JP5119527B2 - 非接触計測対象面形成用ペイント弾 - Google Patents
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Description
かかるインフラのリスク管理のためには、光学手段を使用して計測対象物の位置の変化や計測対象物までの距離や計測対象物の機械的振動を計測するために用いる非接触計測対象面を容易に形成することが不可欠となる。
一方、携帯に適したマーキングボール発射装置が提案されている(下記特許文献2参照)。
また、再帰反射性印刷用インキ組成物およびこれを用いた再帰反射性物品が提案されている(下記特許文献3参照)。
図12は従来の非接触計測の対象となる構造物に貼付ける再帰性反射シールを示す図、図13は従来の高架橋の下面に再帰性反射シールを貼付ける様子を示す図である。
〔1〕非接触計測対象面形成用ペイント弾において、レーザー光を利用して構造物の非接触計測を行う際、再帰性反射塗料を前記構造物に着弾させ付着させることにより、非接触計測対象面を形成する非接触計測対象面形成用ペイント弾であって、前記再帰性反射塗料が外被材により覆われている球状体であり、前記再帰性反射塗料はガラスビーズと、このガラスビーズを保持・固着させるためのバインダーと、前記再帰性反射塗料の見かけ粘度を上げ、前記ガラスビーズの沈下を防ぎ、運動エネルギーの付加により前記再帰性反射塗料の急激な粘度低下を起こすレデューサーを含むことを特徴とする。
〔3〕上記〔1〕記載の非接触計測対象面形成用ペイント弾において、前記ガラスビーズの表面にシランカップリング剤をコーティングするシラン処理を施すことを特徴とする。
〔5〕上記〔1〕又は〔2〕記載の非接触計測対象面形成用ペイント弾において、反射層となる蒸着層を形成しないガラスビーズを用いた場合の反射性能を上げるため、鏡のような役目を果たすマイカと色を付けるための色素をも含むことを特徴とする。
〔7〕上記〔1〕から〔6〕の何れか一項記載の非接触計測対象面形成用ペイント弾において、前記再帰性反射塗料が乾燥することで、非接触計測対象面(反射ターゲット)が完成することを特徴とする。
(1)河川橋梁や高所等、従来反射ターゲットとして用いてきた再帰性反射シール等を簡単に貼付できない場所へ、迅速にかつ的確に非接触計測対象面を形成することができる。
(2)距離の測定や振動測定による構造物検査作業の効率化と安全性の向上をめざすことができる。また、構造物の振動を長距離非接触測定できる新しいシステムであるUドップラー装置(詳細は後述)から照射されたレーザー光は、再帰性反射が行われるので、その再帰性反射したレーザー光をUドップラー装置で的確に検出することができ、正確な非接触計測を実施することができる。
図1は本発明で用いるレーザー光を利用した非接触距離計測装置の構成図である。
この図において、レーザー光を利用した非接触距離計測装置1は、脚2、その脚2上にセットされるセンサ部3、そのセンサ部3上に配置される照準手段としての照準スコープ4、さらにデータレコーダ5を備えている。6はその照準スコープ4に対応してセットされる非接触距離計測対象面を形成するボール発射装置、7はセンサ部3とボール発射装置6との間に挟着される衝撃乃至振動を吸収する弾性部材である。因みに、センサ部3は、例えば、レーザー光源としてHe−Neガスレーザーを用いる。なお、非接触距離計測装置1とボール発射装置6とは共通の照準手段としての照準スコープ4を備えている。したがって、非接触距離計測装置1とボール発射装置6にはそれぞれに照準手段を備える必要がないので、低コスト化を図ることができる。
また、ボール発射装置6は、非接触距離計測装置1のセンサ部3に併設するが、ボール発射装置6とセンサ部3との間には衝撃乃至振動を吸収する弾性部材7を挟着するようにしたので、ボール発射装置6のボール発射時の衝撃乃至振動を有効に吸収することができ、非接触距離計測装置1への影響をなくすことができる。
これらの図に示すように、再帰性反射ペイント弾51は球状体をなし、破砕後の再帰性反射ペイント弾51の殻(外被材)53は図7に示すようになる。
さらに、ガラスビーズを保持、固着させるためのバインダー及び無機物のガラスと有機物のバインダーをくっつけるためのシランカップリング剤、見かけの粘度を上げ、運動エネルギーを加えた時に急激な粘度低下を起こすレデューサー等を加え、塗料とした。
また、上記したように、ガラスという無機物には有機の樹脂は良く接着しないので、ガラスビーズ表面にシランカップリング剤をコーティングする。この表面処理をシラン処理という。
次に、レデューサーについて説明すると、レデューサーの組成は、水(熱湯)、ターペン及び乳化剤からなる。まず、ターペンの中に乳化剤を入れホモミキサーで十分攪拌する。この中に熱湯を攪拌しながら徐々に入れると、急に全体の粘度が上がる。ここで、入れる水(熱湯)の量を調整すると、自由に粘度をコントロールしたレデューサーを作ることができる。
図9に示すように、一般にレデューサーを水で希釈すると級数的に粘度は低下する。(レデューサー:水=80:20)
