以下に、本発明の好ましい実施形態に係る「液体吐出装置」および「電子部品放熱構造の製造方法」について図面を参照しながら説明する。本発明の好ましい実施形態に係る「電子部品放熱構造」については、「液体吐出装置」の一部として説明する。なお、以下の実施形態に係る「液体吐出装置」は、「インクジェットプリンタ」において用紙にインクを吐出する「インク吐出装置」であるが、本発明は、「カラーフィルタ製造装置」においてフィルタ基材に着色液を吐出する「着色液吐出装置」や「配線形成装置」において絶縁基板に導電液を吐出する「導電液吐出装置」等のような他の「液体吐出装置」にも適用可能であり、本発明を「着色液吐出装置」または「導電液吐出装置」に適用する場合には、以下の説明で記載した「液体」としての「インク」を「着色液」または「導電液」に読み替えるものとする。そして、以下の説明で記載した「下方」とは、インクを吐出する方向を意味し、「上方」とは、その反対の方向を意味し、「側方」とは、「上下方向に対して直交する方向」を意味し、「平面視形状」とは、「上側から見たときの形状」を意味するものとする。
[インクジェットプリンタの全体構成]
図1は、実施形態に係るインク吐出装置14が用いられたインクジェットプリンタ10の構成を示す平面図である。インクジェットプリンタ10は、図1に示すように、用紙Pに対してインクを吐出することによって、用紙Pの表面に画像を形成するものであり、インクを吐出するインク吐出ヘッド12を有するインク吐出装置14と、インク吐出ヘッド12にインクを供給するインク供給部16と、インク吐出装置14を直線状に往復移動させる走査部18と、インク吐出装置14の走査領域Uへ用紙Pを搬送する用紙搬送部20と、画像形成のための各種の制御を実行する制御部22とを備えている。以下には、先ず、インク供給部16、走査部18、用紙搬送部20および制御部22の構成について簡単に説明し、その後、インク吐出装置14の構成について詳細に説明する。
[インク供給部の構成]
インク供給部16は、図1に示すように、ブラック(BK)、イエロー(Y)、シアン(C)およびマゼンダ(M)の4色のインクを収容する4つのインクタンク24a〜24dと、インク吐出ヘッド12に供給されるインクの圧力変動を緩和するダンパ装置26と、インクタンク24a〜24dのそれぞれのインクをダンパ装置26へ供給する4つのインクチューブ28a〜28dとを有している。
ダンパ装置26は、図1に示すように、インク吐出ヘッド12に供給される上記4色のインクを個別に収容する4つのダンパ室(図示省略)を有するダンパ部26aと、インクチューブ28a〜28dのそれぞれが接続される4つの接続口を有するチューブコネクタ26bと、ダンパ部26aの各ダンパ室とチューブコネクタ26bの各接続口とを個別に連通する連通部26cとを有している。そして、ダンパ装置26がインク吐出ヘッド12の上方に配置されており、インクタンク24a〜24dのそれぞれがインク吐出ヘッド12よりも下方の所定位置に配置されている。インク吐出ヘッド12へインクを供給する際には、インクタンク24a〜24d内のインクが、インクチューブ28a〜28dを介してダンパ装置26に与えられ、ダンパ部26aの各ダンパ室においてインクの圧力変動が緩和された後、インク吐出ヘッド12の対応するインク流路N1〜N4(図8)へ供給される。
[走査部の構成]
走査部18は、図1に示すように、インク吐出装置14およびダンパ装置26を保持するキャリッジ30と、キャリッジ30を案内する2つの長尺板状のガイドレール32a,32bと、一方のガイドレール32aの長手方向一方端部に設けられた主動プーリ34aと、当該ガイドレール32aの長手方向他方端部に設けられた従動プーリ34bと、主動プーリ34aと従動プーリ34bとの間に掛け渡された環状の駆動ベルト36と、主動プーリ34aに回転力を付与する駆動モータ38とを有しており、駆動ベルト36に対してキャリッジ30が固定されている。したがって、駆動モータ38によって手動プーリ34aを回転させると、主動プーリ34aの回転に伴って駆動ベルト36が回転され、駆動ベルト36に固定されたキャリッジ30がガイドレール32a,32bに沿って直線状に往復移動される。なお、以下の説明においては、キャリッジ30が移動される方向を「主走査方向X」といい、「主走査方向X」に対して直交する方向を「副走査方向Y」ということにする。
キャリッジ30は、図2に示すように、副走査方向Yへ長く延びる略直方体状の箱状部材であり、インク吐出装置14を保持するホルダー部40と、ホルダー部40を挟んだ長手方向(副走査方向Y)の両側に形成され、ガイドレール32a,32bのそれぞれに主走査方向Xへ摺動自在に取り付けられる摺動部42a,42bとを有している。ホルダー部40は、図3に示すように、インク吐出装置14とダンパ装置26のダンパ部26aとを収容する収容空間Sを構成する部分であり、ホルダー部40の下面には、収容空間Sと連通する開口部44が形成されており、開口部44の内周面には、インク吐出ヘッド12の外周縁を上方から受ける突起状のヘッド受部46が形成されている。また、一方の摺動部42aの上面には、図2に示すように、ダンパ装置26のチューブコネクタ26bおよび連通部26c(図1)を収容する凹部48が形成されている。
[用紙搬送部の構成]
用紙搬送部20は、用紙Pを副走査方向Yへ搬送する用紙搬送路Rと、用紙搬送路Rにおいて走査領域Uよりも上流側に配置された上流側搬送ローラ50aと、用紙搬送路Rにおいて走査領域Uよりも下流側に配置された下流側搬送ローラ50bと、これらの搬送ローラ50a,50bを所定のタイミングで回転駆動する駆動モータ52とを有している。駆動モータ52で搬送ローラ50a,50bを回転させることによって、用紙Pを走査領域Uへ搬送すると、当該用紙Pの上面がキャリッジ30に搭載されたインク吐出ヘッド12の下面(すなわち吐出面)に対向し、当該用紙Pの上面に対する画像形成が可能になる。
[制御部の構成]
制御部22は、走査部18の駆動モータ38、用紙搬送部20の駆動モータ52およびインク吐出ヘッド12のアクチュエータユニット74(図9、図10)等の駆動部品を制御するものであり、各種の演算処理を実行する中央演算装置(CPU)および各種のプログラムまたはデータを記憶する記憶装置(RAM、ROM)を有している。また、図13に示すように、制御部22は、アクチュエータユニット74に関して、制御回路54、低圧電源回路56および高圧電源回路58を有しており、制御回路54から「イネーブル」、「ストローブ」、「データ」および「クロック」等の各種の制御信号が出力され、低圧電源回路56から「低圧系駆動電圧VDD1」および「低圧系接地電圧VSS1」が出力され、高圧電源回路58から「高圧系駆動電圧VDD2」および「高圧系接地電圧VSS2」が出力される。
[インク吐出装置の構成]
図4は、インク吐出装置14の構成を示す斜視図であり、図5は、図4におけるV−V線断面図であり、図6は、図4におけるVI−VI線断面図であり、図7は、インク吐出装置14の構成を示す分解斜視図である。
インク吐出装置14は、図7に示すように、インク吐出ヘッド12と、第1中継基板60aと、第2中継基板60bと、第1基板保持部材62aと、第2基板保持部材62bと、ヒートシンク保持部材64と、第1ヒートシンク66と、第2ヒートシンク68とを有している。以下には、これらの構成要素について順に説明する。ただし、第1中継基板60aおよび第2中継基板60bについては、インク吐出ヘッド12のフレキシブル配線基板76と一体となって配線基板G(図12)を構成していることから、配線基板Gの部品として説明する。
<インク吐出ヘッドの構成>
