JP5119685B2 - ウレタン樹脂およびその製造方法、ならびにウレタン樹脂含有粘着剤 - Google Patents

ウレタン樹脂およびその製造方法、ならびにウレタン樹脂含有粘着剤 Download PDF

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本発明は、屈折率1.50以上のウレタン樹脂およびその製造方法に関する。詳しくは、本発明は、種々の光学材料層同士を貼着する際に用いられる粘着剤を好適に提供し得るウレタン樹脂およびその製造方法に関する。また本発明は、屈折率1.50以上のウレタン樹脂を含有する粘着剤、および該粘着剤から形成される粘着剤層が剥離シートに積層されてなる粘着シート、ならびに前記粘着剤層が種々の光学材料層に積層されてなる光学用積層体に関する。
液晶表示装置を構成する液晶パネルは、粘着剤層を介して種々の光学材料層が貼り合わされることが多い。光学材料層としては、液晶をガラス基板等の透明基板で挟持(サンドイチッチ)してなる液晶セルや、偏光板(フィルム)、位相差板(フィルム)、光拡散フィルム等のように前記液晶セル等に貼着され、種々の光学機能を付与するための光学機能付与フィルム等が挙げられる。また、光学機能付与フィルム自身も層構造を有しているものがあり、その一部に粘着剤層を含んでいる場合もある。粘着剤層を形成するための粘着剤としては、アクリル系粘着剤が用いられることが多い。
ところで、光学材料層を複数積層する場合、入射光を有効利用するためには、各光学材料層の間に位置する粘着剤層と各光学材料層との屈折率差をできるだけ小さくすることが求められる。屈折率が相違する複数の層を光が透過する際、各層の界面で光が反射されてしまい、透過率が低下してしまうからである。以下、界面での反射による透過率の低下を反射損失という。
一般的なアクリル系粘着剤の屈折率は1.47前後である。これに対し、液晶表示装置等の種々の表示装置を構成する光学材料層を形成する材料の屈折率は、例えば、ガラスの場合は1.52程度、アクリル樹脂フィルムの場合は1.51程度、メタクリル系樹脂フィルムの場合は1.51程度、アセテートフィルムの場合は1.49程度、トリアセチルセルロースフィルムの場合は1.52程度、シクロオレフィンフィルムの場合は1.52程度、ポリビニルアルコールフィルムの場合は1.50程度、ポリカーボネートフィルムの場合は1.54程度、一軸延伸PETフィルムの場合は1.65程度である。即ち、アクリル系粘着剤の屈折率と、光学材料層を形成する材料の屈折率との差が大きく、両層の界面における反射により、入射光の透過率が低下してしまう。特に、入射光の入射角度が50°以上であるような揚合、反射光が急激に増大し、透過率が著しく低下してしまう、という欠点があった。尚、光拡散機能を付与するために用いられる光拡散フィルムは、光の散乱や屈折を利用するものである。光拡散フィルムには、フィルム自体に光散乱機能を有するものを用いる他、光散乱機能を有しないフィルムにフィラーを含有する粘着剤層を積層し、光散乱機能を付与し、これを光拡散フィルムとして用いる場合とがある(特許文献1、2)。いずれの場合においても、光の散乱や屈折を利用するものではあるが、光の有効利用という観点からは、隣接する他の層との屈折率に大きな差がないことが好ましい。
そこで、この欠点を克服するために、アクリル粘着剤の主成分であるアクリル系共重合体に芳香環を導入して屈折率を上げたり(特許文献3〜5)、高屈折率材料をアクリル粘着剤に配合したり(特許文献6、7)する検討がなされている。しかし、アクリル系共重合体に芳香環を導入する方法では、もとのアクリル系共重合体の屈折率が低く過ぎるので、屈折率を1.50付近にするためには多量の芳香環の導入が必要となる。多量の芳香環を導入すると、アクリル系共重合体が硬くなり、剥離力として把握される粘着力が弱くなると言う欠点があった。また、高屈折率材料を配合する場合には、光学材料層同士を積層(貼着)した後、時間が経過するに従って、配合した材料が。積層界面にブリードしてくるなどの欠点があった。
また、光学材料層の貼着に用いられる粘着剤としては、アクリル系粘着剤の他にウレタン粘着剤の利用も知られている(特許文献8)。特許文献8に記載されるウレタン系粘着剤の屈折率は1.48〜1.49程度であり、アクリル粘着剤の屈折率1.46〜1.47よりも屈折率を大きくすることができる。しかしながら、特許文献6に記載されるウレタン系粘着剤の屈折率は、光学材料層の屈折率に比してまだ小さく、反射損失の点で満足できるものではなかった。
特開平11−508622号公報 特開平11−223712号公報 特開2002−173656号公報 特開2003−013029号公報 特開2003−193012号公報 特開2002−014225号公報 特開2005−154581号公報 特開2003−292928号公報
本発明は、より屈折率の大きな、具体的には屈折率が1.50以上の粘着剤層を形成し得る粘着剤を提供することを目的とする。より具体的には、本発明は、偏光板(フィルム)、位相差板(フィルム)等の光学機能付与フィルムを、液晶セル等に貼着する際に好適に用いられる、屈折率が1.50以上であって、5N/25mm以上の剥離力(粘着力)を発現し得る、光散乱機能を有しない、もしくは光散乱機能を有する粘着剤層を形成し得る粘着剤を提供することを目的とする。さらに、粘着剤単独で1.50以上の屈折率および5N/25mm以上の接着力を有し、かつ、粘着シート、積層体、および偏光板などの光学フィルム接着用に適した粘着剤、および該粘着剤の製造方法を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、ジ(メタ)アクリレート(A)中の(メタ)アクリロイル基と、水酸基含有モノチオール(B)および/またはジチオール(C)中のチオール基と、を反応させてなる水酸基および/またはチオール基を両末端に有する化合物(D)中の水酸基および/またはチオール基と、
ジイソシアネート(E)中のイソシアネート基と、を反応させてなるウレタン樹脂に関する。
さらに本発明は、ジ(メタ)アクリレート(A)中の(メタ)アクリロイル基と、水酸基含有モノチオール(B)および/またはジチオール(C)中のチオール基と、を反応させてなる水酸基および/またはチオール基を両末端に有する化合物(D)中の水酸基および/またはチオール基と、活性水素含有官能基を2つ以上有する化合物(Q)中の活性水素含有官能基と、ジイソシアネート(E)中のイソシアネート基と、を反応させてなるウレタン樹脂に関する。
さらに本発明は、活性水素含有官能基を2つ以上有する化合物(Q)が、カルボキシル基を有するジオール(F1)、および/または、水酸基を有するジアミン(G1)である上記ウレタン樹脂に関する。
さらに本発明は、ジ(メタ)アクリレート(A)が、硫黄原子を含むことを特徴とする上記ウレタン樹脂に関する。
さらに本発明は、ジイソシアネート(E)が、芳香族ジイソシアネート(E1)または芳香脂肪族ジイソシアネート(E2)である上記ウレタン樹脂に関する。
さらに本発明は、ジ(メタ)アクリレート(A)と、水酸基含有モノチオール(B)および/またはジチオール(C)と、を反応して水酸基および/またはチオール基を両末端に有する化合物(D)を得る第一の工程、および、
前記化合物(D)と、ジイソシアネート(E)と、を反応する第二の工程を含むウレタン樹脂の製造方法に関する。
さらに本発明は、ジ(メタ)アクリレート(A)と、水酸基含有モノチオール(B)および/またはジチオール(C)と、を反応して水酸基および/またはチオール基を両末端に有する化合物(D)を得る第一の工程、および、
前記化合物(D)と、活性水素含有官能基を2つ以上有する化合物(Q)と、ジイソシアネート(E)と、を反応する第二の工程を含むウレタン樹脂の製造方法に関する。
さらに本発明は、上記ウレタン樹脂を含有するウレタン粘着剤に関する。
さらに本発明は、2枚の剥離シート間に、上記ウレタン粘着剤から形成される粘着剤層が挟持されてなることを特徴とする粘着シートに関する。
さらに本発明は、剥離シートと基材フィルム間に上記ウレタン粘着剤から形成される粘着剤層が挟持されてなることを特徴とする粘着シートに関する。
さらに本発明は、上記ウレタン粘着剤から形成される粘着剤層と、該粘着剤層の屈折率との差が0.03以内の光学材料層(P)とが積層されてなることを特徴とする光学用積層体に関する。
本発明のウレタン樹脂は、屈折率が1.50以上であり、特に光学用途の粘着剤として有用なウレタン樹脂を提供することができた。具体的には屈折率が1.50以上の粘着剤層を形成し得る粘着剤を提供することができ、偏光板(フィルム)、位相差板(フィルム)等の光学機能付与フィルムを、液晶セル等に貼着する際に好適に用いることができる。
まず、本発明のウレタン樹脂について説明する。本発明のウレタン樹脂は、ジ(メタ)アクリレート(A)中の(メタ)アクリロイル基と、水酸基含有モノチオール(B)および/またはジチオール(C)中のチオール基と、を反応させてなる水酸基および/またはチオール基を両末端に有する化合物(D)中の水酸基および/またはチオール基と、さらに、ジイソシアネート(E)中のイソシアネート基と、を反応させてなるウレタン樹脂である。また、前記化合物(D)中の水酸基および/またはチオール基と、活性水素含有官能基を2つ以上有する化合物(Q)中の活性水素含有官能基と、さらに、ジイソシアネート(E)中のイソシアネート基と、を反応させてなるウレタン樹脂である。
<ジ(メタ)アクリレート(A)>
本発明のジ(メタ)アクリレート(A)は、分子内に2つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば、公知の(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。ジ(メタ)アクリレート(A)としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、屈折率を上げる目的としては、芳香環を有するジ(メタ)アクリレート(A)を使用するのが好ましい。芳香環を有するジ(メタ)アクリレート(A)としては、例えば、ライトエステルBP−2ME、ライトエステルBP−4ME、ライトエステルBP−6ME、ライトアクリレートBP−4EA、ライトアクリレートBP−4PA、ライトアクリレートBP−10EA(以上共栄社化学株式会社製)、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート(日本化薬株式会社製)、BPEF−A(大阪ガスケミカル株式会社)等が挙げられる。
さらに樹脂の柔軟性を保持したまま屈折率を上げる目的としては、硫黄原子を含むジ(メタ)アクリレート(A)を使用するのが特に好ましい。硫黄原子を含むジ(メタ)アクリレート(A)としては、例えば、ビス−2−(メタ)アクリロイルチオエチルスルフィド、ビス−2−(メタ)アクリロイルチオエトキシメタン、ビス−2−(メタ)アクリロイルチオエチルチオメタン、1,2−ビス(メタ)アクリロイルチオエタン、1,3−ビス(メタ)アクリロイルチオプロパン、1,2−ビス−2−(メタ)アクリロイルチオチルチオエタン、ビス−2−[2−(メタ)アクリロイルチオエチルチオ]エチルスルフィド、1,4−ビス(メタ)アクリロイルチオメチルベンゼン、4,4’−ビス(メタクリロイルチオ)ジフェニルスルフィド等が挙げられる。本発明において、これらのジ(メタ)アクリレート(A)は、一種のみを単独で用いても良いし、複数を併用しても良い。
<水酸基含有モノチオール(B)>
