JP5121106B2 - ホルモン制御腫瘍のアンチセンス治療法 - Google Patents
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Description
本出願は、1999年7月19日に出願された米国仮出願第60/144,495号(これは参照することにより本明細書に組み込まれる)の優先権を主張する。
【0002】
(発明の背景)
本出願は、インスリン様増殖因子結合タンパク(IGFBP)−5に結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用する、ホルモン制御腫瘍(例えば、乳癌および前立腺癌)の治療に関する。
【0003】
前立腺癌は、男性が罹る最も一般的な癌であり、西洋の男性の癌の死亡の第2の死因である。前立腺癌は、アンドロゲン感受性腫瘍であるため、進行性の前立腺癌の患者の一部の治療に、アンドロゲン離脱(例えば、精巣除去による)が使用される。アンドロゲン離脱が前立腺癌の広範なアポトーシスを引き起こし、従って癌が退縮する。しかし、精巣除去に誘導されるアポトーシスは完全ではなく、生き残った腫瘍細胞が成長して最終的にアンドロゲン非依存性(androgen indepedence)となる。この進行は、生存率とクオリティオブライフの改善に対する大きな障害であり、従ってアンドロゲン非依存性細胞を標的とする試みが行われている。これらの試みは、アンドロゲン非依存性腫瘍細胞を標的とする非ホルモン療法を中心としてきたが、これまでのところ、非ホルモン剤により生存率が改善したことはない。オー(Oh)ら、J. Urol 160:1220-1229 (1998)。従って別のアプローチが必要である。
【0004】
インスリン様増殖因子(IGF)−1とIGF−IIは、多くの正常細胞および悪性細胞にとって強力な分裂促進因子である。蓄積している証拠は、前立腺疾患や乳癌の病態生理においてIGFが重要な役割を果たすことを示唆している。ボウドン(Boudon)ら、J. CLin. Endocrin. Metab. 81:612-617 (1996);アンゲロズ−ニコウド(Angelloz-Nicoud)ら、Endocrinology 136:5485-5492 (1995);ニッカーソン(Nickerson)ら、Endocrinology 139:807-810 (1998);フィグエロア(Figueroa)ら、J. Urol. 159:1379-1383 (1998)。
【0005】
IGFに対する生物学的応答は、IGFBPを含む種々の因子により制御される。今日まで、6つのIGFBPが同定されており、その機能は、高親和性相互作用を介するIGFの生物学的作用の調節を含むと考えられる。ラジャラム(Rajaram)ら、Endocrin. Rev. 18:801-813 (1997)。しかし、一部の証拠は、IGFに依存しないIGFBPの生物活性を示唆している、同上、アンドレス(Andress)ら、J. Biol. Chem. 267:22467-22472 (1992);オー(Oh)ら、J. Biol. Chem. 268:14964-14971 (1993)、および細胞増殖に対するIGFBPの刺激と阻害の両方の作用が、種々の実験条件下で報告されている。アンドレス(Andress)ら、前出;エルギン(Elgin)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84:3254-3258 (1987);フイン(Huynh)ら、J. Biol. Chem. 271:1016-1021 (1996);ダモン(Damon)ら、Endocrinology 139:3456-3464 (1998)。すなわち、IGFBPの正確な機能的役割は、まだ議論の余地がある。このため、報告された結果は、前立腺癌や乳癌へのIGFの関与を示すが、この関与に基づく治療的アプローチを明確には示唆しない。
【0006】
本発明は、前立腺癌および乳癌の治療として、IGFBP−5を標的とするアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)を利用する。アンチセンスODNは、標的遺伝子のmRNA領域に相補的な1本鎖DNAの化学的に修飾された一つながりであり、従ってRNA/DNA2本鎖を形成することにより遺伝子発現を有効に阻害する。フィグエロア(Figueroa)ら、J. Urol. 159:1379-1383 (1998)。ホスホロチオエートODNは安定化されて、DNAの隣接するホスホリル酸素の1つをイオウで置換することにより、ヌクレアーゼ消化に抵抗する。最近、新生物進行に関与する遺伝子を特異的に標的とするいくつかのアンチセンスODNが、インビトロとインビボで評価されて、治療薬候補としてのアンチセンス法の有効性が証明された。モニア(Monia)ら、Nature Med. 2:668-675 (1996);クッコ(Cucco)ら、Cancer Res. 56:4332-4337 (1996);ジーグラー(Ziegler)ら、J. Natl. Cancr Inst. 89:1027-1036 (1997);ジャンセン(Jansen)ら、Nature Med. 4:232-234 (1998)。
