JP5125297B2 - X線検査装置およびx線検査方法 - Google Patents

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本発明は、X線検査装置およびX線検査方法に関する。本発明は、特に、X線照射を用いて対象物を検査するための撮影方法であって、X線検査装置およびX線検査方法に適用しうる技術に関する。
近年、サブミクロンの微細加工技術によりLSI(Large-Scale Integration)の高集積化が進み、従来複数のパッケージに分かれていた機能をひとつのLSIに積め込むことができるようになった。従来のQFP(Quad Flat Package)やPGA(Pin Grid Array)では、ワンパッケージに必要な機能を組み込むことによるピン数の増加に対応できなくなったため、最近では、特に、BGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Size Package)パッケージのLSIが使用される。また、携帯電話機などの超小型化が必要なものでは、ピン数がそれほど必要なくてもBGAパッケージが使用されている。
LSIのBGAやCSPパッケージは超小型化には大いに貢献する反面、半田部分等がアセンブリ後には外観からは目に見えないという特徴がある。そこで、BGAやCSPパッケージを実装したプリント基板等を検査する際は、検査対象品にX線を照射して得られた透過画像を分析することで、品質の良否判定が行なわれてきた。
たとえば、特許文献1では、X線源を固定し、かつ検査対象品およびセンサを移動させることにより検査対象品を検査可能なX線検査装置が開示されている。
また、特許文献2では、基板を検査するためのX線透過検査装置が開示されている。この装置は、一方端にX線源が取り付けられ、他方端にカメラが取り付けられたフレームを備える。フレームは基板の検査面を中心として所定の角度で回動可能に構成される。
また、特許文献3では、測定物を載置するためのテーブルであり、回転軸を測定物の任意の位置に設定できるテーブルを備えるX線CT装置が開示されている。この装置ではX線源が固定され、かつ、測定物およびセンサが移動可能である。これにより測定物に対するX線の照射角を変更して撮像することができる。
また、特許文献4では、角度位相により角度変位に対する投影像の変化が顕著な被検査体を撮像する場合において、角度変位に対する投影像の変化が大きい角度位相でのみ被検査体を載置する回転手段の角度変位を小さく設定し、角度変位に対する投影像の変化が少ない角度位相では回転手段の角度変位を大きく設定して撮像するX線断層撮像装置が開示されている。
特開2006−275626号公報 特開2000−356606号公報 特許第3694833号公報 特開2006−214879号公報
検査工程においては製品の検査時間が短いほど好ましい。その一方、BGAやCSPパッケージのLSIを実装したプリント基板の不良モードには、半田電極間のブリッジ、異物、半田付け不良等の多くの項目がある。X線CT装置を用いてこれらの不良項目(以後不良モードとも呼ぶ)を短時間で検出するためには、撮像時間および画像の再構成時間を短くすることが必要である。さらに、再構成された画像が製品検査に適合した画質を有することも不良モードを短時間で検出するために必要となる。
X線透視画像に含まれる水平方向の情報量および垂直画像の情報量が多いほど、X線透視画像を用いて画像を再構成する際に正確な画像再構成が可能になる。しかしながら検査対象に対するX線の照射角を固定した場合には、X線透視画像に含まれる水平方向の情報量および垂直方向の情報量の一方が不足することが起こる。
たとえばプリント基板の表面に対して垂直に近い角度でX線を照射した場合(照射角が大きい場合)には、X線透視画像は、いわば基板の表面とほぼ平行な投影面に基板を投影した画像になる。よって、この場合にはX線透視画像に含まれる垂直方向の情報が少なくなる。一方、水平に近い角度でプリント基板に対してX線を照射した場合(照射角が小さい場合)のX線透視画像は、いわばプリント基板の厚み方向とほぼ平行な投影面に基板を投影した画像になる。よって、この場合にはX線透視画像に含まれる水平方向の情報が少なくなる。
このように、水平方向の情報量および垂直方向の情報量の一方が不足すると、検査対象を正確に反映させた画像を生成する(再構成する)ことは困難である。したがって、不良モードによっては、再構成画像の画質が良好でないためにその不良モードを検出できないという問題が発生する。
X線の照射角を固定したまま再構成画像の画質を高める方法としては、様々な方向から検査対象にX線を照射し、各照射方向に対するX線の透視画像を撮像する方法が考えられる。この場合には、1枚の透視画像では水平方向(または垂直方向)の情報量が少なくても、複数の透視画像により、その方向の情報量を増やすことができるため、再構成画像の画質を高めることができる。しかしながら撮像枚数が増加するので、撮像に要する時間が長くなるだけでなく、画像の再構成にも時間がかかる。これにより検査時間が全体的に長くなる。
一方、様々な照射角で検査対象に対してX線を照射し、そのときの検査対象のX線透視画像を用いて画像を再構成する方法が考えられる。照射角を変えることによって、水平方向の情報量が多いX線透視画像と垂直方向の情報量が多いX線透視画像とが生成される。これらの透視画像により再構成画像を生成することで、撮像枚数が少なくても再構成画像の画質を高めることが可能になる。しかしながら、従来の技術によれば、X線の照射角度を変更させるためには撮像系(X線源およびセンサの少なくとも一方)あるいは検査対象を機械的に動かす必要があるので検査時間を短くすることは容易ではない。この点について図を参照しながら説明する。
図15は、検査対象とセンサとを平行移動させることが可能な従来のX線検査装置を説明する図である。図15を参照して、X線検査装置は、固定されたX線源210と、検査対象(図示せず)を移動させるステージ220と、検査対象を透過したX線を検出するX線センサ231とを含む。ステージ220とX線センサ231とはたとえばX,Y,Zの全方向に対して平行移動することができる。
このような構成を有するX線検査装置においてX線の照射角度を変えて撮像を行なう場合には、ステージ220および/またはX線センサ231を機械的に移動させる必要があるので、それらの移動時間が必要になる。
特に拡大率を上げた場合にはX線センサ231の移動距離が大きくなる。これによりX線センサ231の移動に時間を要するだけでなく、X線検査装置自体が大きくなるという問題も発生する。たとえば拡大率Mで検査対象の透視画像を撮像する場合を考える。このとき、ステージ220の移動量がLfであるとするとX線センサの移動量LsはLf×Mとなる。つまり、X線センサの移動量は拡大率に比例して大きくなる。
LSI等の電子部品を実装した基板の検査においては、拡大率はたとえば4〜数百倍になることがある。従来のX線検査装置は高拡大率になるほどX線センサの移動量を大きくしなければならないので、高拡大率の検査に適していない。X線センサの移動をなくすために規模(サイズ)の大きなセンサを使用することも考えられるが、そのような大規模なセンサの作成が困難であることと、大規模なセンサの設置が困難であることから現実的ではない。
図16は、ユーセントリックステージを用いた従来のX線検査装置を概略的に説明する図である。図16を参照して、このX線検査装置は、回転軸を任意の位置に設定でき、かつ移動可能なユーセントリックテーブルTと、X線源210Aと、回転可能なX線センサ231Bとを備える。このような構成を有するX線検査装置において照射角度を変化させる場合には、X線センサ231Bを回転させるとともにユーセントリックテーブルTを移動する必要がある。しかしながら、X線センサ231Bの回転およびユーセントリックテーブルTの移動に時間を要するため、検査時間を短縮することは容易ではない。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、高速かつ高精度に検査可能なX線検査装置およびX線検査方法を提供することである。
