JP5124892B2 - Low refractive index composition for coating and optical multilayer film comprising the composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低屈折率組成物およびガラスやプラスチックなどの透明基材などにその低屈折率組成物を塗工して得られる光学多層膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ガラスやプラスチックなどの基材に、酸化チタンや酸化ケイ素などの無機酸化物を蒸着法あるいはスパッタ法などのドライコーティングによって薄膜を形成して反射防止膜などの光干渉による光学多層膜を形成する方法が知られている。しかし、このようなドライコーティングプロセスでは、装置が高価である上に、成膜速度が遅く、生産性効率に問題があった。
特に、ディスプレイの反射防止膜など最外層に使用される形態においては、表面の汚れ防止、表面の拭き取りが容易ないわゆる防汚性能が要求されるが、これらの機能を付与するために、従来、光学多層膜を形成する工程とは別工程のウェットあるいはドライプロセスにて、フッ素含有のケイ素化合物などからなる防汚性の膜を設けていたために、工程が煩雑で、経済性の点から課題となっていた。
【0003】
これに対して、金属アルコキシドなどを出発組成物とし、例えば特開平9ー208898号公報などに示されるように、基材に塗工して光学多層膜を形成する方法が知られており、高屈折率材料としてはTiやZrなどのアルコキシドを用いる方法が、低屈折率材料としてはSi系アルコキシドあるいはSiアルコキシドの一部をエポキシ基やアルキル基など他の有機置換基に置き換えた有機ケイ素化合物、いわゆるシランカップリング剤などを用い、防汚成分としてフッ素含有のケイ素化合物を添加されてなる光学多層膜を形成する方法が提案されている。しかし、上記の提案で得られる塗膜は、重合工程で長時間の高温加熱を必要とし、生産性効率に問題があった。また、塗膜の性能面でも、ある程度の低屈折率と防汚性を得ることはできるが、硬度や耐擦傷性、基材との密着性などの物理的強度が不十分であり、通常、最外層に使用される光学多層膜としては実用に耐えることができない欠点を有していた。
【0004】
上記のような問題点を改善するために、特開平9ー220791号公報などに示されているように、ケイ素アルコキシドを出発物質としたシリカゾルと反応性有機ケイ素化合物(シランカップリング剤や末端に反応基を有するジメチルシリコーンなど)との複合材料などが提案されている。
しかしながら、これらのSiO2系複合膜組成物も十分な物性を得ようとすると加熱に長時間を要するので、アクリロイル基などの重合性不飽和基を含有する有機ケイ素化合物も記載されているが、いずれもアクリロイル基が1個乃至は2個の単官能あるいは2官能性の化合物であり、光重合後でも高い架橋密度が得られていない。硬度や耐擦傷性などの物理的強度を向上させようとすると、上記複合膜成分中にシリカ成分以外の成分、例えはアクリル系化合物を複合し、アクリル成分比率を高くする必要がある。その結果、光学特性を決定するケイ素(Si)系などのアルコキシドを出発組成物とするシリカ成分の体積比が減少し、低屈折率化をはかることができないという欠点を有していた。
以上説明したように、現在のところ、低屈折率化および硬度や耐擦傷性、基材との密着性などの物理的強度特性が優れ、かつ指紋などの汚れ成分を簡単に拭き取ることができる防汚性を有する光学多層膜を形成可能な組成物は見出されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、低屈折率を有し、かつ硬度や耐擦傷性、基材との密着性などの物理的強度や防汚性に優れた光学多層膜を形成可能な低屈折率組成物およびその組成物からなる、安価で、生産性に優れた光学多層膜を提供することを目的とする。
【0006】
上述の課題を達成すべく検討した結果、請求項1記載の発明は、一般式(A) Si(OR)4
(但し、式中Rはアルキル基を示す)で表されるケイ素(Si)アルコキシド、およびその加水分解物と、
一般式(B) R’X Si(OR)4−X
(但し、式中Rはアルキル基、R’は末端にビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などの重合可能な不飽和結合を有する官能基を示し、xは0<x<4の範囲を満たす置換数である)で表される有機ケイ素化合物およびその加水分解物と、
一般式(D) CH3−(CH2)m−CH2−Si(OR)3 (但し、式中mは4≦m≦16の範囲を満たす整数、Rはアルキル基を示す)で表される長鎖アルキル基含有ケイ素化合物、およびその加水分解物とを含み、
前記一般式(A)で表される化合物と前記一般式(B)で表される化合物の比率が、モル比で、一般式(A)で表される化合物/一般式(B)で表される化合物=1.0/0.1〜1.0/1.0であることを特徴とするコーティング用低屈折率組成物である。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のコーティング用低屈折率組成物に、さらに、分子中にビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などの重合可能な不飽和結合を少なくとも3個以上を有するアクリル系化合物が含まれてなることを特徴とするコーティング用低屈折率組成物である。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記一般式(B)で表される有機ケイ素化合物が
一般式(C) CH2=CHCOO−(CH2)n−Si(OR)3
(但し、式中Rはアルキル基、nはn<5の範囲を満たす整数を示す)で表されるアクリロイル基含有ケイ素化合物であることを特徴とする請求項1または2記載のコーティング用低屈折率組成物である。
【0011】
請求項4記載の発明は、アクリル系化合物が、3官能以上のアクリルモノマーおよびその変性体で、平均分子量が200〜1000であることを特徴とする請求項2記載のコーティング用低屈折率組成物である。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のコーティング用低屈折率組成物を塗工して得られることを特徴とする光学多層膜である。
【0013】
〈作用〉
本発明によれば、テトラエトキシシラン(TEOS)などのSiアルコキシドと(3−アクリロキシプロピル)トリメトキシシランなどに代表される末端にビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などの重合可能な不飽和結合を有するケイ素化合物とを主成分とすることで、一般式(A)および(B)のSiアルコキシドの加水分解生成物の加熱重合によるシロキサンネットワークの形成(同時に低屈折率ユニットの形成)とUVあるいはEB照射による被膜中のアクルロイル基などの重合可能な不飽和結合基の光重合による複合架橋により硬化するものであり、さらに、ジペンタエリストリールヘキサアクリレート(DPHA)などに代表される多官能アクリル化合物を加えることで、被膜の架橋密度がより高くできるものである。
