以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
(実施形態1)
本実施形態の測色装置は、被測定面Wの測定点Wpに所定の入射角で入射光Lを入射させるとともに、この入射光Lが被測定面Wで複数の特定の受光変角で反射した複数の特定反射光Vをそれぞれ受光して、被測定面Wの反射特性を測定するものである。この測色装置は、入射手段1と、検出手段2と、入射面変更手段3と、垂直検出手段4とを備えている。これら入射手段1、検出手段2、入射面変更手段3及び垂直検出手段4は、筺体5内に保持されている(図5〜図8参照)。
入射面変更手段3は、入射光Lの被測定面Wに対する入射面の方位角を任意に変化させることのできるものであり、測定点Wpを通る回転軸(光軸)Cを中心に回転可能に設けられ、回転軸Cと平行に入力した光を回転軸Cと平行に出力させうる光学器具を具備している。
すなわち、入射面変更手段3は、測定点Wpを通る回転軸Cを中心に回転可能に設けられ、光学機器としての1個のドーブ(Dove)プリズム10を備えている。なお、回転軸Cは、本実施形態の測色装置における光軸と一致する。ドーブプリズム10は、回転軸Cと平行になるように配設される、平行して相対する第1底面11及び第2底面12よりなる一組の平行対向面と、第1底面11となす角θが互いに等しい第1斜面13及び第2斜面14よりなる一組の傾斜対向面とを有する台形柱形状をなしている。
ドーブプリズム10は、第1斜面13に回転軸Cと平行に入力した光を第1底面11での全反射を介して第2斜面14から回転軸Cと平行に出力しうるように、ドーブプリズム10の屈折率n2、第1斜面13及び第2斜面14が第1底面11となす角θ、ドーブプリズム10が回転軸(光軸)Cと交わる長さ(ドーブプリズム10内を通過する回転軸(光軸)Cの長さ)M及び第1底面11と回転軸(光軸)Cとの距離N等が適切に設定されている。
また、ドーブプリズム10は、ドーブプリズム10の第1斜面13に回転軸Cと平行に入力した入射光Lを第2斜面14から回転軸Cと平行に出力し、かつ、ドーブプリズム10の第2斜面14に回転軸Cと平行に入力した後述する各特定反射光V1〜V5を第1斜面13から回転軸Cと平行に出力しうるように、ドーブプリズム10の屈折率n2、第1斜面13及び第2斜面14が第1底面11となす角θ、ドーブプリズム10が回転軸(光軸)Cと交わる長さ(ドーブプリズム10内を通過する回転軸(光軸)Cの長さ)M及び第1底面11と回転軸(光軸)Cとの距離N等が適切に設定されている。
なお、ドーブプリズム10における回転軸Cの位置は、第1斜面13に回転軸C上で回転軸Cと平行に入力した光が第2斜面14から回転軸C上で回転軸Cと平行に出力するように定めている。
これにより、ドーブプリズム10の第1斜面13に回転軸Cと平行に入力する入射光Lの入力位置をPとし、ドーブプリズム10の第2斜面14から回転軸Cと平行に出力する入射光Lの出力位置をQとしたとき、回転軸(光軸)Cからの入力位置Pの距離dPと回転軸(光軸)Cからの出力位置Qの距離dQとは等しくなる(dP=dQ)ように、ドーブプリズム10が設定されている。なお、入力位置Pと出力位置Qとは回転軸Cに関して軸対称となり、入力位置P及び出力位置Qは回転軸Cに関して互いに反対側となる。
したがって、後述する光源20から発せられた入射光Lは、ドーブプリズム10の第1斜面13の所定の入力位置Pに回転軸Cと平行に入力して屈折界面としての第1斜面13で所定角度に屈折し、第1底面11で全反射してから、屈折界面としての第2斜面14で所定角度に屈折することで、ドーブプリズム10の第2斜面14の所定の出力位置Qから回転軸Cと平行に出力し、入力位置P及び出力位置Qの回転軸Cからの距離dP及びdQが互いに等しくなる(dP=dQ)。
ドーブプリズム10は、第1底面11及び第2底面12が回転軸Cと平行に延びた状態で、回転軸Cを中心に回転可能となるように、筺体5に保持されている。具体的には、図2に示されるように、ドーブプリズム10はリング状回転ガイド15に固定されており、このリング状回転ガイド15は、リング状回転ガイド15の外周に周方向に等間隔で配設された第1ギア16、第2ギア17及び第3ギア18等を介して、筺体5に回転可能に保持されている。第1ギア16は回転駆動源としてのモータ(図示せず)を具備している。本実施形態の測色装置では、図示しないスイッチ類の操作により第1ギア16が具備するモータの回転駆動を制御することにより、リング状回転ガイド15をドーブプリズム10と共に筺体5に対して必要な角度Aだけ正確に回転させることができるようになっている。
入射手段1は、被測定面Wの測定点Wpに所定の入射角で入射光Lを入射させるもので、光源20と、入射光路変更手段30とを備えている。
光源20は、図示しないスイッチ類の操作により所定の光を発するものであり、筺体5の所定位置に固定、保持されている。この光源20は、光源20から発せられる光を平行光にするレンズ系21を備えている。このため、光源20から発せられた入射光(平行入射光)Lは、ドーブプリズム10の第1斜面13の所定位置(所定の入力位置P)に回転軸Cと平行に入力する。
入射光路変更手段30は、ドーブプリズム10の第2斜面14の所定位置(所定の出力位置Q)から回転軸Cと平行に出力した入射光Lの光路を変更して所定の入射角で被測定面Wの測定点Wpに入射光Lを入射させる。本実施形態の測色装置では、この入射光路変更手段30として、第1リング型ミラー31と、第2リング型ミラー32とを有している。第1リング型ミラー31は、ドーブプリズム10の第2斜面14から回転軸Cと平行に出力した入射光Lを、回転軸Cから離れる方向(回転軸Cを中心として想定した円や第1リング型ミラー31の遠心方向)に所定角度で反射させる。第2リング型ミラー32は、第1リング型ミラー31で反射した入射光Lを所定角度で反射させて、被特定面Wの測定点Wpに所定の入射角で入射させる。