図8は、インク吐出ヘッド12の構成を示す分解斜視図である。インク吐出ヘッド12は、インクタンク24a〜24d(図1)から供給されたブラック(BK)、イエロー(Y)、シアン(C)およびマゼンダ(M)の4色のインクを、制御部22(図13)から与えられた各種の制御信号に基づいて複数のノズル70(図9、図10)から用紙P(図1)の上面へ向けて選択的に吐出するものであり、図8に示すように、流路ユニット72と、アクチュエータユニット74と、フレキシブル配線基板76と、シート状の接合材78と、フレーム80と、フィルタ82とを有している。
図9は、流路ユニット72の上面にアクチュエータユニット74を接合した構成を示す部分拡大平面図であり、図10は、当該構成に対してフレキシブル配線基板76を接合した構成を示す断面図である。
流路ユニット72は、図10に示すように、圧力室プレート84、アパーチャプレート86、接続流路プレート88、マニホールドプレート90およびノズルプレート92の5枚のプレートを積層することによって構成されており、これらのプレート84〜92には、エッチング等によって「凹部」または「貫通孔」が形成されている。そして、流路ユニット72においては、図9および図10に示すように、これらの「凹部」または「貫通孔」が互いに連通されることによって、インクを色ごとに溜める複数のマニホールド94と、マニホールド94のそれぞれへインクを供給する4つのインク供給口96と、マニホールド94内のインクを外部へ吐出する複数のノズル70と、複数のノズル70のそれぞれに連通する複数の圧力室98と、マニホールド94と圧力室98とを連通するアパーチャ100とが構成されている。つまり、流路ユニット72の内部には、4つのインク供給口96のそれぞれから複数のノズル70へ至る4つのインク流路N1〜N4がインクの色ごとに構成されている。
インク流路N1〜N4のそれぞれを構成する複数のノズル70は、図9に示すように、マニホールド94の両側に副走査方向Yへ並んでノズル列Lnを成すように配設されており、これに伴って、複数のノズル70のそれぞれに連通する複数の圧力室98(図10)も副走査方向Yへ並んで配設されている。なお、本実施形態では、インクの色数(4色)に応じて4つのインク流路N1〜N4を設けるようにしているが、インク流路の数は、特に限定されるものではなく、たとえば、インクの色数が1色であれば、インク流路を1つだけ設けるようにしてもよい。
アクチュエータユニット74は、図10に示すように、流路ユニット72における圧力室98の内部上面98aを構成するとともに、複数の圧力室98内に存在するインクに吐出圧を選択的に付与するものであり、振動板102と、圧電層104と、複数の個別電極106とを有している。振動板102は、ステンレス鋼等の鉄系合金、ニッケル合金、アルミニウム合金、チタン合金等の導電性を有する金属材料によって形成されており、複数の圧力室98を覆うようにして流路ユニット72の上面に接合されている。この振動板102は、圧電層104で振動されることによって圧力室98に容積変化を生じさせる機能と、複数の個別電極106と協働して圧電層104に電界を付与する機能とを併有している。圧電層104は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電材料によって形成されており、その厚み方向に分極されている。複数の個別電極106のそれぞれは、Ag−Pd等を含む導電性材料によって形成されており、図9に示すように、圧力室98(図10)に対向する電極部106aと、電極部106aから延びて形成されたランド(すなわち個別電極端子)106bとを有している。複数のランド106bは、ノズル列Lnと同じ方向(すなわち副走査方向Y)へ並んでランド列Lを成すように配設されており、隣り合う2つのランド列L間には、ランド106bが存在しない帯状領域Mが構成されている。さらに、アクチュエータユニット74の上面には、振動板102と導通する共通電極端子108(図9)が形成されており、共通電極端子108およびランド106bのそれぞれには、Agを含む金属材料からなる導電性バンプ110が形成されている。
図11は、フレキシブル配線基板76を平面上に展開したときの構成を下側から見た図である。インク吐出装置14においては、図5および図7に示すように、フレキシブル配線基板76が折り曲げて使用されるが、1つの部品としてのフレキシブル配線基板76は、図11に示すように平面状に形成されている。
フレキシブル配線基板76は、いわゆる「COF(チップ・オン・フィルム)」と称されるものであり、図11に示すように、可撓性の合成樹脂材料(ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等)からなる絶縁シート部112と、絶縁シート部112の下面に副走査方向Yへ間隔を隔てて配置された2つのドライバIC114A,114Bと、絶縁シート部112の下面に複数のランド106bおよび共通電極端子108のそれぞれに対向して配設された複数の接続端子116と、一端が対応するランド106bに接続端子116を介して電気的に接続され、ランド列L(図9)に対して平行方向へ延びて形成された複数の「接続配線」としての出力配線118aと、「接続配線」としての各種の配線118b〜118gと、絶縁シート部112における副走査方向Yの両端部に形成され、配線118b〜118gのそれぞれが接続された複数の接続端子120と、配線118a〜118gを被覆する絶縁被覆材(図示省略)とを有している。フレキシブル配線基板76においては、ランド106bに電気的に接続される接続端子116がランド106bに対向して配置されているため、フレキシブル配線基板76における「隣り合うランド列L間の帯状領域Mに対向する部分」には、配線経路が確保されており、この配線経路に出力配線118aが配設されている。なお、フレキシブル配線基板76の「配線構造」については、配線基板Gの「配線構造Gc(図13)」の説明において併せて説明する。
そして、流路ユニット72の上面外周部には、図8に示すように、シート状の接合材78を介して、4つのインク供給口96のそれぞれに対応する4つのインク導入孔80aを有する補強用のフレーム80が接合されており、フレーム80の上面における4つのインク導入孔80aに対応する部分には、インクに混入した気泡および塵埃を除去するためのフィルタ82が接合されている。
<配線基板の構成>
図12は、配線基板Gを平面上に展開したときの構成を上側から見た図であり、図13は、配線基板Gの配線構造Gcを示す回路図である。
配線基板Gは、図13に示すように、制御部22から出力された各種の制御信号(イネーブル、ストローブ、データ、クロック)、低圧系電源電圧(低圧系駆動電圧VDD1、低圧系接地電圧VSS1)および高圧系電源電圧(高圧系駆動電圧VDD2、高圧系接地電圧VSS2)に基づいてアクチュエータ駆動電圧を生成するとともに、当該アクチュエータ駆動電圧を複数の出力配線118aを通してアクチュエータユニット74の複数のランド106bへ選択的に与えるものであり、図12に示すように、一群のランド106b(図9)にアクチュエータ駆動電圧を付与するための第1フレキシブル基板F1と、他の一群のランド106b(図9)にアクチュエータ駆動電圧を付与するための第2フレキシブル基板F2とによって、略Z状になるように構成されている。