本発明の水酸基含有モノチオール(B)としては、1つのチオール基と1つ以上の水酸基を有する公知のモノチオールを使用することができる。具体的には、2−メルカプトエタノール、2−メルカプトプロパノール、3−メルカプトプロパノール、1−メルカプトイソプロパノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、1−メルカプトブタノール、2−メルカプトブタノール−、3−メルカプトブタノール、4−メルカプトブタノール、1−メルカプト−2−メチルプロパノール、2−メルカプト−2−メチルプロパノール−、3−メルカプト−2−メチルプロパノール、1−ヒドロキシ−4−メルカプトシクロヘキサン、8−メルカプト−3,6−ジオキサ−1,8−オクタノール、オルト−(メルカプロメチル)ベンジルアルコール、メタ−(メルカプトメチル)ベンジルアルコール、パラ−(メルカプトメチル)ベンジルアルコール等が挙げられる。これらは単独もしくは二種類以上を併用して使用することもできる。
<ジチオール(C)>
本発明のジチオール(C)としては、分子内にチオール基を2つ有する公知のチオールを使用することができる。具体的には、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,2−ブタンジチオール、1,3−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2−メチルプロパン−1,2−ジチオール、2−メチルプロパン−1,3−ジチオール、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオール、エチレングリコールビスチオグリコレート、ブタンジオールビスチオグリコレート、ヘキサンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、p−キシレンジチオール、m−キシレンジチオール、テトラエチレングリコールビス−3−メルカプトプロピオネートなどが挙げられる。これらは単独もしくは二種類以上を併用して使用することもできる。
<化合物(D)>
本発明の化合物(D)は、上記のジ(メタ)アクリレート(A)と、水酸基含有モノチオール(B)および/またはジチオール(C)と、を反応させて得ることができる。この反応は、ジ(メタ)アクリレート(A)中の(メタ)アクリロイル基と、水酸基含有モノチオール(B)および/またはジチオール(C)中のチオール基とのマイケル付加反応である。反応する際、ジ(メタ)アクリレート(A)中の(メタ)アクリロイル基をすべて水酸基および/またはチオール基に変換するためには、ジ(メタ)アクリレート(A)中の(メタ)アクリロイル基と、水酸基含有モノチオール(B)、およびジチオール(C)中のチオール基との官能基モル比(チオール基/(メタ)アクリロイル基)が1以上である必要がある。好ましくは1〜3であり、より好ましくは1〜2である。官能基モル比が3を超えると、水酸基含有モノチオール(B)、およびジチオール(C)の未反応モノマーが多く残留してしまい好ましくない場合がある。これらジ(メタ)アクリレート(A)、水酸基含有モノチオール(B)、およびジチオール(C)は、本発明のウレタン樹脂の屈折率、分子量等要求物性に基づいて任意で選ばれる。
化合物(D)の分子量としては、重量平均分子量で500〜20000が好ましく、さらに好ましくは1000〜3500である。また、数平均分子量で、300〜5000が好ましくさらに好ましくは300〜1500である。重量平均分子量が20000を超えると、ウレタン化後にウレタン樹脂特有の凝集力が失われる場合があり、また重量平均分子量が500未満になると、ウレタン化後の凝集力が大きく、粘着剤として使用する際に十分な粘着力を保持することが困難になる場合がある。
化合物(D)の屈折率としては、好ましくはn=1.50〜1.70であり、さらに好ましくはn=1.55〜1.70である。化合物(D)の屈折率が大きいほど本発明のウレタン樹脂の屈折率制御に自由度が与えられる。また化合物(D)中の硫黄原子は、好ましくは5〜70重量%であり、さらに好ましくは20〜70重量%である。
<ジイソシアネート(E)>
本発明に用いられるジイソシアネート(E)としては、従来公知のものを使用することができ、芳香族ジイソシアネート(E1)、芳香脂肪族ジイソシアネート(E2)、脂肪族ジイソシアネート(E3)、脂環族ジイソシアネート(E4)等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネート(E1)としては、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ジイソシアネート(E2)としては、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を用いることができる。
脂肪族ジイソシアネート(E3)としては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ジイソシアネート(E4)としては、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
本発明に用いられるジイソシアネート(E)としては、芳香族ジイソシアネート(E1)、芳香脂肪族ジイソシアネート(E2)が屈折率を高める効果があるため好ましい。またキシリレンジイソシネートは、難黄変性であるため特に好ましい。本発明において、これらのジイソシアネート(E)は、一種のみを単独で用いても良いし、複数を併用しても良い。
さらに本発明では、上記ジアソシアネート(E)と併用してイソシアネート基を3つ以上有するポリイソシアネートを使用することができる。イソシアネート基を3つ以上有するポリイソシアネートとしては、分子中に3つ以上のイソシアネート基を有する化合物であれば、特に限定されることなく、例えば、芳香族ポリイソシアネ−ト、脂肪族ポリイソシアネ−ト、芳香脂肪族ポリイソシアネ−ト、脂環族ポリイソシアネ−ト等が挙げられる。前記ポリイソシアネートは、上記に示すジイソシアネート(E)のトリメチロ−ルプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレ−ト環を有する3量体であることが好ましい。
<活性水素含有官能基を2つ以上有する化合物(Q)>
本発明の活性水素含有官能基を2つ以上有する化合物(Q)中の活性水素含有官能基としては、水酸基、アミノ基、チオール基等が挙げられる。本発明では、活性水素含有官能基として水酸基を2つ有する化合物(Q)としては、ジオール(F)、活性水素含有官能基として2つのアミノ基を有する化合物(Q)としては、ジアミン(G)、および活性水素含有官能基として2つのチオール基を有する化合物(Q)としては、ジチオール(C)を使用するのが好ましい。
<ジオール(F)>
本発明のジオール(F)としては、高分子量ジオール類、ビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノール類、ビスフェノール類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させたグリコール類、さらに分子内に水酸基を2個以上有する低分子ジオール等を用いることができる。
また、ジオール(F)として、ウレタン樹脂の基材への密着性の向上、およびウレタン樹脂中に硬化用の架橋点となる官能基を導入する目的として、アニオン性官能基含有ジオールを用いてもよい。
アニオン性官能基含有ジオールとしては、例えばカルボキシル基、スルフォン基等を有するジオールを使用することができるが、粘着剤として使用する際の硬化用の官能基を付与する目的としては、特にカルボキシル基を有するジオール(F1)を用いることが好ましい。カルボキシル基を有するジオール(F1)としては、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酢酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、ジヒドロキシプロピオン酸等のジメチロールアルカン酸、ジヒドロキシコハク酸、ジヒドロキシ安息香酸が挙げられる。特に、反応性、溶解性点からは、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸が特に好ましい。これらは単独使用もしくは併用することができる。
高分子量ジオール類は、重合度2以上の繰り返し単位を有し、かつ、2個の水酸基を有する化合物であり、ポリカーボネートジオール類(F2)、ポリエステルジオール類(F3)、ポリエーテルジオール類(F4)が挙げられる。
本発明に用いられるポリカーボネートジオール類(F2)とは、下記一般式(1)で示される基を有するものであり、公知のポリカーボネートジオールを使用することができる。
一般式(1)
−[−O−R1−O−CO−]k
(式中、R1は、2価の有機残基、kは、1以上の整数を表す。)
ポリカーボネートジオール類(F2)は、例えば、(I)グリコールまたはビスフェノールと、炭酸エステルとの反応、(II)グリコールまたはビスフェノールにアルカリの存在下でホスゲンを作用させる反応などで得られる。
(I)の製法で用いられる炭酸エステルとして具体的には、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどが挙げられる。
また、(I)の製法で用いられるグリコール成分またはビスフェノールとして具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)、2,2,8,10−テトラオキソスピロ[5.5]ウンデカン、あるいはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノール類、ビスフェノール類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させたビスフェノール類等も用いることができる。これらの化合物は一種または二種以上の混合物として使用することができる。
(II)の製法である、グリコールまたはビスフェノールにアルカリの存在下でホスゲンを作用させる方法でも、上記グリコールを使用することができる。
ポリカーボネートジオール類(F2)において具体的には、クラレ株式会社のクラレポリオールCシリーズを用いることができる。そのなかでもPMHC−1050、PMHC−2050、C−1090、C−2090、C−1065N、C−2065N、C−1015N、C−2015Nは柔軟性があり、粘着剤の原料として優れているため好ましい。
ポリカーボネートジオール類(F2)の重量平均分子量は、好ましくは500〜5000、さらに好ましくは1000〜3500である。重量平均分子量が500よりも小さいとウレタン樹脂を合成した際に樹脂が硬くなり、粘着性が低下する場合がある。重量平均分子量が5000を超えるとウレタン樹脂の凝集力が不足する場合がある。
本発明に用いるポリエステルジオール類(F3)としては、公知のポリエステルジオールを用いることができる。ポリエステルジオール類(F3)としては、例えば、ジオール成分と二塩基酸成分とを縮合反応したポリエステルジオールが挙げられる。
ポリエステルジオール類(F3)の重量平均分子量は、好ましくは500〜5000、さらに好ましくは1000〜3500である。
本発明に用いるポリエーテルジオール類(F4)としては、公知のポリエーテルジオールを用いることができる。例えば、テトラヒドロフラン、あるいはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの重合体、共重合体あるいはグラフト共重合体、またはヘキサンジオール、メチルヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオールあるいはこれらの混合物の縮合によるポリエーテルジオール類、プロポキシル化またはエトキシル化されたポリエーテルジオール類等の水酸基が2個以上のものを用いることができる。