検出手段2は、前記入射光が被測定面Wの測定点Wpで特定の受光変角をもって反射した特定反射光Vを受光して該特定反射光Vの反射特性を検出するもので、反射光路変更手段40と、複数の受光素子(受光センサ)50a〜50eとを備えている。
反射光路変更手段40は、被測定面Wの測定点Wpで複数の特定の受光変角をもって反射した複数の特定反射光Vの光路をそれぞれ変更して、ドーブプリズム10の第2斜面14の所定位置に回転軸Cと平行に該特定反射光Vを入力する。本実施形態の測色装置では、この反射光路変更手段40として、5個の第1リング型ミラー41a〜41eと、5個の第2リング型ミラー42a〜42eとを有している。第1リング型ミラー41a〜41eは、被測定面Wの測定点Wpで5個の特定の受光変角で反射した特定反射光V1〜V5を、回転軸Cに近付く方向(回転軸Cを中心として想定した円や第1リング型ミラー41a〜41eの求心方向)にそれぞれ所定角度で反射させる。第2リング型ミラー42a〜42eは、第1リング型ミラー41a〜41eで反射した5個の特定反射光V1〜V5をそれぞれ所定角度で反射させて、ドーブプリズム10の第2斜面14の所定位置に回転軸Cと平行に特定反射光V1〜V5を入力する。
被測定面Wの測定点Wpで特定の受光変角で反射し、反射光路変更手段40により光路を変更されてドーブプリズム10の第2斜面14の所定位置に回転軸Cと平行に入力した各特定反射光V1〜V5は、屈折界面としての第1斜面14でそれぞれ所定角度に屈折し、第1底面11で全反射してから、屈折界面としての第1斜面13でそれぞれ所定角度に屈折することで、ドーブプリズム10の第1斜面13の所定位置から回転Cと平行に出力する。
なお、特定反射光Vの第2斜面14への入力位置と、特定反射光Vの第1斜面13からの出力位置との関係は、入射光Lの場合と同様、回転軸Cに関して軸対称であり、回転軸Cからの距離が互いに等しい関係にある。
本実施形態の測色装置では、第1リング型ミラー41a及び第2リング型ミラー42aが受光変角α1=10度の特定反射光V1の光路を変更するためのものであり、第1リング型ミラー41b及び第2リング型ミラー42bが受光変角α2=18度の特定反射光V2の光路を変更するためのものであり、第1リング型ミラー41c及び第2リング型ミラー42cが受光変角α3=28度の特定反射光V3の光路を変更するためのものであり、第1リング型ミラー41d及び第2リング型ミラー42dが受光変角α4=40度の特定反射光V4の光路を変更するためのものであり、第1リング型ミラー41e及び第2リング型ミラー42eが受光変角α5=90度の特定反射光V5の光路を変更するためのものである。
入射光路変更手段30としての第1リング型ミラー31及び第2リング型ミラー32は、図3に示されるように、3本の支持部材33を介して、筺体5に着脱自在に取り付けられて固定されている。同様に、反射光路変更手段40としての第1リング型ミラー41a〜41e及び第2リング型ミラー42a〜42eは、図4に示されるように、4本の支持部材34を介して、筺体5に着脱自在に取り付けられて固定されている。これらの支持部材33及び34は、いずれも予め分光透過率が測定されている透明体よりなる。支持部材33又は34を通過する光は、透明体よりなる支持部材33又は34内における光の吸収及び散乱により、光の強度(分光放射輝度)が減衰する。そこで、支持部材33又は34の分光透過率τ(λ)を予め測定しておき、支持部材33又は34への入力光の本当の光の強度を補正により求めるようにする。すなわち、予め測定した支持部材33又は34の分光透過率τ(λ)を、
τ(λ)=I2(λ)/I1(λ)
(I1(λ):支持部材33又は34への入力光の強度(分光放射輝度)
I2(λ):支持部材33又は34からの出力光の強度(分光放射輝度))
とすると、支持部材33又は34からの出力光の強度L(λ)がわかっており、支持部材33又は34への入力光の強度X(λ)を知りたいときは、
X(λ)=L(λ)/τ(λ)
によって、補正により求める。
本実施形態の測色装置において、被測定面Wに対する入射光Lの入射角を変更する際は、着脱可能に取り付けられた、入射光路変更手段30としての第1リング型ミラー31及び第2リング型ミラー32を、大きさや反射角度の異なる別の組み合わせの第1リング型ミラー31及び第2リング型ミラー32に取り替える。同様に、測定する特定反射光Vの受光変角を変更する際は、着脱可能に取り付けられた、反射光路変更手段40としての第1リング型ミラー41a〜41e及び第2リング型ミラー42a〜42eを、大きさや反射角度の異なる別の組み合わせの第1リング型ミラー41a〜41e及び第2リング型ミラー42a〜42eに取り替える。
なお、本実施形態の測色装置では、測定する特定反射光Vの受光変角の数を5個としているが、これに限定されないことは勿論である。また、入射光路変更手段30としての第1リング型ミラー31及び第2リング型ミラー32並びに反射光路変更手段40としての第1リング型ミラー41a〜41e及び第2リング型ミラー42a〜42eのうちの一部について、リング型ミラーの代わりに円錐型ミラーを採用してもよい。
受光素子50a〜50eは、ドーブプリズム10の第1斜面13の所定位置から回転Cと平行に出力した5個の特定反射光V1〜V5を受光し、各特定反射光V1〜V5の反射特性を測定する。これらの受光素子50a〜50eは、筺体5の所定位置に固定、保持されている。本実施形態の測色装置では、受光素子50aが受光変角α1=10度の特定反射光V1を受光するためのものであり、受光素子50bが受光変角α2=18度の特定反射光V2を受光するためのものであり、受光素子50cが受光変角α3=28度の特定反射光V3を受光するためのものであり、受光素子50dが受光変角α4=40度の特定反射光V4を受光するためのものであり、受光素子50eが受光変角α5=90度の特定反射光V5を受光するためのものである。