【0007】
(発明の要約)
本発明は、IGFBP−5をコードする遺伝子に一部に相補的なアンチセンスODNの投与により、ヒトを含む哺乳動物のホルモン制御腫瘍(例えば、乳癌および前立腺癌)を治療する方法に関する。シオノギ(Shionogi)腫瘍モデルをインビトロとインビボで使用して、そのようなODNを投与すると、腫瘍細胞の増殖が減少し、アンドロゲン非依存性への進行を遅らすことができることが証明された。すなわち、本発明において我々は、ヒトを含む哺乳動物の前立腺癌の治療法、およびアンドロゲン非依存性への前立腺癌の進行を遅らせる方法であって、IGFBP−5をコードする核酸配列の一部に相補的であり、そのような配列とハイブリダイズしてIGFBP−5の発現を阻害する、アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドの治療上有効量を哺乳動物に投与する工程を含む、上記方法を提供する。本方法での使用に適した特異的アンチセンスODNは、マウス遺伝子配列から得られるGACCACGCTGATCACCAT(配列番号1)、およびヒト遺伝子配列から得られるCGCGGTGAGCAACACCAT(配列番号3)とAGGTCATGCAGCAGCCGC(配列番号4)である。
【0008】
(発明の詳細な説明)
本発明は、ホルモン制御(前立腺癌または乳癌)腫瘍細胞のホルモン(例えば、アンドロゲンまたはエストロゲン)非依存性への進行を遅らせる方法、ホルモン制御腫瘍(例えば、乳癌または前立腺癌)に罹った個体(ヒトを含む)の治療法、およびそのような方法での使用に有効な治療薬を提供する。さらに、本発明の組成物は、前立腺癌、乳癌、および骨の他のIGF−1感受性腫瘍の増殖と転移性進行を阻害するかまたは遅らせるために使用することができる。本発明の治療法は、進行した乳癌または前立腺癌を有する個体の治療に最も一般的に使用される。
【0009】
本発明の第1の態様において、アンドロゲン感受性前立腺癌細胞のアンドロゲン非依存性への進行は、細胞によるIGFBP−5の発現を阻害することにより遅らせることができる。シオノギ腫瘍モデル中でインビトロおよびインビボで実験を行った。シオノギ腫瘍モデルは、雄の同系の皮下で増殖するアンドロゲン依存性マウス乳癌の異種移植片である。シオノギ腫瘍細胞は、発癌性が高く局所的侵襲性である。この細胞は、前立腺癌細胞の観察された挙動を模倣する方法でアンドロゲン離脱に応答することが証明されており、ヒトの前立腺癌の効果的なモデルとして受け入れられている。(ブルチョフスキー(Bruchovsky)ら、Cancer Res. 50:2275-2281 (1990);レニー(Rennie)ら、Cancer Res. 48:6309-6312 (1988);ブルチョフスキー(Bruchovsky)ら、Cell 13:272-280 (1978);グリーヴ(Gleave)ら、Genitourinary Oncology、pp. 367-378、ランゲ(Lange)ら編、Lippencott (1997);グリーヴ(Gleave)ら、J. Urol. 157:1727-1730 (1997);ブルチョフスキー(Bruchovsky)ら、The Prostate 6:13-21 (1996)。すなわち、アンドロゲン離脱は、非常に再現性高くアポトーシスと腫瘍退縮を促進する。さらに精巣除去後およびアンドロゲン非依存性への進行中のヒトの前立腺癌でのペプチド(例えば、TRPM−2およびBcl−2)の発現の変化は、シオノギ腫瘍細胞で観察されたものと似ている。これらの類似性のために、シオノギ腫瘍モデルは、ヒト前立腺癌を模倣し、アンドロゲン非依存性の開始を遅らせる化合物の能力の評価のための非常に有用なモデルを提供する。精巣除去後の腫瘍の完全な退縮にもかかわらず、1ヶ月後に必ず急速に増殖するアンドロゲン非依存性シオノギ腫瘍が再発し、これはアンドロゲン非依存性への進行を遅らせることができる物質を評価するための信頼できる終点となる。
【0010】
本発明に至る研究において我々はまず、精巣除去後およびAI進行中のシオノギ腫瘍モデル中のIGFBPの変化を性状解析した。精巣除去前のAD完全な腫瘍、精巣除去の4日および7日後の退縮腫瘍、および精巣除去の28日後のAI再発腫瘍中の、IGFBP mRNA発現の変化を解析するために、ノーザンブロット解析を使用した。IGFBP−2、−3、−4、および−5のmRNA発現の変化の種々のパターンが観察された。IGFBP−1とIGFBP−6 mRNAは、シオノギ腫瘍モデル中では検出できない。シオノギ腫瘍中で発現されるIGFBPのうちで、発現の最も大きな変化はIGFBP−5で観察された。AD完全腫瘍中では検出できないレベルであるにもかかわらず、IGFBP−5発現は、精巣除去後には高度にアップレギュレートされ、AI腫瘍中で高度に発現されたままである。AI進行中のシオノギ腫瘍モデル中のIGFBP−5アップレギュレーションのパターンは、ラット前立腺(アンゲロズ−ニコウド(Angelloz-Nicoud)、前出)およびヒト前立腺癌(フィグエロア(Figueroa)、前出)中のパターンに似ており、従ってアンドロゲン非依存性への進行に及ぼすアジュバントアンチセンスIGFBP−5療法の作用を評価するためのこのモデルの使用を支持する。