なかでも、アクリル化合物として分子量が大きなプレポリマーではなく、DPHAなどの3官能以上の多官能アクリルモノマー用いることで、より均質で架橋密度の高いハイブリッド膜を形成することができる。
【0014】
物理的強さは、通常アクリル基などの導入量によって決定されるものであり、これらのアクリル基成分は、通常シリカ成分などに比べると屈折率はやや高いので、アクリル成分が増加すると物理的強度は向上するが、屈折率を低くできない。
本発明の組成物は、特定の多官能アクリル化合物を用いることで、少ない多官能アクリル化合物からなるバインダー量でも物理的強度を発現させるものある。
【0015】
さらに、これら組成物中に
一般式(D) CH3−(CH2)m−CH2−Si(OR)3
(但し、式中mは4≦z≦16の整数、Rはアルキル基を示す)で表される長鎖アルキル基含有ケイ素化合物、およびその加水分解物、または
一般式(E) CF3−(CF2)p−(CH2)n−Si(OR)3
(但し、式中pは0≦p≦8の整数、nはn<5の整数、Rはアルキル基を示す)で表されるフッ素含有ケイ素化合物、およびその加水分解物などを加えることで、適度に防汚ユニットを組み込むことができる。
これらのハイブリッド組成物は、組成物自身が低屈折率成分として機能するものではあるが、長鎖アルキル基あるいはRf基( CF3−(CF2)p−(CH)n−)の導入により、膜内部のシロキサンネットワークならびにアクリル成分の光架橋を寸断することで膜内部に分子レベルの隙間を形成し、膜密度を低下させる。材料自身の単純平均屈折率(シリカの屈折率は1.45程度、アクリル成分の屈折率は1.50程度、F系化合物は1.35程度)では到達できないほどの低屈折率化(1.40以下)をはかることができるものである。架橋構造をある程度寸断しても、分子レベルで均一なハイブリッド構造を呈し、膜の密度は低下して、充分な架橋構造を有しているので、充分な強度を発揮できる。硬度が高く、耐擦傷性も優れ、従来の低屈折率組成物の欠点を大幅に改善することができ、低屈折率化と高強度化の両立が可能で、なおかつ防汚機能も有する組成物を提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
本発明の低屈折率組成物は、
一般式(A) Si(OR)4
(但し、式中Rはアルキル基を示す)で表されるケイ素(Si)アルコキシド、およびその加水分解物と、
一般式(B) R’X Si(OR)4-X
(但し、式中Rはアルキル基、R’は末端にビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などの重合可能な不飽和結合を有する官能基を示し、xは0<x<4の置換数である)で表される有機ケイ素化合物、およびその加水分解物とを主成分とするものである。
【0018】
本発明の低屈折率組成物は、TEOSなどのSiアルコキシドとアクリロイル基を有する有機ケイ素化合物およびその加水分解物を主成分として、さらに多官能アクリル化合物とが含まれる組成物からなるものてあり、これを基材に塗工し、加熱乾燥し、被膜を形成した後、UVなどの光照射を施すことでハイブリッド構造の低屈折率組成物被膜を形成可能とするものである。該組成物中にさらに長鎖アルキル基あるいあRf基など導入し、膜密度を制御することで、見掛け屈折率を低下させるものである。
【0019】
本発明の低屈折率組成物に含まれる各成分について以下に詳細に説明する。
本発明において用いられる、Siアルコキシドは、
一般式(A) Si(OR)4
(Rはアルキル基 )で表されるものであり、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどが例示される。
【0020】
アクリロイル基などを有する有機ケイ素化合物は、
一般式(B) R’ X Si(OR) 4−X
(但し、式中Rはアルキル基、R’は末端にビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などの重合可能な不飽和結合を有する官能基を示し、xは0<x<4の範囲を満たす置換数である)で表されるもので、ビニルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが例示される。
なかでも、(3−アクリロキシプロピル)トリメトキシシランなどに代表される
一般式(C) CH2=CHCOO−(CH 2 )n−Si(OR) 3
(但し、式中Rはアルキル基、nはn<5の範囲を満たす整数を示す)で表されるアクリロイル基含有ケイ素化合物が好適である。
【0021】
前記一般式(A)のSiアルコキシドと、前記一般式(C)のアクリロイル基含有ケイ素化合物との比率が、モル比で(A)/(C)=1.0/0.1〜1.0/1.0とすることで、低屈折率化と強度を両立することができる。さらに、好適には1.0/0.2〜1/0.8の範囲がより好ましい。アクリロイル基含有ケイ素化合物が0.1以下では、光重合に必要なアクリル成分比が充分でなく、架橋による強度の向上を目的とする効果が発現できず、逆にアクリル成分が1.0より過剰になると強度は発現できるが、アクリル成分量が増加することや、ならび架橋による緻密化のために屈折率が上昇してしまい不適当である。
【0022】
長鎖アルキル基含有ケイ素化合物は、
一般式(D) CH3−(CH2)m−CH2−Si(OR)3
(mは4≦z≦16の整数、R:アルキル基)で表されるものでヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシランなどが例示され、mが4より小さいと分子隙間が小さく、添加効果が少ない。
mが、16以上では分子隙間が大き過ぎ、また他の材料との相溶性が低下して、塗工成膜時に分離し、均質な膜が得られないといった不具合が生じるため好ましくない。
その添加量としては、アルキル基の長さにもよるが、主剤となるSiアルコキシドおよびアクリロイル含有ケイ素化合物の合計1モルに対して0.05〜0.4モルが適当な範囲である。
【0023】
フッ素含有ケイ素化合物は、
一般式(E) CF3−(CF2)p−(CH2)n−Si(OR)3
(pは0≦p≦8の整数、nはn<5の整数、R:アルキル基、)で表されるもので、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシランなどが例示され、mが8より大ききなると均質な膜が形成できなくなるため不適当である。
これらのフッ素含有ケイ素化合物の添加量は、分子量によって異なるが、概ね0.05モル程度で防汚機能を発現することができる。しかし、0.5モル程度で膜強度が著しく低下するので適宜選択することができる。
これらの有機ケイ素化合物は、特に限定されるものでなく、2種以上組み合わせても何ら差し支えなく、Siアルコキシドとアクリロイル基含有有機ケイ素化合物を併用するのが好ましい。
これらの有機ケイ素化合物は、コーティング組成物中にp−トルエンスルホン酸などの有機酸触媒を含有させることで、塗工後に大気中の水分でもって加水分解反応させて被膜形成しても良いし、またあらかじめ水(塩酸などの触媒を含む)を添加し、加水分解反応させたものを用いることもできる。