第1フレキシブル基板F1は、図12に示すように、可撓性を有し、かつ、平面上に展開したときの形状が略L状となる第1絶縁シート部F1aと、第1絶縁シート部F1aの下面または上面に形成され、一端が対応するランド106b(図9)に電気的に接続され、ランド列L(図9)に対して平行方向(すなわち副走査方向Y)へ延びて形成された複数の第1接続配線F1bと、第1絶縁シート部F1aの下面または上面に形成され、一端が第1接続配線F1bの他端に電気的に接続され、ランド列L(図9)に対して直交方向(すなわち主走査方向X)へ延びて形成された複数の第1中継配線F1cとを有している。そして、第1接続配線F1bと第1中継配線F1cとを接続する複数の第1接続部F1dが第1絶縁シート部F1aの直角に曲がる部分に配設されており、第1絶縁シート部F1aにおける第1接続配線F1bが形成された部分に第1ドライバIC114Aが搭載されている。一方、第2フレキシブル基板F2は、第1フレキシブル基板F1と同様に、第2絶縁シート部F2aと、複数の第2接続配線F2bと、複数の第2中継配線F2cとを有しており、複数の第2接続部F2dが第2絶縁シート部F2aの直角に曲がる部分に配設されており、第2絶縁シート部F2aにおける第2接続配線F2bが形成された部分に第2ドライバIC114Bが搭載されている。
本実施形態では、図12に示すように、配線基板Gの全体が略Z状に構成されており、第1中継配線F1cおよび第2中継配線F2cは、ランド列L(図9)に対して直交方向(すなわち主走査方向X)において、第1接続配線F1bおよび第2接続配線F2bのそれぞれの端部から互いに反対の方向へ延びて形成されている。したがって、第1フレキシブル基板F1および第2フレキシブル基板F2は、アクチュエータユニット74における対向する2つの端縁のそれぞれから別々の経路を引き回されることになる。なお、第1接続配線F1bおよび第2接続配線F2bのそれぞれの端部から第1中継配線F1cおよび第2中継配線F2cが延びる方向は、必ずしも互いに「反対の方向」である必要はなく、主走査方向Xにおける「同じ方向」であってもよい。第1中継配線F1cおよび第2中継配線F2cが延びる方向が「同じ方向」であれば、第1フレキシブル基板F1および第2フレキシブル基板F2を、アクチュエータユニット74における1つの端縁から重ねて引き回すことができる。
配線基板Gは、図12に示すように、フレキシブル配線基板76、第1中継基板60aおよび第2中継基板60bによって構成されているため、第1フレキシブル基板F1の構成要素F1a〜F1dおよび第2フレキシブル基板F2の構成要素F2a〜F2dは、フレキシブル配線基板76、第1中継基板60aおよび第2中継基板60bのそれぞれの構成要素に対応している。そこで、以下には、これらの対応関係について説明する。
図14は、フレキシブル配線基板76、第1中継基板60aおよび第2中継基板60bのそれぞれを平面上に展開したときの構成を上側から見た図である。
フレキシブル配線基板76は、図11に基づいて既に説明したように、絶縁シート部112と、2つのドライバIC114A,114Bと、複数の接続端子116と、配線118a〜118gと、複数の接続端子120と、絶縁被覆材(図示省略)とを有している。
第1中継基板60aは、フレキシブル配線基板76とキャリッジ基板122(図13)とを導通するものであり、図14に示すように、絶縁シート部124と、絶縁シート部124の上面に形成された複数の配線118b〜118gと、絶縁シート部124の上面に配設されたコンデンサ126a,126bおよびソルダポイント128と、複数の配線118b〜118gを被覆する絶縁被覆材(図示省略)とを有している。
絶縁シート部124は、可撓性の合成樹脂材料(ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等)によって略L状に形成されており、絶縁シート部124の2つの辺124a,124bの上面には、複数の配線118b〜118gが略L状に折れ曲がって形成されている。2つの辺124a,124bのうち、フレキシブル配線基板76に接続される出力側の辺(以下、「出力辺」という。)124aの端縁には、フレキシブル配線基板76の一方端縁に形成された複数の接続端子120(図11)に接続される複数の接続端子130aが形成されている。一方、2つの辺124a,124bのうち、キャリッジ基板122(図13)に接続される入力側の辺(以下、「入力辺」という。)124bの端縁には、キャリッジ基板122に形成されたコネクタ132(図3)に接続される複数の接続端子130bが形成されている。そして、接続端子130aと接続端子130bとが複数の配線118b〜118gを介して電気的に接続されており、接続端子130aの近傍における出力辺124aの上面に、コンデンサ126a,126bおよびソルダポイント128が一列に並んで配設されている。
一方、第2中継基板60bは、図14に示すように、第1中継基板60aと同一構造に構成されているため、第1中継基板60aと同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
したがって、本実施形態では、「フレキシブル配線基板76の絶縁シート部112および第1中継基板60aの絶縁シート部124」が「第1絶縁シート部F1a」に対応し、「フレキシブル配線基板76および第1中継基板60aのそれぞれに形成された複数の配線118b〜118gのうちランド列Lに対して平行方向(副走査方向Y)へ延びる部分」が「第1接続配線F1b」に対応し、「第1中継基板60aに形成された複数の配線118b〜118gのうちランド列Lに対して直交方向(主走査方向X)へ延びる部分」が「第1中継配線F1c」に対応し、「第1中継基板60aにおいて複数の配線118b〜118gが直角に折れ曲がる部分」が「第1接続部F1d」に対応している。また、「フレキシブル配線基板76の絶縁シート部112および第2中継基板60bの絶縁シート部124」が「第2絶縁シート部F2a」に対応し、「フレキシブル配線基板76および第2中継基板60bのそれぞれに形成された複数の配線118b〜118gのうちランド列Lに対して平行方向(副走査方向Y)へ延びる部分」が「第2接続配線F2b」に対応し、「第2中継基板60bに形成された複数の配線118b〜118gのうちランド列Lに対して直交方向(主走査方向X)へ延びる部分」が「第2中継配線F2c」に対応し、「第2中継基板60bにおいて複数の配線118b〜118gが直角に折れ曲がる部分」が「第2接続部F2d」に対応している。
つまり、本実施形態では、「フレキシブル配線基板76」によって第1フレキシブル基板F1の第1接続配線F1bが形成された部分と第2フレキシブル基板F2の第2接続配線F2bが形成された部分とが一体に構成されており、「第1中継基板60a」によって第1フレキシブル基板F1の第1中継配線F1cが形成された部分が構成されており、「第2中継基板60b」によって第2フレキシブル基板F2の第2中継配線F2cが形成された部分が構成されている。
<配線基板の配線構造>
図13は、配線基板Gの配線構造を示す回路図である。インクジェットプリンタ10においては、図13に示すように、配線基板Gに対して、キャリッジ基板122およびフレキシブルフラットケーブル(FFC)136を介して制御部22が電気的に接続される。これにより、制御部22から出力された各種の制御信号(イネーブル、ストローブ、データ、クロック)、低圧系電源電圧(低圧系駆動電圧VDD1、低圧系接地電圧VSS1)および高圧系電源電圧(高圧系駆動電圧VDD2、高圧系接地電圧VSS2)が配線基板Gに与えられ、これらの信号等に基づいて、ドライバIC114AおよびドライバIC114Bによってアクチュエータ駆動電圧が生成される。なお、図13においては、第2中継基板60bから制御部22までの電気径路を省略しているが、当該電気径路は第1中継基板60aから制御部22までの電気径路と同様に構成されており、キャリッジ基板122およびフレキシブルフラットケーブル(FFC)136は、両電気径路において共用されている。