【0011】
このアップレギュレーションの機能的意義を調べるために、我々は、シオノギ腫瘍モデルを使用してインビトロとインビボの両方で、IGF−1介在細胞増殖に及ぼすアンチセンスIGFBP−5 ODNの作用を試験した。これらの試験は、マウスIGFBP−5遺伝子に対するアンチセンスODNを使用して行った。これらの実験は、マウスIGFBP−5翻訳開始部位に対応するホスホロチオエートアンチセンスIGFBP−5 ODNが、用量依存性にIGFBP−5 mRNAの発現を阻害することを証明した。2塩基IGFBP−5ミスマッチODNを使用して配列特異性を確認したが、これは、シオノギ腫瘍細胞中のIGFBP−5 mRNA発現には何の作用も及ぼさなかった。さらに我々は、アンチセンスIGFBP−5 ODNは、標的特異的にIGFBP−5発現を低下させることを証明した。すなわち、他のmRNA(IGFBP−2、−3および−4)の発現は、アンチセンスIGFBP−5 ODN処理に影響されなかった。
【0012】
アンチセンスIGFBP−5 ODNは、シオノギ腫瘍細胞中で時間および用量依存的に、細胞増殖を阻害し細胞サイクル停止を誘導する。アンチセンスIGFBP−5 ODN処理は、インビトロまたはインビボでもアポトーシスを誘導しないようであり、これは、アンチセンスIGFBP−5 ODN活性は、アポトーシスの誘導ではなく細胞増殖の阻害を介して起きることを示唆する。さらにアンチセンスIGFBP−5 ODNの増殖阻害作用は、外因性IGF−1により逆転させることができ、IGF−1活性を抗IGF−1抗体で中和すると、アンチセンスIGFBP−5 ODN処理は、細胞増殖のさらなる阻害を引き起こさないことが観察された。我々はまた、アンチセンスIGFBP−5 ODNがMAPK活性を阻害すること、この阻害はまた、外因性IGF−1により逆転することができたこと、およびIGF−1を抗IGF−1抗体で中和すると、アンチセンスIGFBP−5 ODNは、MAPK活性に独立の阻害作用を及ぼさないことも、見いだした。これらの知見はまとめて、アンチセンスIGFBP−5 ODNは、少なくとも一部は、MAPKの不活性化を含むIGF−1依存性機序を介して細胞増殖を阻害することを証明している。
【0013】
このインビトロデータに基づいて我々は、アンチセンス方策を使用してアンドロゲンにより促進されるIGFBP−5アップレギュレーションをターゲティングすると、アンドロゲン非依存性への進行が阻害されるという仮説を立てた。我々のインビボ実験では、精巣除去後のアンチセンスIGFBP−5 ODNの投与は、AI進行への時間を遅らせ、AI再発性の腫瘍増殖を阻害した。我々のインビトロ処理に一致して、シオノギ腫瘍を有するマウスをアンチセンスIGFBP−5 ODNで処理するとまた、IGFBP−5 mRNA発現を阻害した。これらの知見は、ODNのインビボの全身性投与が、腫瘍細胞中の標的遺伝子の配列特異的ダウンレギュレーションを引き起こすことを示す。
【0014】
インスリン様増殖因子(IGF)結合タンパク質−5(IGFBP−5)は、アンドロゲン離脱後に正常および悪性前立腺腫瘍中で高度に アップレギュレートされているが、精巣除去誘導性アポトーシスとアンドロゲン非依存性進行におけるその機能的役割はまだ不明である。IGF−1介在有糸分裂誘発とアンドロゲン非依存性への進行中のIGFBP−5の過剰発現の機能的意義を解析するために、安定なトランスフェクションによりIGFBP−5を過剰発現しているヒトアンドロゲン依存性LNCaP前立腺癌細胞を作成した。IGFBP−5トランスフェクションLNCaP細胞の増殖速度は、ジヒドロテストステロンの存在下および非存在下の両方で、親のまたはベクターのみでトランスフェクトしたLNCaP細胞と比較して、有意に速かった。LNCaP細胞増殖のIGFBP−5誘導性上昇は、IGF−1依存性およびIGF−1非依存性経路を介して起き、サイクリン(cyclin)D1 mRNA発現と細胞サイクルのS+G2/M期中の細胞の画分との対応する上昇が起きる。LNCaP亜系中のAkt/タンパク質キナーゼB(PKB)(ホスファチジルイノシトール3’−キナーゼ(PI3K)経路の下流成分)の変化は、その増殖速度の変化とも対応した。PI3Kインヒビターによる処理は、対照とIGFBP−5を過剰発現しているLNCaP細胞の両方でアポトーシスを誘導したが、このPI3Kインヒビター誘導性アポトーシスは、IGFBP−5トランスフェクタント中でのみ外因性IGF−1処理により防止され、IGFBP−5過剰発現は、IGF−1の抗アポトーシス作用を強化することができることを示唆している。さらに、精巣除去後のIGFBP−5トランスフェクトLNCaP腫瘍を有するマウス中では、精巣除去前の完全なマウス中で増殖させた時、対照と同様の腫瘍発生頻度と腫瘍増殖速度を有するにもかかわらず、腫瘍増殖と血清PSAレベルは数倍上昇した。まとめるとこれらのデータは、精巣除去後の前立腺癌細胞中のIGFBP−5過剰発現が、IGF−1の抗アポトーシス作用および有糸分裂誘発作用の強化を助ける適応性細胞生存機序であり、こうしてPI3K−Akt/PKBシグナル伝達経路の活性化を介して、アンドロゲン非依存性への進行を加速することを示唆している。