本発明は要約すれば、対象物にX線を照射して対象物を透過したX線を検出するX線検査装置である。X線検査装置は、対象物の検査部分を透過したX線の強度分布を検出するための複数の検出面を含む検出手段を備える。複数の検出面のうち少なくとも2つの検出面は、所定の軸を中心とする、半径の異なる複数の円周のうちの互いに異なる円周上に配置される。X線検査装置は、X線源と、起点設定手段と、X線出力手段と、再構成手段とをさらに備える。X線源は、電子ビームをターゲットに衝突させて、ターゲットにおける電子ビームの衝突位置であるX線焦点位置からX線を発生させる。起点設定手段は、X線源からのX線が検査部分を透過して複数の検出面の各々に入射するように、複数の検出面のそれぞれに対応するX線焦点位置である複数の起点位置を設定する。X線出力手段は、電子ビームを偏向させることによりX線焦点位置を複数の起点位置に順次移動させて、複数の起点位置の各々からX線を発生させる。再構成手段は、複数の検出面の各々において検出されたX線の強度分布に基づいて、検査部分の画像データを再構成する。
好ましくは、複数の検出面は、複数の円周のいずれかの上に配置される。X線出力手段は、X線焦点位置を、複数の検出面のうち現時点でX線が入射される第1の検出面に対応する起点位置から、複数の検出面のうち第1の検出面からの距離が最大となる第2の検出面に対応する起点位置に移動させる。
より好ましくは、第2の検出面は、複数の円周のうち第1の検査面が配置される円周と異なる円周上に配置される。
さらに好ましくは、再構成手段は、複数の検出面の各々においてX線の強度分布が検出されるごとに、画像データを再構成する。
さらに好ましくは、X線出力手段は、X線が少なくとも2つの検出面に連続的に入射されるように、X線焦点位置を移動させる。
さらに好ましくは、X線検査装置は、再構成された画像データを表示する表示手段をさらに備える。
さらに好ましくは、X線検査装置は、再構成された画像データを用いて対象物の良否を判定する判定手段をさらに備える。
さらに好ましくは、X線検査装置は、判定手段による対象物の良否の判定結果を出力する出力手段をさらに備える。
さらに好ましくは、検出手段は、複数の検出面が配置され、かつ所定の軸を回転軸とする回転台と、回転軸を中心に回転台を回転させるための回転手段とを含む。
さらに好ましくは、X線検査装置は、検出手段は、複数の検出面の各々を、複数の円周の半径方向に自在に移動させる手段を含む。
本発明の他の局面に従うと、X線照射によって対象物を透過したX線の強度分布を検出するための複数の検出面を含む検出手段を備えるX線検査装置を用いたX線検査方法である。X線検査方法は、複数の検出面のうち少なくとも2つの検出面を、所定の軸を中心とする、半径の異なる複数の円周のうちの互いに異なる円周上に配置するステップと、X線が対象物の検査部分を透過して各検出面に入射するように設定されたX線の放射の起点位置に、X線源のX線焦点位置を移動させるステップと、複数の検出面のうちX線が入射した検出面において、検査部分を透過したX線の強度分布を検出するステップと、検出した強度分布のデータに基づき、検査部分の画像データを再構成するステップとを備える。
好ましくは、複数の検出面は、複数の円周のいずれかの上に配置される。X線焦点位置を移動させるステップにおいて、X線焦点位置を、複数の検出面のうち現時点でX線が入射される第1の検出面に対応する起点位置から、複数の検出面のうち第1の検出面からの距離が最大となる第2の検出面に対応する起点位置に移動させる。
好ましくは、第2の検出面は、複数の円周のうち第1の検査面が配置される円周と異なる円周上に配置される。
より好ましくは、画像データを再構成するステップにおいて、複数の検出面の各々によりX線の強度分布が検出されるごとに、画像データを再構成する。
さらに好ましくは、X線焦点位置を移動させるステップにおいて、X線が少なくとも2つの検出面に連続的に入射されるように、X線焦点位置を移動させる。
さらに好ましくは、X線検査方法は、再構成された画像データを用いて対象物の良否を判定するステップをさらに備える。
さらに好ましくは、X線検査方法は、対象物の良否の判定結果を出力するステップをさらに備える。
本発明によれば検査対象物に対するX線検査を高速かつ高精度に実現することができる。
以下において図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについては詳細な説明は繰り返さない。
(1.X線検査装置の構成)
図1は、本実施の形態に係るX線検査装置100の概略ブロック図である。
図1を参照して、本実施の形態に係るX線検査装置100について説明する。ただし、以下で記載されている構成、寸法、形状、その他の相対配置などは、特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
X線検査装置100は、X線を出力する走査型X線源10と、複数のX線センサ23が取り付けられたセンサベース22とを備える。センサベース22は、回転軸21を中心にして回転可能に構成される。走査型X線源10とセンサベース22との間にはステージ35が配置され、ステージ35には検査対象20が載せられる。
X線検査装置100は、さらに、センサベース22の回転軸周りの回転角やX線センサ23からの画像データの取得を制御するための画像取得制御機構30と、ステージ35の位置を制御するためのステージ制御機構36と、ユーザからの指示入力等が入力される入力部40と、測定結果等を外部に出力するための出力部50とを備える。また、X線検査装置100は、走査X線源制御機構60と、演算部70と、メモリ90とをさらに備える。このような構成において、演算部70は、メモリ90に格納された図示しないプログラムを実行して各部を制御し、また、所定の演算処理を実施する。
走査型X線源10は、走査X線源制御機構60によって制御され、検査対象20に対しX線を照射する。
図2は、走査型X線源10の構成を示す断面図である。図2を参照して、走査型X線源10においては、電子ビーム制御部62によって制御された電子銃15から、タングステンなどのターゲット11に対し電子ビーム16が照射される。そして、電子ビーム16がターゲットに衝突した場所(X線焦点位置17)からX線18が発生し、放射(出力)される。なお、電子ビーム系は、真空容器9の中に収められている。真空容器9の内部は、真空ポンプ14によって真空に保たれており、電子銃15から高圧電源13によって加速された電子ビーム16が発射される。
走査型X線源10においては、偏向ヨーク12によって電子ビーム16を偏向することにより、電子ビーム16がターゲット11に衝突する場所を任意に変更することができる。たとえば、偏向ヨーク12によって偏向された電子ビーム16aはターゲット11に衝突し、X線焦点位置17aからX線18aが出力される。また、同様に、偏向ヨーク12によって偏向された電子ビーム16bはターゲット11に衝突し、X線焦点位置17bからX線18bが出力される。なお、本実施形態において、走査型X線源10は透過型であり、また、後に説明するように、検査対象物の検査対象部分に応じて設定されるX線の放射の起点となるべき位置(以下、「X線の放射の起点位置」と呼ぶ)からX線を発生させるにあたり、その位置の設定の自由度を高めることができるよう、リング状ではなく、連続面のターゲットであることが望ましい。また、以下の説明では、特に位置を区別して記載しない場合は、総称として、単にX線焦点位置17と示す。