図2に示されるように、光源20及び受光素子50a〜50eは、回転軸Cと直角に交わる平面上であって回転軸Cと交わる直線上に配列されている。また、光源20及び受光素子50a〜50eは、回転軸Cを中心にドーブプリズム10がいかなる角度で回転した場合であっても、光源20から回転軸Cと平行に発せられた入射光Lがドーブプリズム10の第1斜面13に入力し、かつ、ドーブプリズム10の第1斜面13から回転軸Cと平行に出力した5個の特定反射光V1〜V5が各受光素子50a〜50eに受光されうるように配置されている。すなわち、光源20及び受光素子50a〜80eは、ドーブプリズム10の第1斜面13の中心線(回転軸Cを通る、第1斜面13の中心線)のうち最も短い中心線を直径とする想定円の投影面内に配置されている。本実施形態の測色装置では、ドーブプリズム10の第1斜面13及び第2斜面14の形状は正方形であるため、この正方形の一辺の長さを直径の長さとし、かつ、回転軸Cを中心とする想定円の投影面内に、光源20及び受光素子50a〜50eが配置されている。
垂直検出手段4は、被測定面Wに対して回転軸Cが垂直であるか否かを検出する。本実施形態の測色装置では、垂直検出手段4は、被測定面Wの測定点Wpに所定の入射角で入射した入射光Lの正反射光Sが所定位置に導かれるか否かにより回転軸Cが垂直であるか否かを判断する。本実施形態における垂直検出手段4は、複数の垂直チェック用第1〜第4リング型ミラー61〜64と、垂直チェック板65とを備えている。
垂直チェック板65は、光が照射された位置が視認できるように半透明なスリガラスよりなり、筺体5内であって本実施形態の測色装置の外部から測定者が視認することができる位置に配設されて、筺体5に固定、保持されている。また、この垂直チェック板65には、中心点Oと、光が照射された位置の中心点からのズレ量やズレ方向が確認できるように、中心点Oを中心とする複数の同心円、中心点Oで交差する十字線や中心点Oからの複数の放射線等よりなるズレ確認線が描かれている。
各垂直チェック用第1〜第4リング型ミラー61〜64は、本実施形態の測色装置が被測定面Wに対して正確に垂直である場合に、被測定面Wの測定点Wpで正反射した正反射光Sを垂直チェック板65の中心点Oに正確に導くように位置及び角度が調整されて、筺体5に固定、保持されている。
加えて、本実施形態の測色装置は、図5〜図8に示されるように、筺体5に固定、保持された第1光路スリット板71及び第2光路スリット板72をさらに備えている。これら第1光路スリット板71及び第2光路スリット板72には、測定に必要な入射光L及び特定反射光V1〜V5並びに垂直チェックに必要な正反射光Sのみを通過させ、入射光Lが被測定面W以外で反射した反射光、並びに入射光Lが被測定面Wで反射した反射光のうち特定反射光V1〜V5及び正反射光S以外の反射光を通過させないように、所定形状のスリットが形成されている。これにより、各受光素子50a〜50eには、各特定反射光V1〜V5のみがそれぞれ受光されるようになっている。
上記構成を有する本実施形態の測色装置を用いて被測定面Wを測定する際は、この測色装置を被測定面Wに対して垂直となるように配置する。このとき、垂直検出手段4を利用して、測色装置における回転軸Cが被測定面Wに対して正確に垂直となっていることを確認する。すなわち、光源20から入射光Lを発することで、ドーブプリズム10及び入射光路変更手段30を介して被測定面Wの測定点Wpに所定の入射角で入射した入射光Lの正反射光Sが、垂直チェック用第1〜第4リング型ミラー61〜64により導かれて垂直チェック板65の中心点Oに正確に当たっていることを確認する。仮に正反射光Sが垂直チェック板65の中心点Oからずれている場合は、測色装置における回転軸Cが被測定面Wと垂直になっていないので、正反射光Sが垂直チェック板65の中心点Oに正確に導かれるように、被測定面Wに対する測色装置の配置を調整する。
そして、測色装置における回転軸Cを被測定面Wに対して正確に垂直とした状態で、測定点Wpで特定の受光変角α1〜α5で反射した入射光Lの特定反射光V1〜V5を、受光素子50a〜50eで受光して反射特性を測定する。
すなわち、光源20から回転軸Cと平行に発せられた入射光Lは、ドーブプリズム10の第1斜面13の所定位置(所定の入力位置P)に入力する。ドーブプリズム10の第1斜面13の所定位置に回転軸Cと平行に入力した入射光Lは、第1斜面13での屈折、第1底面11で全反射及び第2斜面14での屈折を介して、ドーブプリズム10の第2斜面14の所定位置(所定の出力位置Q)から回転軸Cと平行に出力する。ドーブプリズム10の第2斜面14の所定位置から回転軸Cと平行に出力した入射光Lは、入射光路変更手段30としての第1リング型ミラー31及び第2リング型ミラー32により、被測定面Wの測定点Wpに所定の入射角(例えば、60度)で入射させられる。
そして、被測定面Wの測定点Wpで特定の受光変角α1〜α5で反射した入射光Lの各特定反射光V1〜V5は、反射光路変更手段40としての第1リング型ミラー41a〜41e及び第2リング型ミラー42a〜42eにより、ドーブプリズム10の第2斜面14のそれぞれ所定位置に回転軸Cと平行に入力する。ドーブプリズム10の第2斜面14の所定位置に回転軸Cと平行に入力した各特定反射光V1〜V5は、第2斜面14での屈折、第1底面11で全反射及び第1斜面13での屈折を介して、ドーブプリズム10の第1斜面13のそれぞれ所定位置から回転軸Cと平行に出力する。ドーブプリズム10の第1斜面13の所定位置から回転軸Cと平行に出力した各特定反射光V1〜V5は、それぞれ受光素子50a〜50eに受光されて、反射特性が測定される。
このような測色過程において、本実施形態の測色装置では、入射面変更手段3により、入射光Lの被測定面Wに対する入射面の方位角を任意に変化させることができる。すなわち、本実施形態の測色装置では、図示しないスイッチ類の操作により第1ギア16が具備するモータの回転駆動を制御することにより、リング状回転ガイド15と共にドーブプリズム10を回転軸C回りに角度Aだけ回転させることにより、被測定面Wに入射する入射光Lの、被測定面Wに対する入射面の方位角を2Aの角度で回転させることができる。