さらに、アルキレンオキサイドを重合する際の重合開始剤としては、例えば、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の3価以上のアルコールであるポリエーテルポリオールも好適に用いられる。また、部分エステル化した多価アルコールとポリエーテルジオールの付加物も利用できる。この場合、ポリエーテル部分はブロックポリマーであってもランダムポリマーであってもよい。ポリエーテルジオールを付加した末端は水酸基であるが、部分的にアルキルオキシ基や芳香族炭化水素オキシ基であってもよい。
ポリエーテルジオール類(F4)の重量平均分子量は、側鎖効果が引き出されやすくするために、好ましくは100〜100000、より好ましくは500〜25000、特に好ましくは1000〜10000である。
ジオール(F)は、上記ポリカーボネートジオール類(F2)、上記ポリエステルジオール類(F3)および上記ポリエーテルジオール類(F4)の群から選ばれる1つ以上の化合物中の水酸基と、下記に示すジイソシアネート(E)中のイソシアネート基とを、前記水酸基のモル数が、前記イソシアネート基のモル数より多くなる条件で反応させて得ることができる、末端が水酸基のウレタンジオールであってもよい。
また、ε−カプロラクトン、β−メチル−γ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン類環状エステル化合物の開環重合により得られるポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、シリコンジオール等も使用できる。
本発明では、上記した高分子量ジオール類の他に、分子内に水酸基を2個以上有する低分子ジオールを使用することができる。低分子量ジオールとしては、水酸基を2つ有し、繰り返し単位を有するポリマーでないものであれば公知のものを使用できる。屈折率を上げる用途では芳香環含有ジオール(F5)、臭素原子含有ジオール(F6)、硫黄原子含有ジオール(F7)を挙げることができる。
芳香環含有ジオール(F5)としては、従来公知のものを使用することができる。芳香環としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラキノン、ビフェニル、フルオレン、カルバゾールなどの骨格が挙げられる。芳香環含有ジオール(F5)が、下記一般式(2)で示される構造と2つの水酸基を有する化合物(F5’)である場合、化合物(F5’)は本発明のウレタン樹脂の屈折率を上げ、樹脂自体の着色も少ない面で特に好ましい。
一般式(2)
Figure 0005119685
上記一般式(2)で示される構造と2つの水酸基を有する化合物(F5’)としては、ビスフェノキシエタノールフルオレン、ビスフェノールフルオレン、ビスクレゾールフルオレンなどが挙げられる。また、化合物(F5’)以外の芳香環含有ジオール(F5)としては、ビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノール類などが挙げられる。
臭素原子含有ジオール(F6)としては、従来公知のものを使用することができる。例えば、3−ブロモ−1,2−プロパンジオール、5−ブロモ−1,2−ペンタンジオール、2−ブロモ−1,3−プロパンジオール、2,2−ビス(ブロモメチル)−1,3−プロパンジオール、2,3−ジブロモ−1,4−ブタンジオール、2−ブロモメチル−2−メチルプロパン−1,3−ジオール、1,4−ジブロモ−2,3−ブタンジオール、3,4−ジブロモヘキサン−2,5−ジオールなどが挙げられる。
硫黄原子含有ジオール(F7)としては、従来公知のものを使用することができる。具体的には、2,2’−ジチオジエタノール、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3−メルカプトプロポキシフェニルプロパン)、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)エタン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)ブタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ジフェニルスルフォン、3,3’−ジメチル4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’,5,5’−テトラメチル−2,2’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2,2’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’−ジニトロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォンなどが挙げられる。
上記以外のジオール(F8)としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)などが挙げられる。
また、ジオール(F)の代わりに、または併用して、前述したジチオール(C)を使用することができる。
さらに本発明では、ジオール(F)と併用して、分子中に3つ以上の水酸基を有する化合物を使用することができる。分子中に3つ以上の水酸基を有する化合物としては、多価アルコールが挙げられ、例えば、トリメチロールエタン、ポリトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ポリトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、アラビトール、キシリトール、ガラクチトール、グリセリン等が挙げられる。
<ジアミン(G)>
本発明においてジアミン(G)とは、2個の一級または二級アミノ基を有する化合物であり、ウレタン樹脂の鎖延長を目的として用いられる。本発明に用いるジアミン(G)は、公知のものを使用することができ、具体的には、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン等の脂肪族ポリアミン;
イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン等の脂環式ポリアミン;
フェニレンジアミン、キシリレンジアミン等の芳香族ポリアミン;
さらに、ダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン、および両末端にプロポキシアミンを有し下記一般式(3)で示されるポリオキシアルキレングリコールジアミン等を使用することができる。
一般式(3)
2N−CH2−CH2−CH2−O−(Cm2m−O)n−CH2−CH2−CH2−NH2
(式中、mは2〜4の任意の整数、nは2〜50の任意の整数を示す。)が挙げられる。
上記のジアミン(G)の中でもイソホロンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンは、ウレア化反応の制御が容易で衛生性に優れていることから好ましい。
さらに、本発明においてジアミン(G)は、ウレタン樹脂を鎖延長する目的の他に、樹脂側鎖への反応性官能基導入を目的として用いられる。この目的は、反応性官能基を有するジアミンを用いることで可能である。前記反応性官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基等の反応性官能基が挙げられ、導入する反応性官能基は使用目的により自由に選択できる。特に、ウレタン樹脂中に硬化用の架橋点となる反応性官能基を導入する目的としては、水酸基が好ましく、本発明に用いるジアミン(G)の中でも水酸基を有するジアミン(G1)がより好ましい。
水酸基を有するジアミン(G1)としては、2つのアミノ基と1つ以上の水酸基を有する公知の化合物使用することができ、例えば、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、(2−ヒドロキシエチルプロピレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシエチルエチレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレン)ジアミン、(2−ヒドロキシプロピルエチレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレン)ジアミン等の分子内に水酸基を有するジアミン類や、市販されているMXD−PO1(三菱ガス化学社製)、MXD−PO2(三菱ガス化学社製)、MXD−EO1(三菱ガス化学社製)、MXD−EO2(三菱ガス化学社製)、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン(広栄化学工業株式会社製)、アミノエチルエタノールアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)キシリレンジアミン(明成化学工業株式会社製)等が挙げられる。
また、水酸基を有するジアミン(G1)として、前記ジアミン(G)の中で一級アミノ基を有するジアミンと、不飽和基および水酸基を有する化合物(T)とをマイケル付加反応させて得ることができる化合物も使用することができる。すなわち、前記ジアミン(G)の中で一級アミノ基を有するジアミン中の一級アミノ基と、不飽和基および水酸基を有する化合物(T)中の不飽和基と、のマイケル付加反応により、ジアミン中の一級アミノ基を二級アミノ基へと変性して、これを鎖延長に用いることで、化合物(T)に含まれる水酸基を容易にウレタン樹脂の側鎖に導入できる。
水酸基を有するジアミン(G1)の中でも、二級アミノ基を2つ有するジアミンを用いる方が、より安定に本発明のウレタン樹脂を製造できるため特に好ましい。
<不飽和基および水酸基を有する化合物(T)>
前述したように、不飽和基および水酸基を有する化合物(T)は、水酸基を有するジアミン(G1)としての好ましい化合物を合成する際に使用する化合物である。化合物(T)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシビニルベンゼン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、アリルアルコール、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明では目的に応じて、不飽和基および水酸基を有する化合物(T)の代わりに、または、併用して化合物(T)以外の不飽和基を有する化合物を使用することができる。
化合物(T)以外の不飽和基を有する化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレート、ヘンイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜22のアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。ウレタン樹脂の極性の調節を目的とする場合には、好ましくは炭素数2〜10、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルキル基を有するアルキル基含有アクリレート、または対応するメタクリレートが挙げられる。レベリング性の調節等を目的とする場合には、炭素数6以上が好ましい。炭素数が23以上になると目的にもよるが、マイケル付加反応が進みにくくなる場合がある。