ドライバIC114Aは、図13に示すように、信号変換回路140と駆動電圧信号生成回路142とを有している。信号変換回路140は、駆動用VDD1配線118bおよび接地用VSS1配線118cから与えられた駆動電圧(たとえば5V)に基づいて制御回路54から与えられた制御信号(イネーブル、ストローブ、データ、クロック)を個別電極106(図9、図10)に対応する個別制御信号に変換するものであり、シフトレジスタ140aとDフリップフロップ140bとゲート回路140cとを有している。配線基板Gに与えられた制御信号のうちデータ信号とクロック信号とは、入力信号配線118dを通してシフトレジスタ140aに与えられ、ストローブ信号は、入力信号配線118dを通してDフリップフロップ140bに与えられ、イネーブル信号は、入力信号配線118dを通してゲート回路140cに与えられる。そして、シフトレジスタ140aにおいて、データ信号がシリアル/パラレル変換され、変換後のデータ信号がストローブ信号に基づいてDフリップフロップ140bから出力され、当該データ信号に対応したイネーブル信号(すなわち駆動波形信号)がゲート回路140cから出力される。
駆動電圧信号生成回路142は、ゲート回路140cから出力されるイネーブル信号(すなわち駆動波形信号)を、駆動用VDD2配線118eおよび接地用VSS2配線118fから与えられた駆動電圧(たとえば20V)に基づいて、アクチュエータユニット74を駆動するためのアクチュエータ駆動電圧に変換するものであり、複数のランド106bのそれぞれに個別に対応する複数のドライバ142aによって構成されている。そして、ドライバ142aのそれぞれが抵抗器144を介して出力配線118aに接続されている。また、ドライバIC114Aの内部においては、接地用VSS2配線118fと接地用VSS1配線118cとが抵抗器146を介して接続されており、これらが同電位に保持されている。
ドライバIC114Bは、ドライバIC114Aと同様に構成されており、アクチュエータユニット74における一群のランド106bには、一方のドライバIC114Aから出力されたアクチュエータ駆動電圧が複数の出力配線118aを通して与えられ、残りの一群のランド106bには、他のドライバIC114Bから出力されたアクチュエータ駆動電圧が複数の出力配線118aを通して与えられる。
ドライバIC114AおよびドライバIC114Bの外部には、上記配線118a〜118fの他、振動板102に接地電位(0V)を与えるための接地用COM配線118gが配設されており、接地用COM配線118gの端部は、共通電極端子108に対向する接続端子116に電気的に接続されている。そして、第1中継基板60aおよび第2中継基板60bにおいては、駆動用VDD1配線118bと接地用VSS1配線118cとの間にコンデンサ126aがバイパス接続されており、駆動用VDD2配線118eと接地用VSS2配線118fとの間にコンデンサ126bがバイパス接続されており、接地用VSS2配線118fと接地用COM配線118gとの間にソルダポイント128が設けられている。
コンデンサ126a,126bは、ドライバIC114A,114Bの誤動作を防止するためのものである。つまり、ドライバIC114A,114Bの駆動電圧信号生成回路142においては、複数のドライバ142aのそれぞれに内蔵されたアクチュエータON/OFF用のトランジスタが互いに直列に接続されているため、「ON」時には、接地用VSS2配線118fに過渡電流が流れる。そのため、仮に、コンデンサ126a,126bが無ければ、フレキシブル配線基板76の配線抵抗やインダクタンスによって、接地用VSS2配線118fに比較的高い電圧が発生し、抵抗器146を介して接地用VSS1配線118cの電圧が上昇するため、ドライバIC114A,114Bが誤動作するおそれがある。しかし、本実施形態では、ドライバIC114A,114Bの近傍にコンデンサ126a,126bが実装されているので、接地用VSS2配線118fおよび接地用VSS1配線118cの電圧上昇を小さく抑えることができ、ドライバIC114A,114Bの誤動作を防止することができる。
ソルダポイント128は、「配線基板上の複数の配線(たとえば、互いに平行に隣接する2本の配線)を導通させる必要がある場合に、その導通をハンダ等の導通材を用いて後工程で行うための部分」と定義されるものであり、本実施形態では、分極処理時におけるドライバIC114A,114Bの破壊を防止するために、以下のように構成されている。つまり、ソルダポイント128は、接地用VSS2配線118fに導通された導電性材料からなる面状の第1接続部128aと、接地用COM配線118gに導通された導電性材料からなる面状の第2接続部128bと、第1接続部128aと第2接続部128bとを後工程で導通させる導通材128cとを有している。第1接続部128aおよび第2接続部128bは、これらの間の絶縁性を確保するために互いに離間して配設されるとともに、導通材128cを後工程で付着させるために第1中継基板60aおよび第2中継基板60bの下面または上面に露出されている。導通材128cは、第1接続部128aおよび第2接続部128bに対して後工程で付着されることによって、これらを導通させるものであり、ハンダ等のような導電性材料によって形成されている。
インク吐出ヘッド12を製造する際には、図10に示すように、流路ユニット72、アクチュエータユニット74およびフレキシブル配線基板76を別々に製造した後に、これらを互いに接合することになるが、これらを接合した段階において、ソルダポイント128は未だ導通されておらず、アクチュエータユニット74の圧電層104(図10)は分極されていない。圧電層104を分極処理する際には、全ての出力配線118aに対してアクチュエータ駆動電圧と同じ大きさの電圧(たとえば20V)を印加するとともに、接地用COM配線118gに対して接地電位(0V)よりも低い電圧(たとえば−5V)を印加し、これにより発生する高電圧(たとえば25V)を圧電層104に印加する。したがって、仮に、当該高電圧(たとえば25V)が配線118a〜118gを介してドライバIC114A,114Bに印加されると、ドライバIC114A,114Bが大電流によって破壊されるおそれがある。しかし、この段階では、未だソルダポイント128は導通されていないので、ドライバIC114A,114Bに大電流が流れることはなく、ドライバIC114A,114Bの破壊を防止することができる。圧電層104の分極処理が終わると、接地用VSS2配線118fと接地用COM配線118gとを同電位に保持するために、第1接続部128aおよび第2接続部128bに跨って導通材128cを付着させ、第1接続部128aと第2接続部128bとを導通させる。
また、配線基板Gの入力側に存在するキャリッジ基板122においては、図13に示すように、駆動用VDD2配線118eと接地用VSS2配線118fとの間に電解コンデンサ148がバイパス接続されるとともに、接地用VSS2配線118fと接地用COM配線118gとが接続されており、これにより、高圧系駆動電圧VDD2の不所望な電圧降下が抑制されている。
なお、コンデンサ126a,126bおよびソルダポイント128が配設される位置は、第1中継基板60aおよび第2中継基板60bに限定されるものではなく、フレキシブル配線基板76であってもよいが、これらは、補強が必要な要保護部E(図16)であることから、第1基板保持部材62aおよび第2基板保持部材62bの装着が可能なように、一列に並んで配置されることが望ましい。また、フレキシブル配線基板76と第1中継基板60aおよび第2中継基板60bのそれぞれとの接続部も補強が必要な要保護部E(図16)であることから、第1基板保持部材62aおよび第2基板保持部材62bの装着が可能なように、直線状に延びて形成されることが望ましい。
<配線基板の配設態様>
