JP5125633B2 - 調湿建材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、吸放湿能を有した建材本体の表面に通気性の下地釉薬層を介して通気性の模様付け釉薬層を設けた調湿建材を製造する方法に関する。
従来、調湿建材としては、ゼオライトや珪藻土などの吸放湿性をもつ材料を、セメント、石膏などの凝結硬化剤で固めた建材や粘土などと混合して焼成してなる建材が用いられている(例えば特許文献1)。
特許文献2には、Al33〜76重量%、SiO15〜57重量%、NaO,KO,LiO,B,Pの合計5重量%以下、CaO,BaO及びMgOの合計9重量%以下を含んだ焼結体よりなり、X線回折チャートにおいてk−Alのメインピークが検出され、このk−Alのメインピークの高さがα−Alのメインピークよりも高い(α−Alのメインピークが実質的に検出されない場合も含む。)調湿建材が記載されている。
なお、上記特許文献1には、調湿建材の調湿性能を確保した上で、表面を施釉することにより意匠性を高めると共に、耐汚れ性を改善することが記載されている。
この特許文献1では、調湿建材本体の表面を施釉することによって、調湿性能が大きく低下することを防止するために、表面に形成された釉薬層が調湿建材本体の表面の90%以下の面積領域に形成されるように、或いは、この釉薬層の最大厚みが300μm以下となるように施釉される。従って、耐汚れ性の向上を目的として施釉面積を大きくした場合には、調湿性能を確保するために、釉薬層の厚さを薄くする必要がある。なお、この特許文献1では、ガラス成分を含む泥漿を用いてスプレーガン等により掛釉される。
特開平11−315586号公報 特開2001−122657号公報
特許文献1に記載されるように、調湿建材の調湿性能を損なうことなく施釉するためには、形成される釉薬層の厚さを薄くする必要がある。このため、意匠性の改善にも制限があり、深みのある絵柄や、凹凸感(レリーフ感)のある加飾を施すことはできない。
本発明は上記従来の問題点を解決し、調湿性能を確保した上で、表面に意匠性の高い模様付け釉薬層を形成した調湿建材を提供することを目的とする。
発明(請求項)の調湿建材の製造方法は、吸放湿能を有した建材本体の表面に通気性を有した下地釉薬層が設けられ、該下地釉薬層の上に通気性を有した模様付け釉薬層が設けられている調湿建材を製造する方法であって、焼成されることにより前記建材本体となる建材グリーン体の上に、前記下地釉薬層形成用の下地釉薬を掛けて下地釉薬層を形成し、この下地釉薬層上の模様付け部分に前記模様付け釉薬層形成用の模様釉薬の球状造粒粉を供給し、その後焼成することを特徴とする。
請求項の調湿建材の製造方法は、請求項において、前記球状造粒粉の平均粒径が20〜500μmであることを特徴とする。
請求項の調湿建材の製造方法は、請求項又はにおいて、前記球状造粒粉はスプレードライヤによる造粒粉であることを特徴とする。
請求項の調湿建材の製造方法は、請求項において、前記球状造粒粉は、フリット、粘土、顔料及び水を混合して細磨してなる釉薬泥漿をスプレードライヤで造粒してなる造粒粉であることを特徴とする。
本発明の調湿建材にあっては、吸放湿性能を有した建材本体の表面に下地釉薬層が形成されている。この下地釉薬層により、耐汚れ性を高めることができる。また、この下地釉薬層上に形成された模様付け釉薬層により、優れた意匠性を得ることができる。建材本体の表面に形成された下地釉薬層も模様付け釉薬層も通気性であるため、調湿建材としての調湿性能も十分に高いものとなる。