また、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、または、これらのアルキルもしくはアルケニルモノエステル、フタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、イソフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、テレフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、コハク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸等のカルボキシル基含有不飽和化合物;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートメチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン等のジアルキルアミノ基含有不飽和化合物;
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、トリメチル−3−(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、トリメチル−3−(1−(メタ)アクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライドおよびトリメチル−3−[1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルエチル]アンモニウムクロライド等の上記ジアルキルアミノ基含有不飽和化合物を四級アンモニウム化せしめることにより得られ、対イオンとしてCl-、Br-、I-等のハロゲンイオンまたはRSO3 -(R:炭素数1〜12アルキル基)を有する四級アンモニウム塩基含有不飽和化合物;
パーフルオロメチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルメチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロノニルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロデシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルアミル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルウンデシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を有するパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート類;
パーフルオロブチルエチレン、パーフルオロヘキシルエチレン、パーフルオロオクチルエチレン、パーフルオロデシルエチレン等のパーフルオロアルキル、アルキレン類等のパーフルオロアルキル基含有不飽和化合物;
ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等アルコキシシリル基を有する不飽和化合物、およびその誘導体;
グリシジルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルアクリレートなどのエポキシ基含有不飽和化合物;
メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングチコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ペンタキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、n−ペンタキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の、ポリアルキレングリコール基含有不飽和化合物であり、末端にアルコキシ基を有する不飽和化合物;
フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール基含有不飽和化合物であり、末端にフェノキシ基を有する不飽和化合物;
(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ペントキシメチル−(メタ)アクリルアミドなどのモノアルキロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メチロール)アクリルアミド、N−メチロール−N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−メトキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(プロポキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(メトキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ペントキシメチル)アクリルアミド、N−メトキシメチル−N−(ペントキシメチル)メタアクリルアミドなどのジアルキロール(メタ)アクリルアミド等のアミド系不飽和化合物;
酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の脂肪酸ビニル系のアルキル基含有不飽和化合物;
ブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル系のアルキル基含有不飽和化合物、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン等のα−オレフィン系アルキル基含有不飽和化合物;
酢酸アリル、アリルベンゼン、シアン化アリル等のアリル化合物、シアン化ビニル、ビニルシクロヘキサン、ビニルメチルケトン、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、クロロスチレンなどのビニル化合物;
および、アセチレン、エチニルベンゼン、エチニルトルエン等のエチニル化合物;
が挙げられる。
ジアミン(G)の中で一級アミノ基を有するジアミンと、化合物(T)および化合物(T)以外の不飽和基を有する化合物と、のマイケル付加反応は、前記ジアミン中の一級アミノ基1モル当量と、化合物(T)および化合物(T)以外の不飽和基を有する化合物中の不飽和基1モル当量とが反応する。一級アミノ基は、電子吸引性の基を持つ不飽和基に容易にマイケル付加をするが、化合物(T)および化合物(T)以外の不飽和基を有する化合物としては、(メタ)アクリル系化合物、特にアクリレート系化合物が好ましい。また、アクリレート系化合物と、対応するメタアクリレート系化合物とを比較すると、アクリレート系化合物の方がマイケル付加反応の効率がよく好ましい。
また、上記マイケル付加反応で得られる水酸基を有するジアミン(G1)の合成方法としては、公知の方法を利用できる。化合物(T)が、(メタ)アクリル系化合物、特にアクリレート系化合物等である場合、必要に応じて触媒の下に10〜100℃で反応が進行する。使用する化合物(T)の種類にも因るが40〜80℃の反応温度が好ましい。反応温度が高すぎるとエステルアミド交換反応が生じるため好ましくない。また、化合物(T)が電子吸引性基を持たない場合には金属触媒の存在で反応が可能になり、この場合、触媒存在下で加熱しながら60〜100℃で反応させると適度な反応速度になり好ましい。
また、溶剤は使用してもしなくても良く、その種類は特に限定しないが、メチルエチルケトン、トルエン、アセトン、シクロヘキサノン、ベンゼン等の公知の溶剤を使用できる。溶剤を使用する場合の溶液濃度は、好ましくは20重量%以上さらに好ましくは50重量%以上である。これより希薄な場合には、反応が進行しにくいため好ましくない。また、反応時間としては、使用する化合物(T)の種類により異なるが、30分〜5時間で終了する。
本発明のウレタン樹脂は、上述した化合物(D)とジイソシアネート化合物(E)とを反応、もしくは、化合物(D)と、活性水素含有官能基を2つ以上有する化合物(Q)と、ジイソシアネート化合物(E)とを反応させることで得られるが、合成条件を調整することにより末端にイソシアネート基を有するウレタン樹脂を合成した後に、必要に応じてイソシアネート基と反応活性なアミノ基を分子内に一つ有する化合物(H)をさらに反応させることができる。また、化合物(H)に代えて、または併用して、イソシアネート基と反応活性な官能基を分子内に一つ有する化合物を使用することができる。なお、ここでいう官能基とは、例えば水酸基、カルボキシル基、チオール基等の活性水素を有する官能基をいう。
イソシアネート基と反応活性なアミノ基を分子内に一つ有する化合物(H)は、分子量の制御、または、ウレタン樹脂末端に未反応で残るイソシアネート基と反応し、樹脂の反応活性を安定化させる目的、および硬化剤と反応可能な官能基を樹脂末端に導入する目的で用いられる。
本発明に用いる、イソシアネート基と反応活性なアミノ基を分子内に一つ有する化合物(H)としては、一級および二級アミノ基を分子内に1つ有する化合物が挙げられる。例えば、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジイソノニルアミン等のジアルキルアミン類;
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール等の水酸基を有するモノアミン;
モノメチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、ベンジルヒドラジン等のアルキルヒドラジン類;
ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、ラウリン酸ヒドラジド等のヒドラジド類;
N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン等の三級アミノ基と一級アミノ基を有するアミン化合物;
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等アルコキシシリル基を有するモノアミン化合物が挙げられる。
上記のイソシアネート基と反応可能な化合物(H)の中でも2−アミノ−2−メチル−プロパノールなどのように水酸基を有するモノアミンは、末端が水酸基である保存安定性に優れたウレタン樹脂を得ることができる。この末端が水酸基であるウレタン樹脂は、ポリイソシアネート系の硬化剤を添加して架橋させる際に末端の水酸基が架橋部位としての役割も果たすことから好ましい。なお、水酸基を有するモノアミンの場合、アミノ基と水酸基両方が、ウレタン樹脂の末端イソシアネート基と反応可能であるが、アミノ基の反応性の方が高く、優先的にイソシアネート基と反応する。また、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン等の三級アミノ基と一級アミノ基を有するアミン化合物は、ウレタン樹脂の末端にカチオン性基を導入するために好適に使用される。
イソシアネート基と反応活性なアミノ基を分子内に一つ有する化合物(H)の使用量は、ジアミン(G)と混合添加する場合と、単独で最後に添加する場合により異なるが、混合添加する場合には、イソシアネート基を有する化合物中の、イソシアネート基1モルに対して好ましくは0.5モル以下、さらに好ましくは、0.3モル以下であり、単独で最後に添加する場合には、最終的に存在するイソシアネート基1モルに対して0.5〜3.0モルであり、特に樹脂の安定化を目的とした場合には1〜3.0モルが好ましい。イソシアネート基と反応可能な化合物(H)を単独で最後に添加する場合において、化合物(H)の使用量が、イソシアネート基を有する化合物中のイソシアネート基1モルに対して1モルより少ない場合にはイソシアネート基が残存し、経時の安定性が悪くなる場合がある。また化合物(H)の使用量がイソシアネート基を有する化合物中のイソシアネート基1モルに対して3.0モルより多い場合には、本発明のウレタン樹脂を硬化剤(J)で硬化させる時に反応を阻害することになり、塗膜の成膜性が低下する場合がある。なお、反応の終点は、滴定によるNCO%測定、IR測定によるイソシアネートピークの消失により判断する。