インク吐出装置14においては、図5に示すように、配線基板Gのフレキシブル配線基板76がアクチュエータユニット74の上面に配置される。そして、フレキシブル配線基板76における副走査方向Yの両端部がアクチュエータユニット74の上面から上方へ引き回され、当該両端部がアクチュエータユニット74の中央部へ向けて略C状となるように折り返され、これにより第1接続部F1dおよび第2接続部F2dがアクチュエータユニット74の上方に配置される。また、第1フレキシブル基板F1における接続配線F1b(図12)が形成された部分と、第2フレキシブル基板F2における接続配線F2b(図12)が形成された部分とが、ドライバIC114A,114Bよりも入力側の領域において略Z状に折り曲げられ、これにより当該部分の平面視長さが短縮されている。
そして、図6に示すように、第1中継基板60a(すなわち、第1フレキシブル基板F1における第1中継配線F1cが形成された部分)と第2中継基板60b(すなわち、第2フレキシブル基板F2における第2中継配線F2cが形成された部分)とが、アクチュエータユニット74におけるランド列Lに対して直交方向(すなわち主走査方向X)の端縁から第2ヒートシンク68の外面に沿って上方へ引き回される。
なお、本実施形態では、図5に示すように、第1フレキシブル基板F1における接続配線F1bが形成された部分および第2フレキシブル基板F2における接続配線F2bが形成された部分の両方が略Z状に折り曲げられているが、これらの部分のいずれか一方だけが略Z状に折り曲げられてもよい。
<基板保持部材の構成>
図15は、第1基板保持部材62aの構成を示す斜視図であり、図16は、第1基板保持部材62aの第1の使用状態を示す断面図であり、図17は、第1基板保持部材62aの第2の使用状態を示す断面図である。なお、第2基板保持部材62bは、第1基板保持部材62aと同一構造に構成されるため、第2基板保持部材62bについての説明は省略する。
第1基板保持部材62aは、配線基板Gを所定の曲率で湾曲させて保持するものであり、図16および図17に示すように、配線基板G(図12)における第1保護対象部150aを補強する第1保持部材152aと第2保護対象部150bを補強する第2保持部材152bとを有している。ここで、第1保護対象部150aは、「要保護部E」としてのコンデンサ126a,126bおよびソルダポイント128が一列に配設された部分(図13)であり、第2保護対象部150bは、「要保護部E」としての「フレキシブル配線基板76と第1中継基板60aとの接続部」が直線状に形成された部分である。
第1保持部材152aは、その長さが配線基板Gの幅よりも長く形成されたベース部154と、ベース部154の長さ方向両端部に形成された2つの第1係止部156とを有している。ベース部154は、第1保護対象部150aにおけるコンデンサ126a,126bおよびソルダポイント128が形成されていない側の面を受ける受面154aを有する長尺板状部材であり、受面154aの幅は、コンデンサ126a,126bおよびソルダポイント128を確実に保持できるように、これらの幅よりも広く設計されている。また、ベース部154の幅方向両端部における受面154a側の角部154bは、そこに押し当てられた配線基板Gが折れ曲がるのを防止するために、「曲面」に形成されている。
2つの第1係止部156のそれぞれは、受面154aの長さ方向端部における幅方向両端部からコンデンサ126a,126bおよびソルダポイント128の突出方向と同じ方向へ突出して形成された2つの突出部156aと、2つの突出部156aの先端部間に架け渡された係止片156bとを有しており、係止片156bにおける受面154a側とは反対側の端部には、受面154aから遠ざかるにつれて外側へ向かう傾斜面156cが形成されている。そして、第1保持部材152aは、突出部156aの弾性変形を可能にするために、合成樹脂(ABS樹脂等)によって一体成形されている。
第2保持部材152bは、第1保持部材152aの受面154aと対向して配置され、第1保持部材152aと一体となって互いに補強し合うものであり、本体部158と、本体部158に形成された2つの第2係止部160とを有している。本体部158は、第2保護対象部150bを受ける受面158aと、第1保護対象部150aのコンデンサ126a,126bおよびソルダポイント128を収容する複数(本実施形態では3つ)の収容孔158bと、予備収容孔158cとを有する長尺板状部材であり、本体部158の長さは、第1保持部材152aにおけるベース部154の長さとほぼ同じ長さに設計されており、本体部158の幅は、第2保護対象部150bを受面158aにおいて保持できるように、第2保護対象部150bの幅よりも広く設計されており、本体部158の厚さは、コンデンサ126a,126bおよびソルダポイント128を収容孔158bに収容できるように、これらのうち最高の高さよりも厚く設計されている。各収容孔158bの「位置」および「大きさ」は、そこに収容される要保護部Eの「位置」および「大きさ」に応じて設計されており、収容孔158bの「数」は、要保護部Eの「数」に応じて設計されている。なお、本実施形態では、2つの予備収容孔158cを設けているが、当該予備収容孔158cは必ずしも必要なものではない。
2つの第2係止部160のそれぞれは、本体部158の幅方向へ延びるようにして、本体部158の長さ方向両端面から突出して形成されており、この第2係止部160が第1保持部材152aの係止片156bに係止されることによって、第1保持部材152aと第2保持部材152bとが一体的に結合される。第2係止部160の第1保持部材152a側の端部には、第1保持部材152aから遠ざかるにつれて外側へ向かう傾斜面160aが形成されており、第2係止部160の第1保持部材152a側とは反対側の端部には、係止片156bの受面154a側の端面に当接する当接面160bが形成されている。そして、第2保持部材152bは、第1保持部材152aと同様に、合成樹脂(ABS樹脂等)によって一体成形されている。
第1基板保持部材62aの第1の使用状態では、図16に示すように、第1保持部材152aの受面154aが、両面テープまたは接着材等の接合材162を介して、第1保護対象部150aにおける要保護部Eが突出していない側の面に接合される。また、第2保持部材152bの受面158aが、両面テープまたは接着材等の接合材162を介して、第2保護対象部150bにおける第1保持部材152a側とは反対側の面に接合される。この状態において、第1保護対象部150aは第1保持部材152aによって補強され、第2保護対象部150bは第2保持部材152bによって補強される。
第1基板保持部材62aの第2の使用状態では、図17に示すように、第2保持部材152bの第2係止部160(図15)が第1保持部材152aの係止片156b(図15)に係止されることによって、第1保持部材152aと第2保持部材152bとが一体的に結合される。つまり、第2係止部160および係止片156b(図15)が、第1保持部材152aと第2保持部材152bとを結合する「結合部」となる。また、収容孔158bの内部には、ポッティング剤164が充填される。
第2の使用状態では、一体的に結合された第1保持部材152aと第2保持部材152bとが互いに補強し合うため、第1の使用状態よりも補強強度が高められる。また、第2の使用状態では、図17に示すように、第2保持部材152bにおける幅方向の側方において配線基板Gが略C状に湾曲されるが、第1保護対象部150aおよび第2保護対象部150bは、湾曲部166を挟んだ両側において第1保持部材152aおよび第2保持部材152bによって補強されているので、湾曲部166の復元力によって第1保護対象部150aおよび第2保護対象部150bが破損されることはない。そして、図17に示すように、収容孔158bの両開口部が配線基板Gによって閉塞されるとともに、収容孔158bの内部にポッティング剤164が充填されるため、「要保護部E」としてのコンデンサ126a,126bおよびソルダポイント128を収容孔158b内に密封することができ、これらを塵埃等から保護することができるとともに、ソルダポイント128等に露出した配線の腐食を防止することができる。