また、各成分を別々に加水分解反応させた後、混合させても良いが、反応させる前に混合して、同時に共加水分解させた方が均質な重合体ができるため望ましい。
【0024】
また、アクリル化合物は、その分子中にビニル基、アクリロイル基やメタクルロイル基など重合可能なの不飽和結合を少なくとも3個以上有するものであって、例えばDPHAなどのモノマー類と、これらのモノマーの変性体、および誘導体、などが使用できる。
なかでも、DPHAなど多官能アクリルモノマー類およびその変性体など平均分子量200〜1000のものであれば、有機金属化合物の加水分解物と相溶性が良く、被膜形成時に相分離することなく、架橋密度の高い、均質で透明なハイブリッド被膜が形成できる。
多官能アクリルモノマーの混合比は、被膜中における固形分比で10〜40wt%が好適で、10%以下でも効果が少なく、40%以上では屈折率の増加をきたすため好ましくない。
UV照射による硬化を行う際には、ラジカル重合開始剤を添加すると好適であり、ベンゾインメチルエーテルなどのベンゾインエーテル系開始剤、アセトフェノン、2、1- ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのアセトフェノン系開始剤、ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系開始剤など用いられるが、特に限定されるものではない。
【0025】
上述した各成分をいくつか組み合わせて組成物に加えることができ、さらに、物性を損なわない範囲で、分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤など公知の添加剤を加えることができる。
【0026】
コーティング組成物の塗布方法には、通常用いられるディッピング法、ロールコティング法、スクリーン印刷法、スプレー法など従来公知の手段が用いられる。
被膜の厚さは、目的の光学設計にあわせて、液の濃度や塗工量によって適宜選択調整することができる。
【0027】
本発明の低屈折率組成物を塗布形成する基材は、ガラスやプラスチックフィルムなどの基材が用いられるが、特に限定されるものではなく、さらに必要に応じて各種ハードコート層、高屈折率材料からなる層、低屈折率材料からなる層、セラミック蒸着膜層などに塗布して、積層することが可能で、また本発明の組成比を変えて積層することも可能である。
【0028】
【実施例】
本発明のコーティング低屈折率組成物を具体的な実施例をあげて説明する。なお、実施例1、実施例2、実施例3は参考例である。
表面にUV硬化樹脂ハードコート(HC)層(5μm)を設けた80μm厚のトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを基材として、下記コーティング組成物の作製に示したA1〜A4の材料を調液してコーティング組成物を作成、UV硬化の開始剤としてアセトフェノン系開始剤を重合成分に対して2%添加した。
バーコーターにより塗布し、乾燥機で100℃−1min乾燥し、高圧水銀灯により1000mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させ、光学膜厚(nd=屈折率n*膜厚d(nm))がnd=550/4nmになるよう適宜濃度調整をしてに低屈折率被膜を形成し、各種試験用の試験体を得た。
本発明の実施例として下記<コーティング組成物の作製>に示したA1〜A4の組成物を塗工したものを実施例1〜4とし、比較例としてSiアルコキシドのみでアクリロイル含有ケイ素化合物を含まない系(下記<コーティング組成物の作製>に示したB1組成物を塗工したものを比較例1)とSiアルコキシドとフッ素含有ケイ素2成分系(下記<コーティング組成物の作製>に示したB2組成物を塗工したものを比較例2)の試験体を合わせて作成し、下記に示した評価方法に基づいてその評価結果を表1にした。
【0029】
<コーティング組成物の作製>
(A1): テトラメトキシシラン1molに(3ーアクリロキシプロピル)トリメトキシシラン0.4molになるように所定量混合し、混合物1molに対して0.1Nの塩酸3molと固形分換算で10%になるようにイソプロピルアルコールを混合し、室温で2時間攪拌反応させたて基本組成A1を得た。
【0030】
(A2):テトラメトキシシラン/(3ーアクリロキシプロピル)トリメトキシシラン/トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン=1.0/0.4/0.14molになるように所定量混合し、混合物1molに対して0.1Nの塩酸3molと固形分換算で10%になるようにイソプロピルアルコールを混合し、室温で2時間拌反応させ、基本組成にフッ素含有ケイ素化合物を導入した組成物A2を得た。
【0031】
(A3):(A2)の反応生成物にDPHAが固形分比で20%になるように添加、30min室温にて攪拌混合し、多官能アクリルモノマーを添加した組成物A3を得た。
【0032】
(A4):(A2)の処方でトリデカフルオロオクチルトリメトキシシランをオクタデシルトリメトキシシランに全置換して同様に反応させ、基本組成に長鎖アルキル基含有ケイ素化合物を導入した組成物A4を得た。
【0033】
(B1):テトラメトキシシラン1molに対して0.1Nの塩酸3molと固形分換算で10%になるようにイソプロピルアルコールを混合し、室温で2時間攪拌反応させたて比較例組成物B1を得た。
【0034】
(B2):テトラメトキシシラン/トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン=1.0/0.1molになるように所定量混合し、混合物1molに対して0.1Nの塩酸3molと固形分換算で10%になるようにイソプロピルアルコールを混合し、室温で2時間攪拌反応させ、比較例組成物B2を得た。
【0035】
<評価方法>
(1)光学特性(屈折率)
分光光度計により入射角5で550nmにおける反射率を測定し、反射率値か被膜の屈折率を見積もった。
(2)密着性
塗料一般試験法JIS−K5400のクロスカット密着試験方法に準じて 塗膜の残存数にて評価した。
(3)鉛筆硬度
塗料一般試験法JIS−K5400の鉛筆引っかき試験方法に準じて塗膜の擦り傷にて評価した。
(4)耐擦傷試験
スチールウール#0000により、250g/cm2の荷重で往復5回 擦傷試験を実施、目視による傷の外観を検査した。評価は、傷なし(記号◎で表す)、かるく傷あり(記号○で表す)、かなり傷つく(記号△で表す)、著しく傷つく(記号×で表す)の4段階とした。
(5)水接触角
被膜表面に水滴をのせ、水滴と表面の接触角を測定した。測定には協和界面 科学(株)製の接触角計を用いた。
(6)指紋拭き取り性(防汚性)
被膜表面に指紋を付着させ、ティッシュペーパーにて拭き取り性を目視で 検査した。評価は、容易に拭き取れる(記号○で表す)、拭き取れる(記号△で表す)、拭き取れない(記号×で表す)の3段階とした。
【0036】
【表1】
【0037】