【0015】
AI進行を遅らせる合理的な方策は、分子的機序に基づくべきであり、確立されたホルモン抵抗性疾患の患者を治療する従来のアプローチより、アンドロゲン離脱により促進される遺伝子発現の適応的変化を標的とするであろう。進行の生物学的機序と遺伝子発現の精巣除去誘導性変化に基づいた、併用療法の組み込みと適切なタイミングは、AI進行を阻害する主要な手段を提供するかも知れない。本研究は、AI進行におけるIGFBP−5の機能的役割と、アンチセンスIGFBP−5 ODNを使用してIGFBP−5遺伝子発現の低下させると、AI腫瘍の再発と増殖を遅らせることを支持する直接の証拠を提供する。
【0016】
本発明の治療は個々に使用することができる。しかしアンチセンスODNを他の治療法と一緒に使用して、アンドロゲン離脱を起こすことが好ましい。すなわち本発明のさらなる面において、前立腺癌に罹っている個体(ヒト個体を含む)の治療法は、アンドロゲン離脱を開始して個体の前立腺癌細胞のアポトーシス性細胞死滅を誘導し、腫瘍細胞によるIGFBP−5の発現を阻害するのに有効な組成物を個体に投与し、こうして個体のアンドロゲン非依存性状態への前立腺癌細胞の進行を遅らせることにより、行われる。骨でのIGFBP−5の発現の観点から、IGF−1とIGFBP−5介在腫瘍細胞増殖はまた、骨でのIGF−1感受性代謝性腫瘍細胞の増殖を促進するのに重要な役割を果たすかも知れない。この増殖は、本発明のアンチセンスIGFBP−5 ODNを使用することにより防止することができ、こうして転移性疾患の進行を阻害または遅らせることができる。
【0017】
アンドロゲン離脱の開始は、外科的(両方の睾丸の除去)または内科的(テストステロンの薬剤誘導性抑制)精巣除去により行われ、これは現在前立腺癌の治療に必要とされている。内科的精巣除去は、種々の方法(LHRH剤と抗アンドロゲンを含む)で実施することができる。グリーブ(Gleave)ら、CMAJ 160:225-232 (1999)。可逆的アンドロゲン離脱が行われる間歇治療法は、グリーブ(Gleave)ら、Eur. Urol. 34、増刊3:37-41 91998に記載されている。乳癌の場合のホルモン離脱は、抗エストロゲン(例えばタモキシフェン)を用いる薬物療法により行うことができる。
【0018】
IGFBP−5発現の阻害は一過性でもよく、アンドロゲン離脱後に起きるべきである。ヒトでは、これは、発現の阻害は、アンドロゲン離脱の開始後数週間以内に開始し約3〜6ヶ月続くことが有効であることを意味する。これを行うには、数回の投与が必要である。しかしこの期間はより長いこと、すなわち精巣除去前に開始し、本発明の範囲から逸脱することなく、以後かなりの期間続くことが、理解されるであろう。
【0019】
上記および下記例の試験で使用されるODN(配列番号1)は、翻訳開始部位とのマウスIGFBP−5遺伝子重複の部分に相補的である。他のODN種も使用され、翻訳開始部位と重複する少し長いかまたは少し短いODN種(例えば、15〜30ntの範囲)、および翻訳停止部位と重複するODN種がある。中間的なODNもまた有効であり、例に記載の発現測定法を使用してIGFBP−5阻害の充分なレベルを提供する能力についてスクリーニングすることができる。これらの他のタンパク質の発現阻害は、好ましくない副作用を引き起こすことがあるため、使用するアンチセンスODNの選択において、他のIGFBPとの実質的な相補性を避けることが好ましい。そこからそのようなODNが得られるマウスIGFBP−5の核酸配列を、配列番号13に示す。
【0020】
他の哺乳動物(ヒトを含む)に本発明を適用するために、治療的アンチセンスODNは、標的種のIGFBP−5遺伝子中の対応する位置から得られる。例えばヒトの場合、IGFBP−5遺伝子の配列は、ヒトについてキーファー(Kiefer)ら、Biochem. Biophys. Res. Commun. 17:219 (1991)、受け入れ番号M65062、およびマウスについてジェームズ(James)ら、J. Biol. Chem. 258:22305 (1993)、受け入れ番号L12447からわかる。図10は、ヒトのIGFBP−5の発現を阻害する能力について試験したいくつかのアンチセンスODNの位置は、配列番号3に示す配列を有することを示す。このODNは、ヒトIGFBP−5の翻訳開始部位と重複する。マウスモデルの場合のように、他のヒトの治療用アンチセンスODNが使用でき、翻訳開始部位と重複するかまたはその近傍の少し長いかまたは少し短いODN種(例えば、15〜30ntの範囲)(例えば配列番号4)、および翻訳停止部位と重複するODN種(例えば、配列番号10)がある。中間的なODNもまた有効であり、例に記載の発現測定法を使用してIGFBP−5阻害の充分なレベルを提供する能力についてスクリーニングすることができる。これらの他のタンパク質の発現阻害は、好ましくない副作用を引き起こすことがあるため、使用するアンチセンスODNの選択において、他のIGFBPとの実質的な相補性を避けることが好ましい。そこから他のアンチセンスODNが得られるヒトIGFBP−5の完全な配列を、配列番号14に示す。配列番号15〜66は、ヒトIGFBP−5の配列から設計される追加のアンチセンスODN配列のリストである。