なお、X線焦点位置を上述したX線の放射の各起点位置に移動させるには、たとえばX線源自体の位置を、その都度、機械的に移動させることも可能である。ただし、図2に示すような構成であれば、X線焦点位置をX線の放射の起点位置に移動させるにあたり、一定の範囲内であればX線源を機械的に移動させることを必要としないため、保守性や信頼性に優れたX線検査装置を実現できる。なお、X線源を複数個設けておき、起点位置に応じてそれらを切換えて使用することも可能である。
図1に戻って、走査X線源制御機構60は、電子ビームの出力を制御する電子ビーム制御部62を含む。電子ビーム制御部62は、演算部70から、X線焦点位置、X線エネルギー(管電圧、管電流)の指定をうける。X線エネルギーは、検査対象の構成によって異なる。電子ビーム制御部62は偏向ヨーク12に流れる電流を制御することにより、電子ビーム16の偏向方向を制御する。
検査対象20は、走査型X線源10とX線センサ23(センサベース22)との間に配置される。ステージ35は、たとえばX−Y−Zステージでもよいし、ベルトコンベアでもよい。ステージ35がX−Y−Zステージであれば、検査対象20を任意の位置に移動させることを可能にする。ステージ35がベルトコンベアであれば、一方向に検査対象20を移動させることにより検査のための位置に検査対象20を配置させることができる。
検査対象が電子部品を実装したプリント基板のように小さい場合、走査型X線源10とセンサベース22とは固定で検査対象を移動させるが、ガラス基板など検査対象が大面積で検査対象側を任意に移動させることが困難な場合は、走査型X線源10とセンサベース22との相対的な位置は固定したまま、走査型X線源10およびセンサベース22を移動させてもよい。
X線センサ23は、走査型X線源10から出力され、検査対象20の検査部分を透過したX線を検出して画像化する2次元センサである。たとえば、X線センサ23は、CCD(Charge Coupled Device)カメラ、I.I.(Image Intensifier)管などである。本実施形態では、センサベース22に複数のX線センサを配置することから、スペース効率のよいFPD(フラットパネルディテクタ)が望ましい。また、インライン検査で使うことができるように高感度であることが望ましく、CdTeを使った直接変換方式のFPDであることが特に望ましい。なお、以下の説明では、特にセンサを区別して記載しない場合は、総称として、単にX線センサ23と示す。X線センサ23から出力される画像データは、検査対象の検査部分を透過し、かつX線センサ23により検出されたX線の強度分布を示す。
センサベース22においては、走査型X線源10側の面の円周上に複数のX線センサ23が取り付けられている。また、センサベース22は、回転軸21を中心に回転することができる。センサベース22の回転可能な範囲は1回転以下でよく、たとえば、センサベース22の円周上にN個のX線センサが配置されていた場合、隣り合うX線センサとセンサベース回転中心のなす角度が360/N程度回転すればよい。もちろん、前式は一具体例に過ぎず、回転角度はこの式に縛られるものではない。センサベース22の回転角はセンサ(図示しない)によって知ることができ、入力部40を介して演算部70に取り込むことができる。
なお、本実施の形態では、センサベース22を回転させることなく画質(解像度)の良好な再構成画像を生成することが可能であるため、センサベース22を回転させることは必須ではない。ただしセンサベース22を回転させて複数のX線センサ23の位置を変化させた状態で撮像を行なうことにより、画像の再構成に用いられる情報量を増やすことができるので、より精細な再構成画像を得ることができる。
また、センサベース22は、拡大率を調整するために上下に昇降できることが望ましい。この場合、センサベース22の上下方向の位置をセンサ(図示しない)により知ることができ、入力部40を介して演算部70に取り込むことができる。また、センサベース22を上下に昇降するとX線センサ23に入射するX線の角度が変わるため、X線センサ23のセンサベース22に対する傾斜角度を制御できるようにしておくのが望ましい。
画像取得制御機構30は、演算部70より指定された角度にセンサベースを回転するよう制御するための回転角制御部32と、演算部70から指定されたX線センサ23の画像データを取得するための画像データ取得部34とを含む。なお、演算部70から指定されるX線センサは1個でも複数でもかまわない。
入力部40は、ユーザの指示、または外部機器(たとえばセンサベース22の回転角や半径方向の位置や上下方向の位置を検出するセンサ)からの情報が入力される装置である。
出力部50は、演算部70により再構成されたX線画像、および、そのX線画像に基づいて演算部70が検査対象20の良否判定を行なった結果を表示するための装置であり、たとえばCRTディスプレイや液晶ディスプレイ等により実現される。
すなわち、ユーザは、入力部40を介して様々な入力を実行することができ、演算部70の処理によって得られる種々の演算結果が出力部50に表示される。なお、出力部50に表示される画像は、ユーザによる目視の良否判定のために出力されてもよいし、あるいは、後で説明する良否判定部78の良否判定結果として出力されてもよい。
演算部70は、走査X線源制御部72と、画像取得制御部74と、3D画像再構成部76と、良否判定部78と、ステージ制御部80と、X線焦点位置計算部82と、撮像条件設定部84とを含む。
走査X線源制御部72は、X線焦点位置、X線エネルギーを決定し、走査X線源制御機構60に指令を送る。
画像取得制御部74は、センサベース22の回転角、画像を取得するX線センサ23を決定し、画像取得制御機構30に指令を送る。また、画像取得制御部74は、画像取得制御機構30から、画像データを取得する。
3D画像再構成部76は、画像取得制御部74により取得された複数の画像データから3次元データを再構成する。
良否判定部78は、3D画像再構成部76により再構成された3Dの画像データあるいは、X線透視画像データをもとに検査対象の良否を判定する。たとえば、半田ボールの形状を認識し、当該形状が予め定められた許容範囲内であるか否かを判定する等により良否判定を行なう。なお、良否判定を行なうアルゴリズム、あるいは、アルゴリズムへの入力情報は、検査対象によって異なるため撮像条件情報94から入手する。
ステージ制御部80は、ステージ35の移動量を決定し、その移動量だけステージ35が移動するようにステージ制御機構36を制御する。
X線焦点位置計算部82は、検査対象20のある検査エリアを検査する際に、その検査エリアに対するX線焦点位置や照射角などを計算する。なお、詳細は後述する。
撮像条件設定部84は、検査対象20に応じて、走査型X線源10からX線を出力する際の条件を設定する。たとえば、X線管に対する印加電圧、撮像時間等である。
メモリ90は、X線焦点位置計算部82によって計算されたX線焦点位置が格納されるX線焦点位置情報92と、撮像条件設定部84によって設定された撮像条件や、良否判定を行なうアルゴリズムなどが格納される撮像条件情報94と、センサベース22に配置された複数のX線センサ23の各々の位置(具体的にはセンサベース22の半径方向の距離と円周方向の角度)が格納されるセンサ位置情報96とを含む。なお、メモリ90は、データを蓄積することができればよく、RAM(Random Access Memory)やEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read-Only Memory)等の記憶装置により構成される。