本発明のウレタン樹脂の合成におけるアクリロイル基と、チオール基および/またはアミノ基との反応、およびイソシアネート基と、水酸基および/またはチオール基との反応には、公知の触媒を使用することができる。例えば、三級アミン系化合物、有機金属系化合物等が挙げられる。
三級アミン系化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)等が挙げられ、これらを単独もしくは併用で使うことができる。
有機金属系化合物としては、錫系化合物、非錫系化合物を挙げることができる。錫系化合物としては、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
また、非錫系化合物としては、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライドなどのチタン系、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛系、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネートなどの鉄系、安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルトなどのコバルト系、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛などの亜鉛系、ナフテン酸ジルコニウムなどが挙げられる。
上記触媒の中で、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、2−エチルヘキサン酸錫等が反応性や衛生性の点で好ましい。上記三級アミン系化合物、有機金属系化合物等の触媒は、場合によっては単独でも使用できるが、併用することもできる。
本発明のウレタン樹脂の合成時には公知の溶剤が好適に使用される。溶剤の使用は反応制御を容易にする役割を果たす。かかる目的で使用される溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アセトン、ベンゼン、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジグライム、ジメトルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルミアミド等が挙げられる。ウレタン樹脂の溶解性、溶剤の沸点、アミンの溶解性の点から、特に酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンまたはこれらの混合溶剤が好ましい。また、溶剤を使用した場合のウレタン樹脂反応系内の濃度は、樹脂固形分で好ましくは50〜95重量%、さらに好ましくは60〜90重量%であり、濃度が低すぎると反応性が低下しすぎることから好ましくない。
本発明のウレタン樹脂の製造方法は、ジ(メタ)アクリレート(A)と、水酸基含有モノチオール(B)および/またはジチオール(C)と、を反応して水酸基および/またはチオール基を両末端に有する化合物(D)を得る第一の工程、および、前記化合物(D)と、ジイソシアネート(E)と、を反応する第二の工程を含む工程からなる。または、ジ(メタ)アクリレート(A)と、水酸基含有モノチオール(B)および/またはジチオール(C)と、を反応して水酸基および/またはチオール基を両末端に有する化合物(D)を得る第一の工程、および、前記化合物(D)と、活性水素含有官能基を2つ以上有する化合物(Q)と、ジイソシアネート(E)と、を反応する第二の工程を含む工程からなる。これら各工程においては、種々の方法が可能であるが、主に下記に示す工程が用いられる。
<第一の工程>
ジ(メタ)アクリレート(A)と、水酸基含有モノチオール(B)および/またはジチオール(C)を反応釜に仕込み反応させるが、場合によっては、溶剤や触媒を添加して反応を行う。この反応により水酸基および/またはチオール基を両末端に有する化合物(D)を得ることができる。反応温度は、100℃以下であることが好ましい。
<第二の工程>
ジイソシアネート(E)と、第一の工程で得られた化合物(D)、場合によってはさらに活性水素含有官能基を2つ以上有する化合物(Q)とを反応させて本発明のウレタン樹脂を得る工程である。任意に溶剤、触媒、および化合物(H)を使用することができる。第二の工程は、前記化合物を反応釜に仕込み、一段階で反応させる方法と、ジイソシアネート(E)と、第一の工程で得られた化合物(D)、場合によってはさらにジオール(F)をまず反応させ、次にジアミン(G)を反応させる二段階で反応させる方法がある。
一段階で反応させる方法では、反応温度が120℃以下であることが好ましい。さらに好ましくは50〜110℃である。110℃より高い場合、反応速度の制御が困難になり、所定の重量平均と構造を有するウレタン樹脂が得られない場合がある。
二段階で反応させる方法について一例を挙げて説明する。まず一段目の反応として、化合物(D)、ジイソシアネート(E)、および任意で、ジオール(F)を反応釜に仕込み反応させる。反応後、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得る。次に二段目の反応として、一段階目の反応溶液中に、イソシアネート基が消失しない量のジアミン(G)を滴下し、ウレタンプレポリマーとのウレア化反応により鎖延長反応を行い目的の分子量とする。最後に、末端に残るイソシアネート基と等量の化合物(H)とを反応させ、ウレタン樹脂を得る。一段目の反応温度は、120℃以下であることが好ましい。さらに好ましくは50〜110℃である。110℃より高い場合、反応速度の制御が困難になり、所定の重量平均と構造を有するウレタン樹脂が得られない場合がある。反応時間は1〜5時間行うのが好ましい。また、二段目の反応温度は、50℃以下であることが好ましい。
化合物(D)、ジオール(F)、およびジイソシアネート(E)の配合比は、化合物の反応性、得られたウレタン樹脂の用途などで大きく左右される。一段階でウレタン樹脂を合成する場合、樹脂末端に水酸基を有するためには、化合物(D)およびジオール(F)中の水酸基および/またはチオール基1モルに対してジイソシアネート(E)のイソシアネート基が1モル以下であることが必要であり、好ましくは0.5〜0.99モルの範囲内が適当である。
また、ウレタン樹脂を二段階で合成する場合、一段階目に生成するウレタンプレポリマーが少なくとも1個のイソシアネート基を有するためには、化合物(D)およびジオール(F)中の水酸基および/またはチオール基1モルに対して、ジイソシアネート(E)のイソシアネート基が1モル以上であることが必要であり、好ましくは1.01〜4.00モル、さらに好ましくは1.40〜3.00モルの範囲内が適当である。さらに、一段目に合成したウレタンプレポリマー中のイソシアネート基と、ジアミン(G)との比率は、ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基1モルに対して、ジアミン(G)中のアミノ基が1モル未満であることが必要であり、好ましくは0.1〜0.99モル、さらに好ましくは0.5〜0.9モルの範囲内が適当である。
本発明のウレタン樹脂の分子量は、特に限定はないが、GPCによる標準ポリスチレン換算の重量平均分子量で1000〜200000が好ましい。さらに好ましくは、5000〜150000である。また、数平均分子量としては、好ましくは1000〜150000であり、さらに好ましくは、2000〜100000である。数平均分子量が150000を超えると粘度が極端に高くなるため扱いにくくなる場合がある。逆に数平均分子量が1000未満になるとポリマーとしての性能を発現できない場合がある。
また、得られたウレタン樹脂の溶液粘度は特に制限はなく、樹脂の用途により選択されるが、好ましくは、10〜50000mP・s(25℃)であり、粘着剤として使用する場合には、さらに好ましくは、500〜10000mP・s(25℃)である。粘度が50000mP・s(25℃)を超えると塗加工が困難になる場合があり、粘度が10mP・s(25℃)より低いと、塗工時にウレタン樹脂が流れてしまい、塗工が困難になる場合がある。
本発明において、ウレタン樹脂には、印刷適性、塗膜特性、および粘着特性を向上させる目的で、有機・無機のフィラーを配合しても良い。有機フィラーとしては、デンプン等の天然物、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系、ポリスチレン系、スチレン−アクリル系、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン6−12等のナイロン系、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、4フッ化エチレン等のオレフィン系、ポリエステル系、フェノール系、ベンゾグアナミン系の樹脂微粒子等が挙げられる。
無機フィラーとしては、クレー、ケイソウ土、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、タルク、カオリン、焼成カオリン、硫酸バリウム、二酸化チタン、硫酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、擬ベーマタイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、モンモリナイト等が挙げられる。
さらに、下記(i)〜(iii)の化合物を使用した場合には、得られたウレタン樹脂を無機フィラーにグラフトせしめることができる。
(i)イソシアネート基と反応可能な化合物(H)として一級または二級アミノ基と、水酸基またはカルボキシル基を有する化合物を使用した場合。
(ii)イソシアネート基と反応可能な化合物(H)としてメチロール基またはN−アルコキシメチル基を有する化合物を使用した場合。
(iii)イソシアネート基と反応可能な化合物(H)としてアルコキシシリル基を有する化合物を使用した場合。
ウレタン樹脂が水酸基またはカルボキシル基を有する場合[(i)の場合]、樹脂とフィラーの混合液中にシランカップリング剤を添加し、40〜100℃、10分〜3時間加熱攪拌することによりグラフト化が可能である。
また、ウレタン樹脂がメチロール基またはN−アルコキシメチル基を有する場合[(ii)の場合]、樹脂とフィラーの混合液を必要に応じて酸触媒の存在下に加熱攪拌することによりグラフト化が可能である。
ウレタン樹脂がアルコキシシリル基を有する場合[(iii)の場合]、樹脂とフィラーの混合液を40〜100℃、10分〜3時間加熱攪拌することによりグラフト化が可能である。
フィラーとウレタン樹脂との配合比率は、フィラー配合の目的により異なる。例えば、ブロッキング防止や塗膜の機械的特性の向上を目的とする場合には、ウレタン樹脂の全量を基準とし、好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜40重量%である。50重量%を超えると塗膜の機械特性、特に折り曲げ性、伸張性が低下する場合がある。また、乾燥性の向上を目的とする場合には、好ましくは50〜95重量%、さらに好ましくは60〜90重量%である。50重量%未満では十分な乾燥性の向上効果が得られない場合がある。フィラーの配合率が高い場合、フィラーとウレタン樹脂をグラフトさせると、塗膜の機械特性が飛躍的に向上するため好ましい。
また、ウレタン樹脂粘着剤の屈折率の向上を目的とする場合には、ウレタン樹脂の全量を基準とし、好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは3〜40重量%である。50重量%を超えると粘着性が低下する場合があり、1%未満では十分な屈折率向上の効果が得られない場合がある。