【0021】
使用されるODNを修飾して、インビボのODNの安定性を上昇させてもよい。例えばODNは、ヌクレアーゼ消化に対して耐性の上昇したホスホロチオエート誘導体(非結合性ホスホリル酸素原子をイオウ原子で置換)として使用してもよい。2−メトキシエチル置換骨格を有する分子を使用して、ODN安定性の上昇を達成することができる。
【0022】
アンチセンスODNの投与は、当該分野で公知の種々の機序(そのまま投与および薬剤学的に許容される担体中で投与を含む)を使用して投与することができる。例えば、アンチセンス送達用の液体担体は、米国特許第5,855,911号と5,417,978号(これらは参照することにより本明細書に組み込まれる)に記載されている。一般にアンチセンスは、静脈内、腹腔内、皮下または経口経路により投与される。
【0023】
投与されるアンチセンスODNの量は、乳癌または前立腺細胞中のIGFBP−5の発現を阻害するのに有効なものである。この量は、使用されるアンチセンスODNの効力、および使用される担体の性質により変動することは理解されるであろう。ある特定の組成物についての適切な量の決定は、当該分野の技術の範囲内であり、適切な治療レベルを評価するために設計される標準的シリーズの試験により行われる。
【0024】
本発明の前立腺癌または乳癌の治療法は、化学療法剤および/または異なる標的に対する追加のアンチセンスODNの投与をさらに含む。例えばタキソール(パクリタキセルまたはドシタキセル)やミトキサントロン(mitoxanthrone)のような従来の化学療法剤が使用される。同様にアンチセンスIGFBP−5 ODNと他のアンチセンス種(例えば、Bcl−2 ODNまたはTRPM−2 ODN)との組合せを使用してもよい。
【0025】
本発明を、以下の非限定例を参照してさらに説明する。
【0026】
例1
移植可能なSC−115 ADマウス乳癌のトロント(Toronto)亜株からの細胞を使用し、5%熱不活性化胎児牛血清を補足したダルベッコー改変イーグル培地(ライフテクノロジーズインク(Life Technologies Inc.)、ゲーサーズバーグ、メリーランド州)で維持して、シオノギ腫瘍モデル実験を行った。インビボ試験のために約5×106細胞のシオノギ腫瘍を、成体の雄DD/S株マウスに皮下注射した。シオノギ腫瘍の直径が1〜2cmになった時(通常、注射の2〜3週間後)、メトキシフラン麻酔下で腹部切開により精巣除去を行った。マウス、腫瘍ストックおよび手術法の詳細は、既に記載されている。ブルチョフスキー(Bruchovsky)ら、Cancer Res. 5);2275-2282 (1990);レニー(Rennie)ら、Cancer Res. 48:6309-6312 (1988);ブルチョフスキー(Bruchovsky)ら、Cell 13:272-280 (1978)。
【0027】
マウスホスホロチオエートアンチセンスIGFBP−5 ODN(配列番号1)、またはアンチセンスIGFBP−5 ODNからの配列とは塩基が2つ異なる配列GACCACGCTCATGACCAT(配列番号12)を有するミスマッチ対照を用いる処理について、マウスをランダムに選択した。各実験群は、8匹のマウスから構成された。精巣除去の日から開始して、15mg/kgのアンチセンスIGFBP−5またはミスマッチ対照ODNを、腹腔内に1日1回、50日間各マウスに注射した。毎週2回腫瘍の体積を測定し、式(長さ×幅×奥行き×0.5236)により計算した。グリーヴ(Gleave)、Cancer Res. 52:1598-1605 (1992)。データ点は、平均腫瘍体積±標準偏差として報告した。
【0028】
試験の結果を図1に示す。アンチセンスIGFBP−5 ODN処理は、ミスマッチ対照ODN処理と比較して、AI腫瘍の再発を遅らせた。精巣除去後60日間の観察期間中に両方の群のすべてのマウスでAI腫瘍が再発したが、最初の触知可能なAI再発までの時間中央値は、ミスマッチ対照ODNに比較してアンチセンスIGFBP−5で処理したマウスで28日から35日まで25%上昇した。腫瘍の大きさが3cm3または体重の10%を超えた時は、マウスを屠殺する必要があった。再発性AI腫瘍の増殖は、ミスマッチ対照ODN群に比較してアンチセンスIGFBP−5 ODN処理群で実質的に阻害された。マウスの屠殺までの時間は、IGFBP−5 ODN処理群では実質的に延長し、ミスマッチODN群では中央値53日間後に、すべてのマウスで屠殺が必要であったが、アンチセンスIGFBP−5 ODN処理群の8匹のマウス中1匹のみ60日後(p<0.05)に屠殺が必要であった。
【0029】
例2