ドーブプリズム10の回転角度A=0度のときは、図5に示されるように、ドーブプリズム10の第1底面11が図5の下方に位置し、かつ第1底面11及び第2底面12が水平に延在している。このとき、被測定面Wに対する入射光Lの入射面は、図5における紙面と平行な方向である。
そして、例えば、ドーブプリズム10を回転軸C回りに反時計回り方向(回転軸Cを光源20側から被測定面W側を見て反時計回り方向)に回転角度A=90度で回転させたときは、図6に示されるように、ドーブプリズム10の第2底面12が図6の紙面手前側に位置し、かつ第1底面11及び第2底面12が垂直に延在している。このとき、被測定面Wに対する入射光Lの入射面は、図5における紙面と平行な方向であり、かつ回転角度A=0度のときの入射面に対して方位角が180度回転している。
また、ドーブプリズム10を回転軸C回りに前記反時計回り方向に回転角度A=180度で回転させたときは、図7に示されるように、ドーブプリズム10の第1底面11が図7の上方に位置し、かつ第1底面11及び第2底面12が水平に延在している。このとき、被測定面Wに対する入射光Lの入射面は、図7における紙面と平行な方向であり、かつ回転角度A=0度のときの入射面に対して方位角が360度回転している(回転角度A=0度のときの入射面の方位角に戻る)。
また、ドーブプリズム10を回転軸C回りに前記反時計回り方向に回転角度A=270度で回転させたときは、図8に示されるように、ドーブプリズム10の第2底面12が図8の紙面手前側に位置し、かつ第1底面11及び第2底面12が垂直に延在している。このとき、被測定面Wに対する入射光Lの入射面は、図5における紙面と平行な方向であり、かつ回転角度A=0度のときの入射面に対して方位角が540度、すなわち180度回転している。
なお、ドーブプリズム10の回転角度Aを15度、30度、45度又は60度等として、例えば15度ずつドーブプリズム10を回転させてそれぞれの回転角度で反射特性を測定し、その平均をとる際に、回転角度Aを小さくして細かく測定すればするほど、正確な測定が可能となる。
このように、ドーブプリズム10を回転軸C回りに前記反時計回り方向に所定の回転角度Aだけ回転させることにより、被測定面Wに対する入射光Lの入射面の方位角を角度2Aだけ回転させることができるので、この回転角度Aを任意に変化させることにより、被測定面Wに対する入射光Lの入射面の方位角を任意に変化させることが可能となる。
このため、本実施形態の測色装置では、ドーブプリズム10の回転により入射光Lの入射面の方位角を無段階に変化させることで、測色装置の向きを変えたり、あるいは光源20及び受光素子50a〜50eを回転させたりすることなく、あらゆる方位角の入射面をもつ入射光Lを被測定面Wに入射して、あらゆる方位角の入射面における反射特性を検出することができる。
したがって、被測定面Wが、塗装ムラや方向性をもつ光輝材等により異方性をもつ塗装面であったとしても、入射面毎にそれぞれ検出した反射特性を平均化すれば、容易且つ正確に反射特性を把握することが可能となる。
また、本実施形態の測色装置では、入射光Lの入射面の方位角を変化させるために複数の光源を利用していない。このため、劣化等による各光源のバラツキにより測定誤差が生じるようなこともない。
さらに、本実施形態の測色装置では、入射光路変更手段30としての第1リング型ミラー31及び第2リング型ミラー32を、大きさや反射角度の異なる別の組み合わせのものに取り替えることにより、被測定面Wに対する入射光Lの入射角を任意に変更することができる。同様に、反射光路変更手段40としての第1リング型ミラー41a〜41e及び第2リング型ミラー42a〜42eを、大きさや反射角度の異なる別の組み合わせのものに取り替えることにより、測定する特定反射光Vの受光変角を任意に変更することができる。そして、本実施形態の測色装置では、このようなリング型ミラー等の組み合わせにより、入射光路変更手段30及び反射光路変更手段40が構成されているため、光学器具としてのドーブプリズム10のサイズを大型化させることなく、入射光Lの入射角や特定反射光Vの受光変角を任意に変更することが可能となる。
また、本実施形態の測色装置では、入射面変更手段3が具備する光学器具として、所定形状を有する単一のドーブプリズム10を用いているので、光学器具自体の構造や光学器具を回転させる機構の簡素化を図ることができるとともに、複数のミラーの組み合わせを採用する場合と比較して、光学機器の大型化を避けるのに有利となる。
さらに、本実施形態の測色装置では、光源20が回転軸Cと平行な入射光Lを発するものであるため、光源20から発せられて光学機器としてのドーブプリズム10の第1斜面13に入力して該第1斜面13において所定角度で屈折した入射光Lは、第1底面11で全反射することになる。このため、ドーブプリズム10の第1底面11を別途鏡面加工することなく、第1底面11を透過する光により測定誤差が発生することを確実に阻止することが可能となる。
加えて、本実施形態の測色装置は、垂直検出手段4により、被測定面Wに対して測色装置における回転軸Cが確実に垂直になっていることを確かめることができるので、より正確な測定結果を得ることが可能となる。
また、この垂直検出手段4は、拡散部の反射率の測定では通常、反射特性を検出することのない正反射光Sを利用して垂直検出するものであるから、正反射光Sを逃がす等の処理が不要となり都合がよい。
さらに、本実施形態の測色装置では、第1光路スリット板71及び第2光路スリット板72により、各受光素子50a〜50eに各特定反射光V1〜V5のみがそれぞれ受光されるようになっているため、受光素子50a〜50eが余分な反射光を受光することにより発生する測定誤差を防止することができる。