さらに、本発明においてウレタン樹脂には、ブロッキング防止、カーリング防止、表面光沢の調整、耐候性の向上、インキ滴の濡れ性の改善等を図るべく、本発明の目的を妨げない範囲で他の樹脂を配合することができる。他の樹脂の例としては、アクリル樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリスチレン、フッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリイソブチレン、石油樹脂、ロジン、ニトロセルロース、しょ糖エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体、エチレン/酢酸ビニル系共重合体、α−オレフィン/無水マレイン酸系共重合体、スチレン/無水マレイン酸系共重合体等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂等の他、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ホスファゼン樹脂等の紫外線または電子線により硬化する樹脂があり、これらを1種または2種以上配合することができる。また、必要に応じて、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン等の充填剤、粘着付与剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤等の蛍光染料、着色染料、着色剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、クレーター防止剤、沈降防止剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、ワックス、熱安定剤等の添加剤も、適宜1種または2種以上添加することができる。
また、本発明のウレタン樹脂には、添加剤として化防止剤を混合することができる。劣化防止剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤および光安定剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる。
本発明に用いる酸化防止剤としては、ラジカル連鎖禁止剤(1次酸化防止剤)、過酸化物分解剤(2次酸化防止剤)が挙げられる。
ラジカル連鎖禁止剤(1次酸化防止剤)としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤が挙げられる。
過酸化物分解剤(2次酸化防止剤)としては、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系酸化防止剤、が挙げられる。
モノフェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリン−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、等が挙げられる。
ビスフェノール系酸化防止剤としては、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、等が挙げられる。
高分子型フェノール系酸化防止剤としては、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H、3H、5H)トリオン、トコフェノール、等を挙げられる。IRGNOX L 135(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社)、は樹脂との相溶性から特に好ましい。
硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、等が挙げられる。
本発明に用いる紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸系、シュウ酸アニリド系、シアノアクリレート系、トリアジン系、の紫外線吸収剤を挙げることができる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン、等を挙げることができる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’,−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2’メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、[2(2’−ヒドロキシ−5’−メタアクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、等を挙げることができる。TUNUVIN 571(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社)、は樹脂との相溶性から特に好ましい。
サリチル酸系紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、等を挙げることができる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、等を挙げることができる。
本発明に用いる光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線安定剤、の光安定剤を挙げることができる。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、[ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート]、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートを挙げることができる。商品名としては、TINUVIN 765(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社)、アデカスタブL−77(旭電化)、Chimssorb 944LD(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社)、TINUVIN 622LD(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社)、TINUVIN 144(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社)、アデカスタブL−57(旭電化)、アデカスタブL−62(旭電化)、アデカスタブL−67(旭電化)、アデカスタブL−63(旭電化)、アデカスタブL−68(旭電化)、アデカスタブL−82(旭電化)、アデカスタブL−87(旭電化)、Goodrite UV−3034(Goodrich)を挙げることができる。TINUVIN 765(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社)は樹脂との相溶性から特に好ましい。
紫外線安定剤としては、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、[2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェノラート)]−n−ブチルアミンニッケル、ニッケルコンプレックス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸モノエチレート、ニッケル−ジブチルジチオカーバメート、ベンゾエートタイプのクエンチャー、ニッケル−ジブチルジチオカーバメート、等を挙げることができる。
劣化防止剤として酸化防止剤と、紫外線吸収剤または光安定剤とを含むことが好ましく、さらに酸化防止剤、紫外線吸収剤および光安定剤をすべて含むことが好ましい。TINUVIN B 75(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社)は、IRGNOX L 135(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社)とTINUVIN 571(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社)とTINUVIN 765(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社)とを含み、お互いの効果が干渉することなく使用できて好ましい。その使用量は固形分の0〜10重量%が好ましい。
本発明のウレタン樹脂は、粘着剤用のベース樹脂として好適に使用することができる。本発明のウレタン粘着剤は、本発明のウレタン樹脂と硬化剤(I)とを併用すると凝集力の高い粘着剤となる。本発明に用いられる硬化剤(I)としては、前述のジイソシアネート(E)、公知の3官能イソシアネート(E’)を使用することができる。3官能のイソシアネート(E’)としては、ジイソシアネート(E)のトリメチロールプロパンアダクト体、およびイソシアヌレート環を有する3量体等を使用することができる。また、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(PPI)およびこれらのポリイソシアネート変性物等も使用できる。なおポリイソシアネート変性物としては、カルボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、水と反応したビュレット基、およびイソシアヌレート基から選ばれるいずれかの基、またはこれらの基の2種以上を有する変性物を使用できる。
3官能イソシアネート(E’)としては、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等が挙げられる。
本発明のウレタン樹脂と硬化剤(I)との配合比は、ウレタン樹脂100重量部に対して硬化剤(I)0.1〜10重量部が好ましい。硬化剤(I)が0.1重量部より少ない場合は凝集力が低下する場合があり、10重量部より多い場合は粘着力が低下する場合がある。より好ましくは1〜5重量部である。硬化剤(I)の配合については、公知の配合方法を用いることができる。
本発明のウレタン粘着剤は、粘着シートとして好適に使用される。本発明の粘着シートは、前記ウレタン粘着剤から形成される粘着剤層を2枚の剥離シートで挟持したタイプと、剥離シートと基材フィルムとで挟持したタイプが挙げられる。剥離シートとしては、紙やフィルムにシリコーン系剥離剤を塗工したものなど公知のものを使用することができる。また、基材フィルムとしては、アクリル樹脂フィルム、メタクリル系樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム、PETフィルム、オレフィン系フィルムなどを使用することができる。
さらに本発明のウレタン粘着剤は、光学用部材を貼り合わせる用途への適用が好ましい。本発明の粘着剤から形成される粘着剤層は、従来の粘着剤から形成される粘着剤層に比べ屈折率を高くすることができるため、屈折率の高い光学用部材との屈折率差を小さくすることが可能である。すなわち、本発明のウレタン粘着剤から形成される粘着層と、該粘着剤層の屈折率の差が0.03以内の光学材料層(P)とが積層されてなることを特徴とする光学用積層体を得ることができる。該粘着剤層と光学用部材の屈折率の差を0.03以下に調整することにより、該粘着剤層と光学用部材の境界での界面反射光を低減することができ、光の利用効率を高めることができる。例えば、光学用部材が屈折率1.51のアクリル樹脂フィルムの場合、光学用部材と該粘着剤層の屈折率差が0.03以下であれば、入射角度70゜での反射率は2.0%以下になる。光学用部材と該粘着剤層との屈折率差が0.01以下であれば入射角度70゜での反射率は0.5%以下になりさらに好ましい。