さらに、第2の使用状態では、配線基板Gの要保護部Eを保護する機能に加えて、配線基板Gを所定の曲率で湾曲させて保持する機能が発揮される。つまり、第2の使用状態では、図17に示すように、第2保持部材152bにおける幅方向の側方において配線基板Gが略C状に湾曲されており、この湾曲された部分(以下、「湾曲部」という。)166の両端部が第2保持部材152bにおける厚さ方向の両面に配置されているので、湾曲部166の「曲率」は、第2保持部材152bの厚さHによって決まることになる。また、第1保持部材152aと第2保持部材152bとは、図16に示すように、配線基板G上に間隔Dを隔てて固定されているので、湾曲部166の「長さ」は、当該間隔Dによって決まることになる。したがって、厚さHや間隔Dを設計段階で決めておくことによって、製造時には、第1保持部材152aと第2保持部材152bとを結合するだけで、湾曲部166の「曲率」および「長さ」を設計通りに定めることができる。本実施形態では、図5に示すように、第1フレキシブル基板F1の湾曲部166と第2フレキシブル基板F2の湾曲部166とがアクチュエータユニットの上方で対向するが、湾曲部166の「曲率」および「長さ」を設計通りに定めることができるので、2つの湾曲部166が互いに干渉するのを防止することができる。
なお、本実施形態における第1保護対象部150aは、「要保護部E」としてのコンデンサ126a,126bおよびソルダポイント128が一列に配設された部分(図13)であり、第2保護対象部150bは、「要保護部E」としてのフレキシブル配線基板76と第1中継基板60aとの接続部が直線状に形成された部分であるが、要保護部Eの種類は、これらに限定されるものではない。たとえば、第1保護対象部150aは、2つの配線基板の接続部が直線状に形成された部分であってもよく、その場合には、収容孔158bが存在しない第2保持部材152bを用いるようにしてもよい。
<ヒートシンク保持部材の構成>
図18は、ヒートシンク保持部材64の構成を示す斜視図であり、図19は、図18におけるXIX−XIX線断面図であり、図20は、図18におけるXX−XX線断面図である。
ヒートシンク保持部材64は、インク吐出ヘッド12の上方において配線基板Gを折り畳んで収容する機能(図5、図6)と、第1ヒートシンク66および第2ヒートシンク68を保持する機能(図21、図22)とを併有するものであり、図18に示すように、ベース部170と、第1部品支持部172と、第2部品支持部174と、第1ヒートシンク66および第2ヒートシンク68を保持する4つのヒートシンク支持部176a〜176dと、2つの押圧部材178とを有している。これらのうち、ベース部170、第1部品支持部172、第2部品支持部174およびヒートシンク支持部176a〜176dは、合成樹脂(ABS樹脂等)によって一体成形されている。
ベース部170は、図6および図7に示すように、配線基板Gの複数の接続端子116が形成された領域(以下、「端子領域」という。)T(図11)を覆うことによって、これを保護するとともに、インク吐出ヘッド12の上方において第1部品支持部172、第2部品支持部174およびヒートシンク支持部176a〜176dを支持するものであり、平面視略四角形の板状に形成されている。図6、図19および図20に示すように、ベース部170の周縁部には、インク吐出ヘッド12の上面に接合される接合部180が形成されており、ベース部170の副走査方向Yの中央部には、端子領域T(図11)と対向する端子保護部182が、ベース部170の周縁部下面よりも上方に端子領域Tから離間するように形成されている。端子保護部182の下面182aは、図6および図19に示すように、主走査方向Xの中央部が最も高くなる断面略逆V状に形成されており、これにより端子保護部182の強度が高められている。
また、端子保護部182には、図18に示すように、組付け作業で用いる治具(図示省略)が装着される治具装着部184が形成されている。治具装着部184は、端子保護部182における副走査方向Yの中央部に主走査方向Xへ間隔を隔てて形成された2つの貫通孔184a,184bを有している。2つの貫通孔184a,184bの口径は互いに異なるように設計されており、これにより治具装着部184の平面視形状は非対称になっている。したがって、治具装着部184に対して治具を逆方向に装着しようとしたときには、治具装着部184に治具が干渉することになり、逆方向での装着を防止することができる。なお、治具の逆方向での装着を防止するためには、治具装着部184の平面視形状が全体として非対称であればよく、貫通孔の「数」や「形状」は適宜変更してもよい。たとえば、非対称形状の貫通孔を1つだけ設けるようにしてもよいし、同一形状の3つ以上の貫通孔を全体として非対称となるように配設してもよい。
また、ベース部170における主走査方向Xの両端部上面における互いに平行な2つの辺の近傍には、図6に示すように、2つのフレキシブル基板F1,F2のそれぞれを上方へ導く突起状のガイド部186が上方へ突出して形成されている。そして、ベース部170の周縁部下面と側面とが成す角度αは、図19および図20に示すように「鋭角」に設計されており、ベース部170の周縁部下面と側面とが成す角部の外面は、図19および図20に示すように「曲面」に形成されている。したがって、ベース部170をインク吐出ヘッド12の上面(すなわち設置面)に配置した状態では、図5および図6に示すように、ベース部170の側面と設置面とが成す角度が鈍角となり、側面と設置面とが成す「入隅部」にポッティング剤等の塗布材188を容易に塗布することができる。また、ベース部170の周縁部下面と側面とが成す角部の外面が「曲面」であることから、当該角部の面積を広く確保することができ、塗布材188の付着性を高めることができる。そして、図5に示すように、インク吐出ヘッド12における副走査方向Yの両端縁から上方へ引き回されるフレキシブル基板F1,F2を当該「曲面」に沿わせることができるので、フレキシブル基板F1,F2が角部で折れ曲がるのを防止することができる。
第1部品支持部172および第2部品支持部174は、ベース部170における副走査方向Yの両端部上面における互いに平行な2つの辺の近傍からガイド部186と同じ方向へ突出して形成されている。第1部品支持部172は、押圧部材178と、第1フレキシブル基板F1の一部と、当該一部に搭載された第1ドライバIC114Aとを支持する部分であり、これらの部品を載置する第1載置部190と、第1載置部190を支持する脚部192とを有している。第1載置部190は、インク吐出ヘッド12の上面に対して平行に延びる第1載置面190aを有しており、第1載置面190aの副走査方向Yの長さ(すなわち幅)は、第1ドライバIC144Aの幅よりも長く設計されており、第1載置面190aの主走査方向Xの長さ(すなわち長さ)は、第1フレキシブル基板F1の幅よりも長く設計されている。脚部192は、ベース部170における副走査方向Yの端部から上方へ突出して形成されている。脚部192の副走査方向Yの長さ(すなわち厚さ)は、第1載置面190aの幅よりも短く設計されている。これにより、第1載置部190のベース部170側には、ベース部170における副走査方向Yの中央部へ向けて開かれた凹部K1が構成されている。そして、第1載置部190のベース部170側の面を構成する凹部K1の内面、すなわち、凹部K1のベース部170側とは反対側の面には、図20に示すように、第1フレキシブル基板F1の一部を凹部K1内へ導入する際のガイドとなるガイド面190bが、凹部K1の奥側へ向かうにつれてベース部170に近接するように傾斜して形成されている。