図3は、センサベース22を走査型X線源10側から見た図である。特に、図3(a)はX線センサ23を同一半径で配置した図であり、図3(b)はX線センサ23を異なる半径で配置した図である。
図3を参照して、センサベース22について説明する。センサベース22には、X線センサ23にデータ処理などを行なう機構部品を複合化したX線センサモジュール25が複数取り付けられている。X線センサモジュール25は、スライダ24を介して、半径方向に自由に移動できるように制御される。
たとえば、図3(a)に示すように、X線センサ23がセンサベース22の回転軸(図1に示す回転軸21)を中心とする円の同一半径上にあるようにX線センサモジュール25を配置することもできるし、図3(b)に示すように、異なる半径の円周上にX線センサモジュール25を配置することもできる。ただし、本実施の形態では図3(b)に示すように異なる半径の円周上にX線センサモジュール25が配置される。これにより、検査対象の様々な角度から見た撮像データを取得することができる。また、センサベース22の中心にもX線センサモジュール25が配置されることが望ましい。
図4は、X線センサモジュール25を示した側面図である。なお、X線センサ23については、X線受光部26側から見た図も併せて示す。
図4を参照して、X線センサモジュール25について説明する。X線センサモジュール25は、受けたX線を電気信号に変換するX線受光部26と、電気信号をデータ化し、データケーブル27を通じて画像データ取得部34にデータを送信するデータ処理部29とを備える。なお、X線センサモジュール25には、電源ケーブル28を介して外部より電力が供給される。また、X線センサモジュール25は、スライダ24を介して半径方向に自由に移動させることができる。X線センサモジュール25のセンサベース内での位置(センサベース22の半径方向の距離と円周方向の角度)はセンサ(図示せず)によって検出することができ、入力部40を介して演算部に取り込むことができる。
X線センサ23は、センサベース22に対して、一定角度(センサ傾斜角α)傾いている。図4では、センサ傾斜角αは固定であるが、画像取得制御機構30からの制御により角度調整できることが好ましい。
X線センサモジュール25は、センサベース22に複数取り付けられるが、それぞれは着脱可能である。したがって、故障したX線センサモジュールのみを交換することができる。
図5は、撮像系を横から見た概念図である。ここでは「横方向」とはセンサベース22の回転軸21に直交する方向を意味するものとする。
図5を参照して、撮像系について説明する。センサベース22の回転軸からX線センサ23の検査エリアの中心までの距離は、センサベース22を回転させたときにおいてそのX線センサの回転半径に等しくなる。図5ではX線センサ23a,23bの回転半径をそれぞれRA,RBと示す。図5では半径RAが半径RBより大きいものとするが、必ず半径RAが半径RBより大きいと限定されるものではない。また、図5においてX線センサ23a,23cは対向する位置関係にあり、X線センサ23b,23dは対向する位置関係にあるが、このようにX線センサの配置が限定されるものではない。
図5では、ワーク(検査エリア)130はセンサベース22の回転軸上にある。ワーク130を撮像する際には、走査型X線源10からX線センサ23に対して出力されるX線の焦点位置(電子ビームの照射位置)の設定されるべき位置(X線の放射の起点位置)が決められる。X線焦点位置17a〜17dは、それぞれX線センサ23a〜23dにそれぞれ対応して定められるX線焦点位置である。
たとえばX線センサ23bに対するX線焦点位置17bは、X線センサ23bのセンサ中心140とワーク(検査エリア)130の中心を結ぶ直線と、走査型X線源10のターゲット面との交点に設定される。なお、センサ中心140にはワークの透視像142が検出される。すなわち、X線の放射の起点位置は、対応するX線センサの検出面について、X線がワークを透過してこの検出面に対して入射するように設定される。
したがって、X線センサ23bのセンサ中心140とワーク130の中心とX線焦点位置17bとが一直線上に並ぶことが望ましいが、検出面の一定範囲内にX線が入射する限り、このような配置に限定されるわけではない。言い換えると、X線センサの各々から対応する起点位置に向かう直線上にワークが存在するように、ターゲット面の起点位置が各々設定される。
またX線センサの中心に入射するX線とそのセンサとは垂直に交わることが好ましい。これにより、X線センサの感度を大きくすることができる。
ここで、X線センサ23とX線焦点位置17とを結ぶ直線と、走査型X線源10のターゲット面とのなす角を照射角θとする。たとえば、X線センサ23a,23bに対しては、照射角θA,θBとする。なお、各照射角を特に区別しない場合は、単に照射角θと示す。センサベース22の回転軸からX線焦点位置までの距離が0(つまりX線焦点位置がセンサベース22の回転軸上にある)ときに照射角θは最大値となり、その値は90度である。
図6は、撮像系を上から見た概念図である。この場合、走査型X線源はセンサベースに隠されるが、X線センサとX線焦点位置との関係を説明するため、図6ではンサベースを示していない。図6および図5を参照して、さらに撮像系について説明する。
図6に示すようにワーク130の中心をXYZ座標系の原点Oとする。なおX方向、Y方向とは原点Oを通り、かつ互いに直交する2つの直線に沿った方向である。一方、図5に示すようにセンサベース22の回転軸に沿った方向をZ方向とする。なお、ワーク130からセンサベース22に向かう向きを+Z方向とし、ワーク130から走査型X線源10に向かう向きを−Z方向とする。
図6において、X線センサ23aの中心と原点Oとを結ぶ直線がX軸に対してなす角度をβAとする。同様にX線センサ23bの中心と原点Oとを結ぶ直線がX軸に対してなす角度をβBとする。
XYZ座標系ではX線センサ23aの座標は(RAcosβA,RAsinβA,ZS)と表わされ、X線焦点位置17aの座標は(XA,YA,−ZF)と表わされる。X線センサ23aの中心とX線焦点位置17aとを結ぶ直線は原点Oを通るため、三角形の相似性から以下の式(1),(2)が成立する。
RAcosβA:ZS=XA:−ZF …(1)
RAsinβA:ZS=YA:−ZF …(2)
式(1),(2)を変形することによりXA,YAはそれぞれ以下の式(3),(4)に従って表わされる。
XA=−RAcosβA×(ZF/ZS) …(3)
YA=−RAsinβA×(ZF/ZS) …(4)
式(3),(4)に従ってXA,YAを定めることにより、X線焦点位置17aからワーク130の中心(原点O)を通るように出射されたX線はX線センサ23aのセンサ中心に入射する。
ここでX線センサ23aのX,Y座標はワーク130の撮像に先立って設定され、図1に示すメモリ90内のセンサ位置情報96に格納される。同様にZF,ZSの値もワーク130の撮像に先立って設定されメモリ90内に格納される。
よって、X線焦点位置計算部82は、式(3),(4)およびメモリ90に格納された情報に基づいてX線焦点位置17aを定める。なお、図5に示すX線焦点位置17bの座標は(XB,YB,−ZF)と表わされるが、XB,YBも同様に算出される。さらに図5に示すX線焦点位置17c,17d、および図6に示すX線センサ23c〜23hのそれぞれに対応するX線焦点位置も同様に算出される。
図7は、検査対象の断層面を説明するための図である。図7を参照して、検査対象20は、プリント基板121と、LSIチップが搭載され、かつプリント基板121に実装されるLSIパッケージ122とを含む。LSIパッケージ122はたとえばBGAパッケージあるいはCSPパッケージであり、電極として半田ボール123を備える。