表1に示すように、実施例、比較例いずれも屈折率の小さい低屈折率層を得ることができたが、実施例の組成物を用いた被膜は、密着性、硬度、耐擦傷性、防汚性にも優れるが、比較例は強度面で著しく特性が劣っていることがわかる。
これは、比較例においてはアルコキシドのみの反応のため、実施例における低温で短い乾燥条件下では硬化が不十分であるためと考えられる。
【0038】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の低屈折率組成物は、Si−O−Siのシロキサン結合とアクリル基の架橋を有し、金属酸化物と有機化合物の分子レベルのハイブリッド構造を呈した被膜を形成できるものであり、低屈折率という光学特性と、硬度や耐擦傷性、基材との密着性などの物理的強度や防汚性に優れた光学多層膜形成可能な低屈折率組成物及びその組成物を塗工して得られる光学多層膜を提供することが可能となった。
ディスプレイ等の反射防止膜などとして基材の最外層に形成され、過酷な環境や取り扱いにも充分に耐えられる被膜を形成することができ、蒸着などと比較して装置コストも比較的安価で、成膜(塗工)速度も10倍以上で生産性も高く、製造も容易である。
また、本発明の低屈折率組成物の被膜は、光照射などで硬化するため、低温での塗工が可能なので、フィルムなどの巻き取り塗工で作成することが可能で安価に、大量生産できるといった効果を奏するものである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a low refractive index composition and an optical multilayer film obtained by coating the low refractive index composition on a transparent substrate such as glass or plastic.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a thin film is formed by dry coating such as vapor deposition or sputtering on an inorganic oxide such as titanium oxide or silicon oxide on a substrate such as glass or plastic, and an optical multilayer film is formed by optical interference such as an antireflection film. How to do is known. However, in such a dry coating process, there is a problem in productivity efficiency because the apparatus is expensive and the film forming speed is slow.
In particular, in the form used for the outermost layer such as the antireflection film of the display, so-called antifouling performance that requires easy surface wiping prevention and surface wiping is required, but in order to provide these functions, Since an antifouling film made of a fluorine-containing silicon compound or the like is provided in a wet or dry process that is separate from the process of forming the optical multilayer film, the process is complicated, and there are problems from the economical point of view. It was.
[0003]
On the other hand, a method of forming an optical multilayer film by using a metal alkoxide or the like as a starting composition and applying to a substrate as shown in, for example, JP-A-9-208898 is known. A method using an alkoxide such as Ti or Zr as a refractive index material, an Si compound alkoxide as a low refractive index material or an organosilicon compound in which a part of the Si alkoxide is replaced with another organic substituent such as an epoxy group or an alkyl group, There has been proposed a method of forming an optical multilayer film using a so-called silane coupling agent or the like and having a fluorine-containing silicon compound added as an antifouling component. However, the coating film obtained by the above proposal has a problem in productivity efficiency because it requires high-temperature heating for a long time in the polymerization process. Also, in terms of the performance of the coating film, it is possible to obtain a certain low refractive index and antifouling property, but physical strength such as hardness, scratch resistance, adhesion to the substrate is insufficient, The optical multilayer film used for the outermost layer has a drawback that it cannot withstand practical use.