IGFBP−5 mRNAのレベルに及ぼすインビボのODN処理の作用を調べるために、マウスのシオノギ腫瘍組織についてノーザンブロット解析を行った。精巣除去の日から開始して、15mg/kgのアンチセンスIGFBP−5 ODN(n=3)またはミスマッチ対照(n=3)で腹腔内注射により、マウスを毎日処理した。精巣除去後4日目に、腫瘍組織を採取し、IGFBP−5 mRNAについてノーザンブロットで解析した。ミスマッチ対照ODN処理腫瘍と比較してシオノギ腫瘍中のIGFBP−5 mRNAレベルは、アンチセンスIGFBP−5 ODNにより61%低下した(図2)。
【0030】
例3
アンチセンスIGFBP−5 ODN(配列番号1)の配列選択性を、種々のレベルのアンチセンスIGFBP−5 ODN(配列番号1)またはミスマッチ対照(配列番号12)で処理後に、インビトロで維持したシオノギ腫瘍細胞中のIGFBP−5 mRNAの発現レベルを比較して確認した。細胞へのODNの取り込みを促進するために、陽イオン性脂質担体(リポフェクチン(登録商標)(ライフテクノロジーズインク(Life Technologies Inc.))中でODNを調製した。以下のプロトコールを使用して、2日間にわたって細胞を2回処理した。細胞を、無血清OPTI−MEM(登録商標)(ライフテクノロジーズインク(Life Technologies Inc.))中の4μg/mlのリポフェクチンで20分間プレインキュベートし、次に選択された濃度のODNとリポフェクチンを含有する培地で4時間インキュベートした。次に培地を、例1に示した標準的培養培地と交換した。
【0031】
細胞中のIGFBP−5 mRNAの量を、ノーザンブロット解析を使用して評価した。図3に示すように、50、100、500または1000nMのレベルのアンチセンスIGFBP−5 ODN(配列番号1)でシオノギ細胞を毎日処理すると、IGFBP−5 mRNAレベルが用量依存的に、それぞれ0、7、54または83%低下した。これに対して、IGFBP−5 mRNAレベルは、使用したどの濃度のミスマッチODN(配列番号3)にも影響を受けなかった。すなわち、アンチセンスIGFBP−5 ODNの作用は、明らか配列特異的であった。
【0032】
アンチセンスIGFBP−5 ODNの特異性をさらに解析するために、シオノギ腫瘍細胞を1μMのアンチセンスIGFBP−5 ODN(配列番号1)で処理後にノーザンブロッティングを行い、IGFBP−5と大きな配列相同性を有する他のIGFBP(IGFBP−2、−3および−4)遺伝子の発現の変化を定量した。アンチセンスIGFBP−5 ODNは、IGFBP−5 mRNA発現を顕著に低下させたが、IGFBP−2、−3および−4発現レベルに対する作用は観察されなかった。これらのデータはまとめると、この試験で使用したIGFBP−5 ODNが、その標的遺伝子の配列特異的、遺伝子特異的、および用量依存的ダウンレギュレーションを誘導することを証明している。
【0033】
例4
細胞増殖に及ぼすアンチセンスIGFBP−5 ODNの作用を調べるために、我々は、1μMのIGFBP−5またはミスマッチ対照ODNで1日1回、2日間シオノギ腫瘍細胞を処理し、72時間にわたって細胞数を測定した。細胞のアンチセンスIGFBP−5 ODN処理は、72時間にわたってシオノギ腫瘍細胞増殖を有意に阻害したが、細胞増殖は、ミスマッチ対照ODNを用いる処理により影響されなかった(図4)。
【0034】
細胞増殖に及ぼすアンチセンスIGFBP−5 ODNの作用はまた、100〜1000nMの濃度範囲にわたって用量依存的であった(図5)。これらの抗増殖作用は、アンチセンスIGFBP−5 ODNによるシオノギ腫瘍細胞中のIGFBP−5 mRNAの低下の程度と正相関した。これに対してミスマッチ対照ODNでは使用したいずれの濃度でも、細胞増殖に対する有意な作用は観察されなかった。
【0035】
アンチセンスIGFBP−5 ODNが、アポトーシスの誘導を介して細胞死滅因子として作用した可能性を排除するために、アンチセンスまたはミスマッチIGFBP−5 ODN処理後の、生きた細胞および死滅細胞の数を計測した。各継代培養からの生きたおよび死んだシオノギ細胞を、ODN処理後の48時間目にトリパンブルーを使用して計測し、死滅細胞/総細胞の比を計算した。各測定は、三重測定で行った。アンチセンスIGFBP−5 ODN処理細胞の総細胞数に対する死滅細胞の観察された比は、ミスマッチ対照ODN処理細胞(図6)の細胞数とはあまり異ならなかった。すなわち、アンチセンスIGFBP−5 ODN処理後の細胞数の差は、増強されたアポトーシスの結果ではない。
【0036】
例5
シオノギ腫瘍細胞増殖の制御におけるIGFBP−5とIGF−1の間の関係を解析するために、抗IGF−1抗体および/または組換えIGF−1を用いてシオノギ腫瘍細胞増殖に及ぼすアンチセンスIGFBP−5 ODN処理の作用を評価した。最初の実験で、シオノギ腫瘍細胞の増殖に及ぼすアンチセンスIGFBP−5 ODN、抗IGF−1抗体(アップステートバイオテクノロジー(Upstate Biotechnology)、レークプラシッド、ニューヨーク州)、および/または組換えIGF−1(シグマケミカル社(Sigma Chemical Co.)、セントルイス、ミズーリ州)のインビトロ作用を、既に記載されている(ミヤケ(Miyake)ら、Oncogene 16:933-943 (1998))ようにMTT測定法により評価した。