請求項の製造方法によると、この通気性の模様付け釉薬層は、模様付け釉薬層形成用の模様釉薬の球状造粒粉を用いて形成される。球状造粒粉は、下地釉薬層上に供給された際、下地釉薬層上を転がり、粒子間に間隙をあけた状態で下地釉薬層の上に存在するか、球状造粒粒子間に比較的大きな空隙を有するように該下地釉薬層の上に堆積する。従って、その後焼成されることにより形成される模様付け釉薬層は、この球状造粒粒子同士の間の間隙ないし大きな空隙に由来する大きな通気孔を有したものとなる。この通気孔により、模様付け釉薬層が十分な通気性を備えたものとなる。
なお、従来例に係るスプレーガンを用いたスプレー施釉の場合、粒径50〜150μm程度の球状の泥漿粒がスプレーガンから噴出するが、この球状の泥漿粒が建材本体の表面に落下(付着)したときに平たく広がる。この平たく広がった泥漿釉は、焼成時に溶けて流れることによって更に広がるため、建材本体の表面の広い範囲が釉薬で被覆されてしまうことになる。
模様付けのために、ガラスフリットの粉砕物を建材本体の表面にノズルから供給することも考えられるが、このガラスフリット粉砕物は、角ばった非球形粒子であるため、建材本体の表面に供給されても、盛り上る如く堆積し、密集してしまう。
これに対し、請求項の製造方法によると、上述の通り、下地釉薬層上に供給された球状造粒粉は、下地釉薬層上を転がり、粒子間に間隙をあけた状態で下地釉薬層の上に存在するか、球状造粒粒子間に比較的大きな空隙を有するように該下地釉薬層の上に堆積し、焼成されることにより球状造粒粒子同士の間の間隙ないし大きな空隙に由来する大きな通気孔が形成される。この通気孔により、模様付け釉薬層が十分な通気性を備えたものとなる。
なお、請求項のように、球状造粒粒子の平均粒径を20〜500μmと大きなものとすることにより、下地釉薬層上に堆積した際の球状造粒粒子間の空隙が大きくなり、模様付け釉薬層の通気性が十分に高いものとなる。また、球状造粒粒子の粒径が大きいと、1個当りの球状造粒粒子によって形成される釉掛厚みが大きなものとなるため、焼成後の模様付け釉薬層の厚みも十分に大きなものとなり、濃色の模様や凹凸感(レリーフ感)のある模様を形成することも可能となる。
この球状造粒粉はスプレードライヤによる造粒粉であることが好ましく(請求項)、特にフリット、粘土、顔料及び水を混合して細磨してなる釉薬泥漿をスプレードライヤで造粒して得られる造粒粉であることが好ましい(請求項)。
以下に本発明の調湿建材の製造方法の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の調湿建材は、吸放湿性能を有した建材本体の表面に、通気性を有した下地釉薬層が設けられ、この下地釉薬層の上に通気性を有した模様付け釉薬層が設けられたものである。
この調湿建材は、焼成されることにより前記建材本体となる建材グリーン体の上に、前記下地釉薬層形成用の下地釉薬を掛けて下地釉薬層を形成し、この下地釉薬層上の模様付け部分に前記模様付け釉薬層形成用の模様釉薬の球状造粒粉を供給し、その後焼成することにより製造することができる。
以下に、本発明の調湿建材の製造手順に従って、本発明を説明するが、本発明の調湿建材の製造方法は以下に説明する方法に何ら限定されるものではない。
[建材グリーン体]
焼成されることにより吸放湿性能を有する建材本体となる建材グリーン体としては、前記特許文献1又は2に記載のものが好適である。
特許文献2の建材グリーン体は、水酸化アルミニウムと粘土とを混合して成形したものである。
この場合、水酸化アルミニウムとしては、粉末状のものが好適である。
粘土としては、木節粘土、蛙目粘土、耐火粘土など各種のものを用いることができる。