<光学材料層(P)>
本発明でいう光学用積層体の一形態である、液晶表示装置の表示パネルは、液晶とともに、ガラス基板、偏光板(フィルム)、位相差板(フィルム)等の光学用部材を積層した構成となっている。さらにこれらの光学用部材は、一層もしくは多層の光学材料層(P)から構成されている。本発明でいう、光学材料層(P)は、これら表示パネルを構成している層であって、粘着剤層と接している層をいう。光の有効利用という観点からは、光学材料層(P)と粘着剤層との界面においては、全反射を防止することが求められている。一般的に、光学材料層(P)の屈折率は、例えば、ガラスの場合は1.52程度、アクリル樹脂フィルムの場合は1.51程度、メタクリル系樹脂フィルムの場合は1.51程度、アセテートフィルムの場合は1.49程度、トリアセチルセルロースフィルムの場合は1.52程度、シクロオレフィンフィルムの場合は1.52程度、ポリビニルアルコールフィルムの場合は1.50程度、ポリカーボネートフィルムの場合は1.54程度、一軸延伸PETフィルムの場合は1.65程度である。
本発明において、粘着剤層は、積層体中に2回以上使用されてもよい。また、粘着剤層の両側に光学材料層(P)が積層されてもよい。この場合、光学材料層(P)は、同じ材料からなっていてもよく、異なる材料からなっていてもよい。粘着剤層の両側に光学材料層がある場合は、少なくとも一方の界面での屈折率差が0.03以内であることが好ましい。
本発明は、光学材料層(P)に粘着剤層を積層するが、このような積層体は、慣用の塗布装置(ロールコーター、リバースコーター、グラビアコーター、バーコーターなど)を用いて、前記ウレタン粘着剤を光学材料層(P)上に塗布して乾燥し、必要に応じて加熱架橋させる方法、あるいは前記ウレタン粘着剤による粘着シートを用いて、光学材料層(P)に貼り合わせる方法により得ることができる。すなわち、光学材料層(P)に粘着シートを用いて転写させてもよく、直写してもよい。
本発明の積層体をフィルム導光板として用いる場合は、例えば、ポリカーボネートフィルムの片面に微細な凹凸形状を形成することで導光機能を付与したフィルムが例示される。なお、これらフィルム導光板に使用されるフィルム材料の屈折率は1.49以上、好ましくは1.50以上、さらに好ましくは1.51以上、最も好ましくは1.52以上である。該屈折率の上限は、1.60であることが好ましい。フィルム導光板の厚みは、用途に応じて、例えば、10〜200μm程度の範囲から適宜選択することができる。
その他、積層体としては、反射防止フィルム、導電性フィルムなどが挙げられ、それらを構成する材料としては、前記屈折率のものが好ましい。
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を表す。
合成例1[ジアミン(G)]
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、イソホロンジアミン(IPDA)60.0部、トルエン60.0部を仕込み、ここに2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート45.9部と、ブチルアクリレート45.2部の混合溶液を室温で滴下した。滴下終了後、80℃で2時間反応させた後、トルエン90.1部を加えたものを反応溶液(1)とする。
合成例2[化合物(D)]
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、ビス−2−メタアクリロイルチオエステルスルフィド(商品名:S2EG 住友精化株式会社製)157.6部、トルエン200部を仕込み、2−メルカプトエタノール42.4部を室温で滴下し、さらに50℃まで昇温し3時間反応行った。IRチャートのSH特性吸収が消失していることを確認し反応を終了した。これを反応溶液(2)とする。
合成例3[化合物(D)]
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、ビス−2−メタアクリロイルチオエステルスルフィド(商品名:S2EG 住友精化株式会社製)126.9部、トルエン40.0部を仕込み、ここに2−メルカプトエタノール30.7部、エチレングリコールビスチオグリコレート(商品名:EGTG 淀化学株式会社製)42.4部、トルエン10部の混合溶液を室温で滴下した。さらにトリエチルアミン0.5部加え、50℃まで昇温し3時間反応を行った。IRチャートのSH特性吸収が消失していることを確認し反応を終了した。これを反応溶液(3)とする。
合成例4[化合物(D)]
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、ライトアクリレートBP−4EA(共栄社化学株式会社製)146.5部、トルエン25.0部を仕込み、ここに2−メルカプトエタノール26.7部とトルエン25.0部の混合溶液を室温で滴下した。さらにトリエチルアミン0.5部加え、50℃まで昇温し3時間反応を行った。IRチャートのSH特性吸収が消失していることを確認し反応を終了した。これを反応溶液(4)とする。
実施例1
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、反応溶液(2)109.7部、クラレポリオールC−1015N(2官能ポリカーボネートジオール、株式会社クラレ製)169.2部、ビスフェノキシエタノールフルオレン(商品名:BPEF、大阪ガスケミカル株式会社製)26.9部、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(商品名:タケネート500、三井武田ケミカル株式会社製)99.0部、トルエン32.6部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し2時間反応を行った。イソシアネート滴定によりイソシアネート基残量を確認した後、40℃まで冷却し、酢酸エチル739.3部、を加えた。次に酢酸エチル18.5部で希釈した反応溶液(1)18.5部を2時間で滴下した後、2−アミノ−2−メチル−プロパノール(長瀬産業株式会社製)5.0部を加え、IRチャートのNCO特性吸収が消失していることを確認し反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で数平均分子量6000、重量平均分子量18500であった。
実施例2
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、反応溶液(3)104.8部、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(商品名:タケネート500、三井武田ケミカル株式会社製)16.2部、シクロヘキサノン67.0部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し4時間反応を行った。IRチャートのNCO特性吸収が消失していることを確認した後、シクロヘキサノン119部を加え反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で数平均分子量9800、重量平均分子量24700であった。
実施例3
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、反応溶液(3)145.7部、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(商品名:タケネート500、三井武田ケミカル株式会社製)34.4部、シクロヘキサノン8.4部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し2時間反応を行った。イソシアネート滴定でイソシアネート基残量を確認した後、40℃まで冷却し、シクロヘキサノン276.1部を加えた。次に、シクロヘキサノン20.1部で希釈した反応溶液(1)20.1部を3時間で滴下した後、2−アミノ−2−メチル−プロパノール(長瀬産業株式会社製)4.5部を加え、IRチャートのNCO特性吸収が消失していることを確認し反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で数平均分子量5800、重量平均分子量15400であった。
実施例4
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、反応溶液(3)120.2部、ビスフェノキシエタノールフルオレン(商品名:BPEF、大阪ガスケミカル株式会社製)16.1部、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(商品名:タケネート500、三井武田ケミカル株式会社製)37.7部、シクロヘキサノン3.8部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し2時間反応を行った。イソシアネート滴定でイソシアネート基残量を確認した後、40℃まで冷却し、シクロヘキサノン250.0部、を加えた。次に、シクロヘキサノン45.76部で希釈した反応溶液(1)45.76部を3時間で滴下した後、2−アミノ−2−メチル−プロパノール(長瀬産業株式会社製)7.0部を加えて、IRチャートのNCO特性吸収が消失していることを確認し反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で数平均分子量11000、重量平均分子量25500であった。
実施例5
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、反応溶液(3)92.3部、クラレポリオールC−1015N(2官能ポリカーボネートジオール、株式会社クラレ製)42.8部、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(商品名:タケネート500、三井武田ケミカル株式会社製)33.4部、トルエン19.0部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し2時間反応を行った。イソシアネート滴定によりイソシアネート基残量を確認した後、40℃まで冷却し、酢酸エチル336.0部、を加えた。次に、酢酸エチル20.2部で希釈した反応溶液(1)20.2部を3時間で滴下した後、2−アミノ−2−メチル−プロパノール(長瀬産業株式会社製)8.6部を加え、IRチャートのNCO特性吸収が消失していることを確認し反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で数平均分子量21000、重量平均分子量82000であった。
実施例6
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、反応溶液(3)60.0部、クラレポリオールC−1015N(2官能ポリカーボネートジオール、株式会社クラレ製)48.2部、ビスフェノキシエタノールフルオレン(商品名:BPEF、大阪ガスケミカル株式会社製)16.1部、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(商品名:タケネート500、三井武田ケミカル株式会社製)37.7部、トルエン25.5部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し2時間反応を行った。イソシアネート滴定によりイソシアネート基残量を確認した後、40℃まで冷却し、酢酸エチル250.5部、を加えた。次に、酢酸エチル24.3部で希釈した反応溶液(1)24.3部を2時間で滴下した後、2−アミノ−2−メチル−プロパノール(長瀬産業株式会社製)4.9部を加え、IRチャートのNCO特性吸収が消失していることを確認し反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で数平均分子量23500、重量平均分子量90000であった。