第2部品支持部174は、押圧部材178と、第2フレキシブル基板F2の一部と、当該一部に搭載された第2ドライバIC114Bとを支持する部分であり、ベース部170から第1部品支持部172と同じ方向へ突出して、第1部品支持部172から離間して形成されている。第2部品支持部174は、第1部品支持部172と同様に、これらの部品を載置する第2載置部194と、脚部196とを有しており、第2載置部194のベース部170側には、ベース部170における副走査方向Yの中央部へ向けて開かれた凹部K2が構成されている。
第1部品支持部172の第1載置面190aと第2部品支持部174の第2載置面194aとは、ほぼ同じ高さに配設されており、第1部品支持部172と第2部品支持部174との間における第1載置面190aおよび第2載置面194aよりもベース部170側の領域には、フレキシブル基板F1,F2の一部を折り畳んだ状態で収容する収容空間Jが構成されている。したがって、凹部K1,K2とは、載置面190a,194aよりもベース部170側において収容空間J側へ向けて開口されることになり、図5に示すように、凹部K1,K2と収容空間Jとが連通した部分に、フレキシブル基板F1,F2における中継配線F1c,F2cが形成された部分を配置するスペースを確保することができる。
そして、図5に示すように、第1載置面190a,194aに押圧部材178が両面テープまたは接着剤等の接合材を用いて接合され、押圧部材178のベース部170側とは反対側の面にフレキシブル基板F1,F2の一部と共にドライバIC114A,114Bが配置され、収容空間Jに2つの基板保持部材62a,62bが副走査方向へ並べて配置され、図6に示すように、フレキシブル基板F1,F2における中継配線F1c,F2cが形成された部分(すなわち第1中継基板60a,60b)が、ベース部170の上面、すなわち収容空間J側の面における主走査方向Xの両端縁から、ガイド部186に導かれて上方へ向けて引き回される。
ヒートシンク支持部176a〜176cは、フレキシブル基板F1,F2の一方面に搭載されたドライバIC114A,114Bに対する第1ヒートシンク66および第2ヒートシンク68の動きを規制するものである。そこで、以下には、第1ヒートシンク66および第2ヒートシンク68について先に説明し、その後、ヒートシンク支持部176a〜176cについて説明する。
<ヒートシンクの構成>
図21は、ヒートシンク保持部材64に第2ヒートシンク68を取り付けた状態を示す斜視図であり、図22は、ヒートシンク保持部材64に第2ヒートシンク68および第1ヒートシンク66を取り付けた状態を示す斜視図である。
図5に示すように、第1ヒートシンク66は、ドライバIC114A,114Bにおけるフレキシブル基板F1,F2側とは反対側の面に当接されることによって、ドライバIC114A,114Bで発生した熱を放熱するものである。一方、第2ヒートシンク68は、フレキシブル基板F1,F2におけるドライバIC114A,114Bが搭載された部分のドライバIC114A,114B側の面(以下、「基準面」という。)βに対して平行方向となるドライバIC114A,114Bの側方に配設されることによって、ドライバIC114A,114Bで発生した熱を放熱するものである。
第1ヒートシンク66は、図22に示すように、ドライバIC114A,114B(図5)に当接される平面視略四角形の板状の第1放熱板200aと、第1放熱板200aにおける主走査方向Xの一方端部からドライバIC114A,114B側とは反対側へ延びて形成された第2放熱板200bと、第1放熱板200aにおける主走査方向Xの他方端部からドライバIC114A,114B側とは反対側へ延びて形成された第3放熱板200cとを有する略U状の部材であり、アルミニウムまたは銅等のような熱伝導性の高い材料によって一体成形されている。放熱性を高めるためには、放熱板200a〜200cのそれぞれをできるだけ大きく設計することが望ましいが、第1ヒートシンク66は、キャリッジ30の収容空間S内に収容されるため(図3)、これらの大きさは収容空間Sの大きさによって制限されることになる。
そして、第1放熱板200aには、図22に示すように、4つのヒートシンク支持部176a〜176cのそれぞれが係止される4つの係止部202a〜202cが形成されている。4つの係止部202a〜202cのうち、係止部202a,202cは、「第1ヒートシンク66の外周縁の一部」となる「凹部」であり、係止部202b,202dは、第1放熱板200aに形成された「貫通孔」であり、係止部202a〜202cのそれぞれには、図23および図24(B)に示すように、第1放熱板200aにおけるドライバIC114A,114B側とは反対側の面の一部によって構成された第1係止面204aと、副走査方向Yと平行に延びる第2係止面204bと、主走査方向Xと平行に延びる第3係止面204cとが形成されている。第1係止面204aが形成された部分は、「凹部」または「貫通孔」の内面から内側へ突出した部分であり、第2係止面204bと第3係止面204cとは、「凹部」または「貫通孔」の内面の一部である。
第2ヒートシンク68は、図21に示すように、第1ヒートシンク66の第1放熱板200a(図22)における基準面β側の面に熱伝達が可能なように接合された平面視略四角形の平板状の部材であり、第2ヒートシンク68におけるドライバIC114A,114Bに対応する部分には、ドライバIC114A,114Bを収容する収容窓206a,206bが形成されており、第2ヒートシンク68の4つのコーナ部には、図24(A)に示すように、副走査方向Yと平行に延びる第1係止面208aと主走査方向Xと平行に延びる第2係止面208bとを有する切欠状の係止部208が形成されている。そして、この第2ヒートシンク68が、図5および図7に示すように、収容空間Jにおいて折り畳まれたフレキシブル基板F1,F2の上に絶縁性シート209を介して配置されている。
なお、本実施形態では、4つの係止部208を「第2ヒートシンク68の外周縁」の一部を構成する「切欠(凹部)」として形成しているが、これらの少なくとも1つを「貫通孔」として形成してもよい。また、収容空間Jにおいて折り畳まれたフレキシブル基板F1,F2と第2ヒートシンク68との間に絶縁性シート209(図5、図7)を介在させることによって、フレキシブル基板F1,F2における短絡等の事故を防止するようにしているが、第2ヒートシンク68を絶縁性の材料で形成することによって、絶縁性シート209を省略してもよい。
<電子部品放熱構造の構成>
第1ヒートシンク66および第2ヒートシンク68は、「電子部品」としてのドライバIC114A,114Bで発生した熱を放散させるための「電子部品放熱構造」を構成している。すなわち、「電子部品放熱構造」は、図25(B)に示すように、一方面にドライバIC114A,114Bが配設されている配線基板Gと、ドライバIC114A,114Bにおける配線基板G側とは反対側の面に当接された第1ヒートシンク66と、配線基板Gの一方面に対して平行方向となるドライバIC114A,114Bの側方に配設された第2ヒートシンク68とを備えている。そして、第1ヒートシンク66と第2ヒートシンク68とは、熱伝播が可能なように接合されており、第2ヒートシンク68は、ドライバIC114A,114Bの側方に全周にわたって配設されており、ドライバIC114A,114Bと第2ヒートシンク68との間には、ポッティング剤211が充填されている。さらに、「電子部品放熱構造」においては、配線基板G、第1ヒートシンク66および第2ヒートシンク68の全てがヒートシンク保持部材64によって支持されている。つまり、配線基板Gが、ヒートシンク保持部材64に設けられた第1部品支持部172および第2部品支持部174によって支持されており、第1ヒートシンク66および第2ヒートシンク68が、ヒートシンク保持部材64に設けられたヒートシンク支持部176a〜176cによって支持されている。