領域SAは、検査対象20の断層像を説明するための仮想的な空間である。垂直断層像とは、この領域SAの断面がYZ平面である場合に、そのYZ平面での断層像を意味する。一方、水平断層像とは、領域SAの断面がXY平面である場合に、そのXY平面での断層像を意味する。
図8は、照射角が固定された場合のX線センサの配置を示す図である。図8(a)および図8(b)はいずれも16個のX線センサモジュール25が同一半径の円周上に配置された状態を示す。図8(a)のほうが図8(b)よりも円の半径が大きい。このことは照射角(図5参照)は図8(a)のほうが図8(b)よりも小さいことを示す。
図9は、照射角と、断層像に含まれる情報量との対応関係を示す図である。
図9を参照して、照射角が大きく、かつ固定されている場合(図8(b)の場合)には検査対象に対して垂直に近い角度でX線が透過する。この場合、X線透視画像は、いわば基板の表面とほぼ平行な投影面に基板を投影した画像になる。これにより水平断層像(透視画像)には水平方向に対する情報(X線吸収係数分布)が多く含まれる(図中において記号「◎」により示す)。再構成画像は断層像により得られた情報を元に生成されるので、水平方向に関する情報を多く含む透視画像により画像を再構成した場合には、水平方向の情報が多い(すなわち水平方向の空間分解能が高い)画像が得られる。
これに対し、垂直断層像に含まれる垂直方向の情報は少なくなる(図中において記号「×」により示す)。このため画像を再構成した場合には垂直方向の情報が少なくなる。すなわち垂直方向の空間分解能が低くなる。
同様に、照射角が小さく、かつ、固定されていた場合(図8(a)の場合)には検査対象に対して水平に近い角度でX線が透過する。この場合のX線透視画像は、いわばプリント基板の厚み方向とほぼ平行な投影面に基板を投影した画像になる。よって、この場合には垂直断層像には垂直方向に対する情報が多く含まれる(図中「◎」で示す)。よって、再構成画像において垂直方向の情報が多くなる(垂直方向の空間分解能が高くなる)。一方、水平断層像に含まれる水平方向の情報は少なくなる(図中「×」で示す)。このため再構成画像において水平方向の情報が少なくなる(水平方向の空間分解能が低くなる)。
図7に示す検査対象20(LSIパッケージが実装されたプリント基板)の検査においては数種類の不良モードが存在する。さらに、それらの不良モードは水平方向の空間分解能が必要なものと、垂直方向の空間分解能が必要なものと、水平方向および垂直方向の両方の空間分解能が必要なものとを含む。たとえば水平方向の空間分解能が必要な不良モードには、異物や半田ブリッジなどがある。垂直方向の空間分解能が必要な不良モードには、基板とLSIパッケージとを接続する半田の量の不足(または過多)や、半田ボールの基板からの浮きなどがある。水平および垂直の両方向の空間分解能が必要になる不良モードには、ボイドや半田の濡れ性などがある。
同一半径の円周上に所定数のX線センサを配置した場合には、X線の照射角も固定される。この場合には、図9に示すように垂直方向または水平方向のいずれかの空間分解能しか高めることができないので、上記した3種類の不良モードを一度に検査することは困難である。
照射角を固定しつつ垂直方向および水平方向の両方の空間分解能を高める方法として、様々な方向から撮像されたX線透視画像を用いて画像を再構成する方法が考えられる。1枚の透視画像では水平方向(または垂直方向)の情報量が少なくても、複数の透視画像により、その方向の情報量を増やすことができるため、垂直方向および水平方向の両方の空間分解能を高めることが期待できる。しかしながら撮像に要する時間が長くなるとともに、画像の再構成に要する時間も長くなるので、検査時間は全体的に長くなる。
本実施の形態によれば、たとえば図3(b)に示すように少なくとも2つのX線センサが互いに異なる円周上に配置される。これにより、水平断層像および垂直断層像のいずれにおいても、水平方向の情報および垂直方向の情報をいわば均等に(バランスよく)含めることができる(図中「○」にて示す)。このため画像を再構成した際に水平方向および垂直方向のいずれかの情報が不足するという問題を回避することが可能になる。この結果、撮像枚数が少なくても、水平方向および垂直方向の両方において空間分解能を高めることができる。
これにより、本実施の形態では撮像に要する時間だけでなく画像の再構成に要する時間も短縮することができる。さらに、その再構成された画像に基づいて、水平方向の空間分解能が必要になる不良モード、垂直方向の空間分解能が必要になる不良モード、水平および垂直の両方向の空間分解能が必要になる不良モードを一度に検査することができる。よって本実施の形態によれば検査対象に対するX線検査を高速かつ高精度に実現することができる。
さらに、本実施の形態ではX線センサが予め離散的に配置されている(少なくとも2つのX線センサが異なる半径の円周上に配置される)ため、照射角を変えるためにX線センサを移動させる必要がなくなる。これにより撮像に要する時間をより短縮させることができる。
さらに、本実施の形態では走査型X線源を用いているので、X線焦点位置を高速に移動させることができる。これにより撮像に要する時間をより短縮させることができる。
(2.画像再構成の説明)
図10は、画像再構成手法を説明するための図である。X線画像再構成は、検査対象物の外部から照射したX線が、検査対象物によってどれだけ減衰したかを計測することにより、検査対象物内部のX線減衰率の分布を求める手法である。
図10を参照して、X線センサ23aに対応するX線焦点位置17aから発せられたX線は検査対象を透過してX線センサ23aのピクセルPaに到達する。X線が検査対象を透過することによって、X線量(X線強度)は検査対象を構成する部品等のそれぞれが有する固有のX線吸収係数に相当する分だけ減衰する。X線強度の減衰量はピクセルPaの画素値として記録される。
X線焦点位置17aから発せられるX線強度をIとし、X線焦点位置17aからピクセルPaまでのX線が通過した経路をtとし、ワークにおけるX線の減衰量分布をf(x,y,z)とすると、ピクセルPaに到達したX線の強度Iaは以下の式(5)で表される。
Ia=I×exp{−∫f(x,y,z)dt} …(5)
この式の両辺の対数をとると、経路tに沿ったX線減衰量分布が以下の式(6)のように線積分値により表わされる。このX線減衰量分布をX線センサにより計測した値を投影データと呼ぶ。すなわちX線センサはX線減衰量分布(X線強度分布と置き換えてもよい)を検出する。
∫f(x,y,z)dt=ln(I/Ia) …(6)
Feldkampらは、この式をもとに3次元画像再構成を行なうための再構成アルゴリズムを提案した。このアルゴリズム(いわゆるFeldkamp法)は公知技術であるのでここでは詳細に説明しない。以下では一般的な手法の一つであるフィルタ逆投影法について説明する。
投影データから、X線が通過した経路tに沿ってX線減衰量分布を加算してX線減衰量分布f(x,y,z)を求める操作を逆投影と呼ぶ。ただし、単純に投影データを加算すると撮像系の点広がり関数によりボケが生じるため、投影データにフィルタをかけることがある。このフィルタにはたとえばShepp−Loganフィルタが用いられる。
本実施形態における画像再構成では、まずX線センサ23aのピクセルPaの投影データAをフィルタリングした値A1をボクセルデータVに加算する。さらに、X線センサ23bのピクセルPbの投影データBをフィルタリングした値B1をボクセルデータVに加算する。すると、V=A1+B1となる。この逆投影操作を全てのX線センサもしくは一部のX線センサに対して行なうことで、ボクセルデータVは以下の式(7)に従って表わされる。
V=Σ(A1+B1+・・・) …(7)