[0004]
In order to improve the above problems, as disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-220791, a silica sol starting from silicon alkoxide and a reactive organosilicon compound (a silane coupling agent or a terminal) are used. A composite material with dimethyl silicone having a reactive group or the like has been proposed.
However, since it takes a long time to heat these SiO 2 composite film compositions to obtain sufficient physical properties, organosilicon compounds containing a polymerizable unsaturated group such as an acryloyl group are also described. Each is a monofunctional or bifunctional compound having one or two acryloyl groups, and a high crosslinking density is not obtained even after photopolymerization. In order to improve physical strength such as hardness and scratch resistance, it is necessary to increase the acrylic component ratio by combining a component other than the silica component, for example, an acrylic compound, in the composite film component. As a result, the volume ratio of the silica component starting from an alkoxide such as silicon (Si) that determines the optical properties is reduced, and the refractive index cannot be lowered.
As described above, at present, a low refractive index and excellent physical strength characteristics such as hardness, scratch resistance, adhesion to a substrate and the like can be easily wiped off dirt components such as fingerprints. A composition capable of forming an optical multilayer film having soiling properties has not been found.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above problems, and provides an optical multilayer film having a low refractive index and excellent in physical strength and antifouling properties such as hardness, scratch resistance and adhesion to a substrate. An object is to provide a low refractive index composition that can be formed and an optical multilayer film that is inexpensive and excellent in productivity.
[0006]
As a result of investigations to achieve the above-mentioned problems, the invention according to claim 1 is the general formula (A) Si (OR) 4.
(Wherein R represents an alkyl group) and a hydrolyzate thereof,
Formula (B) R′X Si (OR) 4 —X
(In the formula, R represents an alkyl group, R ′ represents a functional group having a polymerizable unsaturated bond such as a vinyl group, an acryloyl group, or a methacryloyl group at the terminal, and x is a substitution that satisfies the range of 0 <x <4. An organosilicon compound represented by the following formula and a hydrolyzate thereof:
It is represented by the general formula (D) CH 3 — (CH 2 ) m—CH 2 —Si (OR) 3 (wherein m is an integer satisfying the range of 4 ≦ m ≦ 16, and R represents an alkyl group). A long-chain alkyl group-containing silicon compound, and a hydrolyzate thereof,
The ratio of the compound represented by the general formula (A) and the compound represented by the general formula ( B ) is a molar ratio represented by the compound represented by the general formula (A) / general formula (B). The compound has a low refractive index composition for coating, characterized in that: 1.0 / 0.1 to 1.0 / 1.0.
[0007]
The invention according to claim 2 has at least three polymerizable unsaturated bonds such as vinyl group, acryloyl group and methacryloyl group in the molecule in the low refractive index composition for coating according to claim 1. A low refractive index composition for coating , comprising an acrylic compound.
[0008]
According to a third aspect of the invention, the organic silicon compound represented by the general formula (B) is the general formula (C) CH 2 = CHCOO- ( CH 2) n-Si (OR) 3
The low refractive index for coating according to claim 1 or 2, wherein R is an alkyl group and n is an acryloyl group-containing silicon compound represented by n <5. Rate composition.
[0011]
The invention according to claim 4 is the low refractive index composition for coating according to claim 2 , wherein the acrylic compound is a trifunctional or higher functional acrylic monomer and a modified product thereof and has an average molecular weight of 200 to 1,000. It is.
[0012]
The invention according to claim 5 is an optical multilayer film obtained by coating the low refractive index composition for coating according to any one of claims 1 to 4.
[0013]
<Action>
According to the present invention, a polymerizable unsaturated bond such as a vinyl group, an acryloyl group, or a methacryloyl group is terminated at a terminal represented by Si alkoxide such as tetraethoxysilane (TEOS) and (3-acryloxypropyl) trimethoxysilane. As a main component, the formation of a siloxane network (simultaneously forming a low refractive index unit) by UV polymerization of the hydrolyzed products of the Si alkoxides of the general formulas (A) and (B) and UV or It is cured by composite crosslinking by photopolymerization of polymerizable unsaturated bond groups such as acryloyl groups in the coating by EB irradiation, and is also a polyfunctional acrylic represented by dipentaerythritol hexaacrylate (DPHA). By adding the compound, the crosslinking density of the coating can be further increased.
In particular, it is possible to form a hybrid film with higher homogeneity and higher crosslink density by using a trifunctional or higher polyfunctional acrylic monomer such as DPHA instead of a prepolymer having a large molecular weight as an acrylic compound.
[0014]
The physical strength is usually determined by the amount of acrylic group introduced, and these acrylic group components have a slightly higher refractive index than normal silica components. Is improved, but the refractive index cannot be lowered.
The composition of the present invention uses a specific polyfunctional acrylic compound to exhibit physical strength even with a small amount of binder composed of the polyfunctional acrylic compound.
[0015]
Furthermore, in these compositions, the general formula (D) CH 3 — (CH 2 ) m —CH 2 —Si (OR) 3
(Wherein m is an integer of 4 ≦ z ≦ 16 and R represents an alkyl group) and a long-chain alkyl group-containing silicon compound represented by the following formula, hydrolyzate thereof, or general formula (E) CF 3 — ( CF 2) p - (CH 2 ) n -Si (OR) 3
(Wherein p is an integer of 0 ≦ p ≦ 8, n is an integer of n <5, R represents an alkyl group), and a hydrolyzate thereof, etc. A suitable antifouling unit can be incorporated.