<ヒートシンク支持部の構成>
図23は、ヒートシンク支持部によって第1ヒートシンク66および第2ヒートシンク68を保持した状態を示す部分拡大斜視図である。図24は、2つのヒートシンクを保持する工程を示す図であり、(A)は、第2ヒートシンク68を保持する工程を示す部分拡大斜視図であり、(B)は、第1ヒートシンク66を保持する工程を示す部分拡大斜視図である。
ヒートシンク支持部176a〜176cのそれぞれは、図24(B)に示すように、第1ヒートシンク66の第1係止面204aに係止される第1先端側保持片210aと、第2係止面204bに係止される第2先端側保持片210bと、第3係止面204cに係止される第3先端側保持片210cとを有しており、また、図24(A)に示すように、第2ヒートシンク68の第1係止面208aに係止される第1基端側保持片212aと、第2係止面208bに係止される第2基端側保持片212bとを有しており、さらに、図24(B)に示すように、第1ヒートシンク66を保持していない状態において第2ヒートシンク68の基準面β側とは反対側の面に仮止めされる仮保持片214を有している。
なお、本実施形態では、これらの先端側保持片210a〜210c、基端側保持片212a,212bおよび仮保持片214を「面」として構成しているが、これらを実現するための具体的構造は特に限定されるものではなく、ヒートシンク支持部176a〜176cのそれぞれの先端部に形成された「突起」として構成してもよい。ただし、ヒートシンク支持部176a〜176cのそれぞれの先端部が、係止部202a〜202cまたは4つの係止部208のいずれかを構成する「凹部」または「貫通孔」に収容される場合には、当該先端部を「凹部」または「貫通孔」に収容可能な「形状」または「大きさ」に設計する必要がある。また、第1ヒートシンク66と第2ヒートシンク68とを完全に当接させるためには、第1先端側保持片210aと仮保持片214との間隔を第1ヒートシンク66の厚さよりも小さく設計する必要がある。
ヒートシンク支持部176a〜176cによれば、フレキシブル基板F1,F2の基準面βに搭載されたドライバIC114A,114Bに対する第1ヒートシンク66および第2ヒートシンク68の動きを規制することができる。すなわち、第1先端側保持片210aによって、第1ヒートシンク66の基準面βから離間する方向への動きを規制することができ、第2先端側保持片210bおよび第3先端側保持片210cによって、第1ヒートシンク66の基準面βに対する水平方向への動きを規制することができる。また、第1基端側保持片212aおよび第2基端側保持片212bによって、第2ヒートシンク68の基準面βに対する水平方向への動きを規制することができ、仮保持片214によって、第2ヒートシンク68の基準面βから離間する方向への動きを規制することができる。なお、第1ヒートシンク66の基準面βに近接する方向への動きは、ドライバIC114A,114Bを第1ヒートシンク66側へ押圧する押圧部材178の復元力(押圧力)によって規制することができ、第2ヒートシンク68の基準面βに近接する方向への動きは、収容空間Jにおいて折り畳まれたフレキシブル基板F1,F2の復元力(押圧力)によって規制することができる。
また、ヒートシンク支持部176a〜176cのうち、副走査方向Yにおいて対向する2つのヒートシンク支持部176a,176b(図18)と、他の2つのヒートシンク支持部176c,176d(図18)とは、フレキシブル基板F1,F2を主走査方向Xへ引き回すための径路を構成しており、2つのヒートシンク支持部176a,176b間の最短間隔、および他の2つのヒートシンク支持部176c,176d間の最短間隔は、フレキシブル基板F1,F2の幅よりも狭く設計されている。したがって、これら2つのヒートシンク支持部の間から引き出されたフレキシブル基板F1,F2を当該2つのヒートシンク支持部の少なくとも最短間隔部分に係止させることができ、インク吐出装置14をホルダー部40の収容空間S内に取り付ける際には、フレキシブル基板F1,F2が不所望な方向へ動くのを防止することによって作業性を高めることができる。また、第1ヒートシンク66を取り付けるよりも前の工程において、ベース部170の周囲に紫外線硬化型の塗布材188(図5、図6)を塗布する場合には、フレキシブル基板F1,F2が紫外線を遮断するのを防止することによって作業性を高めることができる。
[電子部品放熱構造の製造方法]
図25は、「電子部品放熱構造」の製造方法を示す工程図である。「電子部品放熱構造」は、上述のように、配線基板Gの一方面に配設されたドライバIC114A,114Bで発生した熱を第1ヒートシンク66および第2ヒートシンク68から効率よく放散させるものであり、以下の工程により製造される。
まず、(a)工程では、図25(A)に示すように、第2ヒートシンク68を、その配線基板G側とは反対側の面がドライバIC114A,114Bにおける配線基板G側とは反対側の面よりも配線基板Gから離間する側に位置するように配置する。本実施形態では、載置部190,194に載置された配線基板Gの上面にドライバIC114A,114Bが配設されているので、「配線基板G側とは反対側の面」とは「上面」を意味し、「配線基板G側の面」とは「下面」を意味することになる。この状態では、ドライバIC114A,114Bの上面と第2ヒートシンク68の上面との間に生じた段差によって凹部213が構成され、当該凹部213の底部にドライバIC114A,114Bの上面が配置され、これにより、ドライバIC114A,114Bの上端部が第2ヒートシンク68によって保護される。なお、第2ヒートシンク68は、収容空間Jにおいて折り畳まれた配線基板G上に配置されているので、この折り畳まれた部分の大きさを調整することによって、凹部213の深さWを調整することができる。
次の(d)工程では、図25(A)に示すように、充填装置のノズル215を凹部213の開口部付近に配置し、凹部213におけるドライバIC114A,114Bと第2ヒートシンク66との間にポッティング剤211を充填する。このとき、ドライバIC114A,114Bの上面は凹部213の底部に配置されているので、ノズル215がドライバIC114A,114Bに接触するのを防止することができる。また、ポッティング剤211は凹部213内に充填されるので、充填されたポッティング剤211が流れ出るのを防止することができる。なお、ポッティング剤211を充填しない場合には、(d)工程は不要である。
続く(b)工程では、図25(B)に示すように、第1ヒートシンク66を、第2ヒートシンク68の配線基板G側とは反対側の面(本実施形態では上面)に配置するとともに、第1ヒートシンク66の一部を、ドライバIC114A,114Bの配線基板G側とは反対側の領域(本実施形態では上方領域)に配置し、その後の(c)工程では、第1ヒートシンク66を配線基板G側(本実施形態では下側)へ移動させることによって、第2ヒートシンク68を配線基板G側(本実施形態では下側)へ移動させるとともに、第1ヒートシンク66の上記一部をドライバIC114A,114Bに当接させる。このとき、押圧部材178が弾性的に圧縮されるとともに、ヒートシンク支持部176a〜176cの第1先端側保持片210aが第1ヒートシンク66の第1係止面204aに係合され(図24)、押圧部材178の弾性復元力によって、ドライバIC114A,114Bが第1ヒートシンク66に押し当てられる。