この操作を再構成画像を構成する全てのボクセルデータに対して行なうことにより、検査対象のX線減衰量分布が求められて再構成画像データRが得られる。
図11は、X線CTの走査方式の一つであるシングルスキャン方式で得られるフーリエスペクトル情報を説明する図である。図11を参照しながら、投影角(照射角と置き換えてもよい)が一定の走査方式では、完全な再構成が行なえないことを説明する。
図11(a)に示すように、シングルスキャン方式とは、X線源(ビーム源)と、X線センサ(平面検出器)との対をワーク(物体)を囲む円周上で1周させることにより2次元の撮像画像(投影データ)を取得する方式である。X線源はX軸を中心としてYZ平面上の円周上を走査するものとする。また、この円の半径の大きさをDsoとする。
図11(b)は、シングルスキャン方式で収集される3次元情報をフーリエ空間F(ωx,ωy,ωz)で示したものである。シングルスキャン方式で得られる3次元情報とフーリエ空間との関係は投影切断面定理を用いて求められる。シングルスキャン方式で得られる3次元情報を周波数領域に示すと、ωx軸を中心とする、ある角度範囲の円錐状のスペクトルが欠落したものになる。半径Dsoが大きいほど、このスペクトルが欠落する範囲を示す円錐は小さくなり、半径Dsoが無限大で円錐は存在しなくなる。円錐が存在しないということは完全な再構成が行なわれたことに相当する。
しかし、インラインX線CT検査において、半径Dsoを無限大にすることは不可能である。すなわち半径Dsoは有限値であるので、スペクトルが欠落する範囲を示す円錐が存在する。したがって照射角が一定の走査方式では完全な再構成はできない。複数のX線センサを同一半径の円周上に配置して撮像を行なうということは、X線源とX線センサとの対をその円周上で1周させるということに相当するので、やはりスペクトルの欠落範囲が生じる。
これに対し本実施の形態では、複数の照射角を組み合わせて撮像するので、あるスペクトルの欠落範囲の少なくとも一部を、照射角が異なる他の3次元情報によって補なうことができる。さらに、照射角に応じてスペクトルの欠落範囲が異なるため、全体的にはスペクトルの欠落範囲を小さくすることができる。これにより、より正確な画像の再構成を行なうことができる。
(3.X線検査処理の流れ)
図12は、X線検査装置100のX線検査処理の概略を示すフローチャートである。
図12および図1を参照して、X線検査処理の概略を説明する。なお、このフローチャートは、X線検査処理の一例に過ぎず、たとえば、ステップを入れ替えて実行するなどしてもよい。
まずステップS1において、X線センサ23およびステージ35が移動する。X線センサ23の移動は、ユーザが手動で行なってもよいし、演算部70が制御してもよい。X線センサ23の位置は、たとえば汎用的な位置センサを用いて検出される。位置センサが検出したX線センサの位置情報およびZF,ZSの値(図5参照)は、入力部40を介して演算部70に入力される。演算部はその位置情報をメモリ90のセンサ位置情報96に格納する。
また、ステージの移動に先立って検査エリアが設定される。検査エリアはユーザが入力部40を介して任意に設定してもかまわないし、予め設定された検査エリアの情報を参照しても構わない。たとえば入力部40は、ユーザによる検査エリアの設定を受け付けて、ステージ制御部80に検査エリアの場所(たとえば、位置座標)を与える。ステージ制御部80は、その検査エリアの場所の情報に基づいてステージ35の移動量を決定して、その移動量だけステージ35が移動するようにステージ制御機構36を制御する。
次にステップS2において、X線焦点位置計算部82は、メモリ90に格納されたセンサ位置情報96、式(3)、式(4)に基づいて、複数のX線センサ23のそれぞれに対応する複数のX線焦点位置を算出する。X線焦点位置計算部82は、複数のX線焦点位置をメモリ90のX線焦点位置情報92に格納する。さらに、X線焦点位置計算部82は、X線焦点位置に基づいてセンサ傾斜角を算出する。
走査X線源制御部72は、X線焦点位置情報92を参照して、電子ビーム制御部62に対し、X線センサに対応するX線焦点位置にX線源の放射の起点位置を設定するよう指示する。電子ビーム制御部62はX線源の放射の起点位置が指定されたX線焦点位置になるよう偏向ヨーク12に流れる電流を制御する。
次いで、ステップS3において、X線検査装置100は検査対象20のX線透視画像を撮像する。具体的には、画像取得制御部74は、画像データ取得部34に対し、検査エリアを透過したX線を検出したX線センサから撮像データを取得するよう指示する。画像データ取得部34は画像取得制御部74により指定されたX線センサ23の画像データを取得する。この画像は良否判定部78に送られる。
続いてステップS4において、良否判定部78は、透視画像による良否判定を行なう。良否判定の方法は、たとえば透視画像の全体あるいは一部の濃淡(輝度)や面積を算出する方法、透視画像のエッジを検出する方法など様々な検査方法を用いることができる。
ステップS5において、良否判定部78は、判定結果を示す情報を出力部50に送り、出力部50はその情報を外部に出力する。この情報は、たとえば検査対象が良品および不良品のいずれであるかを文字や図形などで示すための情報である。
続いてステップS6において、良否判定部78は、さらに検査が必要か否かを判断する。ステップS4において、検査対象20が明らかに不良品である(または明らかに良品である)と判定された場合、良否判定部78は、さらなる検査が不要と判定する。この場合(ステップS6にてNO)には検査は終了する。この段階で検査を終了することによって再構成画像を作成するための時間を削減できるので、検査時間を短縮することが可能になる。
一方、良否判定部78は、さらに検査が必要であると判断した場合(ステップS6にてYES)、3D画像再構成部76に再構成画像を生成するよう指示する。この場合、処理はステップS7に移される。
ステップS7において、3D画像再構成部76は既に生成した再構成画像の3次元データおよびステップS3の処理で得られた撮像データを用いて画像の再構成処理を行なう。再構成された画像データは良否判定部78に送られる。
ステップS8において、良否判定部78は、再構成画像に基づいて検査対象20の良否判定を行なう。良否判定の方法としては、たとえば、3次元データを直接用いる方法と、2次元データ(断層画像)を用いる方法と、1次元データ(プロファイル)を用いる方法とが考えられる。これらのデータを用いた検査方法としては公知の方法を用いることができるので、ここでは詳細には説明しないが、上述の方法の中から検査項目に適した良否判定手法を選択することが可能である。
ステップS9において、良否判定部78は、判定結果を示す情報を出力部50に送り、出力部50はその情報を外部に出力する。この情報は、たとえば検査対象が良品および不良品のいずれであるかを文字や図形などで示す情報である。
ステップS10において、良否判定部78は検査がさらに必要か否かを判定する。ステップS8での良否判定の結果、検査対象が明らかに不良品である(または明らかに良品である)場合、良否判定部78はさらなる検査が不要と判定する。この場合(ステップS10においてNO)、検査処理は終了する。また、演算部70が取得した画像の枚数が予め設定された最大値(たとえば36枚)に達した場合にも、良否判定部78は、さらなる検査が不要と判断する。この場合にも検査処理が終了する。検査処理が終了すると、次の検査対象(検査エリア)に対して図12に示すフローチャートの処理が実行される。
一方、良否判定部78が、検査がさらに必要と判定した場合(ステップS10においてYES)、処理はステップS11に進む。ステップS11において、良否判定部78は、X線センサ23を切換えて撮像を行なうため、X線焦点位置計算部82に次のX線センサに対応するX線焦点位置を算出するよう指示を送る。ステップS11の処理が終了すると全体の処理はステップS2に戻り、X線焦点位置が切換わる。