なお、前記台形柱形状のドーブプリズム10において、第1斜面13及び第2斜面14をそのまま延ばし交差させて前記第2底面12を無くした、断面二等辺三角形の二等辺三角柱形状のプリズムとしてもよい。
(実施形態2)
本実施形態は、入射面変更手段3が具備する光学器具として、ドーブプリズム10の代わりに複数のミラーの組み合わせを採用したものである。
すなわち、図9に示される本実施形態に係る光学機器は、第1ミラー81と、第2ミラー82と、第3ミラー83とからなるミラー群80を備えている。これら第1ミラー81、第2ミラー82及び第3ミラー83は、図示しないリング状回転ガイドに固定、保持されている。このリング状回転ガイドは、前記実施形態1と同様、複数のギア(図示せず)を介して、筺体5に回転可能に保持されており、モータを保持したギアにより、第1ミラー81、第2ミラー82及び第3ミラー83を一体的に必要な角度Aだけ正確に回転させる。
第2ミラー82は回転軸Cと平行に延びるように配設されている。第1ミラー81及び第3ミラー83は、第2ミラー82となす角が互いに等しくなるように、第2ミラー82に対して所定の傾斜角度で傾斜して対向するように配設されている。
また、これら第1ミラー81、第2ミラー82及び第3ミラー83よりなるミラー群80は、第1ミラー81に回転軸Cと平行に入力した光を第2ミラー82での全反射を介して第3ミラー83から回転軸Cと平行に出力しうるように、また、第1ミラー81に回転軸Cと平行に入力した入射光Lを第2ミラー82での反射を介して第3ミラー83から回転軸Cと平行に出力し、かつ、第3ミラー83に回転軸Cと平行に入力した各特定反射光V1〜V5を第2ミラー82での反射を介して第1ミラー81から回転軸Cと平行に出力しうるように、各ミラーの大きさ、第2ミラー82に対する第1ミラー81及び第3ミラー83の位置や角度等が適切に設定されている。
なお、ミラー群80における回転軸Cの位置は、第1ミラー81に回転軸C上で回転軸Cと平行に入力した光が第3ミラー83から回転軸C上で回転軸Cと平行に出力するように定めている。
これにより、第1ミラー81に回転軸Cと平行に入力する入射光Lの入力位置をPとし、第3ミラー83から回転軸Cと平行に出力する入射光Lの出力位置をQとしたとき、回転軸(光軸)Cからの入力位置Pの距離dPと回転軸(光軸)Cからの出力位置Qの距離dQとは等しくなる(dP=dQ)ように、ミラー群80が設定されている。
したがって、光源20から発せられた入射光Lは、第1ミラー81の所定の入力位置Pに回転軸Cと平行に入力して反射面としての第1ミラー81で所定角度に反射し、第2ミラー82で全反射してから、反射面としての第3ミラー83で所定角度に反射することで、第3ミラー83の所定の出力位置Qから回転軸Cと平行に出力し、入力位置P及び出力位置Qの回転軸Cからの距離dP及びdQが互いに等しくなる(dP=dQ)。
その他の構成及び作用効果は、前記実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
(実施形態3)
本実施形態は、入射面変更手段3が具備する光学器具として、ドーブプリズム10の代わりに、金属コーティングによりミラー化した底面及び2つの斜面を有する多角形状プリズム90を採用したものである。
すなわち、図10に示される本実施形態に係る光学機器は、多角形(五角形)状プリズム90を備えている。この多角形状プリズム90は、図示しないリング状回転ガイドに固定、保持されている。このリング状回転ガイドは、前記実施形態1と同様、複数のギア(図示せず)を介して、筺体5に回転可能に保持されており、モータを保持したギアにより、多角形状プリズム90を必要な角度Aだけ正確に回転させる。
多角形状プリズム90は、回転軸Cと平行に延びる底面91と、この底面91となす角が互いに等しく、かつ、底面91に対して対向しつつ所定の傾斜角度で傾斜する、金属加工等によりミラー化された第1傾斜鏡面92及び第2傾斜鏡面93とを有している。
また、この多角形状プリズム90は、第1傾斜鏡面92に回転軸Cと平行に入力した光を底面91での全反射を介して第2傾斜鏡面93から回転軸Cと平行に出力しうるように、また、第1傾斜鏡面92に回転軸Cと平行に入力した入射光Lを底面91での反射を介して第2傾斜鏡面93から回転軸Cと平行に出力し、かつ、第2傾斜鏡面93に回転軸Cと平行に入力した各特定反射光V1〜V5を底面91での反射を介して第1傾斜鏡面92から回転軸Cと平行に出力しうるように、各面の大きさ、底面91に対する第1傾斜鏡面92及び第2傾斜鏡面93の位置や角度等が適切に設定されている。
なお、多角形状プリズム90における回転軸Cの位置は、第1傾斜鏡面92に回転軸C上で回転軸Cと平行に入力した光が第2傾斜鏡面93から回転軸C上で回転軸Cと平行に出力するように定めている。
これにより、第1傾斜鏡面92に回転軸Cと平行に入力する入射光Lの入力位置をPとし、第2傾斜鏡面93から回転軸Cと平行に出力する入射光Lの出力位置をQとしたとき、回転軸(光軸)Cからの入力位置Pの距離dPと回転軸(光軸)Cからの出力位置Qの距離dQとは等しくなる(dP=dQ)ように、多角形状プリズム90が設定されている。
したがって、光源20から発せられた入射光Lは、第1傾斜鏡面92の所定の入力位置Pに回転軸Cと平行に入力して反射面としての第1傾斜鏡面92で所定角度に反射し、底面91で全反射してから、反射面としての第2傾斜鏡面93で所定角度に反射することで、第2傾斜鏡面93の所定の出力位置Qから回転軸Cと平行に出力し、入力位置P及び出力位置Qの回転軸Cからの距離dP及びdQが互いに等しくなる(dP=dQ)。
この実施形態に係る多角形状プリズム90では、反射面が多角形状プリズム90内にあるため、光の反射が表面汚れに影響されないという利点がある。
その他の構成及び作用効果は、前記実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
(実施形態4)