Although these hybrid compositions themselves function as a low refractive index component, the introduction of long-chain alkyl groups or Rf groups (CF 3- (CF 2 ) p- (CH) n- ) By breaking photocrosslinking of the siloxane network and acrylic component inside the film, a molecular level gap is formed inside the film, and the film density is lowered. The material itself has a simple average refractive index (silica has a refractive index of about 1.45, an acrylic component has a refractive index of about 1.50, and an F-based compound has a refractive index of about 1.35). 40 or less). Even if the cross-linked structure is broken to some extent, a uniform hybrid structure is exhibited at the molecular level, the density of the film is reduced, and the cross-linked structure has a sufficient cross-linked structure, so that sufficient strength can be exhibited. A composition that has high hardness, excellent scratch resistance, can greatly improve the drawbacks of conventional low refractive index compositions, can achieve both low refractive index and high strength, and also has an antifouling function. Is to provide.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described in detail.
[0017]
The low refractive index composition of the present invention is
General formula (A) Si (OR) 4
(Wherein R represents an alkyl group) and a hydrolyzate thereof,
General formula (B) R ′ X Si (OR) 4-X
(In the formula, R represents an alkyl group, R ′ represents a functional group having a polymerizable unsaturated bond such as a vinyl group, an acryloyl group, or a methacryloyl group at the terminal, and x is a substitution number of 0 <x <4. ), And a hydrolyzate thereof as a main component.
[0018]
The low refractive index composition of the present invention comprises a composition containing a Si alkoxide such as TEOS, an organosilicon compound having an acryloyl group, and a hydrolyzate thereof, and a polyfunctional acrylic compound. This is coated on a base material, dried by heating, formed a film, and then irradiated with light such as UV to form a low refractive index composition film having a hybrid structure. The apparent refractive index is lowered by introducing a long chain alkyl group or Rf group into the composition and controlling the film density.
[0019]
Each component contained in the low refractive index composition of the present invention will be described in detail below.
The Si alkoxide used in the present invention is
Formula (A) Si (OR) 4
(R represents an alkyl group), and examples include tetramethoxysilane and tetraethoxysilane.
[0020]
An organosilicon compound having an acryloyl group or the like
Formula (B) R ′ X Si (OR) 4-X
(In the formula, R represents an alkyl group, R ′ represents a functional group having a polymerizable unsaturated bond such as a vinyl group, an acryloyl group, or a methacryloyl group at the terminal, and x is a substitution that satisfies the range of 0 <x <4. those represented by a number), vinyltrimethoxysilane acryloxypropyltrimethoxysilane, etc. methacryloxypropyl trimethoxysilane can be exemplified.
Among them, (3-acryloxypropyl) formula typified trimethoxysilane (C) CH 2 = CHCOO- ( CH 2) n -Si (OR) 3
An acryloyl group-containing silicon compound represented by the formula (wherein R represents an alkyl group and n represents an integer satisfying a range of n <5) is preferable.
[0021]
The molar ratio of the Si alkoxide of the general formula (A) and the acryloyl group-containing silicon compound of the general formula (C) is (A) / (C) = 1.0 / 0.1 to 1.0. By setting the ratio to /1.0, both low refractive index and strength can be achieved. Furthermore, the range of 1.0 / 0.2 to 1 / 0.8 is more preferable. When the acryloyl group-containing silicon compound is 0.1 or less, the acrylic component ratio necessary for photopolymerization is not sufficient, and the effect of improving the strength by crosslinking cannot be exhibited, and conversely the acrylic component is more than 1.0. In this case, the strength can be exhibited, but the refractive index increases due to an increase in the amount of the acrylic component and densification due to crosslinking, which is inappropriate.
[0022]
The long-chain alkyl group-containing silicon compound is
Formula (D) CH 3 — (CH 2 ) m —CH 2 —Si (OR) 3
(M is an integer of 4 ≦ z ≦ 16, R: alkyl group), and hexyltrimethoxysilane, octyltrimethoxysilane, octadecyltrimethoxysilane, etc. are exemplified. Small and little additive effect.
If m is 16 or more, the molecular gap is too large, and the compatibility with other materials is lowered, so that a problem arises that separation occurs during coating film formation and a homogeneous film cannot be obtained.
The amount added is 0.05 to 0.4 mol per mol of the total of 1 mol of Si alkoxide and acryloyl-containing silicon compound as main components, although depending on the length of the alkyl group.
[0023]
Fluorine-containing silicon compounds
Formula (E) CF 3 - (CF 2) p - (CH 2) n -Si (OR) 3
(P is an integer of 0 ≦ p ≦ 8, n is an integer of n <5, R is an alkyl group), and examples thereof include trifluoropropyltrimethoxysilane and tridecafluorooctyltrimethoxysilane. , M greater than 8 is not suitable because a homogeneous film cannot be formed.
Although the addition amount of these fluorine-containing silicon compounds varies depending on the molecular weight, the antifouling function can be exhibited at about 0.05 mol. However, since the film strength is remarkably lowered at about 0.5 mol, it can be selected appropriately.
These organosilicon compounds are not particularly limited, and two or more types can be combined, and it is preferable to use Si alkoxide and an acryloyl group-containing organosilicon compound in combination.