この原料の配合割合は、水酸化アルミニウム100重量部に対し粘土40〜900重量部、特に100〜400重量部の範囲であり、且つ得られる建材本体の組成が次の範囲となるようにするのが好ましい。
Al:33〜76重量%、特に44〜62重量%
SiO:15〜57重量%、特に28〜50重量%
CaO,BaO及びMgOの合計:9重量%以下、特に8重量%以下
フラックス(NaO,KO,LiO,B,Pの合計):5重量%以下、特に4重量%以下
なお、SiOが57重量%よりも多いと原料の焼結性が悪化すると共に、Alが過少となり調湿性が悪化する。SiOが15重量%よりも少ないと焼結体の強度が低下すると共に、粘土量が過少であり、成形性が悪くなる。
SiO/Al重量比は0.288以上、好ましくは0.288〜1.650とすることにより、調湿性を損うことなく成形性を高めることができる。
また、CaO,BaO及びMgOの合計が9重量%よりも多いと、得られる建材本体の微細孔が閉塞され調湿特性が低下するようになる。また、フラックスが5重量%よりも多いと得られる建材本体の微細孔が閉塞され調湿特性が低下する。
なお、得られる建材本体の調湿特性及び強度に悪影響を与えない範囲で第3成分、例えば、各種ガラス粉やフリット、建物用又は自動車用の板ガラスや都市ゴミ溶融スラグや製鋼スラグなどの各種スラグを配合してもよい。この第3成分の配合量は、水酸化アルミニウム及び粘土の合量100重量部に対し25重量部以下、特に17.5重量部以下であることが望ましい。
この原料は、必要により粉砕した後、混合し、成形される。粉砕方法、混合方法、成形方法は特に限定されるものではない。例えば、成形方法としては、プレス成形、押出成形等を採用できる。この成形のためにメチルセルロース等の成形助剤を添加してもよい。
なお、その建材本体は板状、ブロック状、筒状など適宜の形状としうる。
また、建材グリーン体は、前述の特許文献1に記載される方法に従って、例えば、鹿沼土、大沢土及び膠質土、水土、味噌土と呼ばれる各地の火山軽石層や珪藻土、酸性白土、活性白土、ゼオライト、ハロイサイト、セピオライトなどの調湿性原料に、木節粘土、蛙目粘土等の粘土、珪石、陶石、蝋石、長石その他のガラス質成分等を下記の配合割合で混合し、押出成形又はプレス成形して製造されたものであってもよい。
<原料配合(重量部)>
鹿沼土等の調湿性原料:100
粘土:100〜1000
ガラス質成分:0〜500
このようにして得られる建材グリーン体は、焼成することなく、後述の施釉工程に供されるが、この建材グリーン体を焼成した後、後述の施釉工程に供しても良い。焼成を行う場合、その焼成条件は、仮焼であってもよく、後述の施釉後の焼成条件と同様の条件としてもよい。ただし、焼成コスト低減のために、焼成は1回だけ行われ、建材グリーン体の焼結と釉焼きとを合わせて行うのが好ましい。
[下地釉薬層]
上述の建材グリーン体上には、まず下地釉薬層形成用の下地釉薬を釉掛して未焼成の下地釉薬層を形成する。
この下地釉薬層の形成に用いる下地釉薬には特に制限はなく、一般的なものを用いることができる。下地釉薬は単に、フリットと水とを混合して得られる泥漿でも良く、これに更に粘土や顔料を配合して用いても良い。顔料の配合により、意匠性をより一層高めることができる。下地釉薬泥漿の配合には特に制限はないが、例えば、次のような配合とすることができる。
<釉薬泥漿配合(重量部)>
フリット:100
粘土:0〜30
顔料:0〜10
水:40〜70
ここで用いるフリットは、その軟化点が後の焼成工程の焼成温度より100〜400℃低く、例えば、軟化点650〜750℃で適度な溶融粘性を持つものを選択使用することが好ましい。この粘性が低すぎると、調湿効果を発揮する建材本体の微細な気孔を、施釉により形成されるガラスが埋めてしまい、調湿性能が大きく損なわれてしまう。