本実施形態は、入射面変更手段3が具備する光学器具として、ドーブプリズム10の代わりに、1個の三角形状プリズムと2個のミラーとの組み合わせを採用したものである。
すなわち、図11に示される本実施形態に係る光学機器は、三角形状プリズム101と、第1ミラー102と、第2ミラー103とを備えている。これら三角形状プリズム101、第1ミラー102及び第2ミラー103は、図示しないリング状回転ガイドに固定、保持されている。このリング状回転ガイドは、前記実施形態1と同様、複数のギア(図示せず)を介して、筺体5に回転可能に保持されており、モータを保持したギアにより、三角形状プリズム101、第1ミラー102及び第2ミラー103を一体的に必要な角度Aだけ正確に回転させる。
第2ミラー103は回転軸Cと平行に延びるように配設されている。三角形状プリズム101は、金属コーティング等によりミラー化された傾斜鏡面104を有している。第1ミラー102及び三角形状プリズム101の傾斜鏡面104は、第2ミラー103となす角が互いに等しくなるように、第2ミラー103に対して所定の傾斜角度で傾斜して対向するように配設されている。また、第1ミラー102に入力した入射光Lが、第1ミラー102及び第2ミラー103での反射を介して、三角形状プリズム101の底面105に垂直に入射するように、すなわち第2ミラー103で反射した入射光Lが底面105を直進するように、三角形状プリズム101等が設定されている。
また、これら第1ミラー102、第2ミラー103及び三角形状プリズム101は、第1ミラー102に回転軸Cと平行に入力した光を第2ミラー103での全反射を介して三角形状プリズム101の傾斜鏡面104から回転軸Cと平行に出力しうるように、また、第1ミラー102に回転軸Cと平行に入力した入射光Lを第2ミラー103での反射を介して三角形状プリズム101の傾斜鏡面104から回転軸Cと平行に出力し、かつ、三角形状プリズム101の傾斜鏡面104に回転軸Cと平行に入力した各特定反射光V1〜V5を第2ミラー103での反射を介して第1ミラー102から回転軸Cと平行に出力しうるように、各ミラーや傾斜鏡面104の大きさ、第2ミラー103に対する第1ミラー102及び傾斜鏡面104の位置や角度等が適切に設定されている。
なお、第1ミラー102、第2ミラー103及び三角形状プリズム101における回転軸Cの位置は、第1ミラー102に回転軸Cと平行に入力した光が三角形状プリズム101の傾斜鏡面104から回転軸Cと平行に出力するように定めている。
これにより、第1ミラー102に回転軸Cと平行に入力する入射光Lの入力位置をPとし、三角形状プリズム101の傾斜鏡面104から回転軸Cと平行に出力する入射光Lの出力位置をQとしたとき、回転軸(光軸)Cからの入力位置Pの距離dPと回転軸(光軸)Cからの出力位置Qの距離dQとは等しくなる(dP=dQ)ように、第1ミラー102、第2ミラー103及び三角形状プリズム101が設定されている。
したがって、光源20から発せられた入射光Lは、第1ミラー102の所定の入力位置Pに回転軸Cと平行に入力して反射面としての第1ミラー102で所定角度に反射し、第2ミラー103で全反射してから、三角形状プリズム101の反射面としての傾斜鏡面104で所定角度に反射することで、傾斜鏡面104の所定の出力位置Qから回転軸Cと平行に出力し、入力位置P及び出力位置Qの回転軸Cからの距離dP及びdQが互いに等しくなる(dP=dQ)。
その他の構成及び作用効果は、前記実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
(実施形態5)
本実施形態は、入射面変更手段3が具備する光学器具として、ドーブプリズム10の代わりに、1個の多角形状プリズムと1個のミラーとの組み合わせを採用したものである。
すなわち、図12に示される本実施形態に係る光学機器は、多角形状プリズム111と、ミラー112とを備えている。これら多角形状プリズム111及びミラー112は、図示しないリング状回転ガイドに固定、保持されている。このリング状回転ガイドは、前記実施形態1と同様、複数のギア(図示せず)を介して、筺体5に回転可能に保持されており、モータを保持したギアにより、多角形状プリズム111及びミラー112を一体的に必要な角度Aだけ正確に回転させる。
多角形状プリズム111は、金属コーティング等によりミラー化された底鏡面113と、同じく金属コーティング等によりミラー化された傾斜鏡面114とを有している。この多角形状プリズム111は、底鏡面113が回転軸Cと平行に延びるように配設されている。また、ミラー112及び多角形状プリズム111の傾斜鏡面114は、底鏡面113となす角が互いに等しくなるように、底鏡面113に対して所定の傾斜角度で傾斜して対向するように配設されている。さらに、多角形状プリズム111は傾斜面115を有している。そして、ミラー112で反射した入射光Lがこの傾斜面115に垂直に入射するように、すなわちミラー112で反射した入射光Lが傾斜面115を直進するように、多角形状プリズム111等が設定されている。
また、これらミラー112及び多角形状プリズム111は、ミラー112に回転軸Cと平行に入力した光を多角形状プリズム111の底鏡面113での全反射を介して多角形状プリズム111の傾斜鏡面114から回転軸Cと平行に出力しうるように、また、ミラー112に回転軸Cと平行に入力した入射光Lを多角形状プリズム111の底鏡面113での反射を介して多角形状プリズム111の傾斜鏡面114から回転軸Cと平行に出力し、かつ、多角形状プリズム111の傾斜鏡面114に回転軸Cと平行に入力した各特定反射光V1〜V5を多角形状プリズム111の底鏡面113での反射を介してミラー112から回転軸Cと平行に出力しうるように、ミラー112や傾斜鏡面111等の大きさ、底鏡面113に対する傾斜鏡面114及びミラー112の位置や角度等が適切に設定されている。
なお、ミラー112及び多角形状プリズム111における回転軸Cの位置は、ミラー112に回転軸Cと平行に入力した光が多角形状プリズム111の傾斜鏡面114から回転軸Cと平行に出力するように定めている。