These organic silicon compounds may contain an organic acid catalyst such as p-toluenesulfonic acid in the coating composition to cause a hydrolysis reaction with moisture in the air after coating to form a film. In addition, water (including a catalyst such as hydrochloric acid) added in advance and hydrolyzed can also be used.
Further, each component may be separately hydrolyzed and then mixed, but it is desirable to mix before co-reacting and co-hydrolyze at the same time because a homogeneous polymer can be obtained.
[0024]
The acrylic compound has at least three polymerizable unsaturated bonds such as vinyl group, acryloyl group and methacryloyl group in the molecule. For example, monomers such as DPHA and modified products of these monomers , And derivatives, etc. can be used.
Of these, polyfunctional acrylic monomers such as DPHA and modified compounds thereof having an average molecular weight of 200 to 1000 are compatible with the hydrolyzate of the organometallic compound, and do not undergo phase separation at the time of film formation. High, uniform and transparent hybrid film can be formed.
The mixing ratio of the polyfunctional acrylic monomer is preferably 10 to 40 wt% in terms of the solid content ratio in the film, and even if it is 10% or less, the effect is small, and if it is 40% or more, the refractive index is increased.
When performing curing by UV irradiation, it is preferable to add a radical polymerization initiator, such as benzoin ether initiators such as benzoin methyl ether, acetophenone, acetophenone initiators such as 2,1-hydroxycyclohexyl phenyl ketone, and benzophenone. Benzophenone-based initiators such as are used, but are not particularly limited.
[0025]
Several combinations of the above-described components can be added to the composition, and further known additives such as dispersants, stabilizers, viscosity modifiers, and colorants can be added within a range that does not impair the physical properties.
[0026]
As a method for applying the coating composition, conventionally known means such as a dipping method, a roll coating method, a screen printing method, and a spray method are used.
The thickness of the coating can be appropriately selected and adjusted according to the concentration of the liquid and the coating amount in accordance with the target optical design.
[0027]
The substrate on which the low refractive index composition of the present invention is applied and formed is a substrate such as glass or plastic film, but is not particularly limited, and various hard coat layers and a high refractive index as required. It can be applied and laminated on a layer made of a material, a layer made of a low refractive index material, a ceramic vapor deposition film layer, etc., or it can be laminated by changing the composition ratio of the present invention.
[0028]
【Example】
The coating low refractive index composition of the present invention will be described with reference to specific examples. In addition, Example 1, Example 2, and Example 3 are reference examples.
Using the 80 μm-thick triacetyl cellulose (TAC) film provided with a UV curable resin hard coat (HC) layer (5 μm) on the surface, the materials A1 to A4 shown in the preparation of the following coating composition were prepared. Thus, a coating composition was prepared, and 2% of an acetophenone-based initiator was added to the polymerization component as an initiator for UV curing.
Coating with a bar coater, drying at 100 ° C. for 1 min with a dryer, curing by irradiating with 1000 mJ / cm 2 ultraviolet rays with a high-pressure mercury lamp, and the optical film thickness (nd = refractive index n * film thickness d (nm)) The concentration was adjusted appropriately so that nd = 550/4 nm, and a low refractive index film was formed to obtain test specimens for various tests.
As examples of the present invention, those obtained by applying the compositions of A1 to A4 shown in <Preparation of coating composition> below are referred to as Examples 1 to 4, and as a comparative example, only Si alkoxide is included and no acryloyl-containing silicon compound is included. System (Comparative Example 1 coated with B1 composition shown in <Preparation of coating composition> below), Si alkoxide and fluorine-containing silicon two-component system (B2 composition shown in <Preparation of coating composition> below) A coated product was prepared by combining the specimens of Comparative Example 2), and the evaluation results are shown in Table 1 based on the evaluation method shown below.
[0029]
<Preparation of coating composition>
(A1): A predetermined amount is mixed with 1 mol of tetramethoxysilane so as to be 0.4 mol of (3-acryloxypropyl) trimethoxysilane, and 3 mol of 0.1N hydrochloric acid and 10% in terms of solid content with respect to 1 mol of the mixture. Isopropyl alcohol was mixed so that the mixture was stirred at room temperature for 2 hours to obtain a basic composition A1.
[0030]
(A2): A predetermined amount of tetramethoxysilane / (3-acryloxypropyl) trimethoxysilane / tridecafluorooctyltrimethoxysilane = 1.0 / 0.4 / 0.14 mol was mixed to 1 mol of the mixture. On the other hand, 3 mol of 0.1N hydrochloric acid and isopropyl alcohol were mixed so as to be 10% in terms of solid content, and reacted at room temperature for 2 hours to obtain composition A2 in which a fluorine-containing silicon compound was introduced into the basic composition.
[0031]
(A3): DPHA was added to the reaction product of (A2) so that the solid content ratio was 20%, and the mixture was stirred and mixed at room temperature for 30 minutes to obtain a composition A3 to which a polyfunctional acrylic monomer was added.
[0032]
(A4): Tridecafluorooctyltrimethoxysilane was completely substituted with octadecyltrimethoxysilane in the formulation of (A2) and reacted in the same manner to obtain composition A4 in which a long-chain alkyl group-containing silicon compound was introduced into the basic composition. It was.
[0033]
(B1): 3 mol of 0.1N hydrochloric acid with respect to 1 mol of tetramethoxysilane and isopropyl alcohol were mixed so that the solid content was 10%, and the mixture was stirred and reacted at room temperature for 2 hours to obtain a comparative composition B1. It was.