なお、図12のフローチャートの処理では、透視画像を1枚撮像するごとに再構成画像が生成される。ただし1枚の透視画像のみでは再構成画像での検査が困難な場合も生じ得る。このような場合には、複数枚(たとえば4枚の透視画像)の透視画像を撮像した後で、それらの透視画像から再構成画像を生成して、再構成画像に基づいて検査を行なってもよい。具体的にはステップS6にて再構成画像による検査が必要と判断された場合(ステップS6にてYES)には、処理をステップS11に進めればよい。演算部70は透視画像の枚数が予め設定された枚数(たとえば4枚)に達するまでステップS2〜S6,S11の処理を繰返し、透視画像の枚数が予め設定された枚数に達したときにステップS7の処理を実行する。
さらに、図12のフローチャートでは透視画像による検査の後に、再構成画像による検査が行なわれる。しかし、これらの検査を並列に行なってもよい。さらに、透視画像による良否判定結果と、再構成画像による良否判定結果との論理演算の結果を検査結果とすることも可能である。
複数のX線センサの撮像の順番については、再構成画像の画質が検査に適したものとなるように定められればよいため、特に限定されるものではないが、たとえば図13に示すような順番としてもよい。
図13は、X線センサの撮像の順番を説明する図である。図13を参照して、図13(a)では3つの同心円の各々の円周上に1つのX線センサモジュール25が配置される。図13(b)では2つの同心円の各々の円周上に4つのX線センサモジュールが配置されている。なお、以下では図13に示すX線センサモジュールを単にX線センサと呼ぶことにする。本実施の形態においては、現在撮像を行なっているX線センサ(第1のX線センサとする)の次に撮像を行なうX線センサ(第2のX線センサ)を、第1のX線センサが配置される円周と異なる円周上にあり、かつ第1のX線センサからの距離が最も遠い位置にあるX線センサと定める。
図13(a)において、最も内側の円の円周上にあるX線センサを第1のX線センサとすると、第2のX線センサは、第1のX線センサが配置された円と異なる円の円周上にあるセンサのうち、第1のX線センサに対して最も遠い距離にあるX線センサ、すなわち、最も外側の円の円周上にあるX線センサとなる。3番目に撮像を行なうX線センサは、第2のX線センサが配置された円と異なる円の円周上にあるセンサのうち、第2のX線センサに対して最も遠い距離にあるX線センサ、すなわち、真中の円の円周上にあるX線センサである。
図13(b)では、外側の円の円周上に位置する1つのX線センサを第1のX線センサとすると、第2のX線センサは、内側の円の円周上にあるX線センサのうち、第1のX線センサに対して最も遠い距離にあるX線センサとなる。3番目に撮像を行なうX線センサは、第2のX線センサが配置された円と異なる円(すなわち、外側の円)の円周上にあるセンサのうち、第2のX線センサに対して最も遠い距離にあるX線センサとなる。以後、同じようにして8個のX線センサに対する撮像順番が定められる。
ここで、あるX線センサに対する距離が最大となるX線センサが2個ある場合、たとえば同心円の中心に対して時計回りの方向に位置するX線センサを次に撮像を行なうX線センサに定めればよい。
この規則に従って撮像を行なった場合には、X線焦点位置からのX線の照射角を変化させつつ、X線の照射方向も空間的にほぼ均等とすることができる。よって、図12のフローチャートに示すように、透視画像を撮像するごとに画像の再構成を行なう場合には、撮像枚数が少なくても、照射角を一定とした場合よりも、垂直方向の情報および水平方向の情報を増やすことができる。これにより再構成画像の画質を検査に求められる画質とすることが可能になる。これにより検査に要する時間を短縮しつつ、高精度の検査を行なうことができる。
ただし、不良モードによっては、撮像方向をほぼ一方向として、照射角を異ならせて撮像を行なうことにより検出可能であるものも考えられる。この場合には、第2のX線センサを、単に第1のX線センサと異なる円周上に配置されたX線センサとすればよい。このように、互いに異なる円周上に配置された少なくとも2つのX線センサが連続的に撮像を行なうことができるようにX線焦点位置が定められてもよい。これにより上述した不良モードの検出も可能となる。
また、上述したように、複数枚の透視画像を撮像した後に再構成画像を生成する場合がある。このような場合には、その複数枚の透視画像のうちいずれか2つが、異なる円周上に配置されたX線センサにより撮像された画像であればよい。このような場合にも再構成画像の画質を高めることが可能になる。よって、このような場合には、第2のX線センサを、第1のX線センサが配置された円と異なる円の円周上にあるセンサと限定しなくてもよい。
なお、X線センサの撮像順番を定めることにより、X線焦点位置をX線の放射の起点位置の間で移動させる際の移動順も必然的に定められる。言い換えると、走査X線源制御部72がX線焦点位置をX線の放射の起点位置の間で移動させる際の移動順を定めることによって、X線センサの撮像順番が定められる。図13に示す場合においては、走査X線源制御部72は、X線焦点位置を、複数のX線センサのうち現時点でX線が入射される第1のX線センサに対応する起点位置から、複数のX線センサのうち第1のX線センサからの距離が最大となる第2のX線センサに対応する起点位置に移動させる。
図14は、複数のX線センサの他の配置例を説明する図である。図14(a)は、円に内接する2つの多角形上にX線センサモジュール25を配置した状態を示す。図14(a)に示す多角形は正方形である。2つの正方形の一方は他方に対して45度傾いている。これら2つの正方形の頂点および、2つの正方形の辺の交点にX線センサが配置される。
このようにセンサベース回転軸に対して回転対称にX線センサを配置すると、全ての方向に対し均一な空間分解能を得ることができる。なお、X線センサの数に応じて実施可能あるいは最適な回転対称の多角形の形状は異なるので、X線センサを回転対称に配置する例は図14(a)に示すように限定されるものではない。
図14(b)は、一方向における2つのX線センサの間隔がいずれも等しくなるようX線センサを配置した状態を示す図である。不良モードによっては、ある一方向に対する検査が特に必要な場合がある。そのような不良モードの検査には図14(b)に示すように、その方向に対して等間隔(長さL)にX線センサモジュール25を配置し、その方向の空間分解能を高くする配置が適している。当然のことながら、X線センサの配置を変更すれば、空間分解能を高くする方向を変えることが可能である。
なお、図14(a),(b)のいずれの場合でも、複数のX線センサ(X線センサモジュール25)の少なくとも2つは、互いに異なる半径の円周上に配置される。
以上のように、本実施の形態によれば、少なくとも2つのX線センサが互いに異なる半径の円周上に配置される。これにより、撮像枚数を少なくしつつ検査に必要な画質の画像データを再構成することができる。本実施の形態によれば、撮像時間および画像の再構成に要する時間を短くすることができるので検査時間を短くすることができる。また、再構成された画像データの画質をより高めることができるので検査精度を高めることができる。