これにより、ミラー112に回転軸Cと平行に入力する入射光Lの入力位置をPとし、多角形状プリズム111の傾斜鏡面114から回転軸Cと平行に出力する入射光Lの出力位置をQとしたとき、回転軸(光軸)Cからの入力位置Pの距離dPと回転軸(光軸)Cからの出力位置Qの距離dQとは等しくなる(dP=dQ)ように、ミラー112及び多角形状プリズム111が設定されている。
したがって、光源20から発せられた入射光Lは、ミラー112の所定の入力位置Pに回転軸Cと平行に入力して反射面としてのミラー112で所定角度に反射し、多角形状プリズム111の底鏡面113で全反射してから、多角形状プリズム111の反射面としての傾斜鏡面114で所定角度に反射することで、傾斜鏡面114の所定の出力位置Qから回転軸Cと平行に出力し、入力位置P及び出力位置Qの回転軸Cからの距離dP及びdQが互いに等しくなる(dP=dQ)。
その他の構成及び作用効果は、前記実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
(実施形態6)
本実施形態は、入射面変更手段3が具備する光学器具として、ドーブプリズム10の代わりに、1個の多角形状プリズムと2個のミラーとの組み合わせを採用したものである。
すなわち、図13に示される本実施形態に係る光学機器は、多角形状プリズム121と、第1ミラー122と、第2ミラー123とを備えている。これら多角形状プリズム121、第1ミラー122及び第2ミラー123は、図示しないリング状回転ガイドに固定、保持されている。このリング状回転ガイドは、前記実施形態1と同様、複数のギア(図示せず)を介して、筺体5に回転可能に保持されており、モータを保持したギアにより、多角形状プリズム121、第1ミラー122及び第2ミラー123を一体的に必要な角度Aだけ正確に回転させる。
多角形状プリズム121は、金属コーティング等によりミラー化された底鏡面124を有している。この多角形状プリズム121は、底鏡面124が回転軸Cと平行に延びるように配設されている。また、第1ミラー122及び第2ミラー123は、多角形状プリズム121の底鏡面124となす角が互いに等しくなるように、底鏡面124に対して所定の傾斜角度で傾斜して対向するように配設されている。さらに、多角形状プリズム121は第1傾斜面124及び第2傾斜面125を有している。そして、第1ミラー122で反射した入射光Lが第1傾斜面124に垂直に入射して第1傾斜面125を直進するとともに、第1傾斜面125を直進して底鏡面124で反射した入射光Lが第2傾斜面126に垂直に入射して第2傾斜面126を直進するように、多角形状プリズム121等が設定されている。
また、これら多角形状プリズム121、第1ミラー122及び第2ミラー123は、第1ミラー122に回転軸Cと平行に入力した光を多角形状プリズム121の底鏡面124での全反射を介して第2ミラー123から回転軸Cと平行に出力しうるように、また、第1ミラー122に回転軸Cと平行に入力した入射光Lを多角形状プリズム121の底鏡面124での反射を介して第2ミラー123から回転軸Cと平行に出力し、かつ、第2ミラー123に回転軸Cと平行に入力した各特定反射光V1〜V5を多角形状プリズム121の底鏡面124での反射を介して第1ミラー122から回転軸Cと平行に出力しうるように、第1ミラー122や第2ミラー123等の大きさ、底鏡面124に対する第1ミラー122及び第2ミラー123の位置や角度等が適切に設定されている。
なお、多角形状プリズム121、第1ミラー122及び第2ミラー123における回転軸Cの位置は、第1ミラー122に回転軸C上で回転軸Cと平行に入力した光が第2ミラー123から回転軸C上で回転軸Cと平行に出力するように定めている。
これにより、第1ミラー122に回転軸Cと平行に入力する入射光Lの入力位置をPとし、第2ミラー123から回転軸Cと平行に出力する入射光Lの出力位置をQとしたとき、回転軸(光軸)Cからの入力位置Pの距離dPと回転軸(光軸)Cからの出力位置Qの距離dQとは等しくなる(dP=dQ)ように、多角形状プリズム121、第1ミラー122及び第2ミラー123が設定されている。
したがって、光源20から発せられた入射光Lは、第1ミラー122の所定の入力位置Pに回転軸Cと平行に入力して反射面としての第1ミラー122で所定角度に反射し、多角形状プリズム121の底鏡面124で全反射してから、第2ミラー123で所定角度に反射することで、第2ミラー123の所定の出力位置Qから回転軸Cと平行に出力し、入力位置P及び出力位置Qの回転軸Cからの距離dP及びdQが互いに等しくなる(dP=dQ)。
その他の構成及び作用効果は、前記実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
(実施形態7)
本実施形態は、入射面変更手段3が具備する光学器具として、ドーブプリズム10の代わりに、2個の三角形状プリズムと1個のミラーとの組み合わせを採用したものである。
すなわち、図14に示される本実施形態に係る光学機器は、第1三角形状プリズム131と、ミラー132と、第2三角形状プリズム133とを備えている。これら第1三角形状プリズム131、ミラー132及び第2三角形状プリズム133は、図示しないリング状回転ドに固定、保持されている。このリング状回転ガイドは、前記実施形態1と同様、複数のギア(図示せず)を介して、筺体5に回転可能に保持されており、モータを保持したギアにより、第1三角形状プリズム131、ミラー132及び第2三角形状プリズム133を一体的に必要な角度Aだけ正確に回転させる。