簡単に説明すると、1×104細胞を、96マイクロタイタープレートの各ウェルに接種し、一晩付着させた。次に細胞を、1日1回種々の濃度のODNで、5nMの組換えIGF−1または10μg/mlの抗IGF−1抗体を含有する培地中で2日間処理し、ODN処理の48時間後、PBS中の5mg/mlのMTT(シグマケミカル社(Sigma Chemical Co.))20μlを各ウェルに加え、次に37℃で4時間インキュベートした。次にホルマザン結晶をジメチルスルホキシドに溶解した。マイクロカルチャープレートリーダー(ベクトンディッキンソンラボウェア(Becton Dickinson Labware)、リンカーンパーク(Lincoln Park)、ニュージャージー州)を用いて540nmで、光学密度を測定した。吸光度値を、ビヒクル処理細胞について得られた値に標準化して、生存パーセントを測定した。各測定は三重測定で行った。
【0037】
図7に示すように、組換えIGF−1はシオノギ腫瘍細胞の増殖を上昇させ、抗IGF−1中和抗体は、シオノギ細胞増殖を60%阻害した。さらにアンチセンスIGFBP−5 ODNによる細胞増殖の阻害は、外因性組換えIGF−1処理により逆転した。IGF−1中和抗体とともにアンチセンスIGFBP−5 ODNを添加しても、抗IGF−1中和抗体単独の阻害作用を増やすことはなかった。これらの知見はまとめると、細胞増殖に及ぼすIGFBP−5の増強作用およびIGF−1依存性作用を支持している。
【0038】
MAPKは、IGF−1シグナル伝達の最も強力な経路の1つであるため、我々は、シオノギ腫瘍細胞中のMAPK活性に及ぼす抗IGF−1抗体および抗IGF−1中和抗体の作用を測定した。有糸分裂誘発因子活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)活性は、MAPキナーゼアッセイキット(ニューイングランドバイオラボズ(New England Biolabs)、ビバリー、マサチューセッツ州)を使用して測定した。簡単に説明すると、細胞をPBSで洗浄し、溶解緩衝液で溶解し、超音波処理し、4℃で20分間微量遠心分離した。次に上清を、1:100希釈した抗ホスホ−MAPK抗体で4時間インキュベートした。次にプロテインA−アガロースビーズを加え、さらに3時間インキュベートした。ペレットを、氷冷溶解緩衝液で2回洗浄し、キナーゼ緩衝液で2回洗浄した。ペレットを100mMのATPと20mg/mlのElk1融合タンパク質(MAPKの基質)で30℃で30分間インキュベートした。試料を沸騰させ、10%SDS−ポリアクリルアミドゲルで電気泳動して分離し、ポリビニリデンジフルオリド膜に移した。膜を、ブロッキング緩衝液中で室温で1時間インキュベートし、次に1:1000希釈した抗ホスホ−Elk1抗体とプローブ結合させた。洗浄後、膜を1:1000希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ結合抗ウサギ免疫グロブリンとインキュベートした。リン酸化Elk1の免疫反応性を、ECL化学発光キットを使用して測定した。
【0039】
MAPK活性の観察された変化は、これらの薬剤により誘導された細胞増殖の変化を反映した。すなわち、IGFBP−5 ODNはMAPK活性を低下させ、このMAPK活性のアンチセンスIGFBP−5誘導性低下は、組換えIGF−1により逆転することができ、IGF−1の有糸分裂誘発作用を抗IGF−1抗体で中和すると、アンチセンスIGFBP−5は、MAPK活性追加の阻害作用は及ぼさなかった。
【0040】
例6
細胞サイクル制御におけるIGFBP−5発現レベルの変化の影響を調べるために、シオノギ腫瘍細胞でフローサイトメトリー解析を行った。ヨウ化プロピオジウム染色した核のフローサイトメトリー解析は、既に記載されているように(ミヤケ(Miyake)、前出)行った。簡単に説明すると、シオノギ腫瘍細胞を、5×106細胞の密度で6cmのプレートに入れ、前記したように処理した。ODN処理の48時間後、細胞をトリプシン処理し、PBSで2回洗浄し、70%エタノールで4℃で5時間固定した。固定した細胞を、PBSで2回洗浄し、1μg/mlのRNaseA(シグマケミカル社(Sigma Chemical Co.))で37℃で1時間インキュベートし、ヨウ化プロピオジウム(シグマケミカル社(Sigma Chemical Co.))で室温で1時間インキュベートした。染色した細胞を、FACScanTM(ベクトンディッキンソンラボウェア(Becton Dickinson Labware))で相対的DNA含量について解析した。
【0041】
図8に示すように、アンチセンスIGFBP−5 ODN処理により誘導されたIGFBP−5レベルの低下は、G1細胞サイクルの停止を引き起こし、こうしてS+G2/M期の細胞の割合を、ミスマッチ対照ODN処理と比較して50%以上低下させた。
【0042】
例7