下地釉薬層は、このような下地釉薬を通常のスプレー法や幕掛け法等により建材グリーン体表面に釉掛することにより形成することができる。下地釉薬層は、斑点状、ライン状、格子状のように部分的に施釉してもよいが、下地釉薬層は、建材本体の表面に汚れが直に付かないようにする防汚性向上機能を有するため、この下地釉薬層については部分的な施釉ではなく、全体的な施釉(ここで、全面的な施釉とは、施釉が行われる建材グリーン体表面の70%以上の面積に施釉を施すことをいう。)とするのが好ましい。
なお、この下地釉薬層が過度に厚いと通気性が低下して調湿性能が不十分となり、また、下地釉薬層が過度に薄いと、防汚性向上効果が不十分となるおそれがあることから、下地釉薬層の最大厚みが300μm以下で平均的な厚みが100μm程度となるように下地釉薬を施釉することが好ましい。
[模様付け釉薬層]
本発明では、未焼成の下地釉薬層上の模様付け部分に、模様付け釉薬層形成用の模様釉薬の球状造粒粉を供給して模様釉薬を施釉する。
この模様釉薬の球状造粒粉は、良好な球状粉が得られることから、スプレードライヤ、アイリッヒミキサーなどの粉体造粒機を用いるのがよい。好ましくはスプレードライヤによる造粒粉であり、例えば、フリットと水を含む釉薬泥漿、好ましくは、フリット、粘土、顔料及び水を下記の配合で混合して細磨して得られる釉薬泥漿をスプレードライヤで造粒することにより製造される。
<釉薬泥漿配合(重量部)>
フリット:100
粘土:10〜30
顔料:2〜7
水:40〜70
この球状造粒粉に用いるフリットは、下地釉薬に用いたフリットと同一のものであっても異なるものであってもよいが、球状造粒粉に用いるフリットの軟化点と、下地釉薬に用いたフリットの軟化点とはほぼ同一であることが好ましく、従って、一般的には、球状造粒粉と下地釉薬とで同じフリットを用いることが好ましい。
この球状造粒粉の粒径が小さ過ぎると、球状粒子同士が密集して粒子間隙が埋められることにより、模様付け釉薬層の通気性が低下する。一方、球状造粒粉の粒径が過度に大きいとハンドリングに支障が生じたり、精細な模様付けに難が生じたりする。従って、球状造粒粉は、平均粒径で20〜500μm、特に30〜300μmであることが好ましい。なお、本発明において、この粒径は、デジタルマイクロスコープ((株)キーエンス製VHX−500)によって計測された値である。
球状造粒粉の供給方法としては特に制限はないが、例えば、図1(a)に示すような模様付け部分の形状に対応する開口1Aにネット1Bを張ったパターンマスク1を用い、図1(b)に示す如く、このマスク1上に球状造粒粉2を載せ、スキージ3を移動させて、図1(c),(d)に示すように、マスクの開孔1Aから、下地釉薬層5が形成された建材グリーン体4上に落下させることにより、下地釉薬層5上の模様付け部分に球状造粒粉2を供給することができる。
球状造粒粉は、第3図のように、模様の形状の穴をあけ、この穴にネット21を張ったドラム20を用い、第4図(a),(b),(c)のようにドラム20を回転させ、ネット21を通して落下させること等により、建材グリーン体4の下地釉薬層5上の模様付け部分に供給することもできる。また、造粒後に仮焼すると、造粒粉の強度が増し、ドラム内で造粒粉同士が衝突しても細かくくだけてしまうことがない。
なお、模様付け釉薬層は、調湿建材の表面に、点状、線状、島状、その他様々な模様を形どった形状で形成する他、調湿建材の表面に全面的に形成することもできる。調湿建材の表面の全面に模様付け釉薬層を形成する場合は、例えば、図2に示すような枠体10Aにネット10Bを張設したマスク10を用いて、図1(b)〜(d)に示す方法と同様にして下地釉薬層5を形成した建材グリーン体4上に球状造粒粉を供給すればよい。