ミラー132は回転軸Cと平行に延びるように配設されている。第1三角形状プリズム131は、金属コーティング等によりミラー化された第1傾斜鏡面134を有している。同様に、第2三角形状プリズム133は、金属コーティング等によりミラー化された第2傾斜鏡面135を有している。第1三角形状プリズム131の第1傾斜鏡面134及び第2三角形状プリズム133の第2傾斜鏡面135は、ミラー132となす角が互いに等しくなるように、ミラー132に対して所定の傾斜角度で傾斜して対向するように配設されている。また、第1三角形状プリズム131の第1傾斜鏡面134に入力して反射した入射光Lが、第1三角形状プリズム131の第1底面136に垂直に入射して直進するとともに、この第1底面136を直進してミラー132で反射した入射光Lが、第2三角形状プリズム133の第2底面137に垂直に入射して直進するように、第1三角形状プリズム131及び第2三角形状プリズム133等が設定されている。
また、これら第1三角形状プリズム131、ミラー132及び第2三角形状プリズム133は、第1三角形状プリズム131の第1傾斜鏡面134に回転軸Cと平行に入力した光をミラー132での全反射を介して第2三角形状プリズム133の第2傾斜鏡面135から回転軸Cと平行に出力しうるように、また、第1三角形状プリズム131の第1傾斜鏡面134に回転軸Cと平行に入力した入射光Lをミラー132での反射を介して第2三角形状プリズム133の第2傾斜鏡面135から回転軸Cと平行に出力し、かつ、第2三角形状プリズム133の第2傾斜鏡面135に回転軸Cと平行に入力した各特定反射光V1〜V5をミラー132での反射を介して第1三角形状プリズム131の第1傾斜鏡面134から回転軸Cと平行に出力しうるように、第1傾斜鏡面134及び第2傾斜鏡面135の大きさ、ミラー132に対する第1傾斜鏡面134及び第2傾斜鏡面135の位置や角度等が適切に設定されている。
なお、第1三角形状プリズム131、ミラー132及び第2三角形状プリズム133における回転軸Cの位置は、第1三角形状プリズム131の第1傾斜鏡面134に回転軸Cと平行に入力した光が第2三角形状プリズム133の第2傾斜鏡面135から回転軸Cと平行に出力するように定めている。
これにより、第1三角形状プリズム131の第1傾斜鏡面134に回転軸Cと平行に入力する入射光Lの入力位置をPとし、第2三角形状プリズム133の第2傾斜鏡面135から回転軸Cと平行に出力する入射光Lの出力位置をQとしたとき、回転軸(光軸)Cからの入力位置Pの距離dPと回転軸(光軸)Cからの出力位置Qの距離dQとは等しくなる(dP=dQ)ように、第1三角プリズム131、ミラー132及び第2三角形状プリズム133が設定されている。
したがって、光源20から発せられた入射光Lは、第1三角形状プリズム131の第1傾斜鏡面134の所定の入力位置Pに回転軸Cと平行に入力して反射面としての第1傾斜鏡面134で所定角度に反射し、ミラー132で全反射してから、第2三角形状プリズム133の反射面としての第2傾斜鏡面135で所定角度に反射することで、第2傾斜鏡面135の所定の出力位置Qから回転軸Cと平行に出力し、入力位置P及び出力位置Qの回転軸Cからの距離dP及びdQが互いに等しくなる(dP=dQ)。
その他の構成及び作用効果は、前記実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
(実施形態8)
本実施形態は、入射光路変更手段30及び反射光路変更手段40の構成要素を変更したものである。
すなわち、図15に示される本実施形態に係る測色装置は、入射光路変更手段30として、リング型プリズム33と、リング型ミラー34とを有している。リング型プリズム33は、ドーブプリズム10の第2斜面14から回転軸Cと平行に出力した入射光Lを、回転軸Cから離れる方向(回転軸Cを中心として想定した円やリング型プリズム33の遠心方向)に所定角度で屈折させる。リング型ミラー34は、リング型プリズム33で屈折した入射光Lを所定角度で反射させて、被特定面Wの測定点Wpに所定の入射角で入射させる。
また、この実施形態に係る測色装置は、反射光路変更手段40として、第1〜第3リング型プリズム43〜45と、部分的な円錐面をもつ円錐型プリズム46とを有している。第1リング型プリズム43及び第2リング型プリズム44は、被測定面Wの測定点Wpで5個の特定の受光変角で反射した特定反射光V1〜V5を、回転軸Cに近付く方向(回転軸Cを中心として想定した円や第1リング型プリズム43の求心方向)にそれぞれ所定角度で屈折させる。第3リング型プリズム45及び円錐型プリズム46は、第1リング型プリズム43及び第2リング型プリズム44で屈折した5個の特定反射光V1〜V5をそれぞれ所定角度で屈折させて、ドーブプリズム10の第2斜面14の所定位置に回転軸Cと平行に特定反射光V1〜V5を入力する。
本実施形態の測色装置では、第1リング型プリズム43及び第3リング型プリズム45が、受光変角α1=10度の特定反射光V1、受光変角α2=18度の特定反射光V2、受光変角α3=28度の特定反射光V3及び受光変角α4=40度の特定反射光V4の光路を変更するためのものであり、第2リング型プリズム44及び円錐形プリズム46が受光変角α5=90度の特定反射光V5の光路を変更するためのものである。
入射光路変更手段30としてのリング型プリズム33及びリング型ミラー34、並びに反射光路変更手段40としての第1〜第3リング型プリズム43〜45及び円錐型プリズム46は、前記実施形態1におけるリング型ミラーと同様、予め分光透過率が測定されている透明体よりなる複数の支持部材を介して、筺体5に着脱自在に取り付けられて固定されている。
その他の構成及び作用効果は、前記実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
(その他の実施形態)
前述の実施形態1〜8では、光源20が回転軸Cと平行な入射光Lを発する例について説明したが、光源20及び受光素子50a〜50eを、回転軸Cに傾斜して交わる平面上であって回転軸Cと交わる直線上に配列することで、回転軸Cに平行でない入射光(非平行入射光)を光学器具の所定位置に入力させる光源とすることも可能である。