実施例7
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、反応溶液(3)42.7部、クラレポリオールC−1015N(2官能ポリカーボネートジオール、株式会社クラレ製)34.3部、ビスフェノキシエタノールフルオレン(商品名:BPEF、大阪ガスケミカル株式会社製)8.6部、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(商品名:タケネート500、三井武田ケミカル株式会社製)20.1部、ジメチロールブタン酸(商品名:DMBA、Perstorp社製)2.9部、シクロヘキサノン67.0部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し4時間反応を行った。IRチャートのNCO特性吸収が消失していることを確認した後、シクロヘキサノン119.0部を加え反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で数平均分子量15200、重量平均分子量40300であった。
実施例8
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、反応溶液(3)60.0部、クラレポリオールC−1015N(2官能ポリカーボネートジオール、株式会社クラレ製)48.2部、ビスフェノキシエタノールフルオレン(商品名:BPEF、大阪ガスケミカル株式会社製)16.1部、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(商品名:タケネート500、三井武田ケミカル株式会社製)37.7部、トルエン25.5部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し2時間反応を行った。イソシアネート滴定によりイソシアネート基残量を確認した後、40℃まで冷却し、酢酸エチル250.5部を加えた。次に、テトラメチレンジアミン3.2部と酢酸エチル48.6部の混合溶液を2時間で滴下した後、2−アミノ−2−メチル−プロパノール(長瀬産業株式会社製)5.1部を加え、IRチャートのNCO特性吸収が消失していることを確認し反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で数平均分子量11300、重量平均分子量42300であった。
実施例9
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、反応溶液(4)96.4部、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(商品名:タケネート500、三井武田ケミカル株式会社製)22.9部、シクロヘキサノン67.0部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し4時間反応を行った。IRチャートのNCO特性吸収が消失していることを確認した後、シクロヘキサノン119.0部を加え反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で数平均分子量9700、重量平均分子量27200であった。
実施例10
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、反応溶液(4)72.8部、クラレポリオールC−1015N(2官能ポリカーボネートジオール、株式会社クラレ製)51.6部、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(商品名:タケネート500、三井武田ケミカル株式会社製)40.3部、トルエン23.0部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し2時間反応を行った。イソシアネート滴定によりイソシアネート基残量を確認した後、40℃まで冷却し、酢酸エチル188.4部、を加えた。次に、酢酸エチル24.4部で希釈した反応溶液(1)24.4部を3時間で滴下した後、2−アミノ−2−メチル−プロパノール(長瀬産業株式会社製)6.6部を加え、IRチャートのNCO特性吸収が消失していることを確認し反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で数平均分子量16000、重量平均分子量65700であった。
合成例5
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、クラレポリオールC−1015N(2官能ポリカーボネートジオール、株式会社クラレ製)287.8部、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(商品名:タケネート500、三井武田ケミカル株式会社製)112.2部、トルエン100部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し2時間反応を行った。イソシアネート滴定によりイソシアネート基残量を確認した後、40℃まで冷却し、酢酸エチル775.0部、を加えた。次に、酢酸エチル40部で希釈した反応溶液(1)118.3部を4時間で滴下した後、2−アミノ−2−メチル−プロパノール(長瀬産業株式会社製)5.2部を加え、IRチャートのNCO特性吸収が消失していることを確認し反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で数平均分子量8500、重量平均分子量27700であった。
合成例6
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、アクリル酸ブチル222.0部、アクリル酸メチル62.0部、アクリル酸25.0部、酢酸エチル34.0部、アゾビスイソブチロニトリル0.084部を仕込み、窒素置換を30分以上行った。別に滴下ロートに、アクリル酸ブチル222.0部、アクリル酸メチル62.0部、アクリル酸25.0部、酢酸エチル584.0部、アゾビスイソブチロニトリル0.084部を用意した。その後反応装置を昇温し、60℃になった時点で、滴下ロートの内容物を滴下し始め反応を開始した。1時間で滴下を終了し、反応開始2時間後、および3時間後にそれぞれアゾビスイソブチロニトリル0.168部を追加し、さらに5時間撹拌を続け樹脂組成物を得た。重合は反応装置外壁を60℃に保ちながら行った。得られた高分子量体の数平均分子量32万、重量平均分子量138万であった。
(実施例11〜20、比較例1、2)
表1に示すとおり、実施例1〜10、合成例5、6で合成した樹脂について硬化剤(I)を配合し、屈折率と粘着力を測定した。実施例1〜10、比較例1で合成した樹脂については樹脂溶液の固形分100部に対して硬化剤(I)を4.0配合し、合成例6で合成した樹脂については硬化剤(I)を1.0配合した。硬化剤(I)は、ヘキサメチレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体の75重量%酢酸エチル溶液を用いた。
実施例11〜20、比較例1、2の粘着剤について、下記の試験方法により粘着力、屈折率を測定した。また、その結果を下記表1に示す。
粘着力と屈折率の試験方法は次の通りである。
<塗工方法>
上記粘着剤を剥離紙にアプリケータで20g/m2を塗工し、100℃、2分乾燥し、塗工物を作成した。室温で1週間経過したものを以下の測定に用いた。
<粘着力>
剥離紙にウレタン樹脂溶液を塗工した粘着シートを、ポリエチレンテレフタレートフィルム(膜厚25μm)に転写し、厚さ0.4mmのステンレス板(SUS304)に23℃、65%RHにて貼着し、JISに準じてロール圧着し20時間後、ショッパー型剥離試験器にて剥離強度(180度ピール、引っ張り速度300mm/分;単位N/25mm幅)を測定した。粘着力が5N/25mm以上のものを○、それ未満のものを×で示す。
<屈折率>
上記塗工物の屈折率を、アッベ屈折計(アタゴ株式会社)を用いて測定した。屈折率が1.50以上のものを○、それ未満のものを×で示す。
Figure 0005119685
表1に示すように、本発明のウレタン樹脂を用いた実施例11〜20の粘着剤は、屈折率が高く、粘着力が充分あったのに対し、比較例1、2の粘着剤は、屈折率と粘着力との両立ができなかった。

Claims (10)

  1. ジ(メタ)アクリレート(A)中の(メタ)アクリロイル基と、水酸基含有モノチオール(B)および/またはジチオール(C)中のチオール基と、を反応させてなる水酸基および/またはチオール基を両末端に有する化合物(D)中の水酸基および/またはチオール基と、ジイソシアネート(E)中のイソシアネート基と、を反応させてなるウレタン樹脂であって、
    ジ(メタ)アクリレート(A)が、硫黄原子を含むことを特徴とするウレタン樹脂。
  2. ジ(メタ)アクリレート(A)中の(メタ)アクリロイル基と、水酸基含有モノチオール(B)および/またはジチオール(C)中のチオール基と、を反応させてなる水酸基および/またはチオール基を両末端に有する化合物(D)中の水酸基および/またはチオール基と、活性水素含有官能基を2つ以上有する化合物(Q)中の活性水素含有官能基と、ジイソシアネート(E)中のイソシアネート基と、を反応させてなるウレタン樹脂であって、
    ジ(メタ)アクリレート(A)が、硫黄原子を含むことを特徴とするウレタン樹脂。
  3. 活性水素含有官能基を2つ以上有する化合物(Q)が、カルボキシル基を有するジオール(F1)、および/または、水酸基を有するジアミン(G1)である請求項2記載のウレタン樹脂。
  4. ジイソシアネート(E)が、芳香族ジイソシアネート(E1)または芳香脂肪族ジイソシアネート(E2)である請求項1〜いずれか記載のウレタン樹脂。
  5. ジ(メタ)アクリレート(A)と、水酸基含有モノチオール(B)および/またはジチオール(C)と、を反応して水酸基および/またはチオール基を両末端に有する化合物(D)を得る第一の工程、および、
    前記化合物(D)と、ジイソシアネート(E)と、を反応する第二の工程を含むウレタン樹脂の製造方法であって、
    ジ(メタ)アクリレート(A)が、硫黄原子を含むことを特徴とするウレタン樹脂の製造方法。
  6. ジ(メタ)アクリレート(A)と、水酸基含有モノチオール(B)および/またはジチオール(C)と、を反応して水酸基および/またはチオール基を両末端に有する化合物(D)を得る第一の工程、および、
    前記化合物(D)と、活性水素含有官能基を2つ以上有する化合物(Q)と、ジイソシアネート(E)と、を反応する第二の工程を含むウレタン樹脂の製造方法であって、
    ジ(メタ)アクリレート(A)が、硫黄原子を含むことを特徴とするウレタン樹脂の製造方法。
  7. 請求項1〜いずれか記載のウレタン樹脂を含有するウレタン粘着剤。
  8. 2枚の剥離シート間に、請求項記載のウレタン粘着剤から形成される粘着剤層が挟持されてなることを特徴とする粘着シート。
  9. 剥離シートと基材フィルム間に、請求項記載のウレタン粘着剤から形成される粘着剤層が挟持されてなることを特徴とする粘着シート。
  10. 請求項記載のウレタン粘着剤から形成される粘着剤層と、該粘着剤層の屈折率との差が0.03以内の光学材料層(P)とが積層されてなることを特徴とする光学用積層体。
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