[0034]
(B2): A predetermined amount was mixed so that tetramethoxysilane / tridecafluorooctyltrimethoxysilane = 1.0 / 0.1 mol, and 3 mol of 0.1N hydrochloric acid and 10% in terms of solid content with respect to 1 mol of the mixture. Isopropyl alcohol was mixed so that the mixture was stirred and reacted at room temperature for 2 hours to obtain a comparative composition B2.
[0035]
<Evaluation method>
(1) Optical characteristics (refractive index)
The reflectance at 550 nm was measured at an incident angle of 5 with a spectrophotometer, and the reflectance value or the refractive index of the coating was estimated.
(2) Adhesive paint general test method Evaluation was made based on the number of remaining coating films according to the cross-cut adhesion test method of JIS-K5400.
(3) Pencil hardness The paint film was evaluated by scratching the coating film according to the pencil scratch test method of JIS-K5400.
(4) Scratch resistance test Using steel wool # 0000, a scratch test was performed 5 times with a load of 250 g / cm 2 , and the appearance of the scratch was visually inspected. The evaluation was made in four stages: no damage (represented by symbol ◎), light scratches (represented by symbol ○), considerable damage (represented by symbol Δ), and significant damage (represented by symbol x).
(5) Water contact angle A water drop was placed on the surface of the coating, and the contact angle between the water drop and the surface was measured. A contact angle meter manufactured by Kyowa Interface Science Co., Ltd. was used for the measurement.
(6) Fingerprint wiping (antifouling)
Fingerprints were attached to the surface of the coating, and the wipeability with a tissue paper was visually inspected. The evaluation was made in three stages: easy wiping (represented by symbol ◯), wiping (represented by symbol Δ), and non-wiping (represented by symbol x).
[0036]
[Table 1]
[0037]
As shown in Table 1, both the examples and the comparative examples were able to obtain a low refractive index layer having a small refractive index, but the coatings using the compositions of the examples had adhesion, hardness, scratch resistance, Although the antifouling property is excellent, it can be seen that the comparative example is remarkably inferior in strength.
This is presumably because, in the comparative example, because of the reaction of only the alkoxide, the curing is insufficient under short drying conditions at low temperatures in the examples.
[0038]
【Effect of the invention】
As described above, the low refractive index composition of the present invention has a coating having a molecular level hybrid structure of a metal oxide and an organic compound, having a Si—O—Si siloxane bond and an acrylic group bridge. A low refractive index composition capable of forming an optical multilayer film excellent in physical properties such as optical properties of low refractive index, hardness, scratch resistance, adhesion to a substrate and antifouling property It has become possible to provide an optical multilayer film obtained by applying the composition.
Formed on the outermost layer of the substrate as an anti-reflective film for displays, etc., can form a film that can sufficiently withstand harsh environments and handling, and the equipment cost is relatively low compared to vapor deposition etc. The film forming (coating) speed is 10 times or more, the productivity is high, and the manufacturing is easy.
In addition, since the coating film of the low refractive index composition of the present invention is cured by light irradiation or the like, it can be applied at a low temperature, so it can be produced by winding coating such as a film, and is inexpensive and mass-produced. It has the effect of being able to.
Claims (5)
(但し、式中Rはアルキル基を示す)で表されるケイ素(Si)アルコキシド、およびその加水分解物と、
一般式(B) R’X Si(OR)4−X
(但し、式中Rはアルキル基、R’は末端にビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などの重合可能な不飽和結合を有する官能基を示し、xは0<x<4の範囲を満たす置換数である)で表される有機ケイ素化合物およびその加水分解物と、
一般式(D) CH3−(CH2)m−CH2−Si(OR)3
(但し、式中mは4≦m≦16の範囲を満たす整数、Rはアルキル基を示す)で表される長鎖アルキル基含有ケイ素化合物、およびその加水分解物とを含み、
前記一般式(A)で表される化合物と前記一般式(B)で表される化合物の比率が、モル比で、一般式(A)で表される化合物/一般式(B)で表される化合物=1.0/0.1〜1.0/1.0である
ことを特徴とするコーティング用低屈折率組成物。Formula (A) Si (OR) 4
(Wherein R represents an alkyl group) and a hydrolyzate thereof,
Formula (B) R′X Si (OR) 4-X
(In the formula, R represents an alkyl group, R ′ represents a functional group having a polymerizable unsaturated bond such as a vinyl group, an acryloyl group, or a methacryloyl group at the terminal, and x is a substitution that satisfies the range of 0 <x <4. An organosilicon compound represented by the following formula and a hydrolyzate thereof:
Formula (D) CH3- (CH2) m-CH2-Si (OR) 3
(Wherein m represents an integer satisfying the range of 4 ≦ m ≦ 16, R represents an alkyl group), and a hydrolyzate thereof.
The ratio of the compound represented by the general formula (A) and the compound represented by the general formula (B) is a molar ratio represented by the compound represented by the general formula (A) / general formula (B). Compound = 1.0 / 0.1-1.0 / 1.0 A low refractive index composition for coating, characterized in that
一般式(C) CH2=CHCOO−(CH2)n−Si(OR)3
(但し、式中Rはアルキル基、nはn<5の範囲を満たす整数を示す)で表されるアクリロイル基含有ケイ素化合物であることを特徴とする請求項1または2記載のコーティング用低屈折率組成物。The organosilicon compound represented by the general formula (B) is represented by the general formula (C) CH2 = CHCOO- (CH2) n-Si (OR) 3.
The low refractive index for coating according to claim 1 or 2, wherein R is an alkyl group and n is an acryloyl group-containing silicon compound represented by n <5. Rate composition.
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