ヒトの治療で使用するための適切なアンチセンスIGFBP−5 ODN配列を同定するために、ヒトIGFBP−5遺伝子の10個の異なる部位に対するアンチセンスODN配列(図9、配列番号2〜11)を合成し、インビトロの細胞培養中のヒト前立腺癌PC3細胞とLNCaP/T1(IGFBP−5を過剰発現するように安定にトランスフェクトさせたLNCaP細胞)中のIGFBP−5遺伝子発現を低下させる能力について試験した。結果を図10に要約する。図示したように、配列番号3、4および10は、IGFBP−5発現の低下について活性であり、配列番号3が最も強い活性を有する。これらの3つの配列は、翻訳開始部位または翻訳停止部位と重複するかまたはすぐ近傍にある。
【0043】
例8
転移性の前立腺癌と乳癌は、しばしば骨組織に侵入する。このような転移の治療は非常に困難であり、骨への癌の進行は一般に、長期生存の予後が悪いことを示す。すなわち、この進行を阻害するかまたは遅らせる方法を有することが好ましいであろう。IGF−1とIGFBP−5はIGF−1感受性癌(特に、前立腺癌と乳癌を含む)の増殖にとって重要な因子であるため、骨中の高レベルのIGFBP−5の存在は、転移病変の増殖と進行を促進する重要な機序となり得ると推定された。従って、転移性前立腺癌の患者から得られた原発性ヒト骨組織の試料についてウェスタン解析を行った。この実験は、骨中のIGFBP−5の高レベルの存在を確認した。本発明のアンチセンスIGFBP−5 ODNを使用してこれらのレベルを阻害することは、骨での転移性病変の進行を阻害または遅らせるための有効な治療法を提供するであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、外科的アンドロゲン離脱後の腫瘍細胞の再増殖の低下におけるアンチセンスIGFBP−5 ODNの作用を示す。
【図2】 図2は、インビボでのアンチセンスIGFBP−5 ODNを用いる治療後のIGFBP−5 mRNAの低下を示す。
【図3】 図3は、インビトロでのアンチセンスIGFBP−5 ODNを用いる治療後のIGFBP−5 mRNAの低下の用量依存性を示す。
【図4】 図4は、時間の関数としてのアンチセンスIGFBP−5 ODNを用いる治療後に存在する細胞の数を示す。
【図5】 図5は、濃度の関数としてのアンチセンスIGFBP−5 ODNを用いる治療後に存在する細胞の数を示す。
【図6】 図6は、アンチセンスIGFBP−5 ODNで処理した試料中の死滅細胞の比率を示す。
【図7】 図7は、IGF−1と抗IGF−1抗体に関連するアンチセンスIGFBP−5 ODNの作用を示す。
【図8】 図8は、アンチセンスIGFBP−5 ODNで処理した細胞のフローサイトメトリーの結果を示す。
【図9】 図9は、記載の10個のアンチセンスODNの位置を有する、ヒトIGFBP−5のヌクレオチド配列の略図である。
【図10】 図10は、IGFBP−5 mRNAレベルに及ぼす図9に記載の10個のアンチセンスODNのそれぞれの作用を示す。
【配列表】
Claims (9)
- ホルモン制御腫瘍細胞によるIGFBP−5の発現を阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、アンチセンスオリゴヌクレオチドが配列番号3、4、又は10を含む、ホルモン制御癌の治療のための組成物;
但し、該アンチセンスオリゴヌクレオチドの全長はヒトIGFBP−5をコードする遺伝子と相補的であることを条件とする。 - ホルモン制御腫瘍細胞によるIGFBP−5の発現を阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、アンチセンスオリゴヌクレオチドが配列番号3、4、又は10を含む、ホルモン制御癌の治療のための組成物であって、該アンチセンスオリゴヌクレオチドは、30ヌクレオチドまでの長さを有する、上記組成物。
- 腫瘍細胞によるIGFBP−5の発現を阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチドでホルモン制御癌を治療することにより、ホルモン制御腫瘍細胞のアンドロゲン非依存性状態への進行を遅らせるための、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
- 腫瘍細胞は前立腺癌細胞である、請求項3に記載の医薬組成物。
- 腫瘍細胞は乳癌細胞である、請求項3に記載の医薬組成物。
- ホルモン応答性癌に罹った個体中のホルモン応答性癌を治療するための請求項1又は2に記載の医薬組成物であって、ホルモン離脱を開始してホルモン応答性癌細胞のアポトーシス性細胞死を誘導した後に医薬組成物を個体に投与し、こうして個体のホルモン応答性癌細胞のホルモン非依存性状態への進行を遅らせる、上記医薬組成物。
- ホルモン応答性腫瘍は、前立腺癌である、請求項6に記載の医薬組成物。
- ホルモン応答性癌細胞によるIGFBP−5の発現を阻害するのに有効な量で哺乳動物に組成物を投与し、こうして哺乳動物のIGF−1感受性腫瘍の転移性骨性進行を阻害または遅らせることにより、腫瘍の転移性骨性進行を阻害または遅らせるための、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
- IGF−1感受性腫瘍は前立腺癌である、請求項8に記載の医薬組成物。
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