なお、センサベース22、X線センサ23、画像取得制御機構30、および画像取得制御部74は、本発明のX線検査装置における「検査手段」を実現する。X線焦点位置計算部82は、本発明のX線検査装置における「起点設定手段」を実現する。走査X線源制御部72および走査X線源制御機構60は、本発明のX線検査装置における「X線出力手段」を実現する。3D画像再構成部76は、本発明のX線検査装置における「再構成手段」を実現する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施の形態に係るX線検査装置100の概略ブロック図である。 走査型X線源10の構成を示す断面図である。 センサベース22を走査型X線源10側から見た図である。 X線センサモジュール25を示した側面図である。 撮像系を横から見た概念図である。 撮像系を上から見た概念図である。 検査対象の断層面を説明するための図である。 照射角が固定された場合のX線センサの配置を示す図である。 照射角と、断層像に含まれる情報量との対応関係を示す図である。 画像再構成手法を説明するための図である。 X線CTの走査方式の一つであるシングルスキャン方式で得られるフーリエスペクトル情報を説明する図である。 X線検査装置100のX線検査処理の概略を示すフローチャートである。 X線センサの撮像の順番を説明する図である。 複数のX線センサの他の配置例を説明する図である。 検査対象とセンサとを平行移動させることが可能な従来のX線検査装置を説明する図である。 ユーセントリックステージを用いた従来のX線検査装置を概略的に説明する図である。
符号の説明
9 真空容器、10 走査型X線源、11 ターゲット、12 偏向ヨーク、13 高圧電源、14 真空ポンプ、15 電子銃、16,16a,16b 電子ビーム、17,17a〜17d X線焦点位置、18,18a,18b X線、20 検査対象、21 回転軸、22 センサベース、23,23a〜23h,231,231B X線センサ、24 スライダ、25 X線センサモジュール、26 X線受光部、27 データケーブル、28 電源ケーブル、29 データ処理部、30 画像取得制御機構、32 回転角制御部、34 画像データ取得部、35,210,220 ステージ、36 ステージ制御機構、40 入力部、50 出力部、60 走査X線源制御機構、62 電子ビーム制御部、70 演算部、72 X線源制御部、74 画像取得制御部、76 3D画像再構成部、78 良否判定部、80 ステージ制御部、82 X線焦点位置計算部、84 撮像条件設定部、90 メモリ、92 X線焦点位置情報、94 撮像条件情報、96 センサ位置情報、100 X線検査装置、121 プリント基板、122 LSIパッケージ、123 半田ボール、130 ワーク、140 センサ中心、142 透視像、210,210A X線源、O 原点、Pa,Pb ピクセル、R 再構成画像データ、RA,RB 半径、SA 領域、T ユーセントリックテーブル、V ボクセルデータ、α センサ傾斜角、θ,θA,θB 照射角。

Claims (15)

  1. 対象物にX線を照射して前記対象物を透過した前記X線を検出するX線検査装置であって、
    前記対象物の検査部分を透過した前記X線の強度分布を検出するための複数の検出面を含む検出手段を備え、
    前記複数の検出面のうち少なくとも2つの検出面は、所定の軸を中心とする、半径の異なる複数の円周のうちの互いに異なる円周上に配置され、
    前記X線検査装置は、
    電子ビームをターゲットに衝突させて、前記ターゲットにおける前記電子ビームの衝突位置であるX線焦点位置から前記X線を発生させるX線源と、
    前記X線源からの前記X線が前記検査部分を透過して前記複数の検出面の各々に入射するように、前記複数の検出面のそれぞれに対応する前記X線焦点位置である複数の起点位置を設定する起点設定手段と、
    前記電子ビームを偏向させることにより前記X線焦点位置を前記複数の起点位置に順次移動させて、前記複数の起点位置の各々から前記X線を発生させるX線出力手段と、
    前記複数の検出面の各々において検出された前記X線の強度分布に基づいて、前記検査部分の画像データを再構成する再構成手段とをさらに備え、
    前記複数の検出面は、前記複数の円周のいずれかの上に配置され、
    前記X線出力手段は、前記X線焦点位置を、前記複数の検出面のうち現時点で前記X線が入射される第1の検出面に対応する前記起点位置から、前記複数の検出面のうち前記第1の検出面からの距離が最大となる第2の検出面に対応する前記起点位置に移動させる、X線検査装置。
  2. 前記第2の検出面は、前記複数の円周のうち前記第1の検査面が配置される円周と異なる円周上に配置される、請求項に記載のX線検査装置。
  3. 前記再構成手段は、前記複数の検出面の各々において前記X線の強度分布が検出されるごとに、前記画像データを再構成する、請求項1または2に記載のX線検査装置。
  4. 前記X線出力手段は、前記X線が前記少なくとも2つの検出面に連続的に入射されるように、前記X線焦点位置を移動させる、請求項に記載のX線検査装置。
  5. 再構成された前記画像データを表示する表示手段をさらに備える、請求項1からのいずれか1項に記載のX線検査装置。
  6. 再構成された前記画像データを用いて前記対象物の良否を判定する判定手段をさらに備える、請求項1から5のいずれか1項に記載のX線検査装置。
  7. 前記判定手段による前記対象物の良否の判定結果を出力する出力手段をさらに備える、請求項に記載のX線検査装置。
  8. 前記検出手段は、
    前記複数の検出面が配置され、かつ前記所定の軸を回転軸とする回転台と、
    前記回転軸を中心に前記回転台を回転させるための回転手段とを含む、請求項1からのいずれか1項に記載のX線検査装置。
  9. 前記検出手段は、前記複数の検出面の各々を、前記複数の円周の半径方向に自在に移動させる手段を含む、請求項1からのいずれか1項に記載のX線検査装置。
  10. X線照射によって対象物を透過したX線の強度分布を検出するための複数の検出面を含む検出手段を備えるX線検査装置を用いたX線検査方法であって、
    前記複数の検出面のうち少なくとも2つの検出面を、所定の軸を中心とする、半径の異なる複数の円周のうちの互いに異なる円周上に配置するステップと、
    前記X線が前記対象物の検査部分を透過して各前記検出面に入射するように設定された前記X線の放射の起点位置に、X線源のX線焦点位置を移動させるステップと、
    前記複数の検出面のうち前記X線が入射した検出面において、前記検査部分を透過した前記X線の強度分布を検出するステップと、
    前記検出した強度分布のデータに基づき、前記検査部分の画像データを再構成するステップとを備え
    前記複数の検出面は、前記複数の円周のいずれかの上に配置され、
    前記X線焦点位置を移動させるステップにおいて、前記X線焦点位置を、前記複数の検出面のうち現時点で前記X線が入射される第1の検出面に対応する前記起点位置から、前記複数の検出面のうち前記第1の検出面からの距離が最大となる第2の検出面に対応する前記起点位置に移動させる、X線検査方法。
  11. 前記第2の検出面は、前記複数の円周のうち前記第1の検査面が配置される円周と異なる円周上に配置される、請求項1に記載のX線検査方法。
  12. 前記画像データを再構成するステップにおいて、前記複数の検出面の各々により前記X線の強度分布が検出されるごとに、前記画像データを再構成する、請求項10または11に記載のX線検査方法。
  13. 前記X線焦点位置を移動させるステップにおいて、前記X線が前記少なくとも2つの検出面に連続的に入射されるように、前記X線焦点位置を移動させる、請求項1に記載のX線検査方法。
  14. 再構成された前記画像データを用いて前記対象物の良否を判定するステップをさらに備える、請求項1から1のいずれか1項に記載のX線検査方法。
  15. 前記対象物の良否の判定結果を出力するステップをさらに備える、請求項1に記載のX線検査方法。
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