[焼成]
建材グリーン体の上に下地釉薬層を形成し、更に球状造粒粉を供給した後は、焼成して本発明の調湿建材を得る。
この焼成条件は、建材グリーン体の組成や用いた釉薬等によっても異なるが、好ましくは700〜1200℃、特に800〜1100℃、とりわけ900〜1100℃で、0.3〜100時間、好ましくは0.5〜72時間焼成することが好ましい。
このようにして耐汚れ性と意匠性に優れ、特に通気性の模様付け釉薬層により、比較的厚さの厚い、深みやレリーフ感のある模様付けがなされた本発明の調湿建材が製造される。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
なお、以下において、建材グリーン体としては、以下の配合の原料をボールミルで粉砕、混合した後、プレス成形して得られた50mm×50mm×5mm厚さの成形体を用いた。
<原料配合(重量部)>
工業用水酸化アルミニウム(Al(OH) 純度99.6%グレード):70
粘土(愛知県瀬戸産):30
ガラス破砕物:10
ガラス破砕物の化学組成(重量%)は以下の通りである。
SiO:70
Al:2
NaO:13
O:1
CaO:12
MgO:0.5
その他:1.5
また、下地釉薬層形成用の釉薬泥漿、模様付け釉薬層形成用の模様釉薬の球状造粒粉としては、以下のものを用いた。
<下地釉薬層形成用の釉薬泥漿>
釉薬泥漿A:ソーダ石灰ガラス(軟化点約680℃)100重量部、粘土20重量部及び水60重量部を混合、細磨して得られた釉薬泥漿
釉薬泥漿B:アルミノホウケイ酸系フリット(軟化点約670℃)100重量部、粘土10重量部及び水50重量部を混合、細磨して得られた釉薬泥漿
<球状造粒粉>
球状造粒粉I:ソーダ石灰ガラス(軟化点約680℃)100重量部、粘土20重量部、顔料3重量部及び水60重量部を混合、細磨して得られた釉薬泥漿をスプレードライヤで造粒して得られた造粒粉。粒径範囲30〜300μm、平均粒径100μm。
球状造粒粉II:アルミノホウケイ酸系フリット(軟化点約670℃)100重量部、粘土10重量部、顔料5重量部及び水50重量部を混合、細磨して得られた釉薬泥漿をスプレードライヤで造粒して得られた造粒粉。粒径範囲30〜300μm、平均粒径100μm。
[実施例1〜4]
建材グリーン体の表面に釉薬泥漿Aを150g/mの施釉量でスプレー掛けすることにより全面施釉して平均厚さ(焼成後の厚さ)100μmの下地釉薬層を形成し、その後、この上に、図2に示すマスク10を用い、図1(b)〜(d)に示す方法と同様にして球状造粒粉Iを全面的に供給した後、1000℃で24時間焼成することにより、本発明の調湿建材を製造した。
なお、球状造粒粉Iは、調湿建材の表面の単位面積当たりの施釉量が表1に示す量になるように供給した。この球状造粒粉Iによる模様付け釉薬層の平均厚さ(焼成後の厚さ)は表1に示す通りであった。
[比較例1]
実施例1において、球状造粒粉を用いず、模様付け釉薬層を形成しなかったこと以外は同様にして、調湿建材を製造した。
[比較例2〜5]
実施例1において、球状造粒粉Iの造粒用の釉薬泥漿をスプレー造粒することなくそのまま用い、スクリーン印刷により表1に示す施釉量及び平均厚さ200μmとなるように全面施釉したこと以外は同様にして、調湿建材を製造した。
[実施例5〜8]
建材グリーン体の表面に釉薬泥漿Bを150g/mの施釉量でスプレー掛けすることにより全面施釉して平均厚さ(焼成後の厚さ)100μmの下地釉薬層を形成し、その後、この上に、図2に示すマスク10を用い、図1(b)〜(d)に示す方法と同様にして球状造粒粉IIを全面的に供給した後、ローラーハースキルンにて最高温度900℃で90分焼成することにより、本発明の調湿建材を製造した。
