は本発明によるカラーフィルターと白色発光層を備えたEL素子の概略断面図を示す。 図10は本発明によるカラーフィルターと青色領域発光層とを備えたEL素子の概略断面図を示す。

Claims (11)

  1. 透明基材と、該透明基材の上に、透明陽極と、一又は複数の発光層と、陰極とを少なくとも備えてなるEL素子であって、
    赤色画素領域、緑色画素領域および青色画素領域を有し、
    前記透明基材の上に、複数の凹形状体又は凸形状体を備えてなり、
    前記凹形状体又は前記凸形状体は、前記緑色画素領域内および前記青色画素領域内には形成されているが、前記赤色画素領域内には形成されていない、EL素子。
  2. 前記透明基材の垂直方向において、前記透明基材の上に形成される透明陽極の層厚(dr)と、前記凹形状体又は前記凸形状体の上に形成される前記透明陽極の層厚(d)をそれぞれ測定した場合に、数式d>drを満たすものである、請求項1に記載のEL素子。
  3. 前記凹形状体又は前記凸形状体が、円錐体、角錐体、円錐台、角錐台、又はこれらの頭頂部位が曲線処理されてなるもの、及びこれらの混合物から選択されてなるものである、請求項1又は2に記載のEL素子。
  4. 前記凹形状体又は前記凸形状体が同一画素内に複数存在する場合、相互に隣り合う前記凹形状体又は前記凸形状体の頂点間距離が、5μm以上100μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のEL素子。
  5. 前記凹形状体又は前記凸形状体が同一画素内に複数存在する場合、相互に隣り合う前記凹形状体又は前記凸形状体の垂直方向の高さが、0.5μm以上10μm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のEL素子。
  6. 前記凹形状体又は前記凸形状体が同一画素内に複数存在する場合、前記凹形状体又は前記凸形状体が規則的又は不規則に配置されてなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のEL素子。
  7. 前記凹形状体又は前記凸形状体が、フォトリソグラフィー法又は凹形状又は凸形状を有する賦型を用いて前記透明基材の上に形成されてなり、或いは前記透明基材自体を凹形状又は凸形状に形成したものである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のEL素子。
  8. 前記発光層が、赤色領域の色を呈する赤色領域発光層、緑色領域の色を呈する緑色領域発光層、および青色領域の色を呈する青色領域発光層を備え、
    前記緑色画素領域内に存在する前記凹形状体又は前記凸形状体が、前記緑色領域の色を補色し、
    前記青色画素領域内に存在する前記凹形状体又は前記凸形状体が、前記青色領域の色を補色するものである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のEL素子。
  9. 前記透明基材と前記透明陽極の間にカラーフィルターをさらに備えてなり、
    前記発光層が白色を呈するものであり、
    前記カラーフィルターが、赤色領域の色を呈する赤色領域カラーフィルター、緑色領域の色を呈する緑色領域カラーフィルター、および青色領域の色を呈する青色領域カラーフィルターを備え、
    前記緑色画素領域内に存在する前記凹形状体又は前記凸形状体が、緑色領域の色を補色し、
    前記青色画素領域内に存在する前記凹形状体又は前記凸形状体が、青色領域の色を補色するものである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のEL素子。
  10. 前記透明基材と前記透明陽極の間にカラーフィルターをさらに備えてなり、
    前記発光層が白色を呈するものであり、
    前記カラーフィルターが、赤色領域の色を呈する赤色領域カラーフィルター、緑色領域の色を呈する緑色領域カラーフィルター、および青色領域の色を呈する青色領域カラーフィルターを備え、
    前記緑色領域カラーフィルターの上に、青色領域色変換層を備えてなり、
    前記緑色領域カラーフィルターの上に存在する前記凹形状体又は前記凸形状体が、青色領域の色を補色し、
    前記青色領域カラーフィルターの上に存在する前記凹形状体又は前記凸形状体が、青色領域の色を補色するものである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のEL素子。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のEL素子を備えてなる、EL画像表示装置。
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