また、図10に示すように、攪拌するローターの回転数(rpm)が増加すると(運動エネルギーが増加すれば増加するほど)、塗料の粘度は低下する。図10から明らかなように、攪拌の衝撃で大きなエネルギーが加わると塗料の粘度が低下することがわかる。
(1)反射輝度は市販の反射シートとほぼ同等である。
(2)ペイント弾(玉殻)の中に塗料を入れても、ガラスビーズは沈降しない。
(3)ペイント弾(玉殻)を発射した時の衝撃では塗料の粘性は変化しない。
(4)ペイント弾(玉殻)が空中を移動中は塗料の粘性の変化はない。
(6)これ等を満足させるため、最大量の蒸着ガラスビーズと最小量のバインダーに、塗料の見かけ粘度を上げガラスビーズの沈降を防ぎ、運動エネルギーを付加することにより急激な粘度低下を起こすレデューサーを加える。
図2に示されるように、レーザー光を利用した非接触距離計測装置1とこの非接触距離計測装置に併設された非接触計測対象面を形成するボール発射装置6とを河川41の片岸に配置する。非接触距離計測装置1の照準スコープ4で非接触計測対象面を形成するボール発射装置6の照準も合わせて、再帰性反射ペイント弾(図示なし)を非接触計測対象面である対向するもう一方の岸の橋脚42に発射する。この再帰性反射ペイント弾は着弾すると破裂して測定対象面に再帰性反射塗料が付着する。この再帰性反射塗料が乾燥すると、非接触計測対象面(反射ターゲット)が完成する。上述したような再帰性反射ペイント弾は、図4に示されるように、再帰性反射塗料52がゼラチン素材等の外被材53により覆われている。また、図5に示すように、完成した反射ターゲットの反射材61上にはガラスビーズ62が付着し、光が入射した方向に戻る再帰性反射面を形成することができる。
上記した実施例では、レーザー光を利用した非接触距離計測装置について説明したが、レーザー光を利用した構造物の振動特性の計測装置として用いるようにしてもよい。
図11(a)においては、構造物の振動特性の非接触計測装置であるUドップラー装置71からの入射光72が測定対象物73の非接触計測対象面74から反射光75として反射されるが、測定対象物73がUドップラー装置71から離れる方向にあるため、周波数が低くなる。
このようにして、構造物の振動特性の計測を非接触で行うことができるが、その場合にも、上記した再帰性反射ペイント弾の着弾により測定対象物73の非接触計測対象面74を容易に形成することができる。
2 脚
3 センサ部
4 照準スコープ
5 データレコーダ
6 ボール発射装置
7 弾性部材
10 本体部
11 ガス通路
12 操作レバー
13 ピストン
20 ガスホルダー部
22 ガスボンベ
30 バレル部
31 バレル
33 再帰性反射ペイント弾(ボール)
41 河川
42 橋脚
51 再帰性反射ペイント弾
52 再帰性反射塗料
53 外被材
61 反射材
62 ガラスビーズ
71 Uドップラー装置
72 入射光
73 測定対象物
74 非接触計測対象面
75,76 反射光
Claims (7)
- レーザー光を利用して構造物の非接触計測を行う際、再帰性反射塗料を前記構造物に着弾させ付着させることにより、非接触計測対象面を形成する非接触計測対象面形成用ペイント弾であって、前記再帰性反射塗料が外被材により覆われている球状体であり、前記再帰性反射塗料はガラスビーズと、該ガラスビーズを保持・固着させるためのバインダーと、前記再帰性反射塗料の見かけ粘度を上げ、前記ガラスビーズの沈下を防ぎ、運動エネルギーの付加により前記再帰性反射塗料の急激な粘度低下を起こすレデューサーを含むことを特徴とする非接触計測対象面形成用ペイント弾。
- 請求項1記載の非接触計測対象面形成用ペイント弾において、前記ガラスビーズは屈折率1.5〜2.2、粒径(平均粒径)1〜1000μmであることを特徴とする非接触計測対象面形成用ペイント弾。
- 請求項1記載の非接触計測対象面形成用ペイント弾において、前記ガラスビーズの表面にシランカップリング剤をコーティングするシラン処理を施すことを特徴とする非接触計測対象面形成用ペイント弾。
- 請求項1又は2記載の非接触計測対象面形成用ペイント弾において、前記ガラスビーズの半球部分に反射層となる金属または金属化合物の蒸着層が形成され、前記ガラスビーズ自体が反射機能を有することを特徴とする非接触計測対象面形成用ペイント弾。
- 請求項1又は2記載の非接触計測対象面形成用ペイント弾において、反射層となる蒸着層を形成しないガラスビーズを用いた場合の反射性能を上げるため、鏡のような役目を果たすマイカと色を付けるための色素をも含むことを特徴とする非接触計測対象面形成用ペイント弾。
- 請求項5記載の非接触計測対象面形成用ペイント弾において、前記マイカの粒径はガラスビーズの粒径よりも小さいことを特徴とする非接触計測対象面形成用ペイント弾。
- 請求項1から6の何れか一項記載の非接触計測対象面形成用ペイント弾において、前記再帰性反射塗料が乾燥することで、非接触計測対象面(反射ターゲット)が完成することを特徴とする非接触計測対象面形成用ペイント弾。
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