なお、球状造粒粉IIは、調湿建材の表面の単位面積当たりの施釉量が表2に示す量になるように供給した。
[比較例6]
実施例4において、球状造粒粉を用いず、模様付け釉薬層を形成しなかったこと以外は同様にして、調湿建材を製造した。
[比較例7〜10]
実施例4において、球状造粒粉IIの造粒用の釉薬泥漿をスプレー造粒することなくそのまま用い、スプレー施釉により表2に示す施釉量となるように全面施釉したこと以外は同様にして、調湿建材を製造した。
[吸放湿特性]
実施例1〜8及び比較例1〜10で得られた調湿建材について、下記の方法で吸放湿特性の評価を行い、結果を表1,2に示した。
<吸放湿特性>
25℃で相対湿度50%の恒温恒湿槽中で重量を恒量化させたサンプルを、25℃で相対湿度90%に保持した恒温恒湿槽中に入れ、24時間後の増加重量をサンプルの面積(50mm×50mm)で除し、単位面積(1m)あたりに換算して算出される吸湿量(g/m)を吸放湿特性とした。この値は大きい程、吸放湿特性に優れる。
[結果]
Figure 0005125633
Figure 0005125633
[考察]
表1,2の結果から次のことが分かる。
スプレー造粒による球状造粒粉を用いて模様付け釉薬層を形成した実施例1〜4、実施例5〜8では、それぞれ模様付け釉薬層を形成していない比較例1,6に対して、吸放湿特性の低下を小さく抑えた上で、意匠性に優れた模様付け釉薬層を形成することができた。
一方、スプレー造粒せずに、釉薬泥漿をそのままスクリーン印刷した比較例2〜5、スプレー施釉した比較例7〜10では、同重量の施釉重量で比較した場合、それぞれ実施例1〜4、実施例5〜8に比べて吸放湿特性の低下が大きい。
以上より、本発明によれば、調湿建材本来の吸放湿特性能を維持した上で、意匠性に優れた調湿建材を提供することができることが分かる。
本発明における模様釉薬の球状造粒粉の供給方法の一例を示す模式図であり、(a)図はパターンマスクの斜視図、(b)〜(d)図はこのパターンマスクを用いた球状造粒粉の供給方法を示す断面図である。 実施例において、球状造粒粉の供給に使用したマスクを示す斜視図である。 別の実施の形態に用いられるドラムの斜視図である。 図3のドラムを用いた球状造粒粉の供給方法を示す断面図である。
1 パターンマスク
2 球状造粒粉
3 スキージ
4 建材グリーン体
5 下地釉薬層
10 マスク
20 ドラム
21 ネット

Claims (4)

  1. 吸放湿能を有した建材本体の表面に通気性を有した下地釉薬層が設けられ、
    該下地釉薬層の上に通気性を有した模様付け釉薬層が設けられている調湿建材を製造する方法であって、
    焼成されることにより前記建材本体となる建材グリーン体の上に、前記下地釉薬層形成用の下地釉薬を掛けて下地釉薬層を形成し、この下地釉薬層上の模様付け部分に前記模様付け釉薬層形成用の模様釉薬の球状造粒粉を供給し、その後焼成することを特徴とする調湿建材の製造方法。
  2. 請求項において、前記球状造粒粉の平均粒径が20〜500μmであることを特徴とする調湿建材の製造方法。
  3. 請求項又はにおいて、前記球状造粒粉はスプレードライヤによる造粒粉であることを特徴とする調湿建材の製造方法。
  4. 請求項において、前記球状造粒粉は、フリット、粘土、顔料及び水を混合して細磨してなる釉薬泥漿をスプレードライヤで造粒してなる造粒粉であることを特徴とする調湿建材の製造方法。
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